サッカー選手メンタル本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
サッカーのメンタル本って、長谷部選手の『心を整える。』みたいな有名な本以外は、どれを選べばいいのか分からなくなります。書店の棚の前で固まっちゃいそうです。
佐藤メバル
いい質問だね。まず前提を置きたいんだけど、メンタルは「強い・弱い」で測るものじゃないんだ。調子の上下、つまり振れ幅をどう扱うかが本質で、本も「誰の、どんな場面に効くか」で選ぶとうまくいく。
橘ナナミ
なるほど……じゃあ、最初に何を決めればいいんですか?
佐藤メバル
目的と、読む人の年代。この二つが決まれば候補は一気に絞れる。順番に見ていこう。
サッカー選手メンタル本の選び方
目的別
橘ナナミ
試合前の緊張がどうにも苦手なタイプなら、どの本から入ればいいですか?
佐藤メバル
菅原将人さんの『試合で緊張しなくなる!サッカーメンタル強化の教科書』が分かりやすい。緊張は敵ではなく「体が本気で戦う準備をしているサイン」だと捉え直すところから始まって、体が固まるタイプ・頭が真っ白になるタイプ・気持ちが沈むタイプの3タイプ別に対処が書かれている。自分の症状の名前で引けるのが強みだね。スランプから抜けたいなら、セルフトークとレジリエンスを軸にした堤野茂さんの『サッカーメンタルの強化書』が近い。
年代・レベル別
橘ナナミ
小学生の子に渡すなら?
佐藤メバル
中村憲剛さんら元日本代表3人の『こころのパス サッカーで折れないメンタルをつくる21のヒント』だね。イラスト入りの児童書で、「うまくならない」「試合で緊張する」「チームメートとうまくいかない」といった子の悩みに応えている。保護者や育成年代のコーチが一緒に読む前提で作られているのもいい。逆に大人のプレーヤーや指導者なら、松山博明さんの『サッカー選手・指導者のためのメンタルガイド』。モチベーション、意思決定、怪我やバーンアウトへの対処、チームビルディングまで、スポーツ科学の知見で整理されている。
著者タイプ別
橘ナナミ
現役選手が書いた本と、コーチや研究者の本でも雰囲気が違いますよね。
佐藤メバル
そう。遠藤保仁さんが漫画『GIANT KILLING』の名シーンと自分の選手人生を重ねた『GIANT KILLING 名シーンで振り返る 戦い抜くメンタル』のような自伝型は、読みながら背中を押される。大儀見浩介さんの『サッカー メンタル強化メソッド』や豊田一成さんの『サッカーのメンタル 実践編』はコーチ型で手順が具体的。中山雅雄さんの『サッカーで、子どもの「考える力」と「たくましい心」を育てる方法』は、筑波大学准教授で日本サッカー協会の指導者養成にも関わる方の研究者型だね。
形式別
橘ナナミ
図解やマンガのほうが読みやすい気もします。
佐藤メバル
石川直宏さんの『5つのチカラで強くなる サッカーのメザトレ!』は、テクニックやフィジカルと並べて「メントレ」を扱っていて、目標の立て方まで載っている。ワーク付きならヘルムートスヴォボーダさんの『ワークとドリルで学ぶサッカー実戦メンタル強化法』、腰を据えて読むなら松山さんの専門書。読む体力に合わせて選ぶといい。
根拠タイプ別
橘ナナミ
「気持ちの問題」で終わらせたくないんですけど。
佐藤メバル
それなら層で考える。体験と名言が中心なのが長谷部誠『心を整える。』や『こころのパス』、再現できるメソッドが大儀見さんや豊田さんの本、データと心理学の学術書が松山さん、中山さん、そしてビルベスウィック『サッカーのメンタルトレーニング』。まず心を動かす層、次に手順の層、最後に学術の層へ進むと無理がない。
コスパ・入手性別
橘ナナミ
予算や読むデバイスも気になります。
佐藤メバル
長谷部誠『心を整える。』は文庫で1,000円台、専門書は数千円と価格帯に幅がある。まず文庫で入口を作って、必要なら専門書へ。電子なら、遠藤保仁さんの『GIANT KILLING』の本は紙面を画像にした電子書籍で、タブレットでの閲覧が推奨されている。オーディオブック対応の有無は購入前に各ストアで確認するといい。
サッカー選手メンタル本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
サッカー選手メンタル本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

サッカー選手・指導者のためのメンタルガイド
松山博明 著|北大路書房
¥2,860(税込)
「選手の心理面が結果を左右する」という前提から、モチベーションとピークパフォーマンス、意思決定を養うトレーニング、怪我やバーンアウトへの心理的対処、チームビルディングまでを、スポーツ科学の知見で一冊に整理しています。選手と指導者の両方を読者に想定しているのが特徴で、試合前の緊張だけを扱う本と違い、シーズンを通して心を設計する視点で使えるのが持ち味です。
こんな人におすすめ
自分で練習を組む中高生・大学生アスリート、選手の心の扱いに迷う指導者、帯同する保護者。怪我やスランプ、チームの空気が重いと感じたときに、どこから手を付けるかを整理したい場面に向きます。
良い点
- 選手と指導者の両方を想定した構成
- スポーツ科学ベースで根性論に寄らない
- 怪我・バーンアウトの対処まで収録
気になる点
- 288ページで通読には体力がいる
- 試合前の即効ワザは少なめ
- 指導者向けの記述はやや硬め
出版社
北大路書房
発売日
2024年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「サッカー 選手 メンタル 本」で検索すると、似たタイトルが並んで私には見分けがつかなくて。最初の一冊はどう選べばいいんでしょう?
佐藤メバル
だったら最初に置くならこれ、という選び方があります。松山博明さんの『サッカー選手・指導者のためのメンタルガイド』は、モチベーション、ピークパフォーマンス、意思決定を養うトレーニング、怪我やバーンアウトへの心理的対処、チームビルディングまでをスポーツ科学の知見でまとめた一冊です。
辞書のように手元に置くタイプですね。
橘ナナミ
辞書的に、というのは、最初から最後まで読む本ではないんですか?
佐藤メバル
通読しても面白いですが、「最近モチベーションが上がらない」と思ったらその章を開く、という使い方が向いています。
選手と指導者の両方を読者に想定しているので、同じ現象を両側から見られる。試合前の緊張だけを扱う本とは役割が違って、シーズン全体の設計に効いてきます。

サッカーのメンタルトレーニング
ビルベスウィック 著|大修館書店
¥1,760(税込)
タイトルに「サッカー」を掲げ、メンタルトレーニングに絞り込んだ一冊。301ページという分量で、複数種目を横断する総合書ではなく、サッカーという種目に寄せてまとめられているのが特徴です。著者はビルベスウィック。入門書で全体像をつかんだ次の一冊として、厚みのある解説を求める人に向き、単発のテクニック集ではなく、トレーニングを積み上げる前提で読む本です。
こんな人におすすめ
部活動やクラブで指導するコーチ、メンタル指導の引き出しを増やしたい選手。入門書を一冊読み終えて次の段階に進みたい人、種目に即した内容を探している人に向きます。
良い点
- サッカーに絞ったタイトルと構成
- 301ページの読み応え
- 書名どおり種目特化が明確
気になる点
- 体系的で即効性は薄い
- 図版頼みの入門書ではない
- 読了に時間がかかる
出版社
大修館書店
発売日
2004年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ「メンタルトレーニング」でも、種目を絞った本とスポーツ全般の本って、どっちを選べばいいんでしょう。
佐藤メバル
迷ったら種目を絞ったほうが具体的です。この本はタイトルにサッカーを掲げ、301ページを使ってメンタルトレーニングをサッカーの現場に寄せてまとめています。
種目を横断する総合書ではないぶん、ピッチの状況に置き換えやすい。入門書を一冊読んだあとに、もう一段深く行きたい人の位置づけです。
橘ナナミ
301ページって、けっこうな厚さですよね。読み切れるか心配です。
佐藤メバル
全部を一度に読む必要はありません。まず目次を見て、いま自分が引っかかっているテーマの章から入る。そういう使い方なら厚さはむしろ味方になります。
薄い入門書では物足りなくなったときが、この本の出番ですよ。

クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか〜サッカー 世界一わかりやすいメンタルトレーニング
大儀見浩介 著|フロムワン
『クリスチアーノ・ロナウドはなぜ5歩下がるのか』という問いをタイトルに掲げ、副題に「世界一わかりやすいメンタルトレーニング」を添えた一冊。著者は大儀見浩介さんで、具体的なプレーの一場面を入口にメンタルの話へ入っていく構成です。207ページと短めで、理屈より先に「なぜそう動くのか」を知りたい読者に向き、同じ著者の実践メソッド本とは役割が分かれます。
こんな人におすすめ
有名選手のプレーを見て「なぜ?」と思ったことのある中高生、選手に具体例で伝えたい指導者。理屈の前に場面から入りたいときに向きます。
良い点
- タイトルの問いが強い
- 207ページで読み切りやすい
- 具体的なプレー場面から入る
気になる点
- 選手名の話題が中心になる
- 網羅的な教科書ではない
- 同じ著者の手順書と重なる部分
出版社
フロムワン
発売日
2010年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「なぜ5歩下がるのか」って、タイトルだけで読みたくなります。でもこれ、有名選手の分析本なんですか?
佐藤メバル
分析というより、プレーの一場面を入口にしてメンタルを説明する本です。著者の大儀見浩介さんはサッカーの現場でメンタルを扱ってきた人で、難しい言い換えのかわりに、誰もが見たことのある情景から話を始める。
だから読みやすい。207ページですから、入門の一冊目にも向きます。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、同じ著者の別のメンタル本と何が違うんでしょう?
佐藤メバル
こちらは問いと具体例が主役で、メソッドを網羅する構成ではありません。目標設定やイメージトレーニングの手順をがっちり知りたいなら別の本、まず「なぜ」を腹に落としたいならこちら。
この本で納得してから手順書に進む流れが自然です。

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣 (幻冬舎文庫)
長谷部誠 著|幻冬舎
¥825(税込)
長谷部誠さんが、生活のリズム、睡眠、食事、練習といった日々の中から心に有害なことをしない、という考え方を56の習慣として示した一冊。所属チームで干されても腐らずレギュラーを奪い返し、主将としてチームを束ねた人の言葉だけに、心は「鍛える」より「整える」という視点が具体的です。文庫化で手に取りやすくなり、サッカーを超えて読めます。
こんな人におすすめ
競争の激しい環境で結果を出し続けたい選手、生活の乱れを心の乱れと感じている人、指示待ちになりがちな社会人。試合前に気合を入れるより、日常を整えたいときに。
良い点
- 56の習慣という具体的な形
- 生活習慣から心を扱う独自性
- サッカー以外にも応用できる
気になる点
- 劇的な即効テクニックはない
- 選手以外にはやや遠い記述も
- 文庫でも内容は濃い
出版社
幻冬舎
発売日
2014年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
文庫で出ている有名な本ですよね。しかも日本代表のキャプテンだった人の本なのに、ビジネス書みたいに読まれている気がします。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さです。紹介文にも、サッカー選手として特に特徴がある選手ではない、と書かれている。
干されても腐らずポジションを奪い返し、移籍したドイツではクラブを初優勝に導いた。その支えになっていたのが、心を「整える」という考え方です。
橘ナナミ
「鍛える」じゃなく「整える」なんですね。なんか逆に難しそうですが。
佐藤メバル
やることは地味です。睡眠、食事、生活のリズム、練習。乱れたら自分で戻す。それを56の習慣として並べているので、真似できる粒度になっています。
ピッチで勝つ前に、自分の生活に勝つ。順番がはっきりしている本ですよ。

決定力を上げる プレッシャーに克つ サッカー・メンタル強化書 (LEVEL UP BOOK)
マルセロ・ロフェ 著|実業之日本社
¥1,430(税込)
フィジカルやテクニックには多くの時間を割くのに、メンタルに費やされる時間はほんのわずか——という問題意識から書かれた一冊。サッカーでは想像以上のプレッシャーや不安が降り注ぐとして、さまざまな場面を想定しながらメンタルの強さを鍛える方法を解説しています。著者はマルセロ・ロフェ。224ページで、選手本人より監督・コーチ、そしてサッカーをする子どもを持つ親に向いています。
こんな人におすすめ
ジュニア・育成年代を預かるコーチ、試合前の子どもの様子に戸惑う親。声のかけ方を場面ごとに知りたいときに。技術指導の前に心の土台を整えたいチームにも向きます。
良い点
- 場面を想定した実践的な構成
- 指導者・親という視点が明確
- フィジカル偏重への問題提起
気になる点
- 選手本人が読むにはやや硬い
- 高度な心理学の解説は少ない
- 即席の必勝法ではない
出版社
実業之日本社
発売日
2008年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「決定力を上げる」っていうのが気になります。決定力って、技術じゃなくメンタルで変わるものなんですか?
佐藤メバル
この本の出発点はそこです。フィジカルを鍛え、テクニックを磨く時間は確保されているのに、メンタルに割かれる時間はほんのわずか。
それでいて試合では想像以上のプレッシャーがかかる。だから場面を細かく想定して、心の準備を訓練として組み込もう、という立場の本です。
橘ナナミ
選手本人というより、周りの大人向けなんですね。
佐藤メバル
紹介文にも、監督やコーチ、サッカーをする子どもを持つ親御さんにお勧めとあります。子どもが緊張で固まっているとき、決定機で足が止まったとき、大人が何を言うかで次のプレーが変わりますからね。技術練習の前に読む価値のある一冊です。

「試合で緊張しなくなる!サッカーメンタル強化の教科書」
菅原将人 著
試合前の緊張を「なくす」のではなく理解するところから始める一冊。緊張は脳が重要な場面だと判断したときの反応で、体が本気で戦う準備をしているサインだと説明し、リフレーミングで捉え直す方法を紹介します。さらに緊張を「体が固まる」「頭が真っ白になる」「気持ちが沈む」の3タイプに分け、呼吸法やセルフトークなど対応する章へ導く構成です。
こんな人におすすめ
試合になると力が出ないと悩む小中高生、緊張で頭が回らなくなる選手。自分はどのタイプかを知って対策を選びたいときに。アップの段階から変えたい人にも向きます。
良い点
- 緊張の仕組みから説明してくれる
- タイプ診断で対策が選べる
- 子どもでも読めるやさしい語り口
気になる点
- 上級者には基礎的すぎる
- 指導者向けの内容は少ない
- 記録欄は自分で用意が必要
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
試合の朝から胸がドキドキする、ってところから始まるんですよね。私も発表前にまったく同じで、他人事に思えませんでした。
佐藤メバル
そこがこの本の入口です。緊張は脳が「重要だ」と判断したときの反応で、体が本気の準備をしているサイン。
だから「緊張するな」と言い聞かせるほど逆効果になる、とリフレーミングという考え方で説明しています。
ピンクの象を想像しないでください、と言われてつい浮かぶのと同じ理屈ですね。
橘ナナミ
で、緊張のタイプが3つに分かれるんでしたっけ。体が固まる、頭が真っ白、気持ちが沈む。
佐藤メバル
そう、タイプ別に対策が振り分けられています。体が固まるなら呼吸法と体を動かすウォームアップ、頭が真っ白ならセルフトークと戦術の反復確認、気持ちが沈むなら成功体験の積み重ねとルーティン。
複数当てはまっても大丈夫と書いてあるのも親切です。まず自分のタイプを決めて、その章をひとつだけ試すところから始めるのが続けやすいですよ。

