車のエンジンの仕組みが学べる本のおすすめ人気ランキング21選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
「車 エンジン 本」で検索すると専門書ばかり並んでしまって、どれから手をつければいいのか分からなくなってしまいました。そもそも何冊も読むものなんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。エンジンの本は大きく「図解で仕組みをつかむ本」「原理から積み上げる専門書」「眺めて楽しむ図鑑」「現場で使う実践書」の4系統に分かれる。まず自分がどこに立っているかを決めると、棚は一気に絞れるよ。
橘ナナミ
立ち位置、ですか。読む人によって正解が変わるんですね。
佐藤メバル
そう。書店員だった頃、同じ「エンジンの本」を探しに来たお客さんでも、整備士を目指す高校生と、燃焼を計算している院生では渡す一冊が全く違った。書名より先に「誰の、どんな場面に効くか」を考えるのが、失敗しない選び方の出発点だよ。
橘ナナミ
なるほど…!では、その場面ごとに見ていきたいです。
車のエンジンの仕組みが学べる本の選び方
目的別に選ぶ
橘ナナミ
目的で分けるなら、まず何を区別すればいいですか?
佐藤メバル
整備士志望、設計・研究志望、趣味の旧車いじり、学生の学習——この4つだね。整備士なら『最速合格!3級自動車ガソリン・エンジン整備士 問題集』のように試験に直結するものから入り、実務の土台には『自動車メカ入門(エンジン編)』が効く。設計・研究志望なら『乗用車用ガソリンエンジン入門』で機構と特性を固めてから『エンジンの計測とシミュレーション』へ。旧車なら『ザ・エンジン フェラーリ365 GT/4BB』のような実践記録が刺さるよ。
レベル別に選ぶ
橘ナナミ
完全に初心者なら、最初の一冊は?
佐藤メバル
『きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識』だね。166点の図とイラストで、動力を生み出す中心部から吸排気、点火、潤滑・冷却、ダウンサイジングまで順に追える。基礎を終えたらクルマ全体に視野を広げ、専門応用では『エンジンの計測とシミュレーション』や『基礎からわかる 自動車エンジンのシミュレーション』へ。段差を飛ばさないのがコツだよ。
形式別に選ぶ
橘ナナミ
図解中心か専門書か、で迷います。
佐藤メバル
直感で理解したいなら図解系。『クルマのメカ&仕組み図鑑』は見開き1項目で読みやすい。原理から積むなら『乗用車用ガソリンエンジン入門』のような専門書。眺めて楽しむなら『世界で一番美しいエンジン図鑑』——蒸気機関、内燃機関、電気モーターを透明スケルトンで見せる構成が楽しい。手を動かすなら『自動車用エンジンの冷却技術』のように実例で語る実践書だ。
対象エンジン別に選ぶ
橘ナナミ
ガソリン以外のエンジンの本もあるんですか?
佐藤メバル
あるよ。ロータリーなら『ロータリーエンジンの20年』と『ロータリーエンジン車』、水平対向なら『水平対向エンジン車の系譜』。ディーゼルは『自動車メカ入門(エンジン編)』が多くのページを割いている。航空・舶用・戦車・機関車まで横断するなら『増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑』が一冊で効く。
使い方別に選ぶ
橘ナナミ
通読する本と、辞書みたいに引く本は違いますか?
佐藤メバル
違うね。通読向けは物語性のある本。辞書的に引くなら『ボッシュ自動車ハンドブック 日本語第4版』で、約6,000項目のインデックスから知りたい箇所に一発で届く。現場で使うなら試験対策書や冷却・材料の実務書を、手元に置いて参照するのが向いている。
予算・入手性で選ぶ
橘ナナミ
予算が厳しいときはどうすれば?
佐藤メバル
まず図書館と電子書籍を当たること。大型の技術ハンドブックは高価なので、必要性が固まってからで遅くない。一方、旧車や技術史の本は中古・絶版で流通が細ることがあるから、見つけたら早めに押さえる——これは書店員時代の実感だよ。
車のエンジンの仕組みが学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、21冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
車のエンジンの仕組みが学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識
飯嶋洋治 著|日刊工業新聞社
¥2,200(税込)
エンジンとクルマの関係から始まり、動力の中心部、心臓部、吸排気、燃料、電気・点火、潤滑・冷却、そして燃費向上と小型軽量化、新世代の動力源まで9章で一気通貫。166点の図とイラストが全章に配置され、文字だけでは分かりにくい「なぜそうなっているのか」を目で追えるのが最大の持ち味。基礎から順番に積み上がる構成なので、予備知識ゼロでも迷子になりにくい。用語の羅列で終わらせず、仕組みの理由を説明する姿勢が最後まで続く。
こんな人におすすめ
クルマ好きだが整備や工学は未経験という人、自動車メーカーや部品メーカーに就いたばかりの若手、エンジンの仕組みを自分の言葉で説明できるようになりたい人。通勤時間の学び直しにも向く。
良い点
- 図とイラストがとにかく豊富
- 9章で体系立っている
- 未経験でも読み進めやすい
気になる点
- 2015年刊で最新技術は薄い
- 数式や計算はほぼ出てこない
- 整備の実務手順は扱わない
出版社
日刊工業新聞社
発売日
2015年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エンジンの本って難しそうなんですけど、いきなりこれから入って大丈夫ですか?
