ロシアの歴史の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年8月
橘ナナミ
佐藤さん、ロシア史の本って本当にたくさんありますよね。まず何を読めばいいのか迷っちゃいます。
佐藤メバル
そうだね、ナナミさん。ロシア史は範囲が広くて、初めてだと戸惑うのは当然だよ。まずは自分の目的をはっきりさせると選びやすい。全体像をざっくり掴みたいのか、特定の時代(革命やソ連、現代)を深掘りしたいのか、それともテーマごと(軍事、宗教、経済など)に絞るか。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、まずは通史がいいんですかね?
佐藤メバル
入門には通史がおすすめだね。『一冊でわかるロシア史』(関眞興)は図やイラストが多くて、コラム「そのころ、日本では?」も便利。もう少し詳しく知りたいなら『図説 ロシアの歴史』(栗生沢猛夫)がビジュアルでイメージしやすい。でも、専門的に学びたいなら山川出版社の『ロシア史』(和田春樹)や『ロシア史(1)』(世界歴史大系)が定番だよ。
ロシアの歴史の本の選び方
目的で選ぶ:全体像か、特定時代か
橘ナナミ
目的別って具体的にはどう選べばいいですか?
佐藤メバル
全体像なら通史系がいいね。『一冊でわかるロシア史』(関眞興)や『ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで』(祝田秀全)はコンパクト。革命に興味があれば『ロシア革命史入門』(広瀬隆)や『世界史劇場 ロシア革命の激震』(神野正史)がわかりやすい。ソ連時代なら『図説 ソ連の歴史』(下戸米伸夫)や『ソ連史』(松戸清裕)がおすすめ。現代のウクライナ侵攻の背景を知りたいなら『ロシア・ウクライナ戦争』(塩川伸明)や『地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理』(亀山陽司)が役立つよ。
レベルで選ぶ:入門・通史・専門書
橘ナナミ
レベルってどう見分ければいいですか?
佐藤メバル
入門はビジュアル多めの『図説 ロシアの歴史』や漫画の『ロージナ年代記』(速水螺旋人)が読みやすい。通史としてバランスが良いのは『一冊でわかるロシア史』や『ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで』。専門書では山川出版社の『ロシア史』や『ロシア近現代と国際関係』(小田健)が深い。初心者は最初にビジュアル系で流れを掴んで、その後専門書に進むと挫折しにくいよ。
形式で選ぶ:文章系 vs 図解・写真系
橘ナナミ
図解が多い本と文字が多い本、どっちがいいんですか?
佐藤メバル
イメージを掴みたいなら『図説 ロシアの歴史』や『地図でスッと頭に入るロシア』(昭文社)がおすすめ。一方、じっくり読み込みたいなら『ロシア史』(和田春樹)や『ロシア正教の千年』(廣岡正久)のように文章中心の本が向いてる。
関心領域で選ぶ:政治・軍事・文化・宗教・経済
橘ナナミ
例えば宗教に興味があるんですけど、どんな本がありますか?
佐藤メバル
ロシア正教を深く知りたいなら『ロシア正教の千年』(廣岡正久)。『聖なるロシアの復興』(ラックマン)はオカルト思想も含めて独特だよ。軍事史なら『日露戦争』や『大祖国戦争』の本、経済史なら『地政学×歴史で理由がわかる ロシア史』が地図付きでいい。
時代範囲で選ぶ:通貫か集中か
橘ナナミ
特定の時代だけ読みたい時は?
佐藤メバル
ロマノフ王朝に集中したいなら『興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地』(土肥恒之)や『名画で読み解く ロマノフ家12の物語』(中野京子)。ソ連時代なら『図説 ソ連の歴史』や『大ロシアへの開発独裁に変質――スターリン主義の歴史』(渥美文夫)。現代ロシアなら『諜報国家ロシア』(保坂三四郎)が面白い。
持ち運びやすさ:新書・文庫 vs 単行本
橘ナナミ
通勤中に読みたいんですけど、薄めの本はありますか?
佐藤メバル
新書・文庫サイズだと『一冊でわかるロシア史』や『ロシア革命史入門』(広瀬隆)、『ロシアの歴史を知るための50章』(下斗米伸夫)が持ち運びやすい。単行本は厚くて重いけど、その分情報量が多い。目的に合わせて選んでね。
ロシアの歴史の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
ロシアの歴史の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

ロシア・ウクライナ戦争 歴史・民族・政治から考える
塩川伸明 著|東京堂出版
¥4,180(税込)
ロシア・ウクライナ戦争を、歴史・民族・政治の専門家が冷静に分析する一冊。背景にある民族問題や冷戦後の安全保障まで幅広くカバー。歴史認識の政治化というテーマが特に印象的で、単なる時事解説を超えた深みがある。他のロシア史入門書と違い、現在の戦争を理解するための多角的な視点が得られる。
こんな人におすすめ
ウクライナ侵攻の背景を深く知りたい人。歴史と政治の専門家による分析を求める読書会やゼミ。冷静な議論を好むリベラルアーツ志向の読者。
良い点
- 専門家9名による多角的分析
- 歴史認識問題に独自の焦点
- 時事と歴史の橋渡しが的確
気になる点
- やや学術的で一般向けではない
- 価格が高め
- ページ数が多い
出版社
東京堂出版
発売日
2023年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、まさに今知りたいテーマです!ウクライナ戦争の歴史的背景って、一つの視点だけじゃ不十分ですよね。
佐藤メバル
そうなんだ。この本は歴史・民族・政治と異なる専門家が各章を担当していて、一つのテーマを多面的に照らせるのが強み。
特に「歴史認識の政治化」の章は、現在のロシアとウクライナの対立を理解する鍵になるよ。
橘ナナミ
「歴史認識の政治化」って、歴史そのものが政治的な武器になるってことですか?
佐藤メバル
その通り。例えば両国で同じ出来事の解釈が全く違う。この本はそうした相克を冷静に解説しているから、感情的な議論ではなく事実に基づいて考えたい人にぴったりだね。

