インテリアの実例がわかる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、いま「インテリア 実例 本」で調べているんですけど、出てくる本が多すぎて、ぜんぶ同じに見えてきちゃいました。写真がきれいなのは分かるんですけど、選ぶ基準が分からなくて。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。実例写真の本って、実は役割がまったく違うんだよ。書店員だったころ、同じ「北欧インテリア」の棚でも、眺めるために買う人と、模様替えの手順を知りたくて買う人とでは、渡すべき一冊がまるで別だった。まずは「何のために読むのか」を決めるところからだね。
橘ナナミ
何のために、ですか。私はただ、部屋をおしゃれにしたいなって思っているだけなんですけど……。
佐藤メバル
それで十分だよ。ただ、その「おしゃれにしたい」の中身を分けると、本選びが一気にラクになる。ぼくは本を「眺める用」「学ぶ用」「手を動かす用」の3つに分けて考えている。今日はその視点で、実際の本を挙げながら整理していこう。
橘ナナミ
3つに分けるんですね。それ、気になります!
インテリアの実例がわかる本の選び方
目的別で選ぶ
橘ナナミ
目的別って、具体的にはどう分ければいいんですか?
佐藤メバル
大きく4つだね。「すぐ模様替えしたい」「理論を体系的に学びたい」「名作デザインの知識を得たい」「眺めて刺激がほしい」。すぐ手を動かしたいなら『行正り香のインテリア 心地よく暮らすためのルールとアイデア』がいい。家具のそろえかたからライティング、窓の使い方までPART単位で整理されている。逆に眺めて刺激がほしいだけなら、ヘルシンキのアーティスト16人の住まいを追う『フィンランドのアパルトマン』のほうが目的に合う。名作を知りたいなら、ウェグナー、ケアホルム、レ・クリントといった名作家具・名作照明に触れる『照明と家具からはじめる 北欧インテリア』だよ。
レベル別で選ぶ
橘ナナミ
初心者と、ある程度分かっている人でも違うんですか?
佐藤メバル
違うね。完全な初心者なら、まず『スタイル別にわかるインテリアの基本 新装版』で自分の好みのスタイルを見つけるのが順番。スタイル別にポイントが整理されていて、家具や照明の選び方、部屋選びやプチリフォームの話まで入っている。基本が入ったら『スタイルで選ぶマンション・インテリアの教科書』で配色・レイアウト・照明計画を体系的に埋めていく。プロや資格志望なら、同じ本の素材集や用語集のパートが辞書がわりになるし、実務に寄せるなら内装材や仕上げまで踏み込む『インテリアの解剖図鑑』が要る。
形式別で選ぶ
橘ナナミ
写真中心か図解中心か、という違いですね。
佐藤メバル
そう。写真・実例中心なら『北欧ストックホルムのアパルトマン』や『花と暮らすパリのアパルトマン』。前者はスウェーデンのアーティスト27人の部屋で、色合わせやデコレーションの工夫が見られる。図解・イラスト中心なら『インテリアの解剖図鑑』で、カフェ風・ホテル風・西海岸風・北欧風といったスタイルごとに内装材や照明まで解説している。文章・理論中心なら水越美枝子さんの『いつまでも美しく暮らす住まいのルール』、エッセイ中心なら『フィンランド くらしのレッスン』のようなコミックエッセイだね。
予算別で選ぶ
橘ナナミ
予算って、どのくらいから考えればいいんでしょう。
佐藤メバル
いきなり高い本を買わなくていい。手軽な価格帯のフォトブックやムックで「自分が何に反応するか」を確かめるのが先。『花と暮らすパリのアパルトマン』や『ACTUS STYLE BOOK vol.10』のようなビジュアル系は入り口として試しやすい。本格的に学ぶなら教科書タイプ、大判の写真集や作り込んだ解説書はさらに上、という順番で考えればいい。大事なのは金額より、その本が自分の中でどの役割を担うかだよ。
入手方法別で選ぶ
橘ナナミ
実例写真の本こそ紙ですか? それともKindleでも平気ですか?
佐藤メバル
実例写真集は紙が有利。判型の大きさや色の再現がそのまま情報だからね。理論や図解の本は電子でも読み返しやすい。迷ったら図書館で試してから買う。『みんなの心地いい部屋づくり日記』のように24人の実例を追う本は、前後にめくって比べたいので紙が向く。逆に用語集がわりに何度も引く本は、電子のほうが検索できて便利だよ。
鮮度別で選ぶ(発売年と改訂版)
橘ナナミ
古い本って避けたほうがいいんですか?
佐藤メバル
テーマによる。名作椅子や様式の話は古くても価値が落ちない。一方で、建材や照明器具、暮らし方の常識は更新される。だから最初に奥付で発売年を見て、同じタイトルなら「増補改訂版」「新装版」が出ていないか確認する。水越美枝子さんの本には増補改訂版があるし、『スタイル別にわかるインテリアの基本』にも新装版がある。改訂で図版が差し替わることもあるから、買い直しを避けたいなら版の確認を習慣にしておくといい。
インテリアの実例がわかる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
インテリアの実例がわかる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
フィンランドのアパルトマン
ジュウ・ドゥ・ポゥム 著|ジュウ・ドゥ・ポゥム
¥1,980(税込)
ヘルシンキに暮らすアーティスト16人の住まいを、ひとり暮らし・カップル・子どもやペットと暮らす形まで幅広く収めた一冊。同じ著者のストックホルム版が27人を追っているのに対し、こちらはヘルシンキの16人それぞれの暮らし方の違いに焦点が当たります。くつろぎの時間はお気に入りに囲まれた空間から生まれる——その言葉どおり、家具の配置や色合わせだけでなく、その人がどう暮らしているかまで写真から伝わってくる。北欧デザインの写真集としても、暮らしの参考書としても長く手元に置ける一冊です。
こんな人におすすめ
これから北欧インテリアを取り入れたい人、ひとり暮らしを始める人、カップルで部屋づくりを考える人、子どもやペットと暮らす空間を整えたい人。暮らし方の違いごと眺めて、自分の部屋に引き寄せたいときに。
良い点
- 16人分の実例で暮らし方の差が見える
- ひとり暮らしから家族まで幅広い
- 北欧デザインの質感が写真で伝わる
気になる点
- 文字の解説は少なく写真が中心
- 2011年刊で紹介される情報はやや古い
- 家具の型番など具体情報は多くない
出版社
ジュウ・ドゥ・ポゥム
発売日
2011年09月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フィンランドのアパルトマンって、日本のマンションの一部屋とはやっぱり雰囲気が違うんでしょうか?
佐藤メバル
いい質問だね。この本はヘルシンキに暮らすアーティスト16人の住まいを訪ねたもので、通底しているのは「くつろぎの時間は、お気に入りに囲まれた空間から生まれる」という考え方なんだ。
しかも、ひとり暮らしの人もいれば、カップル、子どもやペットと一緒に暮らす人もいて、それぞれの暮らしの形がそのまま部屋に表れている。
橘ナナミ
なるほど!じゃあ、ひとり暮らしの私が読んでも参考になりますか?
佐藤メバル
そこがこの本の懐の広さでね。ひとり暮らしの実例もきちんと入っているから、狭い部屋で「お気に入りをどう置くか」という視点で読めるんだ。
同じ著者のストックホルム版は27人を追っているけれど、こちらはヘルシンキの16人を通して、暮らし方の違いそのものを味わう一冊だよ。
北欧ストックホルムのアパルトマン
ジュウ・ドゥ・ポゥム 著|ジュウ・ドゥ・ポゥム
¥1,980(税込)
スウェーデンのアーティスト27人の暮らしを、リビングルーム、キッチン、アトリエ、ベッドルームといった部屋ごとに覗ける一冊。マネしてみたい色合わせとデコレーションの工夫が詰まっていて、家具の配置よりも「どう彩るか」に重心が置かれているのが特徴です。同じ著者のフィンランド版が16人なのに対し、こちらは27人と数が多く、おだやかでぬくもりのある住まいが次々と現れる。北欧の暮らしを身近に感じたい人の入り口としても、色の参考帳としても使えます。
こんな人におすすめ
部屋の色合わせや飾り方を具体的に知りたい人、アトリエ付きの暮らしに憧れる人、北欧の住まいを写真で眺めたい人。部屋ごとにページをめくり、自分の部屋のどこから真似するか考えたいときに。
良い点
- 27人分と実例の数が多い
- 色合わせとデコレーションが学べる
- 部屋ごとに分けて見られる
気になる点
- 写真中心で文章の解説は少なめ
- 2006年刊で掲載情報は古い
- 間取りや寸法などの実用情報は薄い
出版社
ジュウ・ドゥ・ポゥム
発売日
2006年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっき紹介していただいたフィンランド版と、このストックホルム版は姉妹本みたいな位置づけなんですか?