佐藤メバル
大丈夫。第1章でエンジンとクルマの関係から入って、中心部、心臓部、吸排気…と順番に積み上げていく。しかも166点もの図とイラストが付いているから、文章でつまずいても図で戻れる。まさに「なぜ」を追いかける本だね。
橘ナナミ
なるほど! 最後の章ではガソリン以外のエンジンも出てくるんですね。
佐藤メバル
そう、第9章でガソリン以外のエンジンと新世代の動力源まで触れている。ここは2015年の本としての限界でもあり、逆に当時どこまで来ていたかを確認する使い方もできる。
まずは基礎の地図を一枚手に入れるつもりで読むといいよ。
自動車メカ入門(エンジン編)
GP企画センター 著|グランプリ出版
¥1,760(税込)
現在のエンジンを理解するには原理から入り、最新の技術やシステムにも触れなくてはならない。その問題意識から苦心の末に作られた入門書。特筆すべきはディーゼルエンジンに多くのページを割いている点で、日本ではトラック中心に開発されてきた経緯も含めて解説する。乗用車のガソリン機関だけを追う本とは視野が違い、内燃機関が何を問題としてきたか、これからどうなろうとしているかまで踏み込む。
こんな人におすすめ
トラックや商用車、ディーゼルに関心がある人。ガソリン車の入門書を一冊読んだあと、もう一段視野を広げたい人。機械系の学生が講義の副読本として手元に置くのにも向く。
良い点
- ディーゼルの記述が厚い
- 原理から最新技術まで扱う
- 既存の解説本との違いを意識
気になる点
- 2006年刊で情報が古い
- 図版は控えめ
- 初学者には説明が硬め
出版社
グランプリ出版
発売日
2006年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「エンジン編」ということは、同じシリーズに別の巻があるんですか?
佐藤メバル
シリーズで分けているぶん、ここはエンジンに集中している。面白いのは、この本がディーゼルに多くのページを割いていること。
日本ではトラック中心に発達してきたからね。そこを丁寧に扱う本は当時珍しかった。
橘ナナミ
軽油の話も出てくるんですね。乗用車しか知らないと見落としそうです。
佐藤メバル
そこがこの本の狙いで、これまでに出ている自動車メカの解説本との違いを意識して作られている。原理から始めて、これからどうなろうとしているかまで書いてある。
2006年の本だから最新情報は補って読む必要があるけど、視野を広げる一冊としては今も価値があるよ。
ボッシュ自動車ハンドブック 日本語第4版
ロバート・ボッシュGmbH 著|日経BP
¥14,300(税込)
ドイツの自動車技術・研究開発の専門家が執筆し、世界中のエンジニアが手元に置くテクニカルハンドブックの日本語第4版。約6000項目のインデックスで知りたい項目に一発でたどり着ける。内燃機関、火花点火機関とディーゼルエンジンの制御に加え、代替駆動装置、排出ガスと診断の法規、シャーシ、車両の電気・電子システム、運転者支援システムまで収録。物理学や数学、材料といった工学の基礎まで載る。
こんな人におすすめ
自動車業界や研究機関で働く技術者、工学系の学生・大学院生。開発や学習の根拠をその場で確かめたい人。電子制御や法規の周辺知識まで手元に揃えたい人。辞書として長く付き合いたい人。
良い点
- 網羅性が突出している
- 約6000項目の索引で引ける
- 規格や法規も随所に収録
気になる点
- 価格が高い
- 入門書としては難解
- 持ち歩くには重い
出版社
日経BP
発売日
2019年09月09日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
14,300円…。正直、すごく高いです。それだけの価値があるものなんですか?
佐藤メバル
1冊目に買う本ではないよ。これは世界中のエンジニアが常時携帯していると紹介されるタイプのハンドブックで、辞書に近い。
ドイツ語初版以来80余年、多くの言語に翻訳されてきた蓄積がある。
橘ナナミ
なるほど、辞書なんですね。じゃあ最初から読み通す本ではないんだ。
佐藤メバル
そう。エンジン制御や車両診断はもちろん、代替駆動技術、物理学や数学の基礎まで載っている。約6000項目の索引から引いて、現場で「これ、規格はどうなってたっけ」と戻るための本だね。大学や研究機関でも活用されている。
改訂新版 最新オールカラー クルマのメカニズム
青山元男 著|ナツメ社
¥2,200(税込)
2014年刊のロングセラーを、この間に進化した部分と新たな技術を追加して改訂した最新版。パワートレイン、エンジン、動力伝達装置、電気自動車とハイブリッド、シャシーメカニズムの5部構成で、エンジン本体・動弁装置・吸排気装置・過給機・燃料装置・点火装置といった細かい章までカラー図版で一つずつ追える。「走る・曲がる・止まる」の全体を一冊で見渡せるのが強みで、エンジン単体の本より守備範囲が広い。
こんな人におすすめ
自動車ディーラー・整備・運送など自動車に関わる仕事に就いた人。クルマ好きで、部品の名前と役割を一通り押さえたい人。すでに持っている知識の再確認をしたい実務者にも。
良い点
- オールカラーで見やすい
- 5部構成で網羅的
- 最新改訂で情報が新しい
気になる点
- エンジン単体の深掘りは控えめ
- 価格は入門書相場
- 数式や設計の話はない
出版社
ナツメ社
発売日
2025年02月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、2025年の改訂版なんですね。前の版と何が変わったんでしょう?
佐藤メバル
この間に進化した部分と新たな技術が追加されている。2014年刊から累計8万部を超えたロングセラーだからね。
カラー図版をふんだんに使って、パワートレインからシャシーまで5部構成で追いかけていく。
橘ナナミ
エンジンの本なのに、電気自動車とハイブリッドの部があるんですね。
佐藤メバル
そう、そこが今の時代らしいところ。エンジン単体を深く掘る本というより、クルマ全体の中でのエンジンの位置が見える本だよ。
自動車メーカーやディーラー、整備の現場でも、持っている知識の再確認に役立つと書かれている。
世界で一番美しいエンジン図鑑
セオドア・グレイ 著|創元社
¥4,180(税込)
『世界で一番美しい元素図鑑』の著者セオドア・グレイが、今度はエンジンをテーマに選んだ。自ら透明なスケルトンモデルを考案し、蒸気機関・内燃機関・電気モーターがなぜ動くのかを美しいビジュアルで解き明かす。機械への愛が全ページから溢れる構成で、蒸気機関は今も最高のエンジンと語られ、内燃機関が世界をどう変えたかにも触れる。実用書ではなく、眺めて味わう教養図鑑として異色の存在。
こんな人におすすめ
デザインや写真集が好きな人。機械の造形そのものを美しいと感じる人。子どもと一緒にページをめくりたい人。技術書に疲れたときの息抜きが欲しい人。
良い点
- ビジュアルが圧倒的
- 蒸気機関からモーターまで
- スケルトンモデルが独自
気になる点
- 実用や整備には使えない
- 価格は図鑑相場
- 文章量は多くない
出版社
創元社
発売日
2023年09月15日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これは…エンジンの写真集なんですか?
