経済安全保障の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年8月
橘ナナミ
佐藤さん、最近「経済安全保障」って言葉をよく聞くんですけど、そもそも何なのか、どんな本を読めばいいのかサッパリで。教えてください!
佐藤メバル
いい質問だね。経済安全保障は、ざっくり言うと「国の安全や繁栄を、経済的な手段で守り、強くすること」。半導體やエネルギー、食料といった重要物資の安定確保、技術流出の防止、サイバー攻撃への対策などが含まれる。もはや軍事だけじゃなく、ビジネスや日常生活にも直結しているんだ。
橘ナナミ
なるほど!じゃあ、まずは何から読めばいいんですか?
佐藤メバル
入門なら『わかる経済安全保障』(KINZAIバリュー叢書L)がおすすめ。弁護士の境田正樹氏が、投資・製造・研究開発・サイバーと場面ごとに法律リスクを平易に解説してくれている。さらに高市早苗大臣などのインタビューも収録されていて、生の声が聞けるのが貴重だよ。
橘ナナミ
それ、実務にも役立ちそうですね。でも、もっと大きな視点で理解したい人には?
佐藤メバル
そういう人には『経済安全保障とは何か』(東洋経済新報社)が最適。船橋洋一氏ら各分野の第一線研究者が、米中関係、デジタル、エネルギー、医療など幅広く論じている。序章で「経済安全保障の要諦は『育てる』ことだ」と述べているように、守りだけでなく攻めの視点が学べるよ。
経済安全保障の本の選び方
目的別:基礎知識を得たい / 実務に活かしたい / 政策を理解したい / 投資判断に活かしたい
橘ナナミ
目的によって選ぶ本が変わるんですね。具体的に教えてください。
佐藤メバル
そうだね。まず「基礎知識を得たい」なら、『新しいビジネス教養「地経学」で読み解く! 日本の経済安全保障』(宝島社)が図解も豊富でわかりやすい。一方「実務に活かしたい」企業の法務・コンプライアンス担当者には、『経済安全保障とビジネス 企業が知るべきリスクと実践法』(日経BP)がおすすめ。電通総研の1万人調査データや北村滋氏の提言も載っていて、現場で使える。
橘ナナミ
政策を深く知りたい場合は?
佐藤メバル
例えば現職大臣が書いた『日本の経済安全保障 国家国民を守る黄金律』(飛鳥新社)は、高市早苗氏がサプライチェーン強化やK Program、セキュリティクリアランス制度まで詳述している。政策の意図を直接知れる一冊だ。投資判断に活かしたいなら、半導体やエネルギー関連の本が参考になるよ。
レベル別:入門者向け / 中級者向け / 専門家向け
橘ナナミ
レベル分けも重要ですよね。入門者はどの本から手をつければ?
佐藤メバル
入門者には『ビジネス安全保障 経済・暮らし・サイバー空間でいま起きていること』(日経プレミアシリーズ)がぴったり。1100円と手ごろで、暮らしや働き方との関わりをコンパクトに解説している。中級者には『ビジネスと地政学・経済安全保障』(日経BP)がおすすめ。具体的なリスクと部門別対応策が網羅されている。専門家向けには『経済安全保障と「経済インテリジェンス」』(芙蓉書房出版)や『サプライチェーンと法律実務』(勁草書房)など、より深掘りした内容の本を選ぶといい。
形式別:新書・文庫 / 実用書・ビジネス書 / 学術書・専門書
橘ナナミ
新書で気軽に読みたいこともあります。
佐藤メバル
新書なら『日本企業のための経済安全保障』(PHP新書)や『見えない戦争 インテリジェンス・勢力圏・経済安全保障の地政学』(文春新書)がいい。どちらも第一線の識者が書き、読みやすくまとめられている。実用書・ビジネス書では『地経学リスクからみた 経済安全保障20の新常識』(中央経済社)が、職能部署別に具体的な対応を整理していて実務的。学術書なら『経済安全保障: 経済は安全保障にどのように利用されているのか』(日本経済評論社)で、戦間期・冷戦期の事例から理論的に学べる。
テーマ別:半導体・技術 / 地政学 / エネルギー / 金融 / 軍事・防衛
橘ナナミ
半導体が特に話題ですよね。半導体に特化した本はありますか?
佐藤メバル
あるよ。『経済安全保障と半導体サプライチェーン』(文眞堂)は、実務家・法律家・経済学者ら最新の知見をまとめている。もう一冊、『日台の半導体産業と経済安全保障』(展転社)は、台湾との連携を軸に半導体産業の現状と未来を考える。エネルギーに興味があれば『図解でわかるエネルギー安全保障』(技術評論社)が、GXと安定供給の両立を詳しく解説している。金融分野では『金融機関のための経済安全保障推進法のリスク管理措置への対応』(中央経済社)が、金融機関向けに特化している。
著者属性別:政策担当者(元官僚) / 研究者 / ジャーナリスト / 実務家(コンサル・弁護士)
橘ナナミ
著者のバックグラウンドによって切り口が違いますよね。
佐藤メバル
そう。政策担当者の視点を知りたければ、元国家安全保障局長の北村滋氏『見えない戦争』はインテリジェンスの実務がリアル。研究者では鈴木一人氏『世界の構造と経済の本質をつかむ 超図解 地経学』が、地経学を図解でわかりやすく解説。実務家(弁護士)なら『企業法務のための経済安全保障入門』(中央経済グループパブリッシング)や『Q&A 経済安全保障の実務対応』(日経BP)が、法律面の実践ノウハウを提供してくれる。
経済安全保障の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
経済安全保障の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

経済安全保障とは何か
国際文化会館地経学研究所 著|東洋経済新報社
¥2,640(税込)
各分野の第一人者11名が結集し、米中新冷戦下の日本が「守る」だけでなく「攻める」経済安全保障戦略を提示。デジタル・エネルギー・医療など多角的視点から論点を整理し、国家戦略としての方向性を示す。類似書と違い、序章で「黒字構造への再構築」という明確な枠組みを掲げ、幅広い論点を俯瞰できる点が強み。
こんな人におすすめ
経済安全保障を学問的・総合的に理解したいビジネスパーソンや政策関係者。各論に入る前に全体像をつかみたい人に最適。
良い点
- 執筆陣が豪華で信頼性が高い
- 「攻める」視点が新鮮
- 多分野をカバーする網羅性
気になる点
- やや専門的で初学者には難易度高め
- 各章の深掘りは限定的
- 価格がやや高め
出版社
東洋経済新報社
発売日
2024年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、11人もの専門家が書いてるんですね。でも一冊でまとまってるんでしょうか?
佐藤メバル
いい質問だね。船橋洋一さんが全体の枠組みを序章でしっかり示しているから、各論がバラバラにならないんだ。
特に「経済安全保障の最大の要諦は育てること」というメッセージが一貫していて、単なる論集ではないんだよ。
橘ナナミ
なるほど。「守るだけでなく攻める」という視点が印象的でした。でも難しそうで、初心者にはハードル高くないですか?
佐藤メバル
確かに初学者には向かないかもしれない。ただ、経済安全保障の全体像を体系的に掴みたいなら、これ以上に適した本は少ない。
各分野のエキスパートが最新の論点を整理しているから、ある程度知識がある人には非常に有用だ。

