頑張らない子育ての本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
「頑張らない子育て」の本を探しているんですけど、書店でタイトルを見ただけで少し泣きそうになりました。みんな「頑張らない」って言うのに、読んで実践しなきゃと思うと、また頑張ることになりませんか?
佐藤メバル
いい質問だね。そこが最初の落とし穴で、育児書を読むこと自体が新しい「頑張り」に変わることはよくある。前提として、この25冊は方向性がかなり違うんだ。HISAKOさんの『5万組を子育て支援して見つけた しない育児』のように「しなくていいこと」を一つずつ手放す手放す系、金子龍太郎さんの『がんばりすぎない子育て』のように悩みを仕組みで軽くする仕組み化系、岡崎大輔さんの『親も子もラクになる ゆるめる子育て』のように親子の関係を組み直す関係再構築系。この3流派を知るだけで、選び方がまるで変わるよ。
橘ナナミ
同じ「頑張らない」でも思想が違うんですね。じゃあ、まず何から決めればいいんでしょう。
佐藤メバル
最初に決めるのは「どのしんどさを軽くしたいか」。イライラなら柳川由美子さんの『子育ての不安と孤独をほぐす心理学』、孤独なら田村ポチさんの『がんばりすぎるママをやめる子育て』。全部を解決しようとしないのがコツだよ。
橘ナナミ
全部じゃなくていい、というのがもう救いです……。
佐藤メバル
そう。そのうえで読む体力、子どもの年齢、買い方の順に見ていくと、25冊から自然に2〜3冊に絞れる。以下、軸ごとに具体的な書名を挙げていくね。
頑張らない子育ての本の選び方
どの「しんどさ」を軽くしたいかで選ぶ
橘ナナミ
感情・家事・しつけ・食事・夫婦関係で分けるんですね。
佐藤メバル
そう。感情なら臨床心理士の高見知日子さん『ママも子どももハッピーになる! がんばらない子育て』、家事と時間なら金子龍太郎さん、しつけなら高濱正伸さん『「しない」子育て』、食事なら山本ユキコさん『子どもが伸びるがんばらない子育て』の「がんばらない食事」の章、夫婦関係なら同書の「がんばらない方が夫も助かる」。1冊で複数のしんどさに触れている本を選ぶと、結果的に絞れるよ。
読む体力に合わせた形式で選ぶ
橘ナナミ
マンガと活字、どっちが向いてますか。
佐藤メバル
『子どもが伸びるがんばらない子育て』は忙しいママでもサクサク読めるようマンガも交えている。エッセイならtomekkoさんの『神様、もう少しだけ子育て世代に時間をください!』、辞書的に引くなら147ページの金子龍太郎さん。体力がない日は物語から入るのがいい。
著者の立場で選ぶ
橘ナナミ
肩書きは見たほうがいいんですか?
佐藤メバル
見てほしい。助産師のHISAKOさん、臨床心理士の高見知日子さん、小児科専門医と歯科医の『むりしない かかえこまない ありのままで楽しむ子育て』。専門家の視点は「自分の育て方のせいではない」と納得する助けになる。逆に先輩ママの実感なら、4歳と生後9ヶ月を育てる著者の『頑張らない勇気』が等身大だよ。
子どもの年齢帯で選ぶ
橘ナナミ
年齢でも違いますか。
佐藤メバル
0〜3歳ならHISAKOさんのトイレトレーニングや知育の話、3〜12歳なら高濱正伸さんの『「しない」子育て』、小学生以降は『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』。全年齢で読めるのはジョングレイさんの『がんばらない子育てのコツ』で、5つの重要なメッセージを軸にしている。
読む時間で選ぶ
橘ナナミ
30分しかない日は?
佐藤メバル
短くまとまった通読型か、金子龍太郎さんの「23のお悩み」のように辞書的に引く実用型か。読めない日は目次だけ読むのでも十分だよ。
買い方で選ぶ
橘ナナミ
電子と図書館と中古、どれがいいでしょう。
佐藤メバル
まず図書館で試して、手元に置きたい1冊だけ買う。悩み別に引く実用書は検索が効く電子、通して読みたいエッセイは紙。価格は本ごとに幅があるから、いきなり揃えないこと。
頑張らない子育ての本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
頑張らない子育ての本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

5万組を子育て支援して見つけた しない育児 (サンクチュアリ出版)
HISAKO 著|サンクチュアリ出版
¥1,430(税込)
スマホ、好き嫌い、トイレトレーニング、知育——場面ごとに「しなくていいこと」と「するならこっち」を対で並べる構成。著者は自身も多くの子を育てた助産師で、長く出産や育児に寄り添ってきた立場から語る。精神論ではなく、項目ごとに取捨選択できるので、今日から一つ外せる。手抜きではなく、大切なことを手放さないための身軽さだと位置づける点が、他の「がんばらない」本との違い。
こんな人におすすめ
0〜3歳ごろの子育て中で、育児書やSNSの「やるべきこと」に息苦しさを感じている人。きょうだいが増えて全部は無理だと気づき始めた人。助産師の現場目線で具体策を知りたい人。
良い点
- 項目ごとの対比で読みやすい
- 助産師の現場経験が土台
- 「しなきゃ」の罪悪感が軽くなる
気になる点
- しつけ全般は対象外
- 図版中心で長い解説は少ない
- 月齢別の細かな手順は薄め
出版社
サンクチュアリ出版
発売日
2023年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「しない育児」って、タイトルだけ見ると手を抜く話に思えるんですけど、実際はどうなんですか? 私はまだ子どもがいないので、読む人の気持ちを想像しながら聞きたいです。
佐藤メバル
いい質問だね。たとえばスマホ。子どもといるときは触らない、子どもにも触らせない、と身構えるより、暇を見つけて触って息抜きしていい、一緒に見てもいいとこの本は言う。
野菜も、必死に食べさせなくていい。全部を「してあげる」から「するならこっち」に置き換えていく。著者は助産師として多くの出産・育児に寄り添ってきた人で、責めるのではなく、手放すコツを項目ごとに渡してくれるんだ。
橘ナナミ
なるほど……。じゃあ、トイレトレーニングみたいに「いつまでに」と言われるものも、待っていいんでしょうか?
佐藤メバル
そう、そこも「子ども自身がトイレに興味を持つまで待つ」が提案されている。早期教育も、子ども本人がやりたいと言ってからでいい。
この本の芯は、しなくてもいいことを一つ外すたびに、ママの余裕と笑顔が戻ってくるという考え方。書店にいた頃、育児書の前でため息をついているお母さんを何人も見た。
選ぶ基準は「何を足すか」より「何を減らせるか」のほうが大事なんだよね。

