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任せ方がわかりません

【要約・書評】『任せ方がわかりません』の評判・おすすめポイント

けーりん(唐仁原 けいこ)|||0ページ

★★★★★5.0
(4件)

この本を一言で言うと

「お願い=甘え」という思い込みを4ステップで手放す——人に動いてもらいながら自分も組織も育てる、頼ることを武器に変える実践書。

この本の概要

仕事でも家庭でも「自分がやらなきゃ」とひとりで背負い続けてしまう人は多い。なぜそうなるかといえば、「お願いすること=甘え・迷惑をかけること」という思い込みが根っこにあるからだ。本書はその思い込みにメスを入れ、頼ること・任せることを「相手へのギフト」として再定義するところから始まる。 著者のけーりんは、コロナ禍に書いたブログが話題を呼び、フリーランスから法人化してわずか2年で年商5億円を達成した起業家だ。その急成長を支えたのが「任せる力」だった。本書では、その実体験と数百人規模のコミュニティ運営から引き出した「頼み方の技術」を、ストーリー・図解・ワークの三位一体で伝える。 中心となるのは「相談→依頼→頼る→任せる」という4段階の移譲ステップだ。いきなり丸投げするのではなく、まず小さな相談から始めて相手の最初の一歩を引き出し、徐々に判断の権限を委ねていく。相手のやる気と責任感が自然に育つこの流れは、職場の部下・上司・同僚だけでなく、家族やコミュニティにも応用できる。 イラストとマーカーを使った見やすいレイアウト、各章末のワークシートで読んだその日から実践できる設計になっている。「人に頼ると結果が落ちる」「自分でやった方が早い」という不安を持つ人ほど、本書が提示する「任せることで成果が上がる」というパラダイムシフトに驚くはずだ。

「お願いして申し訳ない」をやめたら、チームが動き出した

正直に言うと、この本を読む前の私は「任せる=サボり」だと思っていた。部下がいるのに自分でやってしまう。「説明する時間があったら終わっちゃう」「クオリティが心配」「頼んで断られたら気まずい」……言い訳はいくらでも出てくる。育休から復帰して半年、相変わらず私一人がパンパンで、チームは「何をすればいいかわからない」という顔をしていた。 そんなとき同僚に勧められて手にとったのが本書だ。表紙のポップなイラストを見て「ふんわりした自己啓発本かな」と少し侮っていたのだけど、読み始めたら止まらなかった。「お願いは呪いではなく、ギフト」というフレーズが序盤に出てきた瞬間、頭をぴしゃりと叩かれた気がした。 そうか、私は頼まれたら嬉しいのに、自分が頼む側になると急に「迷惑をかけている」と思ってしまうんだ。この非対称さ、ずっと気づいていなかった。考えてみれば当たり前で、部下だって「相談してもらえた」「頼りにされた」と感じれば、やる気が上がるはずなのに。私だけが一方的に「重荷を押し付けている」と思い込んでいた。その思い込みがほぐれた瞬間、読書のペースが明らかに上がった。 本書が示す4ステップ——相談・依頼・頼る・任せる——は段階が明確で混乱しない。いきなり「これお願い」ではなく、「どう思う?」から入るだけで、相手の受け取り方がまるで変わる。私がいちばん刺さったのは「相談」のステップだった。実際にチームの若手メンバーに試してみたら、翌週から自分から提案を持ってきてくれた。あの驚きは忘れられない。「え、何かスイッチ入った?」と思うくらい、態度が変わった。 各章末にあるワークも地味に効いた。「あなたが今一人で抱えているタスクを書き出してみよう」という問いに正直に向き合ったら、付箋が20枚を超えた。それを眺めながら「これ全部、本当に私じゃないとダメ?」と自問すると、半分以上は「別に誰でもいい」か「むしろ相手の方が得意」だった。ちょっと笑えて、ちょっと悲しかった。あんなに必死に抱えていたのに。 章を追うにつれて、本書が「効率化の本」ではないことがわかってくる。効率とか生産性とか、そういう切り口ではなく、「人の力を借りながら生きる」という姿勢そのものを書き換えてくれる本だ。任せることは相手の成長の機会を奪うことじゃなくて、むしろ渡すことだ——そう読み終えたとき、肩の力がすっと抜けた。 第4章の「協力者と一緒に目標を達成する」あたりから、話が仕事を超えて家庭や地域コミュニティにまで広がっていく。「家事分担にも使えるのか」とは思っていたけど、具体的な伝え方まで書いてあって驚いた。夫に家事をお願いするとき、いつも「なんでわかってくれないの」という気持ちになっていたのは、私のお願いの仕方に問題があったのかもしれない。帰宅してさっそく試したら、反応が普段と少し違った。たったそれだけで「あ、変わるんだ」と思えた。 まだ全部できているわけではないけど、少なくとも「自分でやった方が早い」という呪文を唱える回数は明らかに減った。チームで仕事をすることが、やっと楽しくなってきた気がしている。

