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ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (徳間文庫)
初心者1986年初版、英国で長年愛されるファンタジー名作宮崎駿監督映画「ハウルの動く城」(2004年)原作

【要約・書評】『ハウルの動く城1 魔法使いハウルと火の悪魔 (徳間文庫)』の評判・おすすめポイント

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ|徳間書店|2013-03-01|416ページ

5.0
(4件)

この本を一言で言うと

魔女に老婆に変えられた少女ソフィーが魔法使いハウルの動く城に転がり込む——宮崎映画の原作として有名だが原作は映画をはるかに超えたユーモアと魔法の傑作

この本の概要

『ハウルの動く城』はダイアナ・ウィン・ジョーンズが1986年に発表した英国ファンタジーの傑作。長女だから幸せになれないと思っているソフィーは、荒地の魔女に呪いをかけられて90歳の老婆に変えられてしまう。行くあてのないソフィーは、ハウルという怠け者の魔法使いが住む動く城に転がり込む。 物語の面白さはソフィーというキャラクターにある。老婆になったことで皮肉にも「もう失うものはない」という開き直りが生まれ、積極的に動くようになる。ハウルに遠慮なく意見し、城を掃除し、火の悪魔カルシファーと取引する。 ハウルは確かに魔法使いとして強大だが、怠け者で女好き、自分への執着が強いという人間的な欠点を持つ。ソフィーとハウルの関係が徐々に変化していく過程が、コメディ的な展開の中に丁寧に描かれる。 宮崎駿の映画版(2004年)は世界的に有名だが、原作はより複雑で多層的なプロットを持ち、映画とは異なるエンディングと意外な真相がある。映画を見たことがある人こそ原作で新しい驚きを体験できる。

映画とは全然違う!でもそれが最高だった。ソフィーに本気で感情移入した

宮崎映画のハウルは昔から大好きだった。でも原作があると知りながら長年読んでいなかった。「映画で見たからいいか」という怠慢。でも去年読んで、「なんでもっと早く読まなかったんだ」と後悔した。 映画との違いは「ソフィーの内面」にある。映画のソフィーは割とすぐに「ここで生きていこう」という芯が見えるのだけど、原作のソフィーはもっとぐるぐる悩む。長女だから自分は平凡で幸せになれないと思い込んでいる呪いが、老婆の呪いよりも先にあった。 老婆になった直後から、ソフィーの変化が始まる。 「もう見た目は関係ない」という開き直りが生まれて、ハウルに向かって遠慮なく話しかける。「あなたの城、汚すぎる」「なんでこんなに散らかしてるんですか」と。ハウルが面食らう様子が面白い。 火の悪魔カルシファーとのやり取りも映画よりずっと好きだった。カルシファーはハウルと「心臓」で契約していて、自分の秘密をソフィーに打ち明けようとする。でもハウルに見られると困るから、ソフィーとカルシファーがこっそりやり取りするシーンが可愛くてほっこりした。 ハウルのキャラクターも映画より複雑で好きだった。 怠け者で女好き、鏡を見るのが好きで、女の子に言い寄っては縁を切るような男。でもその根っこには深い臆病さと自己嫌悪がある。そのギャップが「嫌なやつなのに憎めない」という絶妙な立ち位置を作っている。 ラストの展開は映画と全然違って、最初は「え、こうなるの?」と驚いたが、読み終えたら「なるほどこれが正解だ」と思った。ソフィーが自分の力に気づくシーンは映画より鮮明で感動的だった。 映画を見た人には「映画とは違う体験ができる」という意味で、見ていない人には「単独の傑作ファンタジーとして」どちらにもおすすめできる。

