切ない中学生小説感動本のおすすめ人気ランキング12選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年8月
橘ナナミ
佐藤さん、中学生向けの「切なくて感動する小説」って、どう選ぶのがいいんですか? 私も中学生の頃に読んで泣いた記憶はあるんですが、いざおすすめしようとすると難しくて。
佐藤メバル
いい質問だね。まず「切ない」にも種類があって、恋愛の切なさ、友情の切なさ、家族や社会問題から来る切なさ……。読む子どもの今の気持ちや状況によって、刺さる一冊は変わるんだよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、まず「どんな気持ちになりたいか」から選ぶのがいいんでしょうか?
佐藤メバル
うん。それに加えて、読書レベルや形式も大切。恋愛のじれったさを味わいたいのか、友達とのすれ違いに心を揺さぶられたいのか、涙の質によって最適な一冊は違うからね。
切ない中学生小説感動本の選び方
目的:とことん泣きたいか、切ない余韻に浸りたいか
橘ナナミ
やっぱり、一気に泣きたいときと、じんわり余韻に浸りたいときでは違いますよね?
佐藤メバル
そう。とことん泣きたいなら『カラフル』のラストは鉄板。一方、言葉にならない切なさを反芻したいなら新海誠の『小説 雲のむこう、約束の場所』がいい。どちらも中学三年生の心の機微を描いているよ。
テーマ:恋愛・友情・家族・社会問題
橘ナナミ
テーマも大きいですよね。恋愛ものと友情ものでは選ぶ本が変わりますか?
佐藤メバル
変わるね。友達とのすれ違いを描くなら『小説 聲の形』。不器用な恋愛なら『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』。家族の再生を描く『カラフル』や、家を失う現実に向き合う『ホームレス中学生』も「家族」の物語だ。中学生は家族との距離が揺れる時期だから、特に響くよ。
形式:長編・短編集・ライトノベル・児童書
橘ナナミ
本が苦手な子には短編集がいいんでしょうか?
佐藤メバル
うん。『きみが見つける物語 切ない話編』は短編アンソロジーだから、どれから読んでもOK。長編では『カラフル』は青い鳥文庫版で読みやすく、『夜が明けたら……』は文庫で440ページと大部。読書の距離感に合わせて選ぼう。
読書レベル:中1でも読めるか、骨太な上級か
橘ナナミ
中1と中3では読める本も変わりますよね。
佐藤メバル
そう。『12歳』や『霧のむこうのふしぎな町』は小学5・6年生から読める。『ぼくはうそをついた』は原爆という重いテーマだから、社会について考え始める中2以降がいい。『雲の涯』は証言や資料に基づくノンフィクションで、歴史好きな上級者向きだ。
涙のタイプ:静かに滲む、号泣、温かく込み上げる
橘ナナミ
涙にも種類がある…興味深いです。
佐藤メバル
切なさにも温度がある。静かに滲む系は『霧のむこうのふしぎな町』。この物語の余韻は後からジワジワ来る。温かく込み上げるのは『夜が明けたら……』。『ホームレス中学生』は笑わせておいて、ふいに涙が出るタイプだね。
メディア展開:映画化・アニメ化された原作を楽しむ
橘ナナミ
映像から入るのもありですか?
