囲碁の詰碁の本のおすすめ人気ランキング22選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、囲碁の詰碁の本を調べているんですけど、書店の棚もネットも種類が多くて、どれから見ればいいのか分からなくなってしまって。しかも「詰碁」と「死活」という言葉が混ざって出てくるんです。同じものなんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。まずそこを整理しよう。詰碁は、限られた石の形のなかで「この白石は生きているか、殺せるか」を決まった手数で読み切る問題のこと。死活問題もゴールは同じだけど、実戦に出てくる形をそのまま切り取ったものを死活問題と呼ぶことが多い。詰碁は読みの筋を鍛えるために作られた、いわば人工的な形だと思っておくといい。
橘ナナミ
なるほど、ゴールが同じで、作られた形かどうかが違うんですね。じゃあ詰碁をやると、具体的に何が強くなるんですか?
佐藤メバル
大きく三つ。一つは筋を覚えること。二つめは読みの長さと正確さを鍛えること。三つめは、これは見落とされがちなんだけど、詰碁そのものを鑑賞する楽しみ。書店員だったころ、「詰碁は芸術だ」と言うお客さんがいて、最初はぴんとこなかったんだ。でも、張栩の『張栩の捨て石詰碁 上』のようにテーマを絞った本を読むと、これは問題集というより作品集だなと分かってくる。
橘ナナミ
問題集というより作品集……。でも私みたいな初心者だと、いきなりそういう本は難しそうです。
佐藤メバル
そこが今日いちばん話したいところ。タイトルに「基本」とあっても、中身のレベルは本当に幅がある。だから今日は、目的と棋力の二つの軸で、実際の書名を挙げながら選び方を整理していこう。
囲碁の詰碁の本の選び方
目的で選ぶ — 筋を覚える/読みを鍛える/鑑賞する
佐藤メバル
まず目的から。「筋を覚えたい」なら、同じ形や同じ手筋を反復させる構成の本が効く。山田晋次の『全問実戦形! そのまま使える基本詰碁集』は、同じ形からの派生形や同じ筋を使う問題をグルーピングして並べている。似た形を続けて解くので、筋が定着しやすい。
橘ナナミ
ランダムに解くより、似た形が固まっているほうが覚えやすいんですね。
佐藤メバル
そう。「読みの長さを鍛えたい」なら、手数が明示されている本がいい。三村智保の『読みが楽しく、強くなる実戦詰碁』は7手、9手、11手と長めの読みを扱いながら、初手が見つけやすい問題や基本手筋だけで解ける問題を集めている。長い手順を楽しく読ませる設計になっているのがいいところだね。「鑑賞したい」ならテーマを絞った本で、『張栩のワタリ詰碁』はワタリをテーマに、シノギの妙手や相手を倒す技としての問題を集めている。
手数で選ぶ — 1・3・5手か、長手数か
橘ナナミ
手数というのは正解までの手のことですよね。短いほうがやさしいんでしょうか。
佐藤メバル
おおむねそうだけど、短ければ簡単とは限らない。一手の急所を見抜けと言われると、これが意外と難しい。青木紳一の『死活の基礎完成! 1・3・5手の詰碁』は1手、3手、5手と手数が決まっていて、1手から3手で読みの基礎と実戦に頻出の手筋を身につけ、5手はそこで覚えた手筋を使えば解けるように作ってある。段階の設計がはっきりしているから、最初の一冊に向く。
橘ナナミ
手数が決まっていると、どこまで読めばいいか分かって安心です。
佐藤メバル
伊藤健良の『3手、5手の読み! 筋が良くなる基本詰碁200』も、全問が3手か5手で解ける構成。しかも碁石の配置ではなく文字詰碁、つまり文字と数字で表した図で出題されている。見慣れないけど、碁盤の配置よりとっつきやすいと感じる人も多い。
棋力で選ぶ — タイトルの級位・段位を信じすぎない
橘ナナミ
ここが一番知りたいです。タイトルに「初段になれる」と書いてあると、それを信じていいのかなって。
佐藤メバル
結論から言うと、タイトルは目安として便利だけど、過信は禁物。『初段になれる詰碁』のような書名は励ましでもある。出版社と著者が想定した読者層と、君の実力がずれていることはよくあるんだ。だから自分で数問解いて、手が止まらずに進むかどうかで判断するのがいちばん確実。
橘ナナミ
本屋さんで実際に開いて確かめる、と。
佐藤メバル
そう。あと有益なのは、本のほうにレベル表示があるもの。星川航洋の『中盤戦で差がつく! 実戦形詰碁トレーニング』はレベル1から5まで分かれていて、7級〜5級、4級〜1級、初段〜三段、四段〜六段、七段以上という内訳が示されている。自分がどの帯か分かれば、取り組む範囲を決めやすい。
問題数と入手性で選ぶ — 反復できるか、今買えるか
橘ナナミ
問題数は多いほうがいいんでしょうか。
佐藤メバル
反復を前提にすると、多ければいいわけではないんだ。でも「1冊をやり切った」という手応えは大事。『ひと目の詰碁』は全160問を文庫サイズに収めたロングセラーで、難しい問題を時間をかけて解くより簡単な問題を数多く解くことが級位者には上達の早道、というのが趙治勲の考え方。持ち歩きやすさも含めて、繰り返しに向いている。
橘ナナミ
文庫サイズなら通学の電車でも開けますね。
佐藤メバル
そこも実は大きい。あと忘れがちなのが入手性。同じ本でも新版と旧版では図や解説が変わっていることがあるし、品切れや絶版になっているものもある。『ひと目の詰碁』のように、別のタイトルから改題して文庫に入り直した例もある。書名と版元を確認してから買うのが安全だよ。
橘ナナミ
タイトルだけで探すと、古い情報をつかんでしまうんですね。
囲碁の詰碁の本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、22冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
囲碁の詰碁の本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
ひと目の詰碁
趙治勲 著|マイナビ出版
¥1,364(税込)
詰碁は難問を時間をかけて解くより、簡単な問題を数多くこなすほうが級位者の上達は早い——趙治勲さんのその考え方に貫かれた基本詰碁集です。もともと「一手の詰碁大集合」として出た本を、MYCOM囲碁文庫の企画第二弾としてタイトルを変えて再販したもの。ひと目で筋が見える問題を160問収め、繰り返し解くうちに手が自然に動くようになります。長く三大タイトルを保持し、第二十五世本因坊の称号を持つ著者ならではの、贅肉のない出題です。
こんな人におすすめ
囲碁を覚えたばかりで、まず何を解けばいいか分からない人。一問に長く悩むのが苦手で、短い問題をテンポよくこなしたい人。手筋の名前はまだ覚えていないけれど、繰り返しで感覚をつかみたい級位者。
良い点
- 全160問で反復しやすい
- 難問がなく挫折しにくい
- 文庫として再販された一冊
気になる点
- 難問や高難度は含まれない
- 有段者には易しすぎる
- ひと目で解ける短い問題中心
出版社
マイナビ出版
発売日
2003年06月02日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁って、まず何から手をつければいいんでしょう。お店に並んでいる詰碁集、どれも同じに見えてしまって……。
佐藤メバル
いい入口の質問だね。最初に選ぶなら、難しい問題をじっくり考えるより、簡単な問題をたくさん解くタイプの本が向いています。
この『ひと目の詰碁』はまさにその考え方で作られていて、ひと目で筋が見える問題を160問収めています。
もともと別のタイトルで出た本を、囲碁文庫の企画として再販したものなんですよ。
橘ナナミ
160問って多いですね。全部やらないと意味がないですか?
