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残された時間の使い方

【要約・書評】『残された時間の使い方』の評判・おすすめポイント

佐藤優|||0ページ

★★★★4.0
(4件)

この本を一言で言うと

大病を経て「残り時間」を痛感した佐藤優が、人生前半の足し算から後半の引き算へと舵を切る方法を説く——SNSや仕事に奪われた時間を自分の手に取り戻し、本当に大切なことだけに向き合うための思考法。

この本の概要

佐藤優は元外務省主任分析官にして多作の著述家だが、本書の出発点は外交でも国際情勢でもない。自身の大病だ。「あと何年生きられるかわからない」という実感を経た著者が、人生の残り時間をどう使うかという問いに真正面から向き合っている。忙しさの中で走り続ける日常に対して、「あなたは自分の人生のための時間を、ちゃんと予定に入れていますか?」と静かに、しかし鋭く問いかけてくる一冊だ。 本書の骨格をなすのが、「足し算の時間」と「引き算の時間」というフレームワークである。45歳頃までは知識や経験、人脈を積み重ねる足し算のフェーズ。それ以降は、蓄えたものを活かしながら本当に必要なことだけに絞り込んでいく引き算のフェーズに入る。この切り替えを意識的に行えるかどうかが、人生後半の密度を決定的に左右すると著者は説く。 もうひとつの重要な軸が、「自分時間」と「他人時間」の区別だ。仕事の会議、クライアント対応、SNSのタイムライン——私たちの1日は、自分でコントロールできない「他人時間」に驚くほど浸食されている。自分時間は余ったら取るものではなく、手帳の一番最初に書き込むべき予定だというのが著者の主張だ。この発想の転換だけでも、本書を読む価値がある。 後半では、日記によって過ぎた時間に意味を与える方法、休養と教養の捉え直し、次の世代に何を残すかといった実践的なテーマが続く。スケジュール術やライフハックの類ではない。「なぜ私たちは自分の時間を手放してしまうのか」という構造そのものに光を当てた、静かだが深い問いの書である。

30代後半、そろそろ「引き算」を考え始めてもいいのかもしれない

この本を買ったきっかけは、正直たいしたものじゃない。出張帰りの新幹線で何か読みたくて、駅の本屋で佐藤優の名前が目に入っただけ。「残された時間の使い方」ってタイトルに、37歳の自分がなんとなく引っかかったのかもしれない。 で、読み始めて最初の数十ページで、ちょっとしんどくなった。自分の時間の使い方がいかに雑だったか、突きつけられた感じ。僕はソリューション営業で、朝から晩までクライアント対応と社内調整で1日が終わる。帰宅したらソファでスマホ、気づいたら寝落ち。「自分の時間」なんて概念が、そもそも頭になかった。本書の言い方を借りれば、「他人時間」に人生を丸ごと差し出していたわけだ。 一番刺さったのは、「自分時間は余ったら取るものじゃない、最初に予定として確保するものだ」というくだり。言われてみれば当たり前なんだけど、僕の手帳には商談と会議と締め切りしか書いてなかった。「考える時間」を予定に入れるという発想が、まるでなかった。これは恥ずかしいというより、怖い。何年もそうやって過ごしてきたのかと思うと。 それから、「足し算」と「引き算」の話。45歳頃を境に、積み重ねるフェーズから絞り込むフェーズに切り替えろ、と著者は言う。37歳の自分はまだ足し算の途中のはずだけど、すでに何を引くか考え始めてもいい時期なんじゃないかと思った。資格の勉強も副業リサーチもビジネス書の乱読も、全部やろうとして全部中途半端。そのことにうっすら気づいていたから、余計に響いたんだと思う。 読んだ翌日から、毎朝30分だけ「自分のために考える時間」を手帳にブロックするようにした。通勤前のカフェで、スマホを鞄にしまって、ノートを開く。たった30分。でも1日の輪郭がはっきりする感覚がある。何に時間を使い、何を断るか、頭の中が少しだけ整理される。 派手な本じゃない。「これで年収が上がる」みたいなことは一切書いてない。でも、新幹線で読み始めて、名古屋に着く頃には自分の生活を見直したくなっていた。そういう静かな力がある本だと思う。30代後半で、日々なんとなく忙しいだけの毎日に違和感がある人には、ちょうどいいタイミングかもしれない。