子どもが幸せに育ち自立する頑張らない子育て
たかもりくみこ 著|株式会社創藝社
¥1,430(税込)
ワンオペ、AIの台頭、発達の気がかり、経済への不安、虐待やいじめの報道——著者は時代背景を正面から並べ、子育てで失敗が許されない風潮そのものを問い直す。自身も外から見えない孤独で苦しい日々を経験し、相談やお茶会、講演で多くの親子に接してきた人。低学年まではのびのびだったのに、中学年以降に周囲へ振り回されてつながりが切れる例が多いという。状況ではなく、我が子をしっかり見る軸を立て直す一冊。
こんな人におすすめ
周囲の意見や進路情報に振り回され、わが子の成長に焦りを感じている親。小学校中学年以降の関わり方に迷い始めた人。自分の子育てに自信を持ち直したい人や、不安を言葉にできないまま抱えている人。
良い点
- 時代の不安に正面から触れる
- 親子のつながりを軸に置く
- 相談現場の実例が豊富
気になる点
- 年齢別の細かな手順は少ない
- 精神面の記述が中心
- 気質や発達の細部は浅い
出版社
株式会社創藝社
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「自分は尊重されて育っていないのに、自己肯定感を高く育てなきゃ」ってプレッシャー、すごくわかる気がします。
私も学生の頃から「自己肯定感」って言われ続けてきたので……。
佐藤メバル
そう感じる人は多いと思う。この本の著者は、そのプレッシャー自体が親を苦しくすると書いている。自分がしてもらえなかったことを、子どもには完璧にやらなきゃ、という構図だね。
で、実際に多いのが、小学校低学年まではのびのびさせていたのに、中学年以降に周りの意見へ振り回されて、親子のつながりが切れていくケース。
だから軸を「周り」から「我が子」に戻そうと提案する。
橘ナナミ
じゃあ、進路とか習い事も、周りと比べずに決めていいんですか?
佐藤メバル
比べる材料として見るのは構わないけれど、決めるときの基準を我が子に置く、ということ。著者自身も、外からは見えない孤独で苦しい日々を経験して、そこから自分の本当の幸せを見つけてきた人で、相談や講演で多くの親子に接してきた実感が土台になっている。
子どもへの不安と葛藤を言葉にしてもらうと楽になる、というのがこの本の効きどころだね。

ママも子どももハッピーになる! がんばらない子育て
高見知日子 著|すばる舎
臨床心理士の著者が、ぐずり、かんしゃく、夜泣き、イヤイヤ期といった日々の火種に向けて、イライラやモヤモヤが消えていく関わり方を示す。「お母さん、子育てはカンペキじゃなくてもいい」「子どもはどんなお母さんでも大好き」——がんばらないことをがんばるくらいがちょうどいい、という言葉が軸。育児の技術より、親の心の整え方を知りたい人に向く。
こんな人におすすめ
イヤイヤ期や夜泣きで毎日へとへとになり、自分をダメな母親だと責めてしまう人。育児書を読んでも心が軽くならなかった人。気持ちを誰かに聞いてほしい夜に開きたい人。
良い点
- 心理士の視点で安心できる
- 短く読みやすい構成
- 心の負担に焦点を当てる
気になる点
- 具体的な育児手順は少ない
- 生活の工夫は限定的
- 年齢別の情報は薄め
出版社
すばる舎
発売日
2017年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子どもはどんなお母さんでも大好き」って言葉、いいですね。でも実際、イライラしてる自分をそれで許していいんでしょうか。
佐藤メバル
この本は、そこを許すところから始めるんだ。著者は臨床心理士で、多くの親子を見てきた人。ぐずり、かんしゃく、夜泣き、イヤイヤ期——どれも子ども側の問題としてだけでなく、それに向き合うお母さんの心の問題として扱っている。
がんばらないことをがんばる、つまり力を抜くこと自体を目標にしていいくらいでちょうどいい、という立場だね。
橘ナナミ
私、子育てはしていないんですけど、研究でインタビューしたお母さんが「夜泣きの間ずっと自分を責めてた」って話していて……そういう人に効くんでしょうか。
佐藤メバル
まさにその場面に効く一冊だと思う。理由を説明するより先に、まず「あなたはもう十分がんばってます」と置いてくれる。
書店員だった頃、育児書のコーナーで「もっとちゃんとしなきゃ」とつぶやく人をよく見たけれど、この本は足し算ではなく引き算の側から書かれている。
読む順番も決まっていないから、疲れた夜に開いたページから読めるのがいいところだね。

子どもが伸びるがんばらない子育て
山本ユキコ 著|フォレスト出版
子育て教室を主宰してきた著者が、発達や遺伝の研究、育児に関するデータを引きながら「子育て中の母親は怒って当たり前」「完璧を目指さずがんばらない方がむしろよい」という学問の世界の知見を紹介する。早期英才教育に意味がないことにも触れ、根拠のない理想の母親像から降りることを勧める。章ごとにQ&Aが付き、マンガも交えた構成。感覚ではなく根拠がほしい人に向く。
こんな人におすすめ
「なぜ怒ってしまうのか」を仕組みから知りたい人。睡眠、食事、清潔、働き方まで生活全体をラクにしたい人。育児書を読んでも納得できなかった人。
良い点
- 研究データの裏づけがある
- マンガで読み進めやすい
- 章末Q&Aが実用的
気になる点
- 学術的な厳密さは控えめ
- 個別の悩みはQ&A頼み
- 深い心理面は浅め
出版社
フォレスト出版
発売日
2018年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ママはテキトーな方がいい」って、科学的に証明されてるんですか? そこ、すごく気になります。
佐藤メバル
この本が面白いのは、そこを体感ではなく研究の言葉で説明している点だね。発達や遺伝の研究、育児に関するデータを見ていくと、「子育て中の母親は怒って当たり前」「完璧を目指さない方がむしろよい」という方向の議論がある。
著者自身、一人目のときにがんばって、うまくいかず夫に当たっていたと書いている。そのうえで早期英才教育には意味がないとまで言い切る。根拠のある脱力なんだよね。
橘ナナミ
忙しい人でも読める工夫って、あるんでしょうか。
佐藤メバル
あるよ。マンガを交えてサクサク読めるようにしている。章ごとにQ&Aがあって、「イライラして子どもに厳しい口調で接してしまいます」「じゃあ、子育て中はどんな食事が理想なの?」といった実際の声に答えていく形だ。
睡眠、食事、清潔、働き方まで範囲が広いから、一つずつ拾い読みしてもいい。研究の話と生活の話が地続きになっているのが、同じ「がんばらない」を掲げる本との違いだと思う。

がんばらない子育てのコツ 残りは神様がやってくださる!
ジョングレイ 著|小学館
¥2,303(税込)
子どもは生まれた時から固有の資質を持ち、いくらがんばっても親の思うようには育てられない——だから方向を変える。罰や恐怖で支配するのは論外とし、繰り返し伝えるべき五つのメッセージを示しながら、前向きな子育ての実践法を具体例で並べる。頭を使って子どもの心を感じるエネルギーは必要とし、完全な放置とは違う「がんばらない」を描く。育児プレッシャーへの反論にもなっている。
こんな人におすすめ
親の思う通りに育たないことで悩み、「どうして言うことを聞いてくれないの?」と感じている人。しつけを罰や恐怖に頼りたくない人。原則から考えたい人。
良い点
- 五つのメッセージが明確
- 具体例が豊富
- 前向きな視点が軸
気になる点
- 翻訳でやや硬い
- 日本の生活事情との差
- 分量が多め
出版社
小学館
発売日
2003年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子どもは親の望むように育てられない」って、聞くと突き放された感じもするんですけど……。
佐藤メバル
そこは誤解しやすいところで、この本は放置を勧めているわけじゃない。子どもは生まれた時から固有の資質を持っている、だから親の思い通りにはならない、代わりに伝えるべきことを繰り返し伝えよう、という組み立てなんだ。
罰や恐怖で支配するのは論外だと明言している。頭を使って子どもの心を感じるエネルギーは必要で、要は前向きであること。がんばる量ではなく方向を変える話だね。
橘ナナミ
五つのメッセージって、たとえばどんなものなんですか?
佐藤メバル
人と違っても構わない、といった内容が原則として示されていて、それに沿って具体的な実践法が並ぶ。「子育て羅針盤」という言い方をされるタイプの本だね。
書店の現場でも、ハウツーを足す本より、判断の軸を渡す本のほうが長く読まれる。読むのに少し時間はかかるけれど、迷ったときに戻ってこられる一冊だと思うよ。