ロージナ年代記 1 ロシア史右往左往物語
速水螺旋人 著|イカロス出版
¥1,980(税込)
人気マンガ家・速水螺旋人によるロシア通史コミック。ケモミミキャラの語り口で、6世紀から16世紀までのロシア史を面白く学べる。マンガとコラムの融合が秀逸で、硬くなりがちな歴史に親しみを持たせる。同著者のミリタリー知識も随所に生き、戦いの描写も臨場感がある。
こんな人におすすめ
ロシア史に初めて触れる人。マンガで歴史を学びたい中高生や大人。楽しく覚えたいビジュアル重視の読者。
良い点
- マンガでスラスラ読める
- コラムで深い知識も補完
- 著者のロシア愛が伝わる
気になる点
- 通史としては断片的
- 対象時代が限定
- ギャグテイストが好み分かれる
出版社
イカロス出版
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
えっ、ロシア史の本なのにマンガですか?しかもケモミミキャラが案内役って面白そう!
佐藤メバル
速水螺旋人さんはミリタリーマニアとしても有名で、その知識が随所に生きてる。この本はキエフ大公国からイワン雷帝までを描くけど、単なるギャグではなく、歴史の要点をしっかり押さえているんだ。
橘ナナミ
コラムも充実しているみたいですね。マンガだけじゃなくて、もっと深掘りしたい人にも良さそう。
佐藤メバル
そう。マンガ部分で流れを掴み、コラムで補足する構成。他のロシア史入門書が難しく感じる人への最初の一冊に最適だよ。

興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地 (講談社学術文庫 2386 興亡の世界史)
土肥恒之 著|講談社
¥1,496(税込)
ロマノフ王朝300年とソ連74年を通観する、多民族帝国ロシアの通史。ピョートル大帝やエカテリーナ2世など歴代君主の人間ドラマに迫る一方、社会史の視点から民衆の生活も描く。講談社学術文庫版で入手しやすくなった。他のロシア史本と比べ、王朝の権力闘争と地理的条件の関連を重視。
こんな人におすすめ
ロマノフ王朝の興亡をドラマチックに知りたい人。社会史にも興味がある歴史ファン。学術文庫で手軽に読める通史を求める読者。
良い点
- 王朝の300年を中心に据えた構成
- 社会史の視点で民衆も描く
- 文庫で手頃な価格
気になる点
- ソ連期の記述がやや駆け足
- やや専門的な記述も
- 図版が少ない
出版社
講談社
発売日
2016年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ロマノフ家って名前は聞いたことがあるけど、300年も続いた王朝なんですね。
佐藤メバル
そう。土肥恒之さんは社会史の視点も取り入れていて、皇帝だけでなく農民や民族の問題も描いている。例えばシベリア開発や民族問題はすでに帝政期に始まっていて、現在のロシアにまで影を落としているんだ。
橘ナナミ
なるほど。だから「ロマノフ王朝の大地」というタイトルなんですね。広大な国土をどう支配したかが鍵なんですね。
佐藤メバル
その通り。地政学的な視点も随所にあり、他の通史より深くロシアを理解できる。文庫になって価格も下がったし、ロシア史の定番として手元に置きたい一冊だよ。

ロシア革命史入門 (インターナショナル新書)
広瀬隆 著|集英社インターナショナル
¥836(税込)
ロシア革命を、レーニン、トロツキー、スターリンの人間模様と、石油利権の視点から描く新書。理想から独裁への変質を描く流れが明確。他の革命本と違い、バクー油田の権益など経済的背景も詳述。著者の広瀬隆は財閥研究でも知られ、独自の切り口。
こんな人におすすめ
ロシア革命の流れをコンパクトに把握したい人。社会主義の理想と現実を考えたい読書好き。新書で手軽に読める入門書を探す方。
良い点
- 石油利権など経済面の分析がユニーク
- 人物描写がドラマチック
- 新書で安価・コンパクト
気になる点
- 歴史的な正確性に議論の余地
- ややセンセーショナルな表現
- 革命以外の時代は扱わない
出版社
集英社インターナショナル
発売日
2017年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ロシア革命って教科書で習うけど、なぜ理想の社会主義がスターリンの独裁に変わったのか不思議でした。
佐藤メバル
広瀬隆さんはそこをしっかり追っている。レーニンの理想、トロツキーの孤立、スターリンの権力掌握。さらにバクー油田をめぐる利権が革命の裏にあったと指摘するんだ。他の本ではあまり見ない視点だよ。
橘ナナミ
油田の利権ですか!経済的な動機が革命を動かした面もあるんですね。
佐藤メバル
そう。国際政治と資源を結びつけるこの本のスタイルは、現代のウクライナ情勢を考えるヒントにもなる。新書で読みやすいから、まずはこの一冊で革命の流れを掴んでみて。

図説 ロシアの歴史 (ふくろうの本)
栗生沢猛夫 著|河出書房新社
¥2,622(税込)
古代から現代までを、写真・図版を多用して解説するビジュアル歴史書。永久保存版と銘打つ通り、ロシア史の全体像を一目で把握できる。他の入門書より視覚情報が豊富で、地図や肖像画などが理解を助ける。謎の多い隣国の真実に迫る構成。
こんな人におすすめ
ビジュアルから歴史を学びたい人。図版でまとめて理解したいビギナー。旅行前にざっと歴史を眺めたい方。
良い点
- 写真・図版が豊富
- 古代から現代までカバー
- 見開きで読みやすい
気になる点
- 情報量が限られる
- 深掘りには不向き
- やや価格が高め
出版社
河出書房新社
発売日
2010年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「図説」とあるけど、やっぱり写真や地図があるとイメージしやすいですね。
佐藤メバル
この「ふくろうの本」シリーズはビジュアルで歴史を追うのが得意。特にロシアのような広大な国は地図があると理解が格段に変わる。
なぜ革命が起きたか、いつ専制が始まったかといった問いに、図版で答えてくれる。
橘ナナミ
永久保存版というだけあって、眺めているだけでも楽しめそうです。
佐藤メバル
そう。ただしダイジェスト版のような側面もあるから、ある程度知識がある人には物足りないかも。最初の一冊か、復習用に手元に置くのにぴったりだよ。

ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで (だからわかるシリーズ)
祝田秀全 著|朝日新聞出版
¥1,650(税込)
キエフ大公国からウクライナ侵攻までを、オールカラーの地図・写真・図解で解説。地政学と歴史を同時に理解できる構成が売り。他書と違い、最新のウクライナ侵攻まで視野に入れているので、時事問題と歴史を結びつけたい読者に最適。文化面の企画も充実。
こんな人におすすめ
現在のウクライナ情勢を歴史から理解したい人。地図好きで視覚的に学びたい方。高校生〜一般。
良い点
- カラー図解で見やすい
- 最新のウクライナ侵攻までカバー
- 地政学と歴史の融合
気になる点
- やや薄めの内容
- 通史としては簡略
- 専門家には物足りない
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「だからわかるシリーズ」って、まさに私のような初心者向けですよね。地図が多いのが嬉しい。
佐藤メバル
この本は、単に歴史をなぞるだけでなく、地政学的な視点を常に意識している。例えばキエフの位置や黒海への出口など、地図を見ながらロシアの行動原理が理解できるんだ。
橘ナナミ
ウクライナ侵攻後だからこそ、こうした本の需要が高まっているんでしょうね。
佐藤メバル
うん。歴史を現在と結びつけたいなら、この本は最適の入門書だよ。文化のコラムもあって、ロシアの日常にも触れられる。

一冊でわかるロシア史 増補改訂版
関眞興 著|河出書房新社
¥1,980(税込)
図やイラストを使ってロシアの歩みをわかりやすく解説。増補改訂版では近年の動きも追加。「そのころ、日本では?」コラムが便利で、日本史と比較しながら学べる。他の入門書より情報が凝縮され、コラムも充実。
こんな人におすすめ
ロシア史を一冊でざっとおさえたい人。日本史との対比で学びたい方。忙しい社会人や学生。
良い点
- 図解とイラストで理解しやすい
- 日本との比較コラムが秀逸
- 改訂で最新情報まで対応
気になる点
- やや薄く深みに欠ける
- 通史としては最低限
- 専門用語の説明が少ない
出版社
河出書房新社
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「一冊でわかる」というタイトル、期待しちゃいます。しかも日本との比較コラムがあるんですね。
佐藤メバル
関眞興さんは歴史教育のプロで、本当に要点を押さえている。この増補改訂版ではウクライナ侵攻後の情勢も追記されていて、最新のロシアを知るにも十分だね。
特に「そのころ、日本では?」のコラムが面白くて、世界史と日本史を同時に学べる。
橘ナナミ
例えばどんな時代が比較されているんですか?
佐藤メバル
例えば、ピョートル大帝が改革を進めていたころ、日本は元禄文化の真っ只中。そういう対比が歴史を身近にしてくれる。入門者にはまずこの一冊を薦めたい。

ロシア史 (世界各国史 新版 22)
和田春樹 著|山川出版社
¥3,850(税込)
山川出版社「世界各国史」シリーズの一冊。和田春樹監修による本格通史で、ロシア史を学ぶなら必携の一冊。ページ数512ページとボリュームがあり、各時代を専門家が詳細に解説。他の入門書と比べ、アカデミックな正確さと深さが最大の魅力。
こんな人におすすめ
歴史学を専門に学ぶ学生や研究者。詳細な通史を必要とする図書館や教育関係者。ロシア史を体系的に極めたい人。
良い点
- 専門家による信頼性の高い記述
- 広範囲な時代をカバー
- 参考文献も充実
気になる点
- 価格が高い
- 初心者には重厚すぎる
- 図版が少ない
出版社
山川出版社
発売日
2002年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
山川出版社の世界各国史シリーズは、大学の教科書としても使われているんですよね。
佐藤メバル
そう。この「ロシア史」は和田春樹さんを中心に、錚々たる執筆陣が書いている。一冊で古代から現代までをカバーしていて、脚注や参考文献も充実。
これ一冊あれば専門的な議論にも対応できる。
橘ナナミ
でも初心者にはちょっとハードルが高そうですね。
佐藤メバル
うん、初めてロシア史を学ぶ人には向かない。でも、ある程度知識がついて、もっと深く正確に知りたいと思ったら、まず手に取るべき本だよ。

ロシアとは何か ─モンゴル・中国から歴史認識を問い直す─
宮脇淳子 著|扶桑社
¥1,760(税込)
宮脇淳子が、モンゴル帝国や中国との関係からロシアの歴史認識を問い直す。「歴史はストーリーであり武器になる」という視点が強烈。他のロシア史と違い、ユーラシア全体のなかでロシアを位置づけ、現代のプーチンや習近平の行動も読み解く。歴史認識の相対化を迫る一冊。
こんな人におすすめ
歴史認識やイデオロギーに興味がある人。国際政治と歴史の交錯を考えたい読者。欧米中心史観に疑問を持つ方。
良い点
- 独自のユーラシア史観
- 現代の中国・ロシア分析に直結
- 議論を喚起する内容
気になる点
- 主張が強く客観性に疑問
- 専門家の間で評価が分かれる
- 初心者には難しい
出版社
扶桑社
発売日
2023年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ロシアとは何か」ってタイトル、哲学的ですね。でもモンゴルや中国から問い直すという視点が斬新です。
佐藤メバル
宮脇淳子さんは岡田英弘さんの史学を継承していて、従来のロシア史像を根本から問い直す。例えば「タタールのくびき」をロシアが自ら作り上げた神話だと指摘するんだ。
これは他の本ではなかなか触れられない視点だね。
橘ナナミ
歴史がストーリーであり武器になるという考え方、すごく考えさせられます。
佐藤メバル
そう。この本を読むと、ニュースで見るロシアや中国の行動が別の角度から見えてくる。ただし、著者の主張が強いので、他の本と併読するのがおすすめだよ。

