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ホビットの冒険 上 (岩波少年文庫 58)
初心者1937年初版、世界的ベストセラー累計1億部以上の販売

【要約・書評】『ホビットの冒険 上 (岩波少年文庫 58)』の評判・おすすめポイント

J.R.R. トールキン|岩波書店|2000-08-18|336ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

臆病なホビットのビルボが竜の財宝を奪還する旅に引き込まれる——指輪物語の前日譚にして「最初の一冊」にふさわしいファンタジーの古典

この本の概要

『ホビットの冒険』は指輪物語の前日譚にあたる作品で、トールキンが子どもに語るために書き始めたとされる。主人公ビルボ・バギンズは「冒険などまっぴら」と思っている平凡なホビット。そこに魔法使いのガンダルフと13人のドワーフが現れ、竜に奪われた財宝を取り返す旅へと誘われる。 ビルボは次第に旅の中で自分でも知らなかった勇気と機転を発揮していく。トロルとの対峙、エルフの里エリアドールの休息、ゴラムとの謎かけ対決は特に有名な場面だ。この謎かけ対決で偶然入手した指輪が、後の指輪物語全体に繋がっていく。 物語は『指輪物語』より軽快なテンポで進み、冒険譚としての楽しさが際立つ。原著は1937年出版。現代ファンタジーの出発点として、世界中で80年以上読み継がれてきた名作だ。岩波少年文庫版は山本史郎訳で、新しい世代の読者にも親しみやすい訳文になっている。 指輪物語を読む前の入門書として、また単独の冒険小説として、どちらでも楽しめる。「臆病な主人公が旅を通じて変わっていく」という王道の成長物語が軽快に語られ、読了後は「もっとこの世界を知りたい」という気持ちになるはずだ。

「難しそう」という先入観は完全に消えた。楽しすぎる入口だった

海外ファンタジーってどこから読めばいいか分からなくて、ずっと後回しにしてきた。翻訳小説は文体が独特で読みにくいというイメージもあって。でも友達に「ホビットから始めてみ」と言われて手に取ったのがこれ。 読み始めたら3ページで先入観が消えた。ビルボが自分の家でお茶を飲んでいる日常から物語が始まるのだが、そこが妙にリアルで笑える。 ガンダルフが突然やって来て「冒険に行かないか」と言い、ビルボが焦りながら断ろうとする様子が可愛くておかしくて。それが次の朝には13人のドワーフを部屋に迎えてしまっている。 読書メーターでみんなが「ゴラムのシーンが好き」と書いていたけど、本当だった。洞窟の中の暗闇で、ビルボとゴラムが謎かけ対決をするシーン。命がかかった緊張の場面なのに、謎かけのやり取りがどこかユーモラスで、読みながら「勝て!」と思った。あの指輪が手に入る瞬間の「やった!」感も最高だった。 竜のスマウグとビルボの会話も強烈だった。竜が恐ろしいのに、どこか傲慢で矛盾した生き物として描かれていて、ビルボとの丁々発止の言葉の応酬がスリリングで面白い。あそこで一気に引き込まれた。 読み終えて感じたのは、これはビルボが「普通の人」から「冒険を経験した人」になる物語だということ。特別な能力を持たないホビットが、機転と勇気だけで切り抜けていく。「特別な才能がなくても、踏み出せば何かが変わる」という感覚が、現代に生きる自分にもリアルに刺さった。 指輪物語につながる伏線も随所に散りばめられていて、後から気づくと「ああ、あれがここに!」と興奮できる。ホビットを読んでから指輪物語へ進む流れが個人的にはおすすめ。翻訳も読みやすく、300ページちょっとなのでサクッと読める。海外ファンタジーの入口として、これ以上の一冊はないと思う。

