犬の物語の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年8月
橘ナナミ
犬の物語のランキング、どれも読みたくなります!でも「泣ける」「感動する」だけだと、今日の気分に合う一冊が選べなくて。
佐藤メバル
いい質問です。犬の物語は感動だけじゃなく、笑い、冒険、切なさなどジャンルが本当に広いんです。今回は「どんな自分に寄り添ってほしいか」を軸に、25冊をセレクトしました。
橘ナナミ
25冊も?! 編集部ではどうやって並べているんですか?
佐藤メバル
実は順位ありきではなく、“読む場面”ごとにグループ化して、その中で定番から新しい切り口までを並べています。泣きたい日、元気が欲しい日、じっくり社会問題を考えたい日。それらを全部カバーできるようにしたんです。
橘ナナミ
なるほど。それなら「今の私にはどの一冊?」と具体的に考えられますね。
犬の物語の本の選び方
読む目的で選ぶ
橘ナナミ
まず「泣きたい」ときと「癒やされたい」ときでは、選ぶ本も変わりますか?
佐藤メバル
全然違います。泣きたいなら、老犬との別れをユーモアと涙で描く『ダメ犬グー11年+108日の物語』。ほんわかしたいなら、17歳まで生きた愛犬との日々を綴った『老いゆく愛犬と暮らしたかけがえのない日々』がいいですね。青春の甘酸っぱさを味わいたいなら『犬がいた季節』がおすすめです。
語り手の形式で選ぶ
橘ナナミ
犬の気持ちで語られる作品って、どうやって選べばいいですか?
佐藤メバル
犬視点の代表はジャック・ロンドンの『犬物語』。極北を生きる犬の目線で、世界がどう見えているかを追体験できます。現代の作品なら『救助犬エリーの物語』も、救助犬エリー自身が訓練から引退までを語る構成。人視点の物語と読み比べると、言葉にできない感情まで見えてきます。
作品の長さで選ぶ
橘ナナミ
少しずつ読みたいので、短編集が気になっています。
佐藤メバル
ジェイムズ・ヘリオットの『犬物語』は、イギリスの田園地帯を舞台にした心温まる10話。1話ずつ読めるので、通勤・通学の合間にもぴったりです。逆に物語にどっぷり浸りたいなら、長編『ダルメシアン: 100と1ぴきの犬の物語』や『犬がいた季節』がおすすめです。
対象年齢・読書経験で選ぶ
橘ナナミ
小学生に読ませるなら、どんな本がありますか?
佐藤メバル
『ハチ公物語』は小学中級から読めるノンフィクション。『盲導犬不合格物語』も児童書として人気です。もっと小さな子には『わんわん物語』のディズニー絵本がいいですね。読書に慣れてきた中高生には『さよならをのりこえた犬 ソフィー』が読みやすいYA小説です。
犬のキャラクター・犬種で選ぶ
橘ナナミ
大型犬の話も読みたいんです。どの作品がいいでしょうか?
佐藤メバル
学校犬として生きたエアデール・テリアの記録『ありがとう。バディ』は、大型犬ならではの存在感があります。雑種犬なら『犬になりたくなかった犬』。ダルメシアンを主役にした名作もランキングに入れています。犬種で探すと、物語の雰囲気もがらりと変わりますよ。
実話か創作か、日本文学か海外文学か
橘ナナミ
実話と創作で、読みごたえって違いますか?
佐藤メバル
実話には「実際にあった」という重みがあります。『南極犬物語』はタロとジロの奇跡の生還を描いた実話です。一方、ジャック・ロンドンの『犬物語』は、犬の本能や野生をテーマにした創作。日本文学・海外文学で比べると、犬への視線や死生観の違いも見えてきて、一冊で何倍も楽しめます。
犬の物語の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
犬の物語の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

ハチ公物語 -待ちつづけた犬- (講談社青い鳥文庫 265-4)
田丸瑞穂(写真)岩貞るみこ 著|講談社
¥814(税込)
渋谷駅の前で、雨の日も雪の日も主人の帰りを待ちつづけた忠犬ハチの物語。日本でいちばん有名な犬と言ってもいい存在ですが、写真とともに読むと、その毎日の「待つ」という行動の重みが伝わってきます。あなたには、会いたい人はいますか?という問いかけが刺さる。犬と暮らした喜びや別れの切なさを、小学校中学年から無理なく読める文章で描いています。日本一の「待つ犬」を通して、人と犬の絆を最初に感じる一冊。
こんな人におすすめ
小学校中学年からの一人読みにぴったり。はじめてのノンフィクションとしても、犬の気持ちを考えたい大人にも向いています。読み聞かせにも使いやすく、親子で『あなたを待つ人はだれですか』という言葉について話し合うきっかけにも。
良い点
- 実話だからこそ胸に響く
- 写真が臨場感を高める
- 子どもにも読みやすい文庫
気になる点
- 別れのシーンが切ない
- 泣けるので電車内は注意
- 話を知っていても感動できる
出版社
講談社
発売日
2009年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ハチ公の話は有名ですが、子どもの本だとどんなふうに描かれるんですか?写真も入っているんですか?駅で待つ姿はもちろん、飼い主さんとの日々の温かさも知りたいです。
佐藤メバル
ええ、田丸瑞穂さんによる写真が収められていて、実話の重みが一層伝わります。青い鳥文庫ならではの平易な文章で、待ちつづけるハチの姿を追体験できますよ。
また「あなたを待つ人はだれですか」という言葉は、児童書でありながら大人の心にも深く刺さります。
橘ナナミ
「あなたを待つ人はだれですか」という問いが胸にきました。大人でも考えさせられますね。何気なく過ごしている家族の存在を、もっと大切にしたいと思いました。
佐藤メバル
それがこの本のテーマなんです。犬から教わる「待つ」ことの意味を、ぜひ親子でも話してみてください。きっと、ハチと上野先生の時間が、身近な人との時間を重ねて見えてきますよ。

新装改訂版 南極犬物語
綾野まさる 著|ハート出版
¥1,760(税込)
昭和32年の第一次南極観測隊とともに上陸したカラフト犬たち。帰還が決まった直後、猛烈なブリザードに見舞われ、鎖につながれたまま氷の大地に置き去りにされてしまいます。過酷な環境のなかでソリを引き、足の裏から血を流しながら働いた犬たちの姿は、読む者の心を打ちます。タロとジロの奇跡の生還に希望が湧く一方で、置き去りにした隊員の苦悩まで描かれるのがこの本の深さ。新装改訂版では当時の貴重な写真が追加され、臨場感が増しています。
こんな人におすすめ
歴史・探検・動物が好きな小学生から大人まで。南極観測のリアルを知りたい人や、人間と犬が命がけで心を通わせる物語を求めている人に。読み聞かせというより、自分でじっくり読んで考えるのに向いています。
良い点
- 写真が当時の空気を伝える
- タロとジロの生存に希望
- 史実の重みがある
気になる点
- 犬が置き去りにされる場面が辛い
- 長いので集中力が必要
- 時代背景の説明が多い
出版社
ハート出版
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
鎖につながれたまま犬たちを置いていく……。読むのがつらくなりそうですが、タロとジロは生還したんですよね?
南極の写真を見たら、もっとその過酷さが伝わるんでしょうね。
佐藤メバル
そうです。その奇跡がこの物語の大きな軸ですが、それまでに犬たちが経験した過酷さも丁寧に描かれます。隊員たちも葛藤していたことが伝わってきて、人間の勝手で巻き込まれてしまった命とどう向き合うか、読者に問いかけてくる一冊です。
橘ナナミ
犬たちはどんな気持ちでソリを引いていたんでしょう。写真も見てみたいです。足の裏から血を流しながら働いたと聞いて、もっと彼らのことを知りたくなりました。
佐藤メバル
いい質問ですね。新装改訂版には当時の貴重な写真がカラーとモノクロで追加されています。犬たちの目や姿勢から、隊員との信頼関係が伝わってきます。ぜひ一度、その目で確かめてほしいです。