佐藤メバル
もちろん。『カラフル』も『聲の形』もアニメ映画化されていて、映像を見てから原作を読むとキャラクターの感情がより立体的に伝わるよ。『雲のむこう』も新海誠監督の映画のノベライズ。映像と小説の違いを比べるのも楽しいね。
切ない中学生小説感動本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、12冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
切ない中学生小説感動本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

カラフル (文春文庫 も 20-1)
森絵都 著|文藝春秋
¥759(税込)
自殺した中学三年生の体に、天使の抽選で当選した魂がホームステイするという斬新な設定。モノクロームだった日常が、家族やクラスメイトとの距離の変化とともに色彩を取り戻していく過程に胸を打たれます。自分の罪を思い出すまで“ぼく”が見る光景は、中學生の繊細な心の機微がぎっしり。自分の人生を取り戻したいと思える不朽の青春小説です。
こんな人におすすめ
「生きづらさ」を感じている中学生から大人まで。周囲との関係に悩み、自分を見失いかけている人に。また、再生の物語を読みたい読者へ。
良い点
- 魂の視点で描く独特の文体
- 家族や友情の変化が丁寧
- 考えさせられるテーマ
気になる点
- 重いテーマが苦手な人には注意
- SF設定に好みが出るかも
- 文庫で200ページ超は読み応え
出版社
文藝春秋
発売日
2007年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「抽選にあたりました!」から始まるって、すごく明るい印象なのに実は自殺した中学生の体に乗り移るお話なんですね…。ちょっと驚きました。
佐藤メバル
いい質問だね。冒頭の「おめでとうございます!」という軽いノリが、逆にテーマの深刻さを際立たせているんだ。
天使のプラプラも指南役なのに気ままな存在で、真の家庭の問題やいじめの痕跡が少しずつ見えてくる構成が巧みなんだよ。
橘ナナミ
なるほど、だから“ぼく”が真として過ごすうちにまわりの景色が色づいていく……って描写が活きてくるんですね。
佐藤メバル
その通り。モノクロームだった日常が「様々な色で満ちてくる」という一節が象徴的だよね。単なるファンタジーではなく、思春期の葛藤や再生を丁寧に描いた作品として、多くの読者に愛されているんだ。

小説 聲の形 上 (講談社青い鳥文庫 F く 4-901)
大今良時 著|講談社
¥990(税込)
耳が聞こえない転校生・西宮硝子への“いじめ”が、少年・石田将也の人生を一変させます。5年後、ひそかな決意を胸に硝子を探す将也の姿は、過去の罪とどう向き合うかを考えさせられます。償いと友情をテーマにした人間ドラマで、原作漫画の持つ繊細な心理描写を小説ならではの言葉で楽しめます。
こんな人におすすめ
いじめや孤独を経験したことのある中学生・高校生に。そして「誰かを傷つけてしまった」後悔を抱える大人にも。人間関係のやり直しを描く物語として、広い世代におすすめです。
良い点
- 原作の名シーンが丁寧に再現
- 将也の内面がくわしく描かれる
- ふりがな付きで読みやすい
気になる点
- 上巻で物語は途中まで
- いじめ描写に胸が痛む
- 原作知識があると比較するかも
出版社
講談社
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
石田将也の“西宮いじり”がきっかけで、彼自身がクラスで孤立していくんですよね…。見ていてつらくなる場面が多いんじゃないかと思います。
佐藤メバル
そう、だからこそ5年後の再会までに将也が何を思い、どう変わったのかが重要なんだ。この上巻では、将也が硝子を探す「ひそかな決意」の内側がじっくり描かれている。
単なる後悔ではなく、自分なりの責任の取り方を模索する姿が伝わってくるよ。
橘ナナミ
「幸せだったはずの時間を取りもどそうとする」っていう文に、切なさと希望が混ざっている感じがします。
佐藤メバル
その言葉がこの作品の核だね。過去は変えられないけれど、未来を変えることはできる。将也の行動がどう実を結ぶか、下巻でぜひ見届けてほしい。
青い鳥文庫版は漢字にふりがなが付いているから、小学生高学年から中学生にも読みやすいんだ。

きみが見つける物語 十代のための新名作 切ない話編 (角川文庫 あ 100-108)
角川文庫編集部 著|角川書店(角川グループパブリッシング)
「切ない話編」と題された短編アンソロジーは、名作の入門にぴったりの一冊。どの作品も短くても味わい深く、電車の待ち時間でもさくっと読めるのが魅力です。収録作品の詳細は明かされていませんが、極上のアソートボックスという表現の通り、どの話から読んでも没入できる選りすぐりの質。読書習慣のない中学生にもおすすめです。
こんな人におすすめ
短編で読書の感覚を確かめたい人に。切ない話を数を読んで楽しみたい人や、読書のとっかかりを探している人に最適です。
良い点
- 短編なので読み切りやすい
- 質の高い作品ばかり
- 選書の幅が広がる
気になる点
- 各話のネタバレは自分で読む必要
- ボリュームは控えめ
- 物足りなさを感じる人も
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2010年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
短編集って初めての人にはハードルが高いイメージがあったんですが、「食べず嫌いさんにもぜひ」って言葉に後押しされました。
佐藤メバル
そう、まさにその通り。編集部が厳選した「質は保証付き」で、短いからこそ一話ずつの余韻をじっくり味わえる。
切ない話に焦点を絞っているので、テーマの統一感もある。どの話から読んでもいい、という自由さがアンソロジーの醍醐味だよね。
橘ナナミ
「とびきり味わい深い」って表現にそそられます。でも、もしかして有名な書き手の作品が多いんですか? そういう情報は入っていますか?