サッカー メンタル強化メソッド (PERFECT LESSON BOOK)
大儀見浩介 著|実業之日本社
¥1,540(税込)
サッカー好きならすぐイメージできるシーンを例に、心のトレーニング方法をわかりやすく解説した一冊。目標設定の書き方の8つのルール、指導者や親が気をつけたい外発的動機付けの報酬、イメージトレーニング、対応策を蓄えておくソリューションバンク、そして「2点リードは危険なスコア」と言われる理由まで。専門書の難しい言葉を避けた160ページです。
こんな人におすすめ
育成年代の選手、日々の練習と試合の間に目標設定を取り入れたい人。指導者や親が動機付けで失敗しない方法を知りたいときにも向く一冊です。
良い点
- 目標設定が8つのルールで書ける
- 2点リード論など具体テーマが豊富
- 160ページで読み切りやすい
気になる点
- 高度な理論の網羅はしない
- 構成が読み物寄り
- 上級者には物足りない
出版社
実業之日本社
発売日
2016年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、目次に「サッカーで2点リードは危険なスコアと言われる理由」ってあるのが気になります。サッカーの本でそんな話、初めて見ました。
佐藤メバル
そこが面白いところで、単なる精神論ではないんです。目標設定の書き方には8つのルールがあって、日常で活かす方法まで踏み込む。
指導者、親が気をつけたい外発的動機付けの報酬の話もあって、やる気を奪ってしまう褒め方があることを教えてくれます。
橘ナナミ
褒め方が逆効果になること、あるんですね。
佐藤メバル
あります。だからこの本は選手だけでなく指導者の側にも効きます。イメージトレーニングや、対応策をあらかじめ蓄えておくソリューションバンクも、試合中の判断に直結する話です。
160ページで、サッカーの情景が浮かぶ例が多いので、若い選手でも読み進めやすいですよ。

サッカーのためのメンタルトレーニングスキルアップブック: 「心」が強くなるとサッカーも強くなる! (B・B MOOK 660 スポーツシリーズ NO. 532 Socce)
ベースボール・マガジン社
「心が強くなるとサッカーも強くなる!」という副題どおり、メンタルの土台を短時間でつかむための一冊。ムック判で97ページというコンパクトなつくりなので、長い専門書に入る前の入口として使いやすい。ページ数を絞ったぶん、要点を拾って全体を見渡すタイプの本で、読む順番としては最初の一冊に向きます。
こんな人におすすめ
まず何を読めばいいか迷っている選手、短時間で概要をつかみたい指導者。部活の合間に一冊読んでおきたい中高生や、厚い本で挫折した経験のある人にも。
良い点
- 97ページで負担が少ない
- 副題どおり目的が明確
- 入門の一冊目に向く
気になる点
- 掘り下げた解説は期待できない
- 読み応えは軽め
- 目次だけでは判断しにくい
出版社
ベースボール・マガジン社
発売日
2010年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
97ページって、メンタルの本にしてはすごく短いですね。薄い本って、内容も薄いんでしょうか。
佐藤メバル
そこは目的次第です。この本は「心が強くなるとサッカーも強くなる!」という副題を掲げた入門の位置づけで、97ページに要点をまとめる形。
長い専門書に入る前の全体像づくりに向いています。厚い本を買ったけど読めなかった、という経験がある人ほど、最初の一冊として向くかもしれません。
橘ナナミ
逆に、これだけだと足りない部分もありそうです。
佐藤メバル
それはあります。掘り下げた理論や書き込み式のワークを期待すると物足りません。ここで地図を手に入れてから、種目に特化した厚い一冊へ進む。
順番を間違えなければ、薄さは弱点になりませんよ。

サッカ-選手のためのメンタルトレ-ニング
高妻容一 著|阪急コミュニケーションズ
¥1,760(税込)
タイトルに「サッカー選手のための」とあるとおり、指導者や親ではなく選手本人を読者に据えたメンタルトレーニングの本。著者は高妻容一さんで、189ページという中量サイズの一冊です。自分で自分の心を扱うための内容をまとめる位置づけで、チームでまとめて配るより、選手が一人で読み込むのに向くタイプです。
こんな人におすすめ
自分でメンタルを整えたい中高生・大学生選手、進路やレギュラー争いで気持ちが揺れている人。与えられる前に自分で学びたいときに手に取りやすい一冊です。
良い点
- 選手本人が読者と明示されている
- 189ページで完読しやすい
- 実践の入口として使いやすい
気になる点
- 指導者向けの記述は少ない
- 図解中心の本ではない
- 理論の深掘りは控えめ
出版社
阪急コミュニケーションズ
発売日
2002年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「選手のための」って書いてあると、読者を絞っている感じがします。指導者が読んでもいいんでしょうか。
佐藤メバル
読んでも損はしませんが、主語が選手なんです。自分の心は自分で扱うという前提で書かれている。だからコーチが読んで伝えるより、選手が直接読んだほうが届きやすい内容になっています。
189ページなので、無理なく読み切れる長さですよ。
橘ナナミ
チームでまとめて配るより、一人に渡す感じですね。
佐藤メバル
そうですね。同じ本でも、誰に向けて書かれたかで効き方が変わります。レギュラー争いで気持ちが揺れている選手に一冊渡す、ベンチの時間が長い選手が読み込む。
そういう使い方がいちばん自然だと思います。

こころのパス サッカーで折れないメンタルをつくる21のヒント (一生役立つこどもメンタル本)
中村憲剛 著|小学館クリエイティブ(小学館)
¥1,540(税込)
元日本代表の中村憲剛さん、Jリーグ通算220ゴールの佐藤寿人さん、ボール奪取で信頼された今野泰幸さん。歩んできたキャリアもポジションも違う3人が、サッカーをやっている子どもたちに向けて「体が小さい」「自信が持てない」「チームメートとうまくいかない」といった壁への向き合い方を語るスポーツ児童書です。内巻敦子さんのイラストと一緒に読める128ページ。
こんな人におすすめ
サッカーを楽しめず続けようか迷っている小学生、ミスのあとのプレーが怖い子。子どもと一緒に読むパパ・ママ、育成年代の監督やコーチにも向く一冊です。
良い点
- 3人それぞれの視点がある
- イラスト入りで子どもが読める
- 悩み別にメッセージが届く
気になる点
- 大人向けの理論書ではない
- 128ページで大人は物足りないかも
- 上級者の技術論は扱わない
出版社
小学館クリエイティブ(小学館)
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、児童書なんですよね。子ども向けの本を大人の私が紹介していいのか、少し迷うんですけど。
佐藤メバル
むしろ大人に読んでほしい一冊です。中村憲剛さんだけでなく、佐藤寿人さん、今野泰幸さんと、キャリアもキャラクターもポジションも違う3人が語っているのがポイントで、性格やレベルが違ってもどこかに刺さるメッセージが見つかる作りになっています。
橘ナナミ
「体が小さい」「自信が持てない」みたいな悩みが並んでいるのも、子ども目線ですね。
佐藤メバル
そう、悩みから入れるようになっています。編集部の推薦情報にも、ミスをした後にプレーするのが怖い、チームメートといい関係がつくれない、といった子どもの思いが並んでいますね。
イラストは内巻敦子さんで、128ページですから親子で一晩で読めますよ。

