読みやすい哲学の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年8月
橘ナナミ
佐藤さん、哲学の本ってどれも難しそうで、何から読めばいいか全然わかりません。読みやすいおすすめを教えてほしいです!
佐藤メバル
いい質問だね。哲学書の「読みやすさ」は人それぞれだけど、いくつか軸があるんだ。まずは対話形式か図解か、古典か解説書か、自分のレベルに合ったものを選ぶのが大事だよ。
橘ナナミ
確かに。でも、どうやって見極めればいいんですか?
佐藤メバル
まずは『史上最強の哲学入門』(飲茶)みたいな対話形式でテンポよく読めるものから試すのがおすすめ。次に、自分が興味あるテーマ(正義とか幸福とか)で探すと挫折しにくい。
橘ナナミ
なるほど!だとすると、選び方のポイントをもっと詳しく知りたいです。
読みやすい哲学の本の選び方
あなたの哲学経験レベル
橘ナナミ
全くの初心者だと、やっぱりマンガとか図解がいいんですか?
佐藤メバル
そうだね。たとえば『マンガで分かる!ソクラテスの哲学』(大空誠)は105ページでストーリー仕立てだから、スッと入ってくる。少し慣れたら『面白いほどよくわかる図解世界の哲学・思想』(小須田健)で体系的理解を深めるといいよ。
読みたい形式
橘ナナミ
私はエッセイっぽいのが好きなんですが、哲学でそういうのありますか?
佐藤メバル
あるよ。『哲学的な何か、あと科学とか』(飲茶)は肩の力を抜いて読めるエッセイスタイル。対話形式なら『14歳からの哲学』(池田晶子)が硬すぎず、考えながら読める。
知りたい分野
橘ナナミ
東洋哲学にも興味があるんですけど、わかりやすい本ありますか?
佐藤メバル
『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』(しんめいP)はブッダや老子の考えを現代の悩みと結びつけて解説していて、初心者にぴったり。西洋哲学なら『武器になる哲学』(山口周)がビジネスに直結するテーマを選んでいて実用的だ。
読み終えた後の目的
橘ナナミ
人生の悩みを解決したいんですけど、そういう本ってありますか?
佐藤メバル
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』(小林昌平)は、不安や人間関係の悩みを哲学者の名言で紐解く構成。思考力を鍛えたいなら『はじめての哲学的思考』(苫野一徳)がおすすめ。
1冊あたりのボリューム
橘ナナミ
時間がないので、短時間で読めるのがいいです。
佐藤メバル
『1日1テーマ30日でわかる哲学』(青木滋之)は見開き2ページで1人の哲学者が学べるから、スキマ時間に最適。逆にじっくり読みたいなら『世界の哲学50の名著』(T・バトラー=ボードン)が687ページとボリューム満点だ。
著者の立場
橘ナナミ
現役の研究者が書いたものと、ベストセラー作家のものって違いますか?
佐藤メバル
研究者のものは正確だけどやや硬い場合がある。一方、『考えとはどういうことか』(梶谷真司)は哲学者でありながら対話形式でやさしく書かれている。ベストセラー作家の『これからの「正義」の話をしよう』(マイケル・サンデル)は議論を喚起する名著だね。
読みやすい哲学の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
読みやすい哲学の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

史上最強の哲学入門
飲茶 著|河出書房新社
ソクラテスからサルトルまで31人の哲学者が「論」を激突させる構成がユニーク。各思想家の主張を対決形式で描くため、哲学的思考のダイナミズムを体感できる。内容はしっかりしているが、飲茶の軽妙な語り口でスラスラ読める。同じ入門書でも『14歳からの哲学』が内省的なのに対し、こちらはアウトドアな知的格闘技。
こんな人におすすめ
哲学を「難しい学問」と思っている人、議論や対決が好きな人。入門書に物足りなさを感じる中級者にも刺激的な一冊。
良い点
- 対決形式で頭に入りやすい
- 31人と網羅性が高い
- 軽妙な語り口で楽しい
気になる点
- やや遊び心が強すぎる
- 深掘りは少ない
- 初学者には情報量が多い
出版社
河出書房新社
発売日
2015年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、この『史上最強の哲学入門』ってタイトルがすごいですね。哲学者同士が戦うって、どういうことですか?
佐藤メバル
いいところに目をつけたね。著者の飲茶さんは、各哲学者の主張を「対決」に見立てて解説しているんだ。例えばソクラテスvsニーチェみたいにね。
一般の入門書は人物ごとに章立てしがちだけど、これはテーマごとに複数の哲学者をぶつけるから、考え方の違いがクリアになる。
しかも文体がノリノリで、知らないうちに哲学の論点を押さえられる。
橘ナナミ
なるほど! 単に知識を得るだけじゃなくて、思考の応酬を楽しめるんですね。でも、遊び心が強すぎて内容が薄くなったりしないんですか?
佐藤メバル
それは杞憂だよ。飲茶さんはもともと哲学系ブログで人気を博した書き手で、正確な知識に裏打ちされている。
一人ひとりの思想の核心を外さず、しかも笑いながら読める稀有なバランス感覚。『はじめての哲学的思考』がじっくり考えるタイプなら、こちらはスピード感をもって哲学史の全体像をつかむのに最適だ。

はじめての哲学的思考 (ちくまプリマー新書)
苫野一徳 著|筑摩書房
¥990(税込)
苫野一徳が「哲学をどう使うか」に焦点を当て、具体例を交えて一般化のワナや思考実験の注意点などを解説。『14歳からの哲学』がテーマごとに問いを投げかけるのに対し、こちらはメタ思考の技法を体系的に教える。第3部の「本質観取」は実際に対話してみたくなる実践的な内容。
こんな人におすすめ
「考える方法」を知りたい高校生・大学生。哲学初心者で、生きづらさを解くヒントを求めている社会人にも。
良い点
- 具体例が豊富でわかりやすい
- 実践的な思考法が身につく
- コンパクトで読みやすい
気になる点
- 哲学史の知識は得にくい
- やや教科書的
- 一部の用語が独特
出版社
筑摩書房
発売日
2017年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、この本は「哲学的思考」の方法を教えてくれるんですね。普通の入門書とは違うみたいで、気になります。
佐藤メバル
そうだね。多くの入門書が「哲学者とその考え」を紹介するのに対して、苫野さんは「哲学するとはどういうことか」を教えてくれる。
たとえば『一般化のワナ』という章では、「日本人は~」といったステレオタイプに注意を促して、論理の落とし穴を回避する方法を提示している。
読んで終わりではなく、明日からの思考に活かせる実用書なんだ。
橘ナナミ
なるほど。知識を覚えるより、思考の技術が身につく感じですね。でも、哲学史の流れはつかめなくて、後で困ったりしないですか?
佐藤メバル
それは心配無用。むしろ逆で、この本で思考体力をつけてから個々の哲学者の著作に当たると、理解が格段に深まる。
著者の苫野さん自身が哲学の知識をアップデートし続けている研究者で、この本も最新の哲学対話の知見を反映している。
初めて哲学を学ぶなら、まずこの一冊で「考える筋肉」を鍛えるのが遠回りのようで近道だよ。

