この本を一言で言うと
魔法を持たない青年バンバーが、自分だけの魔力を探して謎の女性カメレオンと出会う冒険を描く、ユーモアと言葉遊びに満ちたアメリカン・ファンタジー。
この本の概要
魔法の国ザンスでは誰もが何らかの固有魔法を持って生まれる。しかしバンバーには魔力がなく、魔力なき者は追放されるという法律のもと、自分の魔法を探す旅に出る。旅の途中で出会う「カメレオン」という名の女性は、月の満ち欠けとともに容姿と知能が変化するという不思議な呪いをかけられていた。
1977年刊行(日本語版1985年)のシリーズ第1作。ピアズ・アンソニイはアメリカのFT(ファンタジー)小説で最もユーモア色が強い作家のひとりで、「ザンス」シリーズは30巻以上続く長寿シリーズとなった。特徴は徹底した言葉遊び(パンとも呼ばれる)で、英語版では駄洒落が多用されるため翻訳困難なことでも知られる。軽妙なタッチで世界観を楽しみながら読めるファンタジー。
言語学を専攻していたせいか、この本の「言葉遊び」に妙に反応した
ザンスシリーズを読んだのは大学の図書館で偶然見つけてから。ファンタジー読みの友人に「知ってる?」と聞いたら全員知らなかった。
主人公のバンバーが「魔力がない」という設定から始まるのがいい。ファンタジーの主人公は「特別な力を持つ者」が多いが、これは真逆で、自分の普通さを証明しようとする物語だ。
でも言語学的な視点で一番おもしろかったのは「カメレオン」という女性の設定で、彼女の知性と容姿が月相で変動するという呪いが、実は言語能力とも関係している描写になっている。翻訳でこれを表現するのはかなり大変だっただろうと想像した。
軽いタッチなので読書慣れしていない人にも勧めやすい。難しいことを考えずにただ冒険を楽しめる1冊。
— 26歳・大学院生(言語学専攻)の男性
この本で学べること
✓
30巻以上続く長寿アメリカン・ファンタジーシリーズ「魔法の国ザンス」の第1作
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ユーモアと言葉遊びを全面に押し出した軽妙なタッチが特徴的な作風
✓
魔力のない主人公が自分の可能性を探すというテーマが親しみやすい
良い点・気になる点
良い点
- ○読みやすいテンポとユーモラスな文体で、ファンタジー初心者にも入りやすい
- ○「誰もが固有の魔法を持つ」という設定の発想が独創的で楽しい
- ○シリーズ30巻超という圧倒的な続きの多さで、気に入れば長く楽しめる
気になる点
- △英語原文の言葉遊びが翻訳で再現しにくく、一部のユーモアが伝わりにくい箇所がある
- △軽妙すぎるため、重厚なファンタジーを求める読者には物足りない
著者について
こんな人におすすめ
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重くないファンタジーを探している人
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ユーモアや言葉遊びが好きな読者
✓
シリーズ物でたくさん読みたい人
■ 関連書籍との比較
| タイトル | 著者 | レベル | 評価 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| ライオンと魔女 | C.S.ルイス | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥913 |
| ハリー・ポッターと賢者の石 | J.K.ローリング | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥2,750 |
| はてしない物語 | ミヒャエル・エンデ | 中級者 | ★★★★★ 4.5 | ¥3,146 |
よくある質問
Q. シリーズは全部で何巻ありますか?▼
A. 英語版では40巻以上、日本語翻訳版では複数の出版社から10数冊が出ています。版によって入手可能なものが変わりますので、古書店やオンラインマーケットで探すのがおすすめです。
Q. 子どもでも読めますか?▼
A. 基本的にティーン以上向けです。軽妙なユーモアが多いですが、一部アダルトなニュアンスも含む箇所があります。
Q. 指輪物語やナルニアとは雰囲気が全然違いますか?▼
A. はい、全く違います。指輪物語が重厚な叙事詩とすれば、ザンスシリーズはコメディ要素の強い冒険ファンタジーです。
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タグ
ファンタジー小説海外文学シリーズユーモア
対象読者
ユーモアとファンタジーが混在した軽妙な物語を求める読者。言葉遊びや謎解き要素が好きな人。ダークすぎないエンタメ系ファンタジーを楽しみたい人。
書籍情報
- 出版社
- 早川書房
- 発売日
- 1985-11-30
- ページ数
- 458p
- ISBN
- 978-4150200312
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