サッカーのメンタル 実践編: QRコードから ケータイでできるメンタルトレーニング (メンタルシリーズ 2)
豊田一成 著|アイオーエム
指導音声を聴きながらトレーニングできるQRコード付きの実践編。少年選抜チームを国体ベスト8に、U-16日本代表をアジア大会優勝と世界大会出場に導いたメンタルトレーニングの全貌を、実際に行ったトレーニングの詳細なデータとともに公開しています。スマートフォンで音声を流しながら取り組めるのが、紙のワーク本との大きな違いです。
こんな人におすすめ
チーム単位でメンタルトレーニングを導入したい監督・コーチ、選手に配って実践させたい指導者。一人でも音声ガイドが欲しい選手にも向きます。
良い点
- QRコードで音声トレーニング
- 実践データが公開されている
- チーム導入を想定した構成
気になる点
- スマホがないと使えない
- データ編は読み物として硬い
- 理論の網羅本ではない
出版社
アイオーエム
発売日
2007年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
QRコード付きって、メンタルの本では珍しくないですか? 紙の本なのに音声でトレーニングするって。
佐藤メバル
そこがこの本の核です。メンタルトレーニングは本当に役に立つのか、実際にどうやるのか——その問いに、指導音声を聴きながら取り組める形で答えようとしている。
プロ野球やJリーグのトップアスリートを指導してきた著者が、少年選抜を国体ベスト8、U-16日本代表をアジア大会優勝に導いたトレーニングの詳細なデータも公開しています。
橘ナナミ
データも載っているんですね。理論書とはだいぶ違う感じがします。
佐藤メバル
現場の手引書です。サッカーチームの監督やコーチ、選手の立場に立った「すぐに使える」内容で、サッカー以外の種目やメンタルケアに関心のある社会人にも参考になると紹介されています。
スマートフォンが前提になる点だけ、環境を確認しておいてください。

サッカーメンタルの強化書 心こそが最強のエンジン、育成年代に最も必要なトレーニング この年代のうちに心を鍛え整えるスキルを身につけること、技術を活かす心の作り方。選手がどんどん育つ脅威のメンタルトレーニング: 〜脳の使い方をマスターする〜 変わるための2つのステップ完全解説
堤野茂 著|Independently published
小学生から高校生までの選手を舞台にしたストーリーと、実践的なノウハウを融合させた一冊。セルフトークとレジリエンスを軸に、失敗からの立ち直り方、モチベーション維持、自己効力感の高め方を解説します。物語形式でありながら、実際のワークショップの内容をそのまま学べるのが特徴で、根性論や技術偏重が根強い育成年代にスポーツ心理学の視点を持ち込む構成です。
こんな人におすすめ
小中高の育成年代を指導するコーチ、選手の心を支える具体策がほしい人。「プレッシャーに弱い」を伸びしろに変えたいチームの指導者に向きます。
良い点
- 物語形式で読み進めやすい
- セルフトークを軸に据えている
- ワークショップ内容がそのまま
気になる点
- 専門書ほどの理論網羅はない
- 流通が限られる
- 大人には説明が丁寧すぎる
出版社
Independently published
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「大津FCの根深い課題」って章から始まるんですね。なんだか小説みたいです。
佐藤メバル
そこがこの本の狙いで、ストーリーと実践ノウハウの両方を一冊に入れています。揺れる心、噴き出すネガティブな言葉、そこにメンタルトレーニングを導入して、セルフトークで変化を生み出す。
実際のワークショップの流れをそのまま追える構成なんです。
橘ナナミ
セルフトークって、さっきの緊張タイプの本にも出てきました。同じものですか?
佐藤メバル
考え方は近いですね。こちらは指導者の立場から、セルフトークとレジリエンスを軸に、失敗からの立ち直り方や自己効力感の高め方まで踏み込んでいます。
欧州の強豪クラブではスポーツ心理学の専門家を置く動きがある一方、日本の裾野ではまだ普及していない、という問題意識が土台にある本です。

ワークとドリルで学ぶサッカー実戦メンタル強化法: 思考・判断・行動力養成プログラム
ヘルムートスヴォボーダ 著|大修館書店
タイトルどおり、ワークとドリルという手を動かす形式でサッカーの実戦メンタルを学ぶ一冊。副題に「思考・判断・行動力養成プログラム」とあり、読み物として通読するより、設問に書き込みながら進めるタイプです。127ページと短く、思考・判断・行動という3つの力を順に鍛える構成で、講義形式の本とは使い方がはっきり分かれます。
こんな人におすすめ
練習の前後に短いワークを挟みたい指導者、選手自身に考えさせたいチーム。座学の時間を組み立てたいときに、ミーティングの教材としても向きます。
良い点
- 書き込み式で手を動かせる
- 思考・判断・行動の3軸
- 127ページで導入しやすい
気になる点
- 読むだけでは効果が薄い
- 解説の分量は多くない
- 一人よりチーム向き
出版社
大修館書店
発売日
2007年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ワークとドリルで学ぶ」って、問題集みたいなイメージなんですか?
佐藤メバル
近いです。そのまま読む本ではなく、設問に書き込みながら進める形式です。副題に思考・判断・行動力養成プログラムとあるとおり、頭で理解するだけでなく、判断して動くところまで持っていく設計になっています。
橘ナナミ
ということは、寝る前にベッドで読む本ではないですね。
佐藤メバル
そう、座学の時間をつくる本です。127ページと短いので、ミーティングの最初にひとつワークを挟む、遠征の移動中に書かせる、といった使い方が現実的ですよ。
チームに一冊あると、話し合いの材料になります。

5つのチカラで強くなる サッカーのメザトレ!
石川直宏 著|高橋書店
¥1,650(税込)
元サッカー日本代表の石川直宏さんが、テクトレ、コディトレ、ジャジトレ、フィジトレ、メントレという5つのチカラに分けて、弱小校でも勝てる考え方を示した一冊。メンタルは5つのうちのひとつとして位置づけられ、技術・運動能力・判断力・身体能力と並べて論じられるのが特徴です。スポーツ選手なら知っておきたい「目標」の立て方も収録しています。
こんな人におすすめ
中高の部活で総合的に力をつけたい選手、練習メニューを組み立てるキャプテン。メンタルだけを切り出さず全体で伸ばしたい人に向きます。
良い点
- 5つの力で全体を整理
- 目標の立て方まで扱う
- 実践の練習法が中心
気になる点
- メンタル専門書ではない
- 192ページに5分野を詰めている
- 上級者向けの深さはない
出版社
高橋書店
発売日
2019年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
5つのチカラのうち、メントレは1つだけなんですね。メンタル目的で読むと物足りないんでしょうか。
佐藤メバル
そこは読み方次第です。テクニック、コーディネーション、判断、フィジカル、そしてメンタル。心だけを切り出さず、5つを並べて強くなる構成なので、メンタルは他の4つとつながって初めて効く、というメッセージとして受け取れます。
橘ナナミ
なるほど。ひとつの能力だけ上げてもダメ、ということですか。
佐藤メバル
そういうことです。元日本代表の石川直宏さんが、弱小校でも勝てるという言い方で全体をまとめている。縦横無尽に動ける技術、全身全霊で戦う運動能力、冷静沈着な判断力、一騎当千の身体能力、不撓不屈の精神力。
目標の立て方のパートも含めて、部活のキャプテンが夏前に読むと練習の組み立てが変わると思います。

