■ この本を一言で言うと
設計の前段階に眠る「見えない価値」を掘り起こす本 —— 建築と不動産を分断せず、ビジョン・資金・土地・設計・施工・運営を一本の流れでつなぎ直すことで、建て主にとっての最適解を見つける思考法を提示する。
■ この本の概要
■ 「設計の前」にこそ設計があると腹落ちした
— 34歳 建築設計事務所勤務・独立準備中の一級建築士
■ この本で学べること
建築の価値は設計前に大きく決まる
図面を引き始めてからの巧拙だけが建築の質を決めるわけではない、と本書は繰り返し説きます。相談先の選定、資金計画の組み立て、土地取得の判断——こうした設計前のプロセスこそが、建て主の満足度とプロジェクトの事業性を大きく左右する重要な変数です。
VFRDCMでプロジェクト全体を一気通貫で捉える
Vision・Finance・Real Estate・Design・Construction・Managementをつなぐ VFRDCMフロー が本書の背骨です。専門領域ごとに分断されがちな建築プロジェクトを一本の流れとして俯瞰することで、情報の断絶や価値の取りこぼしを防ぎ、建て主の利益を最大化する視座が得られます。
建て主は一般解ではなく個別解を求めている
情報環境の激変によって、建て主は「みんなと同じ正解」ではなく 自分たちだけの最適解 を求めるようになった——著者はこの構造変化を丁寧に描きます。だからこそ、建築家にも不動産会社にも、表面的なヒアリングではなく本質的な課題を引き出し、条件自体を編集する力が求められるのです。
ケーススタディで判断の勘所が学べる
不動産広告の読み替え、土地比較、親族間の調整、分筆、必要面積の逆算、ビジネスモデル設計——6つの具体的な題材が並びます。現実の意思決定のどこに隠れた価値があるのか を、理論ではなく実務の手触りをもって追体験できる構成です。
■ 本の目次
- 1プロローグ 大比較検討時代の幕開け 〜仕組みが変わった建築設計市場〜
- 21章 なぜこれからの建築に不動産思考が必要なのか
- 32章 クリエイティブな不動産思考の方法
- 43章 建築的・不動産思考の実践 六つのケーススタディ
- 5ケーススタディ1 不動産広告の常識から抜け出せ!
- 6ケーススタディ2 土地を選ぶ。右か左か?
- 7ケーススタディ3 親族関係を設計せよ!
- 8ケーススタディ4 クリエイティブに分筆線を引け!
- 9ケーススタディ5 必要な土地の広さを逆算せよ!
- 10ケーススタディ6 ビジネスモデルをデザインせよ!
- 11ケーススタディEX 建築と不動産のあいだの世界に参加しよう
- 12エピローグ
■ 良い点・気になる点
良い点
- ○建築と不動産の分断をまたぐ視点が、VFRDCMというフレーム付きで理解できる
- ○ケーススタディが具体的で、企画段階の判断にそのまま結びつけやすい
- ○建て主の利益や資金面まで含めて建築を考える習慣がつく
- ○設計者だけでなく、不動産営業や事業企画の立場でも応用しやすい
気になる点
- △法制度や市場環境は2015年時点の前提なので、最新の実務は別途補完が必要
- △数値シミュレーションや契約実務の細部までは深掘りしていない
- △純粋な意匠論や建築作品集のような読み味を期待すると方向性が異なる
■ みんなの評判・口コミ
不動産営業
不動産営業をやっていると、土地と建物をどうしても別々の商品として説明してしまう。その弱点をかなり突かれました。VFRDCMの考え方は、仲介の段階でどこまで顧客の将来像に踏み込むべきかを整理するのに使えます。ケーススタディも机上の空論じゃなく、実際の提案現場に近い温度感があってよかったです。刊行年は古いけれど、提案の芯になる発想は今でも十分通用すると思います。
ソリューション営業
ソリューション営業の立場で読みました。顧客課題を上流で定義し直す重要性がよくわかる本です。建築と不動産の話ではあるけれど、専門部署の分断をどうつなぐかというテーマは法人営業にもかなり通じるところがあります。建て主が求めるのは一般論ではなく個別解だという指摘には素直に納得しました。もう少し最新の事例が入っていると、さらに読みやすかったかもしれません。
フリーランスデザイナー
デザイン職の自分からすると、建築を意匠だけで見ない姿勢がとても刺激的でした。土地や資金の条件を含めて価値をつくるという発想は、UI設計にも似た面白さがあります。ただ、業界特有の用語や文脈がけっこう多くて、建築・不動産に馴染みがないとすんなり入りにくい部分もありました。実務経験のある人ほど深く刺さる本だと思います。
会社員
ふだん数字を見る仕事をしているので、家づくりや不動産にお金の視点を持ち込む重要性がよく伝わりました。建築の本なのに、ファイナンスや家族の意思決定にかなりのページを割いているところが新鮮です。一方で、収支シミュレーションや税務の具体例をもっと見たいという気持ちも残りました。考え方のフレームを学ぶ本としては面白いです。
■ 著者について
■ こんな人におすすめ
設計前の企画力を伸ばしたい建築士
意匠や実施設計に入る前に、土地・資金・意思決定の整理まで提案領域を広げたい人に向いています。
建物価値まで踏み込んで提案したい不動産担当者
仲介や仕入れで終わらず、建築家との連携で顧客利益を高める視点を学べます。
家づくり・社屋づくりの発注側
最初に誰へ相談し、何を整理すべきかを掴みたい施主や事業者の助けになります。
小規模開発やリノベの企画担当
ビジョンから運営までを一気通貫で考える枠組みが、そのまま企画の整理軸になります。
■ 関連書籍との比較
| タイトル | 著者 | レベル | 評価 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| 7日でマスター 不動産がおもしろいくらいわかる本 | 池田 浩一 | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥1,815 |
| あなたの実家、どうする? 知識ゼロでも絶対後悔しない! 損しない! 不動産相続の新・ルール | 髙橋 大樹 | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥1,980 |
| ベーシック不動産実務ガイド(第4版) | 山野目章夫 | 初心者 | ★★★★★ 4.5 | ¥3,960 |
■ よくある質問
Q. 『建築と不動産のあいだ』はどんな内容の本ですか?▼
Q. 『建築と不動産のあいだ』は初心者でも読めますか?▼
Q. 『建築と不動産のあいだ』のVFRDCMとは何ですか?▼
Q. 『建築と不動産のあいだ』は建築家だけの本ですか?▼
Q. 『建築と不動産のあいだ』は今読んでも古くないですか?▼
Q. 『建築と不動産のあいだ』の実務で役立つ点はどこですか?▼
Q. 『建築と不動産のあいだ』は施主にもおすすめできますか?▼
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