佐藤メバル
そう、同じ著者による北欧の住まいのシリーズだね。こちらはストックホルムのアーティスト27人を訪ねていて、リビングルームやキッチン、アトリエ、ベッドルームといった部屋ごとに、美しい色合わせやデコレーションの工夫が並んでいく。
フィンランド版より人数が多いぶん、「この配色いいな」と思えるページにきっと出会えるよ。
橘ナナミ
アトリエがある部屋って、やっぱり普通の部屋とは違う雰囲気に見えるんでしょうか?私にも真似できますか?
佐藤メバル
そこが見どころのひとつだね。暮らす場所と作る場所が地続きになっている部屋は、ものが多いのに落ち着いて見える。
それは色と配置が整理されているからなんだ。この本は家具の並べ方よりも「どう彩るか」に重心があるから、飾り方に悩んでいる人ほど参考になると思うよ。
「クリエーターの家」から学ぶインテリアの秘訣idea 169
トーソー
¥1,980(税込)
イラストレーター、デザイナー、エッセイストなど感性豊かなクリエーター14人の住まいを、169という数のアイデアに分解して見せてくれる一冊。カラーコーディネート、雑貨の飾り方、家具の配置、照明の演出といった項目ごとにヒントが並ぶので、写真集として眺めるだけでなく「自分の部屋のどこを直すか」を探しながら読めます。実例写真を眺めるだけの本とは違い、真似できる形に落とし込まれているのが持ち味です。
こんな人におすすめ
飾り方や配置に具体的なヒントが欲しい人、雑貨が多くてまとめ方に悩んでいる人、照明の演出を学びたい人。項目ごとに拾い読みして、今日ひとつ試したいときに。
良い点
- アイデア数が169点と豊富
- カラー・雑貨・配置・照明を網羅
- 写真を見るだけでも楽しい
気になる点
- 2008年刊で情報はやや古い
- 体系立てた理論の解説ではない
- 掲載アイテムの入手は難しい
出版社
トーソー
発売日
2008年09月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
169って、アイデアの数なんですよね。そんなにたくさん載っていると、逆にどこから見ればいいか迷いそうなんですけど……
佐藤メバル
そこは安心していいよ。カラーコーディネート、雑貨の飾り方、家具の配置、照明の演出と、テーマごとに分かれているから、いま困っているところから開けばいい。
14人のクリエーターの家を「169の真似できるヒント」に分解しているのが、この本のいちばん賢いところなんだ。
橘ナナミ
なるほど、目次が索引みたいに使えるんですね。クリエーターの家って、やっぱり普通の家よりものが多いですか?
佐藤メバル
ものが多い家は確かに多いね。でも見ていて散らかって感じないのは、色の数や高さを揃えているからなんだ。
感性で飾っているように見えて、実は整理のルールがある。そこを169という粒の細かさで見せてくれるから、真似しやすいんだよ。
行正り香のインテリア 心地よく暮らすためのルールとアイデア
行正り香 著|講談社
¥1,760(税込)
人気料理研究家の行正り香による初のインテリアブックで、自宅とスタジオを初公開しつつ、家全体のリフォームからコーナーづくり、家具の選び方、ライティングのコツまで「行正流のルール」として整理しています。弥生・小雪姉妹のお部屋や、3人で訪れたデンマークの友人宅の実例も収録され、スタイルの決め方から壁と床のキーカラー、窓の使い方、キッチン・バス・トイレの考え方まで章立てで追える。読み物としても実用書としても使える一冊です。
こんな人におすすめ
部屋全体をまとめたい人、リフォームや模様替えを考えている人、照明や窓まわりの整え方を知りたい人。ルールから入って、家全体をひとつの空間として考えたいときに。
良い点
- 家全体を7つの章で体系的に解説
- 自宅とスタジオを初公開している
- 北欧の実例も収録されている
気になる点
- 2013年刊で掲載情報はやや古い
- 著者の好みが色濃く出ている
- 真似には近い家具選びが必要
出版社
講談社
発売日
2013年03月15日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
料理研究家の方が書いたインテリアの本なんですね。お料理の本とは、やっぱり作りが違うんでしょうか?家全体の話だと聞いて驚きました。
佐藤メバル
それが面白いところでね。著者の行正り香は暮らし全体をデザインしてきた人だから、この本も「家全体のリフォーム」から「コーナーづくり」「家具の選びかた」「ライティングのコツ」まで、家をひとつのまとまりとして捉えているんだ。
壁と床のキーカラーを先に決めるという考え方など、順番が示されているのが心強いよ。
橘ナナミ
順番があると、何から手をつければいいか分からない私でも進められそうです。窓の章があるのも珍しいですね。
佐藤メバル
そこはこの本ならではだね。窓を「額縁として考える」という視点で一章使っている。外の景色をどう切り取るかという発想は、カーテンを選ぶ前に知っておくと部屋の見え方が変わるよ。
弥生・小雪姉妹のお部屋やデンマークの友人宅の実例も入っていて、読み物としても楽しい。
注文住宅とリノベーションで実現させた憧れの家
主婦と生活社 著|主婦と生活社
¥1,870(税込)
南仏プロヴァンスの田舎家をイメージした住まいを筆頭に、アンティークの建具にこだわった家、イギリス&アメリカのずっと愛せる家、薪ストーブのある住まいまで、日本離れした住まいの実例を集めた一冊。『私のカントリー』誌面を飾った実例のうち、読者から施工会社について問い合わせがあったものだけを厳選しているのが特徴です。巻末には注文住宅・リノベーションのための教科書も収録され、眺めるだけでなく検討の材料にもなります。
こんな人におすすめ
注文住宅やリノベーションを考えている人、プロヴァンスや英国調など海外風の住まいに憧れる人、薪ストーブのある暮らしを思い描く人。施工のヒントまで知りたいときに。
良い点
- 反響のあった実例だけを厳選している
- プロヴァンスから薪ストーブまで幅広い
- 巻末に検討者向けの教科書付き
気になる点
- 写真が多く読み物としては淡々
- 対象が規模の大きい家に偏る
- 賃貸や狭い間取りには参考が薄い
出版社
主婦と生活社
発売日
2023年12月05日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
プロヴァンス風とか薪ストーブのある家って、写真集みたいなものだと思っていたんですけど、教科書の章もあるんですね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の肝なんだ。『私のカントリー』に載った実例のなかでも、読者から施工会社について問い合わせが来たものだけを厳選している。
だからただ美しいだけじゃなくて、実際に建てた人がいる家なんだよ。巻末には注文住宅とリノベーションのための教科書も付いている。
橘ナナミ
じゃあ、これから家を建てようとか、リノベーションを考えている人が最初に読んでも大丈夫なんでしょうか?
佐藤メバル
むしろその人たちに向いているね。プロヴァンス風、アンティークの建具、アメリカンカントリー、薪ストーブと、方向性ごとに章が分かれているから、自分の好みがどの系統なのかを確かめながら読める。
こだわりキッチンやサニタリーのコラムもあって、打ち合わせ前のイメージづくりにちょうどいいよ。
花と暮らすパリのアパルトマン
ジュウ・ドゥ・ポゥム 著|ジュウ・ドゥ・ポゥム
¥1,100(税込)
パリのアーティストたちの自宅で出会った、花のある暮らしのワンシーン87点を集めたフォトブック。花の飾り方のヒントが随所に散りばめられていて、花束を買ってきたあとの「どこに、どう置くか」という実践的な悩みに応えてくれます。同じ著者の北欧シリーズが部屋全体を見せるのに対し、こちらは花と暮らしの一場面にぐっと寄っているのが違い。パリ・スタイルの色合わせを眺めながら、日々の花の使い方を学べる一冊です。
こんな人におすすめ
花を日常に取り入れたい人、切り花の飾り方に悩んでいる人、パリのインテリアに関心がある人。写真を眺めながら、明日の花の置き場所を決めたいときに。
良い点
- 花の場面が87点と豊富
- 飾り方のヒントが実践的
- パリの室内の色合わせも学べる
気になる点
- 花以外のインテリア解説は少ない
- 判型が小さく全体像は見えにくい
- 住まいの間取りまでは分からない
出版社
ジュウ・ドゥ・ポゥム
発売日
2015年04月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
花の本って、生け花みたいな作法の本かと思っていたんですが、これはインテリアの本なんですね。意外です。
佐藤メバル
そうなんだ。パリのアーティストたちの家で見つけた「花のあるシーン」を87点集めたフォトブックで、生け方の作法ではなく、暮らしのなかに花をどう置くかがテーマ。
花瓶ひとつとっても、置く場所や高さで部屋の印象が変わるでしょう。花を買った後の置き場所に悩む人にこそ開いてほしい一冊だよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、インテリアの参考というより、花の使い方の参考として読む本だと思っていいんでしょうか?