佐藤メバル
順番に全部やる必要はありません。ただ、この本の狙いは繰り返し解くことで詰碁の筋を自然に覚えることなので、一度解いて終わりより、同じ問題を何度も回すほうが効きます。
著者の趙治勲さんは長く三大タイトルを保持し、第二十五世本因坊の称号も持つ方。そういう人の基本問題集だからこそ、無駄がないんですよ。
やさしい詰碁
日本棋院
¥1,100(税込)
日本棋院から出ている入門から初級向けの一冊。「詰碁とは」から始まり、眼と欠け眼(生きる問題・殺す問題)、二眼の境界線、レベルアップ編・総合問題、ダメヅマリ編・総合問題、セキ・生きる問題、コウ、という順に進みます。石が生きるか死ぬかの境目を、用語の意味から積み上げていける構成です。解いてみよう、強くなれる、うれしくなる、実践が楽しくなる——解く喜びを優先した作りの詰碁集です。
こんな人におすすめ
詰碁という言葉すら覚えたてで、まず死活の考え方を知りたい人。セキやコウといった用語を問題の中で確認したい人。短い問題で、毎日少しずつ囲碁に触れていきたい初心者。
良い点
- 用語の説明から始まる
- 目次がテーマ別で整理
- セキやコウも収録
気になる点
- 問題数は多くない
- 上級者には易しすぎる
- 難問は期待できない
出版社
日本棋院
発売日
2013年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの本が数をこなすタイプだとしたら、次はどんな入口があるんですか?
佐藤メバル
今度は、用語の意味から積み上げていくタイプを紹介します。日本棋院の『やさしい詰碁』は、まず「詰碁とは」から始まって、眼と欠け眼、二眼の境界線、ダメヅマリ、セキ、コウという順に並んでいます。
生きる問題と殺す問題を対で並べてくれているので、石の生死の境目が頭に入りやすいんです。
橘ナナミ
セキとかコウとか、聞いたことはあるんですけど、説明はできないです……。
佐藤メバル
それならちょうどいい。この本は用語を覚えてから問題、ではなく、その用語が出てくる形を問題で体験していく作りです。
解いてみよう、強くなれる、うれしくなる、実践が楽しくなる——まず楽しさを優先している。最初の一冊をとにかくやさしく行きたい人に向いていますよ。
盤上全取り! やさしい詰碁練習帳
牛窪義高 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
「盤中詰碁」という形式で、すべての問題を解くと盤上の石が全部取れる——という趣向が最大の特徴です。牛窪義高九段は『碁は戦略』『碁の戦術』などの名著を書いた方で、その人が贈る詰碁集でもあります。取るだけでなく、逆に盤上の石が全部生きる問題も出題され、死活を両側から磨けます。付録には欠け眼やナカデといった基本から、狭める方法や急所の応用までを扱った講座付き。全230問、実戦に頻出の形が並びます。
こんな人におすすめ
普通の詰碁集だとやる気が続かない人。解き終えたときの目に見える結果が欲しい人。欠け眼やナカデを、基本から確認し直したい初級から中級の人。
良い点
- 盤上全取りで達成感がある
- 全230問と問題数が豊富
- 死活のコツ講座が付く
気になる点
- 爽快感重視で難問は少ない
- 全230問は時間がかかる
- 有段者には易しい
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年11月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『盤上全取り』って、タイトルからしてもう気持ちよさそうですね。
佐藤メバル
そこがこの本の売りなんだ。盤中詰碁という形式で、問題を解いていくと盤上の石が最後には全部取れるようになっている。
石を取る爽快感を味わいながら、確かなヨミの地力がつくように作られています。付録の死活講座も、欠け眼やナカデの基本から急所の応用まで丁寧です。
橘ナナミ
取るだけじゃなくて、生きる問題も入っているんですか?
