旅行記を綴った本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年8月
橘ナナミ
佐藤さん、「旅行記」の記事を読む人は、どんな気持ちで本を探しているんでしょう? ガイドブックとは違いますよね。
佐藤メバル
いい質問だね。ガイドブックが「行き先の情報」を整理するのに対し、旅行記は「旅する人の時間」を追体験する本。同じ街でも、誰が歩くかで物語はまったく変わります。だから「いま、どんな気分で旅したいか」で選ぶのがいちばん正解に近いんです。
橘ナナミ
なるほど! だったら「没入したい」「笑いたい」「考えたい」で分けると、自分に合う一冊が見つかりそうですね。
佐藤メバル
そのとおり。このあと、具体的な選び方の軸を一緒に見ていきましょう。
旅行記を綴った本の選び方
旅の欲求から選ぶ――没入・笑い・思考
橘ナナミ
気分で選ぶなら、何を目安にすればいいですか?
佐藤メバル
「没入したい」なら臨場感が命。下川裕治さんの『コロナ後のアジアを旅する』は、変わりゆくアジアの街角を定点観測するような筆致です。「笑いたい」なら、まえだなをこさんの『完全版 世界で一番寒い街に行ってきた ベルホヤンスク旅行記』。マイナス50度の世界をユーモアと温かさで描くイラストエッセイ漫画です。「考えたい」人には、藻谷浩介さんの『世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記』がおすすめ。経済と地理の教養が一気に広がります。
予備知識と手軽さで選ぶ
橘ナナミ
土地の知識がないと難しい本もありますか?
佐藤メバル
入門には、予備知識ゼロで読める一話完結型が安心です。『おでかけアンソロジー ひとり旅 いつもの私を、少し離れて』は角田光代さんや村上春樹さんら41人の短いエッセイを集めていて、1編ずつ読み切れる軽さが魅力。逆にテーマ型の紀行は、背景知識があるほど読みごたえが増します。少しでも「読めそう」と思えたら、それがいちばんの入門書ですよ。
形式と入手しやすさで選ぶ――文庫・電子書籍・オーディオブック
橘ナナミ
旅先に持って行くなら、文庫が便利ですよね。
佐藤メバル
そう。角田光代さんの『いつも旅のなか』は角川文庫、中谷美紀さんの『インド旅行記1 北インド編』は幻冬舎文庫と、定番は文庫で揃えやすい。長編の物語に浸るのもよし、短い連作を隙間時間に読むのもよし。電子書籍は場所を取らず、オーディオブックは「ながら聴き」で旅の予習ができます。移動中に読むなら、スマホひとつで完結する電子書籍が便利ですね。
古典と現代、国内と海外を横断する
橘ナナミ
古典も外せないですよね。どこから手を付けますか?
佐藤メバル
『ガリヴァー旅行記』は18世紀に書かれた風刺と冒険の古典。一方、国内の小さな旅なら植竹深雪さんの『おとな「ひとり温泉旅」のススメ』が効きます。「遠くへ行く」だけが旅ではない。紀行文の歴史は「奥の細道」までさかのぼれるので、興味がある人は古典の名作と読み比べるのもおすすめです。
旅行記を綴った本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
旅行記を綴った本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

完全版 世界で一番寒い街に行ってきた ベルホヤンスク旅行記
まえだなをこ 著|講談社
¥1,320(税込)
世界で一番寒い街・ベルホヤンスクを訪ねたイラストエッセイ漫画に、ヨーロッパのピカソ美術館巡り、マレー半島のグルメ旅、中国少数民族の村への再訪を合わせた全4話を収録。マイナス50度の世界で出会う人々の温かさや、LCCを駆使した2週間の旅の工夫が、絵だからこそ生き生きと伝わってきます。文章だけの旅行記とは違い、移動のあわただしさや食卓の賑わいを表情から感じ取れるのが魅力。「寒い街」と「おいしい旅」という異なる魅力を1冊で楽しめます。書籍版だけの描きおろしも読みどころです。
こんな人におすすめ
笑いながら読める旅エッセイが欲しい人、海外の暮らしや食に興味がある人に。1話完結なので、電車の中や寝る前に少しずつ読むのもおすすめ。寒い土地と南国グルメの両方を味わいたい人にぴったりです。
良い点
- マンガなのでスラスラ読める
- 4つの異なる旅を収録
- 描きおろしエピソード付き
気になる点
- マンガなので文字情報は少なめ
- 4話それぞれ好みが分かれる
- 実用情報は少なめ
出版社
講談社
発売日
2020年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
世界で一番寒い街って、本当にあるんですね。マイナス50度の生活って想像もつかないです。
佐藤メバル
ありますよ。ロシア東部のベルホヤンスクです。その街に行った記録を漫画にしたのが本書です。とはいえ寒さだけではなく、ピカソ美術館巡りやマレー半島のグルメ旅、中国少数民族の村を訪ねる話も一緒に収録されていて、1冊で4つの旅の味わいが楽しめます。
特にマレー半島の話は2週間の予算まで具体的で、読むと自分もLCCで飛びたくなりますよ。
橘ナナミ
いいですね。しかも絵だと、現地の人の表情とか市場の雰囲気とか、文章より伝わってきそうです。
佐藤メバル
その通りです。移動の面白さも絵ならでは。準備段階で分厚いコートに悩む様子も、現地で出会う人の温かい笑顔も、同じ画面の中で一気に味わえます。
さらに書籍版ならではの描きおろしも入っているので、電子で読んだ人にも新鮮なはずですよ。

イタリア美食旅行記: 知られざる味覚の冒険
礼城進 著
イタリア各地を巡りながら、料理、ピザ、パスタ、ジェラート、ワイン、オリーブオイル、デザートをテーマに食文化を案内する旅行記です。ナポリのトマトソースやボローニャのタリアテッレ・ラグーなど、土地ごとの味の違いが具体的に描かれます。ただのグルメ紹介で終わらず、ピザの歴史を古代ローマからたどったり、オリーブオイルの選び方や自宅で再現できるレシピまで網羅。「食べるために旅する」人の欲求に応える実用性があります。美食の背景にある人々の暮らしや温かさも感じられる一冊です。
こんな人におすすめ
イタリア料理を愛する人、これからイタリア旅行を計画している人に。各章がテーマ別なので、気になる章から読めるのも魅力。現地の味を家で再現したい人にも役立ちます。
良い点
- テーマ別で読みやすい
- 歴史やレシピも学べる
- 地域ごとの食文化がわかる
気になる点
- 扱うテーマが多く読み応えがある
- 旅行記というより食文化解説の比重が大きい
- ピザやパスタの好みで読む章が偏る
出版社
詳細情報なし
発売日
2024年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
イタリアンの本だと、レシピ本か観光ガイドかに分かれそうなイメージがあるんですけど、これはどうなんですか?
佐藤メバル
いい質問ですね。この本はイタリア各地を巡りながら、料理・ピザ・パスタ・ジェラート・ワイン・オリーブオイル・デザートと、テーマごとに食文化を掘り下げる旅行記です。
ナポリのトマトソースとボローニャのタリアテッレ・ラグーを比べたり、ピザの歴史を古代ローマからたどったりと、読み物としての深さがあります。
橘ナナミ
なるほど。ただのグルメ紹介じゃなくて、背景までわかるのが読みどころなんですね。
佐藤メバル
そう。さらに各章には自宅で楽しむためのヒントやレシピもあって、「食べるためにイタリアへ行く」人にはたまらない構成です。
ワインと料理のペアリングやオリーブオイルの選び方までカバーしているので、旅の前の予習にも、旅のあとの復習にも使えますよ。