14歳からの哲学 考えるための教科書
池田晶子 著|トランスビュー
池田晶子が「言葉」「自分」「死」「家族」など30の日常テーマを哲学の視点から切り込む。中学生でも読める平易な文章ながら、「考えること」の本質を突く深い問いが満載。『史上最強の哲学入門』が喧騒なら、こちらは静かな内省を誘う。多くの学校の読書感想文課題にも採用される定番。
こんな人におすすめ
思春期の子どもを持つ親や、自分の考えを持ちたい若い読者。哲学を初めて学ぶ大人にも薦めたい一冊。
良い点
- テーマが身近で興味を持ちやすい
- 平易な言葉だが内容は深い
- 読み返すごとに発見がある
気になる点
- 図解などビジュアル要素が少ない
- やや主観的な部分もある
- 他の入門書より情報量は少なめ
出版社
トランスビュー
発売日
2003年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この『14歳からの哲学』、タイトルからして若い世代向けっぽいですが、大人が読んでも得るものはありますか?
佐藤メバル
もちろん。池田晶子さんは著名な哲学エッセイストで、難しいことを日常の言葉で表現する名手なんだ。たとえば「自分とは何か」の章では、「自分を自分だと証明できる?」という根本的な問いを投げかける。
14歳の心に響くように書かれているけれど、大人こそハッとさせられる。哲学説明的な知識ではなく、目の前の現実と向き合うための思考力を養える。
橘ナナミ
大人でもハッとする…それは興味深いです。でも、入門書として見たとき、哲学史の流れがつかめないのが気になります。
佐藤メバル
確かに哲学史の体系的な理解には向いていない。その代わり、この本は「哲学する態度」を身につけさせてくれる。
歴史的な流れを追うよりも、まず自分自身の問いを立てる練習をするほうが、哲学の本質に近づけるという考え方だ。
もし後で体系的な知識がほしくなったら、『史上最強の哲学入門』などで補えばいい。この本はその“種”をくれるんだよ。

イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 哲学
青木滋之 著|西東社
¥1,210(税込)
西東社のイラスト&図解シリーズだけあって、ビジュアルが豊富。トロッコ問題や世界五分前仮説など思考実験の特集も充実。古代から現代までカバーし、さらに東洋思想にも触れる。『知識ゼロでも楽しく読める!』のキャッチ通り、文字を読むのが苦手な人でも楽しめる。
こんな人におすすめ
哲学に初めて触れる中高生や、図解でサクッと全体像を知りたい社会人。読書が苦手な人にもおすすめ。
良い点
- イラストと図で直感的に理解できる
- 幅広いテーマをカバー
- 思考実験が面白い
気になる点
- 情報が浅い部分もある
- 図が主体で文字が少ない
- 哲学書としては軽い
出版社
西東社
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、この本はイラスト付きでとっつきやすそうですね。でも、内容が浅くなったりしないでしょうか?
佐藤メバル
ナナミさんの心配もわかるけど、この本の強みは「入門の入門」として最適なところだね。哲学でよく出てくる概念を、たとえば「無知の知」なら挿絵と短い説明でパッとイメージさせてくれる。
インデックス的に使うのにも便利。もちろん深く学びたくなったら専門書に進むべきだが、最初の一歩としてはこのビジュアルの力は大きい。
著者の青木滋之さんは哲学解説のベテランで、正確さも担保されている。
橘ナナミ
確かに、初めての僕でも「これはこういうことか」とイメージしやすいです。特集の思考実験も面白そうですね。
佐藤メバル
そう。特にトロッコ問題は有名だよね。この本では「あなたはどう考える?」と読者に問いかけるスタイルをとっていて、受け身にならない仕掛けがある。
巻末にはアジアの哲学もまとめてあるから、西洋偏重になりがちな入門書の欠点を補っているのもポイントだ。
図解メインの本を選ぶなら、この一冊は外せない。

図解 いちばんやさしい哲学の本
沢辺有司 著|彩図社
¥734(税込)
沢辺有司によるコンパクトながら32人の主要哲学者を紹介。文章は平易で、各見開きに図解が入っている。『図解 いちばんやさしい』のタイトル通り、ソクラテスからドゥルーズまでをバランスよくカバー。情報量と価格のバランスが良く、教養としてざっと哲学史を知りたい人に最適。
こんな人におすすめ
哲学にあまり時間をかけられないが、教養として最低限の知識を得たいビジネスパーソンや学生。
良い点
- 低価格で内容が充実
- 32人をコンパクトにまとめている
- 図解で理解しやすい
気になる点
- やや説明が簡潔すぎる
- 深掘り不足
- 文字が小さい
出版社
彩図社
発売日
2018年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、734円で288ページってかなりお買い得ですね。でも安かろう悪かろうじゃないですか?
佐藤メバル
それがそうでもないんだ。沢辺有司さんは哲学系の入門書を何冊も手がけていて、初心者に何が必要かをよくわかっている。
32人の哲学者を一人2〜4ページでまとめ、各ページに図解やイラストを入れて飽きさせない。例えば「我思う、ゆえに我あり」はデカルトの図解つきで直感的にわかる。
もちろん詳細な議論は省かれているが、「全体像をまずつかみたい」というニーズには完璧に応えているよ。
橘ナナミ
なるほど。まずはこの本で哲学の地図を作って、気になる哲学者を深掘りするという使い方が良さそうですね。
佐藤メバル
その通り。同じ著者の『いちばんやさしい哲学の本』も出ているが、こちらは図解がさらに増えた版と考えていい。
値段も文庫並みなので、気軽に買えるのも魅力だ。入門書としてよくある「難しい言葉で挫折」を防ぐ工夫が随所にあるから、哲学入門の定番として長く売れ続けているんだ。

哲学 (図解雑学)
貫成人 著|ナツメ社
¥1,430(税込)
ナツメ社の定番シリーズ「図解雑学」の一冊。テーマは哲学全般で、古代から現代までをオーソドックスに解説。カラー図解でページ構成がわかりやすく、学校の補助教材としても使える。貫成人の筆致は堅実で、奇をてらわない正確さが特徴。他の入門書にないのは、哲学の各分野(形而上学、認識論、倫理学など)の分類が明確な点。
こんな人におすすめ
哲学の学問的な枠組みを理解したい大学生や、試験対策として要点を整理したい人。
良い点
- 図解で分野別に整理されている
- 学問的な正確さがある
- 価格が手頃
気になる点
- やや古い印象
- カラフルだがデザインが野暮ったい
- 主張が弱い
出版社
ナツメ社
発売日
2001年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、ナツメ社の『図解雑学』シリーズですね。図書館でよく見かける気がしますが、内容はどうなんでしょう?
佐藤メバル
ああ、あの黄色い表紙のシリーズだね。この『哲学』は他の入門書とちょっと違って、哲学の学問的な分類を意識しているんだ。
形而上学とは何か、認識論とは何か、といった章立てになっていて、思想史の流れも押さえつつ、各分野の基本問題がわかる。
貫成人さんは元塾講師で、教えるのが本当にうまい。図解の配置も計算されていて、復習しやすい。
橘ナナミ
学問的な分類が明確だと、テスト勉強に役立ちそうですね。でも、読んでいて面白いんでしょうか?
佐藤メバル
そうだね、エンタメ要素は少ない。でも逆に、きっちり基礎を固めたい人には安心感がある。例えば「ソクラテスの無知の知」を解説するとき、それが認識論のどの位置づけにあるかまで示してくれる。
通読するより、辞書的に使うのがいいかもしれない。入門書として悪くないが、最初の一冊としては少し硬いかな。
僕はこの本で哲学の骨格をつかんでから、他の本で肉付けする方法をおすすめしている。

