
中級者自己啓発
【要約・書評】『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』の評判・おすすめポイント
ダニエル・カーネマン|早川書房|2014-06-19|448ページ
★★★★★4.5
(4件)この本を一言で言うと
ノーベル経済学賞受賞の心理学者カーネマンが、人間の思考を「速い思考」と「遅い思考」に分け、判断の歪みを解明した決定版。
この本の概要
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンが、数十年にわたる研究の集大成として書き下ろした一冊。人間の思考を直感的で高速な「システム1」と、意識的で論理的な「システム2」に分類し、この二つのシステムがどのように相互作用して日常の判断を形成するかを解き明かす。アンカリング効果、利用可能性ヒューリスティック、損失回避など、行動心理学・行動経済学の主要概念を網羅的に解説。上巻ではシステム1とシステム2の基本構造、ヒューリスティクスとバイアスを中心に扱う。
クライアントへの提案書を書く前に必ず読み返す本
最初に読んだのは5年前で、正直「難しくて途中で止めた」組だった。でもコンサルの仕事で意思決定支援をするようになって読み返したら、全ページに付箋を貼りたくなった。特にアンカリングの章は衝撃的で、自分がクライアントに出す数字の見せ方が180度変わった。「最初に提示する数字がその後の議論を支配する」って、理屈ではわかっていたけどカーネマンの実験データを見ると説得力が桁違い。上巻だけで448ページあるし、文庫とはいえ内容は学術書レベルの濃さ。通勤電車で読むには重い。でもシステム1とシステム2の枠組みを知っているかどうかで、行動心理学の他の本の理解度がまったく違ってくる。土台として最初に読むべき一冊。
— コンサル勤務・30代後半・戦略部門
この本で学べること
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システム1とシステム2
直感的で自動的な「速い思考」と、意識的で論理的な「遅い思考」の二重プロセス理論。
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アンカリング効果
最初に提示された数字が後の判断に無意識に影響を与えるバイアス。
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利用可能性ヒューリスティック
思い出しやすい事例ほど「よくあること」だと判断してしまう認知の偏り。
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損失回避
同じ金額でも「失う痛み」は「得る喜び」の約2倍強く感じるという行動経済学の基本原理。
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プロスペクト理論
カーネマンとトヴェルスキーが提唱した、リスク下での意思決定モデル。ノーベル賞の受賞理由。
本の目次
- 1第1部 二つのシステム
- 2第2部 ヒューリスティクスとバイアス
- 3第3部 自信過剰
良い点・気になる点
良い点
- ○行動心理学・行動経済学の主要概念をノーベル賞学者が体系的に解説
- ○実験データと日常事例の両方が豊富で説得力がある
- ○ビジネス・投資・政策立案など幅広い分野に応用可能
- ○文庫版で手に取りやすい価格
気になる点
- △学術的な内容が多く、読み進めるにはある程度の集中力が必要
- △上下巻合わせると900ページ近くあり、読了までに時間がかかる
- △翻訳が硬めで、一部の表現は原文のニュアンスが伝わりにくい
著者について
こんな人におすすめ
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意思決定に関わるビジネスパーソン
経営判断や提案において認知バイアスの影響を理解したい人
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行動経済学・行動心理学を体系的に学びたい人
プロスペクト理論やヒューリスティクスの原典に触れたい人
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投資家・資産運用に関わる人
損失回避や自信過剰バイアスが投資判断に与える影響を知りたい人
■ 関連書籍との比較
| タイトル | 著者 | レベル | 評価 | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする | グレッグ・マキューン | 中級者 | ★★★★★ 4.5 | ¥1,760 |
| 解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法 | 馬田隆明 | 初心者 | 0.0 | ¥2,420 |
よくある質問
Q. 上巻だけ読んでも意味がありますか?▼
A. 上巻だけでもシステム1/2の枠組みと主要バイアスは理解できます。ただし下巻で扱う「幸福」や「二つの自己」も重要なので、できれば両方読むことをおすすめします。
Q. 心理学の知識がなくても読めますか?▼
A. 専門用語には丁寧な説明がついていますが、学術的な記述が多いため、行動心理学の入門書を1冊読んでからの方がスムーズに理解できます。
Q. ビジネスでどう活用できますか?▼
A. 価格設定のアンカリング、プレゼンでの数字の見せ方、採用面接でのバイアス軽減など、判断や意思決定が絡むあらゆる場面で応用可能です。
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