世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記
藻谷浩介 著|毎日新聞出版
¥1,210(税込)
地域エコノミストの藻谷浩介さんが、世界90カ国を巡って見聞きした「まちかど経済」をまとめた知的旅行記です。オイルマネーで変わる旧ソ連諸国、一帯一路のスリランカ、台湾新幹線と都市集中の問題など、ニュースの裏側にある現地の空気を伝えます。人口問題や地理・歴史の教養を縦横無尽に織り交ぜながら、実際に足を運んだからこそ見える構造を解説。「旅行記」と「経済書」のあいだを行き来する唯一無二の面白さがあります。ビジネスパーソンにも読み応え十分です。
こんな人におすすめ
世界経済のいまを現地の目線で知りたい人、ニュースの背景を深掘りしたい社会人に。移動中のスキマ時間に1章ずつ読むのもおすすめ。地理好き・歴史好きにはたまらない教養書です。
良い点
- 地理と経済が一緒に学べる
- 実際に歩いた現場の臨場感
- 1章完結で読みやすい
気になる点
- 経済の知識がないと難しい部分も
- 旅行の気分を味わう本ではない
- 観察記録なので鮮度が落ちる
出版社
毎日新聞出版
発売日
2018年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、旅行記ってタイトルですけど、表紙も内容もなんだか難しそうで…私でも読めるでしょうか?
佐藤メバル
大丈夫ですよ。著者の藻谷浩介さんは『デフレの正体』や『里山資本主義』で知られる地域エコノミストで、自ら「地理おたく」と公言するほど世界90カ国を歩いています。
この本はその旅の記録でありながら、現地の市場や人の流れから経済の実態を読み解く知性派の一冊。たとえばカリーニングラードを「ドイツの北方領土」と呼んで、歴史のねじれを説明する章など、地理が苦手な私でもなるほどと納得できる語り口です。
橘ナナミ
へえ、観光名所ではなく経済の現場を見て回る旅なんですね。具体的にはどんな話が載ってるんですか?
佐藤メバル
オイルマネーで急成長する旧ソ連諸国、中国の一帯一路が関わるスリランカ、台湾・韓国・中国の高速鉄道の乗り比べ、南米と北米の“すみっこ”から見える世界など。
ニュースで名前を聞く場所が、現地ではどうなっているのかがリアルに伝わってきます。旅の楽しさと学びの濃さを両取りしたい方にうってつけですよ。

インド旅行記1 北インド編 (幻冬舎文庫)
中谷美紀 著|幻冬舎
¥781(税込)
女優・中谷美紀さんが単身インドに乗り込み、38日間の旅で遭遇するトラブルの連続を描いた旅行記です。チューブわさびで体内消毒に励んだり、腹痛でホテルにこもったり、パスポートを盗まれて警察署長に懇願書を書いたり……。華やかなイメージとのギャップが笑いを誘いますが、一方でインドの人のたくましさや温かさも伝わってきます。「失敗も思い出」になる旅の本質を、涙と笑いで教えてくれる一冊。観光情報というより、一人旅の痛快エッセイとして楽しめます。
こんな人におすすめ
インドに興味がある人、一人旅の非日常を疑似体験したい人に。女優の等身大の語りが面白く、電車の中でも読みやすい。「旅は思い通りにならない」と知っておきたい人にぴったりです。
良い点
- 等身大で笑える
- インドの空気が伝わる
- 読みやすい文庫サイズ
気になる点
- ハプニング中心で観光情報は少なめ
- 身体のトラブル描写が苦手な人は注意
- 女優さんを知らないと入りにくいかも
出版社
幻冬舎
発売日
2006年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
女優さんがあんなにボロボロになる旅の話って、逆に新鮮です。パスポート盗まれたり、腹痛になったり…。
佐藤メバル
そうなんですよ。中谷美紀さんが単身インドを38日間旅するんですが、まず持参したウエットティッシュやチューブわさびで体調管理に奮闘し、それでも腹痛に倒れる。
町ではパスポートを盗まれて警察署長に懇願書を書く。もう笑うしかない展開が続きます。でも、そこを乗り越えた先に現地の人のあたたかさが見えてくるんですね。
橘ナナミ
きれいな絶景とか、すてきな出会いだけじゃないリアルな旅って感じです。
佐藤メバル
ええ。観光ガイドには載らない、旅の生々しい手触りがあります。特に「一人で海外に行きたいけど不安」という人には、失敗しても何とかなるんだと思わせてくれる心強さがあるでしょう。
シリーズ第1弾として、この北インド編から読むのがおすすめです。

ガリヴァー旅行記 (福音館古典童話シリーズ 26)
ジョナサンスウィフト 著|福音館書店
¥2,750(税込)
ジョナサン・スウィフトによる古典『ガリヴァー旅行記』の福音館版です。15センチほどの小人国と20メートルを超える巨人国を舞台に、ガリヴァーが巻き込まれる数奇な冒険を描きます。単なる児童文学と思われがちですが、社会風刺や人間の傲慢さへの批判が込められた奥深い作品。約100枚の原書挿絵を完全復刻しているのがこの版の魅力で、18世紀の雰囲気を味わいながら読めます。子どもに読み聞かせるには少し長いかもしれませんが、成長してから再読すると印象が変わる一冊です。
こんな人におすすめ
古典文学に触れたい大人や、世界の名作を子どもに読ませたい人に。挿絵を眺めるだけでも楽しめる。ファンタジーと風刺の両方を味わいたい人におすすめです。
良い点
- 原書挿絵が完全復刻
- 古典の風刺が楽しめる
- 読み応えのある長編
気になる点
- 608ページと長い
- 児童向けにしては本格的
- 現代の感覚には冗長に感じる部分も
出版社
福音館書店
発売日
1988年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ガリヴァー旅行記って、子どもの頃に絵本で読んだ記憶があるんですけど、こんなに分厚いんですね。
佐藤メバル
福音館古典童話シリーズの1冊で、約100枚の原書挿絵を完全復刻した本格版です。お話の骨格はご存じの通り、小人の国や巨人の国での冒険ですが、スウィフトは当時の社会や政治を風刺するためにガリヴァーを旅に出させたんです。
絵本ではわからなかった皮肉が、原文に近いこの版ではしっかり伝わってきますよ。
橘ナナミ
なるほど。子ども向けの話だと思ってたけど、大人が読んでも深いんですね。
佐藤メバル
そう。巨人の国では、自分が小さな存在になることで人間の傲慢さが見えてくる。このシリーズは長さもありますが、挿絵がたっぷり入っているので、文学入門にもぴったりです。
あとで「実はこういう意味だったんだ」と気づく楽しみも、この作品の醍醐味ですね。

いつも旅のなか (角川文庫)
角田光代 著|KADOKAWA
¥880(税込)
作家・角田光代さんが世界中を歩き回った旅エッセイです。ロシアの国境で役人に怒鳴られながら尿意に耐え、キューバでは人々の暮らしに染み込んだ音楽とリズムに驚く。旅先のハプニングや出会いを通じて、五感と思考をフルに働かせます。キャッチコピーの「仕事も名前も年齢も、何も持っていない自分に会いにゆこう」という言葉が示すように、日常の自分を手放す感覚が味わえます。旅の開放感と孤独感のバランスが絶妙で、読み終わると自分も出かけたくなります。
こんな人におすすめ
エッセイ好きや、旅の感覚を文章で追体験したい人に。移動中の短い時間にも向く。「自分探し」ではなく「自分を手放す」旅に興味がある人へ。
良い点
- 著者の視点がおもしろい
- 世界の空気を言葉で体感
- 文庫で持ち歩きやすい
気になる点
- 観光情報はほぼない
- エッセイの好みが分かれる
- 場所の背景知識があるとより楽しめる
出版社
KADOKAWA
発売日
2008年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『仕事も名前も年齢も、何にも持っていない自分に会いにゆこう』っていう言葉、すごく刺さりました。
佐藤メバル
角田光代さんの旅エッセイですね。ロシアの国境では居丈高な巨人職員に怒鳴られながら激しい尿意に耐えるという、もうハラハラする場面から始まります。
でもそこで終わらないのが彼女の筆力で、キューバでは音楽とリズムが人々の命そのもののようにしみこんでいる様子を、五感を総動員して描くんです。
橘ナナミ
読んでるこっちまで息が詰まるような場面と、解放されるような場面が両方あるんですね。
佐藤メバル
ええ。この本はガイドブック的な情報ではなく、旅のさなかに感じる生々しい思考が全部詰まっています。「旅に出たいけれど理由がほしい」という人よりも、旅の空気をそのまま味わいたい人にぴったりですよ。

