自動運転車について学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のお題は「自動運転車の本」です。棚を見たら、やさしい入門書から1万円を超える専門書まで並んでいて、最初の1冊で固まってしまいました。しかも発売年が2017年から2026年までバラバラで……。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。自動運転の本は、「どの本が上か」ではなく「自分がどの門から入るか」で正解が変わるジャンルなんだ。書店員だった頃、技術者向けとビジネス向けを同じ棚に並べたら、どちらのお客さんも手に取らなくなって、置き場所を分けた記憶があるよ。
橘ナナミ
同じ「自動運転」なのに、住み分けが必要なんですか。
佐藤メバル
うん。全体像をやさしく掴むなら『トコトンやさしい自動運転の本 第2版』、素朴な疑問から入るならQ&A形式の『完全理解 自動運転』。逆に、車両の運動そのものを数理から理解したいなら『自動車の運動制御と自動運転』。門の高さがまったく違うんだ。
橘ナナミ
なるほど、「自分はどの門から入るか」ですね。それ気になります!
佐藤メバル
そう。だからこの記事では、ランキングの前に選び方の物差しを作ろう。物差しさえあれば、25冊は迷路じゃなくなるからね。
自動運転車について学べる本の選び方
目的別:技術を学ぶ/ビジネスを知る/法務と責任を押さえる/政策と都市を考える
橘ナナミ
まず目的から分けたいです。
佐藤メバル
技術の全体像なら『自動運転技術入門』。日本ロボット学会の第一線の著者陣が、自動車工学やセンシング、AI・機械学習、さらには法令や保険制度まで、要素技術の全容を1冊に束ねている。数式を最小限に抑えているのも入りやすい点だね。技術の流れを歴史から追うなら『自動運転の技術開発』が向いている。
橘ナナミ
ビジネス側はどうですか。
佐藤メバル
市場と産業構造なら『CASE革命』。コネクテッド、自動運転、シェア&サービス、電動化の4つを軸に、2030年を見据えて現実的な線を引いている。参入の実務まで踏み込むなら『自動運転&MaaSビジネス参入ガイド』で、小売・物流・不動産・農業・BtoGといった業界別に参入アイデアが並ぶ。
橘ナナミ
法務と責任、政策は?
佐藤メバル
責任と倫理は『自動運転レベル4』が一冊でまとまっている。誰の命を優先するかをAIに委ねられるのか、というトロッコ問題から、運転者不在の事故の刑事責任、民事責任と保険まで。政策と都市の視点なら『公共交通の自動運転が変える都市生活』や『自動運転の都市経営論』が効くよ。
レベル別:完全初心者/文系ビジネス層/情報・機械系エンジニア/研究・大学院生
橘ナナミ
自分のレベルに合わせる軸も知りたいです。
佐藤メバル
完全初心者なら『完全理解 自動運転』。「いつから使えるの?」「事故は防げるの?」という素朴な問いをQ&Aで拾い、第二部では運送業や弁護士、大学教授など多彩な専門家の見通しが並ぶ。文系ビジネス層なら『EVと自動運転』や『自動運転で伸びる業界 消える業界』が薄くて軽い。
橘ナナミ
エンジニアや大学院生だと。
佐藤メバル
情報・機械系なら『自動運転のためのセンサシステム入門』や『これで使える3D LiDAR技術』、数理を固めるなら『カルマンフィルタの基礎と実装』。研究で使うなら、開発史を記録した『AUTONOMY』のような本も背景を知る助けになる。
鮮度別:2024〜2026年の新刊/定番ロングセラー/古典の使い分け
橘ナナミ
発行年って、どのくらい気にすべきですか。
佐藤メバル
自動運転は制度と技術の動きが速いから、鮮度は正直に効く。2025年以降なら『これで使える3D LiDAR技術』『今こそ、自動運転物流による列島改造!』、2026年なら『自動運転の都市経営論』『自動車の運動制御と自動運転』が並ぶ。ただ、古い本が無価値かというとそうじゃない。
橘ナナミ
古い本の価値はどこにあるんですか。
佐藤メバル
原理と歴史だね。『自動運転の技術開発』はホンダでの研究開発体験から発展史をたどる。著者自身が「交通事故ゼロは幻想」と書き、その時点の期待と限界が正直に残っている。新しい本では得にくい価値だよ。
形式別:紙/Kindle/Audible/読み放題
橘ナナミ
電子で読めるかどうかも気になります。
佐藤メバル
ここは正直に言うと、この記事で扱う情報だけでは各書の対応形式を断定できない。図版や数式、点群の図が中心の専門書は紙が強い。逆に通読型のビジネス書は電子でも読みやすい。気になる1冊は購入前に配信状況を自分で確認してほしい。
価格帯別:2000円以下の入門/2000〜4000円の専門/1万円超の技術書
橘ナナミ
価格の幅もすごいですよね。
佐藤メバル
入門は『完全理解 自動運転』や『トコトンやさしい自動運転の本 第2版』、『EVと自動運転』のように2000円を切るものもある。2000〜4000円台は『自動運転のためのセンサシステム入門』『自動運転レベル4』『これで使える3D LiDAR技術』など専門の中心帯。1万円を超えるのは『自動運転・運転支援の実現に向けたセンサ開発』のような開発者・研究者向けの技術書だ。
橘ナナミ
高い本は買う前に覚悟が要ります。
佐藤メバル
あれは「読む本」というより「手元に置く資料」だからね。まず入門で地図を描いて、足りない部分を専門書で埋める順番が失敗しないよ。
接続性別:読みっぱなしで終わる本/実務・資格・実装に直結する本
橘ナナミ
読んだ後に何かにつながるか、も大事ですよね。
佐藤メバル
大事。読み物として面白いのは『AUTONOMY』や『ドライバーレスの衝撃』。実装に近いのは『カルマンフィルタの基礎と実装』で、LiDARによる移動物体追跡や白線の曲率推定まで踏み込む。自治体や交通事業で動くなら『公共交通の自動運転が変える都市生活』が実証実験の成果と課題を具体的に示してくれる。読後の着地点を先に決めると、選書がぶれないよ。
自動運転車について学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
自動運転車について学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい自動運転の本 第2版
クライソントロンナムチャイ 著|日刊工業新聞社
¥1,760(税込)
自動運転を実現する基礎技術から、技術的・社会的課題までを一冊で見渡せる入門書。要素技術の基礎知識や人工知能の応用など、自動運転に関する基本的な知識を網羅している。初版発行後に出てきた新たな問題や、時代に即した項目を追加した改版なので、最近の論点も押さえられるのが強み。図解中心のシリーズらしく、前提知識ゼロから用語の地図を作れる。分厚い専門書に入る前の一冊として位置づけたい。
こんな人におすすめ
自動運転のニュースを読んでも用語が頭に残らない人、研究テーマや就活の前に全体像をつかみたい学生、社内研修の予習をしたい社会人に。専門書の前の地図として、まずここで用語をそろえる使い方が向く。通勤中の拾い読みにも。
良い点
- 基礎技術から社会課題まで一冊で網羅
- 改版で新しい論点を追加
- 図解中心で前提知識が不要
気になる点
- 各論の深さは専門書に譲る
- 数式や実装の話は少なめ
- 最新動向は発行時点まで
出版社
日刊工業新聞社
発売日
2022年08月16日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自動運転って聞いたことはあるんですけど、センサーとかAIとか、単語がバラバラで…まず何から読めばいいんでしょう?
