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中級者国際アンデルセン賞作家賞(2014年、著者上橋菜穂子)日本児童文学者協会新人賞新美南吉児童文学賞小学館児童出版文化賞

【要約・書評】『精霊の守り人』の評判・おすすめポイント

上橋菜穂子|新潮社|2007-03-27|360ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

精霊の卵を宿した皇子を、骨の髄から戦いを愛する女用心棒バルサが命をかけて守る、緻密な世界観の和製ファンタジーの傑作。

この本の概要

老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿したことで、父である帝から疎まれ、暗殺の標的となった幼い皇子を守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。著者の上橋菜穂子は文化人類学者でもあり、架空の王国の建国神話、先住民の伝承、宗教体系に至るまで緻密に構築された世界が大きな魅力。骨太な女性主人公バルサの存在感と、チャグムとの疑似親子的な関係が読者の心を掴む。NHKでアニメ化・大河ドラマ化もされたロングセラーで、守り人シリーズ全10巻の第1作。2014年、著者は国際アンデルセン賞作家賞を受賞。

十二国記ファンの私が「やばい、これも最高じゃん」と夜中に叫んだ話

十二国記さえあればいいと思ってた。本当に。でも友達に「精霊の守り人、読んでないの?」って言われて、まあ一応ねというテンションで読み始めたら、明け方まで読んでた。 バルサというキャラクターがとにかく良くて。強いだけじゃなくて、疲れるし傷つくし、過去に縛られてもいる。でも「骨の髄から戦いが好き」って言えるくらい自分を知ってる人。こういう大人になりたいと思ったし、自分は全然そうじゃないなとも思った。 世界観の作り込みがすごい。架空の国なのに神話があって民俗学的な設定があって、読んでいて「本当にこんな国があったんじゃないか」という気になる。仕事でいろんな患者さんと話すんですけど、この本を読んでから「話を聞くってこういうことか」みたいに変わった気がする。バルサがチャグムに関わる姿勢がそう思わせるのかもしれない。

32歳・看護師(休日は読書三昧)

この本で学べること

本の目次

  1. 1第一章 橋の上の闘い
  2. 2第二章 逃亡
  3. 3第三章 バルサの過去
  4. 4第四章 精霊の卵
  5. 5第五章 刺客たち
  6. 6第六章 建国神話の秘密
  7. 7第七章 先住民の伝承
  8. 8第八章 異界の魔物
  9. 9第九章 運命の夜
  10. 10終章 別れと旅立ち

良い点・気になる点

良い点

  • 女性が主人公でありながら、戦闘の描写がリアルで迫力がある
  • 架空の国の歴史・宗教・民族が緻密に設計されており、世界観の没入感が高い
  • アニメや実写ドラマとあわせて楽しめるメディアミックス展開

気になる点

  • シリーズ全10巻の1作目のため、本作だけでは世界観の全貌が見えない
  • 精霊世界の設定が複雑で、序盤の情報量が多いと感じる読者もいる

みんなの評判・口コミ

5.0

十二国記と並んで国内最高峰の和製ファンタジーだと思う。バルサのキャラクターがとにかく好きで、強くてかっこいいのに過去の傷を抱えていて。チャグムとのやりとりが親子みたいで、読みながら何度も胸が痛くなった。アニメも良かったけど原作はさらにいい。

4.5

文化人類学的な世界構築がほかの日本のファンタジーと全然違う。神話と現実の政治が絡み合う構造が本当によく考えられていて、読んでいて信頼感がある。バルサのアクションシーンは映像で見たくなる迫力。

4.0

NHKのアニメが好きで原作を読んだ。アニメより細かい設定がわかって面白かった。バルサが最初から最後まで強くてかっこよくて、こういう大人になりたいと思った。続きも全部読みたい。

3.5

序盤の政治的な背景と精霊の設定が一気に来て少し混乱した。でも中盤からはすごく面白くてどんどん読めた。バルサが弱みを見せるシーンがあって、そこから一気に好きになった。ライトノベルに慣れていると文体が少し重く感じるかも。

著者について

こんな人におすすめ

よくある質問

Q. シリーズは何冊ありますか?
A. 守り人シリーズは全10作あります。本作が第1作で、バルサを主人公とする「守り人シリーズ」とチャグムを主人公とする「旅人シリーズ」に分かれ、それらが交差しながら大きな物語を形成します。
Q. アニメや実写ドラマとどちらが先がよいですか?
A. どちらから入っても楽しめますが、原作を先に読む方が世界観の細部まで楽しめます。NHKのアニメは原作に忠実で高評価、2016年のNHK大河ファンタジーも話題になりました。
Q. 「鹿の王」や「獣の奏者」と同じ世界観ですか?
A. 守り人シリーズ・鹿の王・獣の奏者はそれぞれ独立した世界観の作品です。同じ著者による作品ですが、物語のつながりはありません。どれから読んでも楽しめます。