サッカーがもっと楽しくなる!ジュニアアスリートのメンタル強化術: 自信と成長を引き出す目標設定と習慣づくり
AYA 著
「練習では上手くできるのに試合になると実力が出ない」「失敗すると立ち直るまで時間がかかる」。そんな子どもの姿に悩む保護者に向けて書かれた一冊です。二人の息子のサッカー人生に寄り添ってきた著者が、目標設定と習慣づくりを軸に、やる気スイッチの入れ方、試合でワクワクしながら実力を発揮する方法を紹介。読み手を保護者に定めた構成が特徴です。
こんな人におすすめ
仕事と子育てを両立しながら子どものスポーツを応援したい親、声かけの言葉を変えたい人。モチベーションの波や、周りと比べて自信を持てない子どもに悩む家庭にも。
良い点
- 保護者の悩みに直結した内容
- 目標設定と声かけの具体策
- 子ども用ワークの特典付き
気になる点
- 選手本人向けの本ではない
- 指導者向けの戦術論はない
- 理論より実体験が中心
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、保護者向けですよね。私まだ子どもいないんですけど、読んで紹介していいのかなって少し迷ってます。
佐藤メバル
無理に当事者にならなくていいんですよ。ただ、この本が向き合っているのは「練習ではできるのに試合で出せない」「失敗のあと切り替えられない」といった、多くの家庭がぶつかる壁です。
著者は二人の息子のサッカー人生に寄り添い、日本サッカー協会公認キッズリーダーとしても活動してきた人で、ITエンジニアとしての論理的な組み立てが土台にあります。
橘ナナミ
論理的、というのは意外です。子育て本だと体験談が中心のイメージでした。
佐藤メバル
そこが違いですね。限られた時間で最大の効果を引き出す目標設定術、やる気スイッチの入れ方、試合でワクワクしながら実力を発揮する方法という3つの鍵に整理している。
巻末には夢を叶えるサッカーノートのテンプレートや目標設定ワークシートといった特典も用意されています。
読者である親が、すぐ使える形になっています。

選手が自ら考えやる気に満ちる サッカー指導者のためのメンタルコーチング: 心が整えば未来が変わる
西田明 著
「なぜ選手は自分から動かないのか」という指導者の悩みから始まる一冊。著者自身が部下に声を荒げて状況を悪くした経験から心理学やコーチングを学び、「指示」から「信頼」へと関わり方を変えた過程が軸になります。Kコーチの事例も重ねられ、自律とやり抜く力がどう育つのかが語られる構成です。
こんな人におすすめ
選手の主体性に悩む育成年代の指導者、チームの空気が重いと感じているコーチ。自分の関わり方を見直したい管理職やリーダー、後輩指導に悩む社会人にも向きます。
良い点
- 著者自身の失敗談から入る
- Kコーチの事例が具体的
- サッカー以外にも応用できる
気になる点
- 戦術や技術の話はない
- 理論書としての網羅性は低い
- 選手本人向けではない
出版社
詳細情報なし
発売日
2025年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、サッカーの本なのに「文化は戦略を朝食に食べる」ってドラッカーの言葉が出てくるんですよ。どういう構成なんですか?
佐藤メバル
そこが面白いところで、著者の西田明さんは筑波大学蹴球部のOBで、野村證券に10年勤め、その後は音楽関連の事業で約20年にわたり経営者をやってきた人です。
部下に声を荒げて状況を悪くした経験から心理学やコーチングを学び直し、人が主体的に動くかどうかは関わる側の「あり方」で決まると確信するに至った。その話が土台にあります。
橘ナナミ
サッカーの指導者の本なのに、会社の話から入るんですね。
佐藤メバル
同じ壁なんですよ。あるクラブチームのKコーチは、細かい指示をやめられない自分に気づき、声かけが「○○しろ!」から「今、何を考えていた?」へ変わる。
矢印が自分から選手に変わったとき、選手たちは自ら考え、動き出した。今は企業のメンタル顧問や筑波大学蹴球部のメンタルコーチも務めている人です。

サッカーで、子どもの「考える力」と「たくましい心」を育てる方法 -最新の心理学で分かる! -
中山雅雄(筑波大学准教授・蹴球部総監督JFA指導者養成サブダイレクター) 著|マイナビ出版
¥1,531(税込)
筑波大学准教授で蹴球部総監督、日本サッカー協会で指導者養成にあたる中山雅雄さんが、機関誌の連載「サッカー心育論〜たくましい心を育むコーチング〜」を一冊にまとめたもの。スポーツ心理学の見地から、子どもの育成の問題点と、社会で通用する心と思考の育て方を紹介します。サッカーに限らずあらゆるスポーツの指導者、保護者、管理職にも向く手引きです。
こんな人におすすめ
育成年代の指導者、子育て中の保護者、部下を預かる管理職。目の前の勝利と長期的な成長のバランスに悩んだときに、判断の軸を持つための一冊になります。
良い点
- 大学と協会の両方の視点
- 連載をまとめた読みやすい構成
- サッカー以外にも応用できる
気になる点
- 実践ドリルは中心ではない
- 224ページは覚悟がいる
- 選手本人向けではない
出版社
マイナビ出版
発売日
2016年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
連載をまとめた本なんですね。そういう本って、通して読めるものなんでしょうか。
佐藤メバル
むしろ読みやすい部類です。機関誌の連載ですから、一回分が短く区切られている。スポーツ心理学の見地から、育成の問題点と、社会で通用する心と思考の育て方を一話ずつ積み上げていく形です。
著者の中山雅雄さんは筑波大学の准教授で蹴球部の総監督、日本サッカー協会で指導者養成にもあたっています。
橘ナナミ
サッカーの本なのに、管理職にも読んでほしいと書いてあるのが気になります。
佐藤メバル
人の成長をどう支えるか、という話だからです。目の前の勝敗と、数年後の成長。そのバランスに悩む立場なら、サッカーのピッチでも職場でも同じ問いになります。
224ページありますが、章単位で読めるのが助かりますよ。

サッカー 練習で自分を伸ばす方法: 「楽しむ・挑戦する・失敗する」が上達を加速させるメンタルトレーニング (青いバラ書籍)
武田大輝 著
「サッカーがうまくなりたい。でも何をどう練習すればいいか分からない」という悩みから始まる一冊。個人技とチーム戦術をつなぐ考え方、練習計画の立て方、メンタルの整え方までを、楽しむ・挑戦する・失敗するという3つの姿勢を軸に、やさしい言葉で解説しています。練習メニュー集ではなく、考えて動く力を育てることを重視した構成です。
こんな人におすすめ
自主練の組み立てに悩む中高生・大学生、上達する人と伸び悩む人の差を知りたい選手。限られた練習時間の質を上げたい人に向く一冊です。
良い点
- 練習計画の立て方から入る
- メンタルと技術をつなぐ視点
- やさしい言葉で読みやすい
気になる点
- 戦術の詳解は少ない
- 経験者には基礎的に見える
- 図版中心ではない
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「上達する人と伸び悩む人の違いは練習の質にある」って、けっこう強い言い方ですよね。
佐藤メバル
でも、そうなんですよ。この本は練習メニューを並べるのではなく、個人技とチーム戦術をつなぐ考え方から入って、練習計画の立て方、メンタルの整え方まで扱います。
限られた時間の中で、どんな意識を持ち、どんな習慣を続けるか。そこに焦点を当てた一冊です。
橘ナナミ
「楽しむ・挑戦する・失敗する」って副題も、なんか救われます。
佐藤メバル
失敗を上達の材料として組み込む発想ですね。うまくいかない日にどう考えるかで、次の一週間が変わります。
仲間とどう連携するか、プレッシャーの中でどう判断するか、という話まで含めて、具体的な事例とシンプルな考え方で紹介しています。
自主練の計画に悩んでいる選手が、ノートと一緒に読むと効果的ですよ。