佐藤メバル
いい質問だね。最初の一冊は、細かいところに入る前に「全体の地図」をくれる本がいい。これは基礎技術から技術的・社会的課題まで、人工知能の応用も含めて基本的な知識を網羅した入門書で、初版のあとに出てきた新しい問題や項目を追加した改版なんだ。辞書的に引く使い方もできるよ。
橘ナナミ
なるほど!じゃあ、いきなり難しい専門書を買わなくてもいいんですね。読む順番を間違えると心が折れそうでした。
佐藤メバル
そう。図解が多いから、通勤中に拾い読みするのにも向いている。まずここで用語の地図を作ってから、センサや制御の専門書に進むと迷子になりにくいよ。
Q&A形式でスッキリわかる 完全理解 自動運転
林哲史 著|日経BP
¥1,650(税込)
「いつから使える?」「レベル3って何?」「事故は防げる?」「AIに任せて大丈夫?」——自動運転に関する素朴な疑問にQ&Aで答える一冊。第一部は世界の自動車メーカーや部品メーカー、ソフト開発企業の実績と各国機関の調査データを基礎資料に今を多面的に解き明かし、第二部は運送業、カーナビ、弁護士、大学教授、戦略コンサルタント、地図事業者、事故解析や安全技術の専門家が未来を見通す。複数の立場の見方が並ぶのが特徴。
こんな人におすすめ
家族や同僚に自動運転の話を聞かれて答えたい人、法制度や事故責任まで視野に入れたい人、第二部の専門家の見通しを比べたい読者に。Q&A形式で辞書的に引けるので、気になる問いから読める。会議前の下調べにも。
良い点
- 素朴な疑問をQ&Aで拾う構成
- 開発実績と調査データが土台
- 多分野の専門家の見通しを収録
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 全部読むと情報量が重い
- 技術の内部解説は中心でない
出版社
日経BP
発売日
2018年06月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「レベル3って、結局何ができるんですか?」って聞かれて、うまく答えられなかったんです…。
佐藤メバル
そういう人にちょうどいいのがQ&A形式の本だよ。第一部で世界のメーカーの開発実績や各国機関の調査データを土台に、レベル3では何ができるのか、事故は防げるのか、AIに任せて大丈夫なのか、といった素朴な疑問に答えていく。
第二部は運送業や弁護士、大学教授、事故解析の専門家などが未来を見通す。
橘ナナミ
専門家が何人も出てくるんですね。意見が分かれたりするんでしょうか。
佐藤メバル
そこが読みどころ。同じ技術でも立場が違えば見える景色が違う。安全性は誰が保証するのか、といった問いに複数の答えが並ぶから、自分なりの結論を組み立てやすいよ。
発行から時間が経っている点は前提として読んでね。
自動運転技術入門
日本ロボット学会 著|オーム社
¥4,180(税込)
自動車工学、パワーエレクトロニクス、移動体通信工学、人間工学、センシング技術、AI・機械学習、さらには法令や保険制度まで——自動運転が最先端の要素技術の集合体であることを、一冊で押さえにいく。深層学習が自動運転のどこで使われていくかに焦点を当て、数式の使用を最小限に抑えた平易な説明が身上。日本ロボット学会編で、各分野の第一線の著者陣が分担しているから、偏りの少ない全体像と今後の課題が同時に手に入る。
こんな人におすすめ
研究や開発で自動運転に関わる前に、技術の全容を短時間で押さえたい学生・エンジニアに。複数分野の予備知識をそろえたい人、学会編の体系性を信頼して読みたい人に向く。輪読会のテキストにも。
良い点
- 要素技術の全容を一冊で把握
- 第一線の著者陣による分担解説
- 数式を抑えた平易な記述
気になる点
- 価格は高めの専門書
- 各論の実装詳細は他書が必要
- 法制度は概要レベル
出版社
オーム社
発売日
2021年04月07日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
学会が編んでいる本って、硬そうなイメージがあるんですけど…値段もそれなりにするので、学生には勇気がいります。
佐藤メバル
硬さでいうと、これは数式の使用を最小限に抑えて、イメージに訴える説明を心がけているんだ。自動運転は自動車工学、パワーエレクトロニクス、移動体通信、人間工学、センシング、AI・機械学習、さらに法令や保険制度まで、最先端の要素技術の集合体。
その全容をコンパクトに押さえた本がなかったから、学会が編んだ意味は大きい。深層学習がどこで効くかに焦点を当てているのも今っぽい。
橘ナナミ
なるほど…。一冊で全体像と今後の課題まで見えるなら、研究テーマを決める前の私には助かります。
佐藤メバル
そう。各分野の第一線の人が分担しているから、偏りが少ないのもいい。ただ、各論の実装まで踏み込むには別の本が要る。
読み終えたら、センサならセンサ、制御なら制御と、気になった章の専門書に進む。その順番が遠回りに見えて一番速いんだ。
AUTONOMY 自動運転の開発と未来
ローレンス・D・バーンズ 著|辰巳出版
¥2,090(税込)
Google自動運転車プロジェクト(現ウェイモ)のアドバイザーが、ドライバーレスカーの開発史と社会への影響を語る。2004年に賞金100万ドルを賭けてモハーヴェ砂漠の荒地で開かれた無人運転ロボットレースから、現在進行中の開発の狂騒まで。技術者かプログラマーか、誰が開発を制するのかという問いを軸に、歴史と現場感が同時に味わえる。技術解説書というより、読み物として面白い一冊。
こんな人におすすめ
技術解説より物語として自動運転の来し方を読みたい人、開発の意思決定や競争の構図に関心があるビジネスパーソンに。通読して面白い一冊を探している場面や、移動中の読書に向く。
良い点
- ウェイモ関係者が語る開発史
- 砂漠の競技会から現在まで辿る
- 読み物として面白い
気になる点
- 技術的な詳細は中心でない
- 海外の話が中心
- 日本事情の扱いは薄め
出版社
辰巳出版
発売日
2020年06月10日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ウェイモのアドバイザーが書いた本なんですね。教科書っぽいのかと思ったら、けっこう物語みたいで。砂漠でレースがあったっていうのも気になります。
佐藤メバル
2004年に賞金100万ドルを賭けてモハーヴェ砂漠で開かれた無人運転ロボットレースが起点なんだ。そこから現在の開発の狂騒まで、ドライバーレスカーの歴史を紐解いていく。
技術者かプログラマーか、誰が開発を制するのかという問いが軸にあって、読み物として面白い。Google自動運転車プロジェクト、今のウェイモのアドバイザーが語っているという立場も大きいね。
橘ナナミ
技術の解説というより、誰が主導権を握るのかという話なんですね。競争の構図が気になります。日本ではあまり聞かない話なので新鮮です。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の核。開発の現場感と、社会に何をもたらすかという視点が同時に来る。技術の仕組みを詳しく知りたいなら別の本がいいけれど、なぜ今この競争が起きているのかを腹に落としたいなら、これが一番読みやすい。
海外の話が中心だという点だけ、頭に置いておいてね。
「自動運転」革命
小木津武樹 著|日本評論社
¥1,760(税込)
200年ぶりの交通革命という視点で、自動運転のビジョンと現在地を示す。自動車産業の落日、IT企業の台頭、法制面や倫理の問題、研究の最前線、そして将来像を年代ごとに論じる章立てが特徴。「初めからレベル4を目指せ」という主張など、技術論と産業論を横断する。個別技術の最新性は発行時点までだが、目次を追うだけで論点の地図になり、予測を検証しながら読む楽しみ方もできる。
こんな人におすすめ
自動車産業とIT企業の攻防を構造から理解したい人、将来像を年代ごとに整理したい読者、産業論としての自動運転に関心がある人に。予測の当たり外れを検証しながら読む、少し欲張りな読み方もできる。
良い点
- 産業論と技術論を横断
- 将来像を年代で整理
- 章立てが論点ごとに明確
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 個別技術の記述は概要
- 予測は前提として読む必要
出版社
日本評論社
発売日
2017年03月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
200年ぶりの交通革命、って言い切っているのがすごいですね。でも発行が少し前ですよね、古くなったりしませんか?
