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レーエンデ国物語 月と太陽
初心者ファンタジー小説

【要約・書評】『レーエンデ国物語 月と太陽』の評判・おすすめポイント

多崎礼|講談社|2023-08-08|608ページ

5.0
(4件)

この本を一言で言うと

少年は大人になり少女は英雄になった——民族解放と愛の物語が動き出すシリーズ第2弾

この本の概要

1巻で始まったレーエンデの民の解放物語が、スケールを拡げて展開する第2弾。名家の少年ルチアーノが何者かに襲撃されレーエンデ東部の村に辿り着き、1巻の主人公テッサと再会する。 支配される側の人々の怒り、希望、そして犠牲が丁寧に描かれる群像劇。単純な勧善懲悪ではなく、誰もが傷を抱えながら自由のために戦う姿が胸を打つ。 多崎礼の筆致は本巻でさらに円熟し、物語の速度と感情の密度が絶妙なバランスを保っている。608ページというボリュームも苦にならず、むしろ読み終えた後の充実感が大きい。 2023年に紀伊國屋書店ベストセラー1位を獲得した1巻の続編として、ファンタジー読者を中心に大きな話題を呼んだ。シリーズを通じて読むことで、レーエンデという架空世界の豊かさが一層際立つ。

608ページが足りなかった。続きを読みたくて眠れなかった夜のこと

1巻を読んでから2巻が出るまで、本当に待ち遠しかった。「レーエンデ国物語」というシリーズ、手に取った人なら分かると思うんですが、あれは1巻で完結しているようで、実はもっと大きな物語の序章にすぎなかった。 2巻「月と太陽」で、1巻の主人公テッサは怪力の英雄みたいな立ち位置になっている。あの控えめで不器用だった少女が、村人たちの頼りになっている。その変化がじんわり嬉しかった。一方で新キャラクターのルチアーノが加わることで、物語に貴族側の視点が入ってくる。支配する側の生まれでありながら、レーエンデの民の現実を目の当たりにして揺れる彼の心理が、この巻の軸になっていた。 読んでいて何度か「ずるい」と思った場面があった。収穫祭のシーン。貧しいけれど生き生きとしている村人たちの描写が本当に豊かで、その後に待ち受ける悲劇の予感が読者にだけ分かる構造になっている。この種の「幸せが続かないと分かっていながら読む辛さ」を多崎礼はうまく使う。 608ページあって、それでも足りないと感じた。世界観の説明や登場人物の掘り下げが充分なのに、物語はまだ全然終わらない。4部作完結と聞いているので、残り2冊も同じ分量とすれば読める時間がまだある。この密度のファンタジーを日本語で読めることに、単純に感謝している。

ファンタジー小説愛好家・32歳男性・会社員

この本で学べること

1巻のヒロインが「英雄」へと成長した姿を描く

不器用な少女テッサが村の頼りになる存在へ。続編だからこそ描けるキャラクターの変化と成熟が、長編シリーズの醍醐味を体現している。

支配者側の視点を持つ新キャラクターの導入

名家出身のルチアーノを通じて、レーエンデの民の苦境が「外からの目」で描かれる。問題の構造的な理解が深まる重要な視点設計。

幸福と悲劇の落差が読み手を引き込む構成

收穫祭など民の生き生きとした生活が丁寧に描かれる一方、抑圧の影が常に漂う。豊かな日常描写が物語の緊張感を高める。

2023年発売、シリーズ4部作の第2弾

2023年8月発売。全4巻で完結するシリーズの折り返し点にあたり、物語の厚みが一段と増している。

良い点・気になる点

良い点

  • 1巻から続くキャラクターの成長が読みやすく、感情移入しやすい
  • 608ページのボリュームながら読了感が高く、飽きさせない筆致
  • 貴族視点と庶民視点の両方から描かれる世界の奥行き
  • シリーズものとして4巻まで揃っているので一気読みできる

気になる点

  • 1巻未読だと人物関係や世界観の把握が難しい
  • シリーズ全体の結末を見るには4冊必要で投資が大きい

みんなの評判・口コミ

5.0

テッサが英雄になっていくのを目の当たりにして、なんだか勝手に誇らしかった。ルチアーノのキャラクターも好き。お互いの立場の違いが衝突しながら、それでも動こうとする姿がいい。

5.0

収穫祭の描写で既に感情が持っていかれた。多崎礼ってこういう「普通の生活の豊かさ」を書くのが本当にうまい。だから後の展開が余計につらくなる。

4.5

2巻読み終わって即3巻を買った。この密度で4冊あるってどれだけ豊かな世界なんだと思う。ファンタジー好きなら全員読むべきシリーズ。

4.5

楽しいだけじゃなくて、民族問題や権力の構造みたいなテーマも込められている。それが説教くさくなっていないのがすごい。エンタメとして完成している。

著者について

こんな人におすすめ

1巻「レーエンデ国物語」を読んで続きが気になっている人

世界観の重厚なファンタジーを求めている人

民族や解放をテーマにした物語が好きな人

長編シリーズを一気読みしたい人

関連書籍との比較

タイトル著者レベル評価価格
レーエンデ国物語多崎礼中級者★★★★★ 4.5¥2,145

よくある質問

Q. 1巻を読んでいないと楽しめませんか?
A. この巻は1巻の続きとして書かれているため、1巻から読むことを強くおすすめします。キャラクターへの感情移入は1巻からの読者のほうが格段に深くなります。
Q. 全何巻ですか?
A. 「レーエンデ国物語」シリーズは全4巻完結です。1巻(2023年6月)、2巻「月と太陽」(2023年8月)、3巻「喝采か沈黙か」(2023年10月)、4巻「夜明け前」(2024年4月)。
Q. どんな読者層に人気ですか?
A. 20〜40代の幅広い読者に支持されており、特に王道ファンタジー好きや歴史ロマン好きからの評価が高いです。2023年本屋大賞にノミネートされた作品でもあります。
Q. 608ページというボリュームは読みやすいですか?
A. 丁寧な世界描写と読みやすい文体のため、ページ数の割にさくさく進めます。むしろ読み終えると「もっと読みたい」という感覚が強い作品です。
Q. 電子書籍でも読めますか?
A. Kindle版も発売されています。長編のため電子書籍での読書も快適です。

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