佐藤メバル
両方だね。北欧のシリーズは部屋全体を見せるけれど、こちらは花と暮らしの一場面に寄っている。だからパリの室内の色合わせを眺めながら、花の量や色の選び方も一緒に学べる。
花を飾ると部屋が急に生活感から離れる、その感覚を写真で確かめられると思うよ。
マリメッコのデザイナーの暮らし
ジュウ・ドゥ・ポゥム 著|ジュウ・ドゥ・ポゥム
¥1,870(税込)
北欧フィンランドを代表するブランド、マリメッコで活躍するデザイナーたちの住まいやアトリエを訪ねた一冊。暮らしと創作の空間で見つけたデザインのかけらと、楽しいコーディネートが並びます。プリントや色使いで知られるブランドの作り手が、私生活でどんな色や柄を選んでいるのか——仕事と暮らしが地続きになっている部屋の空気が伝わってくる。同じ著者の北欧シリーズのなかでも、作り手の視点が濃いのが持ち味です。
こんな人におすすめ
マリメッコや北欧のプリントが好きな人、柄や色を部屋に取り入れたい人、ものづくりをする人の住まいに関心がある人。作り手の私生活を覗きたいときに。
良い点
- ブランドの作り手の住まいが見られる
- 住まいとアトリエの両方を収録
- 色と柄のコーディネートが学べる
気になる点
- ブランドに馴染みがないと響きにくい
- 2013年刊で情報はやや古い
- 文章量は多くなく写真中心
出版社
ジュウ・ドゥ・ポゥム
発売日
2013年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マリメッコって、あの大きな花柄のイメージしかなかったんですけど、デザイナーのおうちってどんな感じなんですか?
佐藤メバル
それが面白くてね。ブランドのプリントをそのまま部屋に広げるというより、暮らしと創作の空間で見つけたデザインのかけらを、それぞれが自分のやり方で取り入れている。
住まいとアトリエの両方が収録されているから、仕事場と生活がどうつながっているかも見えてくるんだ。
橘ナナミ
作り手の私生活って、やっぱり普通の家とは違う、特別な感じになっているんでしょうか?部屋も仕事場みたいになるのかな。
佐藤メバル
特別というより、選択がはっきりしている感じだね。どの色を主役にするか、どの柄をどこまで使うかに迷いがない。
だから柄ものを部屋に取り入れたい人が見ると、量の加減や合わせ方の参考になるよ。同じ著者の北欧シリーズのなかでも、作り手の視点が濃い一冊だと思う。
イェンセン家の北欧スタイルの暮らしと手作り
マリコ・イェンセン 著|実業之日本社
¥1,430(税込)
デンマーク人の夫と鎌倉で暮らす著者が、自宅のインテリアと手づくりの雑貨を紹介する一冊。北欧流のライフスタイルを、輸入家具を揃える話ではなく、キッチンの小物、テーブルウェア、窓と壁、自然と暮らすといった日々の場面から見せてくれます。初心者でも作れるハンドメイドの生活雑貨も提案され、目次にはホイスコーレ日記まで。北欧の暮らしを「買う」のではなく「つくる」方向から知りたい人に向いています。
こんな人におすすめ
手づくりの雑貨を暮らしに取り入れたい人、日本の家で北欧スタイルを楽しみたい人、食卓まわりを整えたい人。作って使うところから始めたいときに。
良い点
- 日本の家で実践されている点が参考になる
- 初心者向けのハンドメイドを提案
- キッチンや食卓など生活場面が具体的
気になる点
- 2014年刊で紹介情報はやや古い
- 手芸の工程の解説は簡潔
- 家庭的で派手な写真は少なめ
出版社
実業之日本社
発売日
2014年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
鎌倉でデンマーク人の方と暮らしている人の本なんですね。北欧のインテリアって、家具を買い揃える話になりがちじゃないですか。
佐藤メバル
そこがこの本のいいところでね。キッチンの小物、テーブルウェア、窓と壁、自然と暮らす——と、日々の場面から入っていく。
しかも初心者でも作れるハンドメイドの生活雑貨まで提案しているから、買うだけではなく手を動かす方向から北欧に近づけるんだ。
橘ナナミ
手づくりは正直苦手なんですけど、そういう人でもこの本を読んで楽しめますか?ハンドメイドの章が重そうで……。
佐藤メバル
全然大丈夫。レシピはあくまで一部で、中心は暮らしの組み立て方だからね。キッチンの小物をどう選ぶか、食卓をどう整えるかといった話は、手を動かさず読むだけでも参考になる。
目次にホイスコーレ日記があるのも楽しくて、暮らしの背景まで見えてくるよ。
Tokyo style
都築響一 著|筑摩書房
¥1,760(税込)
豪華な写真集や雑誌に出てくるようなインテリアに、いったい何人が暮らしているのか——という問いから始まる、都築響一による名著の文庫版。小さい部屋にごちゃごちゃと気持ち良く暮らしている人たちの実際の住まいが並びます。美しい空間のイメージで外の人を騙すのはやめよう、という姿勢が全編を貫き、紹介されるのは生活の匂いがする部屋ばかり。整った実例集に疲れたときにこそ開きたくなる一冊です。
こんな人におすすめ
インテリア実例のきれいごとに少し疲れている人、東京の暮らしの実相を知りたい人、写真と文章の両方を味わいたい人。飾らない部屋を見たいときに。
良い点
- 実際に暮らす部屋のリアルさがある
- 文庫で手に取りやすく文章も濃い
- 既存の実例集と視点がまったく違う
気になる点
- 2003年刊で当時の情報
- 真似するための実用本ではない
- 写真はあえて粗い質感
出版社
筑摩書房
発売日
2003年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、タイトルはインテリアっぽいのに、なんだか他の実例集とは雰囲気が違いますね……。写真もざらっとしているというか。
佐藤メバル
そう、これは実例集の対極にある本なんだ。豪華な写真集に載るような部屋に、いったい僕らのうち何人が暮らしているんだろう——という問いから始まって、小さい部屋にごちゃごちゃと気持ち良く暮らしている人たちが次々に出てくる。
マスコミが流す「美しき日本空間」のイメージへの、静かな反論なんだよね。
橘ナナミ
じゃあ、これは部屋づくりの参考にして真似するための本ではないんでしょうか?写真集として見るものでもなさそうですし。
佐藤メバル
真似する本ではないね。でも、自分の部屋に自信が持てるようになる本ではある。整った実例を見て落ち込んだ夜に開くと、暮らしの匂いがする部屋のほうがずっと面白いと思えてくる。
都築響一の文章も含めて、文庫で読めるのがありがたいところだよ。
ACTUS STYLE BOOK vol.10
荒木正則 著|株式会社アクタス
¥1,200(税込)
ライフスタイルストア・アクタスのカタログ兼ビジュアルブックとして1996年に始まったシリーズの10号目。テーマは「明日の日本を考える」で、一脚の椅子を旅の道連れに日本全国の名所を写した旅の記録、建築やロケーションと家具が出逢った心地いい空間、子どもたちの憧れの部屋などを収録しています。編集者が足掛け7年、32都道府県99箇所でロケを敢行したという規模感が、他の実例集と決定的に違うところです。
こんな人におすすめ
家具と旅の両方が好きな人、日本の風景のなかのインテリアを見たい人、子ども部屋のつくり方を考えている人。旅の記録としてページをめくりたいときに。
良い点
- 32都道府県99箇所という規模
- 旅の記録としても読める構成
- 10号目ならではの成熟した編集
気になる点
- カタログ色が強く商品紹介も多い
- 抽象的なテーマで好みが分かれる
- 写真中心で読み物は短め
出版社
株式会社アクタス
発売日
2024年07月29日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
アクタスのスタイルブックって、家具のカタログだと思っていたんですが、旅の記録も入っているんですか?ちょっと意外です。
佐藤メバル
そこが10号目の面白さでね。テーマは「明日の日本を考える」。一脚の椅子を旅の道連れに、日本が持つ美しい文化や歴史、四季を求めて全国の名所を写した旅の記録が並ぶんだ。
編集者が足掛け7年、32都道府県99箇所でロケをしているから、規模感が普通の実例集とはまるで違う。
橘ナナミ
7年ってすごいですね……。これって家具のカタログとしてだけじゃなくて、旅の本としても読めそうな気がします。
