Shelfy
プラントピア
中級者ファンタジー小説

【要約・書評】『プラントピア』の評判・おすすめポイント

九岡望|KADOKAWA|2024-03-07|0ページ

4.0
(4件)

この本を一言で言うと

人類滅亡後の花人の世界で目覚めた記憶なき少女——九岡望が描くポストアポカリプスSFファンタジー

この本の概要

九岡望は「言鯨16号」「エロマンガ先生」ノベライズなどで知られる電撃文庫の人気作家。2024年3月刊行の『プラントピア』は、人間がいなくなった後の世界を舞台にしたポストアポカリプスSFファンタジーだ。 花人という植物的な種族が生きる世界に、記憶を持たない少女・ハルが目覚める。花守のアルファとともに自らの正体と世界の秘密を追うロードノベル的な構造が、読者を最後まで引っ張る。 人間は水となり石油のような燃料になったという設定が独創的。剪定者・クストスとの戦いを交えながら、ハルとアルファの関係性が少しずつ変化していく。世界設定を最後まで活かしたラスト展開への評価が高い。 「メディアミックスが決まっている」との情報もあり、ビジュアルで見たい世界観として注目度が高い。ハードなSFではなく、ファンタジー的な感触で楽しめるポストアポカリプス作品だ。

「人間がいなくなった後」の世界をここまで詩的に書ける作家がいたのか

社会学の院生やってると、「社会」という概念自体への問いが頭から離れない時期がある。社会とは何か、人間なしに社会は成立するのか。そういう思考の延長で、この本を読んだ。 『プラントピア』の世界には人間がいない。人類はとっくに滅んでいて、人間は「水になって石油のような燃料になった」という説明がある。その代わりに「花人」と呼ばれる植物的な種族が文明を築いている。 その世界に突然現れる記憶なき少女・ハル。彼女は人間なのか、花人なのか、何者なのか。それを探る旅が物語の骨格だ。 SFとして読んでも面白いし、ファンタジーとして読んでも面白い。ハードなSF的厳密さは求めていないけど、世界観の内的整合性はしっかり保たれている。特に花の前提知識が世界の仕組みと結びついているのが美しくて、読み進めるうちに「あ、だからか」という発見が積み重なる。 私が一番好きなのは、ハルとアルファの関係性の変化だ。最初はただの旅の同伴者だったのに、戦いを経て、秘密を知って、互いへの感情が少しずつ変わっていく。記憶のないハルが「自分」を取り戻していくプロセスと、アルファが「人間的なもの」に触れていくプロセスが並行して描かれる。 ラストは「ハルが人間をやめる」という選択をする展開で、最初読んだ時はえっ、となった。でも物語全体を振り返ると、それしかない結末で、読後に長いこと考え込んだ。「人間であること」の意味を問われる小説として、思ったよりずっと深かった。 唯一難点を言うなら、戦闘描写でビジュアルが想像しにくい場面がいくつかあった。世界設定が複雑だから仕方ないんだけど、口絵の絵師さんのイラストがある巻だけ解像度が上がる感覚。メディアミックスが発表されたのも納得で、映像で見たい世界観だと思う。 九岡望という作家を知ったのはこの作品が初めてだったけど、「言鯨16号」も気になって積んである。SFとファンタジーの境界を行き来する独特のセンスを持つ作家として記憶しておきたい。

yuki / 大学院生 / 20代

この本で学べること

人類滅亡後の花人の世界というユニークな設定

人間が消えた後の世界に花人が文明を築くというポストアポカリプスSF。「人間は水になって燃料になった」という独創的な設定が世界観の核心を成す。

記憶なき少女ハルの正体をめぐるミステリー構造

記憶を持たない主人公が自分の正体と世界の秘密を追う構成は、読者を最後まで引きつける。世界設定の伏線が終盤で回収される達成感が高評価。

ハルとアルファの関係性の変化が感情的コアに

旅の中で変化していく二人の関係が、SF設定に感情的な厚みを加える。記憶・アイデンティティ・人間性という普遍的テーマが散りばめられている。

メディアミックス予定の注目ビジュアル系作品

独特の世界観をビジュアルで表現したいという声が多く、メディアミックスも決定。LAMによるイラストの美しさも作品の魅力の一つ。

良い点・気になる点

良い点

  • ポストアポカリプスとファンタジーを融合した独創的な世界観
  • 世界設定を最後まで活かした脚本の完成度
  • ハルとアルファの関係性変化が感情的に刺さる
  • メディアミックス展開でビジュアルも楽しめる見通し

気になる点

  • 戦闘シーンのビジュアル描写が複雑で想像しにくい箇所がある
  • 世界設定が複雑なため序盤の入り込みに時間がかかる

みんなの評判・口コミ

y
yuki

大学院生

4.5

「人間とは何か」という問いをSFファンタジーの形式で問う小説。ハルの選択が終盤で刺さった。人間性と非人間性の境界を考えさせられる。

なな

ブロガー

4.0

九岡望は「言鯨16号」も好きで期待して読んだら期待通りだった。設定好きのオタクに向けて全力で作られた世界観。

ひなた

大学生

4.0

メディアミックスが楽しみすぎる。LAMのイラストが元から好きだったし、アニメ化されたらビジュアル絶対きれいそう。

s
sho

メーカー営業

3.5

設定はすごく面白いんだけど、前半の情報量が多くて何度か読み返した。でも後半はその設定が全部機能してスッキリ収まる感じが気持ちよかった。

著者について

こんな人におすすめ

SFとファンタジーを融合した世界観が好きな人

ポストアポカリプス・ディストピア系の設定が好きな人

LAMのイラストが好きなラノベファン

「言鯨16号」など九岡望作品のファン

よくある質問

Q. 続編はありますか?シリーズ展開はどうなっていますか?
A. 2024年3月刊行の1巻の時点ではシリーズ継続は未確定です。メディアミックスが決定しており、今後の展開が注目されています。
Q. SFの知識がなくても楽しめますか?
A. ハードSFではなくファンタジー的な感触で楽しめます。専門的な科学知識は必要なく、世界観に沿って読み進めれば大丈夫です。
Q. 「言鯨16号」が好きなら楽しめますか?
A. 九岡望の独特の世界観構築力は健在です。「言鯨16号」が好きなら本作も楽しめるという評価が多数あります。

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