中学生おすすめ小説感動本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年8月
橘ナナミ
中学生向けの感動小説、ランキングを眺めるとどれも泣けそうで迷います。「とにかく泣きたい」だけで選んでもいいんですか?
佐藤メバル
それが一番の落とし穴です。感動にも「家族の絆」「友情の切なさ」「恋の痛み」「努力の美しさ」「喪失」「社会の問題」と成分が違う。たとえば『あと少し、もう少し』は駅伝に懸ける仲間の努力、『桐島、部活やめるってよ』は部活の人間関係に生じるさざ波。どちらも「青春の切なさ」でも、泣けるポイントが全然違います。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ「今の気分はこれ!」という感情から選ぶのが早いんですね。
佐藤メバル
そう。それに加えて、中学1~3年では読める文字量もテーマの受け止め方も違う。学年や読書経験を考えずに長編を渡すと、感動する前に挫折してしまいます。
橘ナナミ
そこまでわかると、ランキングの数字だけじゃない選び方が見えてきました。
中学生おすすめ小説感動本の選び方
1. どの感情で揺れたいかで選ぶ
橘ナナミ
やっぱり恋愛ものが多いイメージです。
佐藤メバル
確かに『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』や『桜のような僕の恋人』は恋愛の喪失。でも友情なら『サッカーボーイズ』、家族なら『手紙屋 蛍雪篇』、戦争と社会なら『雲の涯』。「感動の成分表示」を頭に置くと、自分に必要な1冊が絞れます。
2. 中学1・2・3年の発達段階に合わせる
橘ナナミ
中1の子に渡すなら、何を目安にすれば?
佐藤メバル
文字量と抽象度です。中1なら176頁の『こんな部活あります』や、ふりがな付き『部活やめてもいいですか。』から。中2になると227頁の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が読めます。中3なら384頁の『小説 すずめの戸締まり』や、複数視点の『桐島、部活やめるってよ』が挑戦しやすい。
3. 形式とページ数で読了感を変える
橘ナナミ
長編を読み切れない子には短編集ですか?
佐藤メバル
『14歳の本棚 部活学園編』は複数の青春小説が入った傑作選。連作短編なら『あと少し、もう少し』。一気に読める日記形式や会話文中心の作品もあります。「本を閉じたときの満足感」は形式でだいぶ変わります。
4. 入手環境で選ぶ
橘ナナミ
書店にない本でも大丈夫ですか?
佐藤メバル
学校図書館なら「部活」「戦争」「恋愛」の棚を探すと出会えます。文庫化されている『走れ! T校バスケット部』は手に取りやすい。電子書籍・オーディオブック版がある作品も。「読める環境」を選ぶ基準に加えてください。
5. 読んだあとの使い道で選ぶ
橘ナナミ
読書感想文には何がいいんでしょう。
佐藤メバル
テーマが明確な戦争もの『雲の涯』や、親子関係から始まる『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は書きやすい。友達と語りたいなら『成瀬は天下を取りにいく』。「読後の対話」まで想像して選ぶと、一冊の満足度が上がります。
中学生おすすめ小説感動本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
中学生おすすめ小説感動本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 (野いちごジュニア文庫)
汐見夏衛 著|スターツ出版
¥737(税込)
親とうまくいかず学校でも居場所がない中2の百合が、家出した先で目覚めるのは70年前の戦時中。偶然助けてくれた特攻隊員・彰と過ごすうちに、彼の誠実さと優しさに惹かれていくけれど、彼はやがて命を懸けて飛び立つ運命にあります。タイムスリップものだからこそ、読者は百合と一緒に“戦争の現実”を突きつけられるのが大きな特徴です。泣ける展開だけでなく、「今の日常がどれだけ大切か」をそっと考えさせてくれるところが、この本の読みどころ。時代を超えて伝わる彰の想いに、涙が止まらなくなります。
こんな人におすすめ
戦時中の日本をリアルに想像しながら、切ない恋物語を読みたい中学生に。泣ける話が好きだけど、ただの恋愛ものでは終わらない深さを求める人にもぴったりです。
良い点
- タイムスリップで戦争が身近に感じられる
- 切ない恋と衝撃の結末が印象的
- 主人公の中学生の視点で読みやすい
気になる点
- 戦時中の描写がつらく感じるかも
- 切なさが強く、後味が重い
出版社
スターツ出版
発売日
2021年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、すごく話題になったお話ですよね。タイムスリップして特攻隊員と恋をするって、設定を聞くだけでもう泣けそうです……。
佐藤メバル
そうだね。ただの泣ける恋物語にしないのが、この作品のすごいところ。百合が最初は戸惑いながらも、彰と過ごす中で戦時中の日常を見て、今の自分と重ねて変わっていく。
“自分だったらどうするか”を考えずにはいられないから、読み終わったあとの余韻が大きいんだ。
橘ナナミ
なるほど……。今の中学生が主人公だから、余計に自分ごととして読めるんですね。家出先で目が覚めたら戦時中って、本当に突然ですもんね。
佐藤メバル
そう。百合とほぼ同じ年齢の読者が、同じように“いきなり戦争の時代に放り込まれたら?”と想像できる。それがこの物語のいちばんの魅力で、同時に戦争のむごさを伝える工夫にもなっているんだよ。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)
朝井リョウ 著|集英社
バレー部のキャプテン・桐島が突然部活をやめた。そのたった一つの出来事が、同じ高校のさまざまな部活・立場の生徒たちに波紋を広げていく。バレー部、ブラスバンド部、女子ソフトボール部、映画部、野球部――5つの視点で語られる物語が少しずつ重なり合い、最後にひとつの絵が浮かび上がる構成が秀逸です。青春小説によくある“主人公の成長”だけではなく、桐島という存在を中心にした“周りの人たちの心の動き”を描いているのが特徴。自分はあのとき何を見ていただろうと考えさせられる、思春期のリアルな群像劇です。
こんな人におすすめ
部活やクラスの中での人間関係にモヤモヤする中学生に。「何かが変わる瞬間」を第三者視点で見つめたい人に。5人の視点が交差する構成を楽しみながら読めます。
良い点
- 5つの視点が絡み合う構成が鮮やか
- 各キャラクターの心理がリアル
- 映画化作品としても有名で話題にしやすい
気になる点
- 派手な展開がないので人を選ぶ
- どうしようもないモヤモヤが残る
出版社
集英社
発売日
2012年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
桐島が部活をやめただけで、そこまで周りが影響を受けるものなんですね。私も高校のとき、中心人物が辞めたら空気が変わった記憶があります。
佐藤メバル
まさにそこがこの小説のテーマなんだ。桐島がやめた“理由”を直接描かず、周りの人たちがどう感じ、どう動くかを描くことで、思春期の同調圧力や自己肯定感の問題が浮かび上がってくる。
橘ナナミ
あえて理由を書かないんですね。だからこそ読者それぞれが“自分だったらどう思うか”を考えるんですかね。
佐藤メバル
そう。桐島という存在は読者には見えない“鏡”みたいなもの。それぞれの視点を読んでいくと、自分がどのタイプの登場人物に近いかが見えてくるんだ。
そこがこの作品の面白さであり、少し怖いところでもあるね。