佐藤メバル
そうそう。建築やロケーションとアクタスの家具が出逢ってコーディネートされた空間、子どもたちが夢見る憧れの部屋まで入っている。
1996年から続くシリーズの10号目だから、編集がこなれているのも強みだよ。インテリア好きと旅好き、どちらが読んでも楽しめると思う。
スタイルで選ぶマンション・インテリアの教科書
町田ひろ子 著|ナツメ社
¥1,760(税込)
マンション・インテリアに特化した入門書で、スタイル別の実例と基礎知識を写真と図解で解説しています。プランニング、配色、レイアウトに加え、窓を飾るウィンドウトリートメント、あかりをコントロールする照明計画、素材集、用語集まで8つのパートで構成され、入門書としての密度が高いのが持ち味。さらに地震や災害に美しく備える「美防災」のアイデアを提案している点は、他の入門書にない独自の視点です。
こんな人におすすめ
マンションに住んでいて部屋づくりを始めたい人、配色や家具選びの基礎から学びたい人、災害への備えも視野に入れたい人。教科書として一冊目に手に取りたいときに。
良い点
- マンションに特化しているのが珍しい
- 配色・照明・素材まで網羅
- 美防災という独自の視点がある
気になる点
- 2018年刊で情報はやや古い
- 一戸建てには当てはめにくい
- 図解中心で写真の実例は限られる
出版社
ナツメ社
発売日
2018年08月07日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
マンションに特化したインテリアの本って、珍しい気がします。一戸建ての実例とはそんなに違うものなんでしょうか?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。マンションは天井の高さや窓の位置、壁の作りに制約があるから、戸建て向けの実例をそのまま持ち込むと合わないことが多いんだ。
この本はマンション・インテリアの考え方から入って、配色、家具の選び方とレイアウト、ウィンドウトリートメント、照明計画と順に積み上げていく。
橘ナナミ
「美防災」という言葉も気になりました。インテリアと防災って、そもそも両立できるものなんでしょうか?言葉だけだと想像がつかなくて。
佐藤メバル
そこがこの本の独自性でね。地震や災害に美しく備えるという発想で、家具の固定や配置をデザインの一部として考えている。
備えのために部屋を犠牲にするのではなく、見た目も整える。素材集や用語集も付いているから、入門書としての密度はかなり高いよ。
スタイル別にわかるインテリアの基本新装版
エクスナレッジ
¥1,540(税込)
美しいインテリアをつくる第一歩は、自分の好みや目指すスタイルを知ること——という立場から、インテリアのポイントをスタイル別に解説した一冊。好みのスタイルを見つけたら、ポイントに沿って部屋づくりを進めればいいという構成で、お手本になる実例も多数掲載されています。家具や照明の選び方に加え、部屋選びやプチリフォームで役立つポイントも入っており、これから住まいを決める人の道しるべにもなります。
こんな人におすすめ
自分の好みのスタイルがまだ分からない人、引っ越しや部屋選びを控えている人、家具や照明の選び方を知りたい人。方向性を決めるところから始めたいときに。
良い点
- スタイル別で好みを探しやすい
- 実例と選び方のポイントが一体
- 部屋選びやプチリフォームにも触れる
気になる点
- 2017年刊で情報はやや古い
- 各スタイルの深掘りは控えめ
- 新装版のため内容の変化は限定的
出版社
エクスナレッジ
発売日
2017年01月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自分の好みのスタイルが分からないんです。かわいい部屋も、すっきりした部屋も、どっちもいいなと思ってしまって。
佐藤メバル
それ、すごくよくある話だよ。この本はまさにそこから始まる。まずは自分の好みや目指すスタイルを知りましょう、と。
スタイル別にポイントを整理して、お手本の実例も並べているから、見比べていくうちに「自分はこっちだな」という線が見えてくるんだ。
橘ナナミ
なるほど。ということは、家具を買う前に読んだほうがいいんでしょうか?もう少しでソファを買おうかと思っていたんです。
佐藤メバル
そうだね、買う前がいい。家具や照明の選び方、それに部屋選びやプチリフォームで役立つポイントまで入っているから、方向性が決まっていれば選び間違いがぐっと減る。
スタイルが決まらないまま家具を揃えると、あとで全部やり直したくなるからね——これは書店員時代に散々見てきた光景なんだよ。
インテリアの解剖図鑑
エクスナレッジ
¥2,420(税込)
カフェ風、ホテル風、西海岸風、北欧風から、古民家風、数寄屋風、ブルックリン風、ミッドセンチュリー、昭和レトロ、シャビーシック、ダークアカデミア、ボーホー、モダングラムまで、様式とスタイルを徹底的に分解した一冊。内装材や仕上げはもちろん家具や照明まで解説し、椅子とテーブルの選び方、ソファのコーディネート、収納の寸法、照明計画といった基礎知識も前半で扱います。執筆陣はインテリアコーディネートや住宅設計の第一線で活躍する面々で、資料としての使い勝手も抜群です。
こんな人におすすめ
スタイルの違いを体系的に知りたい人、家を建てたい人、イラストや小説の設定資料を探している人、設計の仕事の参考が欲しい人。辞書的に引く使い方をしたいときに。
良い点
- 扱う様式の数が圧倒的に多い
- 内装材や家具・照明まで踏み込む
- 創作の設定資料としても使える
気になる点
- 基礎知識から始まるので通読は長い
- 価格はやや高めの設定
- 実例写真より図解が中心
出版社
エクスナレッジ
発売日
2026年04月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「解剖図鑑」って、生き物の図鑑みたいなタイトルですけど、中身はどんなふうに解剖されているんですか?ちょっと想像がつかなくて。
佐藤メバル
名前のとおりでね、インテリアのスタイルを構造から解剖していく本なんだ。前半は椅子とテーブルの選び方、ソファのコーディネート、収納家具を動作寸法で決める話、照明の計画といった基礎知識。
後半でカフェ風、ホテル風、西海岸風、古民家風、数寄屋風、ブルックリン風と様式が次々に解剖されていく。
橘ナナミ
そんなにたくさん載っているんですか。イラストや小説を描いている人にも役立ちそうですね。資料として手元に置きたくなります。
佐藤メバル
まさにそこを狙った一冊で、執筆陣にはインテリアコーディネートや住宅設計の第一線で活躍している人たちが並んでいる。
設計の参考資料としても、新生活や家づくりの参考としても使えるし、小説や漫画の設定、CGや模型づくりにも役立つと明記されている。長く手元に置ける資料だよ。
日本の住まいで楽しむ 北欧インテリアのベーシック
森百合子 著|パイ インターナショナル
¥1,870(税込)
「探していた理想の“普通”が、北欧にあった」——長年北欧の家を訪ねてきた著者が、日本の家と北欧インテリアの相性の良さをひもときながら、リノベーションを重ねた自邸での実践方法を紹介します。住まいのベースは白、灯りはいくつも重ねる、素材とモチーフは自然から、色と積極的に付き合う、自分らしさを大切にする——この5つのベーシックが、ルールではなくアレンジできる基礎として語られるのが特徴。北欧の食器やテキスタイルのコラムも付いています。
こんな人におすすめ
日本の家で北欧インテリアを実践したい人、リノベーションを考えている人、照明や色の扱いに迷っている人。自邸の実例から学びたいときに。
良い点
- 日本の住まい目線で書かれている
- 5つのベーシックで整理されている
- 自邸リノベーションの実例が具体的
気になる点
- 文章量が多く写真は限られる
- 北欧の現地実例は3軒分
- コレクションのコラムは好みが分かれる
出版社
パイ インターナショナル
発売日
2021年03月11日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
北欧インテリアって、ナチュラルでシンプル、というイメージだったんですけど、この本はちょっと違うことを言いそうですね。