佐藤メバル
公式の紹介には「いま読みたい作品を厳選した」とあるだけで、具体的な作家名は明かされていないんだ。でも、編集者として言うと、こういうアンソロジーは出典がはっきりしていて信頼できる選書が多い。
むしろ「誰の話か」を知らずに読んで、後から調べてみる楽しみ方もあるよ。

ホームレス中学生 (幻冬舎よしもと文庫)
田村裕 著|幻冬舎
¥726(税込)
13歳で突然家を失い、公園のウンコ形遊具を“家”にした少年の実話。笑えるユーモアの裏に、空腹や孤独の痛みがにじみます。しかし彼を助ける人々との出会い、兄や姉との絆、母への想い…。人と関わることの意味を考えさせられる一方、漫画家を目指す夢へとつながる前向きさに勇気づけられます。
こんな人におすすめ
「今の自分は恵まれている」と感じたい時、逆境を乗り越えた人のリアルな声を聞きたい人に。また、読みやすい実話を求めている中学生にも。
良い点
- ユーモアと涙のバランスが絶妙
- 事実だからこそ胸に迫る
- テンポよく読める
気になる点
- 貧困描写がつらいと感じるかも
- 芸人さんの話が中心
- 家族関係に複雑さを感じる人も
出版社
幻冬舎
発売日
2010年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「父の解散宣言」って笑ってしまいましたけど、実際は家を失うわけですよね…。この本を読んだら、きっと笑うわけにはいかない部分がありそうです。
佐藤メバル
その笑いと痛みのギャップがこの本の真骨頂なんだ。雨で体を洗い、食べられるものを探す姿は壮絶だが、周囲の人の優しさに救われる。
あの「ウンコ形遊具」というシンボルみたいな表現も、著者らしい。自虐的でいながら、たくましい。
橘ナナミ
「芸人という夢」も、この経験があったからこそ生まれたんですね。単なる貧乏話じゃなくて、人とのつながりが描かれているんですね。
佐藤メバル
そうなんだ。幼い頃の体験が彼の笑いの原点になっている。それに「お母さんの事」という記述からは、失った家族への深い愛情が感じられる。
笑って泣けると評される所以がここにあるんだろうね。

12歳-出逢いの季節- -楓子と悠の物語 1- (講談社青い鳥文庫)
あさのあつこ 著|講談社
¥480(税込)
故郷に引っ越した12歳の楓子が、古い洋館で不思議な記憶と少年に出会う物語。懐かしい風景や匂いが鮮やかに思い出される「デジャヴ」のような感覚を追体験できます。少年はなぜ楓子に会ったことがある気がするのか……。ノスタルジーと神秘が織りなす、ピュアな感動がここに。
こんな人におすすめ
小学校卒業や転校など、新しい環境に踏み出す前の中学生に。また、原風景や初恋の思い出を大切にしている大人にも。
良い点
- 情景描写が美しい
- 青春の甘酸っぱさがある
- 短い冊子でも濃厚
気になる点
- 展開がゆったり
- ファンタジー要素が強い
- シリーズもので続きが気になる
出版社
講談社
発売日
2007年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
12歳の少年と少女の出会いで、しかも「奇跡」って書いてありますね。古い洋館に足を踏み入れた瞬間に記憶がよみがえるって、なんだか切ない予感がします。
佐藤メバル
この作品は、あさのあつこさんが紡ぐ「純粋さ」が魅力なんだ。楓子の感じる既視感や、不思議な少年との会話から、過去と現在がゆっくりと交差していく。
言葉の一つ一つが瑞々しくて、読んでいるうちに自分の中の12歳に戻ったような感覚になるんだよね。
橘ナナミ
「亡くなった母親の故郷」というのが気になります。もしかして、お母さんとの思い出が隠されているんですか?