サッカーいい選手の考え方 個とチームを強くする30の方法
鬼木祐輔 著|池田書店
¥1,650(税込)
長友選手のトレーナーを務め、漫画「フットボールネーション」の一部監修も担った鬼木祐輔さんによる一冊。1章と3〜6章で20の考え方、2章で15の動きをカラー写真で紹介し、35の方法で個とチームが強くなる構成です。「見ると認識するは違う」「球際じゃない、球越しだ」など、動作より意識を重視する独自のワードセンスで語ります。
こんな人におすすめ
プレーの意図を言葉で捉え直したい中高生・大学生選手、指導の言葉に悩むコーチ。景色を覗く、視座、ペアリングといった考え方に触れてみたい人に向きます。
良い点
- イラストとカラー写真で理解しやすい
- 独自ワードが印象に残る
- 個とチームの両方を扱う
気になる点
- メンタル専門書ではない
- 言葉の意味は自分で噛み砕く必要
- 224ページは通読に時間がかかる
出版社
池田書店
発売日
2021年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「球際じゃない、球越しだ」って、わかるようでわからないです。こういう言葉がたくさん出てくるんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の持ち味です。「景色を覗く」「ペアリング」「視座」「目的地」など、世界のトッププレーヤーを見続けてきた著者ならではの言葉で、プレーを説明し直しています。
できるだけ多くの人に伝わるようイラストも使われています。
橘ナナミ
なるほど。技術の本というより、考え方の本なんですね。
佐藤メバル
1章と3〜6章で20の考え方、2章では15の動きをカラー写真で紹介する、合わせて35の構成です。動作よりも意識を重視するのが鬼木さんの指導法で、「0.5秒前の景色がスクショされて残る」「技術とは接続である」なんて表現も、読みながら自分のプレーを思い出すきっかけになりますよ。

サッカー“ココロとカラダ"研究所 イタリア人コーチと解き明かす、メンタル&フィジカル「11の謎」
片野道郎 著|ソル・メディア
¥2,222(税込)
イタリア在住のジャーナリスト片野道郎さんが、選手・コーチ・監督としてプロの現場を経験したロベルト・ロッシさんと対話し、メンタルとフィジカルの未知の領域を11の謎として掘り下げる一冊。「メンタルの強さって、なに?」「天才の育成はなぜ難しい?」といった問いから、戦術的ピリオダイゼーションやハイプレスの難しさまで扱います。
こんな人におすすめ
指導理論を一段深く知りたいコーチ、育成やフィジカルの設計に関わる人。「なぜ」から入って考えたい読者、欧州サッカーの背景まで知りたい人に向きます。
良い点
- 対話形式で読み進めやすい
- 11の謎という明快な構成
- イタリアの現場の視点
気になる点
- 284ページで読み応えが重い
- 実践ドリルは付かない
- 前提知識があるとより楽しめる
出版社
ソル・メディア
発売日
2019年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「メンタルの強さって、なに?」という章が最初にあるんですね。いきなり根本を聞かれると答えに詰まります。
佐藤メバル
そこがこの本の誠実さで、用語を先に決めずに、現場の人がどう考えているかから始めます。著者の片野道郎さんはイタリア在住のジャーナリストで、相手はUEFA-Aライセンスを持つプロ監督のロベルト・ロッシさん。
対話を通じて未知の領域に迫る構成です。
橘ナナミ
「天才の育成は、なぜ難しい?」も気になります。育成の話ですか。
佐藤メバル
そうです。11の謎には、いつから素走りがダメになったのか、怪我しない練習の負荷はどれくらいか、試合でアガらないためにはどうするか、なんて問いも並びます。
テクニックや戦術の研究や分析は溢れているのに、フィジカルとメンタルは必要な視点すら整理されていない、という問題意識が土台にある一冊です。

ブラジルサッカー: 世界をリードする メンタルからテクニックまで学べる
アデマール・ペレイラマリーニョ 著|日本文芸社
副題に「世界をリードする」と掲げ、メンタルからテクニックまでをブラジルサッカーという切り口で扱う一冊。著者はアデマール・ペレイラマリーニョさん、205ページの中量サイズです。一つの国のサッカー文化を通して心と技術を見る構成になっているのが、国内の指導者向け実践書との違いで、メンタルとテクニックを切り離さない視点が持ち味です。
こんな人におすすめ
ブラジルサッカーの考え方に関心がある選手・指導者、文化や育成の違いから学びたい人。メンタルとテクニックを別々に扱いたくない読者に向きます。
良い点
- メンタルからテクニックまで扱う
- 205ページで完読しやすい
- ブラジルという切り口が独特
気になる点
- 日本の育成現場との差は自分で翻訳が必要
- 実践ワークは中心でない
- 内容把握は限定的
出版社
日本文芸社
発売日
1998年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ブラジルサッカーの本って、テクニックの話が多いイメージなんですけど、これはメンタルから入るんですね。
佐藤メバル
副題に「世界をリードする メンタルからテクニックまで学べる」とあります。心と技術を別々に扱わないところがブラジルらしい切り口で、205ページの一冊にまとめています。
著者はアデマール・ペレイラマリーニョさんです。
橘ナナミ
日本の指導書を読んだあとだと、何が違って見えますか?
佐藤メバル
前提の置き方が違うので、同じ「メンタル」という言葉でも指す範囲が変わってきます。ただ、この本は与えられている情報が短くて、細かい目次までは確認できません。
ブラジルの考え方に触れてみたい、という動機のある人が手に取る一冊だと思います。

サッカーから学ぶアドラー心理学: 「今ここ」のプレーが人生を劇的に変える
みちしるべ出版 著
サッカーとアドラー心理学を掛け合わせた一冊。自己決定性、課題の分離、共同体感覚、劣等感の活用、勇気づけ、そして「今ここ」を強烈に生きる、という6章立てで、ピッチの出来事を人生の悩みとして読み替える構成です。「過去のミスは次のプレーを縛る鎖ではない」といった言い切りが随所に置かれています。
こんな人におすすめ
ミスを引きずりやすい人、周囲の評価が気になって自分らしくプレーできない選手。職場や家庭の人間関係に悩む社会人、部下の勇気づけに悩むリーダーにも。
良い点
- 6章立てで論点が明快
- サッカーの場面で心理学に入れる
- 選手以外にも届く内容
気になる点
- アドラー心理学の網羅本ではない
- 実践ドリルは付かない
- 比喩の好みは分かれる
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「サポーターの野次はあなたの課題ではない」って一文が載っているんですが、これ、サッカーの本ですよね?
佐藤メバル
そうです。アドラー心理学の「課題の分離」を、審判の判定や他人の視線に振り回されない技術として置き換えている。
ピッチの出来事を人生の悩みとして読み替えるのがこの本のやり方です。6章立てで、自己決定性、共同体感覚、勇気づけと続いていきます。
橘ナナミ
心理学の本を直接読むより、入りやすそうですね。
佐藤メバル
そこが狙いでしょう。「監督の指示を待つ駒から、自ら決断する表現者へ」という章の立て方も、サッカーをやっている人なら情景が浮かびます。
ビジネスのピッチで戦うサラリーマンにも、と紹介されていますよ。