ロシア正教の千年 (講談社学術文庫)
廣岡正久 著|講談社
ロシア正教の1000年にわたる歴史を、政治と社会の流れの中で描く。988年のキリスト教導入から、ソ連の弾圧、プーチン政権下の復権まで。「聖と俗のはざま」という副題が示す通り、宗教と権力の関係を追う。他のロシア史本にはないユニークな切り口。
こんな人におすすめ
ロシアの宗教的背景を理解したい人。正教会と政治の関係に興味がある方。国際関係を宗教面から見たい読者。
良い点
- ロシア正教に特化した唯一の通史
- ソ連期の弾圧と復活のドラマ
- 文庫化で入手しやすい
気になる点
- 正教知識がないと難しい
- やや専門的
- 現代部分がやや駆け足
出版社
講談社
発売日
2020年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ロシア正教って、プーチンと親しいイメージがありますが、歴史的にどういう信仰なんですか?
佐藤メバル
廣岡正久さんは、キエフ公国のウラジーミル1世が国教にした988年から、現代までをたどっている。ソ連時代に弾圧されながらも、大祖国戦争ではスターリンに協力した複雑な歴史があるんだ。
橘ナナミ
「第三のローマ」という考え方も、正教と関係あるんですね。
佐藤メバル
そう。ビザンツ帝国滅亡後、モスクワが正教の中心を自任するようになる。この本はそうした理念と現実の政治の交錯を描いていて、ロシアの行動原理を知る上で欠かせない。

世界史劇場 ロシア革命の激震
神野正史 著|ベレ出版
¥1,760(税込)
世界史劇場シリーズ第6弾。豊富なイラストと臨場感あふれる解説で、ロシア革命をまるで劇のように楽しめる。社会主義思想の違いまでわかりやすく整理。他の革命本よりビジュアルで直感的に理解できる。
こんな人におすすめ
ロシア革命の流れを視覚的に学びたい人。歴史が苦手でも楽しめるエンタメ要素を求める方。学生の副読本に。
良い点
- イラストが多くてわかりやすい
- 思想の違いまで丁寧に解説
- シリーズで揃えやすい
気になる点
- 革命期のみの扱い
- 学術的厳密さに欠ける
- やや図解に頼りすぎ
出版社
ベレ出版
発売日
2014年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
世界史劇場シリーズは名前は知ってます。実際に読むと本当に劇を見てるみたいなんですか?
佐藤メバル
神野正史さんの語り口が絶妙で、まるでナレーション付きのドキュメンタリーを見ている感覚だね。レーニンやトロツキーの思惑、民衆の熱狂がイラストとともに生き生きと伝わってくる。
橘ナナミ
社会主義思想の違いって、メンシェビキとボリシェビキの違いとかですよね。
佐藤メバル
そう。ああいう複雑な思想の違いも、図解とストーリーでスッと頭に入る。これ一冊で革命の流れだけでなく、なぜスターリンが台頭したのかまで理解できるよ。

大ロシアへの開発独裁に変質――スターリン主義の歴史
渥美文夫 著|武久出版
¥4,400(税込)
スターリンによる国内政治を包括的に検討する大著。624ページのボリュームで、労働者人民にとってスターリン支配がどのような意味を持ったかを詳細に分析。他のスターリン関連書と違い、政治支配の実態に焦点を当て、その変質過程を追う。
こんな人におすすめ
ソ連史やスターリン体制の研究者。政治支配のメカニズムを詳細に知りたい専門家。大学図書館向け。
良い点
- 膨大な資料に基づく分析
- テーマを絞った深い考察
- スターリン主義の本質に迫る
気になる点
- ページ数が多く読み応えあり
- 一般読者には難解
- 価格が高い
出版社
武久出版
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
スターリン主義という言葉は聞きますが、具体的にどんな政治だったのか、まだよくわかっていません。
佐藤メバル
渥美文夫さんはスターリンの国内政治を、労働者の視点から徹底的に分析している。この本の凄いところは、スターリン支配が単なる独裁ではなく、開発独裁としての側面を持ち、人民にどのような影響を与えたかを克明に描いている点だ。
橘ナナミ
600ページ以上あるので、かなり専門的ですね。
佐藤メバル
うん、一般向けではないけれど、スターリン体制の本質を理解したいなら、これ以上の本はない。研究や論文の参考文献としても最適だよ。

図説 ソ連の歴史 増補改訂版 (ふくろうの本/世界の歴史)
下戸米伸夫 著|河出書房新社
¥2,310(税込)
ソ連崩壊から30年、新資料も踏まえて増補改訂されたビジュアル通史。決定版の名にふさわしく、ソ連時代の全体像をコンパクトに把握できる。他のソ連本より図版が多く、一般読者にも理解しやすい。現代ロシアを理解するための前段階として最適。
こんな人におすすめ
ソ連の歴史をざっと知りたい人。ビジュアル資料で学びたい読者。時事問題の背景を押さえたい社会人。
良い点
- 増補で最新の知見を反映
- 図版が多く読みやすい
- ソ連に特化している
気になる点
- ページ数が限られる
- 深い分析は別書が必要
- やや価格が高い
出版社
河出書房新社
発売日
2021年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ソ連って70年ちょっとの歴史ですが、今のロシアを理解するには欠かせないですよね。
佐藤メバル
その通り。下斗米伸夫さんはソ連史の専門家で、この増補改訂版では新たに公開された資料も反映されている。
特にスターリン期の実態や、ブレジネフ時代の停滞が、現在のロシアにどうつながるかがわかる。
橘ナナミ
図説シリーズなので、写真や図表も楽しめそうですね。
佐藤メバル
うん。ソ連のプロパガンダポスターや日常生活の写真も多く、当時の雰囲気を感じられる。通史をおさえたいなら、まずこの一冊で全体像をつかむといい。

地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理 (PHP新書)
亀山陽司 著|PHP研究所
¥1,133(税込)
元駐ロシア外交官が、地政学・歴史・文化からロシアの行動原理を解説。「世界を動かす偉大なロシア」という信仰の成り立ちを追う。他の地政学本より具体的な外交政策と結びついており、実務経験に基づく分析が説得力を持つ。
こんな人におすすめ
ロシアの外交行動を予測したいビジネスパーソン。地政学に興味がある人。国際ニュースを深掘りしたい読者。
良い点
- 外交官経験に基づくリアルな分析
- 歴史と地政学のバランスが良い
- コンパクトにまとまっている
気になる点
- ややロシア寄りの視点
- 現代中心で古代は浅い
- 学術的厳密さはやや弱い
出版社
PHP研究所
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ロシアの行動が理解できないという声をよく聞きますが、この本はその理由を教えてくれそうですね。
佐藤メバル
亀山陽司さんは駐ロシア外交官として現場を経験しているから、理論だけではない具体的な分析ができる。例えば、ロシアがなぜ周辺国と常に戦争してきたか、地政学的な条件から説明しているんだ。
橘ナナミ
「偉大なロシア」という信仰が行動原理って、なるほど。
佐藤メバル
そう。この本を読むと、プーチンの演説の背後にある歴史的な自己理解がわかる。日本人には理解しにくいロシアの論理を、地政学と歴史で解きほぐしてくれる良書だよ。