佐藤メバル
それは読んでのお楽しみ、としか言えないね。ただ、この物語が単なる恋愛ものではなく、家族や死生観にも寄り添っているのは確かだ。
ピュアでノスタルジック、という言葉がぴったりの一冊だよ。

雲の涯 中学生の太平洋戦争 (角川文庫)
宗田理 著|KADOKAWA
¥748(税込)
昭和20年8月7日、豊川海軍工廠を襲った26分間の爆撃で、450名以上の学徒が犠牲になりました。著者自身も当時地元の中学生だった宗田理さんが、証言と資料を集めて綴るノンフィクション・ノベル。彼らの青春が一瞬で奪われる無念さ、それでも生きようとした姿が胸をうつ。戦争の現実を伝える重要な作品です。
こんな人におすすめ
平和学習で「戦争」を身近に感じたい学生に。また、歴史に埋もれた悲劇を忘れないために、世代を超えて読んでほしい一冊です。
良い点
- 実際の事件に基づく重み
- 中学生の視点で語る
- 証言が臨場感を生む
気になる点
- 戦争描写に心が痛む
- ノンフィクションのため救いが少ない
- 読み終えるのに覚悟が要る
出版社
KADOKAWA
発売日
1995年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ぼくら」の宗田理さんが、中学生の太平洋戦争を書いているんですね。しかも2500人以上の爆死者、その中に450人もの学徒が…。知りませんでした。
佐藤メバル
そう、この事件は広島・長崎の原爆の陰に隠れて、あまり知られていないんだ。宗田さんは当時地元の中学生で、同じ年頃の少年たちの死をずっと心に刻んでいたのだろうね。
この作品は単なる戦争小説ではなく、証言や資料を丹念に集めた「記録」としての価値が高い。
橘ナナミ
「必死に生きようとした」とありますけど、戦争の中の青春って、今の私たちと変わらない普通の日々だったんでしょうか。
佐藤メバル
その問いが大切なんだ。勉強や友情、恋愛といった日常の断片が、戦争によって断ち切られる理不尽さ。宗田さんは彼らの「青春の日々」を丁寧に辿ることで、戦争の本質を浮き彫りにしている。
読んだ後、平和について深く考えさせられるだろうね。

小説 雲のむこう、約束の場所 (角川文庫)
新海誠 著|KADOKAWA
¥902(税込)
南北に分断された日本を舞台に、中学生の浩紀と拓也、そして佐由理が交わした「塔まで飛んで連れていく」約束。純粋な夢と恋心、そして突然の別れ。思春期のほろ苦さが、新海誠監督らしい美しい描写で綴られます。約束の意味を問う切ない青春SFです。
こんな人におすすめ
『君の名は。』など新海誠作品が好きな人に。また、距離を超えた絆を描く物語を求めている中学生・高校生へ。
良い点
- 新海誠の世界観を堪能できる
- 少年少女の心理が丁寧
- SF設定が興味深い
気になる点
- 設定が複雑で、やや入り込みにくい
- ノベライズのため映像版が気になる
- 途中の喪失感が切ない
出版社
KADOKAWA
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日本が南北に分断されているというパラレルワールド、しかも中学生が飛行機で塔を目指すっていう設定が壮大ですね。
佐藤メバル
新海誠さんらしい、大きなスケールの背景と小さな人間ドラマの対比が魅力なんだ。ただ、この小説は単なる冒険活劇ではなく、3人の約束が「果たせぬまま」訪れる別れを描いている。
塔が象徴するもの、佐由理が姿を消す理由を考えると、思春期の孤独や切なさが浮かび上がってくるよ。
橘ナナミ
「約束も果たせぬまま……」って、まだ何かが残っている感じがしますね。どんな結末になるのか、気になりすぎます。
佐藤メバル
じゃあ、ぜひ手に取って確かめてみて。この作品は「失われた時間」や「選択」の物語でもあるんだ。そして主人公たちの視線の先にあるものに、きっと切ない余韻が残るはずだよ。

小説 二月の勝者-絶対合格の教室-未来への一歩 (小学館ジュニア文庫 ジた 8-5)
伊豆平成 著|小学館
¥770(税込)
人気漫画『二月の勝者』のノベライズ最終刊。子どもたちの受験当日を経て、それぞれの「未来への一歩」を描きます。島津や上杉、樹里、まるみ、加藤、山本佳苗など受験生たちの視点に加え、今川理衣沙にスポットが当たるのも新しい光。合格だけが全てじゃないと教えてくれる、温かい最終章です。
こんな人におすすめ
中学受験を経験した中学生や、その保護者に。また、受験生本人が「最後の闘い」を前に不安を感じている人にも。将来への不安を抱えるすべての人へ。
