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なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?
中級者ベストセラー営業

【要約・書評】『なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?』の評判・おすすめポイント

フィリップ・デルヴス・ブロートン|プレジデント社|2013-08-29|360ページ

4.0
(4件)

この本を一言で言うと

ハーバードMBA卒の著者が世界中のトップセールスを取材して気づいた——営業こそ最高のスキルであり、拒絶を乗り越える「使命感」が最大の武器だという真実

この本の概要

著者のフィリップ・デルヴス・ブロートンはハーバード・ビジネス・スクール卒業後、世界各地のトップセールスパーソンや営業組織を取材した。タイトルは「営業不要論」に見えるが、真逆の内容だ——「ハーバードで営業を教えないこと自体がおかしい」というのが著者の主張であり、営業こそビジネスの根幹であり人生最高のスキルだと本書は訴える。 本書の独自性は、営業を「技術論」ではなく「心理学・社会学・哲学」の視点から分析した点にある。フランス人心理学者クロテール・ラパイユの研究を引用し、「売上が高い営業マンほど拒絶される回数が多い」というデータを提示。拒絶を恐れるのではなく、拒絶を営業プロセスの一部として受け入れる姿勢こそが成功の鍵だと述べる。 さらにキリスト教の布教活動やApple Storeの事例を通して「使命感を持った営業」の力を解説する。Apple Storeが技術的な営業スキルより「Apple製品を心から愛する人材」を採用したという事例は示唆に富んでいる。自分が売るものを信じている人間の熱量は、いかなるテクニックも及ばない説得力を持つと著者は主張する。 岩瀬大輔・関美和による翻訳で読みやすく、ビジネス書としての枠を超えた「営業という行為の本質」への哲学的考察が、多くの読者の仕事観・人生観を変えてきた一冊だ。

「営業は格下の仕事」という自分の中の偏見を、この本が正面から殴り倒してくれた

正直に言えば、MBAを取ってコンサルに入った自分には「営業はちょっと格下かな」という感覚があった。隠してはいたけど、確かにあった。数字をこねくり回して戦略を作る仕事の方が高尚だ、みたいな。そういう空気は、MBAコミュニティにはなんとなく存在する。 この本のタイトルを見たとき「ああ、やっぱりハーバードでも営業は教えないのか」と思って手に取ったら、全然違う内容で驚いた。著者は「教えないのがおかしい」と言っているのだ。ハーバードで習ったマーケティングや戦略論も、最終的には「誰かに何かを売れないと意味がない」という話で、それを体系的に教えていないMBAプログラムへの批判が本書の出発点だった。 フランス人心理学者の研究の話が印象深かった。「売上が高い営業マンほど、ノーと言われる回数が多い」というデータ。これは直感と逆だけど考えれば当然で、多くの提案をして初めて多くの成約が生まれる。拒絶された数が多い人ほど「それだけ多く打席に立っている」ということだ。拒絶を「失敗」と感じるのではなく「プロセスの一部」として受け取れる人が勝つ、という話に妙に納得した。 Appleの事例も刺さった。Apple Storeが採用したのは「営業が上手い人」ではなく「Appleが心から好きな人」。製品を心底信じている人間から話を聞くと、それだけで人は動く。テクニックではなく使命感や信念が最大の営業ツールだという考え方は、自分のコンサルとしての仕事でも思い当たることがたくさんあった。 営業に異動したとき最初は抵抗感があったのだが、この本を読んで少し違う見方ができるようになった。「自分が解決できる課題を持っている人を探して、その人の役に立つ」という行為こそが営業の本質で、それはコンサルも変わらない。いや、あらゆる仕事に共通する話だ。 営業担当に限らず、「誰かに何かを伝えて動いてもらう仕事」をしているすべての人に読んでほしい。タイトルで損をしている名著だと思う。

35歳 外資系コンサルティング会社のマネージャー(MBA取得後に営業職へ異動)

この本で学べること

タイトルと逆——営業こそビジネス最高のスキル

「ハーバードで教えないこと自体がおかしい」というのが著者の主張。マーケティングも戦略も、最終的には誰かに売れなければ意味がないという根本原則を、MBAの常識に対して問い直す。

拒絶は失敗ではなくプロセスの一部

売上が高い営業マンほど「ノー」と言われる回数が多いという心理学研究を提示。拒絶を恐れるのではなく打席を増やすことが成功の鍵であり、拒絶から顧客の本音が引き出されるという逆説的な真実。

「使命感」が最大の営業ツール

Apple Storeが「営業が上手い人」より「Apple製品を心から愛する人」を採用したように、売るものを信じている人間の熱量はいかなるテクニックも凌駕する説得力を生み出す。

拒絶を「ノーからイエスへの変換」として捉える

優秀な営業は「ノー」が出た後に「どうすればイエスに変えられるか」を考え、複数角度から提案し続ける。ノーはゴールではなく、対話の入口という発想の転換を本書は提供する。