超絵解本 絵と図でよくわかる 哲学のせかい (超絵解本シリーズ)
ニュートンプレス 著|ニュートンプレス
¥1,480(税込)
ニュートンプレスらしい科学目線で哲学史を再構成。ピタゴラスやニュートンも哲学者だったという視点が新鮮。科学と哲学のつながりを重視し、量子力学やAIの倫理など現代トピックも扱う。コーヒーブレークのコラムも充実。全144ページとコンパクトだが、情報密度は高い。
こんな人におすすめ
科学好きで哲学にも興味がある人。文系・理系の垣根を超えた教養を身につけたい学生や社会人。
良い点
- 科学との関連で哲学がわかる
- コラムが面白い
- 現代の話題もカバー
気になる点
- 西洋哲学史が中心
- やや科学寄り
- 図解は多いが情報量に限りがある
出版社
ニュートンプレス
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『超絵解本』シリーズの『哲学のせかい』、表紙がかわいいですね。中身も科学よりなんですか?
佐藤メバル
そう、ニュートンプレスならではの切り口だよ。普通の哲学入門は古代ギリシャから始めて人文的な流れを追うけど、この本は「科学と哲学はかつて一つだった」という視点で紡いでいる。
たとえばアリストテレスの物理学や、ニュートンの自然哲学がそのまま哲学史に位置づけられている。後半ではAIの倫理やパンデミック時の政策判断など、ホットなテーマも扱っているから、現代的な興味から入るのにも良い。
橘ナナミ
科学が発展する前は、哲学者が自然現象を考えていたんですね。そのつながりを意識すると、哲学が身近に感じられます。
佐藤メバル
その通り。この本はその「つながり」をビジュアル豊かに示してくれる。コーヒーブレークのコラムも軽妙で、例えば「真空をめぐる古代ギリシャの大論争」なんて、今の宇宙論にも通じる話だ。
全体的に色使いも鮮やかで、学生がプレゼンに使う資料としても重宝する。他の入門書に飽きた人が次のステップとして読んでも発見がある一冊だよ。

面白いほどよくわかる図解世界の哲学・思想: 深遠な「知」の世界を豊富な図版・イラストでスンナリ理解! (学校で教えない教科書)
小須田健 著|日本文芸社
¥2,251(税込)
小須田健が編む、イラストと図版が豊富な入門書。世界の哲学・思想をテーマごとにまとめ、「なぜ生きるのか」という根源的な問いから入る構成。内容は西洋哲学に加えて東洋思想もカバー。他の図解本に比べて、思想家の生涯や背景にも触れているのが特徴。
こんな人におすすめ
哲学に興味があるが、どこから手をつけていいかわからない人。思想の多様性を知りたい読書初心者。
良い点
- イラストが豊富で楽しい
- 東洋思想も含む
- テーマ別で使いやすい
気になる点
- 情報量が多すぎて焦点がぼやける
- やや図が古い
- 厚みがある
出版社
日本文芸社
発売日
2004年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、『学校で教えない教科書』シリーズですね。結構ページ数がありますが、図がいっぱいありそうで読みやすそう。
佐藤メバル
そうだね。このシリーズは「学校の授業では教えてくれないけど、知っておくと役立つ知識」をコンセプトにしていて、哲学版もその流れだ。
編者の小須田健さんは予備校講師で、受験生向けの倫理の授業で定評がある。この本でも、たとえば「幸福とは何か」という章で、アリストテレスからベンサム、ニーチェまでを比較しながら紹介する構成が秀逸。
各思想家がどんな人生を送ったかもイラストつきで載っているから、人間ドラマとしても楽しめる。
橘ナナミ
人間ドラマ? 哲学者の人生にまで触れられているのは珍しいですね。それって、考え方の背景が理解できて良いかも。
佐藤メバル
その通り。例えばニーチェの生涯を知れば、なぜ「神は死んだ」と言ったのかが腑に落ちる。ただ、287ページと少々厚いので、最初から通読するよりは気になる章を拾い読みするのがおすすめだ。
図解本としては『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 哲学』と似ているが、あちらがよりライトなのに対し、こちらは少し掘り下げがある。コスパは良い本だよ。

いちばんやさしい哲学の本
沢辺有司 著|彩図社
¥713(税込)
沢辺有司のもう一つの入門書。図解版(No.5)と内容はほぼ同じだが、図解が少なめで本文中心のため、文字からじっくり学びたい向け。価格も713円と安いが、ページ数も224ページとコンパクト。32人の哲学者をカバーする手軽さは同じ。
こんな人におすすめ
図解不要で、文字を読んで理解したい人。お小遣いの少ない学生にもおすすめ。
良い点
- 低価格でコスパ良好
- 簡潔な文章で要点がつかめる
- 32人と網羅性がある
気になる点
- 図解版と重複
- ビジュアルが少ない
- やや内容が薄い
出版社
彩図社
発売日
2013年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、この本はさっきの『図解 いちばんやさしい哲学の本』と同じ著者ですよね?何が違うんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。同じ沢辺有司さんの本で、内容の骨格はほとんど同じ。違いはタイトル通り、図解版の方がビジュアル要素が多く、こちらは文字中心の標準版という位置づけだ。
出版社も同じ彩図社だが、図解版はページ数が少し多くて価格もほぼ同じ。だから、今は図解版の方が人気がある。
ただ、文字だけを読んで自分の頭でイメージしたい人には、こちらも悪くない。文章自体は非常に平易で、哲学書にありがちな難解さは一切ない。
橘ナナミ
なるほど。でも、図解版があるならそっちを選んだ方が良さそうですね。
佐藤メバル
そうかもしれない。ただ、この本の良いところは「余計なものを削ぎ落とした」潔さだ。図解に頼らず、言葉だけで哲学者の核心を伝えようとする姿勢は、かえって読む力を鍛えてくれる。
また、ポケットにも入るサイズなので通勤・通学のお供にも向いている。図解版と両方買って、最初は図解版で概要をつかみ、後でこちらで復習するという使い方もできるよ。

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 (角川文庫)
山口周 著|KADOKAWA
¥990(税込)
経営コンサルタントの山口周が、哲学の概念をビジネスや人生に応用する方法を解説。「悪の陳腐さ」など50のキーコンセプトを、組織論や思考法に結びつける。ベストセラー『武器になる哲学』の文庫版。実用性が高く、入門書というよりは「使える哲学辞典」。他の入門書と違い、哲学史ではなく概念中心の構成。
こんな人におすすめ
仕事や人間関係に哲学を活かしたいビジネスパーソン。リベラルアーツを実践的に学びたい人。
良い点
- 実用的でビジネスに直結
- 50の概念が整理されて便利
- 読みやすい文庫サイズ
気になる点
- 哲学の体系的な理解には不向き
- 一部の解釈に偏りがある
- 入門書としては難易度高め
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本のタイトル、『武器になる哲学』ってすごいビジネスっぽいですね。哲学をそんなふうに考えるのは新鮮です。
佐藤メバル
そうなんだよね。でも山口周さんは「哲学は役に立たない」という通説を覆したいと書いている。例えばアーレントの「悪の陳腐さ」の章では、なぜ普通の人が組織の中で悪事に加担してしまうのかを説明し、自分自身の行動を省みるきっかけを与えてくれる。
単なる処世術ではなく、思考の幅を広げるための武器として哲学を使おうというのがこの本の主張だ。他の入門書が知識のインプット重視なのに対して、こちらはアウトプット志向。
橘ナナミ
なるほど。「知識として知る」ではなく「どう使うか」が大事なんですね。でも、哲学の基礎がないと難しいのでは?
佐藤メバル
その点は大丈夫。各コンセプトが独立した読み切り形式で、見開き2ページでまとまっているから、どこから読んでもいい。
むしろ、「哲学史を知らなくても、この本を読んで興味を持った概念を深掘りする」のが正しい使い方かもしれない。
文庫で990円とコスパも良いし、まずは自分の関心に近い章から試してみるといいよ。