良い点
- 原作では描かれない進学先の後まで
- 複数の子どもの視点が交錯
- 受験の意味を問いかける
気になる点
- 前巻までを読んでいないと人物関係が難しい
- 受験に特化したテーマ
- シリーズ最終巻でネタバレがある
出版社
小学館
発売日
2025年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この巻でシリーズ最終巻なんですね。しかも「子どもたちの進学先決定後について」も描かれているとあって、単に合格で終わらないのが嬉しいです。
佐藤メバル
そうなんだ。中学受験の物語はどうしても「合格発表」で終わりがちだけど、その先の人生こそ意味があるよね。
原作漫画にはない後日談を、作者が取材して小説化したというから、ファンとしても注目だよ。
橘ナナミ
「なぜここまで加熱していくのか」っていう問いが身に沁みます。私も大学院受験があったので、結果に一喜一憂しないことの難しさが分かります。
佐藤メバル
その感覚は大事だね。受験はあくまで通過点。この本は、それぞれの子どもたちが見つけた「未来への希望」を描くことで、読者に「自分はどう生きたいか」を問いかけてくるよ。

ぼくはうそをついた (ノベルズ・エクスプレス 55)
西村すぐり 著|ポプラ社
¥1,650(税込)
広島に住む小学5年生のリョウタが、原爆で亡くなった大おじの足跡をたどる物語。一方、バレー部キャプテンのレイは、曾祖母の「変人扱い」に悩み、彼女を救いたいと願う。戦争の記憶が風化しつつある時代に、ふたつの若い心が真実と向き合う姿を描きます。祈りをこめた作品です。
こんな人におすすめ
戦争・平和について考え始めた小学生高学年から中学生に。また、祖父母の体験を聞く機会が少ない現代の若者にも読んでほしい一冊です。
良い点
- 現代の子どもにも共感できる視点
- 原爆被害の後遺症を丁寧に描く
- 嘘の持つ意味を考えさせられる
気になる点
- 原爆に関する描写が生々しい
- 二つの物語が交錯し理解が大変
- 答えの出ない問いを含む
出版社
ポプラ社
発売日
2023年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
広島が舞台で、原爆でなくなった大おじの話を聞いてリョウタが調べ始めるんですね。タイトルの『ぼくはうそをついた』がすごく気になります。
佐藤メバル
このタイトルには、リョウタの「どこか遠い昔の出来事のように感じていた」という心の動きが込められているんだ。
戦争を「知らない」ことが一種の嘘なのかもしれない。もう一方のレイは曾祖母の記憶の混乱に苦しむけど、それもまた戦争の傷跡なんだよね。
橘ナナミ
曾祖母さんが「我が子を捜し始める」って……。子どもを原爆で失った悲しみが、今も心をさまよわせているんですね。胸が痛いです。
佐藤メバル
その痛みこそが、この作品の核だと思う。著者の西村すぐりさんは、戦争体験者と若い世代の橋渡しをするような物語を紡いでいる。
「すべての人が幸せに生きられるように」という祈りが、読者の心に静かに届くはずだよ。

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく (スターツ出版文庫)
汐見夏衛 著|スターツ出版
¥891(税込)
優等生を演じる茜と、その隣の席で「嫌いだ」と言い放つ青磁。正反対の二人が互いの秘密に触れることで、偽りの自分を解放していきます。タイトルの意味と青磁の秘密が明かされるラスト、温かな涙があふれるでしょう。自分を偽って生きる切なさを描いた、ティーン向け感情ジェットコースターです。
こんな人におすすめ
「周りの目を気にして自分を出せない」と感じている高校生に。また、優等生の仮面をかぶりがちな人に。秘密を抱えた者の恋を楽しみたい読者へ。
良い点
- 二人の距離が近づく過程が丁寧
- タイトルの仕掛けが美しい
- 文庫オリジナルストーリー収録
気になる点
- 甘酸っぱい展開がややくさい
- 主人公の内面描写が重め
- 真相が切なくて余韻が残る
出版社
スターツ出版
発売日
2020年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
高2の茜が優等生を演じる理由、そして青磁の秘密……。タイトルの「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」が、どうしてそんなに素敵な意味になるのか気になります。
佐藤メバル