がんばりすぎるママをやめる子育て
田村ポチ 著
SNSに溢れる理想の子育てと比べて落ち込む——そんな状況を出発点に、子どもを変えるのではなく親の考え方と心の持ち方を少し変える方法を並べる。「ちゃんとしなきゃ」の思い込みを手放す、自己肯定感を育てる言葉かけ、他人と比べないコツ、親自身の心を守る習慣、家庭に笑顔を増やすコミュニケーション。家事が終わらない日があってもいいと繰り返し伝える、肩の力を抜く一冊。
こんな人におすすめ
SNSや周囲と比べて落ち込みがちな人。怒ってしまう自分に落ち込み、優しく接したいのに続かない人。ひとりで抱えている人。
良い点
- 共感から入る構成
- 具体策が並ぶ
- 読み口がやさしい
気になる点
- 著者の立場の説明は少なめ
- 深い理論は扱わない
- 網羅性は高くない
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「完璧な親じゃなくていい」って、いま色んな本が言ってますよね。この本はどこが違うんでしょう?
佐藤メバル
出発点がSNSなんだよね。理想の子育てが流れてくる画面と、目の前の現実を比べて落ち込む、そこから始まる。
で、変える対象を子どもじゃなくて親の側に置く。家事が終わらない日があってもいい、怒ってしまう日があってもいい、と先に許してから、言葉かけや比べないコツを並べていく。
読む人の罪悪感を減らす順番になっているのが特徴だね。
橘ナナミ
言葉かけの話も入ってるんですか。それは何歳くらいまでを想定しているんでしょう。
佐藤メバル
年齢を細かく刻む本ではないから、わりと長く使えると思う。自己肯定感を育てる言葉かけ、他人と比べない子育てのコツ、親自身の心を守る習慣、家庭に笑顔を増やすコミュニケーション、という並びで、暮らし全体を少しずつ軽くしていく。
育児の技術を足すというより、心の持ち方を整える本だと思って読むといいよ。

がんばりすぎない子育て: ワンオペの悩みが消える!
金子龍太郎 著|中央法規出版
¥1,760(税込)
23のよくある悩みに答える形式で、ワンオペの限界、睡眠不足、母乳育児、人見知りと後追い、腰痛や腱鞘炎、産後うつ、早期教育の要不要、祖父母との育児観の違い、3歳児神話までを扱う。特徴は、人類の本能的特性や乳幼児期の生理現象、日本の育児文化にさかのぼって説明する点。自分の育て方のせいではないと納得してから対処へ進めるので、責められている感じが残らない。
こんな人におすすめ
ワンオペで限界に近い人、科学的な説明で安心したい人。祖父母の価値観とぶつかっている人。育児書を読んでもうまくいかないと感じている人。
良い点
- 悩み別で引きやすい
- 根拠のある解説
- 昔の常識も扱う
気になる点
- 該当しない章は不要
- 文章量はやや多め
- 実践手順は簡潔
出版社
中央法規出版
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
23個の悩みって、たとえば「抱き癖がついたらどうしよう」みたいな昔からの心配も入るんですか?
佐藤メバル
入っているよ。しかも答え方が独特で、まず人類の本能的な特性や乳幼児期の生理現象、日本の育児文化にさかのぼって説明する。
抱っこも細切れ睡眠も、昔からそういうものだと腑に落ちるところから始まる。自分の育て方のせいではないという安心が先にあって、そのうえで肩の力を抜いた対処が示される。
橘ナナミ
3歳児神話とか母性神話まで扱ってるんですね。それ、どこかで聞いたことがあって気になってました。
佐藤メバル
そう、昔の価値観や常識による悩みとして取り上げている。祖父母に昔の育児観を押しつけられる、という相談も同じ章だね。
著者は小児科の立場から書いている人で、感情論ではなく背景から説明してくれる。書店員時代、この手の本は「読んで楽になった」と戻ってくる人が多かった。
授乳や睡眠の細かい話まで一冊で拾えるのはありがたいと思うよ。

親も子もラクになる ゆるめる子育て
岡崎大輔 著|明日香出版社
「〜しなければ」「〜してはいけない」で自分と子どもを縛っていないか、という問いから始まる。その縛りは自分の親から受け継いだものや社会の影響かもしれないが、いつからでも解ける。ライフスキル教育をベースにしたコーチングの手法で、自信、やる気、自己肯定感、コミュニケーション、自分で考える力、自分から動く力——目的別に52の関わり方を並べる。子どもは縛られすぎない環境でこそ自分らしく輝くという立場。
こんな人におすすめ
しつけに強いルールを敷いてしまっている人。つい口出ししてしまう人。放課後の現場で多くの子を見てきた視点がほしい人。
良い点
- 目的別で引きやすい
- コツが具体的
- 親側の考え方も扱う
気になる点
- 年齢別の構成ではない
- 根拠の解説は少なめ
- 網羅的すぎて迷う
出版社
明日香出版社
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ライフスキル教育って、聞き慣れない言葉なんですけど、どんなものなんですか?
佐藤メバル
よりよく生きる力を育てる教育の考え方で、著者はそのコーチングメソッドを学んだ人。ハーバード大学やオリンピック選手育成のプログラムでライフスキルトレーニングを実施した経験があり、その後、放課後のスクールを立ち上げて多くの子どもと大人に関わってきた。
この本では、その現場感覚を家庭向けの52のコツに落とし込んでいる。子どもは縛られすぎない環境でこそ自分らしく輝くというのが軸だね。
橘ナナミ
52個もあると、どこから読めばいいのか迷いそうですね。
佐藤メバル
そこは目的別に分かれているから大丈夫。自信を育てる、やる気を引き出す、自己肯定感を育てる、コミュニケーション、自分で考える力、自分から動ける子になる、最後に子育てがラクになる考え方。
今いちばん困っている章から開けばいい。書店でも、こういう縛りをほどくタイプの本は、しつけ本のあとに読む人が多いんだよね。

自立した子どもになるためのやらない子育て (扶桑社BOOKS)
いこーよ子どもの未来と生きる力研究所 著|扶桑社
ゲームやスマホの禁止、通学前の持ち物確認、宿題の手伝い——よかれと思ってやっていることを「実はやらなくていい」と整理する。土台になっているのは、子どものお出かけ情報サイトの研究機関が行ってきた親子調査や研究結果。先回りではなく、信じて見守る、ときには手放す。やらないことで子どもが自らの力で育ち、親もラクになるという順番を示す、実践型の一冊。
こんな人におすすめ
つい持ち物を確認し、宿題に口を出してしまう人。干渉しすぎかもしれないと感じ始めた人。子どもに自分で動いてほしい人。
良い点
- やめる項目が具体的
- 調査にもとづく
- 親の負担も減る
気になる点
- 幼児期の悩みは薄い
- 対象年齢の幅が広い
- 深い理論は少ない
出版社
扶桑社
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
持ち物チェックに宿題の手伝いまで「やらなくていい」って、けっこう勇気がいりませんか?
佐藤メバル
そこがこの本の面白さで、いきなり全部やめろとは言わない。親子調査や研究の結果をもとに、これは実はやらなくていい、と一つずつ示していく。
先回りではなく、信じて見守るという考え方を、具体的な場面に落としているんだ。ゲームやスマホの禁止も同じ流れで扱われる。
橘ナナミ
私、小学生の頃ずっと母親がランドセルの中身を確認してくれてたんですけど、あれってどうだったんだろう……と今さら思いました。
佐藤メバル
その振り返りはいい着眼点だね。この本が言いたいのは、確認してあげること自体が悪いというより、それが続くと子どもが自分で確かめる機会を失う、ということ。
やらないことで子どもが育つだけでなく、親の手も空く。書店時代、入学準備の時期にこういう本がよく売れたのは、習慣を変えるなら節目だと思われているからだろうね。