佐藤メバル
そう、逆に盤上の石が全部生きる問題も出題されていて、死活の両方をバランス良く磨ける。著者の牛窪義高九段は『碁は戦略』『碁の戦術』といった名著を書いた方です。
全230問、やさしいながらも実戦に頻出の形ばかりなので、たくさん解くほどメキメキ上達する作りになっていますよ。
基礎完成 最速上達詰碁200
林海峰 著|マイナビ出版
¥1,419(税込)
「サンケイスポーツ」に掲載された林海峰名誉天元の詰碁から200題を収録した一冊。解きやすさを軸にしながら、重要手筋を使う問題を多く出題しているのがポイントで、読みの練習と手筋の習得を同時に狙えます。巻末には「挑戦問題」が30題用意され、繰り返し挑戦して解けるようになる過程で棋力の向上を実感できる構成。基礎を固めたい人が、毎日の習慣として使える詰碁集です。
こんな人におすすめ
毎日コツコツ同じペースで解きたい人。手筋を名前ではなく形で覚えたい人。新聞の棋譜欄が好きで、解説の語り口に馴染みがある人。
良い点
- 200題と挑戦問題30題
- 手筋の習得も狙える
- 解きやすい問題が中心
気になる点
- 有段者には易しめ
- 派手な仕掛けはない
- 反復が前提の構成
出版社
マイナビ出版
発売日
2017年05月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新聞に載っていた詰碁が、そのまま本になることもあるんですね。
佐藤メバル
あるんだよ。これは「サンケイスポーツ」に掲載された林海峰名誉天元の詰碁から200題を選んだもの。重要手筋を使う問題を多く集めているので、読みの練習と手筋の習得が同時にできます。
巻末の「挑戦問題」は30題あって、繰り返し挑戦して解けるようになると伸びを実感できます。
橘ナナミ
手筋って、名前を覚えるものだと思っていました。
佐藤メバル
名前より形で覚えるほうが、実戦で使えるんだよね。この本は解きやすい問題が中心で、繰り返し解くことを前提に作られています。
毎日少しずつ、同じペースで進めたい人に向いている。基礎を固める段階の一冊としてちょうどいい分量ですよ。
3手、5手の読み! 筋が良くなる基本詰碁200
伊藤健良 著|マイナビ出版
¥1,474(税込)
全問が「文字詰碁」、つまり囲碁特有の配置ではなく文字で並べられた形で出題される、革命的な作りの詰碁集です。さらに正解手順がすべて3手か5手で終わるように作られていて、長い手順を読み切る必要がありません。実戦に頻出の重要手筋だけを答えればスッキリ正解できる仕組みで、詰碁が苦手な人の入口にも、すでに解ける人の筋の整理にも使える200題。著者は伊藤健良さんです。
こんな人におすすめ
盤面の配置を見ただけで疲れてしまう人。まず着手の感覚をつかみたい初心者。短い手順でテンポよく筋を確認していきたい中級者。
良い点
- 全問文字詰碁でとっつきやすい
- 3手か5手で必ず解ける
- 重要手筋に絞られている
気になる点
- 長い読みの練習にはならない
- 上級者には物足りない
- 実戦形とは限らない
出版社
マイナビ出版
発売日
2019年11月21日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「文字詰碁」って、どういうことですか?
佐藤メバル
普通の詰碁は碁盤の配置がそのまま図で出るけれど、これは問題が文字で並べられている。囲碁特有の見慣れない配置より、とっつきやすい形になっているんです。
それに全問、正解手順が3手か5手で終わるように作られています。
橘ナナミ
10手とか読まなくていいんですか。それなら私でも手が出そうです。
佐藤メバル
そう、詰碁は最終手まで読み切ろうとすると10手くらいかかる問題も多いけれど、この本は実戦に頻出の重要手筋だけを答えれば正解にたどり着ける。
詰碁が苦手な人の入口にも、すでに解けている人の筋の整理にも向いています。著者は伊藤健良さんです。
死活の基礎完成! 1・3・5手の詰碁
青木紳一 著|マイナビ出版
¥1,474(税込)
正解の手数が1手・3手・5手と決まっている詰碁集です。1手から3手までで読みの基礎と実戦に頻出の手筋を身につけ、5手は少し難易度が上がるものの、1手から3手で覚えた手筋を使えば解けるように設計されています。解けない問題でも解答を見るだけで効果がある、と気軽に取り組めるのが特徴。1手の詰碁、3手の詰碁、5手の詰碁、総合問題、挑戦問題という5章立てです。
こんな人におすすめ
1手ずつ階段を上がるように進めたい人。手数が決まっているほうが安心する人。解けなくても解答を読んで前に進みたい初学者。
良い点
- 手数ごとに章が分かれている
- 解答を見るだけでも効果がある
- 総合問題と挑戦問題付き
気になる点
- 手数の長い問題はない
- 難関を求める人には物足りない
- 反復が前提の構成
出版社
マイナビ出版
発売日
2022年04月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
また1・3・5手の本ですか? さっきのと何が違うんでしょう。
佐藤メバル
同じ手数でも作りが違うんだ。こちらは青木紳一さんの本で、1手、3手、5手と章が分かれている。5手の問題も、1手から3手で覚えた手筋を使えば解けるようにできているのがミソです。
橘ナナミ
5手って聞くと、ちょっと身構えちゃいます。
佐藤メバル
そこは大丈夫。解けない問題でも、解答を見ていただくだけで効果がある——というのがこの本の考え方です。
だから気軽に取り組んでいい。1手の詰碁、3手の詰碁、5手の詰碁、総合問題、挑戦問題と並んでいるので、自分の現在地が分かりやすい構成になっていますよ。
囲碁人ブックス 解くたびに強くなる 井山裕太の基本詰碁
井山裕太 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
2016年、囲碁がさまざまなニュースで取り上げられた年、「囲碁を覚えたい」「強くなりたい」という声に第一人者・井山裕太七冠が応えた一冊で、手筋編と対になる詰碁編です。第1章「絶対に覚えたい基本死活」、第2章テーマ別問題、第3章総合問題という構成で、覚えるべき死活から順に積み上げられます。コラムには「アルファ碁について」と「私の師匠、石井邦生九段」を収録。問題集でありながら読み物としても楽しめます。
こんな人におすすめ
一流棋士がどう考えているかに興味がある人。詰碁だけでなく読み物も欲しい人。基本死活をひと通り押さえておきたい初級から中級の人。
良い点
- 基本死活から始められる
- コラムが読み物として面白い
- 手筋編と揃えられる
気になる点
- 問題数は絞られている
- 難問級は少ない
- 級位者にはやや速い
出版社
マイナビ出版
発売日
2016年10月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
井山裕太さんの名前は聞いたことがあります。すごい人なんですよね?