余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話 (ポプラ文庫ピュアフル も 2-1)
森田碧 著|ポプラ社
¥836(税込)
高校1年の冬、心臓病で余命一年を宣告された秋人は、入院先で同じく余命わずかな春奈と出会います。春奈は「死ぬのが怖くない」と言うけれど、本当は怖いはず。自分の病名を隠して彼女と過ごすうちに、秋人は「自分は恋をしてもいいのだろうか」と自問します。余命を告げられた者同士だからこそ生まれる、ぎこちなくてまっすぐな関係が丁寧に描かれています。“期限付きの恋”だからこそ輝く日常の一瞬一瞬が胸に刺さる、究極の純愛小説です。映画化もされた人気作で、読み終わった後は今日という日を大切にしたくなります。
こんな人におすすめ
切ない恋愛小説を読みたい中学生に。涙活したい日や、普段の何気ない一日を特別に感じたいときにぴったり。純愛ものの定番を押さえたい人にもおすすめです。
良い点
- 余命同士という設定が切なく新鮮
- 淡々とした日常の美しさがある
- 映画化話題作で友達と語り合える
気になる点
- 重いテーマで読むのに勇気がいる
- 展開が切なすぎて何度も泣ける
出版社
ポプラ社
発売日
2021年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
余命宣告された二人が恋をするって、タイトルからしてもう切ないですね。でも、なんで相手に病名を隠してしまうんでしょう?
佐藤メバル
そこがこの物語のポイントだよね。秋人は春奈に“同じ余命の者同士”として見られたくないし、春奈には少しでも普通の日常を渡したい。
隠していることが優しさにも、すれ違いにもなる。その繊細な心理描写が、この作品の読みどころなんだ。
橘ナナミ
なるほど。同じ病気なのに、隠すことで特別な関係になっていくんですね。二人だけの時間が余計に美しく見えます。
佐藤メバル
そう。余命が短いからこそ、何気ない会話や沈黙がいとおしくなる。“生きる”ってこういうことかもと思わせてくれる、やさしくて切ない一冊だよ。

Watch 今夜、世界からこの恋が消えても | Prime Video
こちらは小説ではなく、Prime Videoで配信されている映画作品です。「今夜、世界からこの恋が消えても」は、余命や記憶をテーマにした感動のラブストーリーとして人気を集めています。書籍ランキングの記事としては、小説版が気になる方にまず映画を案内する形になります。映像ならではの美しい演出で、物語の世界観に浸れるのが魅力。感動的なシーンをビジュアルでも味わいたい人におすすめです。文章で読みたい場合は、原作小説や関連書籍もチェックしてみてください。
こんな人におすすめ
映画を先に観たい人、映像の表現で感動したい人に。読書が苦手でもストーリーを楽しみやすいのがポイント。SNSで話題の作品に触れたいときにも。
良い点
- 映像で感情移入しやすい
- 人気作品を手軽に観られる
気になる点
- 書籍ではないため、記事の趣旨には合わない
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これは映画なんですね。でもタイトルがすごく気になります。今夜、世界からこの恋が消えても……って、もう切ない。
佐藤メバル
そう、小説版とは別に、映像作品として人気なんだよね。Prime Videoで配信されているから、本屋さんで手に取るのとはちょっと違う楽しみ方。
映像だからこそ伝わる、色や光、表情の演技に引き込まれるよ。小説で読むとまた違った味わいがあるから、両方楽しむのもおすすめ。
橘ナナミ
なるほど。映像で先に泣いて、そのあと小説でもう一度泣くパターンですね。気になります!
佐藤メバル
そういう楽しみ方、とてもいいね。映像と文章では、物語に入り込むスピードが違うから。まずは映像で世界観をつかんで、それから小説で細かい心情を味わうと、感動が何倍にもなるよ。

走れ! T校バスケット部 (幻冬舎文庫 ま 16-1)
松崎洋 著|幻冬舎
¥660(税込)
バスケの強豪校でいじめに遭い、都立T校に編入した陽一。そこにあったのは、バスケ経験もろくにない個性派ぞろいの弱小バスケ部でした。連戦連敗の雑草集団が、少しずつ力を合わせて最強チームへと成長していく姿は、読んでいて気持ちがいい。青春スポーツ小説の王道の面白さに加えて、“強豪校で挫折したエリート”と“初めて本気になる素人たち”の化学反応が丁寧に描かれています。負け続けても諦めない彼らの姿に、自然と「頑張ろう」と思わせてくれる一冊です。
こんな人におすすめ
部活に打ち込みたい中学生、スポーツものの熱い物語が好きな人に。いじめや挫折を経験した読者にも、仲間と立ち上がる姿が励みになります。
良い点
- 弱小チームの成長が胸アツ
- 個性的なメンバーの掛け合いが楽しい
- いじめからの再生が爽快
気になる点
- バスケルールを知らないと少し難しい?
- 王道展開で意外性は少なめ
出版社
幻冬舎
発売日
2010年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
強豪校でいじめられて編入した先が、弱小バスケ部。しかも個性的な人ばかりって、もう物語の始まり方から好きです。
佐藤メバル
実はこの作品、“うまい人”が“うまくない人”にバスケを教える形で始まるのがポイント。陽一自身も傷を抱えているから、教える中で自分の向き合い方も変わっていくんだ。
スポーツの上達だけじゃなく、人間関係の再生が丁寧に描かれているよ。
橘ナナミ
なるほど。ただ強くなるだけじゃなくて、心も一緒に成長していくんですね。読んだ後にすごく前向きな気持ちになれそうです。
佐藤メバル
そう。“下手くそでも本気なら報われる”という希望が、この本の根底にはある。試合のシーンも手に汗握るから、スポーツものの醍醐味をしっかり味わえるよ。

部活やめてもいいですか。 (講談社青い鳥文庫 C う 6-1)
梅津有希子 著|講談社
¥1,490(税込)
“部活をやめたい”と思いながら、やめられない中学生はたくさんいます。この本は、そんな悩みに中高生の部活動に詳しい梅津有希子さんが答えるリアルな実用書です。「後輩のほうが上手」「仲間とうまくいかない」「先輩が怖い」「勉強ができない」など、実際にありがちな悩みが章ごとに取り上げられ、「やめること」を否定せず、自分の気持ちと向き合う方法を教えてくれます。小説ではなくノンフィクションですが、物語を読むように共感しながら、自分だったらどうするかを考えられる一冊です。
こんな人におすすめ
部活がつらいと感じている中学生、やめたいけどうじうじしている人に。子どもに寄り添いたい保護者や、部活動の指導者にも参考になります。
良い点
- 具体的な悩みに寄り添ってくれる
- やめる選択も肯定してくれる
- 読みやすいQ&A形式(?)
気になる点
- 小説のようなストーリー展開がない
- 正解が一つに決まらないもどかしさ
出版社
講談社
発売日
2018年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
部活をやめたいけど言い出せない、すごくわかります。私も中学のとき、友達が辞めたらどうしようって考えてました。
佐藤メバル
この本のいいところは、“やめることは悪いことじゃない”と最初から言ってくれるところ。それでいて、いきなりやめるのではなく、どう気持ちを整理して、どう伝えればいいかまで具体的にアドバイスしてくれるんだ。
小説とは違うけど、背中を押してくれる一冊だよ。
橘ナナミ
そうなんですね。やめるか続けるかで悩んでいる人に、すごく優しい本ですね。
佐藤メバル
うん。“学校生活が終わりになってしまう気がする”という不安にもきちんと向き合ってくれるから、ただの自己啓発本とは違う温かさがある。
中高生本人はもちろん、まわりの大人が読んでも学びが多いよ。