「しない」子育て
高濱正伸 著|ベストセラーズ
「比べない」「正解や理想を求めない」「過度に干渉しない」「子どもという存在をあなどらない」——親があえて「しない」選択をすることで伸ばせる力を、学習塾を長く見てきた立場から整理する。孤独やイライラを解消する子育ての断捨離という言い方が象徴的で、加えるのではなく捨てる方向へ。3歳から12歳の子どもを持つ親を念頭に置き、比べないことから始める構成。
こんな人におすすめ
過保護気味と言われたことがある人。周りと比べてしまう自分をなんとかしたい人。小中学生の子を持つ親。
良い点
- 章立てが明快
- 断捨離の視点が痛快
- 現場経験が長い
気になる点
- 断定的な言い回しもある
- 幼児期は対象外
- 具体手順は控えめ
出版社
ベストセラーズ
発売日
2015年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「異性の子どもを理解しようとしない」って章があって、えっ、と思うんですけど。
佐藤メバル
そこは誤解を招く見出しだよね。理解したつもりで決めつけない、というくらいの意味だと思う。この本は「しない」を並べていく構成で、比べない、正解や理想を求めない、過度に干渉しない、あなどらない、環境をなおざりにしない。
孤独やイライラを解消する断捨離という表現が全体をよく表している。
橘ナナミ
塾の先生が書いてる本って、どうしても勉強の話になりがちな印象があるんですが。
佐藤メバル
そこが意外で、この本は勉強法の本ではないんだ。長く多くの子どもを見てきた人だからこそ、点数より先に親の構えを扱う。
3歳から12歳くらいまでを想定しているので、小学生の子を持つ人が読むと刺さりやすいと思う。断定的に聞こえる箇所もあるけれど、背中を押してほしいときにちょうどいい強さだよ。

「しない」が子どもの自力を伸ばす: 叱らない・ほめない・コントロールしない、狩猟採集民の子育て術
マイケリーン・ドゥクレフ 著|築地書館
¥2,750(税込)
癇癪に悩んだ科学者でありジャーナリストの著者が、娘を連れてマヤ族やイヌイット族などの子育て文化を訪ね歩く。そこで見たのは、怒鳴らず、押しつけず、信頼と協力に満ちた育児。子どもを管理しすぎず、自然に自立を促す——現代の育児法に疑問を持ち、自信をなくしている親に向けて書かれた、旅の記録でもあり研究でもある一冊。叱らない、ほめない、コントロールしないという軸が際立つ。
こんな人におすすめ
欧米流の育児法に違和感がある人。叱る以外の方法を探している人。文化人類学的な視点も楽しみたい読者。
良い点
- 現地訪問の記録が濃い
- 科学と文化の両面
- 視野が広がる
気になる点
- 分量が多く時間が要る
- 日本での実践は要工夫
- 翻訳で硬い箇所
出版社
築地書館
発売日
2025年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マヤ族やイヌイット族って、遠い話に思えるんですけど、私たちの子育てに本当に使えるんでしょうか。
佐藤メバル
そこがこの本の読みどころで、著者は科学者でありジャーナリストでもある人。癇癪に手を焼いた末に、娘を連れて各地の伝統的な子育て文化を訪ね歩いた。
子どもを管理しすぎず、自然に自立を促す——そこで見つけたのは、怒鳴らず押しつけず、信頼と協力に満ちた暮らしだった。
遠い世界の話ではなく、今の育児の当たり前を相対化する視点なんだ。
橘ナナミ
けっこう分厚いんですよね。読み切れるか心配です……。
佐藤メバル
長いけれど、旅の記録として読めるから案外進む。叱らない、ほめない、コントロールしない、という軸が最後まで一貫しているので、途中で迷子になりにくい。
翻訳の硬さはあるけれど、育児に疲れて自信をなくしている人に向けて書かれている本だから、読後に残るものが大きいと思うよ。

頑張らない勇気: 自分優先でうまくいく新しい子育ての形 (中村の中の出版)
中村奈緒美 著
幼い二人の子を育てる著者が、育児で深く悩んだり追い詰められたりしてこなかった理由として、徹底した「私ファースト」と「賢い適当」を挙げる。泣く子を待たせて自分のトイレを優先する、子どもの残飯を食べない、健康な夫の洗濯物は放置する——ズボラとは違う適当の作り方を日常の場面で示す。専門用語を使わない、エッセイ寄りの一冊。
こんな人におすすめ
育児書通りにいかずイライラしてしまう人。自分のことを後回しにしてきた人。力の入れどころと抜きどころを決めたい人。
良い点
- 共感しやすい語り
- 具体例が身近
- 気楽に読める
気になる点
- 理論的な裏づけは薄い
- 著者の家庭環境に依存
- 網羅性は低い
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「自分のトイレを優先する」って、正直びっくりしました。それって子どもがかわいそうにならないんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の肝で、自分を後回しにし続けると、結局いちばんしわ寄せがいくのは子どもという考え方なんだ。
泣く子を少し待たせて自分を整える、残飯は食べない、健康な夫の洗濯物は放置する。ひとつひとつは小さなことだけど、積み重なると効いてくる。
ズボラになれと言っているのではなく、賢い適当を選べと言っている。
橘ナナミ
ママ友や実家との距離の話も入ってるんですね。そこ、読む人は悩みそうです。
佐藤メバル
そう、まさにその章で「距離感が9割」としている。全部を正直に話さなくていい、無理に合わせなくていいという実感が並ぶ。
著者自身が二人の子を育てながら書いているから、理想論ではなく今日の話として読める。育児書を読むと背筋が伸びてしまう、という人にこそ向いていると思うよ。

アメリカ在住3児ママの気張らない子育て法 子育てに正解はない! 家族が笑顔になる子育て
WHTチャンネル 著|KADOKAWA
子どもは一人ひとり違って当たり前、という前提から、個性に合った関わり方を説く。姉妹でも同じ方法が通用するのか、習い事は嫌ならやめてよいのか、ズボラ子育てでいいのか、親のエゴでやらせても続かないのでは——日本の親が抱えがちな悩みに、アメリカでの子育ての視点を交えて答える。褒めて育てることの意味も問い直す構成。
こんな人におすすめ
きょうだいで同じやり方が通じず戸惑っている人。習い事を続けさせるかで悩んでいる人。動画から入ったファン、そして子育てを少し自由に考えたい人。
良い点
- 実体験が豊富
- 海外視点が新鮮
- 家族写真で親しみやすい
気になる点
- 体系的な理論はない
- 文化差で真似しにくい面
- エッセイ寄り
出版社
KADOKAWA
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
姉妹でも同じ子育て法は通用しない、っていうのは、聞いていて少しほっとします。私も妹と全然タイプが違うので。
佐藤メバル
そこがこの本の出発点だね。一人ひとり違って当たり前という前提に立つと、上の子でうまくいったやり方を下の子に当てはめて苦しくなる、という罠から降りられる。
褒めて育てることも、ただ褒めればいいのかという問いとして扱っている。海外での子育ての視点が入るから、日本の当たり前が相対化されるんだ。
橘ナナミ
習い事、嫌ならやめてもいいんでしょうか。私自身、小さい頃やめた習い事があって、もったいなかったのかなと時々思うんです。
佐藤メバル
その実感、読者にも近いと思う。この本は、親のエゴでやらせても続かない、という方向から書いている。続ける価値と辞める判断の両方を、子どもの様子を基準に考えようという立場だね。
動画では触れきれなかった部分が文章になっているので、ファンの人にも新しい発見があるはずだよ。