この一冊で「哲学」がわかる!
白取春彦 著|三笠書房
『この一冊で「哲学」がわかる!』と題された333ページの本。著者の白取春彦は哲学解説のベテランで、通史的な流れを丁寧に追うスタイル。図版は少ないが、文章でしっかり説明するため、読み応えがある。他の入門書と比べて中・高校生向けの『14歳からの哲学』より大人向けで、『史上最強の哲学入門』より落ち着いている。
こんな人におすすめ
哲学の歴史を真面目に学びたい大学生や社会人。教科書的な正確さを求める人。
良い点
- 網羅的で情報量が多い
- 文章が明晰でわかりやすい
- 信頼できる内容
気になる点
- ビジュアル要素が少ない
- やや地味
- 初心者には情報過多
出版社
三笠書房
発売日
2004年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、この本はタイトルがストレートですね。『この一冊で「哲学」がわかる!』って、本当に一冊でわかるものなんですか?
佐藤メバル
もちろん「すべて」とは言わないけれど、哲学の基礎的な流れと主要な論点はしっかり押さえられる。白取春彦さんはドイツ文学者で、哲学書の翻訳も手がけているから、記述の正確さは信頼できる。
例えばカントの『純粋理性批判』の要点を数ページでまとめてくれるのは、彼の力量あってのことだ。この本の特徴は、知識をただ羅列するのではなく、なぜその考えが生まれたのかという文脈を丁寧に説明している点。
橘ナナミ
文脈を大事にしているんですね。それなら、ただの暗記にはならなそうです。
佐藤メバル
そう。例えばデカルトの方法的懐疑を、中世スコラ哲学との対比で説明しているから、なぜ「我思う、ゆえに我あり」が革新的だったのかがよくわかる。
図解本に比べると文字が多いけど、その分、思考の筋道を追体験できる。通読には少し根気がいるが、一冊読み終えたときには、哲学の地図が頭の中にできるはずだ。入門書の王道を行く一冊と言えるね。

1日1テーマ30日でわかる哲学
青木滋之 著|文響社
¥1,595(税込)
青木滋之の「1日1人、30日で30人の哲学者」を学ぶ構成。西洋と東洋をバランスよく配分し、各見開きで人物と思想を紹介。ブッダや老子など東洋哲学も含むのが珍しい。副題に「1日1テーマ30日でわかる」とあり、習慣化しやすい。図解とイラストが豊富で、各哲学者の「現代への問」も掲載。
こんな人におすすめ
毎日少しずつ哲学に触れたい人。東洋哲学にも興味がある入門者。飽きっぽい人にも。
良い点
- 1日1人で学習しやすい
- 東洋と西洋の両方をカバー
- イラストが親しみやすい
気になる点
- 一人当たりの情報が浅い
- 全体のつながりが薄い
- やや高い価格設定
出版社
文響社
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
30日で30人って、まるで哲学のアドベントカレンダーみたいですね。でも、一人2ページだけだと内容が物足りなくないですか?
佐藤メバル
確かに深掘りはできない。でも、この本の狙いは「まず知ること」にあるんだ。著者の青木滋之さんは『イラスト&図解 知識ゼロでも楽しく読める! 哲学』も書いていて、初心者に必要な情報レベルをよく知っている。
この本は例えば「タレスは万物の根源を水と考えた」といった核を押さえ、さらに吹き出しで「タレスはなぜ水だと思ったの?」と読者に問いかける。
朝の通勤時間に1人分読むなら、無理なく続けられるし、気に入った哲学者は後で詳しく調べるきっかけになる。
橘ナナミ
なるほど、導入としての役割ですね。それに東洋哲学もあるのが嬉しいです。西洋偏重になりがちなので。
佐藤メバル
その通り。30人中9人が東洋の哲学者で、孔子や老子、西田幾多郎まで含まれている。価格はやや高めだが、オールカラーで紙質も良い。
入門書で東洋にも触れたいなら、この一冊は貴重な選択肢だ。もちろん、一人を深く知りたくなったら、その人物の専門書や入門書に進めばいい。

考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 (幻冬舎新書)
梶谷真司 著|幻冬舎
¥1,078(税込)
梶谷真司による画期的な入門書。哲学者の名前や歴史を一切出さずに、「考えること」そのものをテーマに対話形式で進める。國分功一郎も推薦。『哲学的思考』と似ているが、こちらはさらに知識を排し、純粋に思考のプロセスに焦点を当てる。自分自身の生き方を問い直す力が身につく。
こんな人におすすめ
知識の暗記ではなく、自分で考える力を鍛えたい人。哲学の敷居の高さに挫折した経験がある人にも。
良い点
- 哲学をゼロから体験できる
- 対話形式で楽しい
- 実生活に直結する思考法
気になる点
- 哲学史の知識は得られない
- やや独善的に感じる部分も
- 実践しないと意味がない
出版社
幻冬舎
発売日
2018年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、哲学者の名前がまったく出てこないってすごく変わり者ですね。それでも哲学の本と言えるんですか?
佐藤メバル
良い疑問だね。梶谷さんは東京大学で哲学対話の実践を研究しているんだ。彼の主張は「哲学は知識ではなく、行為である」ということ。
この本では、例えば「考えるとはどういうことか」という問いから出発して、他者との対話を通じて考えを深める方法を伝授している。
ソクラテスやデカルトの名前を知らなくても、彼らと同じように「問い」を持ち、考え抜く経験ができる。タイトル通り、0歳から100歳までのすべての人に向けた哲学の始まりと言える。
橘ナナミ
確かに、私はソクラテスの名前は知っていますが、彼のように問いを立てることはできていません。この本でその力がつくなら、やってみたいです。
佐藤メバル
そうだろうね。この本の後半には実際の哲学対話の記録も載っていて、小中学生から大人までが「自由とは何か」などを話し合っている様子がわかる。
知識を学ぶのではなく、知識を使うための本だ。初めて哲学に触れる人にもおすすめだが、逆に「まずは知識を入れたい」という人には合わないかもしれない。
でも、僕は両方をバランスよく読むのがいいと思っている。