犬と私の10の約束: バニラとみもの物語
さとうまきこ 著|ポプラ社
『犬と私の10の約束』というタイトルが示すように、飼い主と犬とのあいだに交わされる約束を物語の中心にした作品です。バニラとみも、という名前に惹かれる人も多いはず。10個の約束は、犬を飼ううえで忘れてはいけない心構えをやさしく思い出させてくれます。犬との暮らしは楽しいだけではないことを伝えながらも、最後はあたたかい気持ちになれる構成になっています。ポプラ社から出ている児童書で、犬を飼いたいと思っている子どもに読んでほしい一冊です。
こんな人におすすめ
犬を飼い始めた子どもや、これから飼いたいと夢見ている人に。親子で一緒に読むことで、ペットとの向き合い方を話し合うきっかけになります。読み終わったあとに『10の約束』を自分たちならどうするか考えるのも楽しい一冊です。学校の朝読書にも向きます。
良い点
- 約束がひとつずつ心に残る
- やさしい語り口
- タイトルが印象的
気になる点
- 内容の派手さは控えめ
- 犬のいない人には感情移入がむずかしいかも
- 展開は静かめ
出版社
ポプラ社
発売日
2008年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『犬と私の10の約束』って、どんな約束が出てくるんでしょう。タイトルからして、心に残りそうです!バニラとみも、という名前もかわいくて気になります。
佐藤メバル
犬と暮らすうえで忘れてはいけない心がまえが、物語の中でやさしく示されています。ただの注意事項ではなく、バニラとみもの日々を通じて一つひとつが心に染みてくる。そこがこの本のいいところですね。
橘ナナミ
10個も約束があったら、全部を守るのは難しそうです。でも、一緒に考えながら読みたいです。わが家でできそうな約束を探すのも楽しみです。
佐藤メバル
そうなんです。約束を守ることよりも、約束を通して相手を思う気持ちが大切だと教えてくれます。読み終わったあとに、家族や愛犬と「あなたにとっての10の約束」を話し合うのも素敵ですよ。

盲導犬不合格物語 (講談社青い鳥文庫 279-2)
沢田俊子 著|講談社
¥682(税込)
盲導犬の訓練を受けても、なれるのは一部の犬だけ。「不合格」とされた犬たちは、こわがりだったり、すぐにはしゃいだり、ネコが好きだったり——つまり、たまたま盲導犬に向かなかっただけです。では、その先の人生はどうなるのか。盲導犬という枠組みから外された犬たちの個性と、彼らが歩む新しい道を丁寧に追うノンフィクションです。「ダメな犬」というレッテルを貼らない視点が、この本のいちばんの魅力。産経児童文化賞受賞作で、子どもにも動物の個性の大切さを伝えてくれます。
こんな人におすすめ
盲導犬や動物保護に興味がある小学生から大人まで。「向き不向き」をどう考えるかを学びたい人に。また、ペットのしつけに悩む飼い主さんにも、見方を変えるヒントになるはずです。
良い点
- 合格・不合格の二択を見直せる
- 犬それぞれの性格が活きる
- 受賞作として信頼感
気になる点
- テーマがやや重い
- もう少し続きが読みたい
- 犬に感情移入しすぎて泣ける
出版社
講談社
発売日
2013年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
盲導犬になれなかった犬たちが主人公なんですね。「不合格」という言葉にドキッとしました。彼らはその後、どうやって幸せになっていくんでしょう。
佐藤メバル
この本のいちばんの魅力は、「不合格だからダメな犬」ではないと教えてくれることです。こわがりだったり、はしゃいでしまったり、猫が好きだったりする個性が、別の場面では大きな魅力になります。
それを読者はそっと見守ることになります。
橘ナナミ
なるほど。犬にとっての幸せって、決まったレールの上だけにあるわけじゃないんですね。私も自分に合った道を探したくなりました。
佐藤メバル
その通り。生きるのに正解はないと教えてくれる作品です。産経児童文化賞を受賞しているのも納得の、子どもにも大人にも響くノンフィクションです。
「向き不向き」を前向きに捉えられる一冊でもあります。

犬物語 (柴田元幸翻訳叢書―ジャック・ロンドン)
柴田元幸 著|スイッチパブリッシング
¥2,310(税込)
ジャック・ロンドンの『野生の呼び声』をはじめ、柴田元幸さんが精選・翻訳した5つの犬物語が収められた一冊。極北の大地を舞台に、犬が主人公となって生きるための闘いを描きます。「生か死か、勝つか負けるか、犬か人か」という言葉が示すように、人間の世界の論理を超えた、根源的な魂の叫びがここにはあります。翻訳家・柴田元幸の日本語が、その緊張感をさらに引き締めています。挿話的に読めるので、犬好きな文学入門にもおすすめです。
こんな人におすすめ
短編集から本格文学に入りたい人に。極北の厳しい自然や、犬の野生に迫る迫力を味わいたいならこの一冊。児童書ではなく大人向けなので、骨太な物語を読みたい人に。一編ずつ読み進めれば、通勤・通学の読書にもなじみます。
良い点
- 名作『野生の呼び声』収録
- 柴田元幸の翻訳が美しい
- 5篇を一冊で味わえる
気になる点
- 文体がやや硬め
- テーマが重く余韻が残る
- 動物が傷つく描写もある
出版社
スイッチパブリッシング
発売日
2017年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『野生の呼び声』は名作と聞きますが、犬が主役の物語なのでしょうか?しかも5篇も収録されているんですね。
極北の自然の中で、犬がどう生き抜くのか力強いですね。
佐藤メバル
そうです。犬というより、荒ぶる魂ともいうべき存在が主人公ですね。収録された5篇はどれも極北の大地が舞台で、生きることの手ざわりがびりびりと伝わってきます。
柴田元幸さんの翻訳はリズムがよく、文体の格好良さにも引き込まれますよ。
橘ナナミ
「生か死か、勝つか負けるか、犬か人か」という言葉に心臓を掴まれる思いがします。文学として読みたい気持ちが湧いてきました。
児童書とはまた違う、骨太な世界に触れられそうですね。
佐藤メバル
いい反応ですね。児童書の犬物語に慣れたあとに読むと、犬を描く表現の幅がぐんと広がります。短編集なので、まずは一編からどうぞ。
翻訳の違いを比べるのもまた楽しいですよ。

犬物語 ドクター・ヘリオットの (ドクター・ヘリオットシリーズ) (集英社文庫)
ジェイムズ・ヘリオット 著|集英社
¥193(税込)
イギリスの獣医師ジェイムズ・ヘリオットが、診察室で出会った個性豊かな犬たちのエピソードを綴った短編集。ご馳走の食べすぎで病気になったトリッキー・ウー、車が大好きなサム、一度も吠えないジップ……。どの犬にも、名前と暮らしがあります。動物病院を舞台にしたユーモアと温かさは、犬好きはもちろん、動物全般に興味がある人にも響くはず。「犬の個性」を愛おしく感じる10話です。解説は舟崎克彦さん。
こんな人におすすめ
ほのぼのした読後感がほしい人に。動物病院の日常に興味がある人や、犬のことを好きな人はもちろん、動物を飼ったことがない人でも楽しめる短編集。通勤・通学の合間に一編ずつ読むのもおすすめです。
良い点
- ユーモアと温かさのバランスがいい
- 獣医師の視点が新鮮
- 一話完結で読みやすい
気になる点
- あっさりしているので物足りなさも
- 大きな事件は起きない
- あっという間に読み終わる
出版社
集英社
発売日
2001年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ドクター・ヘリオットというタイトルですが、これは獣医さんの話ですか?個性的な犬たちの名前を聞いただけでもわくわくします。
佐藤メバル
その通りです。イギリスの獣医師ジェイムズ・ヘリオットが、診療で出会った犬たちを描いた短編集です。ご馳走の食べすぎでおなかを壊す犬、車が大好きな犬、一度も吠えない犬など、犬種も性格もさまざま。
病院という場ならではの出会いが満載です。
橘ナナミ
犬それぞれの個性がおもしろいんですね。涙だけじゃなく、笑える話も入っていそうでうれしいです。読みやすい短編集なら、隙間時間にもぴったりですね。
佐藤メバル
ええ。ユーモアと温かさのバランスが絶妙で、犬好きだけでなく動物に興味がある人にもおすすめです。一話が短いので、通勤・通学の合間に読むのもいい。
解説に作家の舟崎克彦さんをむかえているのもファンにはうれしいポイントです。