佐藤メバル
2016年当時、七冠だった方です。この本は、囲碁を覚えたい、強くなりたいという声に応える形で作られた、手筋と詰碁のセットの詰碁編。
第1章が「絶対に覚えたい基本死活」で、そこからテーマ別、総合問題へと進みます。
橘ナナミ
コラムも入っているんですね。詰碁と関係あるんですか?
佐藤メバル
「アルファ碁について」と「私の師匠、石井邦生九段」の二本です。問題を解く合間に読むと、この方がどういう環境で強くなってきたのかが伝わってきます。
詰碁集でありながら、読み物としても成立しているのが珍しいところ。基本死活を一冊で押さえたい人に向いていますよ。
基礎から始める 河野臨の詰碁
河野臨 著|マイナビ出版
¥2,079(税込)
河野臨九段による初の詰碁集で、「シンプルで解きやすい問題を」という方針のもと、全問が黒先白死で統一されています。結果が分かってしまうのではと心配する人もいますが、短い手順の中にアッと驚くような手筋や読み応えのある変化が隠れていて、全問で新鮮さを味わえるのが河野詰碁のすごいところ。「改めて出題!」「白の立場で!」「決め手を探せ!」など、一題を多角的に楽しむ工夫も。オリジナル104題、派生問題を含めると230題の大ボリュームです。
こんな人におすすめ
同じ形をいろいろな角度から考えたい人。白の立場で抵抗を読む練習をしたい人。級位者から有段者、さらにプロクラスまで幅広く挑んでみたい人。
良い点
- 黒先白死で統一され迷わない
- 派生問題含め230題と豊富
- 出題形式が工夫されている
気になる点
- 全問同条件で単調に感じる人も
- 高難度も含み歯ごたえがある
- 価格はやや高め
出版社
マイナビ出版
発売日
2018年09月12日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「全問黒先白死」って、答えの形が最初から分かっているってことですよね。それってつまらなくならないんですか?
佐藤メバル
そこが逆なんですよ。河野臨九段の詰碁は、条件を絞ったぶん、短い手順の中にアッと驚く手筋が隠れている。
だから結果を知っていても楽しめる。それに「改めて出題!」「白の立場で!」「決め手を探せ!」と、一題を違う角度から味わう出題形式が工夫されています。
橘ナナミ
白の立場で考えるって、やったことがないです。
佐藤メバル
抵抗する側の手を読むのは、実戦でもそのまま役に立ちます。オリジナルが104題、派生問題も含めると230題。
難易度は級位者から有段者向けが中心で、高段者向けからプロクラスのものまで含まれています。著者にとって初の詰碁集という気合の入り方が、そのまま問題の密度に出ていますよ。
手順つき実戦詰碁100
日本囲碁連盟 著|ユーキャン
¥1,540(税込)
定石や布石は実戦で同じ手順になるから学びがいがあるのに、詰碁はなかなかその形にならないからやる気が起きない——というアマの本音から出発した一冊。日本囲碁連盟と協力して、定石・常型・アマ実戦を一題ずつ調べて作ったリアルに解ける問題集です。繰り返し解けば読みの力が深まるだけでなく、実戦で即効力を発揮します。監修は石田芳夫さん。100題という分量も取り組みやすいところです。
こんな人におすすめ
詰碁を解いても実戦で出てこないと感じている人。定石の形から死活を考えたい人。まず100題で一区切りつけたい中級者。
良い点
- 実戦に出る形だけを収録
- 100題で区切りがいい
- 石田芳夫監修の信頼感
気になる点
- 上級者には易しめ
- 変化の網羅は多くない
- 基本問題集は別途必要
出版社
ユーキャン
発売日
2011年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁って、解いても実戦で同じ形にならない気がするんですよね。
佐藤メバル
それは多くの人が感じていることです。この本はまさにその声から生まれました。定石や布石は実戦で同じ手順になるから学びがいがあるのに、詰碁はなかなかその形にならない。
だから日本囲碁連盟と協力して、定石・常型・アマの実戦を一題ずつ調べて作ったんです。
橘ナナミ
それ、ものすごく手間がかかっていそうですね……。
佐藤メバル
苦労した甲斐があって、リアルに解ける問題集に仕上がっています。繰り返し解けば読みの力が深まるのはもちろん、実戦で即効力を発揮する。
監修は石田芳夫さんです。100題という数も、ちょうど一区切りつけやすい分量なんですよ。
実戦ですぐに使える詰碁
山下敬吾 著|日本文芸社
¥1,045(税込)
囲碁が強くなりたい人に向けた、詰碁に絞った問題集です。基本的な問題からハイレベルな問題まで、読者のレベルに合わせた150問の手筋問題を、19路盤の大きな碁盤イラストで紹介しているのが特徴。第1章ウォーミングアップ編、第2章基礎編、第3章ステップアップ編、第4章応用編、第5章発展編と、各章がSTEP1・STEP2に分かれていて、自分の段階を確かめながら進められます。著者は山下敬吾さんです。
こんな人におすすめ
図が小さくて読みにくいと感じていた人。段階を追って無理なく上げたい人。手筋問題を通して死活に強くなりたい初級から中級の人。
良い点
- 19路盤の大きな図で見やすい
- 5章×STEP構成で段階的
- 150問と手頃な分量
気になる点
- 発展編は歯ごたえがある
- 図が大きいぶん厚みがある
- 入門者は基礎編から
出版社
日本文芸社
発売日
2015年09月30日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁の本って、図が小さくて、どこに石があるか分からなくなることがあるんです。
佐藤メバル
それは実用的な不満だね。この山下敬吾九段の本は、19路盤のイラストを大きく使って、盤面を見やすく紹介しているのが売りです。
基本からハイレベルまで150問を、ウォーミングアップ、基礎、ステップアップ、応用、発展と並べています。
橘ナナミ
各章がSTEP1・STEP2に分かれているのは、何か意味があるんですか?