佐藤メバル
古さはあるよ。ただ、この本の強みは個別技術の最新性ではなく、論点の整理なんだ。自動車産業の落日、IT企業の台頭、法制面や倫理の問題、研究の最前線、そして将来像を年代で追っていく。
「初めからレベル4を目指せ」という主張も含めて、産業論として読むと今でも刺さる。目次を追うだけで論点の地図になる。
橘ナナミ
なるほど…未来の予測が当たったか外れたかを確かめながら読むのも面白そうですね。目次だけでも勉強になりそうです。
佐藤メバル
そういう読み方がちょうどいい。予測を検証しながら読むと、逆に今の見通しが立てやすくなる。たとえば2020年がターニングポイントという見立てが実際どうだったか、自分で確かめる作業が一番身につくんだ。
技術論と産業論を横断する本は貴重だから、最新の動向とセットで読むといいよ。
ドライバーレスの衝撃
サミュエル・I.シュウォルツ 著|白揚社
¥2,750(税込)
全米トップの交通専門家が、企業優先のドライバーレス革命に警鐘を鳴らす。自動運転車が格差を助長し、個人情報を吸い上げ、街から人が消えてコミュニティが崩壊する——最悪のシナリオを避けるために今何をすべきか。技術礼賛でも単純な否定でもないところが要点で、政策と社会の設計という視点から書かれている。楽観的な未来予想に疲れたとき、視点を入れ替えてくれる一冊。
こんな人におすすめ
自動運転の光の面だけでなく影の面も知りたい人、都市政策や交通政策に関心がある読者に。賛成・反対の前に論点を揃えたい場面や、楽観的な記事に違和感を持ったときに向く。
良い点
- 交通専門家による批判的視点
- 格差・個人情報・地域に着眼
- 政策提言まで踏み込む
気になる点
- 暗めのトーンが続く
- 技術の解説は少ない
- 米国の文脈が中心
出版社
白揚社
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
格差とか個人情報とか、ちょっと怖い話なんですね。自動運転って良いことばかりじゃないんだ…。
佐藤メバル
そう。全米トップの交通専門家が、企業優先のドライバーレス革命に警鐘を鳴らしている。自動運転車が格差を助長し、個人情報を吸い上げ、街から人が消えてコミュニティが崩壊する——最悪のシナリオを避けるために今何をすべきか、という問い立てなんだ。
技術礼賛でも単純な否定でもないのがポイントで、政策の視点から書かれている。
橘ナナミ
なるほど。賛成か反対かを決める前に、論点を揃えるのに良さそうですね。でも読んでて気分が沈みませんか?
佐藤メバル
沈むよ、正直。でも光の面だけを読んでいると、いざ導入が進んだときに「聞いてなかった」となる。米国の文脈が中心だから日本にそのまま当てはめるのは無理だけど、論点の引き出しとしては持っておく価値がある。
楽観的な本とセットで読むと、ちょうど視野がそろうよ。
自動運転レベル4
樋笠尭士 著|学芸出版社
¥2,310(税込)
法改正で可能になったレベル4は「運転手がいない」状態。誰が事故の責任を負うのか、飛び出してきた子供を避けるために誰かを犠牲にしなければならないときAIにどう判断させるのか。倫理・法・市民意識から社会に受け入れられる方策を探る。トロッコ問題、ドイツの倫理規則、EUやイギリスの提言、ISO 39003、運転者不在の事故モデル、記録すべきデータ、民事責任と保険までを扱い、市民と専門家の意識の溝にも触れる。
こんな人におすすめ
法改正の意味を正確に知りたい人、事故責任や倫理の議論を自分の言葉で考えたい学生・実務者に。市民と専門家の意識の溝を意識したい場面や、自治体で導入を検討する担当者の下調べにも。
良い点
- レベル4の法と倫理を正面から扱う
- 各国の倫理規則を比較
- 実証実験の成果に言及
気になる点
- 法律の記述が中心で硬い
- 技術の仕組みは概要
- 議論は進行形で結論は限定的
出版社
学芸出版社
発売日
2023年03月24日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
運転手がいない状態で事故が起きたら、責任は誰が負うんですか?そこが一番気になります。
佐藤メバル
まさにそこを正面から扱う本だよ。法改正で可能になったレベル4を前提に、刑事責任の組み立て、事故データを何のためにどれだけ記録するか、民事責任と保険の関わりまでを追っていく。
ドイツの倫理規則、EUやイギリスの提言、ISO 39003といった国際的な枠組みも比較する。誰の命を優先するかをAIに委ねられるかというトロッコ問題の章から始まる構成が読みどころ。
橘ナナミ
トロッコ問題が本当に法律の話として出てくるんですね。ドキッとしました。
佐藤メバル
そう。しかも「人が運転していたら無罪にできるか」という日本での解法から入って、事例を人間側とシステム側の両方で検討する。
茨城県境町や栃木県の自動運転バスの実証実験にも触れていて、机上の議論で終わらせていない。法改正の意味を自分の言葉で説明したいなら、これを読んでおくと強いよ。
自動運転の幻想
上岡直見 著|緑風出版
¥2,750(税込)
事故や渋滞の解消、障害者や過疎地の移動手段、ドライバー不足の解消——期待が高まる自動運転に「本当にそうなのか」と問い直す。認識と判断の壁、ロジックの壁、人と機械の分担の壁、処理能力やデータの壁、道路交通法の壁を、技術と交通の両面から分析する。「停まる凶器」という表現やEVを「走る原発」と位置づける視点など、言葉の強さが印象に残る。自動運転と軍事の関係にも触れる。
こんな人におすすめ
自動運転の限界を技術論から具体的に知りたい人、交通と格差の問題を考えたい読者に。期待と現実のギャップを測りたい場面や、楽観派の本と読み比べて自分の結論を作りたいときに。
良い点
- 限界を技術と交通から分析
- 軍事や格差にも踏み込む
- 論点の切り口が明快
気になる点
- 否定的な論調が続く
- 技術の最新動向は限定的
- 結論に賛否が分かれる
出版社
緑風出版
発売日
2019年06月15日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルからして否定的ですね。でも、期待が大きすぎる気は私もしていました。
佐藤メバル
認識と判断の壁、ロジックの壁、人と機械の分担の壁、処理能力やデータの壁、道路交通法の壁——技術と交通の両面から、どこまで可能で限界はどこかを分析している。
「停まる凶器」という言い方や、EVを「走る原発」と位置づける視点など、言葉の選び方が強い。自動運転と軍事の関係にも触れているのが、他の批判本と違うところだね。
橘ナナミ
軍事って、そこまで視野に入るんですね…。ちょっと想像していなかったです。
佐藤メバル
そういう死角を突いてくる。論調は終始批判的だから、読後は少し暗くなるかもしれない。でも、期待と現実のギャップを測るものさしとしてはとても使いやすい。
人口希薄地帯のモビリティやバス、タクシーの章は、楽観派の本と読み比べると論点がはっきりするよ。
自動運転の技術開発ーその歴史と実用化への方向性
古川修 著|グランプリ出版
¥2,200(税込)
自動運転の研究開発責任者として長く携わった著者が、概念の起源から発展の歴史、先進運転支援システムにつながる基礎研究と開発過程を綴る。序章は自動運転は交通事故を助長するという逆説から始まり、ホンダでの4輪操舵の実用化、自動運転プロジェクト、自律検知型と路車協調の開発、技術を4期に分けた歴史、国際協調と国際競争、そして開発の舵の切り直しまで。内側から見た歴史の重みがある。
こんな人におすすめ
開発の現場の判断を知りたいエンジニア、自動運転の歴史を当事者の視点で読みたい人、期待が先行する議論を一度冷ましたい場面に向く。技術史としても読める。
良い点
- 開発当事者による内側の記録
- 技術史を4期に整理
- 逆説的な序章が印象的
気になる点
- 体験談の比重が大きい
- 最新の動向は限定的
- 専門用語がやや多い
出版社
グランプリ出版
発売日
2022年01月04日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
序章が『自動運転は交通事故を助長する』って…いきなり逆から来ますね。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さ。完全自動運転だと誤解したドライバーが事故を誘発する、という問題提起から入る。著者は研究開発責任者として長く携わった人で、ホンダでの4輪操舵の実用化やプロジェクトの体験、自律検知型と路車協調の開発、そして自動運転技術を4期に分けた歴史を綴っていく。内側から見た歴史の重みがある。
橘ナナミ
なるほど。成功談だけじゃなくて、誤解や失敗も書かれていそうですね。
佐藤メバル
そういう生々しさがある。開発の舵を切り直す章では、シーズ発からニーズ発への転換が必要だと説いている。
最新の技術動向を知る本ではないけれど、なぜ今の議論がこうなっているのか、その来歴を知りたい人には効く一冊だよ。
自動車の運動制御と自動運転(エンジニア入門シリーズ)
野崎博路 著|科学情報出版
¥4,400(税込)
自動運転は、車の動きをうまく制御する技術があってこそ成り立つ——その関係に注目した入門書。4輪操舵やマルチリンクサスペンション、内外輪制駆動力制御、キャンバ角制御、ステアバイワイヤといった運動制御の系譜から説き起こし、外界センサによるアシスト制御、半自動運転、自動運転との連動、望ましい制御までを扱う。専門知識がなくても理解できるよう工夫され、運転する楽しみとの両立にも触れる。
こんな人におすすめ
車両運動やシャシー制御の側から自動運転に入りたい人、メカとソフトの接点に関心がある学生、制御の中身から理解したいエンジニアに。設計の議論の土台を作るのにも向く。
良い点
- 運動制御から自動運転へ橋渡し
- 定番の制御を体系的に解説
- 運転の楽しみとの両立を論じる
気になる点
- 車両工学の基礎があると有利
- 価格は専門書価格
- ソフトウェア記述は限定的
出版社
科学情報出版
発売日
2026年05月18日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
運動制御って、要は車の動きを制御する技術ですよね。自動運転とどうつながるんでしょう?
