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ホイール・オブ・タイム 竜王伝説 上 (ハヤカワ文庫FT)
上級者全世界累計9000万部以上のベストセラーシリーズAmazonプライムビデオドラマシリーズ化

【要約・書評】『ホイール・オブ・タイム 竜王伝説 上 (ハヤカワ文庫FT)』の評判・おすすめポイント

ロバート・ジョーダン|早川書房|2021-10-29|528ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

暗黒の主の復活を阻む「竜の転生者」を巡る壮大な世界規模の戦い——14巻にわたる現代ファンタジー最大の叙事詩の幕開け

この本の概要

『ホイール・オブ・タイム』はロバート・ジョーダンが1990年から書き続け、没後はブランドン・サンダーソンが引き継いで完結させた全14巻の超大作ファンタジー。日本語版「竜王伝説」上・中・下はその第1巻にあたる。 「時の車輪」は果てしなく回り続け、過去のことはすべて再び起こる。今、闇の主が復活しようとしている。その復活を阻むのが、かつてリドラゾールとして闇の主を封印した「竜」の転生者だ。辺境の村エモンズ・フィールドに住む3人の若者——ランド、マット、ペリン——のうちの一人がその転生者だという。 エイズ・セダイという魔法使いの女性組織が3人を連れ出すところから物語は動き出す。追ってくる「ミルドラール」と呼ばれる暗黒の存在から逃げながら、3人は徐々にそれぞれの能力と使命を見出していく。 世界観の密度は指輪物語に匹敵する。様々な文化・言語・組織が丁寧に作り込まれ、14巻を通じてすべてが繋がる精緻な設計が世界中のファンを魅了し続けている。Amazonプライムドラマシリーズとしても映像化された。

「世界最大のファンタジー」は本当だった。圧倒的な密度に溺れた

ホイール・オブ・タイムのことは以前から聞いていた。「英語版は1400万語、14巻」「ファンが死後も完結を願った」「指輪物語級の世界観」。そんな評判を聞きながらも、なかなか読む踏ん切りがつかなかった。 読み始めたのはAmazonのドラマシリーズが話題になった時期。第1話を見てから、「原作を読まないと損だ」という確信があった。 序盤のエモンズ・フィールドの描写がとても丁寧だった。 ランドたちの日常、村の習慣、祭りの様子。そこに突然やって来るエイズ・セダイのモイレーンとその護衛ランくんの存在感。「この村には何かある」という不穏な空気が丁寧に構築されていく。 ミルドラールに追われる逃走劇からテンポが急激に上がる。闇の中で吠える「アムラン(ミルドラールの仲間)」の恐怖、廃墟の都市での一行の離散、それぞれが別の場所で別の試練を受けるシーン。3人の視点が切り替わりながら物語が進む構造は最初少し戸惑うが、すぐに「それぞれに追う」楽しさが分かる。 エイズ・セダイの世界観設定が特に気に入った。魔法(オーム・サイダー)は男性が使うと狂気をもたらし、女性しか安全に扱えない。だからエイズ・セダイは女性だけの組織で男性魔法使いを監視・排除する立場にある。この権力とジェンダーの設定が後の物語に複雑な問題を生み出すと第1巻を読んで予感した。 とにかく壮大だ。第1巻だけで他のシリーズ全体分くらいの情報量がある。それが苦にならない人には最高の体験ができる。「一生読み続けられるシリーズ」が欲しい人に強くすすめる。

35歳 エンジニア、壮大なファンタジーシリーズが好き

この本で学べること

全14巻で完結する現代最大の叙事詩

1990年から2013年まで書き継がれた全14巻は英語版で1400万語以上。完結している壮大なシリーズを全部体験する満足感は他では得られない。

精緻に作り込まれた世界観

複数の文明・文化・言語・魔法システムが緻密に設計されており、14巻を通じてすべてが繋がる設計が世界的なファンを生み続けている。

男性魔法使いをめぐる独自のジェンダー設定

魔法が男性には狂気をもたらし女性だけが安全に使える設定は独自で複雑。権力・ジェンダー・運命をめぐる問いが全シリーズを通じたテーマだ。

複数の主人公による視点の多様性

ランド、マット、ペリンの3人の若者が別々の道を歩む。それぞれの成長と特性がシリーズを通じて描かれる。

本の目次

  1. 1プロローグ
  2. 2エモンズ・フィールドの村
  3. 3暗黒の追跡
  4. 4逃走と離散
  5. 5ブリランの廃墟
  6. 6それぞれの試練

良い点・気になる点

良い点

  • 完結した全14巻で一生楽しめる叙事詩
  • 世界観の密度が指輪物語に匹敵
  • 各主人公の個性と成長の描き分けが優れている
  • 日本語訳も良く読みやすい

気になる点

  • 全14巻という分量で読み通すには相当な覚悟が必要
  • 序盤の情報量が多く慣れるまで時間がかかる

みんなの評判・口コミ

n
nao

バックエンドエンジニア

5.0

全14巻読みました。指輪物語と同等か、それ以上の世界観の豊かさだと思います。各巻で登場人物が増えていくのに全員に感情移入できるのが凄い。完結しているので安心して読み始められます。

のり

ソリューション営業

4.5

エイズ・セダイの設定が特に気に入りました。女性だけの魔法使い組織が権力を持ち、男性魔法使いを狩る世界。その緊張関係が面白い。序盤は情報量が多いですが、慣れると止まれない。

R
R

エンジニア

4.0

Amazonドラマから入って原作を読みました。ドラマより原作の方が世界観が豊かです。ランドとペリンとマットの個性が際立っていて、自分はペリン推しになりました。

t
taro

MLエンジニア

4.0

壮大すぎて最初は戸惑いました。でも逃走劇が始まってからは止まれない。魔法システムの設計が論理的で、エンジニアとして「よく考えられている」と感心しました。

こんな人におすすめ

長大なシリーズを読み切りたい人

完結した全14巻の叙事詩を一生楽しめる体験として求める人に

指輪物語を読んだ後の「次の大作」を探している人

指輪物語に匹敵する世界観の密度と完成度を求める読者に

Amazonドラマシリーズを見た人

ドラマで描かれなかった世界観の豊かさを原作で体験できる

関連書籍との比較

タイトル著者レベル評価価格
影との戦い ゲド戦記アーシュラ・K.ル=グウィン中級者★★★★★ 4.5¥902
ライオンと魔女C.S.ルイス初心者★★★★★ 4.5¥913

よくある質問

Q. 全14巻読まないと楽しめませんか?
A. 第1巻「竜王伝説」上中下だけでも十分完結した冒険として楽しめます。ただし最大の満足感を得るには全巻読むことをおすすめします。
Q. 著者が途中で亡くなったと聞きましたが?
A. ロバート・ジョーダンは2007年に逝去しましたが、彼の残したノートと妻の依頼を受けてブランドン・サンダーソンが後半3巻を執筆し完結させました。
Q. Amazonドラマシリーズを見ていれば原作は不要ですか?
A. ドラマは原作を大幅に改変しており、主要なキャラクターの扱いも異なります。原作の方が世界観が豊かで深く、ドラマを見た人こそ原作を読む価値があります。
Q. 指輪物語との違いは何ですか?
A. ストーリー構造は異なりますが、世界観の密度という点では共通する魅力があります。ホイール・オブ・タイムの方が登場人物が多く、政治・組織・ジェンダーのテーマがより複雑です。
Q. 日本語版は全巻出ていますか?
A. 早川書房から複数の分冊形式で刊行されています。完全に全巻翻訳されているかは確認が必要ですが、メインシリーズは日本語で読めます。