子供を『伸ばす』ママは、子育てを”がんばらない”: ママの笑顔が増える子育て術 あまみあいの毎日しあわせメソッド
あまみあい 著|まほら出版
仕事をしながらの家事と、三人の子育てを経験した著者が「人に助けてもらうほど、子どもの才能は伸びる」と述べる。子育てを一人で抱え込むと、ママは疲れ、笑顔を失い、子どもは顔色をうかがうようになり、本来の力を出せなくなる。周りの力を借りることは手抜きではないという誤解の解き方から、誰にどう頼るかの実践までを8つのコツにまとめる。
こんな人におすすめ
頼れる人が少ないと感じている人。一人で抱え込んでいる人。夫婦のきずなも整えたい人。
良い点
- 頼り方まで具体化
- 笑顔を軸に置く
- 章立てが素直
気になる点
- 環境差が大きい
- 理論より体験中心
- 網羅性は低い
出版社
まほら出版
発売日
2025年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「人に助けてもらうほど、子どもの才能は伸びる」って、なぜそうなるんでしょう?
佐藤メバル
著者の説明はこうだ。ママの負担が減ると余裕が生まれ、笑顔が戻る。すると子どもは安心して自分を出せるようになる。
さらに、親以外の大人と関わる機会そのものが子どもの成長を促す。周りの力を借りることは手抜きではない——この誤解を解くところから、この本は始まる。
橘ナナミ
とはいえ、実際に誰にどう頼ればいいのか、わからなくなりませんか。
佐藤メバル
そこまで書いてくれているのが親切なところで、自分のことを知る、子どものことを知る、罪悪感を持たない、察してもらおうとせず伝える、習い事を見つける、自分の時間を作る、ご機嫌を自分で取る、寝る前に一日を振り返る、という8つのコツになっている。
三人育てながら仕事もしていた人の実感だから、説教くささがないんだよね。

子育ての不安と孤独をほぐす心理学: がんばり過ぎる親の心を休ませる (「シリーズ 子育てのうしろだて」)
柳川由美子 著|実務教育出版
¥1,650(税込)
多くの相談に乗ってきた不安専門のカウンセラーが、心と身体の両面からアプローチして、子育ての怒りやイライラを鎮める方法をまとめる。孤独や不安を一人で抱えなくていいというメッセージが芯にあり、症状への対処だけでなく、考え方の枠組みを整える構成になっている。子育ての技術書ではなく、親の心のケアに特化している点が他の本との違い。
こんな人におすすめ
不安や孤独が強く、気持ちの落ち着け方を知りたい人。怒りっぽくなった自分に戸惑っている人。カウンセリング的な視点を求める人。
良い点
- 心と身体の両面を扱う
- 相談経験が土台
- 親のケアに特化
気になる点
- 育児の具体策は少ない
- 実践には時間が要る
- 網羅性は高くない
出版社
実務教育出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
不安専門のカウンセラーって、あまり聞かない肩書きですよね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の立ち位置で、育児の技術ではなく不安そのものを扱う。多くの相談に乗ってきた人が、心と身体の両方からアプローチして、怒りやイライラを鎮める方法を書いている。
孤独や不安を一人で抱えなくていい、というのが最初から最後まで貫かれているね。
橘ナナミ
私、大学院で一人で研究していると、不安が延々と続く感覚がわかるんです。子育て中の人だともっと大きいんでしょうね。
佐藤メバル
その感覚に近いと思う。この本は、不安を消そうとするのではなく、扱い方を変えていく。子育ての場面に限らず、心の整え方を学ぶ本としても読めるのが強みだよ。
書店でも、育児書コーナーより少し離れた心理学の棚に置くと売れ方が変わるタイプの本で、それくらい毛色が違う。

子育てしない子育て~天才たちの共通項
小林正観 著|大和書房
¥1,650(税込)
エジソン、野口英世、チャップリン、ライト兄弟、吉田松陰、手塚治虫——歴史に名を残した天才たちの裏に、共通点を持った母親がいたと説く。極貧でも落ちこぼれでも、天から授かった才能を存分に発揮できる育て方があるというのが主題。親ができることはとてもシンプルだとして、生まれ持ったものを伸ばす見方を示す対話形式の一冊。
こんな人におすすめ
才能を伸ばしたいけれど方法がわからない人。手をかけすぎていると感じる人。教育的な価値観を根本から見直したい人。
良い点
- 著名人の逸話が豊富
- 視点が大胆
- 読み物として面白い
気になる点
- 現代的検証は薄い
- 再現性は高くない
- 価値観が独特
出版社
大和書房
発売日
2019年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エジソンや野口英世のお母さんの話って、聞いたことがあります。でも、天才の例を出されても、うちの子は……と思いませんか。
佐藤メバル
そこは著者も想定していて、極貧でも落ちこぼれでも、という言い方で入口を広げている。親ができることはとてもシンプルだというのが結論で、特別な教育を足す話ではないんだ。
心学を長く研究してきた人と、教育研究の立場の人が対話する形で、子育ての本質に迫っていく。
橘ナナミ
天才の共通項って、具体的には何なんですか?
佐藤メバル
そこは読んでのお楽しみではあるけれど、母たちの姿勢に共通するものを見いだしていく構成だね。チャップリンやライト兄弟、吉田松陰、手塚治虫と、時代も分野もばらばらな面々が並ぶのが面白い。
科学的な育児書というより、価値観を問い直す本だから、手をかけすぎて疲れたときに読むと視界が変わると思うよ。

自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育
岩田かおり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
「宿題やったの?」「早く寝なさいよ」と小言を言い続けるうちに、それが子どものためか自分のためかわからなくなっていないか、という問いから始まる。提唱するのは、意図をもって手を離す「戦略的ほったらかし」。子どもを信じることにつながるメソッドだとして、自主性と才能を伸ばす家庭環境の作り方を、学びの仕掛け、探究心、親の不安との向き合い方、Q&A、実例という順で示す。
こんな人におすすめ
小言が増えて自己嫌悪になりがちな人。宿題や寝る時間で毎日もめている人。自主的に学ぶ子になってほしい人。
良い点
- 手順が体系的
- 実例が豊富
- 親の不安も扱う
気になる点
- 対象は小学生中心
- 環境づくりに手間が要る
- 即効性は薄い
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2025年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ほったらかし」に「戦略的」がつくのが不思議なんですけど、どう違うんですか?
佐藤メバル
ただ放っておくのではなく、意図をもって手を離すという意味なんだ。子どもを信じることにつながるメソッドだから、離れたあとに親子関係が円満になる。
小言を言うのをやめる、その代わりに環境を整える。順番が逆にならないのが大事なところだね。
橘ナナミ
家庭環境の作り方って、具体的にはどんなことなんでしょう。
佐藤メバル
学びの仕掛けづくりと探究心を伸ばす工夫が前半の柱で、後半は親自身が不安やあせりから抜けて自分軸を見つける話、さらにQ&Aと実例が続く。
著者自身も三人の母親で、家庭教育アドバイザーとして多くの親の悩みに向き合ってきた人。書店でも、この種の本は「しつけ」の棚より「学び」の棚でよく動くんだよね。