佐藤メバル
近いね。でもただの写真集じゃない。著者が自分で透明なスケルトンモデルを考案して、蒸気機関から電気モーターまで「なぜ動くのか」を解き明かしている。
元素図鑑で知られる人の本だから、眺めているだけで楽しい。
橘ナナミ
蒸気機関も入ってるんですね。クルマのエンジンだけじゃないんだ。
佐藤メバル
そこがいい。第1章は蒸気機関で、今も最高のエンジンだと書いている。第2章の内燃機関では、地球表面のうち50万平方キロメートルが内燃機関のために舗装されている、なんて話も出てくる。
技術書の合間に読むと、機械を見る目が変わるよ。
増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑ーその誕生と発展をたどる
鈴木孝 著|グランプリ出版
¥4,180(税込)
工学博士でエンジンの権威である著者が、国内外の博物館や所蔵元を訪ねて調査した一冊。自動車用・航空用・舶用・戦車用・機関車用・産業用・汎用まで幅広く、時代を築いた名作エンジンと、迷作と呼びたくなる個性的なエンジンを選んで紹介する。人類初のエンジンからロケット、そして日野の最新エンジンまで60近い章が並び、詳細なイラストとともに誕生と技術的・時代的背景をたどる。読み物としての厚みが段違い。
こんな人におすすめ
エンジンの歴史や逸話を読み物として楽しみたい人。航空機・船舶・戦車など乗り物全般の機械史が好きな人。図版を眺めながら長く付き合いたい人。
良い点
- 章数が多く読み応え十分
- イラストが詳細
- ジャンル横断で珍しい
気になる点
- 価格が高め
- 体系的な教科書ではない
- 項目ごとの深さに差がある
出版社
グランプリ出版
発売日
2025年07月28日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「迷作」って書いてありますけど、失敗作を笑う本なんですか?
佐藤メバル
失敗と決めつけず、個性的なエンジンとして並べているのが面白いところ。著者は工学博士で、国内外の博物館や所蔵元まで足を運んで調査している。
名作も迷作も同じ熱量で扱うのが、この本の魅力だね。
橘ナナミ
目次を見ると、戦車用とか機関車用とか、幅がすごく広いですね。
佐藤メバル
草創期のホイヘンスのエンジンから、戦艦三笠、ロケット、そして日野の最新エンジンまで並んでいる。序文に「過去の技術に学ぶ大切さ」とあるように、歴史として読む技術書だよ。エンジンが好きな人ほど長く遊べる。
乗用車用ガソリンエンジン入門新装版
林義正 著|グランプリ出版
¥3,080(税込)
1876年にオットーが4サイクルの内燃機関を発明してから約140年、いまも自動車動力の主流であり続けるガソリンエンジン。その歴史・機構・特性・性能追求を、エンジン設計・開発のエキスパートがまとめた入門書。開発の現場を知る書き手ならではの視点が通底し、性能をどう追い求めてきたかまで踏み込む。仕組みの解説で終わらせず「なぜそう設計するのか」に切り込む点が、図解中心の入門書との決定的な違い。
こんな人におすすめ
機械系の学生や若手エンジニア。仕組みは知っているが設計の考え方まで踏み込みたい人。ガソリン機関の歴史と性能追求を一冊で押さえたい人。
良い点
- 設計者の視点が濃い
- 歴史から性能まで扱う
- 入門と名乗るが密度が高い
気になる点
- 図版は多くない
- 完全な初心者には重い
- 最新動向の更新は限定的
出版社
グランプリ出版
発売日
2018年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「入門」って付いてますけど、3,000円超えで、けっこう本格的に見えます。
佐藤メバル
名前は入門だけど、書いているのはエンジン設計・開発のエキスパートだ。性能をどう追い求めてきたかまで書いてあるから、読み応えはしっかりある。
オットーの4サイクルから約140年の流れを追う構成だね。
橘ナナミ
なるほど。仕組みの本というより、設計の思想の本なんだ。
佐藤メバル
そう受け取っていい。部品の名前を覚える本なら他にもあるけど、なぜその形に落ち着いたのかを説明できる本は意外と少ない。
学生が講義のあとに読むと、講義で聞いた内容がつながって見えるよ。
クルマのメカ&仕組み図鑑
細川武志 著|グランプリ出版
¥1,980(税込)
図版をたっぷり使い、見開きで1項目を解説する構成のメカニズム図鑑。クルマの基礎的なメカニズムや仕組みを、初心者にもすんなり理解できるように説明しながら、当時の最新技術まで網羅しようとした欲張りな作りが持ち味。ページを開けばその項目だけで完結するので、通読でも拾い読みでも使える。エンジンを含むクルマ全体を扱いつつ、情報の密度と読みやすさのバランスが取れている。
こんな人におすすめ
図鑑スタイルで気軽に学びたい人。休み時間や寝る前に1項目ずつ読み進めたい人。クルマの仕組みを初めて体系的に知りたい人。
良い点
- 見開き完結で読みやすい
- 図版がたっぷり
- 拾い読みにも向く
気になる点
- 2003年刊で情報が古い
- 深い専門論はない
- 項目間の関連は追いにくい
出版社
グランプリ出版
発売日
2003年01月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
見開きで1項目って、図鑑みたいで取っつきやすそうですね。
佐藤メバル
そこがこの本の良さだね。ページを開けばその項目だけで完結するから、通勤や休憩の合間に1つずつ進められる。
基礎的なメカニズムを初心者にもすんなり入るように書いてある。
橘ナナミ
でも2003年の本ですよね。ちょっと古くないですか?