このタイトルは、最初は単なる「明日会いたい」という気持ちに見えるよね。だけど、読み進めるうちに夜が明ける前の苦しみや、相手への思いの深さが込められていることに気づくんだ。
二人の秘密が重なった時、あらためて言葉の重みが心にくるよ。
橘ナナミ
「言いたいことあるなら言っていいんだ」って青磁くんの言葉、一見ストレートなのに茜さんにはどう響いたんでしょうね。
佐藤メバル
優等生でいなきゃという呪いから解放される瞬間だと思う。茜は青磁にだけ「嫌いだ」と言われることで、逆に素の自分を見られている安心感を得たのかもしれない。
この作品は、心を開くことの勇気をくれる物語だよ。

霧のむこうのふしぎな町 (新装版) (講談社青い鳥文庫)
柏葉幸子 著|講談社
¥748(税込)
6年生のリナが迷い込んだ、赤やクリーム色の洋館が立ち並ぶふしぎな町。めちゃくちゃ通りに住むへんてこりんな大人たちとの交流が、まるで夢のように描かれます。ジブリ映画『千と千尋の神隠し』に影響を与えた名作と聞けば、世界観の源流を感じられるはず。不思議な町の住人との心温まるふれあいがここにあります。
こんな人におすすめ
ファンタジーの入門書として、小学生高学年から中学生に。また、絵本から児童文学へステップアップしたい人にも。
良い点
- 夢のような世界観
- 個性的なキャラクター
- 非日常の冒険が楽しめる
気になる点
- 終盤の展開がややあっけない
- 舞台の説明が少なく戸惑うかも
- 哲学的といわれる要素がある
出版社
講談社
発売日
2004年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『千と千尋の神隠し』に影響を与えたって、すごく気になります。霧が晴れて突然現れる洋館の町、って映像が目に浮かぶようです。
佐藤メバル
そうだろう? この作品は1980年に出版された児童文学で、現実と幻想がふわっと交わる独特の空気感が魅力なんだ。
リナが迷い込む「めちゃくちゃ通り」には、名前も奇妙な住人たちがいて、彼らとの何気ない会話や仕事を通じて、リナは少しずつ大人になっていく。
橘ナナミ
「へんてこりんな人々」って、ただのおかしな人たちじゃないんですね。一緒に過ごすうちに何かを学んでいくんでしょうね。
佐藤メバル
その通り。この物語の核心は「ふつうの女の子が、ちょっと変わった世界で自分の居場所を見つける」ことにある。
千尋が湯屋で働いたように、リナも町の人々との交流を通じてたくましさを身につけるんだ。ファンタジーとしても、成長物語としても秀逸だよ。

【小学5-6年生、中学生の読み物】嘘吹きネットワーク (わたしたちの本棚)
久米絵美里 著|PHP研究所
SNSで出回ったデマを正すため、学級委員の理子が「フェイク職人」の錯を訪ねる物語。錯は加工画像に息を吹きかけ、フェイクの中に「本当」を見せてくれます。真偽を見抜く力より、なにを信じるかという判断力の大切さを問いかけます。今の時代を生きる子どもたちに寄り添った一冊です。
こんな人におすすめ
ネットリテラシーを身につけたい小学生高学年中学生に。また、情報を鵜呑みにしがちな人や、SNSのトラブルに巻き込まれた経験がある人へ。
良い点
- 現代的なテーマを扱う
- 嘘と本当の境界を考えさせる
- 小児童文学として読みやすい
気になる点
- テーマが重く感じるかも
- 画像加工の描写が詳細
- 答えが明確でない部分がある
出版社
PHP研究所
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「嘘吹きネットワーク」ってタイトルがもうインパクト大です。SNSでデマが出回るって、今まさに身近な問題ですよね。
佐藤メバル
よね。著者の久米絵美里さんは、子どもたちが直面するネットの闇をテーマにしながらも、単純に「嘘は悪い」と断罪しないのが特徴なんだ。
フェイク職人・錯は、加工された画像を「ふっ」と吹きかけて何かを変える。その行為が、理子に真実の見方を教えてくれるんだね。
橘ナナミ
なるほど、嘘の拡散力が強い時代だからこそ、「自分が何を信じるのか」ってことの方が大事なんですね。
佐藤メバル
その通り。この本は「真偽を見抜く瞬発力」よりも、「自分の信じるものを守る判断力」が必要だと示しているんだ。
情報が溢れる現代だからこそ、若い世代に読んでほしいテーマだよ。
「切なさの4タイプ」で選ぶ涙の質とテーマ別索引
橘ナナミ
佐藤さん、切ない話と言っても泣き方がいろいろありますよね? タイプ分けしてもらえませんか?
