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問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造 (KS情報科学専門書)
中級者プログラミング

【要約・書評】『問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造 (KS情報科学専門書)』の評判・おすすめポイント

大槻兼資|講談社|2020-10-01|368ページ

4.5
(4件)

この本を一言で言うと

アルゴリズムとデータ構造の本質を問題解決の視点から体系的に学べる一冊——理論と実践をつなぐ丁寧な解説で、競技プログラミングや実務開発に直結するスキルが身につく。

この本の概要

本書はアルゴリズムとデータ構造を「問題解決力」という実践的な観点から解説した中級者向けテキストだ。著者の大槻兼資氏はAtCoderでも名が知られており、解法の導出プロセスを丁寧に示している点が他書と一線を画す。単なる実装の暗記ではなく、なぜその手法が有効なのかを理解させることに重点が置かれている。 扱うテーマはグラフ探索・動的計画法・ソートアルゴリズム・木構造・ヒープなど幅広く、各章に演習問題が設けられている。図解が豊富で、スタックやキューなどのデータ構造の動作原理を視覚的に理解できる構成になっており、読んで終わりではなく手を動かして定着できる設計になっている。 前提知識としてC++の基礎を想定しているため、完全な初心者には難しい部分もある。しかし、プログラミング経験がある人が「なんとなく書けているコードの計算量を意識したい」という段階で手に取るには最適な一冊だ。特に時間計算量・空間計算量の分析の章は実務でも役立つ内容が凝縮されている。 読者の評価では「アルゴリズムの入門に最適」「理解が深まる」という声が多い一方、「演習問題の解答が本書にない」という点を惜しむ声もある。競技プログラミングの登竜門として、あるいは技術面接対策として広く活用されている実績がある。

「なんとなく書いてたコード」が恥ずかしくなった一冊

正直、入社してからずっと「動けばいい」でコードを書いてきた。for文のネストが3重になっても気にしない、DBのクエリが遅くても「まあ仕方ない」で済ませてきた。そんな自分に気づいたのは、コードレビューで先輩に「この処理、O(n²)になってますよ」と指摘されたとき。O記法って聞いたことあるけど、正直ちゃんと理解してなかった。 それで手に取ったのがこの本。大槻兼資さんの解説スタイルがまず良い。「なぜこの手法を使うのか」から入るので、ただ実装を丸暗記するだけにならない。例えばマージソートの章では、「分割統治法という考え方がある→それをソートに応用すると→こういうアルゴリズムになる」という流れで説明してくれる。読んでて「あ、そういうことか」という瞬間が何度もあった。 特に刺さったのが動的計画法の章。DPって名前は知ってたけど、「なんか難しそう」で避けてきたやつ。本書では小さい問題の例から始めて、徐々に発展させていく構成なので、挫折ポイントが少ない。フィボナッチ数列から始まってナップサック問題まで、「あ、これ全部同じ考え方でいけるじゃん」と気づいたときは普通にテンション上がった。 グラフ理論のパートも充実していて、幅優先探索・深さ優先探索・ダイクストラ法が図解付きで解説されている。最短経路問題って業務でも地味に出てくるので、ここちゃんと理解できてよかった。 ただ、演習問題の解答が本書に載っていないのはちょっと困った。自分の解法が合ってるか確認しにくい。著者のGitHubに一部あるらしいけど、全部は追えなかった。この点は改善してほしいなと思う。あと、コードはC++で書かれているので、PythonメインでやってきたエンジニアはC++の読み方を多少覚える必要がある。 それでも「アルゴリズムを本当に理解したい」人には間違いなくすすめできる。技術面接でアルゴリズム問題が出る企業を受ける人にも役立つし、競技プログラミングを始めたい人の最初の一冊としても◎。3300円という価格も内容に見合ってると思う。読み終えたとき、半年前の自分のコードを見て少し恥ずかしくなった。それが一番の収穫かもしれない。

26歳 バックエンドエンジニア(Webサービス開発2年目)

