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定年前後の「やってはいけない」 (青春新書インテリジェンス)

【要約・書評】『定年前後の「やってはいけない」 (青春新書インテリジェンス)』の評判・おすすめポイント

郡山 史郎|||0ページ

★★★★4.0
(4件)

この本を一言で言うと

82歳現役の人材紹介のプロが、3000人以上の再就職支援から見えた真実を語る——定年前の常識を手放すことが、定年後の人生を切り拓く第一歩になる

この本の概要

本書は、元ソニー役員であり人材紹介会社CEAFOMの代表として3000人以上の再就職を支援してきた著者が、定年前後にやりがちな失敗パターンを具体的に指摘する一冊だ。「会社の定年はあっても、人生に定年はない」という信念のもと、人生100年時代をどう生き抜くかという問いに正面から向き合っている。 著者が特に強調するのは、定年前の常識は定年後の非常識になるという点だ。会社での地位、収入、人脈——これらは定年を境にリセットされる。にもかかわらず、多くの人が過去の延長線上で定年後を考えてしまう。再雇用制度に飛びつく、過去の人脈に頼る、資格取得に走る。こうした「やってはいけない」行動が、定年後の人生を窮屈にしてしまうと警鐘を鳴らす。 本書では、働き方だけでなくお金・健康・人づきあいという生活全般にわたる注意点を網羅している。再雇用で給与が4割以上減るリスク、ブランク期間が長引くことで仕事の勘が鈍る問題など、現場で見てきたリアルな事例をもとに解説が進む。抽象論ではなく、著者自身が82歳で現役を続ける実践者だからこその説得力がある。 新書192ページというコンパクトな分量に、定年後の人生を充実させるためのエッセンスが凝縮されている。過去への執着を捨て、ひとりの人間として社会と関わり続ける——そのための具体的な心構えと行動指針を、読みやすい語り口で伝えてくれる実用書だ。

「自分は大丈夫」と思ってたけど、全然大丈夫じゃなかった

正直に言うと、この本を手に取ったのはタイトルに引っかかったからだ。「やってはいけない」って言われると気になるじゃないですか。定年まであと3年、なんとなく「再雇用でいいかな」と思っていた自分には、まさにドンピシャだった。 読み始めてすぐ、再雇用制度に飛びつくなという指摘に面食らった。いやいや、周りはみんな再雇用でしょ、と思ったのだけど、6割の人が給与4割以上ダウンという数字を突きつけられると考えが揺らぐ。しかも著者は「仕事の勘が鈍る前に動け」と畳みかけてくる。力士が引退後にブランクを空けると二度と戻れなくなるのと同じだと。この例えが妙に腹に落ちた。たしかに自分も、今の仕事のスキルが3年後にそのまま通用するかと聞かれたら自信がない。 一番グサッときたのは、過去の人脈を頼るなというくだり。会社の看板があったから繋がっていた関係を、個人になっても使えると思うなと。これ、たぶん多くの50代が無意識にやっている。自分もそうだった。「あの人に連絡すれば何とかなる」と漠然と思ってたけど、冷静に考えれば会社の肩書きがある自分に用があっただけなのかもしれない。ここを読んだとき、ちょっと背筋が冷たくなった。 資格取得への警鐘も印象的だった。定年後に備えて何か資格を、と考える人は自分の周りにも多い。でも著者に言わせれば時間とお金の無駄になりがちだと。資格があっても実務経験がなければ仕事には結びつかない。耳が痛いけど、その通りだと思う。資格の勉強をしている間に、実際に動いたほうがいいということだ。 この本の強みは、著者自身が82歳で現役という圧倒的な説得力だろう。理論じゃなくて実践。3000人以上の再就職を見てきた人間が言うんだから、重みが違う。ただ正直なところ、著者のキャリアがソニー役員という華々しいものなので、うちみたいな中堅メーカーの管理職にどこまで当てはまるかは微妙な部分もある。 それでも、定年前の常識を疑えというメッセージは立場を問わず刺さる。新書で薄いし、2時間あれば読み終わる。定年が視野に入ってきた人は、早めに手に取っておいて損はない。自分はもう少し早く、40代のうちに読んでおけばよかったと本気で思っている。

50代後半・メーカー勤務の管理職。定年まであと3年。漠然とした不安を抱えながらも、具体的に何をすべきかわからない日々を送っている。

この本で学べること

再雇用制度に安易に飛びつかない

再雇用制度を利用すると給与が4割以上下がるケースが6割にのぼる。条件の悪い再雇用に甘んじるより、自ら動いてより良い選択肢を探すべきだと著者は説く。ブランクが長引くほど仕事の勘が鈍り、再就職そのものが困難になるリスクも見逃せない。