むりしない かかえこまない ありのままで楽しむ子育て
川上秀征 著|幻冬舎メディアコンサルティング
なかなかハイハイしない、言葉が出てこない、同じ月齢の子より反応がゆったりしている——はじめての子育ての不安に寄り添い、心配しすぎず、でも大切なサインは見逃さないためのヒントを届ける。著者は小児科専門医と歯科医。親の不安は子どもに伝わるとして、心の成長、病気や体調、食事や食育、発育や発達の四つのテーマで整理する伴走型の一冊。
こんな人におすすめ
発達の早さが気になってしまう人。比べて不安になる自分を落ち着けたい人。医療の視点で安心材料がほしい人。
良い点
- 専門医の視点が明確
- テーマが整理されている
- 体調の話も拾う
気になる点
- その場での診断はできない
- 月齢別の詳細は薄い
- 精神面はあっさり
出版社
幻冬舎メディアコンサルティング
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
小児科の先生と歯科の先生の共著っていう組み合わせが、ちょっと珍しいですよね。
佐藤メバル
そう、体調と口の話が両方入ってくるのが強みだね。親の不安は子どもに伝わる——夜泣きが増えたり食欲が落ちたりすることがある、という指摘は、この本の芯になっている。
だから心配しすぎず、でもサインは見逃さない。その線引きを四つのテーマに分けて示してくれる。
橘ナナミ
「ハイハイしない」「言葉が出ない」って、私も姪を見ていて心配になったことがあります。
佐藤メバル
その気持ちは自然なものだと、この本はまず認めてくれる。そのうえで、はじめての子育ては不安や迷いの連続で当然だと置く。
育児書というより伴走者という言い方をされる通り、正解を押しつけずに一緒に考える姿勢の本だよ。専門医の言葉で安心がほしい人に向いていると思う。

「手抜き」でもぐんぐん伸びる「男の子」の育て方
藤川万規子 著|三笠書房
三人の息子を育て、多くの子どもを診てきた医師が、時間も手もかけられなかった経験から、男の子の育て方をまとめる。のんびり屋でなまけ者、落ち着きのなさ、おねしょ——そうした現実を前提に、才能が伸びる三つのサイクルや頭をよくする工夫、小さな挑戦が未来につながる話を、悩みのQ&Aとともに並べる。医師と母親、両方の立場から答える点が他の育児書と違う。
こんな人におすすめ
男の子の行動に戸惑っている人。手をかけられない罪悪感がある人。きょうだいの個性差に悩む人。
良い点
- 医師と母の両視点
- Q&Aが実用的
- 明るい語り口
気になる点
- 女の子には当てはめにくい
- 発達の詳細は限定的
- 著者家庭の例が中心
出版社
三笠書房
発売日
2016年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「手抜き」と「医者」って、組み合わせが意外です。大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
そこがいいんだよね。著者自身、三人の息子を育てながら仕事を持っていて、時間も手もかけられなかった。才能が伸びる三つのサイクルという考え方を軸に、頭をよくする工夫や、小さな挑戦が未来につながる話を、診察室と家庭の両方から語る。
橘ナナミ
のんびり屋、なまけ者、おねしょ……うちの甥っ子みたいで、思わず笑ってしまいました。
佐藤メバル
そう、そこを隠さずに書いているのがいいところ。問題児だった我が子たちの話と、多くの子どもを診てきた経験の両方が入っているから、説教にならない。
男の子の子育ての不安や悩みをQ&Aで拾っているので、辞書みたいに使えるよ。書店でも男の子の保護者からの引き合いが強い一冊だった。

神様、もう少しだけ子育て世代に時間をください! カンペキな親、ムリでした! 3兄弟に教わった「大丈夫」の育て方
tomekko 著|朝日新聞出版
小中学生の三人男子と全力で向き合う日々を綴った子育てエッセイ。忙しすぎる毎日、うまくいかない現実、夫婦や親子のすれ違い——みんなが言葉にしづらい「子育てのモヤモヤ」を代わりに言葉にしてくれる。カンペキな親は、ムリという著者の実感が軸にあり、三人の子に教わった「大丈夫」の育て方という副題がそのまま内容を示す。連載から生まれた本音の一冊。
こんな人におすすめ
うまくいかない毎日に笑いがほしい人。誰かに代弁してほしい人。育児のハウツーに疲れた人。
良い点
- 共感度が高い
- 読み口が軽快
- 夫婦の話題も拾う
気になる点
- 具体策は少ない
- 男子中心の記録
- ハウツーは期待薄
出版社
朝日新聞出版
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「神様、もう少しだけ子育て世代に時間をください!」ってタイトル、切実すぎて笑ってしまいました。
佐藤メバル
その絶妙な力の抜け方がこの本らしいんだよね。三人の男子と全力で向き合う日々、忙しすぎて回らない現実、夫婦や親子のすれ違い。
カンペキな親は、ムリという実感が最初から最後まで貫かれている。育児書というよりエッセイなので、ハウツーを求めて読むと違うかもしれない。
橘ナナミ
ハウツーじゃない本が選ばれる理由って、あるんですか?
佐藤メバル
あるんだよね。言葉にできないモヤモヤは、解決策より先に「わかる」がほしいものだから。書店時代、育児書の隣にこういうエッセイを置くと、手に取る人が明らかに違った。
正しさではなく、今日をどう乗り切るかという温度の本だよ。

【イヤイヤ期】ぶっちゃけ子育て術: ママのための気持ちを100倍ラクにして子どもとかけがえのない時間を楽しむ頑張らない子育て術!
めえ 著|Independently published
¥1,639(税込)
特別支援の教員として、感情のコントロールが難しい子やこだわりの強い子に寄り添ってきた著者が、自分の子のイヤイヤ期で自信を失った経験をそのまま書く。正論だけでは救われないという実感から、イライラを消すのではなく飲み込まれない考え方、崩れやすい時間帯の乗り切り方、完璧を手放す合言葉を並べる。ワークを挟みながら、母親自身の心を守ることに集中した一冊。
こんな人におすすめ
イヤイヤ期の真っ只中で心が削られている人。育児書の正論に苦しくなった人。怒ってしまう自分を責め続けている人。
良い点
- 著者の失敗談が正直
- 場面別の対処が具体的
- ワーク付きで実践的
気になる点
- 対象がイヤイヤ期中心
- 理論は最小限
- 個人の体験色が強い
出版社
Independently published
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
特別支援の先生が、わが子のイヤイヤ期で「育児をお休みしたい」と思った、というのに驚きました。
佐藤メバル
そこを隠さず書いているのがこの本の価値なんだ。仕事ではどんなパニックにも冷静に対応できていたのに、わが子には「これを言ったらまた崩れるかな」と声をかけるのが怖くなった。
正論だけでは救われない——その実感から、まずママの心を守る工夫に絞っている。イライラをなくすのではなく、飲み込まれない方法だね。
橘ナナミ
「イヤイヤ実況中継」とか、家事の効率化の話も気になります。
佐藤メバル
そういう生活の知恵も入っている。感情を客観視する実況中継、炊飯器を二台使う、洗濯物はたたまない、といった具体策は、やってみようと思える軽さがある。
崩れやすい場面ごとの乗り切り方が章になっていて、途中にワークもあるから、読むだけで終わらないのがいいところだよ。