30代後半・女性・チームリーダー(IT系)。完璧主義で仕事を抱え込みがち。育休復帰後、部下への仕事の振り方に悩んでいる。

この本で学べること

「お願い=甘え」という思い込みを解体する

頼まれると嬉しい自分がいるのに、頼む側になると罪悪感を感じる——この非対称な思い込みを丁寧に解きほぐすところから本書は始まる。「お願いはギフト」という視点の転換が、すべての実践の土台になる。

相談→依頼→頼る→任せる、4段階の移譲ステップ

いきなり丸投げせず、小さな「どう思う?」から始めるのがポイント。相手が自分で考え、動く習慣が自然と育ち、やがて権限ごと委ねられる関係性が生まれる。

相手別のお願い表現フレーズ集

チームメンバー・上司・取引先など、関係性に応じた具体的な言葉がけが掲載されている。「なんと言えばいいかわからない」という実践の壁を、そのままセリフで突破できる。

「抱え込みループ」からの脱出メカニズム

「頼み方がわからない」「任せると不安」「自分でやった方が早い」という3つの思考が重なると、時間も成果も頭打ちになる。ループの構造を図解で可視化し、どこから崩せばいいかを明確に示す。

仕事・家庭・コミュニティ、あらゆる場で使える

職場の部下管理だけでなく、家事分担・育児・地域活動など生活全般の「任せる」場面に応用できる設計。イラストとワークで自分ごと化しやすく、読後すぐ実践に移せる。

本の目次

  1. 1プロローグ
  2. 2第1章 「抱え込みループ」から抜け出す
  3. 3第2章 人が喜んで動く4つのステップ
  4. 4第3章 すんなり引き受けてもらうお願いの仕方
  5. 5第4章 協力者と一緒に目標を達成する
  6. 6第5章 任せることで人生を前に進める
  7. 7けーりん流・丁寧なお願いフレーズ集
  8. 8エピローグ

良い点・気になる点

良い点

  • 「お願いすること=甘え」という心理的ブロックを、論理と共感の両面から丁寧に解体してくれる
  • 4ステップが明確で、読後すぐ実践できるフレーズ集・ワークが豊富
  • イラスト多用の読みやすいレイアウトで、192ページをサクッと読み切れる
  • 仕事・家庭・コミュニティと幅広い場面に応用でき、汎用性が高い

気になる点

  • 組織論・マネジメント理論の深掘りは少なく、上級管理職には物足りない可能性がある
  • 「任せる側」の視点が中心のため、任せられる側のスキルアップには別の本が必要
  • 事例が著者のコミュニティ・起業文脈に偏っており、大企業の縦割り組織への適用には工夫が必要

みんなの評判・口コミ

t
taro

MLエンジニア

★★★★★5.0

ずっとひとりで抱え込んでいたのは、頼むことへの罪悪感が原因だったとわかった。頼まれると嬉しい自分がいるのに、頼む側になると途端に怖くなる。その矛盾を言語化してもらえてスッキリした。4ステップを実践してみたら、翌週から部下が自分から動くようになって心底驚いた。読む前と後で、チームへの接し方がはっきり変わったと感じている。

n
nao

バックエンドエンジニア

★★★★★5.0

「任せることが大事」なんて言われなくてもわかってる。問題はどう言うか、だ。本書はその「どう言うか」に真正面から答えてくれる。上司へのお願いの仕方、チームメンバーへの依頼フレーズ、取引先への頼み方……それぞれ文脈に合ったセリフが載っていて、そのまま使ったら思ったよりすんなり受け取ってもらえた。抽象論ゼロで実用一択、こういう本が欲しかった。

s
sho

メーカー営業

★★★★★5.0

てっきり職場のマネジメント本だと思って買ったら、家庭の家事分担や育児の場面にも普通に触れていてびっくりした。夫に家事をお願いするときの伝え方を少し変えたら、最初の一週間で反応がガラリと変わって、思わず笑ってしまった。イラストが多くてさらっと読めるし、各章のワークもとっつきやすい。管理職じゃなくても、共働きで分担に悩んでいるなら読んでみてほしい。