日本の経済安全保障 国家国民を守る黄金律
高市早苗 著|飛鳥新社
¥1,980(税込)
高市早苗経済安全保障担当大臣が完全書き下ろした現役の政策担当者による一冊。サプライチェーン強靭化、K Program、セキュリティクリアランスなど、制度設計の裏側と現場感覚がリアルに伝わる。類似の政策解説書と違い、具体的な法制度の狙いや今後の課題に踏み込み、ビジネスへの影響も具体的に示す。
こんな人におすすめ
経済安全保障政策の実務インパクトを理解したい経営者・法務担当者。政策の現場を知りたい人に。
良い点
- 現職大臣の生の声
- 実務的なQ&Aや事例が豊富
- 制度の背景まで解説
気になる点
- 客観性にやや欠ける可能性
- 賛否が分かれる見解も
- ページ数多く読み応えあり
出版社
飛鳥新社
発売日
2024年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
大臣じしんが書いた本って珍しいですよね。どんな内容なんですか?
佐藤メバル
そうなんだ。高市大臣は経済安保推進法の成立に深く関わった人物で、この本では法制度の意図や運用の実態を赤裸々に語っている。
特に「K Program」という先端技術の研究開発支援プログラムについて詳しく、通常の解説書では得られない内部情報が満載だ。
橘ナナミ
「増税なんて100%必要ない」って帯にありましたけど、そういう主張が強いんですか?
佐藤メバル
確かに高市大臣の信念が色濃く出ている。ただ、単なる政治的主張だけでなく、日本の底力や企業の競争力を具体的な政策と結びつけて論じているから、賛否はあれど参考になる部分は多い。政策の背景を知るには貴重な一冊だ。

経済安全保障: 経済は安全保障にどのように利用されているのか
長谷川将規 著|日本経済評論社
戦間期や冷戦期の事例を引いて、経済が安全保障の手段として使われてきた歴史をひもとく学術的アプローチ。中国の台頭とアジアの反応も分析し、従来の国際政治経済学の死角を照射する。類似書が現代の制度解説に偏る中、この本は「経済の武器化」の歴史的パターンを理解するのに役立つ。
こんな人におすすめ
経済安全保障の歴史的・理論的基盤を学びたい研究者や大学院生。政策の背景を深く知りたい人に。
良い点
- 歴史的視点が独自
- 理論的枠組みが明確
- 学術的な信頼性
気になる点
- 実務的ではない
- 一般読者には難しい
- 具体的事例がやや少ない
出版社
日本経済評論社
発売日
2013年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
戦間期や冷戦の話が出てくるんですね。今の米中対立と通じるものがあるんでしょうか?
佐藤メバル
とても通じるんだ。長谷川さんは、経済制裁や輸出規制が昔から安全保障の手段として使われてきたことを豊富な事例で示している。
例えば1930年代の経済ブロック化や、冷戦期のCOCOM(対共産圏輸出統制委員会)の話は、今の米中デカップリングを考える上で示唆に富む。
橘ナナミ
歴史から学ぶのは面白いですね。でもこれ一冊で実務に役立つものなのでしょうか?
佐藤メバル
すぐに使えるノウハウを期待する人には向かない。でも、なぜ経済安保が今重要なのかを根底から理解したいなら、これ以上に適した本はない。
理論的な背景が分かると、ニュースの見方も変わるから、長い目で見れば実務にも生きるはずだ。

経済安全保障とビジネス 企業が知るべきリスクと実践法
電通総研経済安全保障研究センター 著|日経BP
¥2,420(税込)
元国家安全保障局長の北村滋氏率いる電通総研チームが執筆。全国1万人調査のデータを初公開し、国民の経済安保意識を可視化。さらに20の実務Q&Aで、専門部署の設置方法や台湾有事への備えなど現場の悩みに答える。類似の実務書と比べ、データと具体策の両面からアプローチしている点がユニーク。
こんな人におすすめ
企業の実務担当者、特に経済安保の専門部署を立ち上げようとしている人。具体的なリスク対策を知りたい経営層にも。
良い点
- 1万人調査のデータが貴重
- Q&Aが実践的
- 北村滋氏の提言が参考
気になる点
- ボリューム多く読むのに時間がかかる
- やや専門用語多め
- データは2024年時点のもの
出版社
日経BP
発売日
2026年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1万人調査ってすごいですね。どんなことが分かったんですか?
佐藤メバル
例えば、経済安保政策への支持は高いものの、コスト負担には慎重な国民が多いことなどが数字で明らかになった。
これは企業が対策を打つ際に、社内外の理解を得るための材料になる。また、Q&Aコーナーでは「サプライチェーンの可視化はどうやるのか」「退職者からの情報漏洩対策」など、実際に現場で困るポイントを具体的に解説している。
橘ナナミ
それは実務に役立ちそうですね。でも専門部署を作るって中小企業にはハードルが高そう…
佐藤メバル
その点も本書はカバーしている。部署の規模や予算に応じた段階的なアプローチが示されていて、小さな会社でもできることから始められる。
特に初めて経済安保に取り組む企業には、この一冊で全体像と最初の一歩が掴めるはずだ。

ビジネス安全保障 経済・暮らし・サイバー空間でいま起きていること (日経プレミアシリーズ)
日本経済新聞社 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥1,100(税込)
日経の記者が、安全保障が企業情報や日常生活にどう関わるかを平易に解説。サイバー攻撃やインフラ断絶など、身近なリスクに焦点を当て、専門知識がなくても理解できる。コンパクトで値段も手頃なため、経済安全保障の入門として最適。
こんな人におすすめ
経済安全保障をこれから学びたいビジネスパーソンや学生。ニュースで話題のキーワードをざっくり理解したい人に。
良い点
- 読みやすい文章と構成
- 1100円で買える手軽さ
- 暮らしとの接点が具体的
気になる点
- 深掘り不足
- 既に知識がある人には物足りない
- 専門用語の解説が少ない
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2025年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日経プレミアシリーズの新書ですね。経済安全保障って難しそうなイメージがあるんですけど、この本は軽く読めそうですか?
佐藤メバル
まさにその通り。この本は「安全保障は縁遠い世界じゃない」というコンセプトで、企業の情報管理から電力や水道のインフラまで、身近なテーマで解説している。
例えば、サイバー攻撃で工場が止まったらどうなるか、という具体例から入るから、初学者でもすっと入っていける。
橘ナナミ
身近な例だとイメージしやすいですね。でもこれ一冊で十分ですか?
佐藤メバル
入門としては十分だけど、実務に必要な深さは足りない。でも、まずはこの本で全体の輪郭を掴んで、興味を持った分野を別の専門書で深める、という使い方がベストだと思う。
値段も手頃だし、最初の一冊としておすすめできる。