成瀬は天下を取りにいく
宮島未奈 著|Audible Studios
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。中2の夏休み、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出しました。閉店を控えた西武大津店に毎日通い、テレビ中継に映ろうとしたり、M-1に挑戦したり、自分の髪で長期実験をしたり——。全力で我が道を突き進む成瀬あかりは、読んでいて本当に気持ちいい。“普通”を疑い、自分のやりたいことを徹底的に楽しむ姿が、思春期のもやもやを吹き飛ばしてくれます。発売前から話題になったデビュー作で、読めばきっと成瀬のことが大好きになる。
こんな人におすすめ
自分らしさを探している中学生、周りに合わせるのに疲れた人に。誰かの突き抜けた行動を見て、元気をもらいたいときにぴったりです。
良い点
- 成瀬の破天荒さが痛快
- 常識にとらわれない視点が新鮮
- 続編が読みたくなる魅力
気になる点
- 共感できない人は置いてけぼり?
- 展開が奇抜で現実離れしている
出版社
Audible Studios
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「この夏を西武に捧げようと思う」って、いきなり何言い出すんだって思いました(笑)。でも、そんな人、実際にいたらすごく気になります。
佐藤メバル
そう、成瀬はとにかく規格外。でも、ただの変わり者ではなくて、自分の選択にきちんと理由があって、まわりを巻き込んでいく力がある。
そこが魅力なんだ。読者は島崎の視点で「また何をやらかすんだ」と見守ることになるんだけど、そのうち応援したくなっちゃう。
橘ナナミ
すごく気になります。変わり者だけど憎めない主人公って、どんなことをするんだろう。
佐藤メバル
この本は、“こうあるべき”に縛られた心を解放してくれる作品だと思う。成瀬を見ていると、自分も何かやってみたくなる。
中2の夏休みの話だけど、大人が読んでもハッとさせられるんだ。

小説 すずめの戸締まり (角川文庫)
新海誠 著|KADOKAWA
¥858(税込)
映画『すずめの戸締まり』の物語を、新海誠監督自身が小説として綴った作品です。九州の静かな港町に住む17歳の鈴芽が、廃墟で見つけた古い白い扉に手を伸ばしたことから、“戸締まりの旅”が始まります。日本各地で開いてしまう災いの扉を閉めていく旅路は、映画の映像美をそのままに、小説だからこそ深く心の内側に迫ります。「扉の向こうにはすべての時間があった」という言葉が象徴するように、失われた時間や人との記憶が物語の軸になっています。映画を観た人も、そうでない人も、新海誠ワールドに浸れる一冊です。
こんな人におすすめ
映画の世界観をもう一度味わいたい人、新海誠作品が好きな人に。登場人物の心情を細かく知りたいときや、映像では描かれない内面を読みたいときにおすすめです。
良い点
- 監督自身による小説化で世界観が忠実
- 映像の美しいシーンが言葉で味わえる
- 映画との違いを楽しめる
気になる点
- 映画を観た後のほうが楽しめるかも
- 新海誠作品に合わない人には難しい
出版社
KADOKAWA
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
映画は観ていないんですけど、新海誠さんの小説って、文章だけでも映像が浮かんでくるって聞きました。
佐藤メバル
この作品は特に、映画と小説が同時進行で作られたと言われていて、映像の美しさがそのまま文章になっている。
鈴芽の旅には、ただの冒険ではなく“被災の記憶”みたいなものが静かに流れていて、読むと胸にじんと来るんだ。
橘ナナミ
なるほど。単なるファンタジーじゃなくて、もっと深いテーマがあるんですね。映画を観る前に読んでも大丈夫ですか?
佐藤メバル
もちろん大丈夫。むしろ小説で読んでから映画を観ると、物語の重みが映像でさらに感じられるよ。すずめの目線で旅を追えるから、映画の時間の流れもわかるはず。

小説 雲のむこう、約束の場所 (角川文庫)
新海誠 著|KADOKAWA
¥902(税込)
新海誠の初長編アニメを自らノベライズした作品です。1996年、日本は南北に分断され、青森の少年たちは国境の向こうに立つ純白の塔に憧れを抱いていました。いつか飛行機で塔まで行こうと計画する浩紀と拓也。そこに、同じように塔に魅せられた少女・佐由理が加わり、3人は約束を交わします。しかし、佐由理はある日突然姿を消してしまう——。思春期の淡く切ない約束と、現実の重さが静かに交差する物語で、新海誠作品の原点とも言える世界観が味わえます。SF的な設定のなかで、少年少女の心情が繊細に描かれています。
こんな人におすすめ
新海誠作品の原点に触れたい人、ちょっと切ないSF青春小説を読みたい人に。分断国家という設定に興味がある人にもおすすめです。
良い点
- スケールの大きい世界観が魅力
- 3人の関係性が繊細に描かれる
- 新海誠作品のファンなら必読
気になる点
- 設定を理解するのが少し難しい
- 切ない終わり方が好みを分ける
出版社
KADOKAWA
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日本が南北に分断されているって、本当にあったかもしれないもうひとつの世界……って感じで、すごく想像が膨らみますね。
佐藤メバル
これは新海誠さんが「もしも戦後の日本が別の道を辿っていたら」という“IF”を描いた作品なんだ。
ただのディストピアではなく、少年たちの憧れや約束が、重い現実と重なっていく。
橘ナナミ
約束を交わした少女が突然消えてしまうのは、すごく切ないです。でも、だからこそ塔への想いが強くなるんですね。
佐藤メバル
そう。塔は“届かない場所”の象徴でもあるんだ。3人の夢と現実が交差する結末は、みずみずしくも切ない。
新海誠作品のファンにはぜひ読んでもらいたい一冊だよ。

雲の涯 中学生の太平洋戦争 (角川文庫)
宗田理 著|KADOKAWA
¥748(税込)
『ぼくらの七日間戦争』などで知られる宗田理さんが、自らの体験をもとに書いた戦争ノンフィクションノベルです。昭和20年8月7日、豊川海軍工廠はわずか26分間の爆撃で壊滅し、2500人以上が亡くなりました。その中には450人以上もの若い学徒がいました。地元の中学生だった著者が、証言や資料を集め、同じ年頃の少年たちの青春と死を丹念に描き出します。広島・長崎の原爆の間に埋もれ、世に知られなかった大惨事を伝える作品です。戦争を“遠い昔のこと”にしない、静かで重い一冊です。
こんな人におすすめ
戦争について深く学びたい中学生や、歴史の教科書には載らない現実を知りたい人に。平和について考えるきっかけが欲しいときに、ぜひ手に取ってほしいです。
良い点
- 実話に基づく重い事実が伝わる
- 同世代の学徒の姿に感情移入できる
- 豊川海軍工廠の悲劇を知れる
気になる点
- 内容がとても重く、読むのに覚悟がいる
出版社
KADOKAWA
発売日
1995年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
豊川海軍工廠って、恥ずかしながら初めて知りました。26分で2500人以上が亡くなったって、本当にあったことなんですね。
佐藤メバル
この作品は、著者の宗田さんが当時中学生だった自身の体験を元にしているんだ。著者が“語り継がなければ”という思いで書いたという点が、他の戦争小説と違う重みを持っている。
同じ中学生だった少年たちが、どう生き、どう死んだのかを丁寧に辿っているよ。
橘ナナミ
自分とほとんど同じ年頃の人が、そんな過酷な時代にいたんだと思うと、胸が苦しいです。
佐藤メバル
だからこそ、読んだ人が“平和は当たり前じゃない”と心から思える作品なんだ。戦争を知らない世代だからこそ、こういう本をきっかけに向き合ってほしい。
宗田さんの優しいまなざしが、重いテーマを支えてくれているよ。