けんじ

Web担当者

★★★★4.5

任せることで相手の成長機会を奪っているんじゃないか、とずっと思っていた。それが読んでいるうちに恥ずかしくなってきた。任せることは「渡すこと」であり「信頼の表明」だという著者の言葉が、じわじわ効いてくる。ワークが豊富で手を動かしながら読み進められるのもいい。事例がもう少し多彩だとさらに良かったけど、それを差し引いても得るものが大きかった。

こんな人におすすめ

仕事を抱え込みがちなリーダー・管理職

「自分でやった方が早い」という口癖がある人。部下への任せ方の具体的な4ステップと言葉がけを学べる。

「お願いするのが苦手」な真面目で責任感の強い人

頼ることへの罪悪感・申し訳なさを手放し、頼ることを「ギフト」として捉え直したい人に。

育休復帰・職場復帰後にチームマネジメントで悩んでいる人

限られた時間でチームを動かす必要がある状況に直結する内容。フレーズ集がそのまま使えて即効性がある。

フリーランス・起業家で組織化・外注化を始めたい人

著者自身がひとりから年商5億円の会社を作った経験に基づく実例が豊富。外注・委託の第一歩に役立つ。

家事・育児の分担に悩む共働き世帯

仕事に限らず家庭での「任せ方」にも触れており、パートナーへの伝え方を変えたい人にも有効。

関連書籍との比較

タイトル著者レベル評価価格
佐久間宣行のずるい仕事術佐久間 宣行初心者★★★★★ 4.5¥2,080
マネジャーの全仕事 いつの時代も変わらない「人の上に立つ人」の常識ローレン・B・ベルカー初心者★★★★★ 4.5¥2,200

よくある質問

Q. 『任せ方がわかりません』はどんな人に向けた本ですか?
A. 主に「頼ることが苦手」「つい自分でやってしまう」という真面目で責任感の強い人に向けた本です。『任せ方がわかりません』は職場のリーダー・管理職だけでなく、家庭やコミュニティで「なんとなく自分がやらなきゃ」と感じているすべての人が対象です。
Q. 『任せ方がわかりません』で学べる具体的なスキルは何ですか?
A. 「相談→依頼→頼る→任せる」という4段階の移譲ステップ、相手別のお願いフレーズ、自分の「抱え込みタスク」を可視化するワークなどを学べます。『任せ方がわかりません』は読後すぐ実践できる設計になっています。
Q. 著者のけーりんさんはどんな人ですか?
A. 本名・唐仁原けいこ。1980年生まれ、3児の母。コロナ禍に書いたブログをきっかけに『主婦業9割削減宣言』(中央公論新社)を出版。その後、「Bポジけーりん大学」というオンラインコミュニティを主宰し、法人化後2年で年商5億円を達成しました。
Q. 「抱え込みループ」とは何ですか?
A. 「頼み方がわからない」「任せると不安」「自分でやった方が早い」という3つの思考が重なって、結果的にひとりで抱え込み続けてしまう状態のことです。『任せ方がわかりません』ではこのループの構造を図解し、どこから崩すかを示します。
Q. 『任せ方がわかりません』は管理職向けのマネジメント本ですか?
A. マネジメント理論の本ではなく、職場・家庭・コミュニティなどあらゆる場面での「人への頼り方」を扱う実用書です。『任せ方がわかりません』は管理職でなくても、チームで動く人・家事分担に悩む人など幅広い読者に役立てられます。
Q. Kindle版はありますか?
A. はい、Kindle版(電子書籍)も発売されています。価格は1,485円(税込)で、印刷版(1,650円)よりやや安く購入できます。
Q. 前著の『戦略的いい人 残念ないい人の考え方』との違いは何ですか?
A. 前著は「いい人」としての立ち回り方や人間関係の戦略を扱った本です。『任せ方がわかりません』はより実践的な「お願いの技術」に特化しており、具体的な4ステップとフレーズ集が充実しています。前著と合わせて読むと相乗効果が高いです。
Q. ワークはどんな内容ですか?
A. 「今自分が一人で抱えているタスクをすべて書き出す」「それを誰に任せられるか考える」「実際に使うお願いフレーズを考える」など、各章末に読者が自分ごとで考えるワークシートが付いています。『任せ方がわかりません』のワークは書き込みながら読み進める設計で、実践との距離が近い点が特徴です。

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