佐藤メバル
よく気づいたね。著者は「北欧インテリア=ナチュラル、シンプルだけではない」と明言している。ベースは白、灯りはいくつも重ねる、素材とモチーフは自然から、色と積極的に付き合う、自分らしさを大切にする——この5つのベーシックが軸なんだ。
しかもそれは「こうでなければ」というルールではなく、知っておくとアレンジできる基礎だとされている。
橘ナナミ
基礎って考えると、なんだか少し気が楽になります。日本の家でも本当に再現できるんでしょうか?写真の雰囲気そのままは難しそうで。
佐藤メバル
そこを確かめるために、著者はリノベーションを重ねた自邸を公開している。白いベースのつくり方、灯りの選び方、自然の取り入れ方と、部屋ごとに具体的なんだ。
日本の家と北欧の相性が良い理由から説き起こしているから、真似するときの納得感が違うよ。
北欧流インテリアがあか抜ける飾り方のルール30
トーソー出版
¥3,520(税込)
北欧の家がなぜおしゃれで心地よく感じられるのか。その秘密を30のルールと150点の実例写真でひもとく一冊。ベースを白でまとめる、淡色の木材をメインに取り入れる、シンプルなデザインをゆったり配置する——といった基本から、照明を「照らす」以外に「飾る」ものと心得る、ペンダントライトを低めに吊るす、椅子と照明でヒュッゲスペースをつくる、キッチンを飾るまで、小さな工夫が具体的です。実践者のマイルール紹介も収録されています。
こんな人におすすめ
模様替えや引っ越しを機に部屋をあか抜けさせたい人、飾り方が分からずものが並べられない人、北欧の照明の使い方を知りたい人。今日から一つ試すつもりで読みたいときに。
良い点
- 30のルールが具体的で試しやすい
- 150点の実例写真で裏付けがある
- 照明と飾り方の解説が厚い
気になる点
- 価格は高めの設定
- ルール数が多く通読はやや大変
- 北欧テイスト前提の内容
出版社
トーソー出版
発売日
2025年10月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ルール30って、覚えるのが大変そうだなと思ったんですけど……。全部やらないといけないんでしょうか?まず何から試せばいいのか。
佐藤メバル
身構えなくていいよ。たとえば「お気に入りをひとつだけ主役にする」「自然素材で空間をやわらげる」「光と影で雰囲気を変える」——どれも気軽に試せるものばかりなんだ。
小さな工夫で部屋全体があか抜けて見えるコツを、150点の写真と一緒に見せてくれるから、読みながら「今日はこれ」と選べる。
橘ナナミ
照明に関するルールが多いのも印象的でした。北欧の家って、やっぱり明かりの作り方が根本から違うんでしょうか?
佐藤メバル
そこが核心でね。照明は「照らす」以外に「飾る」ものと心得る、あかりをいくつも重ねる、ペンダントライトを低めに吊るす、椅子と照明でヒュッゲスペースをつくる——と、明かりの扱い方にかなりのページが割かれている。
Chapter1では実際に暮らしている人のマイルールも紹介されていて、写真の裏側が見えるのもいいところだよ。
照明と家具からはじめる 北欧インテリア
行正り香 著|講談社
¥1,980(税込)
元デンマーク親善大使で、北欧インテリアの第一人者である行正り香による「北欧インテリアの決定版」。天井照明はいらないのかという照明術から、“自分価値”で見つける北欧家具、日本の家になじむジャパンディ、ウェグナーやケアホルム、レ・クリントといった名作家具・名作照明の知識、ヒュッゲするという時間の使い方、家具を消耗品にしないためのショップの回り方まで扱います。暮らしを大切にする姿勢とインテリアが結びついて語られるのが持ち味です。
こんな人におすすめ
北欧家具や照明をこれから選ぶ人、ジャパンディに興味がある人、名作家具の背景を知りたい人。買い方と暮らし方を同時に考えたいときに。
良い点
- 照明と家具に絞った構成が明快
- 名作家具・名作照明の知識が得られる
- ジャパンディなど日本目線の話も
気になる点
- 北欧家具は価格帯が高めのものが多い
- 著者の価値観が強く出ている
- 照明と家具にテーマが絞られている
出版社
講談社
発売日
2026年04月15日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「天井照明はいらない」という言葉に、ちょっと驚いたんですけど、どういうことなんでしょうか?うちは一本だけぱっとつけているので。
佐藤メバル
そこがこの本の出発点なんだ。北欧の家では、ひとつの大きな明かりで部屋全体を照らすのではなく、いくつも小さな明かりを重ねて、落ち着ける場所をつくっていく。
著者は元デンマーク親善大使で、北欧インテリアの第一人者。暮らしにぬくもりを生む照明術として、その考え方を実例で解き明かしているよ。
橘ナナミ
家具のほうは「自分価値で選ぶ」という言い方が気になりました。流行で選ぶのとは違うんでしょうか?雑誌で見たものを買う、とは違う気がして。
佐藤メバル
そう、「どんな暮らしがしたいのか」という視点で選ぶ、ということなんだ。ウェグナー、ケアホルム、レ・クリントといった名作家具や名作照明の背景も押さえつつ、家具を消耗品にしないためのショップの回り方まで書かれている。
日本の家になじむジャパンディの話もあって、買い物の前に読むと軸ができるよ。
みんなの心地いい部屋づくり日記 私らしい暮らしのスタイルとインテリア。
みんなの日記編集部 著|翔泳社
¥1,320(税込)
自分の暮らしに合った部屋づくりを実践している人気ブロガー&インスタグラマー24人に、部屋づくりのポイントを聞いた一冊。少ないモノでシンプルに暮らす人もいれば、好きな雑貨に囲まれたい人、リビング中心で家族が安心できる部屋を目指す人もいて、家庭ごとに違う暮らしがそのまま並びます。インテリアのプロによる部屋づくりの基本とディスプレイのコツも収録され、実例と基礎の両方を一度に押さえられます。
こんな人におすすめ
自分の生活スタイルに合う部屋づくりを考えたい人、賃貸で工夫している人の実例を見たい人、ブログやSNSで部屋を発信している人。等身大の実例を探したいときに。
良い点
- 24人分と実例の幅が広い
- 賃貸やセルフリノベの例も含まれる
- プロによる基本とコツも収録
気になる点
- 2019年刊で写真の傾向はやや前め
- 1人あたりの掲載量は多くない
- 実例中心で理論の体系化は薄い
出版社
翔泳社
発売日
2019年02月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
24人も載っていると、逆に「自分はどの人に近いんだろう」って迷ってしまいませんか?みんな素敵に見えてしまいそうで。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さでね。家族みんなでリラックスしたい人、無理せず暮らしを楽しみたい人、DIYをこつこつ進めている人、ソウルやドイツで暮らす人まで、立場が本当にさまざまなんだ。
誰かひとりの正解を真似するのではなく、近い暮らしの人を見つけて参考にする読み方に向いている。
橘ナナミ
なるほど。ということは、プロによる解説も入っているんですよね?実例だけだと、どう真似するか迷いそうなので。
佐藤メバル
そう、ブロガーやインスタグラマーの実例だけだと「で、どうすれば?」となりがちなところを、インテリアのプロが部屋づくりの基本とディスプレイのコツとして補ってくれている。
実例と基礎の両方が一冊で押さえられるのは、この手の本では珍しいよ。賃貸で工夫している人の例が入っているのも嬉しいところだね。
増補改訂版 いつまでも美しく暮らす住まいのルール
水越美枝子 著|エクスナレッジ
¥1,760(税込)
機能性と精神性の両方を満たす住み心地のいい家とは何か。300件以上を手掛けてきた建築家が、物が増えても片付けやすく散らからない、時代の価値観に振り回されない家づくりのコツを、豊富な写真と図面で示します。4つのセオリーから始まり、動線と間取り、片付けなくても片付く仕組み、自分らしいインテリア、そして部屋が見違える仕上げのマジックまで。実例集ではなく「仕組み」の本である点が他と一線を画します。
こんな人におすすめ
片付けてもすぐ散らかる家に悩んでいる人、これから家を建てる・改修する人、年齢を重ねても美しく暮らしたい人。仕組みから見直したいときに。