佐藤メバル
そこがこの本の主題なんだ。自動運転は、車の動きをうまく制御する技術があってこそ成り立つ。4輪操舵の実用化、マルチリンクサスペンション、内外輪制駆動力制御、キャンバ角制御、ステアバイワイヤ——そうした運動制御の系譜から説き起こして、外界センサによるアシスト、自動運転との連動、そして望ましい制御まで進む。
専門知識がなくても理解できるよう工夫されているよ。
橘ナナミ
ハードの話から入る自動運転の本は珍しい気がします。運転する楽しみにも触れてるんですか?
佐藤メバル
触れている。自動運転モードと、運転を楽しむ半自動運転モードをスイッチで切り替えるという話まで行く。プロドライバーの運転のような気持ちのいい自動運転を目指す、という着地点がいいんだ。
車両工学の基礎があるとより読みやすいけれど、制御の中身から理解したい人にはたまらない一冊だよ。
自動運転のためのセンサシステム入門 -車載カメラとLiDARによるセンサフュージョンー
伊東敏夫 著|日刊工業新聞社
¥2,420(税込)
自動運転システムに欠かせないセンサシステムと、複数のセンサの情報を統合するセンサフュージョンを入門者向けに解説する。車載カメラとLiDARを軸に、認識の仕組みを入口からたどる構成。「100年に1度の変革」という書き出しのとおり、クルマの認識がどう組み立てられているかを学べる。センサ単体の性能を並べる本とは違い、融合の考え方に重心を置いているのが違いだ。
こんな人におすすめ
カメラとLiDARの役割分担と統合の考え方を知りたい初学者、周辺認識の入門を一冊で押さえたいエンジニアに。センサフュージョンの入口として、実装の前に読んでおきたい。
良い点
- センサフュージョンに焦点
- カメラとLiDARの関係を整理
- 入門者向けに平易
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 個々のセンサの深掘りは他書
- 数式は控えめ
出版社
日刊工業新聞社
発売日
2019年10月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
カメラとLiDARって、両方積む意味があるんですか?どっちかで十分な気もします。
佐藤メバル
いい質問だね。それぞれ得意・不得意が違うから、情報を統合するセンサフュージョンという考え方が要る。この本はまさにそこを入門者向けに解説していて、車載カメラとLiDARを軸に、複数のセンサをどう組み合わせるかを丁寧にたどる。
100年に1度の変革という書き出しのとおり、認識の仕組みを入口から学べるよ。
橘ナナミ
なるほど。センサ単体のカタログを読む前に、融合の考え方を知っておくべきなんですね。
佐藤メバル
そう。単体の性能を並べても、統合の設計がわからなければ意味がない。発行から時間が経っているから個々のセンサの最新型までは追えていないけれど、考え方の土台は今も変わらない。
周辺認識の入門を一冊で押さえたいときの最初の一冊に向いているよ。
これで使える3D LiDAR技術 基本から自動運転・セキュリティ・宇宙探査まで
水野貴秀 著|科学情報出版
¥4,400(税込)
LiDARの基礎、レーザと受信機、メカスキャン型・メカレス型・フラッシュ型の仕組み、自動運転やADASでの実際、宇宙機搭載の事例、点群処理、そしてセキュリティまでを一冊で扱う。「LiDARの中」を知らなければ問題が起きたとき手の施しようがないという問題意識が全編を貫く。はやぶさ2の深宇宙レーザ測距実験やMMX、SLIMの話など、宇宙分野のコラムも読み物として楽しい。
こんな人におすすめ
LiDARを導入するが中身も理解しておきたい開発者、点群処理やセキュリティまで視野に入れたい人、宇宙分野の応用にも興味がある読者に。手元に置いて辞書的に使うのも向く。
良い点
- LiDARの要素技術を広く網羅
- 宇宙機搭載の実例が豊富
- セキュリティ章が独自
気になる点
- 専門的で通読は重い
- 実験結果は条件に依存
- 価格は高め
出版社
科学情報出版
発売日
2025年06月20日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
LiDARって、中身を知らなくても使えるって聞きます。それでも読む意味あるんでしょうか。
佐藤メバル
まさにその問いに答える本なんだ。著者たちは「何か問題が起きたとき、中がどうなっているか知らなければ対策を考えられず手の施しようがなくなる」と書いている。
基礎、レーザと受信機、メカスキャン型・メカレス型・フラッシュ型の仕組み、自動運転やADASでの実際、点群処理、そしてセキュリティまで。
通常は目に触れない生の測定データの処理まで出しているのが貴重だよ。
橘ナナミ
はやぶさ2とかSLIMの話も入ってるんですよね。宇宙と自動運転が同じ本に?