soccer book tactical mental
¥6,180(税込)
タクティカルとメンタルという二語をタイトルに並べた英語表記の一冊。与えられている書誌情報として確かなのはタイトルと価格くらいで、内容の詳細はこちらからは伝えられないのが正直なところです。タイトルの語感が刺さった人が手に取るタイプで、日本語の実践ガイドとは役割がはっきり分かれます。
こんな人におすすめ
英語のサッカー書を読み慣れている人、タイトルを見て直感で選びたい読者。日本語の実践ガイドを何冊か読んで物足りなさを感じている人にも。
良い点
- タイトルが端的で探しやすい
- 戦術とメンタルを一語で提示
- 英語圏の視点に触れられる可能性
気になる点
- 内容情報が乏しく判断しづらい
- 価格帯が高めで試しにくい
- 実践の手順は期待できない
出版社
詳細情報なし
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、商品説明が「This is a soccer book tactical mental」しかないんですけど……。どう紹介すればいいんでしょう。
佐藤メバル
正直に言いましょう。こちらから確かな内容を語れる情報が足りないんです。タイトルと価格、あとは安全上の注意に関する記載しかない。
だから「戦術とメンタルを一語に並べた英語タイトルの本」という以上は言えません。
橘ナナミ
無理に内容を作っちゃダメ、ということですね。
佐藤メバル
そうです。ただ、タイトルから伝わる狙いはあります。戦術とメンタルを切り離さず捉えたい、という姿勢がにじむ書名ですし、価格帯から見ても気軽な入門書とは位置づけが違う。
日本語の実践ガイドを何冊か読んだうえで視点を変えたい人の候補になる一冊です。

GIANT KILLING 名シーンで振り返る 戦い抜くメンタル
遠藤保仁 著|講談社
人気サッカー漫画『GIANT KILLING』の読者だった遠藤保仁さんが、作品を読み直し、主人公の達海猛をはじめとするキャラクターと自分を重ねながら選手人生を振り返る一冊。プロデビューから日本代表まで、漫画の名シーンを鏡にして自身の記憶や思考、目指す未来を語ります。作者ツジトモさんとの対談も収録しています。
こんな人におすすめ
『GIANT KILLING』のファン、遠藤保仁さんのキャリアを追ってきた読者。選手の分岐点や覚悟を言葉で読みたい人、チームの在り方を考えたい人に向きます。
良い点
- 漫画の名シーンと重ねて読める
- 作者との対談を収録
- プロとしての意識が具体的
気になる点
- 電子版は文字拡大や検索が不可
- タブレット端末での閲覧を推奨
- 体系的なメンタル指南書ではない
出版社
講談社
発売日
2021年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、遠藤保仁さんが漫画を読み直して書いた本なんですよね。メンタルの本として並べていいのかな、と思ったんですが。
佐藤メバル
並べていいと思います。プロとしての初出場と初ゴールの記憶、日本代表初選出、サッカー選手に必要なもの、才能とは何か、プロとしての覚悟、移籍の決断、監督への道。
キャリアの分岐点で何を考えたかが残っている本は、メンタルの参考になります。漫画の名シーンに重ねているぶん、入りやすい。
橘ナナミ
電子版だと文字の拡大ができない、という注意書きがあるんですね。
佐藤メバル
そこは購入前に確認しておきたいところです。紙の書籍のページを画像にした電子書籍なので、タブレットサイズの端末での閲覧が推奨され、文字列のハイライトや検索、引用の機能も使えません。
読み方としては、名シーンと本人の記憶を交互に味わうタイプの一冊です。