佐藤メバル
同じテーマでも少しずつ難しくなるように分けてあるんだと思う。だから自分の段階に合わせて、STEP1で確認してからSTEP2に進むという使い方ができる。
詰碁で死活に強くなろう、というのがこの本の一貫したテーマですよ。
全問実戦形! そのまま使える基本詰碁集
山田晋次 著|マイナビ出版
¥1,474(税込)
「詰碁は実戦によく出てくる形の問題をたくさん解きましょう」という定番の助言を、さらに一歩進めた一冊。漠然と解くのではなく、同じ形からの派生形や同じ筋を使う問題をグルーピングして出題しているので、より効率的な上達が見込めます。詰碁作家として数多くの著作を出してきた山田晋次六段が、練りに練った形で問題を作っているのも安心材料。一局に一度は出てくる形や筋が学べ、繰り返せば確かな実力が身につきます。
こんな人におすすめ
詰碁集が多くてどれを選べばいいか分からない人。似た形をまとめて覚えたい人。実戦でそのまま使える形に絞って練習したい中級者。
良い点
- 全問実戦形でムダがない
- 派生形ごとにまとまっている
- 詰碁作家として定評のある著者
気になる点
- 変わった形は出てこない
- 易しめの問題が中心
- 分量は標準的
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年01月23日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「グルーピング」って、具体的にどういうことですか?
佐藤メバル
同じ形からの派生形、同じ筋を使う問題を、まとめて並べて出題しているということ。ばらばらに解くより、似た形を続けて解くほうが効率的に身につくんです。
詰碁作家として数多くの著作を出してきた山田晋次六段が、練りに練った形で作っています。
橘ナナミ
なるほど。似た問題が続くと、だんだん分かってくる感じがしそうですね。
佐藤メバル
そういう狙いです。全問が実戦形で、一局に一度は出てくる形や筋が効率よく学べる。詰碁集はたくさん出ていてどれを選べばいいか分からない、という人が最初に手に取るのにも向いていますよ。
詰碁ドリル(2(初・中級編))
依田紀基 著|廣済堂出版
¥838(税込)
入門を終えた初級・中級の人が、何を勉強すれば強くなれるか確信を持てない——という状況に向けて作られた一冊。詰碁は特に初級・中級者のレベルアップに即効性があり、しかも本格的な上達法だという考えのもと、見開きページで攻防の急所や筋と形を見比べられる画期的な方法を採用しています。攻めるも守るも同じところが急所になることが多い、という碁の性質をそのまま紙面にした構成です。
こんな人におすすめ
入門書を一冊終えて、次に何をすればいいか分からない人。攻めと守りを並べて理解したい人。価格を抑えて一冊試してみたい初級・中級の人。
良い点
- 見開きで攻防を比較できる
- 初級・中級者に即した内容
- 手に取りやすい価格
気になる点
- 上級者には易しい
- 難問は含まれない
- シリーズの2巻目にあたる
出版社
廣済堂出版
発売日
2012年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
入門書は読んだんですけど、その次に何をすればいいか分からなくなっています。
佐藤メバル
そこが一番迷うところだよね。この依田紀基九段の『詰碁ドリル』は、まさにその段階の人のための本で、見開きページで攻防の急所や筋と形を見比べられるという方法を採っています。
碁は攻めるも守るも同じところが急所になることが多いので、それを並べて見られるのは大きい。
橘ナナミ
攻めと守りを別々に覚えなくていいんですね。
佐藤メバル
そう。詰碁には筋や形を身につけるエッセンスが詰まっていて、初級・中級者のレベルアップには特に即効性がある。
繰り返し解いてください、という前提で作られた本です。手に取りやすい価格なのもありがたいところですよ。
楽しく解ける! 孫・星合のまいにち詰碁
孫テツ 著|マイナビ出版
¥1,848(税込)
孫テツ七段と星合志保三段、ご夫妻による新感覚の詰碁集です。最大の特徴は対話形式で解説が進むことで、詰碁が苦手な人でも読み物のように取り組めます。詰碁は難しい問題とじっくり格闘するより、簡単な問題を繰り返し解くことが大切と言われますが、その方針に沿って入門者から解けるやさしい問題ばかりを用意。まず基礎を固めたい人にちょうどいい内容になっています。
こんな人におすすめ
詰碁に苦手意識があって、まず読むところから始めたい人。ひとりで黙々と解くのが苦手な人。入門を終えたばかりで、基礎を固めていきたい人。
良い点
- 対話形式で読みやすい
- 入門者から解ける問題ばかり
- 毎日続けやすい
気になる点
- 難問は収録されていない
- 有段者には易しすぎる
- 継続重視で手応えは控えめ
出版社
マイナビ出版
発売日
2024年04月12日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁って、黙々と解くイメージがあって、続く気がしないんです。
佐藤メバル
それなら、この本はちょっと違います。孫テツ七段と星合志保三段のご夫妻による詰碁集で、解説が対話形式で進んでいく。
詰碁が苦手な人でも楽しく取り組める作りなんですよ。
橘ナナミ
ご夫妻で一冊というのも、なんだかいいですね。
佐藤メバル
しかも内容は、入門者から解けるやさしい問題ばかり。詰碁は難しい問題とじっくり格闘するより、簡単な問題を繰り返し解くことが大切と言われますが、その方針に沿っています。
まず基礎を固めたい人が、毎日少しずつ続けるのに向いた一冊ですよ。
中盤戦で差がつく! 実戦形詰碁トレーニング
星川航洋 著|マイナビ出版
¥1,474(税込)
関西棋院の新星・星川航洋四段による詰碁集で、作風は「実戦形かつ、正解図が鮮やか」。解いた後の爽快感が心地よい問題が並びます。レベル1(7級から5級)からレベル5(七段以上)まで段階が分かれ、レベル3以降にはヒントが多く添えられ、レベル5は分割出題で眼目となる筋だけを考えられる工夫も。基本の筋の組み合わせや意外な筋を探す思考が、そのまま実戦の中盤戦に対応します。
こんな人におすすめ
序盤の布石より、中盤の攻防で差をつけたい人。ヒントを頼りに難しい問題へ挑みたい人。レベル表示で自分の位置を確かめたい有段者。
良い点
- レベル1から5の段階構成
- ヒントが多く手が出る
- 爽快感のある正解図
気になる点
- レベル5は相当に難しい
- 問題数が多く時間が要る
- 中盤向けで序盤は扱わない
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年03月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「中盤戦で差がつく」って、詰碁なのに中盤なんですか?