日本企業のための経済安全保障 (PHP新書)
布施哲 著|PHP研究所
¥1,100(税込)
NECグループのシンクタンク勤務の著者が、経済安保をコンプライアンスではなく事業チャンスに変える「攻めの経済安全保障」を提唱。台湾有事リスクやデジタル安全保障まで具体的に論じ、経営に活かすインテリジェンスの考え方を紹介。類似の実務書が防御策中心なのに対し、攻めに軸足を置く点がユニーク。
こんな人におすすめ
経済安保をビジネス成長の機会と捉えたい経営者・事業企画担当者。リスクをチャンスに変える視点を求める人に。
良い点
- 攻めの発想が新鮮
- 台湾有事など具体的テーマ
- コンパクトで読みやすい
気になる点
- 防御策の網羅性は低い
- やや楽観的すぎる可能性
- NECグループの立場が影響か
出版社
PHP研究所
発売日
2024年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「攻めの経済安全保障」って面白い言葉ですね。普通は規制とかリスク対策のイメージですけど。
佐藤メバル
そう、この本は発想の転換を提案している。例えば、サプライチェーンの強靭化はコスト増だけど、それを新たなサービスや製品の差別化につなげる方法を具体的に示しているんだ。
著者はテレビ局やネット企業の経験もあるから、ビジネス視点がしっかりしている。
橘ナナミ
なるほど。でも「攻め」ばかりだと、リスク対策がおろそかになりませんか?
佐藤メバル
そこはちゃんとバランスを取っているよ。台湾有事の具体的なシナリオ分析や、デジタル安全保障の基礎も押さえているから、防御と攻めの両方から考える手助けになる。
特に新規事業を考えている人には刺激的な内容だ。

わかる経済安全保障 (KINZAIバリュー叢書L)
境田正樹 著|金融財政事情研究会
¥1,770(税込)
日々経済安全保障案件を扱う弁護士が、投資・製造・研究開発・サイバーの各局面ごとに法的リスクと対応を平易に解説。高市早苗氏、谷内正太郎氏などキーパーソンのインタビューも収録し、政策の最前線が分かる。類似の実務書と比べ、法律の視点から具体的なケースを示す点が強み。
こんな人におすすめ
企業の法務・コンプライアンス担当者。経済安保関連法の実務対応を正確に理解したい人に。
良い点
- 弁護士による実践的解説
- キーパーソンインタビューが貴重
- 場面別で整理され使いやすい
気になる点
- 法律の知識がないと難しい
- ページ数がやや多い
- 価格が高め
出版社
金融財政事情研究会
発売日
2023年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
弁護士さんが書いた本なら実務的ですね。どんなことが書いてあるんですか?
佐藤メバル
例えば、外国からの投資を受けるときにどんな規制があるか、新製品を輸出するときに注意すべき点、研究開発での技術流出防止策など、実際のビジネスシーンに沿って法的なリスクを整理している。
特に印象的なのは高市大臣と谷内初代国家安全保障局長のインタビューで、立法背景や運用の考え方が直接聞けるのが貴重だ。
橘ナナミ
法律の本って難しそうですが、この本はどうですか?
佐藤メバル
確かに専門用語は出てくるけど、平易な言葉で書こうと努力しているのが伝わる。各章の冒頭に「ここがポイント」というまとめがあって、全体像を掴んでから詳細に入れるよう工夫されている。
法務以外の部署の人でも、関連する部分だけ拾い読みできる構成だ。

ビジネスと地政学・経済安全保障
羽生田慶介 著|日経BP
¥2,750(税込)
ロシアのウクライナ侵攻や半導体規制など、地政学リスクが顕在化する中、企業が部門別にどう対応すべきかを具体的に指南。三つのメガトレンドを軸に、リスクをチャンスに変える実践ノウハウを提供。類似書がマクロ分析に留まりがちなのに対し、経営企画・法務・調達など部門ごとの対応策を列挙した実践度が高い。
こんな人におすすめ
全社的な地政学リスク管理体制を構築したい経営者・リスク管理担当者。現場レベルで何をすべきか知りたい人に。
良い点
- 部門別対応が具体的
- メガトレンド分析が明快
- リスクをチャンスに変える視点
気になる点
- ややボリュームあり
- 図表がもう少し欲しい
- 特定の業界に偏った例も
出版社
日経BP
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「地政学リスクはカイゼンではどうにもならない」って帯にありますけど、結構強いメッセージですね。
佐藤メバル
まさにその通りで、これまで日本の製造業が磨いてきた現場力だけでは対処できないリスクが増えている。例えば、突然の追加関税やサプライチェーン断絶は、現場の努力だけではどうしようもない。
この本は、経営レベルでの戦略的な対応が必要だと説き、具体的な方法を示している。
橘ナナミ
部門別の対応策って、例えばどんなものがありますか?
佐藤メバル
例えば、人事部門なら海外赴任者のセキュリティ教育、調達部門ならサプライヤーの集中度評価、法務部門なら輸出規制のチェックリスト整備など、実務レベルで使えるチェック項目が満載だ。
各部門が自分ごととして捉えられるように書かれている。

新しいビジネス教養「地経学」で読み解く! 日本の経済安全保障
渡邉哲也 著|宝島社
¥1,540(税込)
図版とイラストを多用し、経済安全保障の基礎を見てわかるよう工夫された入門書。半導体、AI、エネルギーなど幅広いテーマを簡潔に解説。類似の入門書よりもビジュアル重視で、短時間で全体像を把握したい人に最適。
こんな人におすすめ
視覚的に学びたい学生やビジネス初心者。経済安全保障のニュースに出てくる用語をイメージで理解したい人に。
良い点
- 図解が豊富で分かりやすい
- テーマの幅が広い
- 1540円で手頃
気になる点
- 浅い内容に留まる
- 図が古い部分もある
- 専門性は低い
出版社
宝島社
発売日
2022年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「地経学」って聞いたことありますけど、よくわからないんです。この本はどうですか?
佐藤メバル
この本は「地経学」という新しい枠組みで経済安全保障を捉えているんだ。地理と経済を組み合わせて、なぜ米中対立が起きているのか、なぜ半導体が重要なのかを、図を見ながら直感的に理解できる。
文字ばかりの本より頭に入りやすいと思う。
橘ナナミ
図やイラストがあるとイメージしやすいですね。でもこれだけで実務に使えるんですか?
佐藤メバル
実務にはもちろん足りない。でも、まず全体像を把握するには最適だ。この本で基礎用語を押さえてから、より専門的な本に進むとスムーズ。
特に学生や異業種からこの分野に入る人にはおすすめできる。