コロナ後のアジアを旅する (朝日文庫)
下川裕治 著|朝日新聞出版
¥990(税込)
元祖バックパッカー下川裕治さんが、コロナ禍を経て様変わりしたアジアを歩く旅行記です。空港手続きのオンライン化、街のキャッシュレス化、物価高で路線バス利用が増える事情、中国人観光客に代わって存在感を増すインド人など、現地に足を運ばなければわからない変化が次々と見えてきます。「旅の当たり前」が更新される瞬間に立ち会うような面白さがあります。ミャンマー情勢を伝えるコラムも印象的で、単なるノスタルジーではなく、現在進行形のアジアを記録した一冊です。
こんな人におすすめ
アジア旅行の変化を知りたい人、かつてバックパッカーだった大人、海外の今をリアルに感じたい人に。これからアジアに行く人の最新予習にも。
良い点
- コロナ後の実態がわかる
- 短いコラムが読みやすい
- バックパッカー視点が楽しい
気になる点
- 対象エリアがアジア中心
- 現地情報は鮮度が命
- 下川さんの文脈を知らないと入りにくい
出版社
朝日新聞出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
コロナ後のアジアって、ニュースでは経済の話ばかりで、実際どう変わったのかイメージできなくて…。
佐藤メバル
この本はそのもやもやに答えてくれます。下川裕治さんは東南アジアのバックパッカー旅を長く書き続けてきた人ですが、コロナ後に現地へ行くと、空港手続きがオンライン化し、街ではキャッシュレス化が進んでいた。
物価高で路線バスに乗る人も増え、中国人観光客に代わってインド人の存在感が増している。そういう“現地の空気”がびっしり記録されているんです。
橘ナナミ
旅行記なのに、経済の変化もちゃんと見えてくるんですね。
佐藤メバル
そう。だからビジネスでアジアを見ている人にもおすすめです。コラムでは、コロナが生んだ『ミャンマー速報』や、消えゆくカオサン通りなど、ネット時代の旅の変化も伝えています。
これからアジアへ行く人はもちろん、昔の旅を懐かしむ人にも響く一冊ですよ。

世界100ヵ国の旅で出会った人たちが教えてくれた 人生で大切なこと
旅人KAD(かど) 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,980(税込)
世界100カ国以上を訪れた旅人が、旅先で出会った「名もなき人々の言葉」を50篇集めたエッセイです。成功者の哲学書ではなく、市場で働く人やカフェの店員、バルで隣に座った人など、普通の人たちの等身大の言葉が並びます。「誰かを許すのは、その人のためじゃない」といった言葉には、国も肩書きも関係なく心を揺さぶる力があります。元建築士らしい写真の美しさも魅力で、景色を見るだけでも世界一周気分が味わえます。日常に窮屈さを感じる人に、そっと寄り添ってくれる一冊です。
こんな人におすすめ
「このままでいいのかな」と感じる人、海外の様々な生き方に触れたい人に。1話完結なので朝読書にも。煮詰まったときの心の処方箋としてもおすすめです。
良い点
- 50の言葉が短く読みやすい
- 世界の写真が美しい
- 多様な価値観に触れられる
気になる点
- 自己啓発書の要素が強い
- 実際の旅のガイドではない
- 言葉の受け取り方は人それぞれ
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「成功者の哲学書ではなく、名もなき人々の言葉」っていうコンセプトがいいですね。どんな言葉が載ってるんですか?
佐藤メバル
たとえば、旅先で出会ったドイツ人の「誰かを許すのは、その人のためじゃない。許せない相手に自分の人生を支配させないためだ」という言葉。
スペインのバルで出会ったおじさんの「休日に仕事?それは犯罪だ」といった言葉もあります。どれもすごく等身大で、でもハッとさせられるんです。
橘ナナミ
わあ、本当だ。聞いた瞬間に自分の考え方を見直しそうになります。
佐藤メバル
そう。世界中の名もなき街角の哲学が50篇も入っていて、写真もカラーでたっぷり。旅に出られないときでも、ページを開けば世界の空気と違う価値観に触れられます。
「私、このままでいいのかな」と迷っている人にこそ手に取ってほしい一冊です。

60代から夢をかなえる ひとり旅 まずは1泊2日から!自由で気楽、思いのままに自分だけの時間を満喫する方法(仮)
ショコラ 著|すばる舎
¥1,760(税込)
67歳でパートをやめ、年金生活に入った著者が、貯めたお金で定期的にひとり旅を楽しむための知恵をまとめた一冊です。まず1泊2日から始める提案や、ひとり参加ツアーでポツンとしない方法、予算の緩急のつけ方など、具体的なノウハウが満載。「何かを始めるのに遅すぎることはない」と背中を押してくれる内容で、旅先の写真も豊富。老後資金に不安がある人にも、無理のない範囲で楽しむヒントが得られます。
こんな人におすすめ
60代以降の女性を中心に、夫婦やグループではなく自分ひとりで旅をしてみたい人。健康や体力に不安がある人にも、1泊2日から挑戦する道筋を示します。老後の楽しみを増やしたい人に。
良い点
- 1泊2日から始められる
- シニア女性の実例が具体的
- ひとり参加ツアーのコツが満載
気になる点
- 対象が60代女性に絞られる
- 著者の個人体験が中心
- 写真が多く文字量は控えめ
出版社
すばる舎
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
60代からひとり旅って、なんだかとても希望があるタイトルですね。若い私でも、将来のこと考えちゃいます。
佐藤メバル
著者のショコラさんは67歳でパートをやめ、年金生活に入ってから、パート時代に別で貯めたお金でひとり旅を始めます。
この本のいいところは、「まずは1泊2日から」とハードルを下げてくれるところ。ひとり参加のツアーでどうやってなじむか、予算をどう組み立てるかといった実践的なコツが具体的に書かれています。
橘ナナミ
旅行に行きたいけど、年齢が…と躊躇している人にぴったりですね。
佐藤メバル
そう。実際、シニア女性の旅行需要は高まっていて、この本はそうした流れに応える一冊です。旅先の写真と一緒に「老後をどう楽しむか」という提案が詰まっているので、読むと自分が歳を重ねることにも前向きになれますよ。

旅で人生が動き出す 大人のための穴場旅案内
守岡裕志(もーりーチャンネル) 著|KADOKAWA
¥2,090(税込)
「旅はお金がかかるだけ」と思っていた著者が、旅を通じて価値観を大きく変え、人生を豊かにしていくまでを描いたガイド&エッセイです。圧倒的な絶景や離島の穴場旅のロマン、現地の人との交流など、リアルな体験談が続きます。そのうえで、実際の旅程やプランニングのコツも紹介しているのが実用的。「旅=レジャー」から「旅=自分への投資」へと発想を転換させてくれます。大人の休日をより深くしたい人に手に取ってほしい一冊です。
こんな人におすすめ
旅にまだ懐疑的な人、これから計画を立てたい人、日常に刺激が欲しい人に。移動や休日の予習としても。自己啓発としての旅に興味がある人へ。
良い点
- エッセイとガイドが融合
- 離島などの穴場情報
- プランニングのコツも載る
気になる点
- 著者の主観が強い
- 体験談なので好みが分かれる
- 情報の網羅性は高くない
出版社
KADOKAWA
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『旅は自己投資!』って表紙に書いてあるの、元気が出ますね。でもお金がかかるのに、よく自己投資って言えますよね?
佐藤メバル
この本の著者自身、かつては「旅なんてお金がかかるだけで意味がない」と思っていたんだそうです。それが実際に旅に出て、圧倒的な絶景や離島ならではのロマン、現地の人との交流を経験することで価値観が変わっていく。
その変化がエッセイとして綴られていて、読み終わると旅へのハードルが下がります。
橘ナナミ
なるほど。体験談だから説得力があるんですね。
佐藤メバル
しかもエッセイだけでなく、実際の旅程やプランニングのコツも載っています。「人生が動き出す」と言われると大げさに聞こえるかもしれませんが、自分を知るきっかけとしての旅を、この本は丁寧に教えてくれますよ。