佐藤メバル
そこがうまいネーミングなんだ。この本のレベル5の問題は、基本的な筋の組み合わせを考えたり、意外な筋を見つけたりする。
その思考が実戦の中盤戦そのものだ、というわけです。作っているのは関西棋院の星川航洋四段で、実戦形かつ正解図が鮮やか。解いた後の爽快感があります。
橘ナナミ
レベルが5段階に分かれているのは助かりますね。
佐藤メバル
レベル1が7級から5級、レベル2が4級から1級、レベル3が初段から三段、レベル4が四段から六段、レベル5が七段以上。
レベル3以降はヒントがたくさん出ていて、レベル5は分割出題で眼目となる筋だけを考えられるように工夫されています。
解き終えるころには、中盤力がかなり変わっているはずですよ。
林漢傑の詰碁 1・3・5手 150題
林漢傑 著|成美堂出版
¥990(税込)
中級から初段レベルを主体に、三手読みの精度を高めることを狙った詰碁集です。一手の詰碁25題、三手の基本詰碁30題、三手の応用詰碁30題、中央の詰碁25題、腕だめしの詰碁40題と、テーマごとに章が分かれています。出題にあたって難易度を初級・中級・上級・初段・有段に区分し、考慮時間の目安やヒント、実力判定ができる「あなたの得点表」を収録。中央の詰碁が入っているのも珍しいところです。
こんな人におすすめ
自分の実力を数字で確かめたい人。中央の死活を練習したい人。三手読みの精度を意識して上げていきたい中級から初段レベル。
良い点
- 得点表で実力判定できる
- 中央の詰碁を収録
- 手数と目的別の章立て
気になる点
- 長手数の問題は少ない
- 上級者には物足りない
- 分量は150題と標準的
出版社
成美堂出版
発売日
2024年12月04日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「あなたの得点表」って、テストみたいでちょっと気になります。
佐藤メバル
そこがこの本の楽しいところ。解いた結果を点数で見られるので、自分の実力が数字で分かるんです。
中級から初段レベルを主体に、三手読みの精度を高めることを狙って作られています。
橘ナナミ
中央の詰碁という章もあるんですね。ふつうは隅ばかりな気がします。
佐藤メバル
そう、一手の詰碁25題、三手の基本30題、三手の応用30題、中央の詰碁25題、腕だめしの詰碁40題という構成で、中央を扱う章が入っているのは珍しい。
難易度は初級・中級・上級・初段・有段に区分され、考慮時間の目安やヒントも付いています。著者は林漢傑さんです。
芝野虎丸の実戦詰碁150題
芝野虎丸 著|成美堂出版
¥814(税込)
死活は石の方向を決めるときの羅針盤になる——という考えのもと、実戦によく現れる死活を中心にまとめた良問150題を収録した一冊です。芝野二冠の実戦譜を踏まえた問題も掲載。難易度は初級・中級・上級・初段・有段に区分され、考える時間の目安やヒント、採点表も付いているので、まずは気軽に挑戦できる構成です。役立つ基本詰碁から腕だめしの実戦死活まで、5章に分かれています。
こんな人におすすめ
実戦の形に近い死活を練習したい人。記録して伸びを確かめたい人。まず気軽に、とにかく一題解いてみたい初級から中級の人。
良い点
- 実戦譜を踏まえた問題がある
- 採点表と時間目安付き
- 5章構成で整理されている
気になる点
- 高難度は限られる
- 基本問題は別途おさえたい
- 級位者には上級章が難しい
出版社
成美堂出版
発売日
2021年04月22日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
一度、自分の棋力を測ってみたい気持ちはあるんです。
佐藤メバル
それなら採点表が付いているものがいい。これは芝野虎丸さんの本で、実戦によく現れる死活を中心にした150題。
芝野二冠の実戦譜を踏まえた問題も入っています。
橘ナナミ
実戦譜から、どうやって問題にするんでしょう?