サプライチェーンと法律実務
末冨純子 著|勁草書房
¥5,500(税込)
サプライチェーンに関わる法務問題をクロスボーダーの制裁、輸出入規制、関税、安全保障、人権まで幅広くカバーした本格実務書。1冊でサプライチェーン法務の全体を把握できる。類似書が経済安保に特化する中、この本は税務や人権なども含めた総合的な視点で、実務者にとってのバイブル的存在。
こんな人におすすめ
国際取引やサプライチェーン管理の法務担当者。クロスボーダーのリスクを網羅的に理解したい人に。
良い点
- 網羅性が高い
- 実務的な解説
- 著者の経験に基づく具体例
気になる点
- 5500円と高額
- 法律の専門知識が必要
- 分厚くて持ち運びに不便
出版社
勁草書房
発売日
2026年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、すごく分厚いですね。サプライチェーンを法律の面から全部解説してるんですか?
佐藤メバル
そうなんだ。著者の末冨純子さんはこの分野の第一人者で、輸出管理から制裁、FTA、税務、さらに最近話題のサプライチェーンにおける人権デューデリジェンスまで、実務で必要なトピックを網羅している。
単なる解説だけでなく、リスク分析の考え方も詳しく書かれているから、法務パーソンには重宝する一冊だ。
橘ナナミ
でも値段が5500円と高いですね…初心者にはハードルが高そうです。
佐藤メバル
確かに値段は張るけど、内容の濃さを考えれば妥当だと思う。ただ、経済安全保障だけに絞った本が欲しいなら、他の選択肢もある。
この本はサプライチェーン全体の法務をカバーしているから、専門家向けのリファレンスとして位置づけた方がいい。

Q&A 経済安全保障の実務対応 法制の概要とリスク管理のポイント
桜田雄紀 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥3,080(税込)
米中ロの国際環境変化に対応した、経済安全保障の最新知識と実務上の留意点をQ&A形式で丁寧に解説。技術や知財の保護、サプライチェーン構築に必要な実践的ノウハウが凝縮。類似の実務書が法令解説中心なのに対し、現場の疑問に直接答える形で構成されている。
こんな人におすすめ
実務ですぐに役立つ知識が欲しい法務・貿易管理担当者。具体的なケーススタディを求めている人に。
良い点
- Q&A形式で実践的
- 最新の動向に対応
- 416ページの充実内容
気になる点
- 値段が3080円とやや高め
- Q&Aゆえに体系的理解には不向き
- 特定の業界に偏る可能性
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2025年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
Q&A形式だと読みやすいですね。どんな質問が載ってるんですか?
佐藤メバル
例えば「経済安全保障推進法の対象になる取引の判断基準は?」とか「サプライチェーンを強靭化するにはどうすれば?」といった、実際に現場で出てきそうな疑問が並んでいる。
著者は実務家なので、答えも具体的で、すぐに使えるヒントが多い。
橘ナナミ
なるほど。でもQ&Aだと体系的に学べないのでは?
佐藤メバル
その点は確かにある。ただ、最初に全体像を掴むための章構成になっていて、第1章で基礎知識をまとめてからQ&Aに入るから、流れに沿って読めば体系的な理解もできる。
困ったときに索引から調べられるのもメリットだ。

企業法務のための経済安全保障入門
大川信太郎 著|中央経済グループパブリッシング
¥3,740(税込)
経済安全保障関連法制の立案に行政官および弁護士として携わった著者による、法務目線の企業対応を解説。政策の意図を踏まえた実務のポイントが理解できる。類似書が単に法令を説明するのに対し、立法過程の背景から解説している点が深い。
こんな人におすすめ
経済安保法の背景から実務まで知りたい法務担当者・コンプライアンス責任者。政策の意図を理解した上で対応したい人に。
良い点
- 立法過程の知識が活きる
- 実務家向けの構成
- 信頼性の高い内容
気になる点
- 価格が3740円と高め
- やや専門的
- ページ数が305ページと中程度
出版社
中央経済グループパブリッシング
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
行政官と弁護士の両方の経験がある人が書いたんですね。それは珍しいですね。
佐藤メバル
そうなんだ。大川さんは経済安全保障推進法の立案にも関わった経歴を持つ。だから、法律の条文の背景にある意図や、なぜそのような規制になったのかが詳しく説明されている。
実務家としては、単に「こうしなさい」と言われるより、「なぜそうなったのか」が分かると応用が利く。
橘ナナミ
それはありがたいですね。でもこの本を読むにはある程度の予備知識が必要ですか?
佐藤メバル
入門者には少し難しいかもしれない。ただ、法務の基礎知識があれば十分読みこなせる。特に経済安保法の4つの柱(サプライチェーン、基幹インフラ、先端技術、特許非公開)を、法律の体系から理解したいなら最適だ。

経済安全保障✕投資規制・貿易管理 外為法Q&A
貞嘉徳 著|中央経済グループパブリッシング
¥2,860(税込)
経済安全保障の要となる外為法(外国為替及び外国貿易法)の基本を、Q&Aでざっくりつかめる実務書。投資規制や貿易管理の実務にも対応し、難解な外為法のイメージを払拭。類似の外為法解説書と比べ、経済安全保障の観点から必要な知識に絞っている点がコンパクト。
こんな人におすすめ
外為法の基礎を短時間で学びたい実務初心者や、他部署から法務に異動したばかりの人。投資規制・貿易管理の概要を知りたい人に。
良い点
- Q&Aでわかりやすい
- 192ページと薄い
- 外為法の基礎が身につく
気になる点
- 深い理解には不十分
- 価格が2860円と割高感
- 経済安保全般のカバーは限定的
出版社
中央経済グループパブリッシング
発売日
2023年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
外為法って難しそうで敬遠してたんですけど、この本は入門向けですか?
佐藤メバル
そうだね。この本は「外為法の基本をざっくりつかむ」がコンセプトで、特に経済安全保障に関わる部分に焦点を当てている。
例えば、外国投資の規制や特定の貨物の輸出管理など、実務で問われやすい項目をQ&A形式で解説しているから、初心者でも取り組みやすい。
橘ナナミ
でも価格が2860円で、192ページだと少し割高に感じます…
佐藤メバル
確かにページ単価は高い。ただ、外為法の専門書は他にあまりなく、特に経済安全保障に特化した入門書は貴重。
実務で最低限必要な知識を短期間で身につけたいなら、投資に見合う価値はあると思う。