過去の人脈・肩書きへの執着を捨てる

会社員時代の人脈は会社の看板があってこそ成り立っていたもの。定年後に個人として頼ろうとしても、期待どおりにはいかない。過去の地位や収入への執着を手放し、ひとりの人間として社会と関わり直す姿勢が求められる。

資格取得に時間とお金を費やさない

定年後に備えて資格を取ろうとする人は多いが、実務経験のない資格は仕事に直結しにくい。資格取得そのものが目的化してしまい、本来やるべき行動——実際に働く場を探す、人と会う——が後回しになる危険性を著者は指摘する。

「働かない定年」から「働く定年」へ発想を転換する

「定年=引退」という固定観念を捨て、定年後も働き続けることを前提に人生設計を組み直すことを提案している。会社の定年はあっても人生に定年はない。人生100年時代においては、定年後の40年をどう過ごすかが人生の質を大きく左右する。

お金・健康・人づきあいの三本柱を整える

働き方だけでなく、生活全般のバランスが定年後の充実度を決める。収入の見通しを立て、健康管理を怠らず、新しい人間関係を築く。この三つを定年前から意識的に準備しておくことが定年後にうまくいく人の共通点だと、著者は3000人の支援経験から語っている。

本の目次

  1. 1{"chapter":"第1章","title":"「働かない定年」から「働く定年」へ","description":"定年=引退という常識を覆し、人生100年時代における「働く定年」という新しい考え方を提示する"}
  2. 2{"chapter":"第2章","title":"定年前後にやってはいけないこと","description":"再雇用制度への依存、過去の人脈頼み、資格取得への過信など、定年前後に陥りがちな7つの失敗パターンを解説する"}
  3. 3{"chapter":"第3章","title":"お金・健康・人づきあいの整え方","description":"働き方以外の生活全般——収入設計、健康管理、人間関係の再構築について、具体的なアドバイスを示す"}
  4. 4{"chapter":"第4章","title":"人生100年時代を生きるヒント","description":"82歳現役の著者自身の経験と3000人の再就職支援から見えてきた、定年後の人生を充実させるための心構えと行動指針"}

良い点・気になる点

良い点

  • 82歳現役・3000人以上の再就職支援という著者の実績に裏打ちされた説得力のある内容
  • 新書192ページとコンパクトで、2時間程度で読み切れる手軽さ
  • 「やってはいけない」という切り口が明快で、具体的な行動指針がわかりやすい
  • 働き方だけでなくお金・健康・人づきあいまで生活全般をカバーしている

気になる点

  • 著者がソニー元役員という恵まれたキャリアのため、一般的なサラリーマンにそのまま当てはまらない部分がある
  • 2018年刊行のため、コロナ後のリモートワーク普及など最新の労働環境の変化は反映されていない
  • 具体的なノウハウよりもマインドセット寄りの内容が多く、実践的なステップを求める読者には物足りない可能性がある

みんなの評判・口コミ

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yui

フロントエンドエンジニア

★★★★4.5

定年退職後にコンサルタントとして独立した身として、本書の内容は身に覚えのあることばかりだった。特に「過去の人脈に頼るな」という指摘は、自分自身が痛感したこと。会社を離れた途端、連絡が取れなくなる人の多さには本当に驚いた。著者の郡山氏は82歳で現役というのが何より説得力がある。理屈ではなく実践から来た言葉には重みがあると感じた。ただし、ソニーの元役員という立場から語られる部分は、一般的なサラリーマンには少し距離を感じるかもしれない。それでも、定年前後の心構えを整理するには十分良い本だと思う。

りん

会社員

★★★★4.0

外資系で管理職をしていると、日本企業の再雇用制度は自分とは関係ないと思いがちだ。しかしキャリアの終盤をどう設計するかという問題は、どこで働いていても共通している。本書の「定年前の常識は定年後の非常識」というメッセージは、外資系でもそのまま当てはまると感じた。特に肩書きへの執着を捨てろという指摘には考えさせられた。給与が下がることへの覚悟、新しい人間関係を築く必要性など、頭ではわかっていても行動に移せない人は多いだろう。新書で読みやすく、週末に一気読みできるのもありがたい。やや精神論に寄りすぎている印象はあるが、意識改革のきっかけとしては十分だ。