佐藤メバル
プロの実戦で出てきた形を、死活の問題として出題できる形に整えるんだと思います。難易度は初級から有段までに区分され、考える時間の目安やヒントもあるので、まずは気軽に挑戦していい。
役立つ基本詰碁から腕だめしの実戦死活まで、5章に分かれていますよ。
読みが鋭くなる上野愛咲美の詰碁
上野愛咲美 著|池田書店
¥1,980(税込)
「私の攻撃力の源は、詰碁です」——上野愛咲美さんのその言葉に導かれる一冊。基本的な詰碁の練習問題と、実戦で出てきた死活を問題形式にした実戦的な詰碁問題の2本立てで、プロの実戦でも意外と基本の形が出てくることを実感できます。読みはセンスではなく鍛えられるもので、コツは難しい問題を解かずに楽しんでサクサク解くこと、という方針。囲碁ライターの内藤由起子さんが関わり、詰碁愛を語る章も収められています。
こんな人におすすめ
強くなる実感がほしい人。プロの実戦と基本がどうつながるかを知りたい人。級位者も段位者も、楽しみながら読みを鍛えたい人。
良い点
- 基本と実戦の2本立て
- 本人の言葉が随所に読める
- 級位者から段位者まで対応
気になる点
- 超難問の章は手強い
- 詰碁愛の章は好みが分かれる
- 価格はやや高め
出版社
池田書店
発売日
2024年08月19日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「詰碁仲間が5人くらいいて、ランキングを競っている」って、本当に本に書いてあるんですか?
佐藤メバル
そう、上野愛咲美さん自身の言葉として収められています。この本は基本の練習問題と、実戦で出てきた死活を問題にした実戦的な詰碁の2本立て。
プロの実戦でも意外と基本の形が出てくるんだ、と分かります。
橘ナナミ
毎日300問以上というのは……さすがに真似できないです。
佐藤メバル
そこまで行かなくても大丈夫。読みはセンスではなく鍛えられるもので、コツは難問を解かずに楽しんでサクサク解くこと——というのがこの本の立場です。
囲碁ライターの内藤由起子さんが関わり、詰碁愛を語る章もあります。読みが鋭くなる感覚を味わいたい人に向いていますよ。
読みが楽しく、強くなる実戦詰碁
三村智保 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
読みが楽しくて囲碁をやっている人も、正直読むのはつらいという人もいる——その両方に応える一冊です。シチョウ問題、ゲタ・ユルミシチョウ問題、基本手筋と攻め合い、死活という4章で構成され、7手、9手、11手と手数は長めながら、初手が見つけやすいものや基本手筋だけで解ける問題を集めているので、楽しみながら実力アップが図れます。プロでも詰碁作りに定評のある三村智保九段の本です。
こんな人におすすめ
短い問題に飽きてきた人。シチョウやゲタを体系的に練習したい人。長い読みを苦行ではなく楽しみとして味わいたい中級から上級の人。
良い点
- シチョウとゲタを章立てで学べる
- 初手が見つけやすい問題構成
- 死活の豆知識も載る
気になる点
- 手数が長く時間がかかる
- 初心者にはやや難しい
- 収録量は多くない
出版社
マイナビ出版
発売日
2016年04月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
7手、9手、11手って聞くと、正直しんどそうなんですけど……。
佐藤メバル
でもこの本は、その長さを楽しめるように作られています。初手が見つけやすい問題や、基本手筋だけで解ける問題を集めているので、読むことを苦行にしない。
プロの中でも詰碁作りに定評のある三村智保九段の本です。
橘ナナミ
シチョウって、なんとなく覚えた気になっているだけかもしれません。
佐藤メバル
それなら第1章のシチョウ問題、第2章のゲタ・ユルミシチョウ問題から順にどうぞ。第3章は基本手筋と攻め合い、第4章が死活です。
読み以外にも、基本手筋や死活に関する豆知識が載っていて、読むたびに何か拾える実戦問題集になっていますよ。
初段になれる詰碁
日本棋院
¥1,100(税込)
日本棋院から出ている、初段を目指す人のための詰碁集です。急所を探す問題、石を取って眼を作る問題、巧みに捨て石をする問題、賢く守る問題、ダメヅマリ、そして「急所か広さか」という判断を問う問題、広さの総合問題、コウ、セキ・生きる問題、レベルアップ編と、死活のさまざまな局面をパターンとして整理して並べています。パターンが分かる、コツがつかめる、死活が楽しくなる、という入り口から始められます。
こんな人におすすめ
初段という目標に向けて、死活をひと通り整理したい人。捨て石やダメヅマリの手筋を場面ごとに学びたい人。級位から抜け出したい中級者。
良い点
- 場面ごとに章が分かれている
- 捨て石の使い方も学べる
- 初段という明確な目標
気になる点
- 入門者には早い
- 初段以上には易しめ
- 問題数は多くない
出版社
日本棋院
発売日
2013年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「初段になれる」って、はっきり書いてあると励みになりますね。
佐藤メバル
目標がはっきりしていると、練習もしやすいよね。この本は急所を探す問題から始まって、石を取って眼を作る、巧みに捨て石をする、賢く守る、ダメヅマリ、そして「急所か広さか」という判断を問う章まで並んでいます。
橘ナナミ
急所か広さか、って難しい選択ですよね。私だったら迷いっぱなしになりそうです。
佐藤メバル
その迷いを減らすために、パターンとして整理されている。解いてみよう、パターンが分かる、コツがつかめる、死活が楽しくなる——というのがこの本の入り口です。
コウやセキ・生きる問題、レベルアップ編の総合問題まで入っているので、初段を目指す時期の一冊に向いていますよ。
必殺力のつく詰碁
林海峯 著|マイナビ出版
¥1,408(税込)
「急所を見抜く」力を身につけることを目的とした、林海峰名誉天元による死活三部作の第二弾です。繰り返し解いて、確実に仕留める力を身につける——という狙いがはっきりしている本で、同じ著者の『基礎完成 最速上達詰碁200』が基礎を固める一冊だとすれば、こちらはより「決める」側に重心を置いた一冊。二冊を並べて、基礎から必殺力へと段階を踏む使い方もできます。