佐藤メバル
基本的なメカニズムは今も通じるから、土台作りには十分使える。ただ最新技術は当然更新されているから、そこは新しい本と組み合わせるといい。
僕の書店員時代、こういう見開き図鑑は棚の入口に置くと手に取られやすかったな。
カラー徹底図解 クルマのメカニズム大全
青山元男 著|ナツメ社
¥1,980(税込)
クルマはなぜ走り、曲がり、止まるのかを、エンジン・シャシー・駆動系の基本から写真と図版で説明する一冊。序章で環境対策と安全対策を置き、動力源、エンジン本体、補機類、動力伝達装置、電気自動車とハイブリッド、シャシー装置、ボディと安全装置、そして自動運転まで一冊でたどる。エンジン解説の枠を超えて、クルマの全体像をカラーで押さえられる構成になっている。
こんな人におすすめ
環境対応や安全装備、自動運転まで含めてクルマ全体を学びたい人。自動車関連の仕事に就いたばかりの人。エンジンを掘る前に全体の地図が欲しい人。
良い点
- カラーで図版が豊富
- 自動運転まで収録
- 章立てが整理されている
気になる点
- エンジンの深掘りは控えめ
- 2019年時点の情報
- 数式や設計論はない
出版社
ナツメ社
発売日
2019年03月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの『クルマのメカニズム』と同じ著者ですよね。何が違うんですか?
佐藤メバル
こちらのほうが全体を広く覆っている。序章に環境対策と安全対策を置いて、最後の第8章は自動運転だ。
エンジンの本を探している人が手に取ると、視野がぐっと広がるね。
橘ナナミ
動力源の章のあとに、電気自動車とハイブリッドが来るのが今っぽいです。
佐藤メバル
そう。クルマの動力源が一つではなくなりつつある時期の本だからね。エンジン本体とエンジン補機類もしっかり章が分かれているから、入り口としても辞書としても使える。
まず地図が欲しい人にはこちらを勧めるよ。
ロータリーエンジンの20年
大関博 著|グランプリ出版
¥2,640(税込)
自動車用として開発・量産されたロータリーエンジンは、世界の自動車メーカーの中でマツダだけが持つ独自技術。本書はその誕生から20年を経た時点で、いくつもの困難な課題をどう解決したかを、開発に携わったマツダの技術者を中心に執筆した技術記録。外から眺めた解説ではなく、実際に解いてきた当事者の証言であるところが決定的に違う。技術開発のプロセスそのものを追える貴重な一冊。
こんな人におすすめ
ロータリーエンジンの技術的な中身を知りたい人。開発プロセスの記録を読みたい人。マツダのものづくりに関心がある人。
良い点
- 開発当事者の記述
- 課題解決の過程が詳しい
- 技術史として貴重
気になる点
- 専門用語が多い
- 図版は多くない
- 車種カタログ的な内容ではない
出版社
グランプリ出版
発売日
2018年06月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ロータリーエンジンって、マツダだけが作っていたんですよね?
佐藤メバル
自動車用として開発・量産されたのは世界でマツダだけだ。この本は開発に携わった技術者たちが中心になって書いた記録で、20年の間にいくつもの困難な課題をどう解いたかが残っている。
橘ナナミ
外から書いた解説本とは、やっぱり全然違うんですね。
佐藤メバル
そこが決定的な違い。技術者自身の言葉だから、試行錯誤の生々しさがある。マツダのロータリー車をカタログでたどる本とは役割が違って、こちらは技術の中身に踏み込む本だよ。
ロータリーエンジン車ーマツダを中心としたロータリーエンジン搭載モデルの系譜
当摩節夫 著|三樹書房
¥4,950(税込)
「未来のエンジン」と称され、世界中のメーカーが研究開発を進めたロータリーエンジン。技術的な課題から多くのメーカーが撤退するなか、マツダは課題を克服して量産車を次々と開発し、200万台近くを量産する世界で唯一のメーカーになった。本書はコスモスポーツからRX-8、2023年に発電用として復活したMX-30 Rotary-EVまで、貴重なカラーカタログで変遷をたどる車としての系譜。
こんな人におすすめ
ロータリーエンジン車のカタログや歴代モデルを眺めたい人。マツダ車の歴史を網羅的に押さえたい人。他メーカーの挑戦まで含めて知りたい人。
良い点
- カラーカタログが貴重
- 他メーカーの挑戦も収録
- 年表や仕様一覧が付く
気になる点
- 価格が高め
- 技術論は中心ではない
- 活字中心の読み物ではない
出版社
三樹書房
発売日
2024年08月06日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これはさっきの技術記録とは別の本ですよね。こっちは車のほう?
佐藤メバル
そう、こちらは車としての系譜。貴重なカラーカタログで変遷をたどるのが主眼で、コスモスポーツからRX-8、2023年に復活したMX-30 Rotary-EVまで並んでいる。
橘ナナミ
他のメーカーが挑戦した車も載っているんですね。
佐藤メバル
第4章がそう。世界中が研究して撤退していくなかで、マツダは量産を続けて200万台近くまで積み上げた。
年表や車種別の生産台数、仕様一覧まで付いているから資料としても強い。眺めるだけで時間が溶けるよ。
水平対向エンジン車の系譜
武田隆 著|グランプリ出版
¥2,640(税込)
水平対向エンジン車の特徴から始まり、パイオニア時代、フロントエンジンの2気筒、RR車、FF車、ポルシェ、日本のスバル以前、そしてスバル水平対向エンジン車の進化まで章を追ってたどる。ロータリーの本が一社の物語なら、こちらはエンジンレイアウトそのものを軸にした系譜。ポルシェとスバルという二つの代表格を同じ枠組みで並べる点が独自で、なぜこの形式が生き残ったのかが見えてくる。
こんな人におすすめ
スバルやポルシェの水平対向エンジンが好きな人。エンジンのレイアウトの違いを歴史から理解したい人。車種の系譜を体系的に知りたい人。
良い点
- レイアウト軸の珍しい切り口
- ポルシェとスバルを並べる
- 章立てが明快
気になる点
- 2008年刊で更新なし
- 図版は多くない
- 技術数値の細部は限定的
出版社
グランプリ出版
発売日
2008年09月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
水平対向って、スバルとポルシェのイメージですけど、それ以外にもあったんですか?