金融機関のための経済安全保障推進法のリスク管理措置への対応
NRIセキュアテクノロジーズ 著|中央経済社
¥3,520(税込)
経済安全保障推進法のリスク管理措置を金融機関の視点から包括的に解説。実際の運用プロセスを具体的に示し、経営者やリスク管理担当者が実務で使える内容。類似書が一般企業向けなのに対し、金融業界の特性(顧客管理、取引モニタリングなど)に特化している。
こんな人におすすめ
金融機関のコンプライアンス・リスク管理担当者。経済安保法の金融セクターへの影響を具体的に知りたい人に。
良い点
- 金融セクターに特化
- 実践ガイドが充実
- 海外法令の動向もカバー
気になる点
- 金融以外には不向き
- 価格が3520円と高め
- 技術的な内容もある
出版社
中央経済社
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
金融機関向けの経済安全保障の本って珍しいですね。どんな特徴があるんですか?
佐藤メバル
この本は、基幹インフラ制度の金融分野への適用を詳しく解説している。例えば、重要物資のサプライチェーンに関わる融資の審査ポイントや、サイバーセキュリティ対策の基準など、銀行や保険会社が直面する課題にフォーカスしている。
著者のNRIセキュアテクノロジーズは実務に強いから、具体性が高い。
橘ナナミ
金融機関以外の業種の人には役に立たないですか?
佐藤メバル
基本的には金融向けだが、リスク管理の考え方やサプライチェーンセキュリティの章は他業種にも参考になる。
ただ、やはりメインターゲットは金融関係者だ。一般企業の担当者なら、他の実務書を選んだ方が効率的だろう。

経済安全保障推進法と企業法務
服部誠・梶並彰一郎・松田世理奈・大西ひとみ著 著|民事法研究会
¥3,300(税込)
経済安全保障推進法の4つの制度(サプライチェーン、基幹インフラ、先端技術、特許非公開)を、企業法務の実務対応に焦点を当ててQ&A形式で解説。第1部で概要、第2部で実務対応と二部構成で、初心者から実務者まで使える。類似書と比べ、4制度をまんべんなくカバーし、実務のヒントが豊富。
こんな人におすすめ
経済安全保障推進法の全体像と実務を同時に学びたい企業法務担当者。各制度の具体的な対応手順を知りたい人に。
良い点
- 4制度を網羅
- Q&A形式で実践的
- 事項索引で引きやすい
気になる点
- 価格が3300円
- ページ数が中程度
- 法改正に対応しているか注意
出版社
民事法研究会
発売日
2022年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本もQ&A形式ですね。さっきの本とどう違うんですか?
佐藤メバル
よく気づいたね。この本は経済安全保障推進法の4つの柱に特化していて、特に企業法務の視点から実務対応を掘り下げている。
例えば、「特定重要物資の安定供給確保制度」では、対象物質の選定基準や補助金申請の流れをQ&Aで確認できる。
また、第2部では各制度に対する具体的な社内手続きの例が示されている。
橘ナナミ
なるほど。この本と先ほどの「Q&A 経済安全保障の実務対応」はどちらを選べばいいですか?
佐藤メバル
目的次第だね。こちらの本は推進法の4制度に特化して詳しい。一方、先の本はより広い範囲(制裁、サイバーなど)をカバーしている。
推進法の実務を徹底的に知りたいなら、こちらの方が向いている。

経済安全保障を読み解く ~分断の時代に求められる企業スタンス~
藤猪正敏 著|第一法規株式会社
¥3,850(税込)
米国の国家安全保障戦略指針の原文を提示し、その背景や実務への影響を詳解。日本企業が海外展開で取るべきスタンスを、経済安全保障の原理から導き出す。類似書が日本の制度解説に偏る中、米国の戦略文書をベースにした分析がユニークで、グローバルな視点が得られる。
こんな人におすすめ
海外展開を進める企業の経営企画・海外事業担当者。米国の政策動向を踏まえたリスク管理をしたい人に。
良い点
- 米国戦略文書の原文掲載
- 実務に直結するヒント
- グローバル視点
気になる点
- 価格が3850円と高め
- 400ページでボリュームあり
- やや専門的
出版社
第一法規株式会社
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、米国の国家安全保障戦略の原文が載ってるんですか?それはすごいですね。
佐藤メバル
そうなんだ。例えば、バイデン政権の「国家安全保障戦略指針」の核心部分が英文と解説付きで掲載されていて、日本企業がどう対応すべきかを考えられる。
著者は長年この分野に携わってきた実務家で、単なる解説に終わらず、企業のスタンスをどう決めるかという実践的なヒントが満載だ。
橘ナナミ
英文の原文があるのは良いですが、英語が苦手な人には難しいのでは?
佐藤メバル
大丈夫。丁寧な日本語解説があるから、原文を読めなくても内容は理解できる。ただし、この本はある程度の予備知識を前提にしているから、入門者がいきなり読むにはややハードルが高い。
基本的な知識がある人が、より深い理解を得るための一冊だ。

経済安全保障と「経済インテリジェンス」: 日本の機密はなぜ盗まれるのか・・・中国「超限戦」の全貌
藤谷昌敏 著|芙蓉書房出版
¥5,280(税込)
元公安調査官の著者が、中国の経済インテリジェンス活動と技術窃取の実態を豊富な実例で明かす。半導体、AI、サイバーなど分野ごとに手口を解説し、日本の生存戦略を提言。類似書が理論や制度に偏る中、スパイ・情報戦の生々しい実態に迫る衝撃的な内容。
こんな人におすすめ
中国の情報活動と技術流出の実態を知りたいセキュリティ担当者や研究者。リスクの具体像を把握したい人に。
良い点
- 実例が豊富で迫力がある
- 元公安調査官の内部視点
- 中国の超限戦戦略がわかる
気になる点
- 5280円と高額
- ややセンセーショナルな表現も
- 客観性に疑問の余地
出版社
芙蓉書房出版
発売日
2026年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
元公安調査官の方が書いた本なんですね。どんなエピソードがあるんですか?
佐藤メバル
例えば、留学生を通じた技術窃取やハニートラップの事例、サイバー攻撃グループの実名など、これまで公にされることが少なかった情報が満載だ。
特に「超限戦」という中国の戦略概念を詳しく解説し、日本の対応の遅れを指摘している。読んでいると背筋が凍るような話もある。
橘ナナミ
それは怖いですね…。でも、本当にそんなことが起きているんですか?
佐藤メバル
もちろんすべてが検証可能とは言えないけど、著者の経歴や引用元を見る限り信頼性は高いと思う。この本の目的はリスクを過剰に煽ることではなく、実態を直視して対策を促すことだ。
企業の情報管理を考える上で、参考になる点は多い。