ロシア近現代と国際関係:歴史を学び、政治を読み解く
小田健 著|ミネルヴァ書房
¥4,400(税込)
元日経モスクワ支局長が、ロシア近現代史と国際関係を解説。革命からソ連崩壊、プーチン政権までを、現地の空気感を交えて描く。第二部では米国・中国・日本との関係を分析。他の通史よりジャーナリストの視点が生きている。
こんな人におすすめ
ロシア近現代史を実務的な視点から学びたい人。日露関係に特に興味がある読者。国際ジャーナリズム志向の方。
良い点
- ジャーナリストの臨場感
- 日露関係の章が充実
- コンパクトにまとまっている
気になる点
- 古代中世の記述が薄い
- 学術書よりやや軽い
- 特定のテーマに偏る部分も
出版社
ミネルヴァ書房
発売日
2017年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
元新聞記者の方が書くと、ニュースの裏側がわかって面白そうですね。
佐藤メバル
小田健さんはモスクワ支局長としてペレストロイカからソ連崩壊、その後のロシアを現場で見てきた。だからゴルバチョフやエリツィンの素顔や、政治の舞台裏が具体的に語られているんだ。
橘ナナミ
第二部で国際関係を分析しているのも、今の時代にぴったりですね。
佐藤メバル
特に日露関係の章は、北方領土問題を含めて歴史的に整理されていて、これ一冊でロシアと日本の関係をおさえられる。
時事問題を歴史から理解したい人におすすめだよ。

ロシアの歴史を知るための50章 (エリア・スタディーズ152)
下斗米伸夫 著|明石書店
¥2,200(税込)
ロシア史の重要テーマを50の章に分けてわかりやすく紹介。各章完結型で、どこから読んでも理解できる構成。他の入門書より柔軟で、トピックごとに掘り下げられる。エリア・スタディーズシリーズらしく、歴史だけでなく文化や社会にも触れる。
こんな人におすすめ
自分の興味あるテーマから読み始めたい人。忙しくても隙間時間に歴史を学びたい方。ロシア史の全体像をトピック別に整理したい読者。
良い点
- 50の独立した章で使いやすい
- 歴史の大事件をバランスよくカバー
- 巻末の参考文献が充実
気になる点
- 通史としての流れはつかみにくい
- 章によって深さにばらつき
- コンパクトすぎる面も
出版社
明石書店
発売日
2016年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
50章もあると、読み応えがありそうだけど、どこから読めばいいんでしょう?
佐藤メバル
この本のいいところは、各章が独立しているから、興味のあるテーマから読めるんだ。例えば「ロシア革命の背景」や「スターリン体制」など、気になる話題をぱっと開ける。
下斗米伸夫さんの監修で内容も信頼できる。
橘ナナミ
それだと歴史が苦手な人でも挫折しにくいですね。
佐藤メバル
そう。通史のように最初から読まなくていい。巻末の参考文献も充実しているから、さらに深掘りしたいときのガイドにもなる。
ライトにロシア史に触れたい人におすすめだよ。

ロシアの源流 中心なき森と草原から第三のローマへ (講談社選書メチエ)
三浦清美 著|講談社
中世のルーシが、モンゴル、十字軍、リトアニア、ビザンツの圧力の中でロシアへと固まっていく過程を描く。「第三のローマ」誕生のドラマに迫る。他のロシア史と違い、中世に焦点を当て、文化と政治の相互作用を詳説。
こんな人におすすめ
中世ロシア史に特化して学びたい人。ロシア国家の起源に興味がある読者。講談社選書メチエの知的刺激を求める方。
良い点
- 中世に特化した貴重な一冊
- モンゴル支配の影響を深掘り
- 思想史の視点も含む
気になる点
- 現代ロシアの理解には直接つながらない
- やや専門的
- ページ数が少ない
出版社
講談社
発売日
2003年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「第三のローマ」ってよく聞くけど、どういう意味なんですか?
佐藤メバル
ビザンツ帝国滅亡後、モスクワが正教と帝国の正統な後継者を自任するようになる思想だよ。三浦清美さんは、その思想がどのように形成されたかを、中世の国際関係の中で描いている。
モンゴルや西方からの圧力が、ロシアの自己認識を形作ったんだ。
橘ナナミ
なるほど。だから現代のロシアも「第三のローマ」意識を持っているんですね。
佐藤メバル
そういう連続性を考える上でも、この本は重要だ。中世に焦点を当てているが、現在のロシアの行動原理の淵源がわかる。

聖なるロシアの復興 東ローマ帝国(ビザンチン)からプーチンへ引き継がれる その理念・歴史・オカルト思想
ラックマン 著|ヒカルランド
¥6,600(税込)
プーチンに影響を与えた哲学者たちの思想を、オカルト思想史研究家ラックマンが追う。聖なるロシアの理念から、ナロードニキ、グルジェフ、ドゥーギンまで。700ページの大著で、通常の歴史書では扱わない神秘思想にまで踏み込む。
こんな人におすすめ
ロシアのイデオロギーとオカルトの関係に興味がある人。プーチンの思考の源泉を知りたい読者。異色のテーマを求める方。
良い点
- 唯一無二のテーマ
- オカルト思想史の詳細な記述
- 現代ロシア理解に新しい視点
気になる点
- 非常に専門的で難しい
- 価格が高い
- 学術的な検証が不十分な部分も
出版社
ヒカルランド
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オカルト思想史って、ロシアと関係あるんですか?プーチンがオカルトに影響されているとか?
佐藤メバル
驚くかもしれないけど、ロシアの知識人や政治指導者には神秘主義的な思想の流れがあるんだ。ラックマンはナロードニキからグルジェフ、そしてドゥーギンまでを追跡していて、プーチンの「聖なるロシア」復興の思想的なルーツを明らかにしている。
橘ナナミ
700ページもあるんですね。かなり本格的な内容みたいだ。
佐藤メバル
うん、一般向けではないけど、現代ロシアの行動を思想面から理解したいなら、これ以上にユニークな本はない。
ただし内容が特殊なので、ある程度ロシア史の知識がある人が読むといいだろう。