子供のサッカーから学んだ人生のトランジション: 絶望を反撃に変える「心の切り替え」と「自己改善」の技術 サッカーから学ぶシリーズ
みちしるべ出版 著
運動音痴でサッカー未経験だった著者が、息子のプレーを見るうちに、攻守の切り替えという技術を人生の技術として捉え直した一冊。指導者という名の支配者になっていた自分の過ちに気づくところから始まり、失敗をデータとして処理し、落ち込む時間を奪い返す切り替え術へ進みます。脳科学や守破離の知恵も交えた8章構成です。
こんな人におすすめ
ミスを数時間、数日引きずってしまう人、停滞感を抱えて動き出せない人。家族や部下への伝え方を見直したいリーダーにも向く一冊です。
良い点
- 攻守の切り替えを人生に置き換える
- 8章で段階的に進む構成
- サッカー未経験の読者でも入れる
気になる点
- 精神論に近いと感じる人も
- サッカー実践の指南書ではない
- 語りが抽象的で好みが分かれる
出版社
詳細情報なし
発売日
2026年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「人生は、切り替えの速さがすべてだ。これはマジです!」って一文が、ちょっと笑ってしまうくらい強いんですけど。
佐藤メバル
でもこの本の著者は、最初から強気だったわけじゃないんです。運動音痴でサッカー未経験、息子の付き添いのつもりでピッチに向かった人です。
そこで指導者という名の支配者になっていた自分に気づくところから本が始まります。
橘ナナミ
そこから、攻守の切り替えを人生に置き換えていくんですか。
佐藤メバル
そう。「ボールを奪われた瞬間に足を止める選手は二度とピッチには立てない」というサッカーの現実から、失敗をデータとして処理し、落ち込む時間を奪い返す技術へ。
守破離や脳の仕組みの話も交えつつ、ボールタッチ、オフ・ザ・ボール、シュートとミス、アディショナルタイムと8章で進みます。サッカーを見る目も少し変わりますよ。
体験談・実践法・学術書——根拠の強さで3層に分ける
橘ナナミ
本によって、根拠の感じ方がかなり違いますよね。
佐藤メバル
大きく3層に分かれる。ひとつは選手の体験談型。長谷部誠さんの『心を整える。』や、遠藤保仁さんの『GIANT KILLING 名シーンで振り返る 戦い抜くメンタル』がそれで、読んで励まされる力は強いけれど、再現性は読み手が自分で作る必要がある。
橘ナナミ
実践法型は?
佐藤メバル
大儀見浩介さんの『サッカー メンタル強化メソッド』、豊田一成さんの『サッカーのメンタル 実践編』。後者は指導音声を聴きながら取り組めるQRコード付きで、少年選抜チームやU-16日本代表を指導したときのデータも公開している。手順が具体的で、明日の練習から試せる。
橘ナナミ
学術型は?
佐藤メバル
松山博明さんの『サッカー選手・指導者のためのメンタルガイド』、中山雅雄さんの『サッカーで、子どもの「考える力」と「たくましい心」を育てる方法』。後者は日本サッカー協会の機関誌に連載された内容が元で、スポーツ心理学の見地から書かれている。海外の専門書ならビルベスウィックの『サッカーのメンタルトレーニング』、スヴォボーダの『ワークとドリルで学ぶサッカー実戦メンタル強化法』もこの層だね。
橘ナナミ
自分の言葉で熱くなれる本から入って、実践、学術と重ねるのがよさそうです。
指導者・保護者・女子サッカーまで——薄い棚をどう埋めるか
橘ナナミ
指導者や保護者向けだと、どれが近いですか?
佐藤メバル
西田明さんの『選手が自ら考えやる気に満ちる サッカー指導者のためのメンタルコーチング』は、指示から信頼へ、指導者の「在り方」を変える話。中山さんの本も管理職に読める内容になっている。保護者の立場なら、AYAさんの『サッカーがもっと楽しくなる!ジュニアアスリートのメンタル強化術』が、わが子のサッカーに寄り添ってきた経験から目標設定と声かけを書いている。マルセロ・ロフェの『決定力を上げる プレッシャーに克つ サッカー・メンタル強化書』も、冒頭で監督やコーチ、親に向けた本だと明言しているよ。
橘ナナミ
女子サッカーや海外の本はどうなんですか?
佐藤メバル
女子は本当に手薄で、いま挙げた中で触れているのは片野道郎さんの『サッカー“ココロとカラダ”研究所』の「男子と女子でアドバイスの仕方が変わる?」という章くらい。海外の翻訳書は先ほどの2冊に加えて、ブラジルから『ブラジルサッカー: 世界をリードする メンタルからテクニックまで学べる』がある。文化が違うぶん、根性論に疲れた人ほど刺さることがある。
橘ナナミ
視野を広げる意味でも、あえて海外の1冊を混ぜるのは面白いですね。
「読んでも変わらない」を防ぐ——限界と実践へのつなぎ方
橘ナナミ
本を読んでも変わらない、という声も聞きます。
佐藤メバル
原因はだいたい3つ。読んで満足して終わる、自分の課題と結びついていない、そして一人で抱えている。メンタル本は答えを配るものではなく、問いを渡すものだと思っているんだ。
橘ナナミ
じゃあ、どう使えばいいんでしょう。
佐藤メバル
ワーク付きの本や、目標の立て方まで踏み込む本を選んで、読みながら1つ書いて、次の練習で1回試す。武田大輝さんの『サッカー 練習で自分を伸ばす方法』も、「楽しむ・挑戦する・失敗する」を練習の質の話に落としている。全部やろうとすると続かないから、1冊につき1つで十分。
橘ナナミ
それなら私でもできそうです。
佐藤メバル
あと、これは先に言っておきたいんだけど、眠れない、食欲がない、サッカーが楽しくない、といった状態が続くときは、本だけで抱えずに専門家や医療につないでほしい。本は補助輪であって、治療の代わりにはならないからね。
よくある質問
サッカーのメンタル本でおすすめはどれですか?
橘ナナミ
サッカーのメンタル本でおすすめはどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
目的によって変わります。入口として読みやすいのは、心は鍛えるものではなく整えるものだと説く長谷部誠『心を整える。』。試合前の緊張なら菅原将人『試合で緊張しなくなる!サッカーメンタル強化の教科書』、体系的に学ぶなら松山博明『サッカー選手・指導者のためのメンタルガイド』です。1冊に絞らず、今の症状に合わせて選ぶのが長続きのコツです。
メンタルが弱いと悩む選手に向いている本は?
橘ナナミ
メンタルが弱いと悩む選手に向いている本はについて教えてください。
佐藤メバル
「弱い」ではなく揺れ幅の話だと考えてみてください。堤野茂『サッカーメンタルの強化書』はセルフトークとレジリエンスを軸に失敗からの立ち直り方を扱い、中村憲剛さんら元日本代表3人の『こころのパス』は、ミスをした後にプレーするのが怖くなる感覚に寄り添います。弱さを直すのではなく、整え方を覚える本として読むのがおすすめです。
小学生・子どものサッカー選手に良いメンタル本はありますか?
橘ナナミ
小学生・子どものサッカー選手に良いメンタル本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
中村憲剛さん、佐藤寿人さん、今野泰幸さんという元日本代表3人の『こころのパス サッカーで折れないメンタルをつくる21のヒント』が第一候補です。内巻敦子さんのイラスト付きで、サッカーは好きだけどうまくならない、試合で緊張する、チームメートとうまくいかない、といった子の悩みに応える構成。保護者や育成年代の指導者が一緒に読むのにも向いています。
長谷部誠『心を整える。』と長友佑都『メンタルモンスター』はどちらがおすすめですか?
橘ナナミ
長谷部誠『心を整える。』と長友佑都『メンタルモンスター』はどちらがおすすめですかについて教えてください。
佐藤メバル
長友佑都さんのご著書は今回のランキングには含まれていないため、内容の比較は控えます。長谷部誠『心を整える。』は「心は鍛えるものではなく整えるものだ」という考え方を軸に、生活リズム、睡眠、食事、練習といった日々の習慣を56の項目で扱った一冊です。所属チームで干されても腐らずレギュラーを奪い返し、主将としてチームを束ねた経験が背景にあります。整えて安定させたいのか、勢いで押し上げたいのかで選ぶとよいと思います。
メンタルトレーニングの方法を体系的に学べる本は?
橘ナナミ
メンタルトレーニングの方法を体系的に学べる本はについて教えてください。
佐藤メバル
松山博明『サッカー選手・指導者のためのメンタルガイド』、ビルベスウィック『サッカーのメンタルトレーニング』、ヘルムートスヴォボーダ『ワークとドリルで学ぶサッカー実戦メンタル強化法』が該当します。海外の専門書は考え方の前提が日本と少し違うので、学術書で枠組みをつかんでからワーク付きの本で手を動かす順番がなじみやすいです。
サッカー指導者・コーチ向けのメンタル本はありますか?
橘ナナミ
サッカー指導者・コーチ向けのメンタル本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
西田明『選手が自ら考えやる気に満ちる サッカー指導者のためのメンタルコーチング』は、指示から信頼へと関わり方を見直す内容。中山雅雄『サッカーで、子どもの「考える力」と「たくましい心」を育てる方法 -最新の心理学で分かる!-』はスポーツ心理学の見地から育成を論じます。堤野茂『サッカーメンタルの強化書』も育成年代の指導者を想定した一冊です。
メンタル本を読んでも効果を感じないのはなぜですか?
橘ナナミ
メンタル本を読んでも効果を感じないのはなぜですかについて教えてください。
佐藤メバル
読んで満足して終わる、自分の課題と結びついていない、一人で抱えている、の3つがよくある原因です。付箋を1枚だけ貼って、次の練習で1回試すところから始めてみてください。ただし、眠れない・食欲がない・サッカーが楽しくないといった状態が続く場合は、本だけで抱えず専門家や医療につなぐことが大切です。
電子書籍やKindleで読めるサッカーのメンタル本はありますか?
橘ナナミ
電子書籍やKindleで読めるサッカーのメンタル本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
遠藤保仁『GIANT KILLING 名シーンで振り返る 戦い抜くメンタル』は、紙のページを画像にした電子書籍として配信されており、タブレットサイズの端末での閲覧が推奨されています。文字の拡大や検索が使えない形式なので、そこは事前に確認を。ほかの本も電子版の有無やオーディオブック対応は各ストアで確かめてから選ぶと安心です。
まとめ
橘ナナミ
たくさんあって迷いますけど、結局、最初の1冊はどう選べばいいんでしょう?
佐藤メバル
いまの自分の症状に近い章があるかで選ぶといい。緊張なら菅原さんの教科書、失敗の引きずりなら堤野さんの本や『こころのパス』、チームの空気なら西田さんの本や大儀見さんの目標設定の話。棚を全部読む必要はないんだ。
橘ナナミ
読んで終わりにしないコツも知りたいです。
佐藤メバル
1冊選んだら、付箋を1枚だけ貼る。今日いちばん引っかかったところに。そして次の練習で1回だけ試す。それだけで、本は体験に変わる。
橘ナナミ
絞るんですね。欲張って全部付箋を貼りたくなりそうです。
佐藤メバル
書店員時代、メンタル本の棚の前で立ち尽くす選手を何人も見てきた。でも最後に効いてくるのは、「自分はどうしたいか」を自分の言葉にできた数なんだよ。本は、その言葉を借りるためのものだね。
橘ナナミ
なんだか、試合前のあの深呼吸に近い気がします。
佐藤メバル
そう、メンタル本は試合前のウォーミングアップみたいなもの。それだけで勝てるわけじゃないけれど、心と体を温めておくかどうかで、キックオフの一歩目の重さは変わる。読み終えたら、ページを閉じて、ピッチに立つつもりで顔を上げてみて。