佐藤メバル
私は「切なくて泣ける」「感動で泣ける」「悔しくて泣ける」「温かくて泣ける」の4つに分けるといいと思っている。切なくて泣ける『カラフル』、感動で泣ける『小説 聲の形』、悔しくて泣ける『ホームレス中学生』、温かくて泣ける『夜が明けたら……』。さらにテーマ別に整理すると、恋愛は『夜が明けたら……』、友情は『聲の形』、家族は『カラフル』と『ホームレス中学生』、不登校や自己肯定感は『カラフル』、貧困は『ホームレス中学生』、戦争・平和は『ぼくはうそをついた』『雲の涯』です。
橘ナナミ
なるほど。同じ涙でも質が違うんですね。
佐藤メバル
そう。中学生は感情が揺れ動く年頃だから、涙の質を知っておくと、その日の気持ちにぴったりの一冊をすすめられるよ。
中学1・2・3年別、読書レベル別のおすすめ指標
橘ナナミ
中1と中3では、やはりおすすめは変わりますか?
佐藤メバル
変わるね。中1なら『12歳』や『霧のむこうのふしぎな町』のような、物語の世界に入りやすいファンタジーやノスタルジックな作品がいい。中2からは『カラフル』や『ぼくはうそをついた』がテーマの深さで響く。中3には『雲の涯』や『小説 雲のむこう、約束の場所』など、社会や歴史への視野を広げる作品をすすめたい。
橘ナナミ
読書が苦手な子には、やはり青い鳥文庫のような児童文庫が入りやすいんですね。
佐藤メバル
そう。漢字にふりがなが付いて、挿絵も多いから、読書に自信がなくてもスムーズに読める。『小説 聲の形』の青い鳥文庫版はその代表格だよ。
読書感想文・ブックトークに使える切り口と、映画・入試との接点
橘ナナミ
夏休みの読書感想文に悩む子にも、この中からすすめられますか?
佐藤メバル
もちろん。『ホームレス中学生』なら「もし自分だったら」と想像しやすいし、『カラフル』は「自分らしさって何か」という問いが立ちやすいから感想文が書きやすい。『ぼくはうそをついた』は「平和のためにできること」を考えるきっかけになる。例えば、『カラフル』を「他人の視点で自分を見つめ直す物語」として捉えると、感想文が深まります。
橘ナナミ
映画やアニメを見てから読むのも楽しそうですね。
佐藤メバル
うん。『カラフル』『聲の形』『雲のむこう』は映像化された作品だけど、小説には映像では描かれない心理描写がたっぷりある。映像で泣いた人ほど、原作の細やかな言葉にハッとさせられると思うよ。そして『カラフル』は高校生が選んだ読みたい文庫ナンバー1や累計100万部突破と紹介されるほど、多くの読者の心をつかんできた作品だ。
よくある質問
中学生が泣ける小説ってどう選べばいい?