見えない戦争 インテリジェンス・勢力圏・経済安全保障の地政学 (文春新書)
北村滋 著|文藝春秋
¥1,210(税込)
元国家安全保障局長・北村滋が、インテリジェンス、勢力圏、企業防衛、AIをテーマに「見えない戦争」の実態を描く。ウクライナやガザの最新戦訓から、日本の戦略的生存策まで縦横無尽に論じる。類似書が断片的な知識を与えるのに対し、インテリジェンスの本質から企業や国家の戦略を考えさせる深みがある。
こんな人におすすめ
ビジネスエリートや経営者。安全保障とビジネスの接点をインテリジェンスの視点から理解したい人に。
良い点
- 著者の経験に裏打ちされた洞察
- 最新の地政学情勢を反映
- 企業インテリジェンスの重要性がわかる
気になる点
- 1210円だが文庫本でやや薄い
- 専門用語が多い
- 日本の政策批判も含む
出版社
文藝春秋
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
北村滋さんといえば、元国家安全保障局長ですよね。インテリジェンスのプロが書いた本という感じですね。
佐藤メバル
その通り。北村さんは日本のインテリジェンスの最前線にいた人物だ。この本ではまず「見えない戦争」として、ウクライナ戦争での情報戦の実例を紹介し、その後、勢力圏思想の復活や企業インテリジェンスの必要性を論じている。
特に、企業にもインテリジェンス能力が必要だという主張は、ビジネスパーソンには新鮮に映るだろう。
橘ナナミ
企業にインテリジェンス能力って、具体的にどういうことですか?
佐藤メバル
例えば、M&Aの際に相手企業の政治リスクを評価する、サプライチェーンの脆弱性を事前に察知する、自社技術の流出経路を把握するなどだ。
従来は政府や軍の仕事と思われていたが、今や民間企業も情報収集と分析が必要だと説いている。そのための考え方や手法が本書では示されている。

地政学リスクと経済安全保障 (日経ムック)
KPMGコンサルティング 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥2,200(税込)
KPMGコンサルティングが執筆した、世界各国・地域の地政学リスクを分析し、企業の取るべき対応をコンパクトにまとめたムック。ロシア・ウクライナ、中東、中国など地域別のリスク評価と、経済安全保障の基本が一冊で分かる。類似の調査書と比べ、ビジュアル重視で短時間で情報を得られる。
こんな人におすすめ
地政学リスクの全体像をざっくり掴みたいビジネスパーソン。忙しくて詳しい本を読む時間がない人に。
良い点
- 112ページで読みやすい
- 地域別の分析が便利
- コンサルティング会社の視点
気になる点
- 2200円で内容の割に高い
- 深掘り不足
- 情報がやや古い可能性
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
このムック、112ページと薄いですね。短時間で読めそうですが、内容はしっかりしてるんですか?
佐藤メバル
日経ムックシリーズの一つで、KPMGの専門家が執筆しているから、信頼性は高い。各地域のリスク要因を簡潔にまとめ、企業が注意すべきポイントを挙げている。
例えば、東南アジアのリスクとチャンス、中国の経済的威圧の実態など、実務に役立つ情報がコンパクトに詰まっている。
橘ナナミ
でも2200円でこの薄さだと、コスパはどうですか?
佐藤メバル
確かにページ単価は高い。ただ、忙しいビジネスパーソンが短時間で要点を押さえたいなら、投資する価値はある。
特に、取引先のある地域のリスクをすぐに知りたい時などに便利だ。経済安全保障の入門としても悪くない選択だ。

地経学リスクからみた 経済安全保障20の新常識
田上英樹 著|中央経済社
¥2,640(税込)
企業出身者が初めて執筆した、経済安全保障の実務指南書。20の新常識で、コンプライアンスでは整理できない課題や、専門部署の作り方などを体系的に解説。類似の実務書が法律家やコンサルタントによるものが多い中、現場経験に裏打ちされた実践的なアドバイスが満載。
こんな人におすすめ
経済安全保障担当になりたての実務者や、これから専門部署を作る予定の企業のプロジェクトリーダー。
良い点
- 現場視点のアドバイス
- 部署別のタスクが明確
- コンパクトで実践的
気になる点
- 価格が2640円
- やや内容が簡素
- 著者の経験に依存
出版社
中央経済社
発売日
2025年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本は「企業出身者が初めて書いた実務指南書」とありますが、他の実務書と何が違うんですか?
佐藤メバル
最大の違いは、机上の理論ではなく、実際に企業で経済安全保障の部署を作った経験に基づいている点だ。例えば、「経済安全保障の専門部署はどう作ればよいのか」という問いに対して、予算や人員、他部署との連携方法まで具体的に書いている。
法律家の本だと法令解説に偏りがちだが、この本は経営判断の視点が強い。
橘ナナミ
20の新常識ってどんな内容ですか?
佐藤メバル
「経済安全保障推進法とは?」「セキュリティ・クリアランス法とは?」といった基本的なものから、「企業と民主主義との関係」のような深いテーマまで幅広い。
各新常識が見開き2ページでまとまっていて、通勤時間などにサクッと読める構成も実務家に優しい。

世界の構造と経済の本質をつかむ 超図解 地経学
鈴木一人 著|あさ出版
¥2,200(税込)
東京大学公共政策大学院教授・鈴木一人が監修。地経学の概念を図解中心に解説し、ニュースで頻出するキーワードを関連付けて学べる。見開きごとに図と簡潔な説明があり、類書にないハイブリッドな入門書。基礎から応用まで、視覚的に理解できる。
こんな人におすすめ
地経学をこれから学ぶ学生や社会人。図でイメージしながら知識を整理したい人に。
良い点
- 図解が豊富で直感的
- 専門家監修で正確
- 項目ごとに独立して読める
気になる点
- 厚め(296ページ)
- 2200円とやや高め
- 図がすべてを説明しているわけではない
出版社
あさ出版
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
地経学って地政学と経済学を組み合わせた考え方ですよね。図解だとイメージしやすそうですね。
佐藤メバル
その通り。この本は、例えば「なぜ半導体が重要なのか」「台湾有事が世界経済にどう影響するか」といったテーマを、地図やグラフを使って視覚的に解きほぐしている。
鈴木一人教授の監修だから、学術的な正確さも担保されている。文字だけの本より頭に残りやすい。
橘ナナミ
見開きで完結していると、隙間時間に読めそうですね。でも内容は浅くないですか?
佐藤メバル
入門書としては適度な深さだ。もちろん専門書ほどの詳細はないが、重要なポイントは押さえている。この本で全体像を掴んでから、特定のテーマの専門書に進むと効率的。
特に、地経学の概念を初めて学ぶ人には最適の一冊だ。