佐藤メバル
そう、そこが楽しい。600万km先からのレーザ測距の実験や、火星衛星探査機MMX、小型月着陸実証機SLIMの搭載機器の話がコラムとして挟まれる。
宇宙機は環境条件が厳しく、冷やすとレーザが出なくなるといった苦労話もあって飽きない。専門的で通読は重いけれど、手元に置く価値は高いよ。
カルマンフィルタの基礎と実装 -自動運転・移動ロボット・鉄道への実践までー[改訂版]
綱島均 著|科学情報出版
¥4,730(税込)
線形カルマンフィルタから拡張・アンセンティッド、データアソシエーション、IMM法までを基礎として押さえ、自己位置推定、LiDARによる移動物体追跡、デッドレコニングの故障診断、白線の曲率推定、路面摩擦係数の推定、そして鉄道の状態監視まで応用を広げる。実装を重視した構成が既存の入門書との違いで、改訂版では別アルゴリズムや適用例、アルゴリズムの詳細が追加され、理解の谷間が埋められた。
こんな人におすすめ
状態推定を実装まで落としたい学生・エンジニア、自動運転や移動ロボットの位置推定を扱う人、鉄道の状態監視まで見たい読者に。研究や開発の手元資料として。
良い点
- 実装重視の構成が独自
- 自動車と鉄道の両方に応用
- 改訂で説明を補強
気になる点
- 数学の準備が必要
- 価格は高め
- 通読には根気が要る
出版社
科学情報出版
発売日
2023年03月07日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
カルマンフィルタ…名前は聞いたことあるんですけど、何に使うのか正直わかってないです。
佐藤メバル
一言でいえば、雑音の多いセンサ情報から状態を推定する道具だね。この本は線形カルマンフィルタから拡張・アンセンティッド、データアソシエーション、IMM法までを基礎として押さえ、自己位置推定、LiDARによる移動物体追跡、デッドレコニングの故障診断、白線の曲率推定、路面摩擦係数の推定、そして鉄道の状態監視まで応用を広げる。
実装を重視した構成が既存の入門書との違いだよ。
橘ナナミ
鉄道まで出てくるのが意外です。自動運転の本なのに。
佐藤メバル
そこが面白いところで、推定の技術は乗り物の種類を選ばない。改訂版では別のアルゴリズムや適用例、白線曲率推定のアルゴリズムの詳細が追加されて、理解の谷間が埋められている。
数学の準備は要るけれど、実装まで落としたい人には頼れる一冊だよ。
自動運転・運転支援の実現に向けたセンサ開発
室英夫 著|シーエムシー出版
¥69,300(税込)
車載カメラ・ミリ波レーダ・LiDARの開発動向と画像認識技術を、開発編と市場編の二部で詳述する。HDマップとADASIS、遠赤外線カメラ、MEMSミラーの原理、レーダーの測定、そして市場規模や主要メーカーまで。研究開発とビジネスの両輪を一冊で見られる構成はこの分野では珍しい。執筆陣が各分野の第一線であることも強みで、文献リストとしても使える。
こんな人におすすめ
センサ関連の技術と市場を同時に調べたい開発者・企画担当者、部品や材料から参入を考える企業の読者に。参考文献として手元に置きたい場面や、社内資料づくりの下地として。
良い点
- 開発編と市場編の二部構成
- カメラ・レーダ・LiDARを横断
- 各分野の第一線が執筆
気になる点
- 非常に高価な専門書
- 発行からの更新が必要
- 通読向きではない
出版社
シーエムシー出版
発売日
2020年03月10日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
うわ、この値段…。図書館で探すレベルですね。
佐藤メバル
はは、そういう本だね。でも中身はそれだけの密度がある。開発編では車載カメラ、ミリ波レーダ、LiDARの開発動向に加えて、HDマップとADASIS、遠赤外線カメラ、MEMSミラーの原理、レーダーの測定方法まで。
市場編ではセンサ市場の規模や主要メーカーを扱う。開発と市場の両輪を一冊で見られる構成は珍しいよ。
橘ナナミ
なるほど。技術だけわかっても商売にならないですもんね。企画の人が読む本なのかな。
佐藤メバル
まさに企画や開発の担当者が、社内資料を作る前に全体を押さえるのに向いている。執筆陣が各分野の第一線だから、文献リストとしても使える。
ただ発行からの時間が経っているので、最新の型番や市場数値は必ず別途確認してね。
ドライバを支援する車の知能化技術
高橋宏 著|養賢堂
¥2,420(税込)
自動車技術の進歩をどう見るかから始まり、ITS車両の目指すもの、環境に起因する運転の難しさ、ドライバの思いに起因する運転の難しさを支援するシステム、必要なときに必要なことを運転支援するために、そして未来の運転支援と未来の車までを論じる。ドライバを主語に置いた知能化の設計思想が一貫していて、自動運転の前史をたどれる。
こんな人におすすめ
運転支援の設計思想を原点的に押さえたいエンジニア、HMIや人間中心設計に関心がある読者、自動運転の前史をたどりたい人に。人間工学の視点を補いたいときにも。
良い点
- ドライバ中心の設計視点
- 支援システムを体系化
- 未来の車まで見通す
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 図表の前提知識が必要
- 自動運転の記述は限定的
出版社
養賢堂
発売日
2013年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
けっこう前の本ですよね。自動運転の本としては古いですけど、今読む意味ありますか?
佐藤メバル
あるよ、原点としてね。自動車技術の進歩をどう見るかから始まって、ITS車両の目指すもの、環境に起因する運転の難しさ、ドライバの思いに起因する難しさを支援するシステム、必要なときに必要なことを運転支援するために、というふうに進む。
ドライバを主語に置いた知能化の思想が一貫していて、自動運転の前史がわかる。
橘ナナミ
なるほど。自動運転より前の、支援の積み重ねの上に今があるんですね。
佐藤メバル
そういうこと。未来の運転支援、未来の車という章まで含めて、人間中心の設計を考え続けた記録なんだ。自動運転そのものの記述は多くないから、技術の最新情報は別で補う必要がある。
でもHMIや人間工学に関心があるなら、読んでおいて損はないよ。
EVと自動運転
鶴原吉郎 著|岩波書店
¥858(税込)
電動化・自動化・コネクテッド化の強化をめざして、世界の自動車メーカーが次世代のクルマの開発にしのぎを削る。その進化が自動車産業のビジネスモデルだけでなく私たちの生活まで一変させるとして、何が起きているのかを追う。衝撃の未来予想図と開発の最前線に迫る構成で、EVと自動運転を切り離さずに論じる点が、技術書とも経営書とも違う立ち位置になっている。
こんな人におすすめ
手頃な価格で自動運転とEVの関係をつかみたい人、通勤の合間に業界の構図を押さえたいビジネスパーソンに。まず新書一冊という場面や、専門書に入る前の肩慣らしに向く。
良い点
- 新書で手に取りやすい
- EVと自動運転を一体で論じる
- 産業と生活の変化を描く
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 技術の詳細は浅め
- 予測の検証は読者側の課題
出版社
岩波書店
発売日
2018年05月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新書なら手が出しやすいですね。EVと自動運転を一緒に扱ってるのが気になります。
佐藤メバル
そこがこの本の立ち位置なんだ。電動化・自動化・コネクテッド化の強化をめざす世界のメーカーの動きを追いながら、新技術がビジネスモデルだけでなく私たちの生活まで一変させると説く。
衝撃の未来予想図と開発の最前線に迫る構成で、技術書とも経営書とも違う。通勤の合間に業界の構図をつかむのにちょうどいい。
橘ナナミ
なるほど。EVの話と自動運転の話を切り離さずに読めるんですね。
佐藤メバル
そう。ただ発行から時間が経っているから、その後のEV市場の変化は自分で補う必要がある。予測が当たったかどうかを検証しながら読むと、逆に現在の見通しが立てやすくなるよ。
まず新書一冊で全体をつかみたいときの入口に向いている。
CASE革命
中西孝樹 著|日経BP 日本経済新聞出版本部
¥990(税込)
Connected、Autonomous、Shared & Service、Electricをつなげた「CASE」を軸に、有力アナリストが浮ついた夢物語を退けてリアルな未来を示す。自動運転は厳しい現実に突き当たり、世界最大のEV大国である中国は補助金なしのEV普及をあきらめてハイブリッドの優遇に舵を切った——という現実路線が持ち味。2030年を見据えたモビリティ産業の見取り図として読める。
こんな人におすすめ
自動運転をビジネス文脈で俯瞰したい人、自動車産業の投資や戦略に関わる読者、夢物語を一度剥がしたい場面に向く。経営会議の材料としても使いやすい。
良い点
- アナリストによる現実的な見通し
- 4領域を統合して論じる
- 改訂で最新動向を反映
気になる点
- 技術解説は中心でない
- 業界知識があると読みやすい
- 予測は外れる前提で読む
出版社
日経BP 日本経済新聞出版本部
発売日
2020年10月05日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
CASEって聞いたことはあるんですが、4つの頭文字ですよね。それだけの本なんですか?
佐藤メバル
頭文字の解説で終わらないのがこの本だよ。有力アナリストが、浮ついた夢物語を退けてリアルな未来を示す。
自動運転は厳しい現実に突き当たり、世界最大のEV大国である中国は補助金なしのEV普及をあきらめてハイブリッドの優遇に舵を切った——といった現実路線が持ち味。
2030年を見据えた産業構造の見取り図として読める。
橘ナナミ
なるほど。夢を語る本ではなくて、冷や水を浴びせる本なんですね。
佐藤メバル
そう受け取られがちだけど、冷や水というより地図の修正なんだ。モビリティ構造の変化、コネクティッド、自動運転、シェアリング&サービス、電動化、そしてものづくり革新まで章が並ぶ。
改訂で最新動向もフォローされている。技術の仕組みを知りたい人より、投資や戦略を考える人に効く一冊だよ。
スマートモビリティ革命
中島秀之 著|公立はこだて未来大学出版会
¥2,750(税込)
MaaSに代表される「移動のサービス化」と、日本で進められてきたITSの取組みを概説し、交通・移動サービスに最先端のAIを導入した日本発の未来型AI公共交通サービスSAVSの技術と社会実装を紹介する。実証実験の舞台裏として、マルチデマンド配車計算の実装まで踏み込むテクニカルノートが付くのが他にない強み。需要分析や設計手法、全国展開の課題まで扱う。
こんな人におすすめ
MaaSやデマンド交通の実装に関わる自治体・事業者、AIによる配車の仕組みを知りたい学生、地域公共交通の未来を具体的に考えたい人に。実証の苦労まで知りたいときにも。
良い点
- 日本発SAVSを具体的に紹介
- 配車計算の実装まで踏み込む
- 政策と技術を橋渡し
気になる点
- 特定プロジェクトの色が強い
- 全国への一般化は限定的
- 専門用語がやや多い
出版社
公立はこだて未来大学出版会
発売日
2019年03月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
MaaSって言葉、最近よく見ますけど、結局なんなんですか?