この本で学べること

「なぜそのアルゴリズムなのか」から始まる解説構成

単なる実装の丸暗記ではなく、問題解決の思考プロセスを追体験できる構成になっている。各アルゴリズムの設計理由から入るため、応用力が身につく。

計算量の分析を丁寧に扱う

O記法による時間計算量・空間計算量の分析が各章で解説されており、実務でのコード品質向上に直結する視点が養われる。

グラフ理論・動的計画法・ソートを網羅

競技プログラミングや技術面接で頻出のトピックを幅広くカバー。BFS・DFS・ダイクストラ法・DPなど実践的なアルゴリズムが丁寧に解説されている。

豊富な図解でデータ構造の動作を可視化

スタック・キュー・ヒープなどデータ構造の動作をアニメーション的な連続図解で示しており、視覚的な理解を促す構成になっている。

本の目次

  1. 1第1章 アルゴリズムとデータ構造
  2. 2第2章 計算量とオーダー記法
  3. 3第3章 設計技法(1):全探索
  4. 4第4章 設計技法(2):再帰と分割統治法
  5. 5第5章 設計技法(3):動的計画法
  6. 6第6章 設計技法(4):貪欲法
  7. 7第7章 グラフ
  8. 8第8章 データ構造(1):配列・連結リスト・ハッシュ
  9. 9第9章 データ構造(2):スタックとキュー
  10. 10第10章 データ構造(3):木
  11. 11第11章 データ構造(4):ヒープ
  12. 12第12章 ソートアルゴリズム
  13. 13第13章 グラフアルゴリズム

良い点・気になる点

良い点

  • アルゴリズムの設計理由から解説するため、本質的な理解が身につく
  • O記法の丁寧な解説で、計算量を意識したコーディングができるようになる
  • 競技プログラミング・技術面接で頻出のトピックを網羅している
  • 図解が豊富でデータ構造の動作を視覚的に理解しやすい

気になる点

  • 演習問題の解答が本書内に掲載されていない
  • C++を前提とした実装例が多く、他言語メインの読者は読み替えが必要

みんなの評判・口コミ

n
nao

バックエンドエンジニア

4.5

バックエンドエンジニアとして働き始めて1年、計算量の重要性をこの本で初めて実感した。DPの章が特に分かりやすく、業務コードを書くときの思考が変わった。解答が別途必要な点は惜しいが、内容のクオリティは文句なし。

ゆうと

EC企業マーケター

4.0

競技プログラミング入門として読んだ。アルゴリズムの選択理由をきちんと説明してくれるので、問題を見たときに「どのアプローチを取るか」という判断力が磨かれた。C++の知識がある程度必要なので、事前に基礎を固めておくことをすすめる。

t
taro

MLエンジニア

5.0

MLエンジニアとしてもアルゴリズムの基礎知識は重要で、この本で体系的に学べた。グラフアルゴリズムの章はデータパイプラインの設計にも応用できる内容で、プログラミング全般に役立つ良書だと思う。

y
yui

フロントエンドエンジニア

3.5

フロントエンドメインだが技術面接対策で読んだ。説明は丁寧だけどC++のサンプルコードが自分には読みにくかった。JavaScriptで読み替えながら進めたが時間がかかった。C++読める人には強くすすめる一冊。

著者について

こんな人におすすめ

競技プログラミング入門者

AtCoderなど競技プログラミングを始めたい人が最初に読む一冊として定評がある。解法の思考プロセスを体系的に学べる。

技術面接を控えたエンジニア

外資系・大手IT企業の技術面接で出題されるアルゴリズム問題に対応できる基礎力が身につく。

計算量を意識したコードを書きたい人

業務コードの品質を上げたいが、計算量の分析方法が分からないエンジニアに最適な解説書。

CS系の大学生

情報科学の授業でアルゴリズムを学ぶ学生の副読本としても活用できる体系的な内容。

よくある質問

Q. 『問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造』はどんなレベルの人向けですか?
A. プログラミングの基礎(変数・関数・ループ)は理解しているが、アルゴリズムをちゃんと学んだことがない中級者向けの本です。ある程度コードを書いたことがある人が「次のステップ」として読むのに適しています。
Q. 『問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造』はC++以外の言語でも役立ちますか?
A. サンプルコードはC++ですが、アルゴリズムの概念自体は言語に依存しません。PythonやJavaを使っている方でも概念の理解には十分活用できます。
Q. 『問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造』の演習問題に解答はありますか?
A. 本書内には解答は掲載されていません。著者のGitHubや関連サイトで一部補足されていますが、全問の解答確認は難しい点が惜しまれています。
Q. 動的計画法がまったく分からない状態でも読めますか?
A. 本書は動的計画法を初歩から解説しているため、未経験の方でも読み進められます。小さな例題から徐々に発展させる構成で段階的に理解できます。
Q. 競技プログラミングに直接使える内容ですか?
A. AtCoderの水色〜青色レベルを目指すための基礎固めとして非常に効果的です。本書で扱うアルゴリズムは競技プログラミングの頻出テーマと重なっています。
Q. 『問題解決力を鍛える!アルゴリズムとデータ構造』は技術面接対策に使えますか?
A. はい、外資系・大手IT企業の技術面接で出題されるアルゴリズム問題のカバレッジが高い本です。面接対策として活用している読者からも高い評価を得ています。

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