この本を一言で言うと
白ウサギを追って不思議の国に迷い込んだ少女アリスが、奇妙な住人たちとの支離滅裂な会話と冒険を繰り広げる、1865年刊行の世界文学の傑作ファンタジー。
この本の概要
ある昼下がり、チョッキを着た白ウサギを追いかけて穴に飛び込んだ少女アリスが迷い込んだのは、常識が通じない「不思議の国」だった。大きくなったり小さくなったりしながら、チェシャ猫、帽子屋、赤の女王など個性豊かな住人たちと次々に出会うアリス。彼らとの会話はことごとく支離滅裂で、論理や常識では太刀打ちできない。オックスフォード大学の数学者・ルイス・キャロルが幼い少女アリス・リデルのために語った物語が1865年に出版され、以来160年以上にわたって世界中で読み継がれる不朽の名作。日本語訳は複数存在し、この新潮文庫版は矢川澄子訳と金子國義のカラー挿画で知られる。
「わからないこと」を楽しむ練習になった本
ティム・バートンの映画版で育ったクチで、原作を読んだのは社会人になってからだった。正直もっと早く読めばよかったと思う。
映画版と全然違うのは、アリスがわりと淡々としていること。変な状況に驚きながらも、ひるまずに住人たちに話しかけ続けるアリスが妙に頼もしい。住人たちの会話は読んでいてポカンとすることばかりで、「あ、これ私がついていけてないんじゃなくて、もともとかみ合う気のない会話なんだ」ってわかった瞬間に気持ちが楽になった。
矢川澄子の訳が古風な日本語で、最初はちょっと読みにくいと感じたけど、これが逆に不思議の国のよそよそしい雰囲気にあっている気がしてくる。金子國義の挿画が色鮮やかで、本を開くだけで気分が変わる。
薄いから気軽に手に取れるのもいい。通勤電車で読み終わって、降りたとき世界がちょっとだけ変わって見えた。そういう本。
— 34歳・デザイナー・映画と読書が趣味
この本で学べること
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本の目次
- 1ウサギ穴をおりると
- 2涙の池
- 3堂々めぐりと長い尾話
- 4ビルのおつかい
- 5イモムシの入れ智恵
- 6ブタとコショウ
- 7めちゃくちゃ会
- 8女王さまのクロケー場
- 9ウミガメモドキの物語
- 10イセエビのダンス
- 11だれがパイをとった?
- 12アリスの証言
良い点・気になる点
良い点
- ○短くコンパクトにまとまっており、ファンタジー文学の入口として最適
- ○ナンセンスユーモアと言葉遊びが随所にあり、大人が読んでも発見がある
- ○160年以上読み継がれる普遍的な魅力があり、文学の古典として価値が高い
気になる点
- △訳者によって文体や雰囲気がかなり異なるため、版を選ぶ際に注意が必要
- △ストーリーに一貫した筋道が少なく、起承転結を求める読者には物足りないことがある
みんなの評判・口コミ
★★★★★4.5
映画や舞台で何度も見てきたけど、原作を読んで初めてキャロルの言葉遊びの細かさがわかった。住人たちの会話が論理的に正しいようで全然通じていないところが不思議と面白い。矢川澄子訳の日本語も独特で好み。
★★★★★4.0
子どもと読んだが、大人のほうが深く楽しめた。子どもは絵が好きで喜んでいたが、大人になって読むと「常識に縛られた自分」をアリスとキャラクターの会話に重ねてしまう。大人向けの皮肉が随所にある。
★★★★★5.0
数学者が書いた児童文学という背景を知ってから読むと、論理の逆転や言語ゲームがいかに意図的かがよくわかる。単なる夢物語ではなく、言語と認識の哲学が詰まった作品。異なる訳で読み比べる楽しみもある。
★★★★★3.5
読む前は有名だから面白いと思ってたけど、正直なところ何がしたいのかよくわからない部分が多かった。住人との会話がかみ合わないのが最初は戸惑う。でもチェシャ猫のシーンは好きだし、不思議な世界観は楽しめた。
著者について
こんな人におすすめ
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よくある質問
Q. 複数の日本語訳があるようですが、どれがおすすめですか?▼
A. この新潮文庫版(矢川澄子訳)は独特の日本語の美しさが評価されています。他に河合祥一郎訳(角川文庫)や北村太郎訳なども人気があります。
Q. 子どもに読ませるのにふさわしいですか?▼
A. 対象は小学生以上ですが、ナンセンスな会話や抽象的な内容が多いため、大人と一緒に読んで補足しながら楽しむのがおすすめです。
Q. 続編「鏡の国のアリス」も一緒に読むべきですか?▼
A. 本作とは独立した物語ですが、同じ世界観と言語遊びが楽しめます。本作を楽しんだ方には「鏡の国のアリス」もあわせておすすめです。