哲学入門 (新潮文庫)
ヤスパース 著|新潮社
¥693(税込)
ヤスパース自身による哲学入門。新潮文庫で693円と格安。実存哲学の立場から「哲学すること」の意義を平易に説く。他の入門書が知識偏重なのに対し、本書は読者に哲学することを促す内容。ただし、文章はやや観念的で初心者には難しいかもしれない。
こんな人におすすめ
哲学に興味があるが、入門書を何冊か読んだ中級者が、原典に近い著者の言葉に触れたいときに。
良い点
- 古典的名著が安価で読める
- 哲学の本質を語る
- 実存主義の入り口
気になる点
- 現代人には難しい表現もある
- 図解などは一切なし
- 初心者にはハードルが高い
出版社
新潮社
発売日
1954年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これはヤスパース自身が書いた入門書なんですね。でも、哲学者本人が書くと難しくなりそうで心配です。
佐藤メバル
その心配はある程度当たっている(笑)。ヤスパースは「哲学は学問ではない。哲学することだ」と述べている。
だからこの本も、知識の羅列ではなく、読者を哲学の営みに引き込もうとする。例えば第一章で「哲学の起源は驚きと懷疑と人間の危機的状況にある」と説き、読者自身の経験と結びつけるように促す。
ただし、訳文も含めて抽象度が高く、初めて哲学を読む人にはハードルが高い。他の入門書で基礎をつけてから挑むのがおすすめだ。
橘ナナミ
やっぱり難しいんですね。でも、古典を読む価値ってありますか?
佐藤メバル
もちろん。この一冊を通じて、哲学の「巨人」が読者に直接語りかけてくる感覚を味わえる。編纂された入門書にはない、思考の躍動感があるんだ。
たとえば「実存」についての説明は、ヤスパースの全哲学を凝縮している。入門書としての使い勝手は良くないが、哲学を「学ぶ」から「する」へとステップアップしたい人には、掛け替えのない一冊になる。
新潮文庫で693円なら、試しに手に取ってみる価値はあるよ。

自分とか、ないから。教養としての東洋哲学 (サンクチュアリ出版)
しんめいP 著|サンクチュアリ出版
¥1,650(税込)
しんめいPによる東洋哲学入門。ブッダ、老子、親鸞など7人の教えを、現代の悩みに結びつけてポップに解説。「自分とか、ないから。」というタイトルが話題。ビジネス書グランプリにもランクイン。ユーモアと軽快な文体で、東洋哲学のエッセンスを笑いながら吸収できる。
こんな人におすすめ
自己啓発的な哲学書に興味がある人。生きづらさを感じている若者や、『嫌われる勇気』が好きな人。
良い点
- 読みやすくて面白い
- 東洋哲学を身近に感じさせる
- 具体的な悩みに答えてくれる
気になる点
- 西洋哲学の知識は得られない
- 学術的な正確性はやや劣る
- 好みが分かれる文体
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『自分とか、ないから。』ってタイトルが衝撃的で、思わず手に取りたくなりました。中身もこんな感じなんですか?
佐藤メバル
その通り。しんめいPさんは人気ブロガーで、この本はブログ記事をまとめたもの。冒頭から「自分なんてない」と宣言し、ブッダの無我の思想を、例え話や漫画風のイラストで解説している。
例えば「自分探し」に悩む人に、「そもそも自分なんてないんだから、探す必要はない」という逆転の発想を与える。
東洋哲学の深い思想を、こうもライトに伝えられるのは才能だね。
橘ナナミ
確かに、肩の力が抜けますね。でも、東洋哲学をちゃんと学べるのか不安でもあります。
佐藤メバル
入門書としての正確さは、ある程度担保されている。著者は50冊以上の東洋哲学書を読んで得たエッセンスをまとめているから、間違ったことは書いていない。
ただし深掘りはしていないので、物足りなく感じる人もいるだろう。『14歳からの哲学』のような内省的な哲学書とは対極にあるタイプだ。
悩みを解決する実用書として読むなら最高だが、学術的な興味からなら他の本と併読するといい。

これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
マイケル・サンデル 著|早川書房
マイケル・サンデルの世界的ベストセラー。ハーバード大学の講義「JUSTICE」をもとに、トロッコ問題などの思考実験を交えながら正義について考える。NHKの番組で日本でも大ブーム。アリストテレスからカントまでを現代の倫理問題に応用する構成。入門書というより、哲学を使って議論する力を養う本。
こんな人におすすめ
政治や社会問題について深く考えたい人。議論やディベートに興味がある学生・社会人。
良い点
- 思考実験で考えが深まる
- 議論好きにはたまらない内容
- 現代問題との接続が秀逸
気になる点
- 西洋哲学の特定分野に偏る
- かなり長い(文庫で700ページ超)
- 著者の主張が強め
出版社
早川書房
発売日
2011年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
サンデル教授の本は有名ですね。でも文庫で700ページ超えは読むのに勇気がいります。本当に初心者でも読めるんでしょうか?
佐藤メバル
確かに分厚いけど、サンデル教授の講義はとてもわかりやすいんだ。例えば第一章では「一人を殺せば五人が助かる。あなたはその一人を殺すべきか?」という問いで始まり、功利主義と義務論の対立を考えさせる。
各章の冒頭に身近な具体例(臓器移植、代父母、アファーマティブアクションなど)を置き、その後に哲学者の理論を紹介するパターンだから、難しい理論も実感を伴って理解できる。
初心者が最初から全部読むのは大変かもしれないが、自分の興味のあるトピックの章から読むのも良い。
橘ナナミ
具体例から入るとイメージしやすいですね。でも、この本は一つのテーマ(正義)に絞っているから、哲学全体の入門にはならないのでは?
佐藤メバル
その通り。あくまで「正義」という分野に特化している。でも、そこで扱われる哲学者はアリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズなど、西洋哲学の中心人物ばかり。
正義の問題を通じて、自然権、社会契約、功利主義、リベラリズムなど重要な概念を学べる。結果的に哲学史の大きな部分をカバーしているんだ。
だから『これからの「正義」の話をしよう』一冊で、倫理学・政治哲学の基礎が身につくと考えてもいい。入門書の代わりというより、入門書の次に読むべき一冊だ。

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています
小林昌平 著|文響社
¥1,958(税込)
小林昌平が現代人の悩み(仕事、人間関係、死への不安など)をリストアップし、それぞれに該当する哲学者の答えを紹介。各悩みは見開き完結で、忙しい人でもサクッと読める。「将来が不安」→アリストテレス、「不倫がやめられない」→カントと親鸞など、ユニークな組み合わせ。
こんな人におすすめ
悩みを抱える社会人や学生で、哲学書を読む時間がないがヒントが欲しい人。自己啓発書の代わりに。
良い点
- 悩みから逆引きできる
- 見開き完結で読みやすい
- 哲学者への興味がわく
気になる点
- 哲学の深い理解にはならない
- 解答が単純化されすぎている
- 好みが分かれる
出版社
文響社
発売日
2018年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、目次を見ると「将来が不安→アリストテレス」とか、悩みから哲学者に直接アクセスできるんですね。面白い発想です。
佐藤メバル
そうなんだ。著者の小林昌平さんは哲学エッセイストで、この本のために膨大な哲学書を渉猟したらしい。例えば「死ぬのが怖い」という悩みにはソクラテスを当てている。
ソクラテスは死を「ただの無感覚か、別の世界への移住」と捉えた。もちろん現代の医学的知識はないが、2500年前の思考が不安を和らげてくれる。
各見開きの構成は「あなたの悩み」→「哲学者の言葉」→「著者の解説」で、短い時間で哲学的な視点を手に入れられる。
橘ナナミ
手軽に哲学のエッセンスを吸収できるのは良いですね。でも、あまりに簡略化されていると誤解を生みませんか?
佐藤メバル
リスクはある。ただ、著者は各哲学者の業績をしっかり調べた上で、現代の悩みに応用している。あくまで「きっかけ」の本だと考えればいい。
例えばニーチェの「永劫回帰」に興味を持ったら、その後で専門書を読めば良い。この本は「哲学者と悩みを結びつけるインデックス」として優秀で、枕元に置いて気分が沈んだ時にパラパラめくるのに最適だ。
他の入門書では味わえない、悩みに即したアプローチは独自性が高い。