良い点
- 300件以上の実績に基づく内容
- 動線と間取りから考えるのが本格的
- 写真と図面の両方で理解しやすい
気になる点
- 内容は専門的で読み応えが要る
- 実例写真より図面の比重が高い
- 間取り変更を伴う提案が多い
出版社
エクスナレッジ
発売日
2023年03月23日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「片付けなくても片付く」って、そんなことって本当にあるんですか?うちは毎日散らかっています。仕組みの問題だと言われても、ピンと来なくて。
佐藤メバル
あるんだよ、これが。鍵は“動線”なんだ。ものをどこで使って、どこに戻すか——その流れに合っていないと、どんなに収納を増やしても散らかる。
この本は動線と間取りから暮らしを快適にするという章を立てて、片付けの根性論ではなく仕組みとして解いている。
300件以上を手掛けてきた建築家の言葉だから、説得力があるよ。
橘ナナミ
根性論じゃないのはありがたいです。ただ、賃貸に住んでいる身としては間取りを変えられないのがつらいところで……。
佐藤メバル
そこは正直に言うと、この本の提案は間取りに踏み込むものが多い。ただ、美しい住まいのための4つのセオリーや、自分らしいインテリアを楽しむ章、部屋が見違える仕上げの話は、そのまま今の部屋にも持ち込める考え方なんだ。
いつか住まいを選ぶときの基準づくりとして読むのもいいと思うよ。
フィンランド くらしのレッスン
週末北欧部chika 著|集英社
¥1,650(税込)
北欧好きをこじらせた著者が、移住の夢をかなえた先で出会った「くらし」を描くコミックエッセイ。言葉にすること、余白を持つことといったフィンランド人のコミュニケーション術に始まり、自分らしい働き方とキャリア観、自然や文化の楽しみ方、心地よく暮らすための秘訣、そしてフィンランド風の部屋づくりまでをLESSON形式で学んでいきます。インテリアの実例集とは違い、暮らし方そのものが主題。部屋づくりの章は全体の一部として位置づけられています。
こんな人におすすめ
北欧の暮らしや考え方に惹かれる人、海外移住に興味がある人、生き方を見直したい人。インテリアだけでなく暮らし全体を眺めたいときに。
良い点
- コミックエッセイで読みやすい
- 住まい以外の暮らしの章も充実
- 移住した著者の実感が伝わる
気になる点
- インテリア実例集としては物足りない
- 移住前後の情報は限られる
- イラスト中心のため写真は少なめ
出版社
集英社
発売日
2024年08月05日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、インテリアの本というより、移住の話なんですね。ランキングに混ざっているのが不思議な気もします。
佐藤メバル
いや、これが混ざるのが自然なんだよ。LESSON5に「フィンランド風部屋づくりを学ぶ」という章がある。
でもその前に、言葉にすること、余白を持つこと、自分らしい働き方、自然の楽しみ方——暮らしの土台のレッスンが並ぶ。
部屋づくりは暮らし方の結果なんだと気づかせてくれる。
橘ナナミ
なるほど、順番に意味があるんですね。コミックエッセイなら、私でも最後まで読み切れそうです。マンガなら移住の実感も伝わりそう。
佐藤メバル
そこも薦めたい理由でね。北欧好きをこじらせて移住までした人の実感が、マンガとして描かれているから、情報としてだけでなく体験として入ってくる。
インテリアの実例を探している人には物足りないかもしれないけれど、「部屋を整える前に暮らしを整えたい」と思っている人には刺さる一冊だと思うよ。
Okislife ありのままの「ちょうど良い」暮らし
Okisvlog 著|KADOKAWA
¥1,650(税込)
なぜか繰り返し見てしまう動画で人気のOkisvlogが、その「生活力」の秘密を初公開した一冊。動画に映っていない私のことという章から始まり、ライフスタイル、勉強、インテリア・ファッション、料理という5つの章で暮らしの内側を語ります。動画では見えない考え方や習慣まで踏み込んでいるので、映像のファンはもちろん、暮らしを立て直したい人が読んでも発見がある。インテリアは全体の一部として、生活の一部として語られるのが特徴です。
こんな人におすすめ
動画をよく見ている人、生活リズムを整えたい人、勉強と暮らしを両立させたい人、暮らしの習慣を見直したい人。画面の外側を知りたいときに。
良い点
- 動画には映らない話が読める
- 勉強や料理まで暮らし全体を扱う
- 生活習慣の見直しに役立つ
気になる点
- インテリア解説の比重は小さめ
- 動画の内容と重なる部分もある
- ファン向けの色合いが強い
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年12月26日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
動画で人気の方の本なんですね。動画をいつも見ている人にとって、本を読む意味ってあるんでしょうか?正直、動画だけで足りる気もして。
佐藤メバル
そこが「初公開」と銘打たれている理由でね。第1章が「Okisvlogに映っていない私のこと」なんだ。
画面の向こうで何を考え、どう暮らしてきたかは、動画を追っているだけでは分からない。ライフスタイル、勉強、インテリア・ファッション、料理という章立てで、生活の内側を順に開いていくよ。
橘ナナミ
インテリアだけの章じゃないのが面白いですね。これはもう、暮らし全体の本なんですね。勉強や料理まで入っているとは思いませんでした。
佐藤メバル
そう、インテリアとファッションが同じ章に入っているのが象徴的だね。部屋も服も、暮らしの一部として選ばれている。
だから「おしゃれな部屋の作り方」を探している人には物足りないかもしれないけれど、生活そのものを立て直したい人には、暮らし方の手本として読めるんだ。
パリジェンヌの“好き”にこだわるおしゃれと暮らし
トリコロル・パリ 著|幻冬舎
¥1,760(税込)
フランス在住25年の日本人ユニット、トリコロル・パリが、パリに暮らす12人の女性たちに取材した一冊。起業家、彫刻家、デザイナー、モデルなど職業もさまざまな20〜80代のパリジェンヌが、お気に入りのルックやワードローブ、インテリア、スキンケアについて語ります。パリ在住の日本人イラストレーターが描き下ろしたイラストで構成され、お気に入りのレストランや美術館、インテリアショップのアドレスも掲載。読んで楽しいイラストブックです。
こんな人におすすめ
パリの暮らしやファッションに憧れる人、自分の「好き」の軸を見つけたい人、パリ旅行の下調べをしている人。暮らしとおしゃれを一体で眺めたいときに。
良い点
- 20〜80代と世代の幅が広い
- インテリア以外にスキンケア等も
- お店のアドレス情報も掲載
気になる点
- イラスト中心で室内写真は少ない
- ファッションの比重が高め
- パリの実店舗情報は変わりやすい
出版社
幻冬舎
発売日
2025年12月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
パリジェンヌのインテリアって、どんな感じなんでしょう。白と黒でびしっと決まっているイメージがあるんですけど。
佐藤メバル
この本を読むと、そのイメージは少し変わってくるよ。共通しているのは、いつだって自分の“好き”に正直にものごとを選んでいることなんだ。
12人の女性は起業家、彫刻家、デザイナー、モデルと職業も年齢もばらばらで、部屋の作りも本当に多様。お気に入りを軸にした暮らしが、イラストで描かれている。
橘ナナミ
イラストなんですね。写真じゃなくて、イラストで描かれているんですか?おしゃれの本なら写真かなと思っていました。
佐藤メバル
そう、パリ在住の日本人イラストレーターが描き下ろしている。だから切り取られた一瞬ではなく、その人の空気ごと伝わってくる感じなんだ。
お気に入りのレストランや美術館、インテリアショップのアドレスも載っているから、読み物としてもパリ旅行の下調べとしても使えるよ。
北欧のキッチン・アルバム
ジュウ・ドゥ・ポゥム 著|ジュウ・ドゥ・ポゥム
¥1,980(税込)