日本の絶景 超完全版
JTBパブリッシング
¥2,420(税込)
全国47都道府県の絶景を1000点以上、512ページのボリュームで紹介するビジュアルガイドです。巻頭特集では「日本を照らす光の絶景」や「浮世絵に描かれた日本の絶景」を取り上げ、一生に一度は見たいレア絶景も網羅。県別に構成されているので、旅行先を決めるときに眺めるのに最適です。「一家に一冊」という言葉に偽りなしの充実度で、世界遺産情報や外国人から見た日本の絶景コラムなど、読み物としても楽しめます。
こんな人におすすめ
国内旅行の計画を立てたい人、日本の景色を見て癒やされたい人に。行ったことのない県の絶景を発見できるので、次の休みの行き先に迷っている人におすすめです。
良い点
- 1000点以上の絶景写真
- 県別で計画に使いやすい
- 特集やコラムも充実
気になる点
- 情報量が多く持ち運びには不向き
- 1つの絶景の説明は簡潔
- 写真メインで読み物を期待すると物足りない
出版社
JTBパブリッシング
発売日
2020年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1000点以上の絶景って、すごいですね。パラパラめくっているだけで旅行気分になれそうです。
佐藤メバル
JTBが出している超完全版で、北海道から沖縄まで県別に絶景がずらりと並びます。眺めるだけでも楽しいですが、巻頭特集が凝っていて、「日本を照らす光の絶景」では亀岩の洞窟や父母ケ浜といったフォトジェニックな名所を、「浮世絵に描かれた日本の絶景」では富士山や日本三景を違う角度から見せてくれます。
橘ナナミ
写真集としてもガイドとしても使えそうですね。
佐藤メバル
ええ。実際に「次の休みにどこへ行こう?」と迷ったとき、県別ページを開いて決めるという使い方がおすすめです。
世界遺産情報や外国人から見た日本の絶景コラムもあるので、眺めているうちに新しい行き先の候補が増えていくはずですよ。

死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 日本編
詩歩 著|三才ブックス
¥1,330(税込)
第1作『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』に続く、日本の絶景に特化した写真集&ガイドです。全国47都道府県から、25万枚を超える写真の中の60枚を厳選。青い池、知床の流氷、雪の鳥取砂丘など、実際に行ける絶景を「あした、どこ行こう?」の合言葉で紹介します。写真集として美しく、実用書として使える二面性が魅力。行き方や予算を記したガイド付きで、印刷や製本にもこだわった一冊です。
こんな人におすすめ
絶景写真を眺めるのが好きな人、週末のお出かけ先を探している人に。SNS映えする場所を知りたい人にも。写真の美しさにこだわりたい人へ。
良い点
- 全国47都道府県をカバー
- 写真と実用ガイドが両立
- 上質紙できれい
気になる点
- 60枚に絞られている
- 写真集としてはページ数は少なめ
- 人気スポットが中心の傾向
出版社
三才ブックス
発売日
2014年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『死ぬまでに行きたい!』ってタイトルが強いですね。前作が世界編だったのは知ってますけど、今回は日本だけなんですね。
佐藤メバル
そうです。読者から要望が多かった『日本の絶景』をテーマに、25万枚を超える写真の中から60枚を厳選しています。
青い池や知床の流氷、雪の鳥取砂丘など、誰もが一度は見たいと思う景色が、実際に行ける形で紹介されているのが特徴です。
橘ナナミ
写真がきれいなのはもちろん、行き方や予算まで載ってるんですね。
佐藤メバル
そこがこの本の二面性の魅力です。写真集としてインテリアに置いてもいいし、気になった絶景をそのまま週末の計画にできます。
印刷は上質紙を使い、製本にもこだわっているので、手に取ったときの満足感も高いですよ。

いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日
TABIZINE 著|パイインターナショナル
¥2,090(税込)
日本全国の美しい景色を、行くのに最適な時期とともに「365日」に分けて紹介する絶景集です。春の桜や菜の花、夏の浜辺や涼しい山、秋の紅葉、冬の雪景色やイルミネーションまで、四季折々の表情を楽しめます。桜や紅葉の名所から手つかずの自然が残る秘境まで、「日本にもこんな景色があったのか」と驚かされるラインナップです。カレンダーをめくるように絶景を選べる構成がユニークで、今日はどこが一番きれいな季節だろう、とページを開くのが楽しくなります。
こんな人におすすめ
季節の移ろいを大切にしたい人、月ごとのお出かけ計画を立てたい人に。誕生日や記念日の旅行先を探すのにも便利。「いつ行くか」から決めたい人におすすめです。
良い点
- 365日分の絶景が載る
- 季節ごとのベスト時期がわかる
- 写真が美しい
気になる点
- 1日分の情報は短め
- 地域は日本限定
- 各スポットの詳細は少なめ
出版社
パイインターナショナル
発売日
2020年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
365日分の絶景って、読んでるだけで「今日はどこがきれいな日?」って知りたくなりますね。
佐藤メバル
TABIZINEという旅メディアが出した本で、日本全国の景色を「行くのに一番おすすめの時期」と一緒に紹介しているんです。
春なら桜や菜の花、夏なら浜辺や高原、秋は紅葉、冬は雪景色やイルミネーション。季節ごとの最盛期が日付でわかるので、予定を立てやすいのが大きな魅力です。
橘ナナミ
普通の絶景本だと「いつ行くか」は自分で調べないといけないですもんね。
佐藤メバル
そこがこの本の最大のポイントです。たとえば「10月の連休にどこへ行こう?」と思ったら、その時期のページを開けばベストな絶景が並んでいる。
カレンダーのように使えるから、旅行の計画が具体的になりますよ。自然の風景だけでなく、花火やイルミネーションなど季節の行事もカバーされているんです。

おとな「ひとり温泉旅」のススメ (知的生きかた文庫)
植竹深雪 著|三笠書房
¥869(税込)
全国3600もの湯に浸かってきた温泉ジャーナリストが、ひとり温泉旅の魅力とノウハウを綴ったエッセイです。「SNSを見るだけでいい温泉宿がわかる?!」「有名温泉地はひとり旅に不向き?!」など、思わずうなずく視点から、秘湯のスタンプ帳やコバルトブルー温泉のような知る人ぞ知る話まで盛りだくさん。温泉医学の専門家による解説付きで、「なんとなく温泉に行きたい」を「ちゃんと計画したくなる」に変えてくれます。
こんな人におすすめ
温泉に行きたいけれど一人で行くのは気が引ける人、温泉の選び方を知りたい人に。仕事帰りのリフレッシュや、ひとり旅デビューにも。心身を癒やしたい人への一冊です。
良い点
- 著者の経験が具体的
- 温泉の知識が学べる
- 気軽に読める文庫サイズ
気になる点
- 文庫で情報が古くなり得る
- エッセイとして好みが分かれる
- 具体的な宿のデータは少なめ
出版社
三笠書房
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
温泉は好きですけど、ひとりで行くのはちょっと勇気が要ります。この本は背中を押してくれそうですか?
佐藤メバル
大丈夫ですよ。著者は全国3600湯を巡ってきた温泉ジャーナリストで、ひとり温泉旅のコツをたくさん教えてくれます。
たとえば、SNSでいい温泉宿を探す方法、有名温泉地はひとり旅に不向きな場合がある話、はしご湯のすすめ、出会えたら奇跡のコバルトブルー温泉など、知る人ぞ知る情報がぎっしり。
橘ナナミ
へえ、SNSって「映え」だけじゃなくて、宿選びにも使えるんですね。
佐藤メバル
そこがポイントです。ひとり旅は自分ペースで動けるのが最大の魅力。この本には、誰にも気を遣わずに湯に浸かって、郷土料理を食べて、地酒を飲んでゴロゴロする至福の時間が詰まっています。
温泉医学の専門家による解説もあるので、体にいい温泉の選び方も学べますよ。