手紙屋 蛍雪篇 ~私の受験勉強を変えた十通の手紙~ ジュニア版
喜多川泰 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,430(税込)
「何のために勉強するんだろう?」——主人公の高校2年生・和花は、部活と友達付き合いに追われる毎日の中、進路のことで父親と衝突してしまいます。そこに兄が紹介してくれたのが、謎の人物“手紙屋”。10通の手紙をやりとりすることで、夢を実現させてくれるというのですが……。最初は怪しみながらも手紙を書いた和花が、返ってきたメッセージによって“勉強の意味”をガラリと変えられていきます。「未来を拓く10の教え」が、読んでいるあなた自身にも届く構成になっているのが特徴です。小説として楽しみながら、勉強へのモチベーションが上がる一冊。
こんな人におすすめ
勉強のやる気が出ない中学生・高校生に。進路について悩み始めた人、将来の夢がまだ見つからない人にもおすすめです。
良い点
- 勉強の意味を前向きに考えられる
- 手紙形式で読みやすい
- 受験生の心に響くメッセージ
気になる点
- 説教くさいと感じる人もいるかも
- 具体的な勉強法が書いてあるわけではない
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「手紙屋」って謎の存在が気になります。10通の手紙で夢が実現するって、ファンタジーみたいでわくわくしますね。
佐藤メバル
実はこのお話、ファンタジーではなく、“心の持ちよう”を変えていく物語なんだ。手紙屋さんからのメッセージは、「勉強とは何か」「夢を叶えるために本当に必要なこととは何か」を教えてくれる。
だから読んだあと、自然と机に向かいたくなるんだね。
橘ナナミ
なるほど。勉強の意味がわかれば、やる気も変わりますよね。私も大学院の研究で行き詰まったとき、読み返したいです。
佐藤メバル
そうだね。“やらされ感”から“自分で選ぶ感覚”へ変わると、勉強もぐっと楽しくなる。この本はそのきっかけをくれる。
ジュニア版はふりがな付きで、中学生でも読みやすいのもポイントだよ。

あと少し、もう少し (新潮文庫)
瀬尾まいこ 著|新潮社
¥781(税込)
名物顧問が転勤し、代わりに来たのは頼りない美術教師。部長の桝井が中学最後の駅伝大会に向けて集めたのは、元いじめられっ子、不良、頼みを断れないジロー、プライドの高い渡部、後輩の俊介という寄せ集めメンバーでした。うまくいかない練習、ぶつかり合う個性。それでも県大会出場を目指して、6人は“あと少し、もう少し”と襷をつなぎます。“速さ”ではなく“つなぐこと”の意味が丁寧に描かれていて、駅伝という競技の本質に迫る作品です。瀬尾まいこさんのやさしい筆致が、涙を誘います。
こんな人におすすめ
部活でチームワークに悩む中学生、駅伝やスポーツものが好きな人に。仲間と一緒に何かを成し遂げたい気持ちを思い出したいときに。
良い点
- 個性豊かなキャラクターが愛おしい
- 駅伝のリアルな緊張感が伝わる
- 感動のラストが泣ける
気になる点
- 駅伝の知識がないと少し入り込みにくい?
出版社
新潮社
発売日
2015年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
寄せ集めの6人で駅伝に出るって、絶対うまくいかないですよね。でも、だからこそ成長が楽しみです。
佐藤メバル
この作品のいいところは、“走ることが速い人たち”の話ではないところ。それぞれが違う理由で走っていて、ぶつかりながらも“つなぐ”ことを覚えていくんだ。
駅伝って、一人が速いだけでは勝てない競技だからこそ、チームの形が浮き彫りになる。
橘ナナミ
なるほど。だからタイトルの「あと少し、もう少し」が、すごく響くんですね。
佐藤メバル
そう。“もう少しだけみんなと走りたい”という願いが、ラストでぐっと来る。瀬尾さんらしい、登場人物をそっと肯定するような温かい物語だよ。

桜のような僕の恋人 (集英社文庫)
宇山佳佑 著|集英社
¥880(税込)
美容師の美咲に恋をした晴人は、彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指します。幸せな時間が続くと思われた二人でしたが、美咲は人の何十倍もの速さで年老いていく難病を発症してしまいます。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲と、それでもそばにいたい晴人。“好き”という気持ちが、相手を思うほどにすれ違っていく切なさが描かれています。章が「春・夏・秋・冬」と季節で区切られているのも、物語の移ろいを象徴していて美しい。桜のように儚い恋の物語です。
こんな人におすすめ
切ない恋愛小説が好きな中学生に。見た目と心の変化に悩む人、それでも相手を想い続ける強さに触れたい人におすすめです。
良い点
- 難病ものの定番として泣ける
- 章立てに季節の移ろいが効いている
- 晴人の一途さが胸を打つ
気になる点
- 難病ものの展開が予想できる
- 切なさが強く、余韻が重い
出版社
集英社
発売日
2017年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
好きな人がどんどん年老いていくって、自分が同じ立場だったらすごく怖いです。でも、だからこそ美咲の気持ちがわかる気がします。
佐藤メバル
この物語の切ないところは、“好きだからこそ距離を置く”選択をするところなんだ。晴人に老婆の姿を見せたくないと悩む美咲。
それでもカメラマンとして、いや一人の人間として美咲を見つめ続ける晴人。二人の想いが交差しないもどかしさが、読んでいて苦しいほど伝わってくる。
橘ナナミ
すれ違うほど好きなのに、なんでうまくいかないんだろう……。読んだらきっと泣いちゃいますね。
佐藤メバル
でも、泣けるだけじゃなくて、“どう相手を想うか”を深く考えさせられる作品なんだ。桜のように儚いけど、確かに美しかった日々の輝きが、読み終わったあとに残るよ。

僕の愛した君のすべてが、この世界に響きますように (角川文庫)
六畳のえる 著|KADOKAWA
¥748(税込)
声帯を摘出し、声を失っていく少女・千鈴。彼女から動画制作の協力を頼まれた高校生の有斗は、以前の動画炎上の経験から一度は断るものの、千鈴のまっすぐな姿に心を動かされます。「忘れないでね、わたしの声。」——千鈴が声を残そうとする理由、そして有斗が彼女のために動画を作り続ける意味。“失われていくもの”に向き合いながら、二人が残そうとするものは何なのかというテーマが丁寧に描かれています。予想外の結末が待っていて、読み終わった後にそっとタイトルを噛みしめたくなる一冊です。
こんな人におすすめ
言葉や声の大切さを改めて感じたい人に。動画制作や表現に興味がある中学生、切ない恋愛とミステリーの要素を楽しみたい人にもおすすめです。
良い点
- 声を失う設定が新鮮
- 動画制作という現代的なテーマ
- 予想外の結末が忘れられない
気になる点
- 医療描写が現実的でつらいかも
- 結末に賛否が分かれるかも
出版社
KADOKAWA
発売日
2024年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
声を失う前に「声を残そう」って動画を作るっていうのが、本当に切ないですね。でも、すごく大事なことのように思えます。
佐藤メバル
この作品のテーマは、“消えゆくものをどう残すか”なんだ。動画という、あとから何度でも再生できるものに声を残す千鈴の選択が、物語の軸になっている。
ただの恋愛小説ではなく、表現することの意味についても考えさせられるよ。
橘ナナミ
なるほど。動画って確かに“そのとき”を残せるけど、残したくないものも映り込むじゃないですか。そのへんがどう描かれるのか気になります。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。“残すこと”には、うれしさと同時に苦しさもあるんだ。その両方を描きながら、物語は思わぬ方向へ進んでいく。
最後の一行で、タイトルの意味がガラッと変わる感覚をぜひ味わってほしい。