初夏うつママの心と子育てリセット習慣: 頑張らない育児で心が軽くなる本
ママのための保育研究会 著
朝からだるい、イライラが止まらない、子どもに優しくできない——そうした不調を、気合いや根性ではなく季節特有の自律神経の乱れとして説明する。あなたのせいではないと最初に置いたうえで、一日少しの時間でできる心の整え方を、ゆるい習慣として紹介する。育児の技術ではなく、体調と気分の立て直しに焦点を当てた季節のリセット本。
こんな人におすすめ
なんとなく毎日しんどい人。イライラを減らしたい人。気候の変化で調子を崩しやすい人。
良い点
- 原因を体調に置く
- 習慣が短時間で済む
- 読みやすい分量
気になる点
- 通年向けではない
- 専門的な深度は浅い
- 具体策は限定的
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「初夏うつ」って言葉、初めて聞きました。季節でそんなに変わるものなんですか?
佐藤メバル
この本は、その不調を本人の努力不足ではなく、季節特有の自律神経の乱れとして説明するところから始める。
あなたのせいではないと先に置いてくれるので、自分を責めずに読める。そのうえで、一日少しの時間でできる心の整え方を、ゆるい習慣として並べている。
橘ナナミ
具体的にはどんな習慣なんですか?
佐藤メバル
詳しくは本で確かめてほしいけれど、頑張らなくていい、完璧じゃなくていい、という前提で紹介されているのが特徴だね。
育児の技術を学ぶ本ではなく、体調と気分を立て直すための本だから、しんどい時期に読み返す使い方が合っている。
気候の変わり目に調子を崩す人は、手元に置いておくといいと思うよ。

頑張らない/子育て✖ママ育て
CHIAKI 著
二人の子を育てながら、時間、お金との付き合い方、イライラしない子育てと人間関係を、思った通りに叶えてきたと語る著者による一冊。頑張らなくても願いは叶うようにできているという立場から、自分自身と向き合い、自分の声に素直になることで毎日が変わると説く。子育ての技術というより、考え方と人間関係を整えるコーチング寄りの内容。
こんな人におすすめ
自分の人生を後回しにしていると感じる人。イライラしない関わり方を探している人。思考の癖から見直したい人。
良い点
- 前向きな語り口
- 人間関係にも触れる
- 短く読みやすい
気になる点
- 抽象的な表現が多い
- 具体手順は限られる
- 再現性は人による
出版社
詳細情報なし
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「頑張らなくても願いは叶うようにできている」って、ずいぶん強い言葉ですよね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の立場で、著者自身がそれを証明できると言い切る。頑張らなくても願いは叶うようにできている——時間、お金との付き合い方、子育てと人間関係を、思った通りにしてきたという実感が土台になっている。
子育てより「ママ育て」に重心があるのが特徴だね。
橘ナナミ
ママ育て、という言い方に少しドキッとしました。自分を育てるってことですか。
佐藤メバル
そう受け取っていいと思う。人間関係のつながりの上で、自分自身と向き合い、自分の声にどれだけ素直になれるかで毎日は変わる。
書店で見ていても、この手の本は悩みが具体的というより、方向を変えたい人が手に取る。手順を求めるより、考え方を揺らしたいときに合う一冊だよ。

天才児は勝手に育つ: 頑張らない子育てで天才児は生み出せる! 天才児シリーズ (子育てブックス)
子育てアドバイザー夢咲育子 著
子育てに自信を失い、子どもの未来に不安を抱える親に向けて、頑張らない子育ての哲学を軸に、親子関係を深めながら才能や可能性を引き出す方法を提案する。尊重し、信頼し、可能性を伸ばす。あとは放置でOK、という言い切りが特徴で、クラシックを流す、右脳と左脳のバランス、スキンシップ、承認、海外文化に触れるなど、10の具体的な項目を並べる。
こんな人におすすめ
何をすればいいのかわからず不安な人。指示よりも承認を意識したい人。早期教育の情報に疲れた人。
良い点
- 項目が10個で明快
- 前向きな語り
- 具体例が複数
気になる点
- 根拠の説明は薄い
- 効果の断定が強い
- 独学色がある
出版社
詳細情報なし
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てアドバイザー」って、いろんな人が名乗っていますけど、この本はどういう立場なんですか?
佐藤メバル
著者自身が育児に不安を感じ、正しい方法を探して奔走した経験を持つ人で、そこから頑張らない子育てという考え方にたどり着いた。
尊重し、信頼し、可能性を伸ばす、あとは放置でOK、というのが基本の構えだね。指示よりも承認を、という項目は特に覚えやすい。
橘ナナミ
クラシックを流す、右脳と左脳、ポストイット学習法……ずいぶん具体的ですね。
佐藤メバル
そう、必要な10のこと、という形で並んでいるから、気になるものから試せる。ただ、根拠の説明は厚くないので、そこは他の本と組み合わせて読むといいと思う。
断定の強い言い方が気にならない人には、背中を押される読み心地だよ。