佐藤メバル
移動のサービス化、とまず押さえておけばいい。この本は世界の公共交通政策や情報技術の進化を概説したうえで、日本発の未来型AI公共交通サービスSAVSの技術と社会実装を紹介する。
実証実験の舞台裏として、マルチデマンド配車計算の実装まで踏み込むテクニカルノートが付いているのが他にない強みだね。
橘ナナミ
なるほど。概念の話だけでなくて、実際に動かす苦労まで書いてあるんですね。
佐藤メバル
そう。デマンド交通の配車をどう解くか、マルチエージェント社会シミュレーションでどう需要を見るか、といった実務の話が続く。
特定プロジェクトの色が強いから、全国にそのまま当てはまるわけではない。でも地域公共交通のこれからを具体的に考えたい人には、とても実のある一冊だよ。
モビリティシフト
木南浩司 著|東洋経済新報社
¥1,980(税込)
自動車産業がEV、コネクティッド、自動運転の波にさらされる中、価値創造型マネジメントという切り口で勝ち筋を考える。安心・安全、EV、コネクティッド、自動運転、モビリティサービスの5つについて付加価値がどう変わるかを整理し、ADASやEV、自動運転を実現するために必要なマネジメントまで踏み込む。技術ではなく経営の言葉で自動運転を扱う本は貴重だ。
こんな人におすすめ
自動運転を自社の事業計画に落としたい企画・管理職、異分野から参入を検討するビジネスパーソン、マネジメント視点が欲しい読者に。技術と経営の橋渡しとして。
良い点
- 経営・マネジメント視点が中心
- 領域ごとに論点を整理
- 他産業にも応用可能
気になる点
- 技術の詳細は扱わない
- 発行から時間が経っている
- 抽象度が高めの記述
出版社
東洋経済新報社
発売日
2018年06月15日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マネジメントの本なんですね。技術の話じゃないなら、私には関係ないかも…。
佐藤メバル
いや、そこが面白いところ。自動車産業がEV、コネクティッド、自動運転の波にさらされる中で、価値創造型マネジメントという切り口で勝ち筋を考える。
安心・安全、EV、コネクティッド、自動運転、モビリティサービスの5つについて、付加価値がどう変わるかを整理し、これからの勝ち筋を導いていく。
技術ではなく経営の言葉で自動運転を扱う本は貴重だよ。
橘ナナミ
なるほど。ADASやEVを実現するのに、どんなマネジメントが要るかまで書いてあるんですね。
佐藤メバル
そう。抽象度は高いから、自社の状況に引き寄せて読む必要がある。発行から時間が経っているので前提が変わった部分もあるけれど、論点の立て方は他の産業にも応用が効く。
事業計画を書く立場になったら、戻ってくる価値がある一冊だよ。
自動運転で伸びる業界 消える業界
鶴原吉郎 著|マイナビ出版
¥1,980(税込)
自動運転のビジネスとマーケットの全体像を短時間でつかむための一冊。普及によって大改革を迫られる自動車産業と関連産業の動き、新しく勃興するビジネス、市場規模、世界をリードする新技術を解説し、とくに既存産業への影響と産業構造の変化を詳しく扱う。業界の地図が動くさまを、新規参入を考える人の目線で追える構成になっている。
こんな人におすすめ
自動運転で自分の業界がどうなるか知りたいビジネスパーソン、新規事業の入口に立つ人、業界横断の影響をまとめて把握したい場面に。短時間で全体像をつかみたいときに向く。
良い点
- 業界への影響を横断的に整理
- 市場規模や競争の動きに触れる
- 読みやすさを重視
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 技術の深掘りは少ない
- 予測の当たり外れは読者次第
出版社
マイナビ出版
発売日
2017年09月26日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『消える業界』って、ちょっと物騒ですね。自分の業界が入ってたらどうしよう…。
佐藤メバル
はは、そこは怖がりながら読むのが正解だよ。自動運転のビジネスとマーケットの全体像を短時間でつかめるように作られていて、普及で大改革を迫られる自動車産業と関連産業の動き、新しく勃興するビジネス、市場規模、世界をリードする新技術を解説する。
業界の地図が動くさまを、参入を考える人の目線で追える。
橘ナナミ
なるほど。既存産業への影響から入るのが、他の入門書と違うところなんですね。
佐藤メバル
そう。発行から時間が経っているから、その後の変化は自分で足す必要がある。でも「どの産業が伸びて、どこが構造的に厳しくなるか」という見方の枠組みは、今読んでも考えさせられる。
新規事業の入口に立っている人ほど、最初に読む価値があるよ。
「自動運転」ビジネス勝利の法則
井熊均 著|日刊工業新聞社
¥1,980(税込)
自動車メーカー対電機・IT企業の一騎打ちか、下剋上を狙う部品サプライヤーか、群雄割拠のベンチャー企業か——プレイヤーを並べたうえで、コミュニティモビリティが主戦場になると説く。技術の完成度、規制緩和の行方、社会の許容度から実現性を問い、ローカル化する市場を分けてビジネスモデルを考える。最後は4つの戦略に絞って提示するので、議論の土台にしやすい。
こんな人におすすめ
自動運転の事業戦略を自社に引き寄せて考えたい経営者・企画担当者、地域交通の事業化を検討する読者、主戦場はどこかを議論したい場面に。
良い点
- プレイヤー別の構図が明快
- ローカル市場に着目
- 戦略を4つに整理
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 技術解説は最小限
- 前提が変わった部分もある
出版社
日刊工業新聞社
発売日
2017年06月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自動車メーカー対IT企業、みたいな構図はよく聞きますけど、この本は違うんですか?
佐藤メバル
そこに一石を投じる本だよ。自動車メーカー対電機・IT企業の一騎打ちか、下剋上を狙う部品サプライヤーか、群雄割拠のベンチャーか——とプレイヤーを並べたうえで、コミュニティモビリティが主戦場になると説く。
技術の完成度、規制緩和の行方、社会の許容度から実現性を問い、ローカル市場を分けてビジネスモデルを考える。
橘ナナミ
なるほど。全国一斉ではなく、地域ごとに市場が分かれるという見方なんですね。
佐藤メバル
そう。だから戦略も、レベル1・2の市場を拡大する、コミュニティモビリティを広げる、自動運転タウンを創る、海外事例に食い込む、と4つに絞って提示される。
発行から時間が経って前提は変わっているけれど、地域から攻めるという発想は今も生きているよ。
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド 周辺ビジネスから事業参入まで
下山哲平(株式会社ストロボ代表取締役社長 著|翔泳社
¥2,420(税込)
自動運転に関わるビジネスを考えている人に向けて、基礎知識と事例、参入方法を解説する。小売、物流、不動産、農業、BtoGという5つの業界と、広告、金融・決済、エンタメ・コンテンツ、情報セキュリティ、カーシェアという5つのサービスに目を向け、裾野の裾野にビジネスチャンスがあると説く。活用する側と活用される側を分けて具体策を示すのが特徴だ。
こんな人におすすめ
自動運転ビジネスを考えている経営者・起業予定者、新規参入を検討する企業のプロジェクト担当者に。自社の業界の章から読める手軽さが欲しい場面や、社内提案の下地づくりに。
良い点
- 10の業界・サービスの参入策
- 活用する側とされる側で整理
- 事例と事業者カタログが充実
気になる点
- 発行から時間が経っている
- 業界ごとの深さは限定的
- 制度面は概要レベル
出版社
翔泳社
発売日
2020年11月05日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
参入ガイドって、ベンチャー向けですよね。うちみたいな会社には関係ないかな…。
佐藤メバル
そうでもないんだ。小売、物流、不動産、農業、BtoGという5つの業界と、広告、金融・決済、エンタメ・コンテンツ、情報セキュリティ、カーシェアという5つのサービスに分けて、参入の仕方を具体的に書いている。
裾野の裾野にビジネスチャンスがあるというのが著者の主張で、活用する側と活用される側の視点を分けて考えるのが特徴だよ。
橘ナナミ
なるほど。自動運転を作るんじゃなくて、使う側の発想なんですね。
佐藤メバル
そう。海外事例や事業者カタログも入っていて、自社の業界の章から拾い読みできる。発行から時間が経っているから制度や市場の数字は更新が必要だけど、どこから手を付けるかの順番を教えてくれる。
起業予定者より、社内で新規事業を任された人のほうが刺さるかもしれないね。
今こそ、自動運転物流による列島改造!