犬の車いす物語 (講談社青い鳥文庫 C さ 4-2)
沢田俊子 著|講談社
¥682(税込)
病気で歩けなくなったダックスフントのスイーピー。飼い主の川西さん夫妻が手作りした車いすに乗せると、みるみる元気になっていきます。それをきっかけに、ふたりは犬の車いす作りを仕事に。交通事故にあったマル、保護犬のシンディーなど、車いすと出会った犬たちの生と死が丁寧に描かれます。「不自由」を補う工夫が、命の輝きを引き出す。やさしいだけではない、現実に向き合うノンフィクションです。すべての漢字にふりがなつきで、小学校初級から読めます。
こんな人におすすめ
体が不自由になったペットと暮らす人、動物の福祉に関心がある人に。「障害」の見方を変えたいときにもおすすめ。読み聞かせではなく、小学生がひとりで読んで命について考えるのに適しています。
良い点
- 車いすという具体策がいい
- 動物の生と死をまっすぐ描く
- 漢字にふりがなつきで親切
気になる点
- 死の描写に心が痛む
- 障害を扱う重さがある
- 専門的な内容は少なめ
出版社
講談社
発売日
2018年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
犬の車いすを作るお仕事があるんですね。スイーピーが元気になったという話、気になります。病気で歩けなくなったとき、飼い主さんはどんな気持ちだったんでしょう。
佐藤メバル
川西さん夫妻は、愛犬スイーピーが歩けなくなったとき、手作りで車いすを作りました。すると、元気を失っていた犬がみるみる生き生きしてくる。
見ているだけで胸が熱くなります。それがやがて、ほかの犬たちを救う仕事へと広がっていくんです。
橘ナナミ
「車いすは不自由のための道具じゃない、生きる意欲を取り戻す道具なんだ」と思いました。マルやシンディーの話も読んでみたいです。
佐藤メバル
その通りです。交通事故にあった犬、保護犬など、それぞれの背景があります。この本は生と死をていねいに描くので、命と向き合う厳しさも伝わります。
漢字にすべてふりがながついているから、小学生にも読めるのがすてきですね。

犬になりたくなかった犬 (文春文庫 148-1)
ファーレイモウワット 著|文藝春秋
うす汚い雑種の「駄犬」が、ある日突然、すばらしい才能を発揮していく。と、書くと単なる成長物語に聞こえますが、この本は笑いが止まりません。カナダの大自然を背景に、著者が思い出を語るように綴る珍妙なエピソードの数々。犬と人間の関係の滑稽さ、愛おしさが、軽快な筆致で描かれています。「駄犬」と呼ばれた犬の大逆転劇は、犬好きならずとも楽しめる一冊です。シリアスな犬物語に疲れたときにぴったりです。
こんな人におすすめ
笑える犬エピソードを読みたい人に。カナダの自然を感じたいときもおすすめ。読み物として軽妙なので、電車や寝る前のリラックスタイムにも向いています。読み終わると、犬に話しかけたくなります。
良い点
- 笑いが止まらないエピソード
- 文体が軽快で読みやすい
- カナダの自然が魅力的
気になる点
- 内容はドタバタ寄り
- 深いテーマを期待する人には物足りない
- 犬の描写が人間的すぎる
出版社
文藝春秋
発売日
1975年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルの『犬になりたくなかった犬』って、どういう意味なんでしょう?駄犬なのに才能を発揮するらしいですが。笑い話というのが新鮮です。
佐藤メバル
うす汚ない雑種の犬が、あれよあれよというまに才能を発揮して、大騒動を巻き起こすんです。しかも著者自身の思い出として語られるので、突飛な展開にも温かみがある。
カナダの広大な自然を背景に、笑いが止まらないエピソードが続きますよ。
橘ナナミ
犬が主人公なのに愛され方を楽しめる、というのが魅力的ですね。泣かせようとしないところがむしろ好きです。
読み終わった後も、なんだか胸がぽかぽかしそうです。
佐藤メバル
そう、無理に泣かせようとしないのがいいんです。犬の「駄目さ」を愛しく思える、ユーモアにあふれた一冊。
シリアスな犬物語のあとに読むと、最高の箸休めになりますよ。

犬がいた季節 (双葉文庫 い 64-01)
伊吹有喜 著|双葉社
¥880(税込)
1988年の夏の終わり、一匹の白い子犬が高校に迷い込み、コーシローと名付けられます。生徒とともに学校生活を送り、初年度に卒業した少女の面影をずっと胸に秘めて。昭和から平成、令和へと時代が移りゆくなか、コーシローは18歳の逡巡や決意をそっと見つめ続けます。学校を舞台にした犬の視点が、青春の一瞬をこれほど美しく描けることに驚かされます。山本周五郎賞候補、2021年本屋大賞第3位の傑作です。
こんな人におすすめ
青春小説が好きな人、高校時代の記憶をたどりたい人に。犬は好きだけど泣くのはちょっと……という人にも、さわやかな余韻が残るのでおすすめ。世代を超えて読める懐かしい時間が味わえます。
良い点
- 本屋大賞第3位の実績
- 犬の視点が新鮮
- 時代の移ろいを感じられる
気になる点
- 純文学寄りで展開は静か
- やや厚めの文庫なので時間がかかる
- 犬の出番が控えめ
出版社
双葉社
発売日
2024年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
高校に迷い込んだ犬が主人公なんですか?しかも、初年度に卒業した少女をずっと覚えているというのが、想像するだけで泣けます。
昭和から令和まで見つめ続けるという視点がすごいです。
佐藤メバル
コーシローが直接しゃべるわけではありませんが、そのまなざしに読者は寄り添います。18歳の逡巡や決意は、どんな時代にも共通するものです。
犬の視点で見ると、青春のきらめきがさらに美しく感じられるのが不思議です。
橘ナナミ
校舎に犬がいるだけで、生徒たちの毎日が変わっていったでしょうね。何十年も愛される理由がわかります。うちの大学にも迷い込んでほしかったなあ。
佐藤メバル
はは、それは危険かもしれないけど、気持ちはわかります。本屋大賞3位にも輝いた傑作で、読み終わると自分の高校時代がよみがえってきます。ぜひ、静かな夜に読んでみてください。