営業は「人生すべての場面で必要なスキル」

面接・プレゼン・プロポーズ・子育て——人が誰かに何かを伝えて動いてもらう行為はすべて「営業」だ。ビジネスの枠を超えた人生の普遍スキルとして営業を再定義している。

本の目次

  1. 1第1章 ハーバード・ビジネス・スクールの盲点——なぜ営業を教えないのか
  2. 2第2章 営業という仕事の「本当の姿」——拒絶と向き合う職業
  3. 3第3章 世界のトップセールスから学ぶ——取材レポート
  4. 4第4章 拒絶を乗り越える心理学——「ノー」が多い人ほど売れる
  5. 5第5章 使命感という最強の武器——Apple・宗教・営業の共通点
  6. 6第6章 女性と営業——異なるアプローチが生む成果
  7. 7第7章 文化と営業——国・宗教・価値観の違いが商談に与える影響
  8. 8第8章 営業の倫理——どこまでが「説得」でどこからが「操作」か
  9. 9第9章 すべての人に必要な「セールス力」——人生の営業術

良い点・気になる点

良い点

  • 「営業とは何か」を哲学・心理学・社会学の視点から多面的に問い直すユニークな視点
  • 世界中のトップセールスへの取材に基づく豊富な事例とデータ
  • MBA・コンサルなど「営業を低く見がち」な人の仕事観・人生観を変えてくれる
  • 岩瀬大輔・関美和による読みやすい翻訳
  • Kindle版もあり電子書籍での読書に対応している

気になる点

  • 具体的な営業テクニックや実践フレームワークは少なく、哲学・思想書に近い読み味
  • 海外の事例・文化的背景の話が多く、日本の営業現場との温度差を感じる場面がある
  • 「営業担当として今すぐ数字を改善したい」という即効性を求める人には不向き

みんなの評判・口コミ

h
hrkds

IT企業勤務

4.5

営業職への偏見がきれいに洗い流された一冊です。「拒絶が多い人ほど売れている」という研究データは目から鱗でした。Apple Storeの採用事例も面白く、「売るものを好きであること」の威力を改めて考えさせられました。具体的なテクニック本ではないですが、営業観が変わる本として★5に近い評価です。

t
taro

MLエンジニア

4.0

タイトルで内容を誤解して損をしている本です。著者は営業不要論者ではなく「営業こそ最も重要なスキル」と主張しています。MBA的なエリート意識への批判が刺さりました。哲学的な読み味が強いので、テクニック書を期待すると肩透かしをくらうかもしれませんが、根本的な問いへの答えとしては秀逸です。

けんじ

Web担当者

3.5

海外の事例が中心で、日本の営業現場にそのまま応用するのは難しい部分もあります。「使命感が最大の武器」という主張は理解できますが、具体的な方法論としての落とし込みが薄い。営業の哲学書として読む分には価値が高い本です。

n
nao

バックエンドエンジニア

4.5

これから営業職に就く人に強くすすめたい本です。営業は「格下の仕事」という誤解を正面から否定してくれるので、入社前のメンタル準備になります。拒絶を恐れずに前に進む心構えが整います。ベストセラーなのも当然の内容です。

こんな人におすすめ

営業職への異動・転職で不安を感じている人

「営業は格下」という偏見や「拒絶が怖い」という恐怖を哲学的に解体してくれる。新しい役割への心構えをつくるのに最適。

MBA取得者・コンサルタント・エリートビジネスパーソン

戦略・マーケティング中心の視点から「最終的に誰かに売れなければ意味がない」という原点を問い直せる。自分の仕事の意味を再発見できる一冊。

営業職以外のビジネスパーソン全般

プレゼン・交渉・採用・経営——すべての「人を動かす場面」に応用できる「人生の営業術」として読める。

よくある質問

Q. 『なぜハーバードでは営業を教えないのか』は、営業を批判した本ですか?
A. 全く逆で、「営業こそ最高のスキルであり、教えないハーバードがおかしい」という内容です。タイトルで誤解されやすいですが、著者は営業の価値を強く肯定しており、「すべての人に必要な人生スキルだ」と主張しています。
Q. 具体的な営業テクニックは学べますか?
A. テクニックや実践フレームワークの解説は少なめです。本書の価値は「なぜ営業が重要か」「拒絶をどう捉えるか」「使命感とは何か」という哲学・心理学的な問いへの洞察にあります。テクニックを学びたい場合はSPIN営業術などと組み合わせて読むことをすすめます。
Q. 著者はどんな人ですか?
A. フィリップ・デルヴス・ブロートンは英国人ジャーナリスト・著述家で、ハーバード・ビジネス・スクールに留学した経験を持ちます。MBAプログラムへの批判的考察を起点に、世界各地のトップセールスパーソンを取材してこの本を執筆しました。

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