のり / ソリューション営業 / 30代

この本で学べること

人生を「足し算」と「引き算」で捉える

45歳頃までは知識・経験・人脈を積み上げていく「足し算の時間」。それ以降は蓄えたものを武器に、本当に必要なことだけを残す「引き算の時間」へ移行する。この切り替えを意識しないまま走り続けると、人生後半を惰性で消費してしまうリスクがある。

「自分時間」を最初に確保する

会議やクライアント対応といった「他人時間」は、放っておけば1日をすべて埋め尽くす。学びや内省のための「自分時間」は、余った隙間に押し込むものではなく、手帳の一番最初に書き込むべき予定だ。この順番を逆にしている限り、自分時間は永遠に生まれない。

現代の「時間泥棒」を見抜く

SNS、スマホゲーム、ネットサーフィン——自分の意思で触っているつもりが、実は依存を誘発するよう巧妙に設計された時間搾取の仕組みに乗せられている。ネット関連の情報行動に費やす時間は1日平均194.2分で、この10年で倍以上に膨らんだ。まず自覚することが第一歩になる。

「休養」と「教養」の再定義

休みは体を休めるだけの時間ではない。1週間を振り返り、自分の仕事と生き方に納得するための時間として再定義すべきだと著者は説く。教養もまた、物知りになるための道具ではなく、自分の時間を主体的に生きるための土台として位置づけられている。

日記で時間を「意味づけ」する

日記をつけるとは、過ぎ去った時間に自分なりの意味を刻む行為だ。ただ流れていく日々に「この時間をどう使ったか」と問いかける習慣を持つことで、1日ごとの重みが変わってくる。振り返りのない時間は、いくら過ごしても蓄積にならない。

本の目次

  1. 1第1章 人生は時間泥棒との闘いである
  2. 2第2章 残り時間を意識した人生再設計
  3. 3第3章 「休養」と「教養」で自分時間を取り戻す
  4. 4第4章 1日、1日が充実する時間の使い方
  5. 5第5章 幸せになるための残りの時間の使い方

良い点・気になる点

良い点

  • 大病を経た著者だからこそ語れる、「残り時間」への切実なリアリティがある
  • 効率化テクニックではなく、時間を奪われる構造そのものを問い直す視点が新鮮
  • 「足し算」と「引き算」というシンプルなフレームで人生設計を見つめ直せる
  • 208ページと手に取りやすい分量で、忙しい人でも週末に一気読みできる

気になる点

  • 佐藤優の他の著書と比べると、国際情勢や外交の切れ味を期待する読者にはやや物足りない
  • 具体的なタイムマネジメント手法やフレームワークは少なく、思索的な内容が中心
  • メインターゲットが40代以降のため、20〜30代の読者には実感が湧きにくい部分がある

みんなの評判・口コミ

★★★★4.0

営業職で毎日バタバタしている自分にとって、「自分時間は余り物じゃなく、最初に確保するもの」という考え方がかなり刺さりました。手帳を見返したら商談と会議と締め切りしか書いてなくて、ちょっとゾッとした。読み終えてすぐ、朝の30分を「考える時間」としてブロックし始めたんですが、たったこれだけで1日の過ごし方が変わった実感があります。即効性のあるノウハウ本ではないけど、じわじわ効いてくるタイプ。

★★★★4.5

ネットに費やす時間が1日194分、10年で倍以上という数字を見て、思わず自分のスクリーンタイムを確認してしまいました。数字で突きつけられると逃げ場がない。「足し算」と「引き算」のフレームもすっと入ってきて、30代の今から意識しておく価値は十分あると感じました。テクニック系の本ではないので、すぐ使えるTipsを求めている人には合わないかもしれません。でも私は、こういう「問い」を投げかけてくれる本のほうが長く残ります。