アンジュール: ある犬の物語
ガブリエルバンサン 著|ビーエル出版
¥1,540(税込)
車から路傍に投げ捨てられた一匹の犬。犬は車を追いかけ、野から浜辺へ、汀から道へと、長い長い一日をさまよいます。この作品に説明の言葉はほとんどいりません。卓越したデッサンが、恐怖、やすらぎ、孤独、希望をすべて語ってくれます。言葉が少ない絵本に近い形なので、見る人の心に直接、物語が届きます。犬の絵本ですが、大人こそじっくり向き合いたい一冊。繰り返し見るたびに新しい感情が生まれてきます。
こんな人におすすめ
絵から物語を読み取るのが好きな大人に。プレゼントにも喜ばれる美しい一冊。子どもと一緒に、絵を見ながら「この犬は今、どんな気持ちだろう」と語り合う読み方もおすすめです。言葉に頼らない表現に触れたい人にも。
良い点
- 絵だけで心を揺さぶる
- 文章に頼らない表現
- 年齢を問わず読める
気になる点
- 物語を説明するのが難しい
- 絵本コーナーにありがちな軽さはない
- 人によっては物足りなさを感じる
出版社
ビーエル出版
発売日
1986年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
表紙の絵からして、言葉がなくても語りかけてくる感じがします。この犬は最後、どうなるんですか?さすらいの一日と聞いて、余計に気になります。
佐藤メバル
それはぜひ、自分の目で確かめてほしい。デッサンだけで一日のさすらいを描いているので、読む人がそれぞれの物語を受け取れます。
犬の視線や体の向きに、孤独だったり希望だったりがにじんでいます。説明しすぎないからこそ、何度も見返したくなる作品です。
橘ナナミ
なんとなく『この犬は何かを探している』ように見えました。何度も見るたびに、違う発見がありそうですね。
子どもと一緒に絵を指さしながらお話するのもいいなあ。
佐藤メバル
その「なんとなく」が、この作品の力です。言葉で縛らないからこそ、見る人自身の経験が重なって深い感動を呼びます。
小さな子どもから大人まで、絵本を読むように、あるいは美術を見るように楽しめる一冊です。

ダルメシアン: 100と1ぴきの犬の物語 (ModernClassicSelection 1)
ドディースミス 著|文渓堂
100と1ぴきのダルメシアンたちが繰り広げる冒険物語。レディやトランプの物語が好きな人にも、もっとたくさんの犬たちが織りなす騒動を楽しめるはず。シリーズ第1弾にふさわしい古典で、翻訳も読みやすく、小学校高学年から大人まで満足できる内容です。犬たちの勇気や機知、助け合いの精神が、物語の核になっています。
こんな人におすすめ
たくさんの犬たちが登場する、にぎやかな物語を読みたい人に。児童文学の古典に触れたいときにも。読み聞かせではなく、ひとりで物語の世界に浸りたい人におすすめです。
良い点
- 登場する犬の数が圧巻
- 改めて読むと発見がある
- 翻訳で読みやすい
気になる点
- 長いので時間がかかる
- 犬の数が多く混乱しやすい
- 現代風のテンポとは違う
出版社
文渓堂
発売日
1996年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100と1ぴきもダルメシアンが出てくるんですか?それだけで圧巻ですね。子犬たちはどうなってしまうのか、ハラハラします。
佐藤メバル
タイトルの通り、ものすごい数です。物語の中では、子犬たちが狙われる事件が起きて、ダルメシアンたちが力を合わせて立ち向かいます。
古典的な児童文学ならではの、勇気と機知に満ちた展開が楽しめます。
橘ナナミ
たくさんの犬の名前を覚えるのが大変そうですが、それがまた楽しいんでしょうね。翻訳も読みやすいといいなあ。
現代の犬小説とは違う、わくわく感がありそうです。
佐藤メバル
ModernClassicSelectionの第一弾というだけあって、翻訳の質には定評があります。児童文学なので、どんどんページをめくりたくなるスピード感です。
犬が大好きなお子さんはもちろん、大人が懐かしい気持ちで読むのもおすすめです。

わんわん物語 ディズニーゴールド絵本
講談社 著|講談社
¥935(税込)
お嬢様犬のレディと、野良犬のトランプが織りなすロマンティックな物語。レディが赤ちゃんの子守を任されたところから、追い出されてトランプに助けられ、ねずみから赤ちゃんを守る大活躍まで。ディズニーのゴールド絵本らしく、シンプルで心に残るストーリーが2〜4歳向けにやさしくまとめられています。初めてお話にふれる子どもにぴったりの一冊で、読み聞かせを通して「友情」や「勇気」を自然に伝えてくれるでしょう。
こんな人におすすめ
小さな子どもへの初めての犬絵本に。読み聞かせタイムにぴったりの16ページ。2〜4歳向けなので、短いお話でも集中して楽しめる構成です。ディズニーの世界観を親子で味わいたい人にも。
良い点
- 愛らしいイラスト
- 子どもにもわかりやすい筋書き
- 読み聞かせにちょうどいい長さ
気になる点
- 物語を簡略化しすぎ
- 絵本が薄くすぐ読み終わる
- 大人には物足りない
出版社
講談社
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
子ども向けの絵本だと、レディとトランプのお話もぐっとわかりやすくなるんですね。赤ちゃんを守る場面は小さな子でもドキドキしそうです。
佐藤メバル
2〜4歳向けに、必要な場面がぎゅっとまとめられています。レディがトランプに助けられ、最後はレディがトランプを助けるために動く。
そのやさしい勇気の循環が、小さな子どもにも伝わるように描かれています。
橘ナナミ
「ようちえん」より前の子でも楽しめるのは、ディズニーゴールド絵本のすごさですね。お話の導入にぴったりです。
読み聞かせの時間が親子で楽しくなりそうです。
佐藤メバル
そうですね。16ページという短さも、小さな子の集中力にぴったり。読み終わったあと、子どもが「もういちど!」と言う姿が目に浮かびます。プレゼントにも喜ばれる一冊です。

世にも有名な犬たちの物語
ピエール‐アントワーヌベルネム 著|文藝春秋
有名人に愛された犬、名作文学に登場する犬、その生き方そのもので有名になった犬。古今東西の「有名な犬たち」をめぐるエピソードを、これでもかと詰め込んだ一冊です。どの章から読んでも楽しめるので、犬にまつわる雑学を仕入れたいときに最適。犬好きの友だちに話したくなるネタが満載です。深く考えずに、犬の魅力と人間の愛情を感じられるのがうれしい。
こんな人におすすめ
犬が登場する物語や実話を短く読みたい人に。雑学やうんちくを集めたいときに。また、犬と人間の長い関係を感じたい人、プレゼントにも向いています。軽い読み物として、寝る前の一話読みにぴったり。
良い点
- トリビア感覚で読める
- 有名犬の話が一冊に
- どこから読んでもOK
気になる点
- 一つひとつの話は短い
- 深いドラマは少ない
- 情報量に圧倒されるかも
出版社
文藝春秋
発売日
1999年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「世にも有名な犬たち」って、どんな犬たちがいるんですか?名作の中の犬から有名な人の愛犬まで、と聞いて興味が湧きました。
佐藤メバル
名作文学に登場する犬、歴史に名を残した働き犬、著名人が生涯愛した犬など、切り口はさまざまです。どれも短いエピソードでまとめられているので、気になるページからぱらぱら読めます。
犬好きにはたまらない、話したくなるネタの宝庫です。
橘ナナミ
寝る前に一話読むのにぴったりですね。明日、学校で友だちに話したくなりました。犬にまつわるトリビアを仕入れるのも楽しいです。
佐藤メバル
まさにトリビアとしても、犬の歴史を感じる読み物としても楽しめます。登場する犬たちがみんな「生き方」で有名になった存在なので、単なる雑学集には終わりません。
犬と人間の長い物語に、あらためて心を動かされますよ。

犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語
山口花 著|東邦出版
¥870(税込)
実際にあった人と犬のエピソードを、物語として再構成した14編。第1章は飼い主から愛犬への想い、第2章は愛犬から飼い主への想いという構成がユニークで、人と犬のどちらからも「ありがとう」が届く構成になっています。それぞれの話が短めなので、忙しい日々のすき間にも読みやすい。涙を誘う話ばかりですが、悲しいだけではなく、生きることの輝きも同時に感じさせてくれます。実話ならではのリアリティが胸に刺さります。
こんな人におすすめ
泣ける話を読みたい人、人と犬の絆を再確認したいときに。通勤・通学中に短編を少しずつ読み進めるのにも向いています。犬を飼ったことがある人には特に刺さる内容です。
良い点
- 実話ベースで説得力
- 2部構成の工夫
- 一話が短く読み切れる
気になる点
- 全編泣けるので感情消耗
- 似たトーンの話が多い
- 切ない話が多い
出版社
東邦出版
発売日
2012年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
犬から聞いた話、というタイトルがいいですね。第1章と第2章で視点が変わるというのも、おもしろい構成です。
犬から飼い主への言葉は、きっと泣けますね。
佐藤メバル
実話をもとにしているから、誇張がないんです。第1章では飼い主が愛犬に「ごめんね」や「ありがとう」を伝え、第2章では愛犬が飼い主を「よく頑張ったね」と励ます。
この双方向のメッセージが、この本のいちばんの特徴です。
橘ナナミ
同じ現実でも、受け取る側の見方でこんなに違うんだなあと感じます。14話あるので、毎日少しずつ読んでもいいですね。素直な気持ちにさせてくれそうです。
佐藤メバル
14編というボリュームもちょうどよく、あとがきのような重さもありません。悲しい話も前向きな言葉でしめくくられるので、読後は不思議とあたたかい気持ちになれます。
大切な人を思い出したい夜に読んでほしいですね。

