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白鳥異伝 上
中級者ファンタジー小説

【要約・書評】『白鳥異伝 上』の評判・おすすめポイント

荻原規子|徳間書店|2024-12-09|320ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

日本神話とヤマトタケル伝説を紡ぎ直す——勾玉シリーズ第2作が新装版で復活

この本の概要

勾玉三部作の第2作。日本書紀・古事記の「ヤマトタケル」の物語をもとに、大和と出雲の対立と愛を壮大に描く和風ファンタジー。 荻原規子の代表作シリーズとして、第1作「空色勾玉」(1988年)から続く和製ファンタジーの傑作。空色勾玉は水の神と人間の少女の物語だったが、白鳥異伝はヤマトタケルを軸に男性主人公で全く異なる雰囲気を持つ。 日本古代の風土と神話をベースにしながら、ロマンスと戦記を融合させた物語。草薙剣・白鳥の魂・大和と出雲の神々が交錯する壮大な世界観が特徴。 2024年に新装版として徳間文庫から再刊行。荻原規子ファンはもちろん、和風ファンタジー入門としても手に取りやすい形になった。

空色勾玉が好きなら絶対読まないといけない——白鳥異伝の重厚さに圧倒された

「空色勾玉」を読んだのが中学生のころで、そのあとすぐに白鳥異伝を読もうとしたんだけど当時は見つからなくて。それが新装版で出るというので、ようやく読めた。 空色勾玉と比べると、全体的にトーンが重い。空色が水の神と少女の恋を軸にした比較的明るい物語だとしたら、白鳥異伝はヤマトタケルの悲劇的な側面が中心になる。ヤマトタケルって、勇敢な英雄像のイメージが強かったけど、この本では「使い捨てにされる英雄」という側面が強調されていて、読んでいて胸が痛い。 日本神話って学校で習うレベルしか知らなかったけど、荻原さんの手でこんなに立体的になるんだな、と驚いた。大和と出雲の対立という構図が軸にあって、どちらが「正しい」とは言わない描き方が特に好き。歴史の敗者側の視点が丁寧に描かれていた。 上下巻あるので時間はかかるけど、空色勾玉を読んでから通して読む価値は絶対にある。荻原規子の和風ファンタジーは、日本という土地に根ざした独自の世界観があって、海外ファンタジーとは全く違う読後感がある。

空色勾玉ファンの会社員・28歳女性

この本で学べること

勾玉三部作の第2作・日本神話を題材にした和風ファンタジー

ヤマトタケルの伝説をもとにした壮大な物語。大和と出雲の対立を軸に、日本古代の神話世界を繊細に描く。

新装版で読みやすくなって再刊行

2024年に徳間文庫から新装版が刊行。長年読みたくても入手できなかった読者もこれで読みやすくなった。

空色勾玉とは全く異なるトーンで続く

第1作の明るい水の世界から一転、ヤマトタケルの悲劇的な側面が中心になる重厚な物語。シリーズとして一作ごとに世界観が広がる。

歴史の敗者側・出雲の視点も丁寧に描く

大和の勝者視点だけでなく出雲側の論理と感情も平等に描かれており、日本古代史への興味も引き出す。

良い点・気になる点

良い点

  • 日本神話・古代史をベースにした独自の世界観
  • ヤマトタケルを多角的に描く重厚な物語
  • 荻原規子ならではの繊細な人物描写
  • 新装版で手に入りやすくなった

気になる点

  • 上下巻あるので完結まで時間がかかる
  • 空色勾玉を先に読んでいないと世界観への没入感が薄い部分がある

みんなの評判・口コミ

5.0

空色勾玉が好きで読みました。ヤマトタケルの悲劇的な側面がこんなに丁寧に描かれているとは思わなかった。大和と出雲の対立、どちらの側にも正義があって苦しい。荻原規子の日本神話への愛情が伝わってくる。

4.5

ヤマトタケルって授業で習った程度の知識しかなかったけど、読み終わって俄然興味が湧いた。荻原さんの描く古代の世界が本当に生き生きとしている。新装版で出てよかった。

4.0

西洋ファンタジーとは全く違う、日本の土地の神々の物語。草薙剣が登場したときの高揚感はこの作品でしか味わえない。荻原三部作は全部読むべき。

4.0

新装版きっかけで再読したけど、大人になってから読むとまた違う読み方ができる。ヤマトタケルが「使われている」側面が見えてきて、より切なくなった。

著者について

こんな人におすすめ

勾玉シリーズ「空色勾玉」を読んでいる人

日本神話・古代史を題材にしたファンタジーが好きな人

海外ファンタジーとは違う日本独自のファンタジーを探している人

関連書籍との比較

タイトル著者レベル評価価格
空色勾玉荻原規子中級者★★★★★ 4.5¥1,870
夜市恒川光太郎中級者★★★★★ 4.5¥792
精霊の守り人上橋菜穂子中級者★★★★★ 4.5¥825

よくある質問

Q. 空色勾玉を読んでいなくても読めますか?
A. 読めますが、勾玉三部作の第2作として「空色勾玉」を先に読んでから読む方が世界観の理解が深まります。荻原規子の作風に慣れるためにも、まず第1作からの順番をおすすめします。
Q. 上下巻ありますが、続けて読んだ方がいいですか?
A. 物語が上巻でいったん区切りになるので、別々に読んでも問題ありません。ただし上巻を読んだらすぐ下巻を読みたくなるはずなので、両方まとめて入手することをおすすめします。
Q. ヤマトタケルの知識は必要ですか?
A. 日本書紀・古事記を読んでいなくても楽しめます。ただし事前にヤマトタケルの基本的な伝説を知っていると、物語の解釈がより豊かになります。

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