佐藤メバル
あるんだよ。第2章がパイオニア時代、第3章が2気筒のフロントエンジン車、第4章がRR車と、スバル以前にも長い系譜がある。
それを一冊で追えるのがこの本の価値だね。
橘ナナミ
なるほど。ロータリーの本が一社の物語だとしたら、こっちは形の物語なんだ。
佐藤メバル
うまい言い方だね。第6章でポルシェ、第7章で日本のスバル以前、第8章でスバルの進化を扱う。なぜこのレイアウトが生き残ったのかを、歴史から考えられる構成になっているよ。
自動車用エンジンの冷却技術
橋本武夫 著|グランプリ出版
¥2,420(税込)
どんなにエンジンの改善が進み、新システムが採用されても、使用される地域や高速走行、渋滞走行といったさまざまな条件で適温に保つ冷却システムは不可欠。本書は一貫して車両冷却・熱害実験に従事してきた著者が、自動車用エンジンの冷却性能にテーマを絞り、実例を示しながら説明する。性能や燃焼を扱う本が多いなか、熱をどう逃がすかだけを掘り下げる点が際立って独自。
こんな人におすすめ
熱マネジメントや冷却系の実務に関わる技術者。エンジン開発で熱害に悩んだ経験がある人。冷却系を体系的に学びたい学生。
良い点
- テーマを冷却に絞っている
- 実験に基づく実例が豊富
- 実務者による記述
気になる点
- 専門外には地味
- 図版中心の構成ではない
- 入門的な概説は少ない
出版社
グランプリ出版
発売日
2021年06月03日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
冷却って、正直ちょっと地味なテーマに見えるんですけど…。
佐藤メバル
そこが盲点なんだよ。どんなにエンジンが良くなっても、渋滞でも高速でも適温に保てなければ支障が出る。この本は車両冷却・熱害実験に一貫して従事してきた著者が、冷却性能だけに絞って実例を挙げながら書いている。
橘ナナミ
なるほど。性能の本ばかり読んでいると、抜け落ちるところですね。
佐藤メバル
そう。燃焼や制御の本はたくさんあるけど、熱をどう逃がすかに特化した本は貴重だ。現場で夏場に温度が上がると悩んだことのある人ほど、刺さる内容だと思うよ。
基礎からわかる 自動車エンジンのシミュレーション
金子成彦 著|コロナ社
¥4,620(税込)
自動車用ガソリンエンジンについて、これまで行われてきた代表的なモデルをまとめるとともに、最新のモデリング手法を解説する。熱・流動、燃料噴霧、火花点火、火炎伝播、そしてPMまで、現象ごとに理論と計算事例を対応させて進む構成で、自動車用エンジンシミュレーションコードHINOCAを用いた解析事例も紹介される。理論と実装の橋をかけてくれる、シミュレーションの教科書。
こんな人におすすめ
CFDや数値解析をエンジン開発に使う学生・研究者・エンジニア。燃焼や噴霧のモデリングを学びたい人。理論書の次の一冊として実例が欲しい人。
良い点
- 理論と計算事例が対応
- PMまで扱う構成
- 執筆陣が研究者中心
気になる点
- 数式が多く難解
- 価格が高め
- 実験の話は少ない
出版社
コロナ社
発売日
2019年06月22日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
シミュレーションって、実際にエンジンをいじらずにコンピュータで試すことですよね。学生が読んでも大丈夫ですか?
佐藤メバル
数学や流体の基礎があるなら挑戦していい。熱・流動、噴霧、点火、火炎伝播、PMと、現象ごとに理論と計算事例が並んでいるから、どこで何を近似しているのかが見える。
橘ナナミ
HINOCAっていうコードの名前が出てくるんですね。
佐藤メバル
そう、そのコードを使った解析事例が各章に入っている。理論だけの本だと「で、実際どう計算するの」で止まりがちだけど、この本はそこを埋めてくれる。
研究室で使うなら手元に置いておきたい一冊だよ。
エンジンの計測とシミュレーション
宮川浩 著|朝倉書店
¥5,500(税込)
エンジン開発の重要なポイントとなる筒内現象に焦点を当て、基礎理論と計測・シミュレーションの幅広い知識を学ぶ。熱力学サイクルと燃焼から始まり、火花点火エンジンと圧縮着火エンジン、過給システム、シリンダ潤滑、噴霧特性や筒内・シリンダシステムの計測、そしてCFD・詳細化学反応・3D/1Dシミュレーションへと章が続く。計測と計算の両輪を一冊で押さえる構成は貴重で、開発の現在地がつかめる。
こんな人におすすめ
エンジン開発に携わる技術者や研究者。計測とシミュレーションの両方を学びたい大学院生。筒内現象の理解を深めたい人。
良い点
- 計測と計算を両輪で扱う
- 章立てが開発工程に対応
- 2023年刊で新しい
気になる点
- 価格が高い
- 専門用語が多い
- 入門には向かない
出版社
朝倉書店
発売日
2023年10月30日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきのシミュレーションの本と、これは何が違うんですか?
佐藤メバル
こちらは計測とシミュレーションの両方を並べて扱うのが特徴だね。筒内で何が起きているかを、測る側と計算する側の両方から押さえにいく。
噴霧特性の計測やシリンダシステムの計測といった章があるのが違いだ。
橘ナナミ
過給やシリンダ潤滑まで章があるんですね。燃焼だけの本じゃないんだ。
佐藤メバル
そう。熱力学サイクルから始まって、最後は今後の展望まで。開発の流れに沿って章が並んでいるから、工程のどこで何が必要かが見えてくる。
大学院や現場で本格的に取り組む人向けの一冊だよ。
エンジン用材料の科学と技術
山県裕 著|グランプリ出版
¥3,080(税込)
エンジンのメカニズムと素材(材料)との関係を、部品ごとに切り分けて解説する一冊。ピストン、ピストンリング、シリンダ、カムシャフト、バルブとバルブシート、バルブスプリング、クランクシャフト、コネクティングロッドと、章の見出しが思わず笑ってしまうほど人間味のある言葉で並ぶ。実務経験者が、機械構造に使われる材料技術を基礎から高レベルまで伝授する構成で、設計と材料の橋渡しになる。
こんな人におすすめ
材料や生産技術の開発に携わる人。機械工学や材料学を学ぶ学生。なぜその部品にその素材が選ばれるのかを納得したい人。
良い点
- 部品ごとの切り口が明快
- 実務経験者による記述
- 見出しが親しみやすい
気になる点
- 専門用語が多い
- 図版は多くない
- 2016年刊の情報
出版社
グランプリ出版
発売日
2016年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「頭を冷やし、油汗をぬぐい、他とのすり合わせに気をつかい。」って…これ、ピストンリングの章の見出しですか?