空の地経学戦略 日本の経済安全保障と航空サプライチェーン
伊藤恵理 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥2,970(税込)
経済安保政策の盲点とされる「空のネットワーク」に焦点を当て、航空機部品や貨物輸送のサプライチェーンを地経学の視点から分析。有事の際のリスクと日本の戦略を提示する。類似書が半導体やエネルギーに集中する中、航空分野に特化したユニークな内容。
こんな人におすすめ
航空・物流業界の関係者や、サプライチェーンの多様性に関心がある人。あまり取り上げられない分野を知りたい人に。
良い点
- テーマが独自
- 実務的な分析
- 地経学の応用例として面白い
気になる点
- 2970円と高め
- 対象読者が限られる
- 航空専門用語が多い
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
航空分野の経済安全保障ってあまり聞いたことがないです。どんな内容なんですか?
佐藤メバル
確かに半導体やエネルギーほど注目されていないが、実は非常に重要な分野だ。例えば、航空機のエンジンやボーイング/エアバスの寡占、貨物輸送の経路など、空のネットワークが途絶すると経済活動に大きな打撃がある。
この本は、そうした盲点を地経学の観点から分析し、日本のとるべき戦略を提言している。
橘ナナミ
なるほど。でも航空業界以外の人が読んでも役に立ちますか?
佐藤メバル
サプライチェーン管理の考え方や、業界特有のリスクを学ぶことができるので、一般のビジネスパーソンにも示唆がある。
ただ、やはり航空関連の知識があるとより深く理解できる。航空業界の人はもちろん、物流や貿易に関わる人にもおすすめだ。

図解でわかるエネルギー安全保障 ~GX時代の経済安全保障エネルギーミックス実行戦略~
岡部寛史 著|技術評論社
¥3,520(税込)
エネルギー安全保障の重要度が増す中、歴史的背景からGX時代の戦略までを416ページで徹底解説。石油・天然ガス・再生可能エネルギー・原子力まで、エネルギーミックスの実践戦略を提示。類似書が個別テーマに偏るのに対し、包括的かつ実践的な内容。
こんな人におすすめ
エネルギー業界の実務者や政策策定に関わる人。エネルギー安全保障の知識を体系的に身につけたい人に。
良い点
- 網羅的で詳細
- 図解が多く理解しやすい
- GXにも対応
気になる点
- 3520円と高額
- 416ページでボリューム大
- エネルギー業界以外には詳細すぎる
出版社
技術評論社
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エネルギー安全保障って最近よく聞くけど、この本はすごく分厚いですね。どんなことが書いてあるんですか?
佐藤メバル
この本はエネルギー安全保障を文字通り隅々までカバーしている。石油ショックの歴史から、ロシアのウクライナ侵攻後のエネルギー価格高騰、そしてGX(グリーントランスフォーメーション)まで、過去から未来までを網羅。
特にエネルギーミックスの実行戦略は、実務者にとって具体的な指針になる。
橘ナナミ
エネルギーに詳しくない私でも読めますか?
佐藤メバル
初心者には少し難しいかもしれない。エネルギーに関する基礎知識があると理解がスムーズ。ただ、図解も多いし、各章の初めに要約があるから、興味のある章だけ読むこともできる。
エネルギー問題に関心がある人には、この一冊でかなり深い知識が得られるはずだ。

経済安全保障と半導体サプライチェーン
戸堂康之 著|文眞堂
第一線の実務家、法律家、国際経済学者、国際政治学者が半導体と経済安全保障の関係を最新の知見で分析。米中の輸出管理強化や各国の半導体支援策を、多角的に解説。簡潔ながら要点を押さえ、時事問題を深く理解したい人に最適。
こんな人におすすめ
半導体業界に関わるビジネスパーソンや政策担当者。米中対立の半導体分野への影響をコンパクトに学びたい人に。
良い点
- 執筆陣が多様でバランスが良い
- 136ページで読みやすい
- 最新動向を反映
気になる点
- やや薄く深掘り不足
- 価格表示なし(要確認)
- 半導体知識の前提がある
出版社
文眞堂
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、半導体サプライチェーンに特化しているんですね。最近のニュースでよく聞くので興味があります。
佐藤メバル
そうだね。半導体は経済安全保障の核心と言っても過言ではない。この本は、実務家だけでなく法律家や学者も参加しているから、技術面・法規制面・国際政治面のバランスが良い。
例えば、米国の対中輸出管理が日本の半導体企業にどう影響するか、台湾有事のリスクなど、多面的に分析している。
橘ナナミ
136ページと薄いので、短時間で読めそうですが、内容はしっかりしてますか?
佐藤メバル
そうですね。コンパクトだが、各専門家の寄稿が凝縮されているため、濃い内容だ。ただし、半導体の基礎知識があることを前提に書かれているから、初心者には少し難しいかもしれない。
基礎を学びたいなら、別の入門書と併読するのがいいだろう。