おでかけアンソロジー ふたり旅 一緒だと、もっと楽しい (だいわ文庫)
阿川佐和子 著|大和書房
¥880(税込)
「おでかけアンソロジー」シリーズの最新刊で、夫婦、親子、友達、親戚、たまたま旅先で一緒になった人など、「ふたり旅」をテーマにしたエッセイを集めたアンソロジーです。関係性の違いによって、旅の楽しさも気遣いも変わってくるところが読みどころ。ベストセラー『ひとり旅』の姉妹本という位置づけで、「旅は誰と行くかでこんなに違う」を実感できます。短編が並ぶので、電車や旅先での読書にぴったりです。
こんな人におすすめ
旅エッセイを色々な視点で読みたい人、大切な人と旅行する前に読みたい人に。「ふたり旅の空気感」を味わいたい人へ。
良い点
- 多様な関係性のエッセイが読める
- 短編集で読みやすい
- 文庫サイズで持ち歩ける
気になる点
- テーマがふたり旅に限られる
- 執筆者の好みに左右される
- 観光ガイド情報はない
出版社
大和書房
発売日
2026年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『ひとり旅』の姉妹本なんですね。でも「ふたり旅」って、相手によってぜんぜん性格が変わりそうで、面白そうです。
佐藤メバル
アンソロジーなので、夫婦、親子、友達、親戚、旅先で偶然一緒になった人まで、さまざまな「ふたり」が出てきます。
楽しい思い出だけじゃなく、価値観の違いにハッとしたり、逆に相手の新たな一面を知ったり。関係性によって旅の表情がここまで違うのかと、読み比べるのが楽しい一冊です。
橘ナナミ
ふたり旅ならではの、息を合わせる感じとか、気を遣う感じもリアルに書かれていそうですね。
佐藤メバル
そう。ひとり旅は自由だけど、ふたり旅は「一緒にいること」自体が旅の風景になります。特にこれから友達や家族と旅行に行く人は、この本を読んでから出発すると、いつもの旅がちょっと違って見えるかもしれませんよ。

おでかけアンソロジー ひとり旅 いつもの私を、少し離れて (だいわ文庫)
阿川佐和子 著|大和書房
¥880(税込)
だいわ文庫の新しいシリーズ「おでかけアンソロジー」第1弾。41人の著者が「ひとり旅」をテーマに綴った珠玉のエッセイを収録しています。角田光代、村上春樹、池澤夏樹、江國香織、西加奈子、椎名誠など、顔ぶれを見るだけでも贅沢。ひとり旅の解放感、自由さ、時々の寂しさまで、時代も行き先も異なる旅の感情を“いいとこどり”で味わえます。移動中にページを開けば、その場で旅に出た気分になれる一冊です。
こんな人におすすめ
旅エッセイの名作をまとめて読みたい人、移動時間に短編を読みたい人に。作家それぞれの「ひとり旅」を比較する楽しみがあります。
良い点
- 41人の名作が読める
- 短編でいつでも読める
- 作家の個性が光る
気になる点
- 1編ごとに好みが分かれる
- 観光情報はほぼない
- 通読するより拾い読み向き
出版社
大和書房
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
41人も集まるなんて、読みごたえありそうですね。文庫で持ち歩きながら、ちょこちょこ読むのに良さそうです。
佐藤メバル
本当に豪華ですよ。角田光代、村上春樹、池澤夏樹、江國香織、西加奈子、椎名誠、阿川佐和子…そうそうたる顔ぶれが「ひとり旅」をテーマにエッセイを寄せています。
旅先での解放感、誰にも気兼ねしない自由さ、でも時々感じる寂しさみたいなものまで、それぞれの言葉で描かれているんです。
橘ナナミ
同じテーマでも、作家によって切り口が違いそうですよね。
佐藤メバル
そこがアンソロジーの醍醐味です。たとえば村上春樹さんは鞄の話、江國香織さんは夜の新幹線の寂しさ、西加奈子さんは旅行の「ヤー!」という感覚。
肩肘張らずに、そのときの気分で1編ずつ読めるのがいいですね。旅のお供にも、家で旅気分に浸りたい日にも合いますよ。

スマホを置いて旅したら
ふかわりょう 著|大和書房
¥1,540(税込)
お笑い芸人・ふかわりょうさんが、突如思い立って「3泊4日のスマホなし旅」に出た記録です。向かった先は岐阜県美濃地方。スマホを手放したからこそ出会った景色や人との時間が、静かに綴られています。「このままでは、私がアプリになってしまう」という言葉に、現代人のスマホ依存への問いかけが込められています。デジタルデトックスというより、元々あった彩りを取り戻す旅。著者の素朴な気づきが、読む人にも「自分にとって大切なもの」を考えさせてくれます。
こんな人におすすめ
スマホを手放せないと感じている人、日々の生活に彩りが欲しい人に。旅の計画というより、読んで心を整えたい日に。デジタル依存をゆるやかに見直したい人におすすめです。
良い点
- 等身大の問いかけが響く
- 短時間で読める
- 美濃の風景が目に浮かぶ
気になる点
- 具体的な観光情報は少ない
- 著者の主観が強い
- 刺激を求める人には物足りない
出版社
大和書房
発売日
2023年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『このままでは、私がアプリになってしまう』って衝撃的です。確かに気づいたらスマホを触ってます…。
佐藤メバル
ふかわりょうさん自身も、スマホに依存している感覚があったんだと思います。この本は、その不安から突如始めた3泊4日のスマホなし旅の記録です。
行き先は岐阜県美濃地方。なぜここを選んだのか、途中で何を見たのか、スマホを置いたからこそ気づいた時間や感触が、静かに描かれています。
橘ナナミ
スマホを悪者にしないスタンスも、押しつけがなくていいですね。
佐藤メバル
著者コメントでも「スマホを悪者にするつもりはない」と言っています。旅を通じて、スマホによって省かれてしまった時間を取り戻せたら、という柔らかな態度です。
だから読んだあとも、嫌な気持ちにならず、自分もスマホを少し置いて散歩に出てみようかな、と思えますよ。