佐藤メバル
そう。部品の役割を人間にたとえた見出しになっていて、読み進めるのが楽しい。エンジンの中の一つひとつの部品を、材料の側から語り直している本だね。
橘ナナミ
材料の本って無機質なイメージがあったんですけど、だいぶ違いますね。
佐藤メバル
実務経験者が書いているから、現場の感覚が入っている。ピストン、シリンダ、カムシャフト…と章が進むうちに、なぜその部品にその素材が選ばれるのかが見えてくる。
設計を学ぶ人にも材料を学ぶ人にも効く一冊だよ。
軽自動車における低燃費技術の開発
御堀直嗣 著|グランプリ出版
¥1,760(税込)
CO2の放出量を抑えるための「省資源化」という社会要請に対し、開発コストが厳しく制限される軽自動車で独自の低燃費技術を開発したスズキの技術陣。本書はそのユニークな創造力のルーツと技術を、ワゴンRに乗る喜びからスズキ誕生、ダウンサイジング、エネチャージ、新アイドリングストップシステム、エコクール、新エンジンとトランスミッション、S-エネチャージ、そして軽自動車の未来まで追いかける。
こんな人におすすめ
軽自動車の低燃費技術の中身を知りたい人。スズキのものづくりや会社史に興味がある人。制約下の開発の工夫を学びたい技術者。
良い点
- 会社史と技術を同時に追う
- 具体的な技術名で解説
- 価格が手頃
気になる点
- 2015年刊で後継技術は未収録
- 図版は多くない
- 他社との比較は少ない
出版社
グランプリ出版
発売日
2015年07月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
軽自動車の低燃費って、そんなに技術が詰まっているんですか?
佐藤メバル
開発コストが厳しく制限されるなかで、省資源化という要請に応えたのがスズキの技術陣だ。エネチャージやエコクールといった個別の技術を、生まれた背景から順番に追っていく。
橘ナナミ
「遠江という国」とか「スズキ誕生」とか、会社の話から始まるんですね。
佐藤メバル
そう、そこがいい。技術だけを切り出すと、なぜその発想が出たのかがわからない。会社の成り立ちから積み上げて、最後は軽自動車の未来まで書いている。
制約の中で工夫する話として、エンジン屋以外にも刺さるよ。
自動車用動力源の現状と未来ーカーボンニュートラル時代に向けて
飯塚昭三 著|グランプリ出版
¥2,200(税込)
CO2の排出削減に向けて、日本が世界に先駆けてハイブリッド技術の普及等で対応してきた流れを振り返り、動力源のカーボンニュートラル化、高効率化への取り組みを紹介する。高効率・低燃費エンジン技術、ハイブリッド、代替燃料、電池と急速充電規格、EV化の課題、そしてバイオ燃料・e-fuel・水素燃料とその動力源まで扱う。エンジンの存続を、規制とエネルギーの文脈で考えられる。
こんな人におすすめ
カーボンニュートラル時代にエンジンがどうなるか知りたい人。EV一辺倒の議論に疑問を持つ人。動力源の選択肢を俯瞰したい技術者。
良い点
- 2025年刊で最新
- 燃料の選択肢まで扱う
- 規制と技術を結びつける
気になる点
- 車種の話は少ない
- 図版は多くない
- 入門の用語解説はない
出版社
グランプリ出版
発売日
2025年01月28日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
電気自動車の話ばかり聞くけど、エンジンってもう終わりなんですか?
佐藤メバル
そこを正面から考える本だね。日本は世界に先駆けてハイブリッドの普及等で対応してきた。走行中にCO2を排出しない電気自動車も注目されるけど技術的課題もあり、当面は内燃エンジンのさらなる熟成や燃料の改良も重要だと位置づける。
橘ナナミ
e-fuelとか水素の話も入っているんですね。燃料の側から見るのが新しいです。
佐藤メバル
そう。第4章がカーボンニュートラル燃料とエンジンで、バイオ燃料、e-fuel、水素燃料とその動力源を並べている。
エンジンがどう残るかではなく、動力源全体のなかでどう位置づくかを考える。今の議論の現在地がつかめるよ。
ザ・エンジン フェラーリ365 GT/4BB
福野礼一郎 著|二玄社
¥3,630(税込)
イギリスに眠っていた実走8000マイルの1974年型フェラーリ365GT/4BBに搭載されたエンジンとトランスアクスルを、国内スペシャリストによる190時間のオーバーホールと350時間におよぶDIYコスメティックレストレーションで完全レストア。その工程とメカニズムの詳細を写真家が鋭い視点でとらえた世界初のエンジン写真集。発見し所有するに至った自動車評論家が作業と本文解説を担当し、本文は完全英訳併記の国際版になっている。
こんな人におすすめ
フェラーリや旧車の構造を写真でじっくり見たい人。レストアの工程に興味がある人。整備の現場の空気感まで味わいたい人。
良い点
- エンジン写真集として唯一無二
- レストア工程が追える
- 本文が英訳併記
気になる点
- 内容は特定車種に限定
- 価格が高め
- 汎用的な解説書ではない
出版社
二玄社
発売日
2005年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エンジンの写真集って珍しいですね。中古車のレストア記録なんですか?
