
【要約・書評】『ゲド戦記 2 こわれた腕環 (ソフトカバー版)』の評判・おすすめポイント
アーシュラ・K・ル=グウィン|岩波書店|2006-04-07|243ページ
この本を一言で言うと
神殿の巫女テナーが「こわれた腕環」を持つゲドと出会い長年の束縛から自由へと旅立つ——ゲド戦記第2巻は少女の解放と自己発見の物語
この本の概要
「本当の名前を取り戻す」ということの重さを、この本で初めて理解した
— 31歳 福祉職、ル=グウィンを全部読んでいる
この本で学べること
女性の自己発見と解放の物語
神殿の巫女として束縛されてきたテナーが「選ぶ力」を発見する。男性中心的なファンタジーへのアンチテーゼとして書かれたル=グウィンの意図が鮮明だ。
「名前」というアイデンティティの問い
「本当の名前を取り戻す」という展開がアイデンティティの本質を問う。名前を持つことが自己の存在確立と重なるル=グウィンの哲学が貫いている。
第1巻と全く異なる視点と読み応え
第1巻が少年ゲドの成長譚なら、本作は少女テナーの解放の物語。シリーズを通じて視点と問いを変え続けるル=グウィンの知性が際立つ。
宗教的権威と個人の自由
古代神殿の秩序の中で育ったテナーが「疑問を持つことを知らなかった」という描写が権威の本質を突く。自由への最初の一歩が問いを持つことというテーマが深い。
本の目次
- 1アルハの神殿
- 2迷宮の守り人
- 3侵入者との出会い
- 4こわれた腕環
- 5名前の記憶
- 6迷宮からの脱出
- 7外の世界へ
良い点・気になる点
良い点
- ○女性の自己発見という第1巻にない視点が新鮮
- ○静かで美しいル=グウィンの文体が際立つ
- ○短く読みやすいのに内容が深い
- ○「名前」とアイデンティティという普遍的テーマ
気になる点
- △第1巻ファンはゲドが主役でないことに戸惑うかもしれない
- △静かな展開を好まない読者には物足りないこともある
みんなの評判・口コミ
Webマーケター
第1巻より第2巻の方が好きかもしれません。テナーというキャラクターが静かだけど強くて、自分の名前を思い出すシーンで泣きそうになりました。ル=グウィンの女性への視点がとても温かい。
フリーランスデザイナー
「名前を持つことの意味」というテーマがとても深い。デザインの仕事でも「命名」は重要で、テナーの体験が不思議なほど自分事に感じました。短いのに密度が高い一冊。
エンジニア
フェミニストファンタジーとして1970年代に書かれたとは思えないほど今も新鮮。「疑問を持つこと自体を知らなかった」という抑圧の描写が鋭い。現代の社会問題と重なって読める。
バックエンドエンジニア
技術的に見ると、短い作品の中に複数の問いを詰め込む構成力が凄い。「自由」「名前」「宗教」「ジェンダー」が自然に絡み合っていて、説教くさくない。名作の設計だと思います。
著者について
こんな人におすすめ
ゲド戦記第1巻を読んだ人
第1巻とは全く異なる視点と主人公で、シリーズの深みが一層広がる
フェミニストファンタジーに興味のある人
1970年代のフェミニスト文学として、女性の自己解放を静かに描く傑作
短く深い読書体験を求める人
200ページほどの短さの中に哲学的な深みが詰まった密度の高い一冊
■ 関連書籍との比較
| タイトル | 著者 | レベル | 評価 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| 影との戦い ゲド戦記 | アーシュラ・K.ル=グウィン | 中級者 | ★★★★★ 4.5 | ¥902 |
| ライオンと魔女 | C.S.ルイス | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥913 |
| 不思議の国のアリス | ルイス・キャロル | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥605 |
| はてしない物語 | ミヒャエル・エンデ | 中級者 | ★★★★★ 4.5 | ¥3,146 |