イヌのなみだ 犬と人の涙あふれる17の物語
イヌのなみだ製作委員会 著|泰文堂
盲導犬の引退、迷子犬の奇跡の生還、ホームレスと名前のない犬、老犬ホームの出来事など、テーマの幅の広さが魅力の17作品集。「イヌのなみだ」というタイトル通り、犬と人のあいだに流れる涙に寄り添います。読み切り形式なので、気になったタイトルから読めるところも◎。犬たちの年齢や立場もさまざまで、老年期の犬や福祉の話題まで扱っている点がほかの作品集と一線を画します。真情あふれるエピソードのつまった一冊です。
こんな人におすすめ
たくさんの犬の人生に触れたい人に。老犬・保護犬・障害犬など、テーマが広いので、犬の一生をまんべんなく見渡したいときにおすすめ。短編集なので移動中や休憩時間にも。
良い点
- テーマの幅が広い
- 短編集で読みやすい
- 読み切りごとに感情が動く
気になる点
- 涙腺が弱い人は要注意
- 心に重い話もある
- 一度に読むと感情がもたない
出版社
泰文堂
発売日
2014年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『イヌのなみだ』というタイトルに、胸がきゅっとなります。17話もあるんですね。盲導犬の引退やホームレスの方の話は特に気になります。
佐藤メバル
テーマの幅が本当に広いんです。盲導犬の引退、迷子犬の奇跡の生還、老犬ホームの出来事、ホームレスの人と名前のない犬。
犬と人の距離は、こんなにもいろいろな場所にあるんだと気づかされます。どの話も短いので、読み切りとしてすっと入ってきます。
橘ナナミ
一話ずつ独立しているなら、気分に合わせて選んで読めますね。じっくり泣きたい日と、ほっとしたい日で話を使い分けられそうです。
読んだあとに優しい気持ちになれるといいなあ。
佐藤メバル
そうですね。でもどちらかというと、どの話も涙のあとにほっこりするタイプです。犬の人生は人よりも短いけれど、その分だけ濃い愛をくれる。
そんな当たり前のことを、改めて噛みしめさせてくれます。

実験犬シロのねがい 新装版
井上夕香 著|ハート出版
¥1,320(税込)
保健所から動物管理事務所へ送られ、ある国立病院の実験施設に買われていった犬シロ。ごく普通で元気な子犬が、なぜ実験動物にされてしまったのか。この本はシロの物語を追いながら、動物実験の実態や、動物たちの声なき声を私たちに届けます。ずさんな動物実験を告発した実話として、犬猫の実験払い下げ廃止にまでつながった事件を振り返る内容です。読後は、自分にできることを考えずにはいられません。
こんな人におすすめ
動物の権利や倫理について考えたい人に。命の重みを感じたいとき、中学生以上なら読める内容です。動物と暮らす人間として、社会の仕組みを知りたい人にも。
良い点
- 社会問題をリアルに学べる
- 実話の力で心を動かす
- 活動家の声も収録
気になる点
- かなりつらい描写がある
- 子どもには衝撃が強すぎる
- 読後ももやもやが残る
出版社
ハート出版
発売日
2020年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
シロという犬が実験動物にされてしまう……。本のタイトルからして、胸が痛みます。知らなかったことを申し訳なく思いました。
でも「救出」という言葉が目次にあるから、希望もあるんですね。
佐藤メバル
実際にあった事件がもとになっています。シロは保健所から実験施設に送られ、苦しみながらも、最終的には人々の心を動かします。
この本は、実験動物の現実と、それを変えようとした人々の軌跡を描いた。まずは「知る」ことから始めてほしいというメッセージが込められています。
橘ナナミ
「目をそらさない」って、言葉で言うのは簡単だけど、実行するのは難しいですね。でも、シロのことを知ったら無視はできません。
私にもできることはないか、考えてみたくなりました。
佐藤メバル
その姿勢がとても大切です。本書にはNPO法人ALIVEの野上ふさ子さんの文章も収められ、動物実験の歴史や、廃止に向けた動きを学べます。
悲しさだけではなく、行動にうつす勇気をもらえる一冊です。

ダメ犬グー11年+108日の物語 (幻冬舎文庫 犬 11-1)
ごとうやすゆき 著|幻冬舎
¥628(税込)
「ダメ犬」と呼ばれた愛犬グーとの11年と108日。この本の中で語られるのは、決して格好いい犬の姿ではなく、人間みたいなしぐさで笑わせてくれる、どこか憎めない日々の記録です。愛犬の死を経験した著者だからこそ書けた「後悔しない生き方」は、ペットロスの人にも響くはず。「当たり前の日々が宝物」だと気づかせてくれます。最初は笑えて、最後は立ち読みで涙が止まらない、と評判の一冊です。
こんな人におすすめ
愛犬との日々を大切にしたい人、ペットロスの悲しみを抱えている人に。笑いと涙の両方を味わいたいときに。犬を飼っているすべての人におすすめします。
良い点
- 笑いと涙のギャップがいい
- ダメ犬の愛嬌が伝わる
- 読みやすい文庫
気になる点
- 終盤がとても切ない
- 犬の死を想起させる
- グーの描写が懐かしすぎる
出版社
幻冬舎
発売日
2006年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ダメ犬グー」っていうタイトル、笑ってしまいました。どんなダメ犬なんですか?愛嬌があって、憎めない性格なんでしょうね。
最後は泣けると聞いて、覚悟しておきます。
佐藤メバル
人間みたいなしぐさをする、本当に愛おしい犬です。トイレの失敗もやんちゃも、ぜんぶ「らしい」で済ませてしまう。
でも、そのダメさが日々の宝物だったと、著者は描いています。読んでいるうちに、自分の愛犬を抱きしめたくなりますよ。
橘ナナミ
「生きているうちにうんと大切にしよう」という言葉が、ずしんと来ました。家族や友人にも、当てはまる話ですね。後悔しない毎日を過ごしたいです。
佐藤メバル
命には限りがあるからこそ、一瞬一瞬が輝く。この本は、ダメ犬グーとの笑いと涙の日々を通して、そのことを教えてくれます。
ペットロスの方にも、そっと寄り添う一冊になるはずです。