子どもにイライラする母親のみなさんへ 『自分を大切にする子どもとの日々』 ~頑張らない子育て~ 「怒らない」「焦らない」 母親 子ども 怒鳴る 育児 ストレス
Luca 著
「怒らない」「叱らない」「焦らない」を三つの軸に、自分を大切にしながら子どもと歩む方法を探る。自分を大切にすることは、子どもとの関係を深める鍵だという立場から、自己理解、心の余裕、感謝の習慣、自分のニーズを伝えるコミュニケーション、優先順位の見直し、感情への正直な対応、家族の時間の質までを章立てで扱う、日々の小さな瞬間に焦点を当てた構成。
こんな人におすすめ
イライラしてしまう自分に悩む人。自分を見失いがちな人。感情の扱い方を整理したい人。
良い点
- 章が細かく引きやすい
- 感情の扱いを扱う
- 実践項目が多い
気になる点
- やや抽象的
- 具体例は限られる
- 既視感のある内容も
出版社
詳細情報なし
発売日
2023年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「怒らない」「叱らない」「焦らない」って、並べられると、それ全部は無理では……と思ってしまいます。
佐藤メバル
そう感じるのが普通だと思う。この本の力点は、怒らないこと自体を目標にするより、自分を大切にすることは、子どもとの関係を深める鍵だという順番にある。
自分のニーズや感情に向き合う話が先にあって、そのうえで子どもとの関わりが整っていく。
橘ナナミ
感謝の習慣とか、感情に名前をつけるとか、子育て以外にも使えそうですね。
佐藤メバル
そう、そこが読みどころで、自己理解、心の余裕、感謝、コミュニケーション、優先順位、感情への対応、家族の時間と、章が細かく分かれているから必要なところから拾える。
育児の手順書ではないけれど、イライラした夜に開く本としては頼りになると思うよ。書店でも、こういう静かな本は長く売れていくんだ。
「頑張らない」と「放置・ネグレクト」の線引き
橘ナナミ
ここが一番気になっていました。「頑張らない」と「放置」って、どこで線が引かれるんですか。
佐藤メバル
いい質問だね。基準として分かりやすいのは、手放すのは「親がしなきゃと思い込んでいること」で、手を抜かないのは「子どものサインを受け取ること」。『5万組を子育て支援して見つけた しない育児』も、しなくていいことを並べたうえで、育児で本当に大切なことを手放さないでいられるよう身軽になるための提案だと書いている。放置は関心を手放すこと、頑張らないは余白をつくること。ここは本当に混ざりやすい。
橘ナナミ
野菜を食べさせるのに必死にならない、という例も、放置とは違いますもんね。
佐藤メバル
そう。『むりしない かかえこまない ありのままで楽しむ子育て』は「心配しすぎず、でも大切なサインは見逃さない」と明示している。マイケリーン・ドゥクレフさんの『「しない」が子どもの自力を伸ばす』は叱らない・ほめない・コントロールしないという狩猟採集民の子育てを400ページかけて描くけれど、根っこは信頼であって無関心ではないよ。
3流派の住み分けと、しんどさ別の逆引き
橘ナナミ
手放す系・仕組み化系・関係再構築系は、それぞれ誰に向くんですか。
佐藤メバル
手放す系は、やることが多すぎて息が詰まっている人。いこーよの『自立した子どもになるためのやらない子育て』は6万人の親子との関わりから、持ち物確認や宿題の手伝いを「やらなくていい」と切っていく。仕組み化系はワンオペや共働きの人で、金子龍太郎さんは23のお悩みを科学的根拠と先人の知恵で解説し、『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』は7000人の親の悩みから家庭環境のつくり方を示す。関係再構築系は、怒鳴ってしまう自分を変えたい人。岡崎大輔さんの『ゆるめる子育て』は52のコツで「〜しなければ」という縛りを解いていく。
橘ナナミ
夫にも読ませたいときは、どうすれば。
佐藤メバル
金子龍太郎さんの本には「それでも夫にイライラしてしまう」という項目があるから、会話のきっかけにしやすい。読ませるというより、目次を開いて「ここ読んで」と一点だけ共有するほうが現実的だよ。パパ・共働きの導線なら、あまみあいさんの『子供を『伸ばす』ママは、子育てを“がんばらない”』が人に助けてもらうほど、子供の才能は伸びると、外に頼る前提で書いている。夫婦で読むなら、科学的根拠つきの本が入り口になる。
実践できないときの処方箋と、買い方の実用情報
橘ナナミ
読んでも実践できず、かえって自己嫌悪になるんです。
佐藤メバル
それ、本当によくある。だから1冊に絞る。『【イヤイヤ期】ぶっちゃけ子育て術』の著者めえさんは、特別支援の教員でありながら育児書を50冊以上読み漁り、理想と現実のギャップに打ちのめされたと書いている。「正論だけでは救われない」という言葉は重い。読む目的を「実践」ではなく「自分のせいじゃないと確認する」に置き換えると、ぐっと楽になる。
橘ナナミ
「読まない勇気」も必要なんですね。
佐藤メバル
うん。読み物として救われる道もある。tomekkoさんの『神様、もう少しだけ子育て世代に時間をください!』は3人の男子と向き合うエッセイで、モヤモヤを代弁してくれる。WHTチャンネルの『アメリカ在住3児ママの気張らない子育て法』のように、遠い国の話として読むと力が抜ける本もあるし、『初夏うつママの心と子育てリセット習慣』は1日5分の習慣を軸にしていて、気力がない時期の入り口になる。買い方は、まず図書館、悩み別に引く実用書は電子、手元に残したいエッセイは紙。中古も含めて、25冊すべてを揃える必要はないよ。
よくある質問
頑張らない子育て本は何歳の子どもから読めばいいですか?
橘ナナミ
頑張らない子育て本は何歳の子どもから読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
年齢で読めない本はほとんどありませんが、目の前の困りごとに直結させたいなら、0〜3歳はトイレトレーニングや知育を扱う『5万組を子育て支援して見つけた しない育児』や『【イヤイヤ期】ぶっちゃけ子育て術』、3〜12歳は『「しない」子育て』、小学生以降は『自分から学べる子になる 戦略的ほったらかし教育』が近いところです。全年齢で読める思想の本としてはジョングレイさんの『がんばらない子育てのコツ』があります。
「頑張らない」と「放置・ネグレクト」の違いはどこにある?
橘ナナミ
「頑張らない」と「放置・ネグレクト」の違いはどこにあるについて教えてください。
佐藤メバル
手放すのは親が思い込んでいる「しなきゃ」で、手放さないのは子どものサインを受け取ることです。『むりしない かかえこまない ありのままで楽しむ子育て』は「心配しすぎず、でも大切なサインは見逃さない」という姿勢を示しており、放置が関心を失うことなのに対し、頑張らない子育ては余白をつくって関わり続けることだと言えます。
育児書を読んでも実践できないときはどうすればいい?
橘ナナミ
育児書を読んでも実践できないときはどうすればいいについて教えてください。
佐藤メバル
まず読む目的を「実践」ではなく「自分のせいではないと確認する」に置き換えてみてください。『【イヤイヤ期】ぶっちゃけ子育て術』の著者も、育児書を50冊以上読んで理想と現実のギャップに打ちのめされた経験を書いています。1冊に絞り、読めない日は目次だけ読む。それで十分です。
マンガ形式と活字の本、どちらが向いている?
橘ナナミ
マンガ形式と活字の本、どちらが向いているについて教えてください。
佐藤メバル
まとまった時間が取れない人は、マンガを交えた『子どもが伸びるがんばらない子育て』のような本から入るのがおすすめです。逆に、悩みが出たときに辞書的に引きたい人は、147ページで23のお悩みを扱う『がんばりすぎない子育て: ワンオペの悩みが消える!』のように項目立てされた実用書が向いています。
共働き・ワンオペでもラクになる本はある?
橘ナナミ
共働き・ワンオペでもラクになる本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
『がんばりすぎない子育て: ワンオペの悩みが消える!』は、ワンオペのつらさや睡眠不足、育児書を読んでもうまくいかない悩みまで23項目に分けて解説しています。加えて、『子供を『伸ばす』ママは、子育てを“がんばらない”』のように、周りに助けてもらうことを前提にした本を組み合わせると、分担の作り方まで考えやすくなります。
夫にも読ませたいとき、おすすめの本と渡し方は?
橘ナナミ
夫にも読ませたいとき、おすすめの本と渡し方はについて教えてください。
佐藤メバル
『がんばりすぎない子育て: ワンオペの悩みが消える!』には「それでも夫にイライラしてしまう」という項目があるので、会話の入り口にしやすいです。全部読ませようとせず、目次を開いて該当箇所を指すだけにする。科学的根拠をもとに書かれた本のほうが、押しつけ感が出にくいです。
電子書籍・図書館・中古、買うならどれがお得?
橘ナナミ
電子書籍・図書館・中古、買うならどれがお得について教えてください。
佐藤メバル
最初は図書館で借りて相性を確かめるのが最もコスパよく、繰り返し引く実用書は検索しやすい電子、通して味わうエッセイは紙が向いています。価格は本によって幅があるため、いきなり何冊も揃えず、手元に残したいと感じた1冊だけを買うのがおすすめです。
アドラーやモンテッソーリは「頑張らない子育て」に近いの?
橘ナナミ
アドラーやモンテッソーリは「頑張らない子育て」に近いのについて教えてください。
佐藤メバル
今回紹介した25冊には、アドラー心理学やモンテッソーリ教育そのものを主題にした本は含まれていないため、この記事では同じものとして扱いません。子どもを尊重して見守るという方向性には重なる部分がありますが、思想や用語の成り立ちは別のものです。気になる場合は、その専門の入門書を1冊足して読み比べてみてください。
まとめ
橘ナナミ
今日の話で一番刺さったのは、「育児書を読むこと自体が新たな頑張りになる」というところでした。
佐藤メバル
そう。だからこの25冊は、読んで全部やるためのリストじゃない。しんどさの種類ごとに、そっと手を離す道具が置いてある棚だと思ってほしい。HISAKOさんの「しなくていいこと」、金子龍太郎さんの23のお悩み、岡崎大輔さんの52のコツ。どれも足すより引くための本だよ。
橘ナナミ
引くための本。棚から1冊抜く感じですね。
佐藤メバル
うん。僕は書店員だったころ、育児書の棚の前で泣いているお客さんを何度も見た。そのたびに思っていたのは、この棚は「まだ足りない」を突きつける場所じゃない、ということ。1冊だけ選んで、家の見えるところに置いて、たまに開く。それでいい。
橘ナナミ
1冊だけでいい、と言ってもらえると、すごく助かります。
佐藤メバル
子育ては、走りながら呼吸を整えるランナーみたいなものなんだ。止まるためじゃなく、歩くペースを取り戻すために、この25冊の棚を使ってほしい。今日は棚の前で立ち止まって、1冊だけ持って帰ってね。