一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。 (スターツ出版文庫)
冬野夜空 著|スターツ出版
¥792(税込)
クラスの人気者・香織の「君を、私の専属カメラマンに任命します!」という一言で、輝彦の日常は一変します。自由奔放な香織に振り回される日々。しかし、彼女が明るい笑顔の裏で重い病と闘っていることを知った輝彦は、「僕は、本当の君を撮りたい」と決意します。“表向きの笑顔”ではなく“本当の姿”を撮ろうとすることが、この物語のテーマです。人生で一番輝いていた2カ月間を写し取るように、まっすぐにカメラを向ける輝彦の姿に胸を打たれます。カメラマンという設定ならではの、“視線の愛おしさ”が感じられる純愛ストーリーです。
こんな人におすすめ
写真やカメラに興味がある中学生に。明るい人の本当の姿を知りたいという、切なくも優しい視点を味わいたい人におすすめです。
良い点
- カメラマン視点の恋が新鮮
- 香織のギャップに胸が締め付けられる
- 2カ月間という限定感が切ない
気になる点
- 展開が王道で意外性は少なめ
- 表紙やタイトルで好みが分かれそう
出版社
スターツ出版
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「専属カメラマンに任命します!」って、いきなりそんなこと言われたらびっくりしますね。でも、明るい人ほど本当は何かを隠してそうで気になります。
佐藤メバル
香織は本当に自由奔放で、まわりを振り回すんだけど、その笑顔の裏に病と闘っていることが隠されているんだ。
輝彦は彼女を撮るうちに、“みんなに見せている顔”と“本当の顔”の違いに気づいていく。カメラを通して人の内面を見る物語なんだね。
橘ナナミ
それって、写真を撮るってことの意味にも繋がりますね。好きな人ほど、本当の姿を残したくなるのかな。
佐藤メバル
そう。“撮る”という行為が、そのまま“見つめる”ことや“受け止める”ことになっていくんだ。2カ月間という短い時間だけど、その濃さが読む人の心に強く残る作品だよ。

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく (スターツ出版文庫)
汐見夏衛 著|スターツ出版
¥891(税込)
高2の茜は、誰からも信頼される優等生。でも隣の席の青磁にだけは「嫌いだ」と言われてしまいます。自分の気持ちをはっきり言う青磁が苦手だった茜ですが、いじめられそうになったとき、助けてくれたのは彼でした。「言いたいことあるなら言っていいんだ。俺が聞いててやる」。実は茜には、優等生を演じる理由があり、青磁にも秘密があった——。“演じている自分”と“本当の自分”のギャップに悩む二人が、少しずつ心を開いていく過程が丁寧に描かれています。タイトルの意味を知ったとき、そっと温かい涙がこぼれる一冊です。
こんな人におすすめ
学校でいい子を演じていると感じる中学生に。自分の本音を言えずに悩む人、人の秘密に触れる切なさを味わいたい人におすすめです。
良い点
- 優等生の悩みがリアルに描かれる
- 青磁の不器用な優しさがいい
- タイトルの意味が最後に響く
気になる点
- 文庫版は440ページと少し長め
出版社
スターツ出版
発売日
2020年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
優等生を演じる茜の気持ち、すごくわかります。私も大学で「しっかりしてるね」って言われると、それに応えなきゃって思っちゃいます。
佐藤メバル
この物語のいいところは、“優等生の仮面”も“不良っぽい態度”も、どちらも本当の自分じゃないと描くこと。
茜と青磁は見た目が正反対なのに、実は似た者同士なんだ。お互いの秘密を知ることで、演じない自分を見せられるようになっていく。
橘ナナミ
なるほど。だから二人が心を通わせていくのが、すごく丁寧に描かれてるんですね。
佐藤メバル
うん。“嫌いだ”と言う青磁の言葉は、実は茜を特別に見ている証拠でもあるんだよ。文庫オリジナルストーリーも収録されていて、本編の余韻をもう一度味わえるのもポイントだね。

Watch ただ、君を愛してる | Prime Video
こちらはPrime Videoで配信されている映画『ただ、君を愛してる』です。小説版としては市川拓司さんの『いま、会いにゆきます』系統のような純愛ものが好きな方に知られる作品で、映像作品としても多くの人の心を掴んで来ました。映像ならではの光や風景で、恋愛の甘さ切なさが伝わってきます。書籍ランキングの記事なので、原作小説を探している方は、映像作品としてまずチェックしてみるのもいいでしょう。物語の余韻に浸りたい人におすすめです。
こんな人におすすめ
映画から入って物語を楽しみたい人、恋愛映画で感動したい人に。Prime Videoで手軽に観られるのが魅力です。
良い点
- 映像で気軽に感動できる
- 人気の純愛作品を観られる
気になる点
- 書籍情報がないため紹介が限定的
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
また映画作品ですね。『ただ、君を愛してる』っていうタイトルがもう切ないです。どんなお話なんだろう。
佐藤メバル
映像作品として有名な純愛物語で、“好き”という気持ちがまっすぐすぎて、でも届かないもどかしさが魅力なんだ。
映像で観ると、主人公たちの表情や風景がそのまま心に残る。小説の記事ではあるけど、作品として気になるならまず映像から入るのも一つの手だよ。
橘ナナミ
なるほど。映像で観て、いいなと思ったら原作小説も読みたくなりますね。逆のパターンもあるけど。
佐藤メバル
そうだね。映像と小説では、同じ物語でも感じ方が異なるから、両方楽しめるのは嬉しいよね。まずは手軽に観て、気に入ったら原作の世界にも浸ってみるといいよ。