26歳 会社員、ファンタジー小説初挑戦

この本で学べること

海外ファンタジー最良の入口

指輪物語より軽快なテンポで、初めて翻訳ファンタジーを読む方でも楽しみやすい。読了後に指輪物語へ進む流れが自然だ。

「普通の人が成長する」王道の冒険譚

臆病で平凡なビルボが旅を通じて勇気と機転を身につける。等身大の主人公の成長が読む者の心を動かす。

ゴラムとの謎かけ対決

洞窟の暗闇で繰り広げられる謎かけ対決は本作最大の名場面。指輪物語に繋がる「指輪」が登場するシーンでもある。

竜スマウグとの知恵比べ

竜が強大な力を持つと同時に傲慢で矛盾した存在として描かれる。ビルボの知恵と言葉で竜を欺くシーンは作中屈指の名場面。

本の目次

  1. 1予期せぬ集会
  2. 2焼き羊肉と焼き食いし者
  3. 3ゴブリン山を越えて
  4. 4暗闇の中で
  5. 5木の上の丘
  6. 6とつぜんのくつろぎ
  7. 7奇妙な宿屋
  8. 8雲晴れぬ旅

良い点・気になる点

良い点

  • 指輪物語より短く読みやすい翻訳ファンタジーの入門書
  • ユーモアと緊張感のバランスが絶妙
  • ゴラムや竜スマウグなど印象的なキャラクターが多い
  • 成長物語として単体で完結している

気になる点

  • ドワーフ13人の名前が多くて覚えにくい
  • 上下巻構成で続きが必要

みんなの評判・口コミ

m
miku

Webマーケター

5.0

翻訳ファンタジーへの入口として最高でした。ビルボのキャラクターが可愛くて、気づいたら応援していました。ゴラムの謎かけ対決は何度読んでも緊張します。読んでからすぐに指輪物語も買いました。

y
yui

フロントエンドエンジニア

4.5

子供の頃読んだ記憶があったけど大人になって再読したらまた違う面白さがありました。竜スマウグのシーンが特に好き。傲慢な竜をビルボが言葉巧みに欺くあたりが読んでて楽しかった。

ゆうと

EC企業マーケター

4.0

海外ファンタジーに苦手意識があったけどこれは読みやすかった。ドワーフの名前は覚えられなかったけど物語の展開が面白くて最後まで読めた。翻訳小説への抵抗感がなくなった気がします。

R
R

エンジニア

4.5

指輪物語を読む前に読んでよかった。ゴラムや指輪の「前史」を知った状態で指輪物語を読むと、随所で「あの時の!」と気づける楽しさがあります。このシリーズ順番通りに読むのが一番おすすめ。

著者について

こんな人におすすめ

翻訳ファンタジー初挑戦

文体が読みやすく短めで、海外ファンタジーへの良い入門書になる

指輪物語の前に読みたい人

この作品を読むと指輪物語の世界観や登場人物の背景が深く理解できる

成長物語が好きな人

臆病な主人公が旅を通じて変わっていく王道の成長譚を求める人に

関連書籍との比較

タイトル著者レベル評価価格
影との戦い ゲド戦記アーシュラ・K.ル=グウィン中級者★★★★★ 4.5¥902
ライオンと魔女C.S.ルイス初心者★★★★★ 4.5¥913
不思議の国のアリスルイス・キャロル初心者★★★★★ 4.5¥605
モモミヒャエル・エンデ初心者★★★★★ 4.5¥880

よくある質問

Q. 『ホビットの冒険』は指輪物語を読む前に必要ですか?
A. 必須ではありませんが、先に読むとゴラムや指輪の背景を知った状態で指輪物語を楽しめます。単体でも十分完結した物語として楽しめます。
Q. 何歳から読めますか?
A. 小学校高学年以上を目安に読めます。岩波少年文庫版は読みやすい翻訳で、大人でも十分楽しめます。
Q. 映画とどう違いますか?
A. 映画3部作(ホビット)は原作を大幅に膨らませた内容で、原作には登場しないキャラクターや展開が多くあります。原作の方がコンパクトでテンポがよいです。
Q. 上下巻ありますが、上巻だけ読む意味はありますか?
A. 上巻はエリアドールまでの旅が描かれており、それだけでも十分楽しめます。ただし物語全体の結末は下巻にあるので、上巻が気に入ったらすぐ下巻に進むことをおすすめします。
Q. 英語版と日本語訳版、どちらがおすすめですか?
A. 英語を読み慣れている方は原文も良いですが、岩波少年文庫版の翻訳は非常に読みやすく、物語の楽しさをそのまま伝えています。翻訳から読むことを強くおすすめします。