ありがとう。バディ 学校犬、その一生の物語
吉田太郎 著|セブン&アイ出版
¥2,005(税込)
日本でただ一校「犬がいる小学校」の初代学校犬バディ。2003年から立教女学院小学校にほぼ毎日登校し、聖書の授業や運動会、キャンプに参加。6年生のバディ・ウォーカーたちがお世話を担当するという、まったく新しい学校の姿があります。2回の出産も学校で見せたバディの一生を追いながら、子どもたちが「いのち」のぬくもりを学ぶ様子を描きます。2015年、静かに息を引き取るまでの記録は、教育と犬の可能性を感じさせます。
こんな人におすすめ
学校犬・セラピー的な犬の活動に興味がある人に。命の教育を考えたい読者、小学校教員や保護者にもおすすめ。犬を飼うことを子どもに教えるきっかけとしても読めます。
良い点
- 学校犬という題材が新鮮
- 子どもたちの成長が見える
- 犬の一生をリアルに伝える
気になる点
- 終盤の別れが切ない
- 学校行事の描写が多い
- 大型犬が登場する
出版社
セブン&アイ出版
発売日
2015年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
学校に犬がいるって、それだけで素敵な取り組みですね。バディは子どもたちに何を教えたんでしょうか。毎日お世話をするのも、学びになりそうです。
佐藤メバル
バディはただかわいがられるだけでなく、6年生の「バディ・ウォーカー」がごはんや散歩、しつけまで担当していました。
動物と暮らすということの責任を、実体験として知る。これこそ、教室では学べない「いのち」の教育です。
橘ナナミ
2回の出産を学校で見せたというのも驚きです。命の誕生を間近で見られるなんて、貴重な経験ですね。でも、最後のお別れもその場にいたんですね。
佐藤メバル
だからこそ、子どもたちは「命は永遠ではない」ことも学びました。バディの一生を追う本書は、学校犬の12年がくれた、希望と別れの記録です。
教育に携わる方にも、犬を飼うすべての方にも読んでほしいです。

救助犬エリーの物語 (ブルーバトンブックス)
W・ブルース・キャメロン 著|小峰書店
¥1,540(税込)
救助犬エリーの視点から、訓練、現場の活躍、引退後までを描いた物語。救助犬は災害現場で人を探す「仕事犬」。その一方で、パートナーとの深い絆がエリーの目を通して語られることで、犬の感情をまっすぐに伝えてきます。犬の人生は、人のために尽くすだけじゃないという問いも含んでいて、救助犬の「その後」まで考えさせられるのがこの本の特徴。やさしくて力強い、犬と人の物語です。
こんな人におすすめ
仕事犬の一生を知りたい人、犬の気持ちを想像したい人に。救助犬という働き方と、引退後の暮らしの両方を学べるので、犬を家族に迎えることを考えている人にもおすすめ。
良い点
- 犬視点で感情移入しやすい
- 救助犬の仕事が分かる
- 引退後まで描くのが新しい
気になる点
- 現場の緊張感が苦手な人も
- 犬の心情を人間的に擬人化
- 災害描写が不安な人は注意
出版社
小峰書店
発売日
2018年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
救助犬の物語は初めてです。エリーの視点で描かれると、犬の気持ちがすごく伝わってきそうですね。訓練から引退後まで読めるのがうれしいです。
佐藤メバル
エリーはパートナーと出会い、訓練を重ねて救助犬になります。災害現場では人の命を救い、引退後は家庭犬として暮らす。
犬の一生をその視点でたどるので、救助犬が何を感じているかを想像しながら読むことができました。
橘ナナミ
救助犬は「仕事」をしているけれど、エリーにとっては遊びの延長のような感覚かもしれませんね。人の役に立つことが好きな犬もいるんですね。犬それぞれの向き不向きを感じます。
佐藤メバル
まさにそこがこの本のテーマのひとつです。すべての犬が救助犬に向くわけではありません。エリーはパートナーとの絆があってこそ、その能力を発揮できる。
犬と人が互いに選び合う関係を、温かく描いています。

聴導犬のなみだ ― 良きパートナーとの感動の物語
野中圭一郎 著|プレジデント社
¥1,430(税込)
音を知らせる聴導犬。耳が聞こえない人の暮らしを、犬が「耳」となって支えます。捨てられていた犬と、耳の聞こえない人が出会い、信頼を育んでいく奇跡のような実話が収められています。盲導犬に比べてあまり知られていない聴導犬の世界を、テレビでも紹介された詳細なエピソードで追えます。訓練士とユーザー、両方の視点から描かれているので、犬を介した人のつながりが丁寧に伝わります。知られざる犬の仕事に触れたい人に。
こんな人におすすめ
聴覚障害と犬のパートナーシップに興味がある人に。補助犬の多様性を知りたいときに。また、捨てられた犬が活躍する姿に希望を感じたい人にもおすすめです。
良い点
- 聴導犬の役割がわかる
- 実話のかずかず
- 訓練士や利用者の声も収録
気になる点
- 盲導犬ほどの知名度はない
- 専門用語が少しある
- サポートの仕組みが複雑
出版社
プレジデント社
発売日
2017年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
聴導犬って、音を教えてくれる犬のことですよね。でも、盲導犬とどう違うのか、よく知らなくて……。捨てられた犬と人が出会う奇跡にも興味があります。
佐藤メバル
聴導犬は、玄関のチャイムや電話、赤ちゃんの泣き声などを、耳の聞こえない人に伝えます。この本では、捨てられていた犬が訓練士や利用者と出会い、絆を結んでいく過程が描かれています。
音のない世界に、犬がそっと寄り添う姿に心が温まります。
橘ナナミ
犬の仕事といっても、盲導犬だけじゃないんですね。訓練士や利用者の方の話も読めるのがうれしいです。もっと多くの人に知ってもらいたいです。
佐藤メバル
その通りです。本書は「犬」の章だけでなく、「訓練士」の章、「利用者」の章と、三重の視点で構成されています。
聴導犬をめぐる人のチームワークまで見えてくる。テレビでも紹介された物語を、ぜひ本でじっくり味わってください。

世界の軍用犬の物語
ナイジェルオールソップ 著|エクスナレッジ
古代バビロニアの軍用犬から現代の爆発物探知犬まで、世界の50か国近くで活躍してきた軍用犬の歴史と現在をまとめた包括的なノンフィクション。著者自身が軍用犬ハンドラーとしての豊かな経験を持つため、実務的な視点からの信頼感が違います。パトロール、警備、捜索救助など、犬の能力が軍隊や警察にどう生かされているかを詳細に解説。犬の歴史や能力の高さに興味がある人には、ほかに代えがたい一冊です。
こんな人におすすめ
犬と軍事・警察に興味がある人に。犬の能力を社会に活かす事例を知りたいとき、また、世界規模で犬の仕事を見渡したい人に。図鑑的にも読める充実の内容です。
良い点
- 50か国の事例を収録
- ハンドラー経験者の視点
- 歴史から現代まで網羅
気になる点
- 専門的で情報量が多い
- 戦争の話に抵抗がある人は注意
- 読み物としての娯楽性は低い
出版社
エクスナレッジ
発売日
2013年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
軍用犬というと、戦争中に走る犬のイメージが強いです。でも現代は爆発物を探知したりするんですね。50か国もの事例はすごいボリュームです。
佐藤メバル
現在の軍用犬は、パトロールや警備、捜索救助、爆発物探知など多岐にわたって活躍しています。本書は古代バビロニアから現代までを網羅し、実際にハンドラーだった著者ならではの信頼できる内容です。犬の能力の高さに驚かされます。
橘ナナミ
犬が兵士たちの「最良の友」でありつづけた理由が、この本を読めばわかるんですね。重いテーマですが、知らないより知るほうがいい話です。
佐藤メバル
そうですね。戦争という負の側面と向き合いつつ、犬がいかに人の命を救ってきたかも描かれています。図鑑的な構成なので、興味のあるところから拾い読みするのもおすすめです。
犬と人間の長い歴史に思いを馳せられますよ。