佐藤メバル
一本のエンジンをここまで追った本は、たぶん他にない。イギリスで眠っていた1974年型の365GT/4BBを、190時間のオーバーホールと350時間の作業でレストアする全工程が写真で残っている。
橘ナナミ
350時間って、毎日作業しても何十日もかかる量ですよね…。
佐藤メバル
そういう世界だね。本文を書いたのはこの車を見つけて所有するに至った評論家で、撮影は写真家。本文は完全英訳も併記されていて、国際版として作られている。
一台のエンジンと向き合う時間の重さが伝わってくるよ。
最速合格!3級自動車ガソリン・エンジン整備士 問題集
大保昇 著|弘文社
¥1,980(税込)
3級自動車ガソリン・エンジン整備士試験の合格を目指す人向けの問題集。過去14回分の試験問題を調べ、出題頻度が大変多い問題を最優先で収録した構成で、模擬テスト5回分と解答・解説を収める。巻末の特別編集「合格虎の巻」では、エンジンのポイント、計算のポイント、法規のポイント、実技試験のポイントを整理。基準点を超えるための学習設計がはっきりしている。
こんな人におすすめ
3級自動車ガソリン・エンジン整備士の資格取得を目指す人。出題傾向に沿って効率よく演習したい人。点火順序や計算問題、法規でつまずきがちな人。
良い点
- 模擬テスト5回分を収録
- 出題頻度順の学習設計
- 計算と法規の対策付き
気になる点
- 解説の分量は限られる
- 読み物としては不向き
- 実技は要点のみ
出版社
弘文社
発売日
2025年02月25日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
資格試験の問題集ですね。これも「エンジンの本」に入れるんですか?
佐藤メバル
入れる価値があるよ。この試験の勉強は、エンジンの点火順序や計算問題の解き方を避けて通れない。
過去14回分を調べて出題頻度で分類し、頻度が大変多い問題を優先して収録している。
橘ナナミ
模擬テストが5回分入っているのは助かりますね。合格にはどのくらい必要なんですか?
佐藤メバル
基準点は70パーセントとされている。だから頻度の高い問題を落とさないことが大事で、この本はそこに照準を合わせている。
最後にエンジン、計算、法規、実技のポイントがまとまっているから、直前の確認にも使えるよ。
ダイナミック図解 自動車のしくみパーフェクト事典 第2版
古川修 著|ナツメ社
¥1,760(税込)
オールカラーで写真と図版を多数使い、自動車の基本から電気自動車・自動運転といった最新技術までを解説する事典の第2版。第1部で動力を生み出すエンジンの基本から部品、燃料・点火、吸排気、潤滑・冷却、始動・充電までを順に押さえ、第2部でハイブリッドとEV、第3部で駆動系と足回り、第4部で自動運転と運転サポート技術を扱う。エンジンを軸にしつつクルマ全体に広がる構成。
こんな人におすすめ
エンジンを入り口にクルマ全体を学びたい人。オールカラーで通読したい人。自動運転や運転支援まで視野に入れたい人。最初の一冊を探している人。
良い点
- オールカラーで読みやすい
- エンジンから自動運転まで
- 第2版で情報が更新
気になる点
- 各項目はやや浅い
- 厚みには限界がある
- 専門的な設計論はない
出版社
ナツメ社
発売日
2022年07月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これが最後の一冊ですね。エンジンの本なのに、自動運転の章まであって驚きました。
佐藤メバル
第1部でエンジンの基本から部品、燃料・点火、吸排気、潤滑・冷却、始動・充電まで順に押さえて、そのあとハイブリッドとEV、足回り、そして自動運転と運転サポート技術へと広がっていく。
橘ナナミ
オールカラーなのも嬉しいです。最初の一冊にするならこれでもよさそう。
佐藤メバル
そう、エンジンを入り口にクルマ全体へ広がる設計になっている。環境負荷低減や衝突回避支援といった要求が強まっている流れも反映している。
一本のテーマを深く掘る本と、全体を一冊で覆う本、両方持っておくとちょうどいいよ。
エンジンの種類ごとに棚を整理する
橘ナナミ
ガソリン、ディーゼル、ロータリー、ジェット、汎用…同じエンジンでも全然違いますよね。
佐藤メバル
そう。ガソリンは火花点火、ディーゼルは圧縮着火で、燃焼のさせ方が根本から違う。入門段階では『きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識』の最終章のように「ガソリン以外のエンジンと新世代の動力源」を眺めておくと、全体の地図ができる。ロータリーは『ロータリーエンジンの20年』で開発プロセスを、『ロータリーエンジン車』で車両としての系譜を追うと立体的になるよ。
橘ナナミ
航空や舶用まで手を広げるのは、初学者には早いですか?
佐藤メバル
早くはないけど、順番は大事。まず自動車で熱と流れの基本をつかんでから『増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑』に行くと、蒸気機関からジェット、戦車用、舶用までが「技術の選択の歴史」として読める。工学博士の著者が国内外の博物館や所蔵元を訪ねて調べた一冊で、図版も多い。
学習ロードマップと資格・実務への接続
橘ナナミ
入門から専門へ、読む順番を決めるなら?
佐藤メバル
第一段階は図解系で部品の名前と役割、第二段階は『乗用車用ガソリンエンジン入門』で機構・特性・性能の考え方、第三段階で計測・数値解析へ。材料に踏み込みたくなったら『エンジン用材料の科学と技術』が、ピストンやシリンダと素材の関係を章ごとに追える。整備士を目指すなら、この学びを試験対策書と往復させるのが最短だよ。
橘ナナミ
資格と実務はどうつながるんですか?
佐藤メバル
学科で用語を覚えるだけでは現場で手が動かない。たとえば冷却は『自動車用エンジンの冷却技術』が、走行条件ごとの熱の逃がし方を実例で説明している。軽自動車の低燃費技術を知りたければ『軽自動車における低燃費技術の開発』が背景から辿れて面白い。理論書と現場の本を交互に読むと、知識が体に入るよ。
EV・カーボンニュートラル時代にエンジン本を読む意義
橘ナナミ
EVが進むのに、今エンジンを学ぶ意味はあるんでしょうか。
佐藤メバル
むしろ今だからこそ、だね。『自動車用動力源の現状と未来』は、ハイブリッドや代替燃料、e-fuel、水素まで含めて動力源のカーボンニュートラル化を整理している。熱効率や燃焼を理解している人でないと、この議論は読めない。蒸気機関から内燃機関、モーターへという流れは『世界で一番美しいエンジン図鑑』が美しく可視化してくれる。
橘ナナミ
著者の専門性はどう見極めればいいですか?