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R

エンジニア

★★★3.5

人事部マネージャーとして再雇用制度の運用に関わっている立場から読んだ。著者が指摘する再雇用制度の問題点は、制度を運用する側としても日々感じていることだ。給与が大幅に下がるのにモチベーションを維持するのは、正直言って相当難しい。ただ、「再雇用に飛びつくな」と言われても、現実的に他の選択肢がない人も多いのが実情だ。著者のようにソニー役員から起業できる人ばかりではない。その点で、本書のアドバイスがどこまで一般化できるかには疑問も残る。とはいえ、定年前から準備を始めることの大切さはしっかり伝わってくるので、読んでおく価値はある。

だいき|副業

副業ブロガー

★★★☆☆3.0

公務員として働く30代の自分にとって、定年はまだずっと先の話だ。ただ、親世代がまさにこの年代で、父が定年後に何をすべきか悩んでいたので参考になればと思い手に取った。内容自体は納得できる部分が多かったが、2018年の本なので情報がやや古いと感じるところもあった。コロナ後の働き方の変化や、公務員の定年延長制度などは当然反映されていない。また、著者のキャリアが華々しすぎて、普通のサラリーマン家庭にはそのまま適用しにくい面もある。親に勧めるにはいい本だと思うが、世代や時代の違いを意識しながら読む必要がある。

著者について

こんな人におすすめ

定年まであと5年以内のビジネスパーソン

再雇用か転職か独立か、定年後の選択肢を整理したい55〜60歳の会社員に最適

再雇用制度の利用を検討している方

再雇用のメリット・デメリットを客観的に把握し、本当にそれがベストな選択かを再考したい方

定年後のセカンドキャリアに漠然とした不安を抱えている方

何をすべきかわからない状態から一歩踏み出すための具体的な心構えと行動指針が得られる

40代から将来の定年後を見据えて準備を始めたい方

早い段階から「やってはいけないこと」を知ることで、定年前後の失敗を未然に防げる

定年を迎える親世代へのプレゼントを探している方

新書でコンパクト、読みやすい語り口なので、本を普段読まない方にも勧めやすい

よくある質問

Q. 『定年前後の「やってはいけない」』はどんな人に向けた本ですか?
A. 『定年前後の「やってはいけない」』は、主に50〜60代の定年前後のビジネスパーソンに向けた本です。ただし、40代から将来の定年後を見据えて準備を始めたい方にも有益な内容が含まれています。
Q. 『定年前後の「やってはいけない」』の著者はどんな経歴の人ですか?
A. 『定年前後の「やってはいけない」』の著者である郡山史郎氏は、ソニーの常務取締役や子会社の会長を歴任後、2004年に人材紹介会社CEAFOMを設立しました。82歳にして現役のビジネスマンとして活動し、3000人以上の再就職をサポートしてきた実績を持つ人材紹介のプロです。
Q. 『定年前後の「やってはいけない」』で具体的にどんな行動が「やってはいけない」とされていますか?
A. 『定年前後の「やってはいけない」』では主に4つの行動が挙げられています。1つ目はやりたい仕事や給与にこだわって転職を繰り返すこと、2つ目は年金がもらえるまで会社の再雇用制度を安易に利用すること、3つ目は過去の人脈を頼って仕事を紹介してもらおうとすること、4つ目は何かに役立てようと資格取得や勉強に時間とお金を費やすことです。
Q. 『定年前後の「やってはいけない」』は読むのにどのくらい時間がかかりますか?
A. 『定年前後の「やってはいけない」』は新書判192ページとコンパクトな分量で、読書に慣れている方なら2時間程度で読み切れます。文章も平易で読みやすい語り口のため、普段あまり本を読まない方にも取り組みやすい一冊です。
Q. 『定年前後の「やってはいけない」』は2018年の本ですが、今読んでも参考になりますか?
A. コロナ後のリモートワーク普及や定年延長制度の変化など、最新の労働環境は反映されていません。しかし、『定年前後の「やってはいけない」』が説く過去の肩書きや人脈への執着を捨てること、早めに行動することといった本質的なメッセージは時代を問わず有効です。
Q. 『定年前後の「やってはいけない」』はお金や投資の話も扱っていますか?
A. 『定年前後の「やってはいけない」』は投資や資産運用の専門書ではありませんが、定年後のお金の考え方について一章を割いて解説しています。働き方・お金・健康・人づきあいという生活全般をバランスよくカバーしている点が本書の特徴です。
Q. 『定年前後の「やってはいけない」』の「再雇用に飛びつくな」とはどういう意味ですか?
A. 再雇用制度を利用した場合、6割の人が給与4割以上ダウンするという現実があります。『定年前後の「やってはいけない」』では、条件の悪い再雇用に安易に飛びつくのではなく、自ら積極的に動いてより良い選択肢を模索すべきだと著者は主張しています。

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