マンガで分かる!ソクラテスの哲学: 無知の知から始まる「考える力」と「本質を見抜く力」を鍛える2500年前の思考革命 (マンガで分かる!教養の入口シリーズ)
大空誠 著|Independently published
¥1,628(税込)
ソクラテスに特化したマンガ入門。無知の知、産婆術、対話という3つの思考法を、ストーリー形式で学べる。主人公が社会人で、仕事上の悩みをソクラテス的思想で解決していく。文字量は少なく、マンガページの割合が多い。他のソクラテス本と違い、実生活への応用に重点を置いている。
こんな人におすすめ
マンガでサクッと哲学を学びたい人。クリティカルシンキングの基本を知りたいビジネスパーソン。
良い点
- マンガで理解しやすい
- ソクラテスのエッセンスに集中
- 実生活に応用しやすい
気になる点
- ソクラテス以外は学べない
- マンガ部分はややチープ
- 内容が浅い
出版社
Independently published
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マンガで哲学とは、新鮮ですね。ソクラテスだけに絞っているのも思い切ってます。
佐藤メバル
そうだね。ソクラテスは哲学史の始まりにして頂点とも言える存在だから、彼一人を深掘りする価値は十分にある。
この本では、主人公が仕事で「考える力」を問われるシーンから始まり、ソクラテス(に似た謎の人物)との対話を通じて無知の知や産婆術を学んでいく。
マンガのコマ割りが工夫されていて、問いと答えのキャッチボールが視覚的に理解できるんだ。例えば「あなたは本当にそれを知っていると言えるのか?」という問いが、吹き出しで何度も繰り返される。
橘ナナミ
なるほど。対話の流れを見える化しているんですね。でも、ソクラテス一人だと哲学全体の入門にはならないのでは?
佐藤メバル
確かに哲学史の網羅性はない。けど、ソクラテスの思考法はあらゆる学問の基礎と言っていい。この本を読めば、疑問を持つこと、前提を疑うことの重要性が身にしみる。
他の哲学者の入門を読む前に、この本で「哲学的思考の土台」を鍛えるのは理にかなっている。オンデマンド出版でやや価格が高いのが難点だが、マンガ形式が好きなら試してみる価値はある。

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。
原田まりる 著|ダイヤモンド社
¥1,540(税込)
京都を舞台に、17歳の女子高生がニーチェやキルケゴールなどの実存主義者たちと出会う物語。哲学者が現代的な姿で現れ、生きる意味を教えてくれる。小説形式なので哲学を学んでいる感覚がなく、ストーリーに引き込まれる。実存主義の主要人物をカバーしつつ、彼らの思想を物語の中で自然に提示。
こんな人におすすめ
活字は好きだが、堅い哲学書には抵抗がある中高生や若い社会人。感動的なストーリーも楽しみたい人。
良い点
- 小説として純粋に面白い
- 実存主義のエッセンスが自然に入る
- キャラクターが魅力的
気になる点
- 実存主義以外は学べない
- フィクション部分と思想の境界が曖昧
- やや長い
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2016年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ニーチェが京都に現れて哲学を教えてくれるって、まるでライトノベルみたいですね。でも哲学としては大丈夫なんですか?
佐藤メバル
著者の原田まりるさんは哲学書の編集者でもあるから、内容はしっかりしているんだ。例えば登場するニーチェはスマホアプリ開発者という現代版で、永劫回帰の思想を「人生を何度も繰り返すとしたら、今の自分の生き方を肯定できるか?」と問いかける。
キルケゴールはカリスマ読者モデルで、実存の三段階(美的・倫理的・宗教的)をドラマティックに表現している。
小説のストーリーが進行するにつれて、読者も実存主義の核心に触れられる仕組みだ。
橘ナナミ
それは面白そう! でも、知識として覚えられるか心配です。
佐藤メバル
知識を体系化するには向いていないが、実存主義が扱う「苦悩」「選択」「自由」といったテーマを肌で感じることができる。
この本で実存主義に興味を持ったら、その後で入門書を読むと理解が早まるだろう。例えば『武器になる哲学』のニーチェの章と併読するのも良い。
小説としての楽しさを犠牲にしていない点が秀逸で、哲学初心者が最初の一冊として手に取るには最高の選択肢の一つだ。

哲学的な何か、あと科学とか (二見文庫)
飲茶 著|二見書房
¥880(税込)
飲茶の初期の名著。最初に「哲学は実生活に役立たない」と言い切りつつ、その面白さに賭けるスタイル。科学の話題も交えながら、哲学の思考実験をポップに紹介。『史上最強の哲学入門』の前身とも言える内容で、著者のユーモアが全開。コラム形式で気軽に読める。
こんな人におすすめ
哲学を「実用」ではなく純粋に知的好奇心から楽しみたい人。飲茶の文体が好きな人。
良い点
- 哲学の面白さを存分に伝える
- 科学ネタもあり幅広い
- 文庫で手軽
気になる点
- 体系的な学習には不向き
- 哲学史全体のカバーは不完全
- 著者の主観が強い
出版社
二見書房
発売日
2017年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本の冒頭で「哲学はまったく役に立ちません」って書いてあるのに、なぜ読む人がいるんでしょう?
佐藤メバル
そこが飲茶さんの真骨頂で、役に立たないけど面白いからやるんだ、と言い切る潔さがあるんだよね(笑)。例えばこの本では「もしも世界が5分前に創られたとしたら?」という思考実験を、デカルトの方法的懐疑と結びつけて解説している。
科学の話題も多く、量子力学の多世界解釈を哲学的に考察する章もある。役に立つかどうかではなく、人間の知的好奇心を刺激することを目的としているから、純粋に知的な冒険がしたい人にはたまらない。
橘ナナミ
面白さが目的なら、読み手を選びそうですね。でも、私は気軽に読めそうで興味がわきました。
佐藤メバル
飲茶さんの本は、ある種の“クセ”があるから好みは分かれる。ただ、この『哲学的な何か、あと科学とか』は、後に大ベストセラーになる『史上最強の哲学入門』の原型とも言える作品だ。
コラム形式なので、どこから読んでもいい。哲学の“きっかけ”として、またアカデミックではない自由な発想に触れたいときに手に取ってほしい一冊だ。

