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【要約・書評】『モモ』の評判・おすすめポイント

ミヒャエル・エンデ|岩波書店|2005-06-15|432ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

時間どろぼう「灰色の男たち」に奪われた人々の時間を、不思議な少女モモが取り戻す哲学的ファンタジーの傑作。

この本の概要

廃墟の円形劇場に住む不思議な少女モモには、人の話をじっくり聞くという稀有な才能があった。彼女のそばにいると、人々は自然と本当のことが言えて、悩みが解けていく。ところがある日、「灰色の男たち」が街にやってきて、人々の時間を少しずつ奪い始める。効率と節約を説く彼らに騙された人々は忙しくなるばかりで、笑顔や余裕をなくしていく。モモはただひとり「灰色の男たち」の正体に気づき、時間の番人カシオペイアとマイスター・ホラの助けを借りて戦いに挑む。1973年にドイツで刊行された本作は、現代の効率主義・時間管理ブームへの痛烈な問いかけとして今もなお読み継がれる名作。子ども向けに書かれながら、大人が読むほどに刺さるメッセージが詰まっている。

残業120時間の月に読んだ。灰色の男、お前のことだよ俺の上司

正直、子ども向けと思って舐めてた。会社のSlackに「生産性向上施策」とか流れてきて、なんか気分が最悪だった夜に読み始めたんですけど。灰色の男たちが「時間を節約して銀行に預けてあげます」って人々を騙していくくだり、ああこれ現代の話じゃん、と気づいた瞬間に鳥肌が立った。 自分も確かに「会議を30分に圧縮」とか「移動中に音声学習」とかやってた。効率化した時間をどこに使ってるかというと、さらに仕事してるだけで。モモが「時間とは命そのもの」みたいなことを悟るシーンで、ちょっとやばかった。泣くとかじゃなくて、なんか虚しくなった。 読んで即なにかが変わるかというと変わらないけど、「そういえばあの本読んでから……」ってあとで気づくやつだと思う。Kindleで読めるので出張の新幹線でどうぞ。

34歳・IT企業のプロジェクトマネージャー

この本で学べること

本の目次

  1. 1第1章 円形劇場とそこにすむ子ども
  2. 2第2章 モモの友だち
  3. 3第3章 暴風雨ごっこと、ほんものの夕立
  4. 4第4章 灰色の男たち
  5. 5第5章 だれもが知っていて、だれも知らないこと
  6. 6第6章 時間の花
  7. 7第7章 なにかが変わりはじめた
  8. 8第8章 だれも知らないところへ
  9. 9第9章 ホラのうち
  10. 10第10章 時間の花の秘密
  11. 11第11章 ジジの冒険
  12. 12第12章 嵐の中のモモ
  13. 13第13章 カシオペイア
  14. 14第14章 消えた時間
  15. 15第15章 はじまりと終わり

良い点・気になる点

良い点

  • 時間・自由・人間らしさについて、物語を通じて深く考えさせてくれる
  • 子どもから大人まで楽しめる重層的な構成で、読む年齢によって受け取り方が変わる
  • 読後に自分の生き方を見直したくなる強い余韻がある

気になる点

  • 序盤の子どもたちのごっこ遊び描写が長く、テンポが遅いと感じる読者もいる
  • 翻訳文体に慣れが必要で、子どもによっては少し読みづらい場合がある

みんなの評判・口コミ

5.0

毎日残業続きで「もっと効率よくやれ」と言われる生活の中でこの本に出会った。灰色の男たちが時間貯蓄銀行を語るシーン、読んでてゾッとした。自分がまさにあの「節約」した時間をどこかに持っていかれている気がして。モモが羨ましくて泣きそうになった。

4.5

子どもの頃に読んだはずなのに、大人になって読み返したら全然違う本みたいだった。モモの「聞く力」ってすごくて、人の話をちゃんと聞くだけでこんなに人を助けられるんだって。子育てしながら読むと刺さりすぎる場面がいくつもある。

3.5

最初の船乗りごっこのところが長くて眠くなった。でも灰色の男が出てきてからはどんどん読みたくなって止まらなかった。モモみたいに話を聞いてくれる人が自分の周りにもいたらいいなと思った。

4.0

時間が足りないと悩んでいて手に取った。読み終わったあと、スマホをしばらく触れなくなった。「ゆっくり歩くことが一番の近道」みたいな言葉が頭に残って。哲学書より身にしみる内容だった。

著者について

こんな人におすすめ

よくある質問

Q. 子どもが一人で読めますか?
A. 対象年齢は小学校中学年以上とされていますが、序盤はやや難しく感じる子もいます。小学校高学年なら一人で楽しめる作品です。大人が一緒に読んで感想を話し合うのも非常におすすめです。
Q. 映画「ネバーエンディング・ストーリー」と関係がありますか?
A. 「ネバーエンディング・ストーリー」は同じエンデの別作品『はてしない物語』の映画化です。「モモ」も1986年に映画化されていますが、日本では『はてしない物語』の映画版の方が知名度が高いです。
Q. 大人が読んでも楽しめますか?
A. むしろ大人の方が刺さる内容です。効率主義や生産性への疑問、余暇の大切さ、人間的なつながりのかけがえなさなど、社会に出てから実感できるテーマが随所に散りばめられています。