筒井公平 著|幻冬舎
¥1,760(税込)
ドライバー不足により、2030年には36%の貨物が届かなくなる——その解決策は自動運転による幹線輸送の抜本改革しかない、という提言の書。高速道路を24時間走り続ける自動運転トラック、地方と都市を直結する「物流新幹線」構想、省庁の壁を越えた国家戦略までを描く。物流インフラ開発の第一人者が、ビジネス化の課題、数々のハードル、具体的な解決策、脱炭素物流まで章立てで示す。
こんな人におすすめ
物流の人手不足に危機感を持つ事業者、政策やインフラに関心がある読者、自動運転を社会課題の解決策として読みたい人に。提言としての迫力を求める場面に向く。
良い点
- 物流に絞った具体的な提言
- ハードルと解決策を対で提示
- 最新の問題意識に接続
気になる点
- 著者の主張の色が強い
- 技術の詳細は限定的
- 政策実現の不確実性は残る
出版社
幻冬舎
発売日
2025年12月02日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
2030年に貨物の36%が届かなくなるって、けっこう衝撃的な数字ですね。
佐藤メバル
そこから始まる提言の書だよ。解決策は自動運転による幹線輸送の抜本改革しかない、という立場で、高速道路を24時間走り続ける自動運転トラック、地方と首都圏を直結する「物流新幹線」構想、省庁の壁を越えた国家戦略までを描く。
物流インフラ開発の第一人者が、ハードルと解決策を章立てで示していく。
橘ナナミ
なるほど。技術の話というより、政策提言に近いんですね。
佐藤メバル
そう。ビジネス化が抱える課題、数々のハードル、具体的な解決策、高速道路直結型物流施設、脱炭素物流まで、順番に詰めていく。
著者の主張の色が強いから、賛否は自分で判断してほしい。スーパーから野菜が消えるという危機感を出発点に、自動運転を社会課題の解決策として読みたい人に向くよ。
自動運転の都市経営論ー超高齢社会とバスドライバー不足時代の公共政策ー
小菅謙次 著|大阪公立大学出版会
¥2,970(税込)
超高齢社会とバスドライバー不足時代における移動サービス確保の切り札として、自動運転サービスに着眼する。実現化が進む全国の成功事例を調査分析し、都市構造・立地、遠隔監視、上下分離方式、多様なステークホルダーの参画・連携、市民福祉向上のための都市全体の取組とインフラ整備という5つのモデルを確立。都市経営の視点から役割分担を明らかにする。
こんな人におすすめ
自治体の交通政策担当者、地域公共交通の導入を検討する事業者、都市計画や福祉に関わる研究者に。事例から学びモデル化したい場面や、予算要求の根拠づくりにも。
良い点
- 全国事例を5モデルに整理
- 自治体実務に直結
- 福祉とインフラまで視野
気になる点
- 学術書で読み応えが重い
- 価格はやや高め
- 一般読者には専門的
出版社
大阪公立大学出版会
発売日
2026年03月31日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
都市経営論って、自治体の人が読むものですよね。私には縁がないというか…。
佐藤メバル
直接の読者は自治体の交通政策担当者だね。バスドライバー不足で路線の維持が難しくなる中、高齢者など交通弱者の移動をどう確保するか。
自動運転サービスに着目して、全国の成功事例を調査分析し、都市構造・立地、遠隔監視、上下分離方式、多様なステークホルダーの参画・連携、市民福祉向上のための都市全体の取組とインフラ整備という5つのモデルに整理している。
橘ナナミ
なるほど。事例からモデルを作るというのが、実務的でいいですね。
佐藤メバル
そう。誘導方式、非誘導方式、デジタルツイン、遠隔操作型小型車と、事例の分類も細かい。大学出版会の学術書だから読み応えはあるけれど、地域交通の未来を自分の街に引き寄せて考えたい人には、たしかな材料になるよ。
公共交通の自動運転が変える都市生活
西山敏樹 著|近代科学社
¥1,870(税込)
少子高齢化が続き運転士の確保が難しくなる中、人件費を抑えつつサービスの水準を保つ鍵として自動運転を位置づける。東急が進めてきた遠隔型自動運転システムをベースに、技術と実証実験の成果、今後の課題を共有し、呼び出し方式のオンデマンドバスや住宅街に入る超小型バスなどの事例を通して都市生活の未来を描く。大都市・郊外・地方・観光と場面別に活用を論じる。
こんな人におすすめ
バスやタクシーなど公共交通の自動運転化を検討する事業者、都市生活の変化を想像したい読者、遠隔監視・操縦型の現実を知りたい人に。導入計画の参考資料として。
良い点
- 事業者視点の実証成果が豊富
- 場面別の活用を整理
- 付録のデータが実務的
気になる点
- 東急グループの事例が中心
- 技術の詳細は概要
- 地域差の一般化は難しい
出版社
近代科学社
発売日
2023年09月29日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
遠隔監視・操縦型って、運転手がいないのに誰かが遠くから見てるんですか?
佐藤メバル
そう、完全に無人というより、遠くから監視して必要なら操作する形だね。東急が進めてきた遠隔型自動運転システムをベースに、技術と実証実験の成果、今後の課題を共有している。
人件費を抑えつつサービスの水準を保つというのが出発点で、呼び出し方式のオンデマンドバスや住宅街に入る超小型バスの事例が具体的だよ。
橘ナナミ
なるほど。大都市と地方で使い方が変わりそうですね。
佐藤メバル
そこも章立てで整理されている。大都市部、郊外都市、地方都市、観光環境と場面別に、自動運転式の電動乗合車両をどう活かすかを論じる。
付録には国の取組みやバス事業者のEV導入状況、免許返納の状況まで入っていて実務的だ。事業者視点の成果が読みたい人にちょうどいいよ。
技術/ビジネス/法務・政策/教養の4象限で立ち位置を可視化する
橘ナナミ
25冊もあると、頭のなかで整理しきれません。地図がほしいです。
佐藤メバル
おすすめは4象限だね。縦軸に「技術の深さ」、横軸に「社会との距離」を取ると、本の居場所が見えてくる。左上の技術寄りが『自動運転のためのセンサシステム入門』『これで使える3D LiDAR技術』『カルマンフィルタの基礎と実装』、右上の社会寄り技術が『自動運転の技術開発』や『自動車の運動制御と自動運転』。
橘ナナミ
ビジネス側はどこに置きますか。
佐藤メバル
左下が『CASE革命』『モビリティシフト』『自動運転&MaaSビジネス参入ガイド』、右下の法務・政策・教養が『自動運転レベル4』『ドライバーレスの衝撃』『自動運転の幻想』『自動運転の都市経営論』だね。
橘ナナミ
業種から逆引きするなら?
