
【要約・書評】『ゲド戦記 3 さいはての島へ (ソフトカバー版)』の評判・おすすめポイント
アーシュラ・K・ル=グウィン|岩波書店|2006-04-07|352ページ
この本を一言で言うと
大賢人となったゲドが若き王子レバンヌンと共に世界から魔法が消えゆく謎を追い「さいはての島」へ旅立つ——死と均衡を問う最も哲学的なゲド戦記
この本の概要
「死を恐れる必要はない」ということを、ファンタジーで初めて信じられた
— 38歳 教師、死生観について考えることが増えてきた年齢
この本で学べること
生と死の均衡というゲド戦記の核心テーマ
シリーズ全体のテーマ「均衡(バランス)」が最も明確に描かれる集大成。生があれば死があるという世界の真理をゲドの旅が体現する。
老いたゲドと若い王子という対比
少年から老人になったゲドが若者の視点から見られる。英雄の人間としての弱さと偉大さを同時に描く構造が本作の感動を生む。
死の国という衝撃的な描写
影も光も喜びも悲しみもない灰色の死の国の描写が深く印象に残る。ファンタジーとして最も哲学的な「死後」の想像力を示す。
「与えきる」という究極の犠牲
ゲドが全てを使い果たすクライマックスは悲劇ではなく静かな完結として描かれる。力の消失を恐れない姿勢がメッセージとなる。
本の目次
- 1失われる魔法
- 2レバンヌンとの出航
- 3世界の果ての島々
- 4死の国の扉
- 5灰色の国を歩く
- 6均衡の回復
良い点・気になる点
良い点
- ○死生観と均衡というテーマの深さが際立つ
- ○老いたゲドと若い王子という対比構造が美しい
- ○死の国の描写が哲学的で印象に残る
- ○シリーズの集大成として完成度が高い
気になる点
- △前2巻を読んでいることが前提
- △テーマが重いため軽いファンタジーを求める人には向かない
みんなの評判・口コミ
ソリューション営業
ゲド戦記シリーズで一番好きな巻かもしれません。死について最も深く考えさせられた小説でした。ゲドが全てを使い果たすシーンは「悲しい」のではなく「完全」という感覚で、読み終えて清々しかった。
バックエンドエンジニア
構造的に見ると老人と若者の視点の組み合わせが完璧。ゲドの弱さが若者の目を通して見えることで、彼の偉大さがより際立つ。この設計がなければこんなに感動しなかったと思います。
エンジニア
「均衡」というテーマがここで完成する感じがありました。1巻2巻で積み上げてきたものが全部ここに繋がる。死の国の描写は文章なのに映像より鮮明に浮かびました。
データアナリスト
データ的に見ると、世界から魔法が消えていくという設定が実にうまい。具体的な現象から始まって抽象的な哲学に至る構成が一貫している。ル=グウィンの知性が全開の一冊。
著者について
こんな人におすすめ
ゲド戦記シリーズを読んでいる人
シリーズの核心テーマが最も深く描かれる集大成として読まずにはいられない
死生観について深く考えたい人
ファンタジーを通じて死と均衡という哲学的テーマに向き合いたい人に
成熟したファンタジー読者
軽快な冒険ではなく哲学的な深みを持つファンタジーを求める大人の読者に
■ 関連書籍との比較
| タイトル | 著者 | レベル | 評価 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| 影との戦い ゲド戦記 | アーシュラ・K.ル=グウィン | 中級者 | ★★★★★ 4.5 | ¥902 |
| 不思議の国のアリス | ルイス・キャロル | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥605 |
| モモ | ミヒャエル・エンデ | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥880 |
| はてしない物語 | ミヒャエル・エンデ | 中級者 | ★★★★★ 4.5 | ¥3,146 |