ドイツ=ロシアの世紀 1900-2022(上)
シュテファン・クロイツベルガー 著|白水社
¥4,950(税込)
ドイツとロシア(ソ連)の関係を中心に20世紀~21世紀を論じる。「アメリカの世紀」に対抗する視点。ヒトラーとスターリン、メルケルとプーチンなど、歴史上の人物の関係からウクライナ戦争までを多角的に詳述。独露関係史の第一人者による新しい世界史。
こんな人におすすめ
20世紀の国際関係を包括的に理解したい人。独露関係の視点を重視する歴史ファン。ウクライナ戦争の国際的文脈を知りたい読者。
良い点
- 独露関係に特化したユニークな視点
- 最新の研究成果を反映
- 上下巻で詳細な分析
気になる点
- 上巻のみで完結しない
- ページ数が多く読み応えあり
- 価格が高い
出版社
白水社
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
20世紀はアメリカの世紀ってよく言われますが、独露関係という視点は新鮮ですね。
佐藤メバル
シュテファン・クロイツベルガーさんは、ドイツとロシアの相互作用が世界史に与えた影響を重視している。例えば二つの世界大戦や冷戦も、独露の関係抜きには語れない。
この上巻では革命からテロル、暴力の連鎖を描いて、人間ドラマとしても読めるんだ。
橘ナナミ
歴史を人物の関係から見ると、政治の駆け引きが生々しく感じられますね。
佐藤メバル
そう。特にヒトラーとスターリン、あるいはメルケルとプーチンの関係は、単なる国家間の対立を超えた個人的な要素もあって興味深い。
下巻と合わせて読めば、現代のウクライナ戦争に至る過程がよくわかる。

日本とロシア 忘れられた交流史
シュラトフヤロスラブ 著|柏書房
¥2,420(税込)
日本とロシアの400年にわたる交流の歴史を、図版約130点とともに再構築。「逆転を繰り返した関係」というユニークな視点で、戦争や領土問題の陰に隠れた厚みある交流を描く。漂流民やゴロヴニン事件など、エピソードが満載。
こんな人におすすめ
日露関係の多面的な歴史を知りたい人。ビジュアル資料を楽しみたい読者。両国の文化交流に興味がある方。
良い点
- 豊富な図版で視覚的に楽しい
- 400年の通史を一冊で
- エピソードが多くて読み物として面白い
気になる点
- 政治・軍事面の分析は浅め
- ややロマンチックな見方
- ページ数に対して価格高め
出版社
柏書房
発売日
2025年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日露関係っていつも領土問題でギクシャクしているイメージですが、400年もの交流史があるんですね。
佐藤メバル
シュラトフヤロスラブさんは、戦争や対立の陰で、人や物の交流が絶えずあったことを描いている。例えばロシアに渡った最初の日本人や、江戸時代の漂流民の話は、まったく別の日露関係の顔を見せてくれる。
橘ナナミ
図版が100点以上もあって、資料としても楽しめそうですね。
佐藤メバル
そう。モノクロ・カラー合わせて豊富な図版が、歴史の舞台を臨場感たっぷりに伝えてくれる。日露関係を多面的に知りたい人には、この上ない入門書だよ。

地図でスッと頭に入るロシア
昭文社出版編集部 著|昭文社
¥2,420(税込)
政治・軍事から一歩引いた客観的視点で、地理、文化、産業、ロシア人の生活を地図と図解で紹介。「おそロシア」イメージを超えたありのままの日常がわかる。他のロシア解説書と違い、観光や料理、交通など生活面に焦点。監修者は北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授。
こんな人におすすめ
ロシア旅行や駐在を考えている人。地図好きで地理から国を知りたい方。ニュースのイメージではないロシアの実像に触れたい読者。
良い点
- 地図中心で視覚的に理解できる
- 生活文化の章が充実
- 監修者が専門家で信頼できる
気になる点
- 歴史の記述は最小限
- 政治分析は深くない
- やや観光ガイド的な側面
出版社
昭文社
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「おそロシア」っていう言葉がありますけど、この本はそれとは違うリアルなロシアを教えてくれそうですね。
佐藤メバル
そう。服部倫卓さん監修で、ロシアの多様な民族や日常の暮らしを、地図とともに解説している。例えばロシア料理やウォッカの話、サモワールの文化など、歴史の表舞台に立たない人々の生活がわかるんだ。
橘ナナミ
地図で見ると、国土の広さや資源の分布が一目でわかって面白いですね。
佐藤メバル
うん。政治や軍事の対立から離れて、ロシアという国を地理的・文化的に理解したい人にぴったり。特に旅行前の予備知識として最適だよ。

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)
中野京子 著|光文社
¥1,078(税込)
12枚の名画を手がかりに、ロマノフ王朝304年の歴史を読み解く。幽閉、裏切り、謀略、暗殺のドラマが、絵画の解説とともに展開する。中野京子シリーズの特徴である、絵画から歴史を読み解く手法が、ロマノフ家でも生きている。他の王朝本よりドロドロした人間関係が際立つ。
こんな人におすすめ
絵画と歴史のコラボを楽しみたい人。ロマノフ家のスキャンダルに興味がある読者。中野京子ファン。
良い点
- 名画から歴史に迫るユニークな手法
- 王朝の人間ドラマが面白い
- コンパクトで読みやすい
気になる点
- 名画に依存するため網羅的ではない
- 絵画の知識がないと楽しめないかも
- ややエンタメ寄り
出版社
光文社
発売日
2014年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
名画で歴史を読み解くシリーズ、前から気になってました。ロマノフ家も描かれているんですね。
佐藤メバル
中野京子さんは、絵画に隠された歴史の真実を読み解くのが上手い。例えばピョートル大帝の少年時代の逸話を描いた絵や、ラスプーチンを取り巻く不気味な絵など、12枚の作品からロマノフ家の権力闘争や悲劇が浮かび上がってくる。
橘ナナミ
絵画を見ながら歴史を学べるのは、美術好きにはたまらないですね。
佐藤メバル
そう。しかもこの本はロマノフ家の「ドロドロ」した側面に焦点を当てていて、他の歴史書よりも人間の業が感じられる。
一枚の絵からこれだけの物語が紡ぎ出せるのかと感心するよ。