Watch 恋を知らない僕たちは | Prime Video
これはPrime Videoで配信されている映画『恋を知らない僕たちは』です。原作は“恋を知らない”中学生たちの恋の群像劇として人気で、映像作品としても注目を集めました。恋に不器用な登場人物たちの、ぎこちなくてまぶしい関係が映像で描かれています。書籍ランキングの記事ですので、原作小説が気になる方は、まず映像を観て世界観を確かめるのも良いでしょう。青春の甘くて切ない空気感を味わいたい人におすすめです。
こんな人におすすめ
思春期の恋愛模様を映像で楽しみたい人に。友達以上恋人未満のもどかしさを感じたいときにぴったりです。
良い点
- 映像で青春の空気感が味わえる
- 群像劇の魅力がある
気になる点
- 書籍情報ではないので注意
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『恋を知らない僕たちは』、タイトルに「僕たち」ってあるから、一人じゃなくて複数人の恋の話なんですね。
佐藤メバル
その通り。“恋を知らない”中学生たちが、それぞれに恋をして、すれ違って、成長していく群像劇なんだ。
映像で観ると、登場人物たちの表情や距離感がすごく伝わってくる。思春期のもどかしさを、空気ごと味わえる作品だよ。
橘ナナミ
いいですね。私も中学生の頃、友達との関係と恋の気持ちの間でぐるぐるしてたのを思い出しそうです。
佐藤メバル
そうそう、“恋を知らない”ことが、逆にまっすぐな感情を際立たせるんだね。映像から入ると、その後で原作小説を読んだときに、登場人物の心の声がより深く感じられるよ。

表参道高校合唱部! 涙の数だけ強くなれるよ
櫻井剛 著|学研プラス
¥1,430(税込)
表参道高校に転校してきた香川真琴は、合唱部に入部します。ところが、その合唱部は人数不足で廃部寸前。はたして部員は集まるのか……。TBS系で放送されたテレビドラマ『表参道高校合唱部!』の小説版で、「涙そうそう」「翼をください」など、誰もが知る名曲が物語の節目に流れる構成が特徴です。歌の力で人と人がつながり、少しずつ変わっていく姿が描かれていて、合唱に青春をかける中学生にぴったりです。“歌うこと”が持つ力を、まっすぐに信じたくなる一冊です。
こんな人におすすめ
合唱部や音楽部に所属している中学生に。歌が好きな人、友達と一緒に何かをやり遂げたい人に、部活ものの定番としておすすめです。
良い点
- 有名な合唱曲が物語に彩りを添える
- 廃部寸前からの再建が胸アツ
- テレビドラマのファンにも
気になる点
- ドラマのノベライズで、話を知っていると新鮮さは減る
出版社
学研プラス
発売日
2016年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
合唱部が廃部寸前で、「涙そうそう」とか歌うんですか? 合唱コンクールで歌った記憶がある曲ばかりで、親しみやすいですね。
佐藤メバル
そう、知っている曲が物語のカギを握るから、読んでいて自然と歌いたくなっちゃうんだ。転校生の真琴が合唱部に入って、部員集めから始めるんだけど、歌を通してまわりの心がほどけていく様子がいいんだよね。
ドラマのノベライズだけど、小説としてもちゃんと成立しているよ。
橘ナナミ
合唱部って、みんなで声を合わせるから、自然と仲良くなれそうでいいですね。私も歌うのは好きです。
佐藤メバル
合唱は一人ひとりの声が違っても、重なったときに一つになるところが魅力。この小説も、バラバラだった部員たちが歌で繋がっていく過程を丁寧に描いている。音楽の力を感じたいときにおすすめだよ。

こんな部活あります──あしたをみがけ──姫川中学校みがき部
横沢彰 著|新日本出版社
¥1,650(税込)
姫川中学校の“みがき部”は、海で見つけた石を研磨機と紙やすりでひたすら磨くという変わった部活です。長い年月をかけて海辺に打ち上げられた石ころたちは、磨けば驚くほど輝き出します。教室に居場所がないと感じ、一人ぼっちの自分を恥じていた灯可理は、みがき部で大切な仲間と出会います。“石を磨くこと”と“自分を磨くこと”が重なって見えてくる、とても静かで温かい物語です。派手な展開はないけれど、不器用な中学生の心の変化が丁寧に描かれていて、読後はそっと背中を押されます。
こんな人におすすめ
学校で居場所がないと感じる中学生に。自分のことが好きになれない人、小さなことにも夢中になれる何かを探している人におすすめです。
良い点
- 変わった部活設定が新鮮
- 石を磨く描写が美しい
- 心の成長が静かに響く
気になる点
- 派手な展開がなく、じっくり読む必要がある
出版社
新日本出版社
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“みがき部”って、石を磨くだけの部活なんですか? 変わってるけど、なんだかいいですね。石が磨かれて輝くのを見るのは楽しそうです。
佐藤メバル
そう、石を磨くことを通して、登場人物たちが自分自身を見つめ直していくのがこの物語の核なんだ。
海で見つけた石は、ただの石ころに見えても、磨けば不思議なくらい輝く。自分も同じだって気づく灯可理の視点が、とてもやさしいんだよ。
橘ナナミ
なるほど。自分も石ころみたいに、磨けば輝けるって思えるんですね。部活に仲間ができるのも、うれしい展開です。
佐藤メバル
うん。“特別じゃなくても、磨けば輝く”というメッセージが、読んでいるとじんわり心に染みる。派手な駅伝や合唱とはまた違う、静かな青春の物語だよ。

14歳の本棚 部活学園編: 青春小説傑作選 (新潮文庫 き 29-1)
北上次郎 著|新潮社
¥436(税込)
朝井リョウさんや瀬尾まいこさんなど、青春小説の名手たちの作品が集まったアンソロジーです。新潮文庫の「14歳の本棚」シリーズの一冊で、部活・学園編として選りすぐられた短編が収録されています。「空のクロール」「ブラス!ブラス!!ブラス!!!」といった気になるタイトルが並び、部活に打ち込む少年少女の心情を、短い物語の中で鮮やかに描き出します。長編を読む時間がないけれど、青春小説の世界に浸りたいという人にぴったり。一冊で複数の作家の世界を楽しめるお得感もあります。
こんな人におすすめ
部活ものの短編を読みたい人、いろいろな作家の文体を比べてみたい人に。読書が苦手でも短編なら挑戦しやすいとの声も。
良い点
- 複数の名作が一冊で読める
- 短編なので読み切りやすい
- 青春小説の入門に最適
気になる点
- 短編のため物足りなさを感じる人も
出版社
新潮社
発売日
2007年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
短編集だと、気軽に読めそうでいいですね。私、読書は好きですけど、長編を読む時間がないときもあります。
佐藤メバル
まさに、“ちょっとした隙間時間に青春の名作に触れたい”ときにぴったりなのがこの一冊。どの短編も部活を舞台にしているから、テーマが統一されていて読みやすいんだ。
一つの作家の作品だけだと世界観が限られるけど、複数の作家が集まっていることで、いろいろな“青春の切り取り方”を楽しめるよ。
橘ナナミ
なるほど。部活っていっても、野球や吹奏楽、水泳などジャンルが違うから、また印象も変わりそうです。
佐藤メバル
そう。“部活”という共通テーマで並んだ短編は、どれも思春期のリアルな感情で満ちている。有名作家の短編に触れるにはうってつけだから、気になった作家がいれば、その人の長編にも進みやすくなるね。

