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烏に単は似合わない
中級者第13回小説すばる新人賞受賞シリーズ累計100万部超自己啓発

【要約・書評】『烏に単は似合わない』の評判・おすすめポイント

阿部智里|文藝春秋|2014-06-09|336ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

烏が人に化ける異世界「山内」で皇太子妃を巡る四人の姫の闘争が始まる——デビュー時から話題の本格和風宮廷ファンタジー。

この本の概要

阿部智里が大学在学中に書き上げた「八咫烏シリーズ」の第1作。舞台は烏が人に化ける異世界「山内(やまうち)」。人間の技術を持たない代わりに、高度な文明と独自の政治体制を持つ世界が緻密に描かれている。 物語は皇太子・若宮の后を選ぶ「金烏代(きんうしろ)」を巡って、四人の有力豪族の姫たちが宮廷に集まるところから始まる。貴族社会の権謀術数と女性同士の心理戦が展開する中、やがて思いもよらない真相が明らかになる。 本作の特徴は徹底した世界観の構築だ。山内の政治体制、文化、言語、宗教に至るまで、リアリティを持って描かれている。和風でありながら独自の架空世界であるため、既存の日本史との混同なく純粋にファンタジーとして楽しめる。 第1作として東京創元社の新人賞を受賞し、大学在学中の作品として話題に。シリーズは現在も継続中で、累計100万部超の人気作品。2020年には文春文庫版が刊行された。

大学生が書いたとは信じられない——烏の世界に完全に引き込まれた

友人に「大学在学中に書いた作品で新人賞を取ったらしい」と聞いて手に取った。最初の数ページを読んで、これが本当に学生の作品なのかと驚いた。世界観の作り込み方が尋常じゃない。 八咫烏シリーズの舞台「山内」は、烏が人に化ける異世界。現代日本でも、SF的な未来でもない、完全に独立した世界が描かれている。政治体制、身分制度、風習、言葉遣い——どれも日本的な美意識を持ちながら、現実の日本史とは異なる独自の論理で動いている。読み進めるほどにこの世界のルールが体に染み込んでいく感覚があった。 物語の核は「誰が若宮の后になるか」を巡る四人の姫の心理戦。これがなかなか複雑で面白い。表向きは優雅な宮廷生活なのに、その裏では計算と謀略が渦巻いている。登場人物がそれぞれ思惑を隠しながら動いており、誰が味方で誰が敵かわからない緊張感が最後まで続く。 特に印象的なのはラストの展開。途中まで「宮廷ロマンス」と思っていたら、ガラリと物語の景色が変わる。このどんでん返し的な構成がシリーズの評価が高い理由のひとつだと思う。 純粋な和風ファンタジーを探している人、宮廷もの・謀略ものが好きな人には強くお勧めしたい。シリーズは10巻以上続いているが、この1巻だけでも完成度が高く、まず試しに読んでほしい一冊。

29歳 会社員、宮廷もの・謀略小説が好き

この本で学べること

完全オリジナルの和風異世界「山内」

烏が人に化ける独自の世界観。日本的美意識を持ちながらも完全に独立した架空世界が緻密に構築されており、没入感が高い。

宮廷政治×心理戦の本格ファンタジー

皇太子妃選びを巡る四人の姫の権謀術数と心理戦が核心。表向きの優雅さの裏に隠された計算と謀略が展開する。

大学在学中に書いた新人賞受賞作

阿部智里が大学在学中に書き上げた作品で、その完成度の高さは当時から話題に。シリーズは現在も継続中で累計100万部超。

本の目次

  1. 1第一章 山吹
  2. 2第二章 桜
  3. 3第三章 藤
  4. 4第四章 躑躅
  5. 5第五章 金烏代

良い点・気になる点

良い点

  • 世界観の作り込みが徹底しており、没入感が非常に高い
  • 宮廷政治・謀略もの好きには特に刺さる展開
  • 予想外の展開・どんでん返し的な構成が秀逸
  • シリーズが長く続いており、はまれば長く楽しめる

気になる点

  • 登場人物が多く、序盤は人物関係の把握に少し手間がかかる
  • 前作を読んでから続きを読むスタイルなので、シリーズ全体への投資が必要

みんなの評判・口コミ

r
risa

会社員

5.0

大学生が書いたと聞いて読みましたが、世界観の完成度に驚きました。山内の政治体制や文化が細部まで考えられていて、本当に実在する世界のように感じる。宮廷ものが好きな人には特に強くお勧めしたい。ラストの展開は読んでいる最中に声が出そうになりました。

なな

ブロガー

4.5

書評ブログで紹介するために全シリーズ読みましたが、この1巻の完成度は特に高い。「宮廷ロマンス」と思って読み始めると、最後に別の物語になっている。謀略もの好きには絶対おすすめ。和風ファンタジーの中でも独自の地位を持っている作品です。

y
yuki

大学院生

4.5

架空世界の構築の仕方が学術的にも興味深い。山内は日本的な美意識を持ちながら、現実の日本史の知識なしに読める独立した世界。烏の習性と人間の政治が組み合わさった設定は独創的で、ファンタジーの世界観設計として秀逸だと思います。

中村

個人投資家

4.0

年100冊の中で、これほど世界観が作り込まれた和風ファンタジーはなかなかない。登場人物が多く最初は混乱したが、慣れると各キャラクターの思惑が見えてきて面白い。シリーズを通して読むことで物語の全貌が見えてくる構成。

著者について

こんな人におすすめ

本格和風ファンタジーを求める人

完全オリジナルの架空世界「山内」が緻密に構築された、没入感の高い本格ファンタジー。

宮廷政治・謀略ものが好きな人

表向きの優雅さの裏に隠された権謀術数と心理戦が、物語の醍醐味のひとつ。

長期シリーズを楽しみたい人

シリーズは10巻以上続く長編。はまれば長く楽しめる、読み応えある作品群。

関連書籍との比較

タイトル著者レベル評価価格
空色勾玉荻原規子中級者★★★★★ 4.5¥1,870
精霊の守り人上橋菜穂子中級者★★★★★ 4.5¥825

よくある質問

Q. 『烏に単は似合わない』はシリーズの第何作目ですか?
A. 八咫烏シリーズの第1作目です。このシリーズは現在も継続中で、まずこの1巻から始めることをお勧めします。
Q. 1巻だけで完結していますか?
A. 1巻はある程度の完結性を持ちながらも、シリーズ全体への伏線が多く含まれています。続きが気になる構造になっています。
Q. 「烏」というのはどういう設定ですか?
A. 舞台の「山内」は、ヤタガラス(八咫烏)の血を引く一族が人の姿に化けて暮らす架空世界です。現実の日本とは別の、完全なファンタジー世界です。
Q. 女性向けの作品ですか?
A. 女性読者に人気がありますが、宮廷政治や謀略の要素が強く、男性読者にも楽しんでいただける内容です。
Q. どのくらい読みやすいですか?
A. 登場人物が多めで序盤は人物関係の把握に少し時間がかかりますが、慣れると物語の面白さが加速します。中級以上の読書体験がある方向けです。

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