50歳からのごきげんひとり旅 (だいわ文庫)
山脇りこ 著|大和書房
¥924(税込)
料理家の山脇りこさんが、50歳でひとり旅を始めて虜になった体験をもとに綴ったエッセイです。準備の仕方、国内・海外のおすすめプラン、必ず行きたいお店情報など、ひとり旅を助けるノウハウが満載。年齢を重ねてからの旅は、若い頃とは違う「ごきげん」があるんだと気づかせてくれます。「今からでも遅くない」と思える実例がここにあります。メディアでも紹介された人気の一冊で、50代以降の新しい楽しみを探している人にぴったりです。
こんな人におすすめ
50歳を過ぎてひとり旅を始めたい人、料理好きで食の旅を楽しみたい人に。実際のプランを見ながら、自分の旅をイメージしたいときにおすすめ。人生後半の楽しみを探している人へ。
良い点
- 50歳からのリアルな視点
- ノウハウが具体的
- 国内・海外のプランが載る
気になる点
- 著者の経験に基づくので合わない人も
- 文庫で情報が古くなり得る
- 食中心の人は好みが分かれる
出版社
大和書房
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
50歳からひとり旅をはじめるって、すごく勇気が要りそうですが、この本はその背中を押してくれそうですね。
佐藤メバル
料理家の山脇りこさんが、まさに50歳でひとり旅をはじめ、その楽しさに目覚めた体験を綴っています。準備の仕方、国内・海外のおすすめプラン、お店の選び方まで具体的。
年齢的に体力に不安がある人でも、無理なく続けられる工夫がちりばめられているんです。
橘ナナミ
読むと、自分も「まだ間に合うんだ」って思えますね。
佐藤メバル
そう。この本がたくさんの人に読まれているのは、きっと「人生後半の楽しみはひとり旅で決まり」という言葉に勇気をもらえるからでしょう。
旅先での写真も豊富で、行ってみたい場所を想像しながら読むと、自然と予定を立てたくなりますよ。

ひとり旅を趣味にする
Sunchannel 著|マイナビ出版
¥1,881(税込)
チャンネル登録者数39万人以上のYouTuber「Sunchannel」による初の著書です。日本全国25か所の観光地について、日帰りコースと1泊コースを具体的に紹介しています。行きたいところを自分のペースで回れるのがひとり旅の魅力ですが、自由度が高いぶん計画が難しい。この本はコースが決まっているので、「何をしていいかわからない」をそのまま解決してくれます。写真や動画で見せてきたノウハウが、紙面でも存分に活かされた一冊です。
こんな人におすすめ
ひとり旅を始めたいけれど計画の立て方がわからない人、日帰りで楽しめる場所を探している人に。YouTuberの視点を取り入れたい人にも。
良い点
- 25か所のモデルコース
- 日帰り&1泊の両方
- Sunchannelの視点
気になる点
- 海外は対象外
- YouTubeの内容と重複するかも
- 情報量はコンパクト
出版社
マイナビ出版
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
チャンネル登録者数39万人以上のYouTuberさんが書いた本なんですね。いまどきのひとり旅の本って感じがします。
佐藤メバル
Sunchannelさんは、自分の行きたい場所を自分のペースで回るひとり旅の魅力を発信している人です。
この本では日本全国25か所について、日帰りコースと1泊コースが具体的にまとめられています。「自由度が高いのはいいけど、何をすればいいかわからない」という初心者にとって、モデルコースがあるのは本当にありがたいんです。
橘ナナミ
決まったコースがあるなら、私でもすぐ真似できそうです。
佐藤メバル
でしょう? 行き方や時間配分のイメージが湧くので、初めてのひとり旅でも不安が減ります。YouTubeで見た人も、紙面でゆっくり計画を確認できるのがこの本の良さです。
ひとり旅を「趣味」と公言できるようになる、最初の一歩にぴったりですよ。

迷宮ホテル 異国の路地と宿の物語を彷徨い歩く
関根虎洸 著|辰巳出版
¥1,980(税込)
タイトル通り、異国の路地と宿の物語を彷徨い歩く一冊です。観光名所を効率よく回るガイドではなく、迷宮のように入り組んだ路地に足を踏み入れ、そこで息づく宿を訪ねる「迷い込む楽しみ」に満ちています。ホテルは眠る場所ではなく、旅の記憶そのものになるのだと気づかせてくれます。「迷うこと」を旅の目的にするという視点が新鮮で、あてもなく歩きたい人や、人の気配を感じる場所が好きな人に刺さる内容です。路地と宿という切り口に絞ったことで、他の旅行記とは一線を画しています。
こんな人におすすめ
観光名所より路地裏が好きな人、ホテルステイ自体を楽しみたい人に。気ままに読み進められる短い章構成なら、移動時間の読書にも。「目的地を決めずに歩きたい」人への一冊です。
良い点
- テーマが独特
- 路地と宿という切り口
- 異国の空気を感じられる
気になる点
- 情報量は控えめ
- 派手さがない
- 好みが分かれる
出版社
辰巳出版
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『迷宮ホテル』ってタイトル、すごく気になります。どんな本なんですか?
佐藤メバル
文字通り、異国の路地と宿の物語を彷徨い歩く旅行記です。観光地をチェックリストで巡るのではなく、迷宮のような路地に迷い込み、そこで出会った宿を訪ねていく。
旅先のホテルが、単なる眠る場所ではなく、その土地の時間そのものとして立ち現れてくるような一冊です。
橘ナナミ
あえて迷うことを楽しむ旅、いいですね。決めすぎないのが逆に思い出になりそうです。
佐藤メバル
ええ。この本は「旅先で何を見るか」よりも「どこをどう歩くか」に焦点を当てています。路地と宿というテーマに絞っているからこそ、他の旅行記では見落とされてしまう街の表情が味わえます。
あてもなく歩くのが好きな人や、ホテルでの時間を大切にしたい人におすすめです。

海外個人旅行のススメ (朝日文庫 お 44-1)
尾崎哲夫 著|朝日新聞出版
「海外個人旅行」をテーマに、飛行機やホテルの手配から現地での過ごし方までをまとめた一冊です。パッケージツアーではなく、自分で計画して海外を歩く楽しみを丁寧に伝えます。観光地をまわるだけでなく、「旅を自分でデザインする」面白さを教えてくれるのが魅力。海外旅行の経験が少ない人にも、一歩踏み出すための具体的なヒントが得られる内容です。手軽な文庫サイズなので、出発前の予習にぴったりです。
こんな人におすすめ
パッケージツアーに頼らず自分のペースで旅をしたい人、初めての海外ひとり旅を考えている人に。出発前に読みたい入門書としておすすめです。
良い点
- 個人旅行の基本がわかる
- 文庫で読みやすい
- ツアーとの違いが整理できる
気になる点
- 出版から時間が経つと情報が古い
- 海外経験者には物足りない
- 特定の国や地域のガイドではない
出版社
朝日新聞出版
発売日
1999年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
海外旅行って、パッケージツアーでも不安なのに、個人旅行なんて私にできるかな…。
佐藤メバル
そう思う人が多いからこそ、この本の存在意義があるんです。『海外個人旅行のススメ』は、飛行機やホテルの手配から現地の歩き方まで、個人旅行の基礎をまとめた一冊。
いきなり自由自在に旅するハードルを、ひとつずつ下げてくれます。
橘ナナミ
自分で全部決めるのは大変そうですが、その分自由ですもんね。
佐藤メバル
そうです。観光地を回るだけではない、自分だけの旅程を作る面白さがあります。この本は「海外個人旅行を始めたいけど、何から準備すればいいかわからない」という人にちょうどいい入門書です。
文庫なので、出発の飛行機の中で読み返すこともできますよ。