日台の半導体産業と経済安全保障
漆畑春彦 著|展転社
¥1,980(税込)
世界の半導体産業を俯瞰し、日台の経済安全保障と半導体連携の可能性を探る。TSMCの成功要因や日本の半導体復活策、台湾有事のリスクを詳述。類似書が半導体技術解説に偏るのに対し、ビジネスと地政学の両面から日台関係を考える。
こんな人におすすめ
半導体産業と日台関係に関心のあるビジネスパーソン。日本の半導体戦略を台湾との連携から考えたい人に。
良い点
- 日台の視点が明確
- 半導体産業の構造がわかりやすい
- 1980円と手頃
気になる点
- やや広範で焦点がぼやける
- 台湾偏重の印象
- データの鮮度に注意
出版社
展転社
発売日
2025年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日台の半導体連携って、TSMCの熊本工場のニュースでよく聞きますね。この本はその背景を解説してるんですか?
佐藤メバル
その通り。本書は、TSMCがなぜ世界最大の半導体受託製造企業になったのか、その歴史とビジネスモデルを詳しく説明した上で、日本の半導体産業の現状と復活の可能性を論じている。
特に台湾有事のリスクを踏まえた上で、日台がどう協力すべきかという提言は示唆に富む。
橘ナナミ
半導体って専門用語が多くて難しいですが、この本はどうですか?
佐藤メバル
半導体の基礎知識(種類や製造工程)を丁寧に説明してから、産業構造の解説に入るので、初心者でもついていきやすい。
もちろんある程度の知識があるとより深く理解できるが、この分野に入門したい人にもおすすめできる一冊だ。
見落としがちな論点:食料安全保障・海洋安全保障・人的安全保障
橘ナナミ
経済安全保障って、半導体やサイバー以外にも重要な分野があるんですね。
佐藤メバル
そう。食料安全保障は意外と手薄にされがち。日本の食料自給率はカロリーベースで38%と低く、気候変動や輸出規制のリスクがある。『図解でわかるエネルギー安全保障』のように、エネルギーと食料はセットで考えるべきだ。海洋安全保障も重要だ。EEZ(排他的経済水域)の資源管理や海底ケーブルの保護、中国の海洋進出など、地経学の視点が必要。『空の地経学戦略』という本では航空サプライチェーンを取り上げているが、同様に「海の地経学」も今後注目されるテーマだ。
橘ナナミ
人的な側面、例えば人材流出や移民の話は?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。人的安全保障も経済安全保障の一部だ。少子高齢化で労働力不足が深刻化する中、優秀な人材の確保・流出防止、さらには留学生や高度外国人材の受け入れ戦略も重要。直接扱った本は少ないが、『地経学リスクからみた 経済安全保障20の新常識』では人事部の役割として触れられている。
実務に直結するテーマ:企業のリスク管理とコンプライアンス
橘ナナミ
実際に企業で経済安全保障に取り組むには、何から始めれば?
佐藤メバル
まずは法制度の理解が不可欠だ。『経済安全保障推進法と企業法務』(民事法研究会)は、法律の4つの制度をQ&A形式で実務に落とし込んでいる。もう一歩進んで、サプライチェーン全体のリスクを見える化したいなら、『サプライチェーンと法律実務』(勁草書房)がクロスボーダーの制裁や人権問題までカバー。関税や輸出管理の実務は『経済安全保障✕投資規制・貿易管理 外為法Q&A』(中央経済グループパブリッシング)がコンパクトにまとめている。
橘ナナミ
現場で使えるチェックリストみたいなものはありますか?
佐藤メバル
『地経学リスクからみた 経済安全保障20の新常識』は、部署別に「何をすべきか」を20の新常識として整理。経営企画から情報システムまで具体的なアクションが書いてある。さらに『経済安全保障を読み解く』(第一法規)では、米国の国家安全保障戦略を原文付きで解説し、自社のスタンスを決めるヒントを与えてくれる。
未来を見据えたテーマ:デュアルユース技術の倫理と教育
橘ナナミ
AIや量子技術などのデュアルユース技術は、安全保障とイノベーションの両立が難しいですよね。
佐藤メバル
その通り。『経済安全保障と半導体サプライチェーン』でも触れられているが、技術が軍事にも民生にも使えるからこそ、輸出管理と研究開発のバランスが問われる。倫理面では、日本でも「非公開特許制度」が始まっている。また、教育面では『わかる経済安全保障』に収録された古谷知之氏のインタビューで、大学での人材育成の重要性が語られている。安全保障リテラシーを高めるための教材として、これらの本は役立つ。
よくある質問
経済安全保障とは簡単に言うと何ですか?
橘ナナミ
経済安全保障とは簡単に言うと何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
国の安全や経済的繁栄を、経済的な手段(サプライチェーン強化、技術流出防止、サイバー対策など)で守り、強化する考え方です。軍事だけでなく、ビジネスや暮らしにも直結しています。
経済安全保障を学ぶには何から読めばいいですか?
橘ナナミ
経済安全保障を学ぶには何から読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
入門には『わかる経済安全保障』(KINZAIバリュー叢書L)や『ビジネス安全保障』(日経プレミアシリーズ)がおすすめ。基礎を押さえたら、自分の関心に合わせてテーマ別の本を選びましょう。
企業は経済安全保障にどう備えるべきですか?
橘ナナミ
企業は経済安全保障にどう備えるべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
まずは法制度の理解と自社のリスク分析が必要です。『経済安全保障とビジネス』(日経BP)や『地経学リスクからみた 経済安全保障20の新常識』(中央経済社)が実践的なノウハウを提供しています。
半導体が重要なのはなぜですか?
橘ナナミ
半導体が重要なのはなぜですかについて教えてください。
佐藤メバル
半導体はあらゆる電子機器や軍事システムの基盤であり、経済と安全保障の両面で戦略的価値が極めて高いからです。米中対立の核心でもあり、『経済安全保障と半導体サプライチェーン』(文眞堂)で詳しく学べます。
台湾有事のリスクとは?
橘ナナミ
台湾有事のリスクとはについて教えてください。
佐藤メバル
台湾は半導体生産の世界的拠点で、有事が起きればサプライチェーンが寸断され、世界経済に深刻な打撃を与えます。『日本企業のための経済安全保障』(PHP新書)や『日台の半導体産業と経済安全保障』(展転社)がリスクと備えを論じています。
経済安全保障推進法のポイントは?
橘ナナミ
経済安全保障推進法のポイントはについて教えてください。
佐藤メバル
4つの柱(特定重要物資の安定供給、基幹インフラの安全性、先端技術の開発支援、特許非公開)から成り、企業にはリスク管理措置が求められます。『経済安全保障推進法と企業法務』(民事法研究会)がQ&Aでわかりやすく解説。
エネルギー安全保障と脱炭素は両立しますか?
橘ナナミ
エネルギー安全保障と脱炭素は両立しますかについて教えてください。
佐藤メバル
両立は可能ですが、バランスが鍵です。『図解でわかるエネルギー安全保障』(技術評論社)では、GX(グリーントランスフォーメーション)と安定供給の両立を具体策とともに解説。再生可能エネルギーや原子力の役割も検討されています。
おすすめの本をレベル別に教えてください。
橘ナナミ
おすすめの本をレベル別に教えてください。について教えてください。
佐藤メバル
入門なら『新しいビジネス教養「地経学」で読み解く! 日本の経済安全保障』(宝島社)、中級なら『ビジネスと地政学・経済安全保障』(日経BP)、専門家向けなら『経済安全保障と「経済インテリジェンス」』(芙蓉書房出版)がおすすめです。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さんのおかげで、経済安全保障の本の世界がぐっと身近になりました。たくさんの論点があるんですね。
佐藤メバル
そうだね。経済安全保障は、「守るだけ」ではなく「攻める」「育てる」ことも大切だ。まるで、一枚の布を織るように、半導体、エネルギー、食料、人材、それぞれの糸をしっかりと絡めながら、国全体としての強さを作っていくイメージだ。
橘ナナミ
一枚の布……なるほど。どの糸が切れても全体が弱くなってしまうから、全部をまんべんなく強化しないといけないんですね。
佐藤メバル
その通り。そして、その布を織るための設計図や道具こそが、私たちが紹介してきた本たちだ。自分の知りたい分野、必要なレベルに合わせて一冊選べば、きっと世界の見え方が変わるはずだよ。
橘ナナミ
今日教えていただいた本を早速読んでみます!ありがとうございました。
佐藤メバル
どういたしまして。読み終わったらまた感想を聞かせてね。