「キッチンは、みんなが集まる暮らしの中心」——という言葉どおり、あこがれの北欧スタイルのキッチンとおいしい食卓の様子を集めたインテリアブック。素敵なコレクションの並ぶキッチン、黒&白のグラフィカルなキッチン、木のぬくもりに包まれたキッチン、ミニマムなデザインが光るキッチン、スウィートな色使いのキッチン、モノトーンの草原が広がるキッチン、明るい光あふれるオープン・キッチンなど、北欧3か国の多様な実例が並びます。
こんな人におすすめ
キッチンを整えたい人、食器や雑貨のコレクションを楽しんでいる人、オープンキッチンに憧れる人。キッチンまわりから部屋全体を考えたいときに。
良い点
- 北欧3か国のキッチンを比較できる
- スタイルの幅が広く好みが見つかる
- 食卓まわりの写真が充実している
気になる点
- キッチン以外の空間は少なめ
- 2013年刊で情報はやや古い
- 寸法や動線の実用解説は薄い
出版社
ジュウ・ドゥ・ポゥム
発売日
2013年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
キッチンだけの本って、意外と少ない気がします。料理の本なら、本屋さんにたくさんあるのに。そもそもキッチンは物件で決まると思っていました。
佐藤メバル
そうなんだよね。だからこの本の立ち位置は貴重なんだ。「キッチンは、みんなが集まる暮らしの中心」——その言葉どおり、素敵なキッチンとおいしい食卓の場面を、北欧3か国から集めている。
暮らしの中心だからこそ、部屋全体の雰囲気もここで決まるんだよ。
橘ナナミ
北欧のキッチンって、白くてすっきりしたイメージなんですけど、そんなに幅があるんでしょうか?ずっと同じ感じだと思っていました。
佐藤メバル
それが面白いところでね。素敵なコレクションの並ぶキッチン、黒&白のグラフィカルなキッチン、木のぬくもりのキッチン、スウィートな色使いのキッチン、明るい光あふれるオープン・キッチンと、実にいろいろ。
カップがずらりと並ぶコレクターの例もある。自分がどのタイプに惹かれるかを確かめるだけでも、収穫があると思うよ。
カラフル&モダンポップ 海外みたいにセンスのある部屋のつくり方
早[SAKI] 著|大和出版
¥1,650(税込)
連想ゲームで考える、質感と色合いで分類する、柄×柄で遊ぶ——SNSで話題のコーディネーターが、白・黒・茶色に頼らない理想の部屋づくりを明かした一冊。無難な色でまとめるのではなく、好きな色や柄をどう成立させるかという発想と手順が書かれています。インテリア迷子から抜け出して「100%の好き」だけ集めた暮らしを始める、というのが全編のテーマ。北欧テイストの実例集が多いなかで、色そのものを主役に据えている点が際立っています。
こんな人におすすめ
好きな色や柄を部屋に取り入れたい人、無難な配色から抜け出したい人、SNSで部屋を見せるのを楽しむ人。色の扱い方を学びたいときに。
良い点
- 色と柄の扱い方を具体的に学べる
- 白黒茶に頼らない発想が新鮮
- 連想ゲームなど思考法が示される
気になる点
- 掲載されている実例の数は限られる
- 派手な色が苦手な人には不向き
- 理論より実践のトーンが強い
出版社
大和出版
発売日
2022年08月08日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
白・黒・茶色に頼らないって、私にはハードルが高そうなんですけど……。いきなり派手にしろということですか?
佐藤メバル
そこがこの本の面白さでね、いきなり派手にしろという話ではないんだ。連想ゲームで考える、質感と色合いで分類する、柄×柄で遊ぶ——色を選ぶための思考の手順が先に示されている。
だから「好きな色があるのに、部屋では無難な色を選んでしまう」という人の背中を押してくれる。
橘ナナミ
連想ゲームというのは、部屋づくりでどういうふうに使うんですか?色を選ぶときに遊ぶような感覚なんでしょうか。
佐藤メバル
ひとつの色から、それを取り巻くものを連想して広げていくという考え方なんだ。質感や柄と組み合わせて、白・黒・茶に頼らずにまとめていく。
SNSで話題のコーディネーターの人が書いているから、実践のトーンが強いのも特徴だよ。「100%の好き」だけ集めたらどうなるか、試してみたくなるはずだよ。
北欧テイストの部屋づくり no.40
ネコ・パブリッシング
¥1,650(税込)
巻頭実例特集は「心地よさを生むビンテージと暮らす」。使うほど愛着が深まるビンテージアイテムや、バイヤーおすすめの主役級のビンテージ家具を軸に、洗練された空間に溶け込む柔らかい光のライン、冬を彩るブランケット&クッション、インテリア上手10人のファブリック使いなど、北欧テイストを多角的に扱うムックです。フィンランドの水彩画家の紹介やプリントテキスタイルの祭典、無垢の桐材を使った家まで、読み物としての幅も広い。
こんな人におすすめ
ビンテージ家具やテキスタイルに興味がある人、北欧テイストを長く楽しみたい人、ファブリックの使い方を知りたい人。布と古いものから部屋を考えたいときに。
良い点
- ビンテージを軸にした特集が濃い
- ファブリックの実例が10人分ある
- 読み物コンテンツも充実している
気になる点
- ムックのため記事単位で断片的
- ビンテージ家具は入手が難しい
- 特集以外の記事は短めで物足りない
出版社
ネコ・パブリッシング
発売日
2023年11月30日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ビンテージと暮らす」って、アンティークの家具を揃えるのは大変そうなイメージがあるんですけど、実際どうなんですか?
佐藤メバル
そこはこの本の伝え方がうまくてね、使うほど愛着が深まるビンテージアイテムという言い方をしている。
買って終わりではなく、傷がついても味になっていくものとして紹介されているんだ。バイヤーおすすめの主役級の家具から、小さなアイテムまで幅があるよ。
橘ナナミ
ファブリックの記事も多そうですね。布から部屋を考えるというのは、どういうことなんでしょう?カーテンだけ選べばいいのかと思っていました。
佐藤メバル
そう、インテリア上手10人のファブリック使い、冬のブランケット&クッション、柔らかい光のライン——布と光の扱いが厚いのがこの号の特徴なんだ。
しかも巻末には、フィンランドのプリントテキスタイル発祥の地で開かれた催しや、無垢の桐材を使った家の紹介まで入っている。
北欧テイストを布から入りたい人にいいよ。
モダンリビング(268)
ハースト婦人画報社
¥1,899(税込)
「自分が美しい、心地よいと思ったことを実践しているだけ」——豊かな住まいのキーワードは自分らしさで、インテリアはそれを表現する最上のツールだという立場から組まれた特集号。ニュートラルな空間に家具やアートが映える家、おおらかな舞台のなかで家具やアートが躍動するミックススタイル、アートの海を回遊する邸宅の3実例を紹介します。建築家・谷口吉生のデビュー作が新しいオーナーを迎えてよみがえった話や、アートを自分の空間に掛ける愉しみまで、読み応えのある内容です。
こんな人におすすめ
アートを部屋に取り入れたい人、建築と家具の関係に関心がある人、コレクターのモノ選びに興味がある人。住まいの上位版を眺めたいときに。
良い点
- 実例の質が高く写真が美しい
- 建築とインテリアの関係を扱う
- アートの掛け方を対談で学べる
気になる点
- 価格帯の高い住まいの例が中心
- 季刊誌のため入手は限定的
- 実用ノウハウより読み物寄り
出版社
ハースト婦人画報社
発売日
2023年04月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「モダンリビング」って雑誌ですよね。同じインテリアの実例集と、何が違うんでしょうか?値段も少し違いますし。
佐藤メバル
この号の特集がとてもいいんだ。素敵な家を訪ねると住み手は口々に「自分が美しい、心地よいと思ったことを実践しているだけ」と語る——そこから始まって、自分らしさを表現する最上のツールとしてインテリアを捉えている。
実例もニュートラルな空間、ミックススタイル、アートの邸宅と、性格の違う3軒を並べている。
橘ナナミ
アートって、部屋に掛けるのは難しそうだなと思っていたんです。そういう人も読んで大丈夫なんでしょうか?