佐藤メバル
自治体の交通政策担当なら『自動運転の都市経営論』、物流なら『今こそ、自動運転物流による列島改造!』、エンジニアなら『カルマンフィルタの基礎と実装』、投資家や経営企画なら『CASE革命』。同じ棚でも、入口はまったく違うんだよ。
SDV・CASE・MaaSと、2026年の最新動向・情報の鮮度
橘ナナミ
CASEはともかく、SDVやMaaSって本のなかではどう扱われているんですか。
佐藤メバル
MaaSは『スマートモビリティ革命』が厚い。日本発のAI公共交通サービスSAVSの技術と社会実装、自治体ごとの実証実験まで追っている。CASEの枠組みは『CASE革命』、その枠を「つなぐ」マネジメントとして捉え直すのが『モビリティシフト』だね。SDVを正面から論じる本は、この25冊のなかでは見当たらない。
橘ナナミ
E2E自動運転や生成AIの話題は?
佐藤メバル
ここも正直に言おう。この25冊には、E2E自動運転や生成AIを中心テーマに据えた本は入っていない。だから最新動向は、本だけでなく公開資料や一次情報で補うのが現実的だ。その代わり、基礎を固めておけば新しい話題が入ってきても読み解ける。LiDARなら『これで使える3D LiDAR技術』、センサ融合なら『自動運転のためのセンサシステム入門』が土台になる。
橘ナナミ
鮮度の見極め方も知りたいです。
佐藤メバル
版と発行年を見る。『トコトンやさしい自動運転の本』は改版で新しい問題や項目が追加されているし、『カルマンフィルタの基礎と実装』も改訂版で章が補われている。改訂の有無は、著者が読者の声に向き合っている証拠だよ。
重複マップと、原著・翻訳書の読み分け
橘ナナミ
同じテーマの本が複数あると、どれを選べばいいか迷います。
佐藤メバル
重ね読みが効くのは、論点の重なりと空白が見えるからだ。センサ系なら『自動運転のためのセンサシステム入門』が入門、『これで使える3D LiDAR技術』がLiDARの内部と点群処理、『自動運転・運転支援の実現に向けたセンサ開発』がカメラ・ミリ波レーダ・LiDARの開発動向と市場まで。3冊重ねると空白がよく見える。
橘ナナミ
倫理と責任は重なりますか。
佐藤メバル
『自動運転レベル4』は倫理・法・市民意識をまとめて扱い、『自動運転の幻想』は限界と幻想を批判的に指摘する。立場の違う2冊を並べると、片方だけでは見えない論点が浮かぶよ。『ドライバーレスの衝撃』も、格差や個人情報という別の角度から警鐘を鳴らしている。
橘ナナミ
原著と翻訳書はどう選びますか。
佐藤メバル
『AUTONOMY』や『ドライバーレスの衝撃』は翻訳書で、海外の開発史や議論の温度がそのまま伝わる。日本語で書かれた『自動運転 Level4』や『自動運転の幻想』は、日本の法制度や実証実験を前提にしている。海外の議論を知ってから日本の制度を読むと、理解が立体的になる。
橘ナナミ
ネットの情報と本、どう向き合えばいいですか。
佐藤メバル
数字を見たら出典をたどる。実証実験の成果は自治体や事業者の公表資料、制度は法令や指針が一次情報だ。批判的な立場の本も含めて複数当たれば、断定を避けて考えられるようになる。それこそが自動運転を語るうえでの基礎体力だと思うよ。
よくある質問
自動運転の本は何から読めばいいですか?
橘ナナミ
自動運転の本は何から読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず全体像をつかむなら『トコトンやさしい自動運転の本 第2版』、素朴な疑問から入りたいなら『完全理解 自動運転』が読みやすいです。どちらも入門の位置づけで、そのあと『自動運転技術入門』で要素技術の全体に進むと、無理なく積み上げられます。1冊目で地図、2冊目で地形という順番がおすすめです。
初心者・文系におすすめの1冊はどれですか?
橘ナナミ
初心者・文系におすすめの1冊はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
Q&A形式の『完全理解 自動運転』が向いています。レベル3のできること、ADASとの違い、事故解析、法律が求める自動運転など、日常の素朴な疑問に答え、第二部では運送業・弁護士・大学教授など多彩な専門家の見通しが並びます。ビジネス視点なら『EVと自動運転』や『CASE革命』も薄くて読みやすいです。
エンジニアが技術を深く学べる本はどれですか?
橘ナナミ
エンジニアが技術を深く学べる本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
『自動運転技術入門』が全体の見取り図に、『自動運転のためのセンサシステム入門』がカメラとLiDARのセンサフュージョンに、『これで使える3D LiDAR技術』がLiDARの内部構造と点群処理に向いています。状態推定の数理まで踏み込むなら『カルマンフィルタの基礎と実装』、車両運動なら『自動車の運動制御と自動運転』が候補になります。
2026年時点で最新の内容が読める本はどれですか?
橘ナナミ
2026年時点で最新の内容が読める本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
『自動運転の都市経営論』や『自動車の運動制御と自動運転』は2026年の刊行、『これで使える3D LiDAR技術』や『今こそ、自動運転物流による列島改造!』は2025年の刊行です。ただしE2E自動運転や生成AIを中心テーマにした本はこの25冊にはないため、その話題は公開資料などの一次情報で補うのが現実的です。
Kindle UnlimitedやAudibleで読める自動運転本はありますか?
橘ナナミ
Kindle UnlimitedやAudibleで読める自動運転本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
この記事で扱っている情報だけでは、各書の配信状況や読み放題の対象かどうかを断定できません。図版や点群の図、数式が中心の専門書は紙が読みやすい一方、通読型のビジネス書は電子も便利です。購入前にストアで配信形式を自分で確認するのが確実です。
事故責任や法律・倫理を学べる本はどれですか?
橘ナナミ
事故責任や法律・倫理を学べる本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
『自動運転レベル4』が倫理・法・市民意識を一冊で扱います。トロッコ問題、運転者不在の事故の刑事責任、特定自動運行主任者の義務、データの記録、民事責任と保険まで論じます。あわせて『自動運転の幻想』を読むと、技術の限界という逆側の視点も得られます。
ビジネス参入や市場動向を知るのに向いた本はどれですか?
橘ナナミ
ビジネス参入や市場動向を知るのに向いた本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
市場と産業構造は『CASE革命』、参入の実務は『自動運転&MaaSビジネス参入ガイド』が向いています。後者は小売・物流・不動産・農業・BtoGや広告・金融・エンタメなど業界別に参入アイデアを整理しています。物流に絞るなら『今こそ、自動運転物流による列島改造!』、地域交通なら『スマートモビリティ革命』が参考になります。
原著と翻訳書はどちらを選ぶべきですか?
橘ナナミ
原著と翻訳書はどちらを選ぶべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
海外の開発史や議論の温度を味わうなら翻訳書の『AUTONOMY』や『ドライバーレスの衝撃』が有益です。日本の法制度や実証実験を前提に考えるなら、国内で書かれた『自動運転レベル4』『公共交通の自動運転が変える都市生活』が実務的です。海外の議論→日本の制度の順で読むと理解が立体的になります。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さん、最初は「25冊もどう選ぶんだろう」と思っていたのに、いまは逆に、自分がどの門から入ればいいか見えてきました。
佐藤メバル
それは良かった。今日の物差しは、目的・レベル・鮮度・形式・価格帯・接続性の6つ。これに当てはめれば、だいたい2冊に絞れるはずだよ。
橘ナナミ
私はまず『完全理解 自動運転』で素朴な疑問をほどいて、そのあと『自動運転技術入門』で技術の全体像を見ようと思います。
佐藤メバル
いい順番だね。1冊目で地図を描いて、2冊目で地形を細かく見る。3冊目は興味の方向で選べばいい。法務に進むなら『自動運転レベル4』、都市に進むなら『公共交通の自動運転変える都市生活』だ。
橘ナナミ
読んだあとに何をするかまで、選書のうちなんですね。
佐藤メバル
そう。自動運転車がLiDARやカメラで現在地を確かめながら走るように、本を読む私たちも、いまの自分の立ち位置と行き先を照合しながらページをめくる。地図とセンサが揃えば、見通しの悪い交差点でも速度を落として進める。本選びも、焦らず自分の速度で走ればいいんだよ。