1年で潰れると言われた野球部が北国のビニールハウスから甲子園に行った話
原田一範 著|幻冬舎
¥1,650(税込)
タイトルの通り、1年で潰れると言われた野球部が、北国のビニールハウスで練習しながら甲子園を目指した実話です。監督は「野球に力を入れるつもりなら、あなたのような無名な人を呼ばない」と言われ、集まった部員は「キャッチボールも生まれて初めて」という状態。それでも「1人1人が考える」チームを目指して、思考と言語化を徹底的に磨き上げたのが、この物語の核心です。学歴も人脈もない監督が、ゼロからチームを作り、県内有数の強豪へと成長させる過程は、スポーツものとしてだけでなく、組織作りのドキュメントとしても読めます。
こんな人におすすめ
野球部だけでなく、どの部活で頑張っている中学生にも、ゼロから挑戦する勇気が欲しい人に。チームワークや考える力の大切さを実感したい人にもおすすめです。
良い点
- 実話なので説得力がある
- “考える”ことの重要性がわかる
- 逆境からの成長が感動的
気になる点
- 野球に詳しくないと細部が難しいかも
出版社
幻冬舎
発売日
2025年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
キャッチボールが初めての部員たちが、甲子園に行くなんてすごすぎます。しかもビニールハウスで練習してたって、雪国の大変さが伝わりますね。
佐藤メバル
この本のポイントは、“練習量”ではなく“考える力”でチームを強くしたというところなんだ。無名の監督が、強豪校に教えを請いに行ったり、経営者から人材育成の考え方を学んだりして、それを野球に応用していく。いわば“頭を使う野球”への挑戦だね。
橘ナナミ
なるほど。スポーツの本なのに、勉強にも通じる話ですね。考えることが好きな人が活きるチームっていいな。
佐藤メバル
そう、“考える選手”を育てることで、自分たちで決めて動けるチームになっていくんだ。実話だからこそ、読む人の背中を押してくれる作品だよ。

サッカーボーイズ 再会のグラウンド (角川文庫)
はらだみずき 著|KADOKAWA
¥616(税込)
サッカーを通して迷い、傷つき、悩み、友情を深め、成長していく遼介たち桜ヶ丘FCメンバーの小学校生活最後の1年を描いた青春スポーツ小説です。大人びて見える小学生も、まだまだ子ども。コーチや家族の想いも丁寧に描かれていて、サッカーという同じボールを追いかける仲間との絆が、まっすぐに伝わってきます。試合のシーンの臨場感もすごくて、読んでいると自分まで声を出して応援したくなる。中学生になった彼らの姿を描くシリーズの第1作目としても読める、はらだみずきさんの代表作です。
こんな人におすすめ
サッカーをしている中学生に、スポーツを通して仲間との関係を描いた物語が好きな人に。小学生編ですが、そこがむしろピュアで感情移入しやすいとの声も。
良い点
- サッカーの試合描写が臨場感たっぷり
- 小学生の純粋さに心打たれる
- シリーズとして続きが読める
気になる点
- 小学生編のため中学生には幼く感じるかも
出版社
KADOKAWA
発売日
2008年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
小学生のサッカーチームのお話なんですね。大人から見ると小さな悩みかもしれないけど、本人たちにとっては全力の問題で、そこがいいです。
佐藤メバル
そうなんだ。小学6年生の彼らにとって、サッカーは“生きる意味”に近い場所なんだよね。試合に負けることの悔しさ、友達とぶつかることの苦しさ、それでもボールを追いかけたくなる気持ち。
そのぎゅっと詰まった感情が、とても丁寧に描かれている。
橘ナナミ
試合のシーンはどうですか? 迫力がありそうで楽しみです。
佐藤メバル
試合の描写は、まるでその場の音や風が伝わってくるような臨場感だよ。サッカーをやったことがない人でも、ボールを追う登場人物たちの気持ちが伝わってくる。
続編で中学生になった彼らも読めるから、シリーズで楽しむのがおすすめ。

高校サッカーボーイズ U-16 (角川文庫)
はらだみずき 著|KADOKAWA
¥660(税込)
『サッカーボーイズ』シリーズの続編にあたる、高校生編の物語です。主人公の武井遼介は高校生になり、関東の強豪サッカー部に入部します。時は2011年。東日本大震災から1ヶ月が経ち、“普通にサッカーができる”という日常に葛藤を感じながら、遼介は新入部員約50人とともに部活に励みます。サッカーに打ち込むことへの罪悪感や、それでもボールを追わずにはいられない気持ち。震災という出来事が、青春スポーツ小説に重い問いを投げかけます。スポーツの意味を考えたい読者に響く作品です。
こんな人におすすめ
サッカーをしている高校生に、震災後の日常を生きる同世代の姿に関心がある人に。スポーツと社会を考えたい人にもおすすめです。
良い点
- 震災とスポーツを真摯に向き合う
- 強豪校のリアルな環境が描かれる
- シリーズのファンなら必読
気になる点
- シリーズ前作を読んでいないと人間関係が分かりにくいかも
出版社
KADOKAWA
発売日
2019年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
震災から1ヶ月でサッカーをすることに葛藤する、っていうのがすごく考えさせられます。スポーツをしていいのか分からない気持ち、わかる気がします。
佐藤メバル
この作品のテーマは、“日常が戻っていくことの難しさ”なんだ。被災地でサッカーを続けられなかった子もいる。
それを考えると、自分だけが部活をやっていいのか。遼介はそんなモヤモヤを抱えながらボールを追いかける。
ただの部活ものにしない、はらださんの真摯な視点が感じられるよ。
橘ナナミ
そういう悩みは、今の中学生や高校生にとっても他人事じゃないですよね。だからこそ、読んで共感できるんだろうな。
佐藤メバル
そう。“サッカーができるありがたさ”を、ただ感動で終わらせず、問いかけとして残す。その誠実さがこの作品の魅力だよ。
サッカーだけでなく、何かに打ち込むことの意味を考えたい人に読んでほしい。