諜報国家ロシア ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで (中公新書)
保坂三四郎 著|中央公論新社
ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで、諜報機関が国家を支配する構造を解明。ウクライナで公開された極秘文書や、リーク情報を駆使して、「諜報国家」の行動原理に迫る。他のロシア政治書よりスパイ活動の視点からロシアを分析するユニークな一冊。
こんな人におすすめ
ロシアの諜報活動に興味がある人。プーチン政権の本質を理解したい読者。スパイ小説のようなノンフィクションを求める方。
良い点
- 諜報機関に特化した貴重な分析
- 最新のリーク情報を活用
- プーチンの出自にも触れる
気になる点
- 一般向けではない専門性
- 陰謀論的な解釈の危険性
- 内容が重い
出版社
中央公論新社
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
プーチンが元KGBだったのは有名ですけど、それが今のロシアにどう影響しているのか知りたいです。
佐藤メバル
保坂三四郎さんは、KGBの伝統がFSBに引き継がれ、現在のロシアの政治や社会に深く浸透していることを明らかにしている。
ウクライナで公開されたKGBの極秘文書など、貴重な資料を使っているんだ。
橘ナナミ
諜報国家って言われると、なんでもスパイ活動で動いているような印象ですね。
佐藤メバル
実際には、諜報機関出身者のネットワークが政治や経済を掌握していて、それがロシアの意思決定に独特のパターンをもたらしている。
この本を読むと、なぜロシアが国際法を無視するような行動を取るのか、その背景がよくわかる。

ロシア史 (1) (世界歴史大系)
田中陽児 著|山川出版社
¥5,877(税込)
山川出版社「世界歴史大系」のロシア史第1巻。509ページの本格的な通史で、アカデミックな正確さが最大の特徴。他の入門書とは違い、詳細な注と文献リストで研究にも使える。古代から近世までをカバー。
こんな人におすすめ
大学の講義や研究で使う人。詳細な歴史記述を必要とする専門家。ロシア史を学ぶ学生必携。
良い点
- 学術的な信頼性が高い
- 詳細な注と参考文献
- 大きなフォーマットで読みやすい
気になる点
- 価格が高い
- 一般読者には重すぎる
- 第2巻以降も必要
出版社
山川出版社
発売日
1995年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
世界歴史大系って、図書館で見かける大きな本ですね。一般向けではないのかな。
佐藤メバル
このシリーズは研究者向けの本格的な通史だ。田中陽児さんたちの執筆で、古代から近世までを詳細にカバーしている。
注釈や文献リストも充実しているから、卒論やレポートを書くときに非常に役立つ。
橘ナナミ
やっぱり学生とか研究者向けなんですね。初心者にはハードルが高そう。
佐藤メバル
そうだね。でも、本格的にロシア史を学びたいなら、いつかは必ず手にするべき本。他の概説書では得られない深い知識が得られるよ。