★★★★4.5

40代以降がメインターゲットなので、「引き算」の感覚は正直まだピンときません。ただ、「他人時間に支配されている」という話はめちゃくちゃ自分のこと。毎晩なんとなくSNSを眺めて時間が溶けていく感覚はずっとあったので、それを「時間泥棒」と名づけてもらえたのは大きかった。今は足し算のフェーズなんだと自覚して、意識的に積み上げようという気持ちになれたのが一番の収穫です。

★★★☆☆3.0

佐藤優さんの本は初めてでした。「残り時間」をテーマにした内容自体は面白かったんですが、20代の自分にはどうしても切迫感が足りなくて、読みながら少し距離を感じてしまいました。「足し算」と「引き算」の話も、40代で読んだらもっとリアルに響くんだろうなと。ただ、休養を「1週間に納得するための時間」と捉え直す部分は今の自分にもすごく参考になりました。何年か経ってからもう一度開きたい本です。

著者について

こんな人におすすめ

40代以降のビジネスパーソン

人生後半に差しかかり、これまでの延長線上ではない生き方を模索し始めた人。「足し算」から「引き算」への転換が具体的に響く。

毎日忙しくて自分の時間がない人

仕事や家庭に追われて「自分のための時間」を後回しにしがちな人。時間の使い方を根本から見直すきっかけになる。

スマホ・SNSに時間を取られている自覚がある人

なんとなくスマホを触って1日が終わる生活に違和感を感じている人。「時間泥棒」の構造を理解することで、意識的に距離を取れるようになる。

キャリアの転換期にいる人

定年や役職定年を見据えて、働き方や人生の優先順位を再設計したい人。効率化ではなく「何をやめるか」を考えるヒントが得られる。

関連書籍との比較

よくある質問

Q. 『残された時間の使い方』はどんなテーマの本ですか?
A. 『残された時間の使い方』は、人生の「残り時間」をどう意識し、どう主体的に使うかを考える本です。大病を経験した佐藤優が、人生前半の「足し算」から後半の「引き算」への転換、SNSなどの「時間泥棒」への対処、休養と教養の再定義を通じて、人生後半の時間との向き合い方を提案しています。
Q. 『残された時間の使い方』の「足し算」と「引き算」とは何ですか?
A. 『残された時間の使い方』における「足し算」とは、45歳頃までの人生前半に知識・経験・人脈を積み重ねていく時間のこと。「引き算」とは、それ以降の人生後半に蓄積を活かしながら本当に大切なことだけに絞り込んでいく時間のことです。この切り替えを意識的に行うことが、本書の中心的なメッセージになっています。
Q. 『残された時間の使い方』は20代・30代が読んでも役に立ちますか?
A. 『残された時間の使い方』のメインターゲットは40代以降ですが、20〜30代にとっても「他人時間に支配されている」現状への気づきや、「時間泥棒」の構造を知ることには十分な価値があります。今のうちに「足し算」を意識的に行い、将来の「引き算」に備えるという読み方ができる一冊です。
Q. 『残された時間の使い方』の著者・佐藤優とはどんな人ですか?
A. 佐藤優は1960年東京都生まれの作家・元外務省主任分析官です。同志社大学神学部卒業後に外務省へ入省し、対ロシア外交の第一線で活躍しました。『国家の罠』(毎日出版文化賞特別賞)、『自壊する帝国』(大宅壮一ノンフィクション賞)など著書多数。『残された時間の使い方』は、自身の大病経験がきっかけとなって執筆されました。
Q. 『残された時間の使い方』に具体的な時間管理テクニックは書かれていますか?
A. 『残された時間の使い方』は、いわゆるタイムマネジメントのテクニック本ではありません。効率化やスケジュール術よりも、「なぜ私たちは自分の時間を手放してしまうのか」という構造的な問いを掘り下げる思索的な内容が中心です。ただし、日記の活用や「自分時間」をまず先に確保するといった実践的な提案も含まれています。
Q. 『残された時間の使い方』の「自分時間」と「他人時間」とは?
A. 『残された時間の使い方』で言う「他人時間」とは、仕事の会議やクライアント対応、家族からの依頼など自分でコントロールしきれない時間のこと。「自分時間」とは、学びや内省、集中して考えるために使う時間のことです。著者の佐藤優は、自分時間を「余ったら取る」のではなく、1日の予定の最初に確保すべきだと主張しています。

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