小説 MAJOR 3 中学生編 (小学館文庫 つ 4-3)
丹沢まなぶ 著|小学館
¥1(税込)
大人気マンガ『MAJOR』の中学生編を小説化した作品です。4年ぶりに横浜へ戻ってきた吾郎は、三船東中に転入し、昔の仲間・小森と再会します。ところが、山根率いる不良部員のせいで野球部は廃部寸前。小森が吾郎に入部を勧めても、なぜか吾郎はサッカー部に入ってしまいます。福岡にいる間に吾郎にいったい何が起こったのか——マンガでは描かれたかもしれない空白の期間が、小説ならではの心理描写で綴られています。野球の面白さを知った吾郎が、なぜサッカーを選んだのか。その謎が気になる方に。
こんな人におすすめ
マンガ『MAJOR』が好きな中学生に。野球部に入らない吾郎の心情が気になる人、小説版ならではの内面描写を楽しみたい人におすすめです。
良い点
- マンガの名場面が小説で読める
- 吾郎の内面が詳しく描かれている
- シリーズ展開で読み続けられる
気になる点
- マンガを読んでいないと話に入り込みにくい
出版社
小学館
発売日
2010年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
吾郎がサッカー部に入るって、マンガではどうなってるんですか? 野球が得意なのに、なんでわざわざサッカーなんだろうって気になります。
佐藤メバル
小説版ならではの見どころが、まさにそこなんだ。マンガではサッと描かれた空白の期間を、小説ではじっくり描いている。
福岡で何があったのか、吾郎がどんな気持ちでサッカーを選んだのか。マンガの名シーンが、より心理的に深く味わえるんだよ。
橘ナナミ
なるほど。小説だと「心の声」まで聞こえてくるから、キャラクターへの理解が深まりますね。
佐藤メバル
そう。“なぜ吾郎が一度野球を離れたのか”という謎が、物語の軸になっているから、ファンなら絶対に読んで損はないはず。
野球部とサッカー部、どちらを選ぶかという選択にも、吾郎らしさが表れているよ。
ランキングでは見えない「作品の構造」を読む
橘ナナミ
ランキング上位に入っていたら安心、と思ってしまいがちです。
佐藤メバル
それが盲点。売れ筋・映画化・新人賞は客観的な「入り口」であって、その人に合うかは別。『桐島、部活やめるってよ』は第22回小説すばる新人賞を受賞し映画化もされたけれど、複数の人物の視点が切り替わる構造なので、会話文をじっくり読みたいタイプ向きです。『小説 すずめの戸締まり』は新海誠自身が書いた原作小説なので、アニメ映画を先に観た人ほど描写の違いを楽しめる。
橘ナナミ
じゃあ「人気」と「読みごたえ」は別なんですね。あと、重いテーマの本を読むときの注意点はありますか?
佐藤メバル
戦争ものなら『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』『雲の涯』、難病ものなら『桜のような僕の恋人』『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』。死別や病気を描く作品は、事前にテーマを伝えてから手渡すのが大切です。内容を知ったうえで読むか選べるように、あらすじだけは確認しておきましょう。
活字離れ・部活で忙しい子に効く「読める」入口
橘ナナミ
うちの弟はサッカーばかりで、小説を読む習慣がありません。どうやって誘えばいいですか?
佐藤メバル
スポーツものは効きます。『走れ! T校バスケット部』はバスケ部のチーム再生物語、『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』や『高校サッカーボーイズ U-16』はサッカーを通して成長する物語。『小説 MAJOR 3 中学生編』のように、もともと好きな作品の小説版なら入りやすい。
橘ナナミ
部活の息抜きにも読めるんですね。
佐藤メバル
忙しい子には連作短編集や一話完結型がおすすめ。『14歳の本棚 部活学園編』は複数の青春小説が入った傑作選で、細切れに読めます。『こんな部活あります』は「みがき部」という変わった部活を描いた短めの物語。「部活の種類」で選ぶのも、活字離れを防ぐコツです。
読んだあとの「問いかけ」が感動を定着させる
橘ナナミ
読み終わって「よかった」で終わらせるのはもったいないですか?
佐藤メバル
もったいないですね。読後に「誰の立場で読んだか」を考えると、小説はもう一冊分深くなります。『成瀬は天下を取りにいく』なら「成瀬の一緒にいたい? それとも距離を置く?」、『あと少し、もう少し』なら「自分が駅伝チームに入ったら、どんな役割をする?」と問いかけてみてください。
橘ナナミ
それ、学校のブックトークでも使えますね。
佐藤メバル
しかも、買わなくても学校図書館や公共図書館の「部活」「戦争」「恋愛」の棚で同じテーマの本に並べれば、一冊から読書が広がります。シリーズ続編や同じ作者の別作品に進むのも自然です。読書は“読んで終わり”ではなく、問いかけの入り口なんです。
よくある質問
中学生向けの感動小説で、読書感想文が書きやすいおすすめは?
橘ナナミ
中学生向けの感動小説で、読書感想文が書きやすいおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
テーマが一つに絞られる作品が書きやすいです。『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』は「親とのすれ違い」から始まり「戦争」へと視野が広がる構成なので、自分の体験と重ねやすい。「なぜこの主人公の行動に心が動いたか」を軸に書くとまとまります。
中学1・2・3年生におすすめの泣ける本は?
橘ナナミ
中学1・2・3年生におすすめの泣ける本はについて教えてください。
佐藤メバル
中1は176頁の『こんな部活あります』やふりがな付き『部活やめてもいいですか。』が無理なく読めます。中2なら227頁の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』、中3なら384頁の『小説 すずめの戸締まり』がおすすめ。学年ごとのページ数を目安に選んでください。
入試に出た中学生向けの感動小説は?
橘ナナミ
入試に出た中学生向けの感動小説はについて教えてください。
佐藤メバル
特定の出題歴を断定するより、読解問題に強い作品を選ぶのが確実です。複数の視点から語られる『桐島、部活やめるってよ』や、場面描写が丁寧な『あと少し、もう少し』は、文章の構造を追う練習になります。「入試対策」として読むなら、文庫で手軽に読める作品を繰り返し読むといいでしょう。
文庫で手軽に読める感動小説は?
橘ナナミ
文庫で手軽に読める感動小説はについて教えてください。
佐藤メバル
スターツ出版の文庫『一瞬を生きる君を、僕は永遠に忘れない。』や集英社文庫『桐島、部活やめるってよ』があります。文庫は通学中に持ち歩けるので、隙間時間に読むのに向いています。
恋愛で泣ける中学生向けの小説は?
橘ナナミ
恋愛で泣ける中学生向けの小説はについて教えてください。
佐藤メバル
『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』は期限付きの純愛、『桜のような僕の恋人』は難病で老いていく恋人の話。病気や喪失を扱った作品は、恋の甘さだけでなく命の重さを描くので、読後に深い余韻が残ります。
長編を読み切れない子におすすめの短編集は?
橘ナナミ
長編を読み切れない子におすすめの短編集はについて教えてください。
佐藤メバル
『14歳の本棚 部活学園編』は複数の青春小説を集めた傑作選で、一話が短いので区切りながら読めます。『こんな部活あります』は176頁、『部活やめてもいいですか。』は224頁。「今日は1話だけ」という読み方ができる作品を選ぶと挫折しにくいです。
定番の名作と最近の話題作、どちらから読めばいい?
橘ナナミ
定番の名作と最近の話題作、どちらから読めばいいについて教えてください。
佐藤メバル
基本は好きな方からで大丈夫です。映画化・ドラマ化された話題作は『小説 すずめの戸締まり』や『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』。定番の読み応えを味わいたいなら朝井リョウの『桐島、部活やめるってよ』です。気分に合わせてジャンルを変えるのが長く読書を楽しむコツです。
図書館で借りられるおすすめの感動小説は?
橘ナナミ
図書館で借りられるおすすめの感動小説はについて教えてください。
佐藤メバル
公共図書館や学校図書館には、部活・戦争・恋愛の棚に今回紹介したような作品が並んでいます。『走れ! T校バスケット部』『あと少し、もう少し』は図書館でも見かける機会が多いです。借りて読む場合は、まず目次と最初の3行を読んで、自分に合う文章かを確かめましょう。
まとめ
橘ナナミ
今日の話で、ランキングの数字に振り回されずに済みそうです。選び方の軸がいくつもあるんですね。
佐藤メバル
そう。「泣ける」は結果であって、入り口じゃない。主人公が何を失い、何を手にするのか。その感情の流れを知っておくと、読み終えたときの心の残り方が違います。
橘ナナミ
特に「感動の成分表示」が目からうろこでした。私は『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』の“優等生を演じる”という一文が気になっています。
佐藤メバル
いい問いかけだね。読書は登場人物の経験を通して自分を点検する作業。中学生の3年間は心が大きく動く時期だからこそ、本が刺さる瞬間があるんです。
橘ナナミ
最初の1冊を『あと少し、もう少し』にしてみます。駅伝を走ったこともないのに、なんだか走りたくなってきました。
佐藤メバル
中学生の心は、まだ地図のない海のようなもの。感動小説は、自分では名前を知らなかった感情にいちばん近い島へ連れていってくれる船です。その船を選ぶのは、海を渡りたいと思ったあなた自身なんですよ。