さよならをのりこえた犬 ソフィー 盲導犬になった子犬の物語 (角川つばさ文庫)
なりゆきわかこ 著|KADOKAWA
¥814(税込)
生後2か月で母犬や兄弟たちと離れ離れになった子犬ソフィー。新しい家で出会った健人くんは最初は冷たく、ふたりはやがて仲良しになりますが、ソフィーの前には「さよなら」という壁が立ちはだかります。盲導犬になるための別れと出会いが、こんなにも切なくて温かい話になるのか、と驚かされます。別れを乗り越えて盲導犬になっていくソフィーの姿に、成長と希望を感じられます。角川つばさ文庫から出ているので、小学生から無理なく読めます。
こんな人におすすめ
盲導犬という仕事に興味がある子どもに。別れ・旅立ち・成長をテーマに考えたいとき、小学校中学年から高学年の読み物としてぴったりです。犬の気持ちを想像しながら読める優しい文体です。
良い点
- ソフィーの視点で読みやすい
- 別れと成長の物語
- 実話に基づく感動
気になる点
- お別れの連続が切ない
- 子ども向けでいくぶん易しい
- 盲導犬の訓練の詳細は少ない
出版社
KADOKAWA
発売日
2019年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
子犬のソフィーが家族と離されて、新しいおうちで健人くんに出会うんですね。でも、盲導犬になるためにはまたお別れしないといけない……。その経験がソフィーを強くするんですね。
佐藤メバル
ソフィーは「さよなら」を何度も経験しながら、盲導犬として羽ばたいていきます。この物語のすごいところは、別れを単なる悲しみで終わらせず、その先にある希望にちゃんとふれていることです。
健人くんとの日々が、ソフィーの心の支えになっているのが伝わってきます。
橘ナナミ
別れはつらいけれど、それまでの思い出が生きる力になる。子ども向けの本だけど、大人の私にも刺さりました。ソフィーの一生を応援したくなります。
佐藤メバル
角川つばさ文庫は、小学生が無理なく読めるようにやさしく書かれています。それでいて、盲導犬を取り巻く現実や、犬の気持ちをていねいに描いている。
親子で読んで、「命のつながり」について話し合うのにもぴったりです。

犬たちをおくる日: この命、灰になるために生まれてきたんじゃない (ノンフィクション知られざる世界)
今西乃子 著|金の星社
¥1,430(税込)
タイトルの『犬たちをおくる日』は、犬の死を送る日。そして副題の「この命、灰になるために生まれてきたんじゃない」という言葉が、この本のテーマを強く告げています。犬の命が終わるとき、私たちはどう向き合うのか。「灰になる」という現実を直視しながら、生まれてきた意味を問いかけるノンフィクションです。金の星社の「ノンフィクション知られざる世界」シリーズらしく、子どもたちに生きることも死ぬことも考えさせてくれます。犬が好きな人ほど、読み終わった後に深い余韻が残るはずです。
こんな人におすすめ
命の終わりについて考えたい人に。ペットロスを経験した人、また「生きる意味」を問いかけたい学生や大人にも。いのちの教育の教材としても使える一冊です。
良い点
- 人生と死を真正面から描く
- 知られざる現場の現実
- シリーズで読みやすい
気になる点
- 非常に悲しい内容
- 重いテーマを抱えられないときは注意
- 年齢によっては衝撃が大きい
出版社
金の星社
発売日
2009年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『犬たちをおくる日』って、犬のお葬式のお話ですか?副題の『この命、灰になるために生まれてきたんじゃない』という言葉が重いです。
佐藤メバル
犬の最期をどう見送るか、その「日」をめぐるノンフィクションです。人はみな、いつか命を終えます。その現実を犬と向き合った一冊。
副題の言葉が、どんなに生きることに力をもらえるかを考えさせてくれます。
橘ナナミ
考えるのはつらいけれど、目をそらせないテーマですね。犬を大切に思う人ほど、この本が必要なのかもしれません。
読み終わった後、そっと愛犬を撫でたくなります。
佐藤メバル
悲しみばかりではなく、犬と生きた時間の宝物にも気づかせてくれる作品です。『ノンフィクション知られざる世界』シリーズらしく、命の終わりと生きることの意味を、子どもにもわかりやすく伝えてくれます。ぜひ家族で読んでみてください。

名犬チロリ 日本初のセラピードッグになった捨て犬の物語 (ノンフィクション・生きるチカラ9)
大木トオル 著|岩崎書店
¥1,430(税込)
ゴミ箱に子犬たちと一緒に捨てられ、殺処分寸前で助けられたチロリ。人間にたくさん傷つけられたにもかかわらず、やさしい笑顔と深い思いやりで、弱った人の心を癒し続けました。日本初のセラピードッグになったチロリの物語は、不幸のどん底からはい上がる生命力そのもの。お年寄りを献身的にケアする姿に、人は誰かのために生きる喜びを思い出します。岩崎書店のノンフィクション・生きるチカラシリーズで、子どもの励みにもなります。
こんな人におすすめ
挫折やつらい経験を抱えている人に。人や動物の「再生」を感じたいとき。小学生から読めるノンフィクションとして、命の大切さや回復力を学びたい子どもにも。テーマは重いですが、希望に満ちています。
良い点
- 日本初のセラピードッグの実話
- 逆境を乗り越える姿が勇気をくれる
- 子どもにも読みやすい
気になる点
- 虐待の背景が悲しい
- 涙なしでは読めない
- 犬の心理描写は控えめ
出版社
岩崎書店
発売日
2011年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
捨てられて、いじめられてきた犬が、人の心を癒す側になるんですね。すごい逆転劇です。殺処分寸前だったと聞いて、本当に運命が変わったんですね。
佐藤メバル
チロリは人間にたくさん傷つけられたのに、お年寄りに対しては優しい笑顔を見せるんです。その姿は、「人に希望を捨てない」ことの尊さを教えてくれます。
献身的にケアする様子に、読んだあとに不思議と勇気が湧いてきますよ。
橘ナナミ
「人の役に立つことの喜び」を知っている犬なんですね。私もチロリのような強さを持ちたいです。日本初のセラピードッグという肩書きがぴったりです。
佐藤メバル
チロリの歩みは、障害やいじめ、孤独に苦しむ人たちへのエールにもなっています。岩崎書店の『ノンフィクション・生きるチカラ』シリーズは、子どもに読ませたい一冊を選んでいるので、親子で読むのにも安心です。
チロリがくれた希望を、ぜひ受け取ってください。