25歳 イラストレーター、宮崎映画が大好き

この本で学べること

「老婆に変えられたことで開き直る」独自の主人公

呪いで老婆になったことが逆にソフィーを自由にする。欠点から始まる成長というアプローチが他のファンタジーにはない新鮮さを生む。

宮崎映画とは全く異なるプロット

映画を見た人にとっても驚きの連続。原作には映画にない複雑な真相とエンディングがあり、全く別の作品として楽しめる。

ユーモアと魔法が融合した英国ファンタジー

ソフィーとハウルのコメディ的なやり取りと、深い魔法の謎が共存する。笑いながら最後は感動できる絶妙なバランスが人気の理由。

火の悪魔カルシファーとの心温まる関係

ハウルの秘密を知るカルシファーとソフィーのこっそりとした交流が物語のユーモアと暖かさを支える。脇役ながら強い存在感がある。

本の目次

  1. 1老婆になったソフィー
  2. 2動く城への移住
  3. 3火の悪魔カルシファー
  4. 4ハウルとの同居
  5. 5荒地の魔女の謎
  6. 6呪いの真相

良い点・気になる点

良い点

  • 映画を見た人でも全く新しい驚きがある
  • ソフィーというユニークな主人公が魅力的
  • ユーモアと感動のバランスが絶妙
  • 単独で完結しており読みやすい長さ

気になる点

  • 映画版と異なる点が多くファンにとって戸惑いがある
  • 原作独自の複雑なプロットが最初は分かりにくい

みんなの評判・口コミ

m
miku

Webマーケター

5.0

映画が大好きで原作を読んだのですが、全然違う!でもその「全然違う」がどちらも正解という感じで、原作には映画にない魔法の謎と真相があって読み終えてとても満足しました。ソフィーが自分の力に気づくシーンは映画より感動的でした。

a
ao

フリーランスデザイナー

5.0

イラストレーターとして動く城のビジュアルイメージが豊かで楽しい。原作の描写は映画とは違うイメージで、読みながら自分なりの城の絵が浮かんできました。カルシファーの描写が特に好きです。

ゆうと

EC企業マーケター

4.5

ハウルのキャラクターが映画より複雑で好きでした。怠け者で女好きなのに憎めない。ソフィーとの関係の変化がコメディ的に描かれていてずっと笑いながら読めました。

y
yui

フロントエンドエンジニア

4.5

翻訳が読みやすくてすぐ読めました。ユーモアの翻訳が上手で、ソフィーとハウルの掛け合いが笑えます。「老婆になって開き直る」という設定が面白すぎる。

こんな人におすすめ

宮崎映画ファン

映画では描かれなかった複雑な真相と、全く異なるエンディングを原作で体験できる

ユーモアのあるファンタジーが好きな人

笑いながら最後は感動できる絶妙なバランスを楽しめる英国ファンタジーの傑作

海外ファンタジー入門者

読みやすい文体と適度な長さで、翻訳ファンタジーへの入門として最適

関連書籍との比較

タイトル著者レベル評価価格
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よくある質問

Q. 宮崎映画と原作はどう違いますか?
A. 主要な設定は共通していますが、プロットと人物描写が大きく異なります。映画は戦争テーマを追加し、原作は複雑な魔法の謎と自己発見のテーマに重点を置いています。どちらも別の傑作として楽しめます。
Q. シリーズ物ですか?
A. 「ハウルの動く城」シリーズとして3冊ありますが、1冊目だけで完全に完結しています。2冊目以降は別の主人公が主役で独立して楽しめます。
Q. 子供でも読めますか?
A. 原著は子供向けではありますが、ユーモアと複雑な仕掛けは大人にも十分楽しめます。小学校高学年以上を目安に、大人まで幅広い年齢層に向いています。
Q. ダイアナ・ウィン・ジョーンズの他の作品は?
A. 「九年目の魔法」「クレストマンシー・シリーズ」など多数の作品があります。ハウルの動く城が気に入った方には他の作品もおすすめです。
Q. 映画を見ていなくても楽しめますか?
A. もちろんです。原作単独でも完結した傑作ファンタジーとして十分楽しめます。映画を見ていない方の方が、複雑な真相を先入観なく楽しめるかもしれません。