橘ナナミ
中学生が泣ける小説ってどう選べばいいについて教えてください。
佐藤メバル
まず「どんな気持ちになりたいか」を決めましょう。とことん泣きたいなら『カラフル』、切ない余韻を味わいたいなら『小説 雲のむこう、約束の場所』。恋愛・友情・家族などテーマと、読書レベルで選ぶのがコツです。
読書が苦手な中学生でも読める泣ける本は?
橘ナナミ
読書が苦手な中学生でも読める泣ける本はについて教えてください。
佐藤メバル
青い鳥文庫版の『小説 聲の形』や『カラフル』は、ふりがな付きで挿絵も多く、読みやすいです。短編集の『きみが見つける物語 切ない話編』は少しずつ読めるのでおすすめ。
中1・中2・中3でおすすめの本は変わる?
橘ナナミ
中1・中2・中3でおすすめの本は変わるについて教えてください。
佐藤メバル
変わります。中1には『12歳』や『霧のむこうのふしぎな町』、中2には『カラフル』や『ぼくはうそをついた』、中3には『雲の涯』や『小説 雲のむこう、約束の場所』がおすすめです。
国語の読書感想文に書きやすい感動小説は?
橘ナナミ
国語の読書感想文に書きやすい感動小説はについて教えてください。
佐藤メバル
『ホームレス中学生』は自分の生活と比べて書きやすい。『カラフル』は「自分らしさ」をテーマにすると深まります。感想文の「書きどころ」がはっきりしている作品を選ぶのがポイントです。
入試に出た「泣ける・感動する」小説はどれ?
橘ナナミ
入試に出た「泣ける・感動する」小説はどれについて教えてください。
佐藤メバル
具体的な入試出題は断言できませんが、長く読み継がれている『カラフル』や『聲の形』は教科書や入試問題の題材になり得ます。入試対策よりも、心を揺さぶる体験として読むのがおすすめです。
男子中学生向けの切ない小説のおすすめは?
橘ナナミ
男子中学生向けの切ない小説のおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
ジェンダーで縛る必要はありませんが、『ホームレス中学生』は少年の視点で語られ、ユーモアもあるので親しみやすい。『雲の涯』は戦争もののノンフィクションで、歴史が好きな男子にも響きやすいです。
恋愛要素がない感動小説・泣ける話はある?
橘ナナミ
恋愛要素がない感動小説・泣ける話はあるについて教えてください。
佐藤メバル
あります。『カラフル』は家族と自分自身の問題、『ぼくはうそをついた』は平和と祖父母の愛情、『雲の涯』は戦争の中の友情を描いています。恋愛に興味がない読者にも入りやすいです。
映画化・ドラマ化された泣ける小説のおすすめは?
橘ナナミ
映画化・ドラマ化された泣ける小説のおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
アニメ映画化された『カラフル』と『小説 聲の形』、新海誠監督の『小説 雲のむこう、約束の場所』がおすすめ。映像を見てから原作を読むと、心理描写の深さを味わえます。
まとめ
橘ナナミ
ここまでたくさんの作品を教えてもらって、中学生の「切ない」には本当にいろいろあるんだなと思いました。
佐藤メバル
だね。切なさは決してマイナスな感情じゃない。物語の中で味わう切なさは、人の気持ちを想像する力を育ててくれる。
橘ナナミ
でも、中学生にはつらい時期もあるじゃないですか。そんなときにも本は効きますか?
佐藤メバル
効くよ。『カラフル』の主人公も、自殺を図った中学三年生だからね。自分の苦しさを言葉にしてくれる物語に、どれだけ救われるか。本を読むということは「ひとりじゃない」と思えることなんだ。
橘ナナミ
そう言われると、私も中学生のときにもっと本を読んでおけばよかったです。今からでも遅くないですよね?
佐藤メバル
もちろん。今のあなたが読めば、また違う景色が見えるはず。中学生の頃に読んだ本は、ずっと心のすみっこで光り続けているんだ。
橘ナナミ
切ない物語って、何だと思いますか?
佐藤メバル
そうだね……中学生の心はまだ柔らかくて、傷つきやすい。切ない物語はその柔らかさにそっと触れて、「ここにいていいんだよ」と囁いてくれる、夕暮れの教室に差し込む一筋の光のようなものだと思うよ。