天才物理学者と哲学者の頭の中を覗く10の奇妙な思考実験: 眠れなくなるほど面白い不思議な世界 (NaruhodoBooks)
なるへそ博士ちゃん 著
10の思考実験(ウィグナーの友人、ラプラスの悪魔、水槽の脳など)を、物理学者と哲学者の視点から解説。数式を使わずに量子力学のパラドックスを哲学的な問いとして楽しめる。『哲学的ゾンビ』や『マリーの部屋』など、意識の哲学の有名な問題も収録。タイトル通り眠れなくなるほど面白い。
こんな人におすすめ
SFやミステリーが好きな人。思考実験マニアや、哲学的パズルに挑戦したい人。
良い点
- 知的好奇心を刺激する
- 専門知識不要で楽しめる
- 短期間で読める
気になる点
- 哲学書ではない
- 答えのない問いばかり
- 内容の重複がある
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本のタイトル、眠れなくなりそうで怖い反面、すごく惹かれます(笑)。思考実験って、普段の生活で役立つんですか?
佐藤メバル
直接役に立つかは別として、思考実験は「当たり前を疑う力」を育ててくれる。例えば「水槽の脳」を考えれば、自分が認識する世界が本当に実在するのかという根本的な問いが生まれる。
この本ではそれぞれの思考実験を2〜4ページでコンパクトに紹介し、物理学的な背景と哲学的な意義を説明している。
著者のなるへそ博士ちゃんはサイエンスコミュニケーターで、難しい話をわかりやすくするのが得意。確かに哲学書のカテゴリではないが、哲学的思考の入り口としては優秀だ。
橘ナナミ
なるほど。哲学の入門に苦手意識がある人でも、この本なら楽しめそうですね。
佐藤メバル
そうなんだ。特に「哲学的ゾンビ」の話は、人間の意識とは何かという問題を考えるきっかけになる。この本で扱う思考実験はどれも哲学の殿堂入りしている有名なものばかりだから、これ一冊で哲学上の重要な問題を幅広く知ることができる。
一つの思考実験について深い議論をしたいなら、他の本を探す必要があるが、まずは「知る」ために最適。興味を持ったら、次に『史上最強の哲学入門』や『これからの「正義」の話をしよう』へ進むと良い。

真の敵は自分自身!? 悩みに効く西洋哲学入門 (大和出版)
阪本弘輝 著|PHP研究所
新進気鋭の古典YouTuber阪本弘輝が、8人の西洋哲学者の古典を「人生攻略」の視点から解説。アリストテレス、デカルト、カントなど。各章で「悩み」→「哲学者の答え」という構成。現代の自己啓発書のように読めるが、古典の原典に基づいている。YouTubeのノリを感じさせる語り口。
こんな人におすすめ
古典哲学を現代の悩み解決に活かしたい人。自己啓発書に飽きた人や、哲学を身近に感じたい若者。
良い点
- 実用的で人生に応用しやすい
- YouTuberの語り口で親しみやすい
- 古典の内容を正しく伝えている
気になる点
- 広く浅くしかカバーしない
- 哲学史の流れは掴めない
- 若干クセが強い
出版社
PHP研究所
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本の著者は古典YouTuberなんですね。哲学をYouTubeで学ぶ時代になったんだなあって感じます。
佐藤メバル
そう。阪本弘輝さんは「古典のススメ」というチャンネルで人気で、そのノリを書籍化したのがこれだ。例えばマキャヴェリの『君主論』から、現代のビジネスにおける駆け引きのヒントを引き出すなど、実践的な内容が多い。
もちろん古典の背景や著者の意図を無視しているわけではなく、適切に引用しながら解説している。入門書としては異色だが、哲学を「仕事や人間関係の武器」として身につけたい人には刺さるはず。
橘ナナミ
でも、YouTuberの本って内容が薄い印象があるんですが、大丈夫ですか?
佐藤メバル
特定の哲学者に絞って深く解説しているわけではないから、深みは他の入門書に劣るかもしれない。しかし、著者の強みは「古典の魅力を現代語で伝える語り口」にある。
例えばカントの義務論を、SNSで他人を評価するときの基準に結びつけるなど、具体例が秀逸。同種の本に『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』があるが、こちらは古典の原典をより重視している印象だ。両方読んでみるのも面白い。

マンガみたいにすらすら読める哲学入門 (だいわ文庫 B 344-1)
蔭山克秀 著|大和書房
¥924(税込)
代々木ゼミナールの人気講師・蔭山克秀による、予備校の倫理の授業を再現したような入門書。ユーモアたっぷりで、ピタゴラスを「危ない宗教の教祖様」、キルケゴールを「サイコパスなストーカー」と表現。笑いながら哲学史を学べる。各章末の「おもしろすぎる哲学者たち」も楽しい。
こんな人におすすめ
哲学を楽しく学びたい高校生や、暗記ではなく笑いながら覚えたい受験生。
良い点
- 予備校講師の授業はわかりやすい
- ユーモアで記憶に残る
- 文庫で手軽
気になる点
- 正確さより面白さ優先の部分がある
- 西洋哲学のみ
- やや下品な表現も
出版社
大和書房
発売日
2017年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ピタゴラスは危ない宗教の教祖様」って、さっきまで他の本で偉大な哲学者として読んでいたので衝撃です(笑)。
佐藤メバル
(笑)そうなんだよね。蔭山先生は予備校で倫理を教えているから、受験生に覚えてもらうためにあえて誇張したキャラクター付けをしているんだ。
もちろん学術的に正確な部分は押さえた上で、エピソードを交えて記憶に残るようにしている。例えばソクラテスは「問答無用の問答男」、カントは「規則正しすぎるぐうたら」といった具合。
内容は古代から精神分析まで西洋哲学の王道をカバーしていて、全体の流れをつかむのにも使える。
橘ナナミ
面白おかしく覚えられるのはいいですね。でも、後で誤解が残らないか心配です。
佐藤メバル
その点は、著者も「哲学を楽しむための入門書」と断っているから、あくまで最初の一歩として割り切るのが良い。
例えばキルケゴールの「実存の三段階」は、この本ではとても単純化されている。でも、この本で興味を持てば、次に『はじめての哲学的思考』などで深めることができる。
学問的な厳密さを求める人には向かないが、とにかく哲学の敷居を下げてくれる点で価値がある。

世界の哲学50の名著 新装版 (5分でわかる50の名著シリーズ) (ディスカヴァーリベラルアーツカレッジ) (LIBERAL ARTS COLLEGE)
T・バトラー=ボードン 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥2,750(税込)
T・バトラー=ボードンによる、50の哲学書を1冊あたり見開き2ページで要約したハンドブック。古代から現代までカバーし、各書の要点、背景、影響がコンパクトにまとまっている。687ページと大著だが、目次から気になる本を選んで読める。図書館でよく見かけるシリーズ。
こんな人におすすめ
哲学書を読む前に中身をザッと知りたい人や、文献調査の効率を上げたい学生・研究者。
良い点
- 50冊のエッセンスを効率的に得られる
- 読み物としても面白い
- 索引として使いやすい
気になる点
- あくまで要約で深みはない
- 著者の解釈が入る
- 厚くて持ち歩きに不便
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2018年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、50冊もの哲学書の要点をまとめているんですね。すごく便利そうですが、著者の主観が入ると困ります。
佐藤メバル
そこは確かに注意が必要だけど、原著者T・バトラー=ボードンはイギリスの著述家で、哲学書の紹介を多数手がけている。
各書の要約は客観的で、背景や影響の記述も信頼できる。例えばアリストテレスの『ニコマコス倫理学』の項では、幸福と徳の関係を簡潔にまとめ、後のトマス・アクィナスへの影響まで触れている。
この本をガイドとして使えば、次に読むべき哲学書を選ぶのに役立つ。入門書としては通読するより、辞書的に使うのがおすすめだ。
橘ナナミ
辞典的に使うなら良さそうですね。でも、一冊あたり2ページだと、本当に読んだ気になれないかも。
佐藤メバル
それはそう。だからこの本は「入門の前の入門」として位置づけると良い。例えば『ニーチェが京都にやってきて…』で実存主義に興味を持ったら、この本でキルケゴールやサルトルの原書を調べて、そのあとで実際の本を読む。
そういう使い方をすれば、知識を整理する強力なツールになる。値段は少し高いが、長く使える一冊だ。

幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵 (講談社現代新書)
岸見一郎 著|講談社
『嫌われる勇気』の岸見一郎が、アドラー心理学とギリシア哲学を融合して幸福を論じる。幸福は遠くにあるのではなく、すでにここにあるというメッセージ。講談社現代新書の一冊で、他の幸福論の本より学術的で深い。哲学の入門書としては異色だが、実存主義的な問いにも触れている。
こんな人におすすめ
「幸福」について真剣に考えたい人。自己啓発書を超えた幸福論を求める読者。
良い点
- 学問的裏付けのある幸福論
- 読みやすい新書サイズ
- 具体的な助言がある
気になる点
- 哲学入門書ではない
- アドラーとギリシア哲学の知識が前提
- やや説教くさい部分も
出版社
講談社
発売日
2017年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
岸見一郎さんと言えば『嫌われる勇気』ですが、この本はアドラーと古代ギリシャ哲学を合わせているんですね。哲学入門としてはどうなんでしょう?
佐藤メバル
この本はどちらかと言えば「幸福論の入門書」であって、哲学の入門書とは少し違う。ただ、古代ギリシャ哲学、特にプラトンやアリストテレスの幸福観(エウダイモニア)を詳しく解説しているから、哲学の重要なテーマに触れられる。
岸見さんはギリシア哲学の専門家だから、内容はしっかりしている。幸福になるための具体的な視点の転換も示してくれるので、実用的な哲学書として読むと良い。
橘ナナミ
なるほど。哲学の入門にはならなくても、哲学的な思考を幸福に応用できるんですね。でも、他の入門書とは目的が違うので、この本だけでは哲学全体はわからないですよね?
佐藤メバル
その通り。この本はあくまで「幸福」というテーマに特化していて、哲学史の全体像は得られない。ただ、テーマを絞っているからこそ、深い洞察が得られる。
他の入門書で哲学の基礎を学んだ後に、応用編として読むのが理想的だ。もしくは、幸福について悩んでいる人が最初に手に取る「哲学の扉」としても機能する。
岸見さんの他の本と同様、優しくて力強いメッセージが胸に響く。
哲学史を俯瞰するためのタイムラインと思考系統樹
佐藤メバル
初心者が挫折する原因の一つは、個々の哲学者の関係がわからなくなることだ。そこで役立つのが、歴史の流れを追える本。
橘ナナミ
どんな本がありますか?
佐藤メバル
『超絵解本 絵と図でよくわかる 哲学のせかい』(ニュートンプレス)は科学との関わりも示しながら時系列で解説。『図解 いちばんやさしい哲学の本』(沢辺有司)は32人をピックアップして系統樹的に整理している。これで全体像をつかんでから個別の哲学者に進むと理解が深まる。
原典を読むためのステップバイステップガイド
橘ナナミ
いつかプラトンやデカルトの原典にも挑戦したいんですが、どういう順番で読めばいいですか?
佐藤メバル
解説書で基礎を固めてから、注釈付きの入門書に進むのが安全だ。たとえば『哲学入門』(ヤスパース)は新潮文庫で手軽に読める。次に『ニーチェが京都にやってきて…』(原田まりる)のような物語形式で実存主義に親しみ、その後で『幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵』(岸見一郎)で古典と現代をつなげるとスムーズだ。
翻訳の質や版の違いによる難易度差
佐藤メバル
同じ本でも翻訳によって読みやすさが全然違う。
橘ナナミ
え、そうなんですか?
佐藤メバル
例えば『武器になる哲学』は角川文庫で平易な日本語に訳されている。一方、学術書に近い翻訳は初心者には難しい。選ぶときは「文庫」「新書」などのシリーズや、訳者の分野も確認したほうがいい。
よくある質問
哲学書を読むのに前提知識は必要ですか?
橘ナナミ
哲学書を読むのに前提知識は必要ですかについて教えてください。
佐藤メバル
全く必要ありません。むしろ、知識ゼロの状態で『史上最強の哲学入門』や『マンガで分かる!ソクラテスの哲学』のような入門書から始めるのが最適です。専門用語も丁寧に解説されているので、安心してください。
難しくて挫折しそうです。どうすればいいですか?
橘ナナミ
難しくて挫折しそうです。どうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まずは1日5分でOK。『1日1テーマ30日でわかる哲学』のように短い単位で読める本を選びましょう。また、わからない箇所は飛ばして、興味のある哲学者から読むのも手です。
どこから始めればいいかわかりません。
橘ナナミ
どこから始めればいいかわかりません。について教えてください。
佐藤メバル
あなたの今の悩みに合わせて選ぶと良いでしょう。例えば人間関係に悩んでいるなら『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』。思考力を鍛えたいなら『はじめての哲学的思考』がおすすめです。
マンガや図解の哲学書は学術的に信頼できますか?
橘ナナミ
マンガや図解の哲学書は学術的に信頼できますかについて教えてください。
佐藤メバル
入門書としては非常に信頼できます。ただし、深く学びたい場合は、それらを足がかりに解説書や原典へ進むと良いでしょう。『図解雑学 哲学』などは監修者が専門家なので安心です。
哲学書を読むと日常生活でどんな変化がありますか?
橘ナナミ
哲学書を読むと日常生活でどんな変化がありますかについて教えてください。
佐藤メバル
物事を多角的に見る力がつき、冷静に判断できるようになります。例えば『武器になる哲学』を読めば、ビジネスや人間関係での「思考の落とし穴」に気づけるようになるでしょう。
スマホやネットが普及した今、哲学を読む意味は?
橘ナナミ
スマホやネットが普及した今、哲学を読む意味はについて教えてください。
佐藤メバル
情報が氾濫する現代こそ、哲学が必要です。『考えるとはどういうことか』で紹介される哲学対話は、SNSの浅い議論ではない、深い思考を取り戻す助けになります。
初心者が絶対に避けるべき哲学書は?
橘ナナミ
初心者が絶対に避けるべき哲学書はについて教えてください。
佐藤メバル
いきなりカントの『純粋理性批判』やハイデガーの『存在と時間』などの原典は避けましょう。まずは『14歳からの哲学』や『マンガみたいにすらすら読める哲学入門』で基礎を固めてから挑戦するのが賢明です。
おすすめの哲学書を3冊だけ教えてください。
橘ナナミ
おすすめの哲学書を3冊だけ教えてください。について教えてください。
佐藤メバル
1. 『史上最強の哲学入門』(飲茶)──対話形式で哲学史が一気にわかる。2. 『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』(しんめいP)──東洋哲学を身近に感じられる。3. 『武器になる哲学』(山口周)──ビジネスに活かせる思考法が満載。
まとめ
橘ナナミ
たくさんあるんですね。でも、どれから手をつければいいか迷います。
佐藤メバル
まずは自分の興味とレベルに合った一冊を。たとえば『史上最強の哲学入門』なら、ソクラテスからサルトルまで31人の哲学者が熱い議論を繰り広げるから、まるで格闘技を見るように楽しめる。
橘ナナミ
それ、面白そう!
佐藤メバル
哲学は遠い学問じゃない。君の日常生活の「なぜ?」に答える道具でもある。最初の一冊は、まるで深海に潜るためのシュノーケルのようなもの。まずは浅い海で呼吸の仕方を覚えよう。そうすれば、いつか深い哲学の海も自由に泳げるようになるから。