老いゆく愛犬と暮らしたかけがえのない日々 ワンコ17歳
サエタカ 著|KADOKAWA
¥1,870(税込)
17歳11か月まで生きたワンコと暮らした日々を、全編描き下ろしのイラスト&エッセイで綴った一冊。15歳、16歳、17歳と、老いていくワンコのペースに合わせて生活が変わっていく様子が、にっこりほっこり、そしてちょっとほろりと描かれます。老犬介護は大変だけど、やさしい気持ちにもなれるという言葉に、著者の愛が詰まっています。Twitterで話題になった「秘密結社老犬倶楽部」のストーリーも収録。犬と老後をどう生きるかを、明るく前向きに考えさせてくれます。
こんな人におすすめ
老犬と暮らしている人、シニア犬のケアに悩む人に。動物病院の待合室などでも手に取りやすい軽い文体です。高齢のペットとの時間をあらためて大切にしたい人におすすめ。ペットロスを見越して、前向きに日々を過ごしたい人にも。
良い点
- イラストが温かい
- 老犬介護の日常がリアル
- ツイッター既読者も楽しめる
気になる点
- 介護の詳細に共感しすぎて泣ける
- テーマが老いなので軽い気持ちには読めない
- 日記形式なので起伏は少ない
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
17歳11か月っていうのを聞いて、長く生きてくれたんだなあと安心する反面、最後の日々を思うと切なくなりました。
でも、イラストエッセイという形なら、その日々のぬくもりを感じられそうですね。
佐藤メバル
この本は、老いゆくワンコとの日常を「そのまま」愛でる作品です。介護をしていると、つい辛さに目が行きがちですが、この本はトイレの失敗も、眠ってばかりの時間も、すべて愛おしい思い出として描かれている。
だから読んでいるうちに、気持ちがふっと軽くなります。
橘ナナミ
老犬介護は大変だけど、やさしい気持ちにもなれる。まえがきの言葉が胸に沁みました。シニア犬と暮らすすべての人に届いてほしいです。
佐藤メバル
そうですね。『秘密結社老犬倶楽部』のエピソードも収録され、同じ体験をした人たちの共感を呼んでいます。
絵と短い文で構成されているので、何度も開きたくなる。犬との時間を大切にしたい人に、お守りのような一冊です。
涙・笑い・社会問題。「犬の物語」はこんなに広い
橘ナナミ
ランキングを見ていると、「ペットロス」や「保護犬」をテーマにした本が多いですね。
佐藤メバル
犬の物語のいちばんの魅力は、感情の振れ幅の大きさです。まず涙の定番は『ハチ公物語』。実話をもとにした『イヌのなみだ』には17のエピソードが収められ、読む場所によって泣きどころが違います。一方、『犬になりたくなかった犬』は、雑種の駄犬が才能を発揮するコミカルな傑作。同じ「犬」でも、笑いと涙のバランスは対照的です。
橘ナナミ
ドキドキする作品もありますか?
佐藤メバル
『世界の軍用犬の物語』は、古代から現代までの軍用犬の歴史を扱ったノンフィクション。パトロールや爆発物探知など、犬の能力に驚かされます。『救助犬エリーの物語』は、救助犬が現場で人命を救う緊張感と、パートナーとの絆を描いた作品です。犬の「仕事」に焦点を当てると、物語のイメージががらりと変わりますよ。
年齢・読書レベルを橋渡しする、児童書とYAと一般書
橘ナナミ
児童書のコーナーと一般書のコーナー、どうしても別々に見ちゃいます。
佐藤メバル
でも犬の物語は、年齢を超えて読めるのが魅力です。まず『犬と私の10の約束』は、子どもに読んでほしい物語です。『アンジュール』は卓越したデッサンで綴られた絵本で、小さな子から大人まで、言葉を介さずに犬の心に寄り添えます。中学年向けの『犬の車いす物語』や『名犬チロリ』は、障害や保護犬をテーマにしながら、大人にも刺さる問いを含んでいます。さらに読書経験が増えてきたら、『犬物語』(ジャック・ロンドン)や『犬がいた季節』へ。児童書→YA→一般書の順に読むと、テーマの重さを段階的に受け止められます。
橘ナナミ
電子書籍やオーディオブックでも楽しめますか?
佐藤メバル
そうですね。一話完結の短編集は電子書籍との相性がよく、児童書はオーディオブックにすると読み聞かせのような感覚で楽しめます。『犬から聞いた素敵な話』や『イヌのなみだ』のような実話アンソロジーは、隙間時間に一話ずつ読むのにもぴったりです。まずは手に取りやすい形態から始めるのが長く読書を続けるコツですよ。
実話と創作が交差する。犬を語ることは、命を語ること
橘ナナミ
『実験犬シロのねがい』は、ずしんと重いテーマだと思うんですけど、どう読めばいいですか。
佐藤メバル
この本は一匹の白い犬が動物実験の現場で受けた仕打ちを描き、読後に「動物とどう向き合うか」を考えさせる作品です。しんどい部分もありますが、『盲導犬不合格物語』や『聴導犬のなみだ』とあわせて読むと、人間の都合で「使える犬」「使えない犬」に分けてしまう社会のあり方への問いとして見えてきます。『犬たちをおくる日』が投げかける「この命、灰になるために生まれてきたんじゃない」という言葉も、同じ問いにつながっています。
橘ナナミ
実話と創作の違いで、受け取り方は変わりますか?
佐藤メバル
実話には、現実を変えようとする力があります。『犬の車いす物語』や『ありがとう。バディ』は、目の前の一頭の命と向き合う姿を描いたノンフィクション。一方、創作の『犬になりたくなかった犬』や『世にも有名な犬たちの物語』は、犬という存在を通して人間の滑稽さや愛おしさを描きます。実話→創作の順に読むと、「犬に何を重ねてきたか」という人間の文化そのものが見えてくるはずです。
よくある質問
犬が登場するおすすめ小説は?
橘ナナミ
犬が登場するおすすめ小説はについて教えてください。
佐藤メバル
犬そのものが主人公になる作品から、人間の人生に寄り添う物語まで多彩です。入門には『犬がいた季節』、犬視点の味わいを楽しむなら『犬物語』(ジャック・ロンドン)、長編クラシックなら『ダルメシアン: 100と1ぴきの犬の物語』がおすすめです。まずは「犬が主役か、犬が語り手か」で選ぶと迷いません。
泣ける犬の物語・感動する犬の本を教えて。
橘ナナミ
泣ける犬の物語・感動する犬の本を教えて。について教えてください。
佐藤メバル
定番は『ハチ公物語』。実話をもとにした『イヌのなみだ』や『犬から聞いた素敵な話』は、短いエピソードがたくさん収められていて、涙のツボがいくつもあります。読後にそっと本を閉じたくなる一冊を選びたい方は、老犬介護を描く『老いゆく愛犬と暮らしたかけがえのない日々』もおすすめです。
犬視点で書かれている小説は?
橘ナナミ
犬視点で書かれている小説はについて教えてください。
佐藤メバル
ジャック・ロンドンの『犬物語』は、極北を生きる犬の嗅覚や感覚を追体験できる犬視点の名作です。やさしい語り口なら『救助犬エリーの物語』。子犬のソフィーが語る『さよならをのりこえた犬 ソフィー』は、YA向けに読みやすく書かれています。
読書初心者でも読みやすい犬の小説は?
橘ナナミ
読書初心者でも読みやすい犬の小説はについて教えてください。
佐藤メバル
文字数が少なく、総ルビつきの『犬の車いす物語』は小学校初級から読めます。大人の初心者には、一話完結の短編集『犬から聞いた素敵な話』や、エッセイ風の『老いゆく愛犬と暮らしたかけがえのない日々』が取りつきやすいです。
犬のミステリー・警察小説のおすすめは?
橘ナナミ
犬のミステリー・警察小説のおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
純粋な探偵小説というよりは、『世界の軍用犬の物語』でパトロールや爆発物探知など、犬の仕事のリアルを知るのがおすすめです。物語としての緊張感を味わうなら、救助犬の活動を描く『救助犬エリーの物語』が近い感覚で読めます。
小学生や子どもにおすすめの犬の物語は?
橘ナナミ
小学生や子どもにおすすめの犬の物語はについて教えてください。
佐藤メバル
『ハチ公物語』は小学中級から、『犬の車いす物語』は小学初級から読める総ルビつきです。絵本なら『アンジュール』や『わんわん物語』。児童書とYAのあいだには、『盲導犬不合格物語』もおすすめです。
実話をもとにした犬の感動本は?
橘ナナミ
実話をもとにした犬の感動本はについて教えてください。
佐藤メバル
『南極犬物語』は南極観測隊に取り残されたタロとジロの実話。『実験犬シロのねがい』は動物実験の実態を告発した衝撃のノンフィクションです。『名犬チロリ』は捨て犬からセラピードッグになった一頭の実話で、「生き抜く強さ」を教えてくれます。
犬の物語の名作・ロングセラーは?
橘ナナミ
犬の物語の名作・ロングセラーはについて教えてください。
佐藤メバル
『ハチ公物語』『ダルメシアン: 100と1ぴきの犬の物語』『わんわん物語』は、世代を超えて愛され続けている名作です。日本文学なら『犬がいた季節』、海外文学ならジェイムズ・ヘリオットの『犬物語』も長く読み継がれています。
まとめ
橘ナナミ
ランキングを作りながら、「犬の物語」ってこんなに視点が違うんだと驚きました。泣くために読むのか、癒やしのために読むのか、それとも社会について考えるために読むのか……。
佐藤メバル
その感覚、大切ですよ。犬の物語は、読み手の状態によって何倍にも味わいが変わるジャンルです。
橘ナナミ
そうですね。今日の自分にはどの一冊が寄り添ってくれるのか、ちょっとわくわくします。
佐藤メバル
犬の物語は、まるで散歩のコースを選ぶように、その日の気分で読む作品を変えられるのが魅力です。どの本も、そばにいてくれる一頭として、きっとあなたの心に残るはずです。