「好き」を追求する、自分らしい旅の作り方:海外旅行に役立つアイデアとワンテーマ旅のすすめ
auk 著|誠文堂新光社
ありきたりな観光地めぐりではなく、「好きなこと」を軸に旅を作るためのガイドブックです。ローカル料理の研究やサウナ巡り、世界一周など、テーマ別の旅のアイデアが豊富に紹介されています。エリア別の基本情報、安い航空券の探し方、LCCの良い点・悪い点、達人によるパッキング術まで網羅し、最後に台湾弾丸ツアーとオランダ・ベルギー1週間の実例も収録。「旅の目的は自分で作れる」と気づかせてくれる一冊です。
こんな人におすすめ
マンネリ旅に飽きた人、自分の趣味を旅にしたい人、初めての海外一人旅を計画中の人に。「テーマ旅」のアイデアが欲しい人におすすめです。
良い点
- テーマ別の旅アイデア
- 予約や持ち物の実用情報
- 実例つきでイメージしやすい
気になる点
- 内容が多岐にわたり読み込みが必要
- 大人女子向けのテイスト
- 網羅的で通読に時間がかかる
出版社
誠文堂新光社
発売日
2020年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「好きを追求する」って、旅の本には珍しい切り口ですね。ただ観光地を回るだけじゃないんですよね?
佐藤メバル
そうです。この本は、ローカル料理を研究するとか、サウナを巡るとか、思い切って世界一周をテーマにするとか、「自分が好きなこと」から旅を設計する方法を提案しています。
航空券の探し方やLCCの良い点・悪い点、荷物のパッキング術まで載っていて、実用書としてもかなり使えるんです。
橘ナナミ
今度の旅行のテーマを何にしようか、考えるだけでワクワクしますね。
佐藤メバル
でしょう? 本の中には台湾弾丸ツアーとオランダ・ベルギー1週間の実例も収録されていて、具体的な旅程がイメージしやすい。
好きなことがはっきりしている人も、まだ見つかっていない人も、自分だけの旅の作り方が見つかる一冊ですよ。

海外パックツアーをVIP旅行に変える101の秘訣
喜多川リュウ 著|実業之日本社
カリスマ添乗員が、パックツアーを上質な旅行にアップグレードする101の秘訣をこっそり教えてくれます。旅行パンフレットの読み方から、空港の賢い使い方、ホテルやレストランで特別扱いされる方法、ショッピングで負けない術まで、現実的で使えるテクニックが満載。「知っているか知らないか」で旅の質が変わる典型です。さらに海外クルーズの旅も詳しく紹介されており、格安ツアーでも工夫次第でVIP体験に近づけると気づかせてくれる頼もしい一冊です。
こんな人におすすめ
パックツアーは楽だけどもっと快適に過ごしたい人、旅行会社やホテルとの交渉に自信がない人に。これからクルーズ旅行を検討している人にも。
良い点
- 具体的なテクニックが101個
- 添乗員の視点が新鮮
- クルーズ情報も収録
気になる点
- パックツアー前提の内容
- テクニックに好き嫌いが出るかも
- 上級者には既知の内容も
出版社
実業之日本社
発売日
2013年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
パックツアーをVIP旅行に変える、ってすごいタイトルですが、本当にそんなことできるんですか?
佐藤メバル
だからこそ、元添乗員のプロが「秘訣」として教えているんです。旅行パンフレットの読み方ひとつ取っても、どこに注意すればいいかわかるだけで、選ぶツアーの質が変わってきます。
空港での過ごし方、ホテルやレストランで特別扱いされる方法、ショッピングで負けない術。どれも「知っているかどうか」で旅の満足度が大きく違うものばかりです。
橘ナナミ
なるほど。スポーツの試合前に対戦相手の研究をするみたいな感覚ですね。
佐藤メバル
そんなイメージです。さらに後半では海外クルーズの楽しみ方や、格安クルーズの探し方、高級ツアーの落とし穴まで紹介されています。
海外旅行の経験者でも「こんな裏技があったのか」と発見があるはずですよ。

週末海外ひとり旅 (JTBのムック)
ジェイティビィパブリッシング
週末の短い休みに海外へ飛び出す「週末海外ひとり旅」を応援するムックです。0泊2日で楽しむ台北モデルプランを筆頭に、ホーチミン、バンコク、香港、ソウル、ホノルルなど15エリアのダイジェストガイドが収録されています。LCCの活用法、ひとり向けホテルの探し方、スマホアプリ、ひとりご飯テクニック、安全対策まで、「短時間でも海外に行きたい」という欲求に徹底的にこたえた内容。初めてのひとり旅にも頼りになる実用度です。
こんな人におすすめ
有給が取りづらい社会人、週末を有効に使って海外に行きたい人、初めての海外ひとり旅に不安がある人に。「まずは一歩」を踏み出すための情報が詰まっています。
良い点
- 15エリアをカバー
- 0泊2日プランが面白い
- 実用テクニックが満載
気になる点
- 情報が掲載時点のもの
- 各エリアはダイジェスト
- 旅行会社のムックらしい構成
出版社
ジェイティビィパブリッシング
発売日
2018年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「週末海外ひとり旅」、私みたいに長期休みが取りづらい身としてはすごく惹かれます。0泊2日って実際できるんですか?
佐藤メバル
できるんですよ。この本の巻頭特集が「弾丸0泊台北ひとり旅」で、金曜の夜に飛んで日曜に帰るという、短い時間を最大限楽しむモデルプランが紹介されています。
飛行機の中で寝て、現地では朝から観光して…と、時間の使い方がとても具体的です。
橘ナナミ
寝る時間は短くなりそうですが、その分ぎゅっと濃い時間になりそうですね。
佐藤メバル
そうなんです。しかもこのムックは台北やバンコク、香港、ソウル、ホノルルなど15エリアをカバーしているので、目的に合わせて選べます。
LCCの活用法や一人ご飯のテクニック、安全対策まで詰まっているから、初めての海外ひとり旅にも心強い一冊ですよ。

旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ
丸山ゴンザレス&世界トラベラー情報研究会 著|辰巳出版
¥2,062(税込)
人気旅行作家や現役旅人、有名ブロガーなど、旅の賢人たちが知っておくべきルールを解説したガイドブックです。チャートや図解で、事前準備、飛行機・空港、滞在時の過ごし方、トラブル対処、帰国までを網羅しています。バックパッカー、女子旅、シニア、ツアー、フリープラン……どんな旅のスタイルでも、「旅はトラブルが明暗を分ける」という視点が共通して効いています。「読んでから出発すれば安心感が違う」と実感できる充実ぶり。丸山ゴンザレスさんや下川裕治さんらによる書き下ろしコラムも読みどころです。
こんな人におすすめ
海外旅行の経験が少ない人、これから初めての海外に行く人、旅のトラブルを未然に防ぎたい人に。心配性な人ほど読む価値がある一冊です。
良い点
- チャートや図解でわかりやすい
- 多彩な執筆者が参加
- 事前準備から帰国まで網羅
気になる点
- 情報が多く、読むのに時間がかかる
- 各国の詳細なガイドではない
- 一部の視点は経験者向け
出版社
辰巳出版
発売日
2013年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
旅の賢人たちがつくった、というタイトルからして、すごく頼もしそうな本ですね。でも「最強ナビ」って、どこがすごいんですか?
佐藤メバル
豪華な執筆陣です。丸山ゴンザレスさんや下川裕治さんをはじめ、現役旅人や有名ブロガーが集まって、海外旅行のルールを章ごとに解説しています。
事前準備、飛行機・空港、滞在の過ごし方、危険対処、帰国まで、チャートや図解を使って網羅しているんです。
橘ナナミ
トラブルの対処法までカバーされてるのは安心ですね。
佐藤メバル
そう。「上手な帰国は旅を宝物にする」という章があるように、旅の締めくくりまで考えられているのがこの本の特徴です。
バックパッカー、女子旅、シニア、ツアーと、どんな旅のスタイルの人にも役立つよう作られています。出発前に読むと、ちょっとした心構えが変わりますよ。
古典・歴史的紀行文まで射程を広げる
橘ナナミ
ランキングサイトを見ると、どうしても現代のベストセラーが並びますよね。「古典」は外してもいいんでしょうか?
佐藤メバル
外すともったいないです。西洋ならコロンブスの航海誌、日本なら「奥の細道」まで、旅行記は人類最古のジャンルのひとつ。『ガリヴァー旅行記』は架空の旅のかたちを借りた風刺文学ですが、当時の探検記・航海記の流行を土台にしているんです。ここを押さえると、ランキングの見え方ががらりと変わります。
橘ナナミ
古典は文体が硬そうで、少し構えてしまいます。
佐藤メバル
だからこそ現代の読みやすい作品から入るのがおすすめです。チベット旅行記のような探検記は「世界をどう把握するか」という知的興奮が魅力ですが、最初から読むと重い。まずは読書の「旅の味」に慣れてから古典へ戻ると、文章の豊かさに気づけますよ。
女性の視点と国内の小さな旅
橘ナナミ
女性のひとり旅を描いた作品も多いですよね。どんな広がりがありますか?
佐藤メバル
中谷美紀さんの『インド旅行記』は、女優が単身インドに乗り込み、笑いと涙の38日間を綴ったベストセラー。シリーズ化されているので続けて読めるのも魅力です。角田光代さんの『いつも旅のなか』はロシアやキューバで五感をフル活動させる。山脇りこさん『50歳からのごきげんひとり旅』やショコラさん『60代から夢をかなえる ひとり旅』は、人生のステージごとの楽しみ方が具体的に描かれています。「誰と行くか」より「自分がどう過ごすか」に寄り添う作品が増えているのが、近年の大きな流れですね。
橘ナナミ
国内の小さな旅も、立派なテーマなんですね。
佐藤メバル
植竹深雪さんの『おとな「ひとり温泉旅」のススメ』は温泉という「点」をめぐる旅。ふかわりょうさんの『スマホを置いて旅したら』は岐阜・美濃地方への3泊4日で、デジタルに疲れた心をほどいていく。日常を少し離れるだけで、世界の見え方は変わる。大冒険でなくても立派な物語になるんです。
テーマと形式で広がる「読む旅」
橘ナナミ
バックパッカーの定番や、テーマ型の旅行記も知りたいです。
佐藤メバル
バックパッカー旅行記の金字塔といえば沢木耕太郎さんの『深夜特急』。下川裕治さんはその系譜を受け継ぎ、『コロナ後のアジアを旅する』ではキャッシュレス化や空港手続きのオンライン化など、コロナ後の「現代の旅」を活写しています。テーマ型なら、食をめぐる礼城進さんの『イタリア美食旅行記』、経済をめぐる藻谷浩介さんの『世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記』。『おでかけアンソロジー ひとり旅 いつもの私を、少し離れて』には村上春樹さん、高野秀行さん、酒をめぐる太田和彦さんら41人の書き手が勢ぞろいし、姉妹編の『おでかけアンソロジー ふたり旅』とあわせて旅の形の多様さを一冊で味わえます。
橘ナナミ
実用性と物語性は、どう使い分ければいいんでしょう?
佐藤メバル
旅程を組むなら『週末海外ひとり旅』や『海外個人旅行のススメ』のような実用書、旅情を味わうなら物語性の高い旅行記。どちらかを選ぶより、両方を併読するのが上達のコツです。形式も漫画エッセイ、写真集、対談、ガイドとさまざま。写真集や漫画をはさめば、読む負担も調整できますよ。
よくある質問
旅行記と紀行文の違いは?
橘ナナミ
旅行記と紀行文の違いはについて教えてください。
佐藤メバル
ざっくり言うと、紀行文は文学的な風景描写や内省を重視し、旅行記は出来事や出会いを時系列で活き活きと描く傾向があります。ただし明確な線引きはなく、現代ではほぼ同じ意味で使われることも多いです。平安時代の「更級日記」や芭蕉の「奥の細道」までさかのぼる歴史を持つ紀行文に対し、旅行記は近代以降の旅の体験記として発展してきました。
初めて読むならどの旅行記がおすすめ?
橘ナナミ
初めて読むならどの旅行記がおすすめについて教えてください。
佐藤メバル
読みやすさ重視なら、まえだなをこさんの『完全版 世界で一番寒い街に行ってきた ベルホヤンスク旅行記』。漫画エッセイなので、文字の量を気にせず旅の臨場感を味わえます。文章で読みたい人には、41人のエッセイを集めた『おでかけアンソロジー ひとり旅 いつもの私を、少し離れて』も入門に最適です。
面白い旅行記の選び方を教えて
橘ナナミ
面白い旅行記の選び方を教えてについて教えてください。
佐藤メバル
まず「いまの気分」を決めましょう。没入したい→臨場感重視のノンフィクション、笑いたい→ユーモアエッセイ、考えたい→テーマ型紀行。さらに、予備知識の有無、文庫や電子書籍などの入手しやすさ、長編か連作かで絞ると、自分に合う一冊が見つかります。
バックパッカー旅行記の定番は?
橘ナナミ
バックパッカー旅行記の定番はについて教えてください。
佐藤メバル
沢木耕太郎さんの『深夜特急』が金字塔。アジアの陸路を乗り継いでいく旅のかたちを確立した一冊です。現代の視点なら、下川裕治さんの『コロナ後のアジアを旅する』が、変わったアジアの街角を活写しています。
国内の旅エッセイでおすすめは?
橘ナナミ
国内の旅エッセイでおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
植竹深雪さんの『おとな「ひとり温泉旅」のススメ』は、温泉というテーマで全国をめぐる偏愛エッセイ。ふかわりょうさんの『スマホを置いて旅したら』は、岐阜・美濃地方の小さな旅からデジタルとの向き合い方を考えます。短い旅にも物語は宿ると教えてくれる一冊です。
旅行記は電子書籍・オーディブルで読める?
橘ナナミ
旅行記は電子書籍・オーディブルで読めるについて教えてください。
佐藤メバル
電子書籍は、各ストアのカテゴリや書名検索で手軽に見つかります。電子書籍なら旅先に何冊でも持ち運べるのが魅力です。オーディオブックはナレーションの語りで臨場感が増すので、移動中の「ながら聴き」にもおすすめです。
女性におすすめの旅行記は?
橘ナナミ
女性におすすめの旅行記はについて教えてください。
佐藤メバル
中谷美紀さんの『インド旅行記』は、単身インドを旅する笑いと涙の38日間。角田光代さんの『いつも旅のなか』は、五感をフルに使って世界を歩きます。ライフステージに合わせるなら、山脇りこさん『50歳からのごきげんひとり旅』やショコラさん『60代から夢をかなえる ひとり旅』も寄り添ってくれる一冊です。
名作とされる旅行記を時代別に教えて
橘ナナミ
名作とされる旅行記を時代別に教えてについて教えてください。
佐藤メバル
古典ならコロンブスの航海誌、『ガリヴァー旅行記』、日本の古典では「奥の細道」が有名です。近代以降ならチベット旅行記などの探検記、現代のベストセラーでは沢木耕太郎さんの『深夜特急』や中谷美紀さんの『インド旅行記』が挙げられます。時代ごとに「旅の意味」の変化を読み比べるのも面白いです。
まとめ
橘ナナミ
ここまで読むと、旅行記って「行った人の記録」ではなく、読み手をどこかへ連れていく乗り物みたいな本ですね。
佐藤メバル
うまい表現だね。旅行記は、時間と場所を超えて、誰かの歩いた道のりを自分の感覚として追体験させてくれる。同じ土地でも、書く人によって見える世界がまったく変わるのが面白いんです。
橘ナナミ
いま行けない場所の旅行記を読むのも、立派な「旅」になりますね。
佐藤メバル
読書は時間とお金と体力の制約から自由にしてくれる、いちばん安い切符です。ページをめくれば、マイナス50度の街にも、南国の市場にも、江戸時代の道中にも、一瞬で立てるんです。
橘ナナミ
次の休みに読む一冊が決まりました。私も「自分だけの旅行記」を集めてみたくなりました。
佐藤メバル
ぜひ。旅行記は、地図では表せない道を歩くための心の羅針盤。行き先は自分で決めていい。ページを開いたその瞬間から、あなたの旅はもう始まっています。