佐藤メバル
その悩みに真正面から答えてくれるのがこの号でね。室内のスタイリングを長く手掛けてきた編集長が、ギャラリーの代表をゲストに迎えて、アートの魅力から自分の空間に作品を掛ける醍醐味まで話している。
さらに、建築家・谷口吉生のデビュー作が新しいオーナーを迎えてよみがえった話も収録されていて、読み物としても濃いんだよ。
「眺める用」「学ぶ用」「手を動かす用」——3つの役割で棚を分ける
橘ナナミ
さっきの3つの役割って、どう使い分ければいいんですか? ひとつに絞らないといけないんでしょうか。
佐藤メバル
むしろ併読するものだよ。順番は「眺める用」→「学ぶ用」→「手を動かす用」。まず『マリメッコのデザイナーの暮らし』や『北欧のキッチン・アルバム』のような実例を眺めて、自分が反応した色や配置に印をつける。次に『スタイルで選ぶマンション・インテリアの教科書』のような理論書で、なぜそれが心地よく見えるのかを言葉にする。最後に『「クリエーターの家」から学ぶインテリアの秘訣idea 169』のように、カラーコーディネート・雑貨の飾り方・家具の配置・照明の演出がアイデア単位で並ぶ本を開いて、実際に手を動かす。
橘ナナミ
眺めるだけの本にも意味があるんですね。
佐藤メバル
あるよ。ただ、写真集を理論書だと思い込むと失敗する。『Tokyo style』のように、マスコミが流す美しい空間のイメージではなく、実際に暮らしている部屋を写した本は、真似するための手順書ではなく視点をもらう本だ。役割を取り違えなければ、同じ1冊が何年も効いてくる。
書店での中身チェックと、読み終えた後の動き方
橘ナナミ
通販だと中身が見られないのが不安です。書店で確認するなら、どこを見ればいいんでしょう。
佐藤メバル
5つ見てほしい。ひとつ、奥付の発売年と版。ふたつ、目次——PARTや章が「手順」で並んでいるか「実例」で並んでいるか。みっつ、図版が写真頼みか、図解や寸法の情報があるか。よっつ、著者が実務の立場で書いているか。たとえば水越美枝子さんは建築家として数多くの住まいを手がけてきた人で、その視点でセオリーを整理している。いつつ、索引や用語集の有無。ここを見れば、自分が求める役割の本かどうかは数分で判断できる。
橘ナナミ
なるほど。買った後は何をすればいいんでしょう。
佐藤メバル
読む前に、まず自室を採寸して写真を撮る。できれば同じアングルで朝と夜の2回。それから本を読みながら、気になった箇所を付箋で留めて、真似したい要素をひとつだけ選んで実際に配置を変えてみる。『注文住宅とリノベーションで実現させた憧れの家』のように注文住宅やリノベーションの実例を扱う本は、第五章に教科書的なパートが置かれているので、夢を膨らませる部分と検討材料を拾う部分を分けて読むといい。動かしてから写真を撮り直すと、本のどこが役に立ったかがはっきり見えてくる。
橘ナナミ
失敗しがちなのは、どんなパターンですか?
佐藤メバル
写真の美しさだけで選んで、自分の部屋の広さや日当たりを無視してしまうケース。あとは「こうでなければ」と思い込むこと。『日本の住まいで楽しむ 北欧インテリアのベーシック』が挙げている5つのベーシック——住まいのベースは白、灯りはいくつも重ねる、素材とモチーフは自然から、色と積極的に付き合う、自分らしさを大切にする——は、縛るルールではなくアレンジのための基礎だと、著者自身が位置づけている。同じ本は日本と北欧の相性を、リノベーションした自邸で確かめている。その姿勢ごと受け取るのがいちばんいい。
よくある質問
インテリア初心者は、どの本から読めばいいですか?
橘ナナミ
インテリア初心者は、どの本から読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず『スタイル別にわかるインテリアの基本 新装版』で自分の好みのスタイルを見つけるのが最初の一歩です。スタイル別にポイントが整理され、家具や照明の選び方、部屋選びやプチリフォームの話まで入っています。次に『スタイルで選ぶマンション・インテリアの教科書』で配色・レイアウト・照明計画を埋めると、好みと根拠の両方が手に入ります。
実例写真が多い本と理論書は、どちらを先に読むべきですか?
橘ナナミ
実例写真が多い本と理論書は、どちらを先に読むべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
実例写真集が先です。眺めて自分の反応を確かめないまま理論に入ると、言葉だけが残ってしまいます。実例で引っかかった色や配置をメモし、その理由を理論書で確認する順番が定着しやすいです。
インテリア本は紙とKindle、どちらで買うべきですか?
橘ナナミ
インテリア本は紙とKindle、どちらで買うべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
実例写真が主役の本は紙が有利です。判型と色の再現がそのまま情報になるからです。逆に用語集や素材集のように何度も引き返す本は電子が便利で、検索性を活かせます。迷ったら図書館で試してから決めるのが確実です。
おしゃれな部屋づくりに本当に役立つ本はどれですか?
橘ナナミ
おしゃれな部屋づくりに本当に役立つ本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
『行正り香のインテリア』は家具のそろえかたからライティング、窓の使い方、飾りかたまでPART単位で整理されていて実践的です。装飾の引き出しを増やしたいなら『北欧流インテリアがあか抜ける飾り方のルール30』が、30のルールを多くの実例写真とともに示しています。
名作椅子や北欧インテリアを学べる本はありますか?
橘ナナミ
名作椅子や北欧インテリアを学べる本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
『照明と家具からはじめる 北欧インテリア』では、ウェグナー、ケアホルム、レ・クリントといった名作家具や名作照明に触れられます。日本と北欧の相性から入るなら『日本の住まいで楽しむ 北欧インテリアのベーシック』が、5つのベーシックを自邸の実践とあわせて紹介しています。
インテリアコーディネーター資格を目指すなら、どの本が役立ちますか?
橘ナナミ
インテリアコーディネーター資格を目指すなら、どの本が役立ちますかについて教えてください。
佐藤メバル
試験の出題範囲や公式教材は実施団体が公表する資料で必ず確認してください。そのうえで知識を厚くする用途なら、配色・レイアウト・照明計画を体系立てた『スタイルで選ぶマンション・インテリアの教科書』や、内装材や仕上げまで踏み込む『インテリアの解剖図鑑』が補助になります。
予算をかけずに部屋を変えたい人向けの本は?
橘ナナミ
予算をかけずに部屋を変えたい人向けの本はについて教えてください。
佐藤メバル
『イェンセン家の北欧スタイルの暮らしと手作り』は、初心者でも作れるハンドメイドの生活雑貨を提案しています。賃貸の実例も多い『みんなの心地いい部屋づくり日記』、片付けの設計から入る『増補改訂版 いつまでも美しく暮らす住まいのルール』も、お金をかけずに効果が出る方向の一冊です。
改訂版や新装版が出ている本の見分け方は?
橘ナナミ
改訂版や新装版が出ている本の見分け方はについて教えてください。
佐藤メバル
奥付の発売年と版の表記を見るのが基本です。タイトルに「増補改訂版」「新装版」と付いていれば改訂を経たものなので、図版や情報が更新されている可能性があります。出版社のサイトで現行版を確認してから買うと、買い直しを避けられます。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、本棚の組み立て方が変わりました。実例本って、数が多いからこそ「自分がどの段階にいるか」を先に決めるのが大事なんですね。
佐藤メバル
そう。ぼくが書店員だったころも、いちばん多い相談が「何から読めばいいですか」だった。答えは決まっていて、まず眺めて、自分の反応を確かめる。それが『みんなの心地いい部屋づくり日記』や『Okislife ありのままの「ちょうど良い」暮らし』のように暮らし方から入る本でも、『カラフル&モダンポップ 海外みたいにセンスのある部屋のつくり方』のように連想ゲームで色を選ぶ本でも、入口としてなら同じ役割を果たしてくれる。
橘ナナミ
入口が違っても、出口は自分の部屋なんですね。
佐藤メバル
逆だよ。出口は自分の部屋で、入口は本にいくつあってもいい。ただ、いまの自分の部屋の広さ・日当たり・予算——ここを無視すると、どんなにいい本も絵空事になってしまう。『パリジェンヌの“好き”にこだわるおしゃれと暮らし』のように、20〜80代の12人が自分の“好き”を基準に選んでいる実例に触れると、その軸の作り方がいちばんの収穫だったりする。
橘ナナミ
誰かの真似をすることがゴールじゃない、ということですか。
佐藤メバル
そういうこと。そして最後は、本を閉じて手を動かす。本に載っている部屋は、どれも誰かの「読み終えた後」なんだよ。
橘ナナミ
なんだか、実例本が自分の部屋を照らし返してくれる灯りみたいに思えてきました。
佐藤メバル
いい比喩だね。窓明かりを眺めているうちに、自分の部屋の輪郭が見えてくる。だからこのジャンルの本は、一冊で完成させる必要なんてないんだよ。