地政学×歴史で理由がわかる ロシア史 キエフ大公国から侵攻まで 地図付
¥4,950(税込)
地政学と歴史を掛け合わせてロシアの歩みを解説する通史。キエフ大公国からウクライナ侵攻までを、地図付きで理解できる。他の地政学本より歴史の流れを重視しており、現代の紛争までを一貫した視点で捉える。
こんな人におすすめ
地政学と歴史を一冊で学びたい人。ウクライナ侵攻の原因を歴史的な視点から理解したい読者。地図好きで空間認識を重視する方。
良い点
- 地政学×歴史のユニークな切り口
- 地図が豊富でイメージしやすい
- 最新の侵攻までカバー
気になる点
- 価格が高い
- 内容やや専門的
- 出版社や著者の情報が少ない
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「地政学×歴史」って、まさに今のロシアを理解するためのキーワードですよね。
佐藤メバル
この本は、キエフ大公国から現代のウクライナ侵攻までを、地図を多用しながら地政学的に解説している。特にロシアの温暖な港を求める動きや、緩衝地帯の重要性など、常に地理的条件が歴史を動かしてきたことがわかる。
橘ナナミ
ウクライナ侵攻の原因も、この本を読めば理解できるんでしょうか。
佐藤メバル
そうだね。歴史的な経緯と地政学的な要因を重ねることで、単なる「侵略」ではなく、ロシア側の論理も見えてくる。
ただし、価格が少々高いので、図書館でチェックしてから購入を決めるのも手だよ。
競合が押さえている主要論点
橘ナナミ
この記事で絶対外せない定番の本ってありますか?
佐藤メバル
まず外せないのが『一冊でわかるロシア史』、『図説 ロシアの歴史』、『ロシア史 キエフ大公国からウクライナ侵攻まで』、そして山川出版社の『ロシア史』(和田春樹)だね。これらは多くの競合記事で紹介されているロシア史の王道。特に『ロシア史』はアカデミックな定番で、研究者も参照する信頼性の高い一冊。『ロシアとは何か』(宮脇淳子)は歴史認識の面でユニークな視点を提供している。また、『ロシア革命史入門』(広瀬隆)や『ロマノフ王朝』関連(『興亡の世界史』、『名画で読み解く ロマノフ家』)もよく取り上げられる。現代政治なら『地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理』(亀山陽司)が押さえどころだね。
競合が手薄な深掘りポイント
橘ナナミ
他の記事と差をつけるにはどんなテーマを掘り下げればいいんですか?
佐藤メバル
例えば日本とロシアの関係史。『日本とロシア 忘れられた交流史』(シュラトフヤロスラブ)は400年の厚みをビジュアル豊かに描いていて、北方領土問題の理解にも役立つ。また、宗教史に特化した『ロシア正教の千年』(廣岡正久)や『聖なるロシアの復興』(ラックマン)は、ロシアの精神性を理解するのに欠かせない。さらに周縁民族の視点、例えばウクライナやカフカースの視点からロシア史を捉え直す『ロージナ年代記』(速水螺旋人)は漫画ながら深い。経済史・エネルギー地政学なら『地政学×歴史で理由がわかる ロシア史』。軍事史では『ドイツ=ロシアの世紀』(クロイツベルガー)が独露関係から冷戦までを扱う。ソ連崩壊後の記憶戦争については『諜報国家ロシア』(保坂三四郎)がプロパガンダや情報戦に切り込んでいる。
橘ナナミ
文学と歴史の関連はどうですか?
佐藤メバル
ロシア文学は歴史理解の強力なツールだよ。例えば『ロシア史』の理解にはドストエフスキーやソルジェニーツィンが欠かせない。ただ、文学書そのものではなく、歴史解説で文学に触れる本として『名画で読み解く ロマノフ家』や『ロージナ年代記』がおすすめ。一次史料を紹介する本だと『ロシアの源流』(三浦清美)も興味深い。
学習の順序・読み方ガイド
橘ナナミ
ロシア史を独学する順番ってありますか?
佐藤メバル
まずは『一冊でわかるロシア史』か『図説 ロシアの歴史』で全体像を掴む。次に興味のある時代(革命なら『ロシア革命史入門』、帝政なら『興亡の世界史』)を読む。その後、現代の文脈を理解するために『地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理』や『ロシア・ウクライナ戦争』につなげる。最後に専門書で深掘りすると挫折しにくい。ビジュアル系なら『ロージナ年代記』や『地図でスッと頭に入るロシア』もおすすめだよ。
よくある質問
ロシア史初心者、最初に読むべき本は?
橘ナナミ
ロシア史初心者、最初に読むべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
『一冊でわかるロシア史』(関眞興) が最もおすすめです。図やイラストが多く、流れがつかみやすい。コラム「そのころ、日本では?」で比較もでき、初学者に最適です。
ソ連とロシア帝国の違いを理解するには何を読めばいい?
橘ナナミ
ソ連とロシア帝国の違いを理解するには何を読めばいいについて教えてください。
佐藤メバル
『図説 ソ連の歴史』(下戸米伸夫)でソ連の全容を、『興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地』(土肥恒之)で帝政ロシアを学ぶと違いが明確になります。両方を読み比べると、政治体制・イデオロギー・社会構造の違いが見えてきます。
ウクライナ侵攻の背景を知るためのおすすめ本は?
橘ナナミ
ウクライナ侵攻の背景を知るためのおすすめ本はについて教えてください。
佐藤メバル
『ロシア・ウクライナ戦争 歴史・民族・政治から考える』(塩川伸明)が専門家の視点から多角的に解説。『地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理』(亀山陽司)も地政学的背景を理解するのに役立ちます。
山川出版社の「ロシア史」と「一冊でわかるロシア史」、どちらを先に読むべき?
橘ナナミ
山川出版社の「ロシア史」と「一冊でわかるロシア史」、どちらを先に読むべきについて教えてください。
佐藤メバル
まず『一冊でわかるロシア史』で概観を掴んでから、山川出版社の『ロシア史』(和田春樹)に進むのが理想です。山川版は学術的で情報量が多いので、初心者がいきなり読むと挫折しやすい。入門書で基礎を固めてから専門書へ。
図説ロシアの歴史は初心者でも読みやすい?
橘ナナミ
図説ロシアの歴史は初心者でも読みやすいについて教えてください。
佐藤メバル
はい、非常に読みやすいです。写真や地図が豊富で、視覚的に理解できるため、歴史に詳しくない方でもスムーズに読めます。通史をイメージで捉えたい方におすすめ。
ロシア文学(ドストエフスキーなど)は歴史理解に役立つ?
橘ナナミ
ロシア文学(ドストエフスキーなど)は歴史理解に役立つについて教えてください。
佐藤メバル
間接的には役立ちます。文学作品は当時の社会や精神を反映しているので、歴史の背景を感じ取れます。ただし、歴史事実を学ぶには『ロシア史』などの専門書のほうが効率的。文学は補助的に使うと良いでしょう。
ロシア史を独学するための効果的な順番は?
橘ナナミ
ロシア史を独学するための効果的な順番はについて教えてください。
佐藤メバル
①入門通史(『一冊でわかるロシア史』)→②時代別(革命なら『ロシア革命史入門』、帝政なら『興亡の世界史』)→③現代理解(『地政学と歴史で読み解くロシアの行動原理』)→④専門書(山川『ロシア史』やテーマ別の本)が挫折しにくいルートです。
ビジュアル系のおすすめ本は?(地図・写真・漫画)
橘ナナミ
ビジュアル系のおすすめ本は?(地図・写真・漫画)について教えてください。
佐藤メバル
『図説 ロシアの歴史』(河出書房新社)、『地図でスッと頭に入るロシア』(昭文社)、漫画なら『ロージナ年代記』(速水螺旋人)が面白い。特に『ロージナ年代記』はユーモアを交えながら古代から16世紀までを描き、初学者にも受け入れやすいです。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さんのおかげで、自分に合った本が見つかりそうです!
佐藤メバル
よかった。ロシア史はまるでマトリョーシカみたいなものだね。表層の通史を開くと、革命や帝国、宗教といった中段の人形が現れ、さらに深く掘るとウクライナや少数民族、経済といった小さな人形が出てくる。どの人形を手に取るかはあなた次第。まずは一番外側の大きな人形――『一冊でわかるロシア史』や『図説 ロシアの歴史』を開いてみてほしい。きっと中からもっと知りたい世界が顔を出すよ。
橘ナナミ
マトリョーシカ、いい例えですね!私も一つずつ開いていきたいです。
佐藤メバル
ぜひ。そして、読んだらまた教えてね。次の人形を選ぶ手伝いをするよ。