佐藤メバル
経歴の華やかさより、その人が何を扱ってきたかを見る。冷却の本を書いた人が一貫して冷却・熱害の実験に従事してきた、というように対象と経験が一致している本は信頼できる。翻訳書なら底本が明記されているかも確認したいね。レビューは参考程度にして、目次で自分に必要な章があるかを確かめるのが結局は近道だよ。
よくある質問
エンジンの仕組みをゼロから学ぶにはどの本がいいですか?
橘ナナミ
エンジンの仕組みをゼロから学ぶにはどの本がいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まずは『きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識』が挙げられます。166点の図とイラストを使い、エンジンとクルマの関係から、動力を生み出す中心部、吸排気、燃料、点火、潤滑・冷却、そしてガソリン以外のエンジンまで順に追える構成です。用語を暗記するのではなく「なぜそうなっているのか」から入れるので、予備知識がなくても挫折しにくい一冊です。
自動車整備士を目指す人におすすめのエンジン本は?
橘ナナミ
自動車整備士を目指す人におすすめのエンジン本はについて教えてください。
佐藤メバル
『最速合格!3級自動車ガソリン・エンジン整備士 問題集』は、過去の問題を出題頻度で分類し、模擬テスト5回分と解説をまとめた試験対策書です。点火順序や計算問題の解き方、法規、実技のポイントまで収録されています。座学で用語を固めたら、実務の土台として『自動車メカ入門(エンジン編)』を並行して読むと、現場で使える理解につながります。
エンジン工学を学ぶ大学生・院生におすすめの専門書は?
橘ナナミ
エンジン工学を学ぶ大学生・院生におすすめの専門書はについて教えてください。
佐藤メバル
筒内現象を軸に学ぶなら『エンジンの計測とシミュレーション』が、熱力学サイクルと燃焼、火花点火・圧縮着火、過給、噴霧計測から1D・3Dシミュレーションまでを扱います。数値解析を掘るなら『基礎からわかる 自動車エンジンのシミュレーション』が、熱・流動、燃料噴霧、火花点火、火炎伝播、PMのモデリングを解説しています。
図解やイラストが多くてわかりやすいエンジンの本は?
橘ナナミ
図解やイラストが多くてわかりやすいエンジンの本はについて教えてください。
佐藤メバル
図版重視なら選択肢は複数あります。『クルマのメカ&仕組み図鑑』は見開き1項目で解説する構成、『カラー徹底図解 クルマのメカニズム大全』と『ダイナミック図解 自動車のしくみパーフェクト事典 第2版』はオールカラーの写真・図版で、エンジン本体から補機類、ハイブリッド、自動運転まで広く扱います。まず仕組みの全体像をつかみたい人に向いています。
旧車のエンジン整備・レストアを学べる本はありますか?
橘ナナミ
旧車のエンジン整備・レストアを学べる本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
『ザ・エンジン フェラーリ365 GT/4BB』は、実走8000マイルの車両のエンジンとトランスアクスルを、国内スペシャリストによるオーバーホールとDIYコスメティックレストレーションで完全レストアした工程を、写真とともに追った写真集です。本文は完全英訳併記。技術史から攻めたいなら『増補改訂 名作・迷作エンジン図鑑』も、名作・迷作と呼ばれる個性的なエンジンを図版で解説しています。
エンジンの本は電子書籍と紙のどちらで買うべきですか?
橘ナナミ
エンジンの本は電子書籍と紙のどちらで買うべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
扱う内容で分けるのがおすすめです。図鑑や写真集のように紙面の美しさやレイアウトを味わう本は紙が向き、索引から引く技術ハンドブックも紙のほうが行き来しやすい面があります。一方で、通読中心の入門書や試験対策書は、電車内や作業の合間に読める電子版が便利です。同じ本でも版によって提供状況が異なるため、購入前に必ず確認しましょう。
エンジン本で名著・定番と呼ばれるロングセラーは?
橘ナナミ
エンジン本で名著・定番と呼ばれるロングセラーはについて教えてください。
佐藤メバル
世界的な定番としては『ボッシュ自動車ハンドブック 日本語第4版』が挙げられます。ドイツ語初版以来80余年の間に多くの言語に翻訳され、160万部以上出版されてきたテクニカルハンドブックです。国内では『改訂新版 最新オールカラー クルマのメカニズム』が累計8万部超のロングセラーとして改訂を重ねています。
予算を抑えてエンジンについて学ぶにはどうすればいいですか?
橘ナナミ
予算を抑えてエンジンについて学ぶにはどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず公共図書館と電子書籍を当たるのが現実的です。大型の技術ハンドブックは価格が高めなので、必要性が固まるまでは館内で参照するだけでも十分。旧車や技術史の本は中古・絶版で流通が細ることがあり、相場は時期で動きます。欲しい本が決まっているなら、価格をこまめに確認し、見つけたタイミングで確保するのが安全です。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、最初に読む一冊が決まりました。
佐藤メバル
どれにした?
橘ナナミ
まずは『きちんと知りたい!自動車エンジンの基礎知識』からです。図とイラストで「なぜ?」を追って、慣れたらクルマ全体や専門書に広げていきます。
佐藤メバル
いい順番だね。一冊で全部を分かろうとすると、途中で息切れする。図解で骨格をつかんで、専門書で肉をつけて、図鑑や実践書で血を通わせる。その繰り返しが一番遠くまで連れて行ってくれるよ。
橘ナナミ
エンジンも本も、いきなり全開にすると焼き付いちゃいますもんね。
佐藤メバル
はは、うまいこと言うね。そう——低回転からじっくり回していくほうが、最後は高く回る。焦らず、一冊ずつ慣らし運転していこう。