こんな人におすすめ
急所がぱっと見えないと感じている人。攻め合いで仕留めきれないと悩んでいる人。林海峰名誉天元の詰碁で基礎から応用へ進みたい中級から上級の人。
良い点
- 急所を見抜く訓練に特化
- 繰り返し前提の構成
- シリーズで段階を踏める
気になる点
- 難度はやや高め
- 分量は多くない
- 基礎編は別途必要
出版社
マイナビ出版
発売日
2013年08月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「必殺力」って、詰碁の本なのに物騒な響きがしますね。
佐藤メバル
でも内容はそのまんまなんだ。これは「急所を見抜く」力を身につけることを目的にした一冊で、林海峰名誉天元による死活三部作の第二弾です。
繰り返し解いて、確実に仕留める力を身につけろ、というコンセプトです。
橘ナナミ
同じ林海峰さんの本で、基礎のほうもありましたよね。
佐藤メバル
『基礎完成 最速上達詰碁200』が基礎を固める本だとすれば、こちらは決める側に重心がある。二冊を並べて、基礎から必殺力へという順で進むのもいい使い方です。
急所がすぐ見えない、攻め合いで仕留めきれない、という人の練習になりますよ。
張栩のワタリ詰碁
張栩 著|マイナビ出版
¥1,848(税込)
「ワタリ」をテーマにした、張栩九段渾身の詰碁集です。ワタリというと石同士を連絡させるくらいの印象ですが、実はもっと有用で奥深い技術で、使いこなせば窮地を脱するシノギの妙手になり、華麗に敵を倒す必殺技にもなります。収録されている問題はどれもくせ者揃いで一筋縄にはいかないぶん、解き終えた爽快感は格別。ワタリという一点に絞ることで、他の詰碁集にはない切り口になっています。
こんな人におすすめ
シノギや連絡の技術を体系的に磨きたい人。ひと味違うテーマの詰碁を解いてみたい中級から上級の人。張栩九段の作風を味わいたい人。
良い点
- ワタリ一点に絞った構成
- シノギと攻めの両方に効く
- 解き終えた満足感が大きい
気になる点
- くせ者が多く手強い
- 入門者には向かない
- テーマが限定される
出版社
マイナビ出版
発売日
2025年02月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ワタリって、石をつなげるくらいの技じゃないんですか?
佐藤メバル
そう思われがちなんだけど、実はもっと有用で奥深い技術なんだ。使いこなせば窮地を脱するシノギの妙手になるし、華麗に敵を倒す必殺技にもなる。
それをテーマにしたのが、張栩九段のこの詰碁集です。
橘ナナミ
ワタリだけで一冊になるんですね。問題はどんな感じなんですか?
佐藤メバル
どれもくせ者揃いで一筋縄にはいかない、と紹介されている。そのぶん解き終えた爽快感はたまらない、という作りです。
詰碁集は隅の死活が中心になりがちなので、テーマをワタリに絞った切り口はかなり珍しい。スリリングな世界を味わいたい人に向いていますよ。
張栩の捨て石詰碁 上
張栩 著|日本棋院
¥1,650(税込)
囲碁界の一時代を築いてきた張栩さんによる、テーマを「捨て石」に絞った詰碁集の上巻です。上巻は「捨て石、数への挑戦」と題され、第1章「ちょこっと捨て石」、第2章「そこそこ捨て石」、第3章「どっさり捨て石」と、捨てる石の量に応じて章が並びます。詰碁づくりの名手としても知られる著者ならではの切り口で、捨て石という発想そのものを問題を通して体に入れられます。出題図一覧も付いています。
こんな人におすすめ
捨て石がうまく使えず、つい石を助けてしまう人。石の大きさや数の感覚を磨きたい人。テーマ別に詰碁を解き進めたい中級から上級の人。
良い点
- 捨て石に特化した珍しい構成
- 章立てが量で分かりやすい
- 出題図一覧で復習しやすい
気になる点
- 上巻のみで下巻を待つ形になる
- 捨て石の理解が前提になる
- 入門者には難しい
出版社
日本棋院
発売日
2021年03月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ちょこっと捨て石」「そこそこ捨て石」「どっさり捨て石」……章の名前が可愛いですね。
佐藤メバル
そこがこの本の分かりやすさでもあるんだ。上巻は「捨て石、数への挑戦」というテーマで、捨てる石の量に応じて章が並んでいる。
少し捨てるところから、たくさん捨てるところまで段階を踏めるんです。
橘ナナミ
そもそも、石を捨てるって勇気がいりますよね。
佐藤メバル
そう、つい助けたくなる。だからこそ、詰碁という限られた形の中で捨て石を経験しておく価値があります。著者の張栩さんは詰碁づくりの名手としても有名な方です。
出題図一覧も付いているので、復習もしやすい作りになっていますよ。
挫折しないための解き方と習慣化
橘ナナミ
詰碁って、買ったはいいけど途中で止まっちゃう人が多そうで。私も参考書で何度も挫折しているので他人事じゃないんです。
佐藤メバル
よくあるパターンを先に言っておくと、一番多いのが「難しすぎる本を選んで、1問に30分かけて心が折れる」。次が「やさしすぎて飽きる」。三つめが「実戦で出てこないので、やる意味を感じなくなる」。それぞれ処方箋が違う。
橘ナナミ
難しすぎる場合はどうすれば。
佐藤メバル
まず1ランク下げる。それでもだめなら、答えをすぐ見る。これはずるではなくて、詰碁は答えを見て筋を覚えるという側面が大きい。青木紳一の本にも「解けない問題でも解答を見ていただくだけで効果がある」と書かれている。5分考えて分からなければ答えを見て、その手を盤に並べて「なぜそこで形が止まるのか」を確かめる。これで十分力になる。
橘ナナミ
5分という目安、いいですね。ずっと考え込むと、たぶん疲れて嫌いになっちゃう。
佐藤メバル
飽きてしまうタイプには、対話形式の本が向く。孫テツと星合志保の『楽しく解ける! 孫・星合のまいにち詰碁』は対話で解説が進む構成で、入門者から解けるやさしい問題をそろえている。「実戦で出てこない」と感じる人には実戦形の本。牛窪義高の『盤上全取り! やさしい詰碁練習帳』は盤上の石が全部取れる盤中詰碁で、解き終わりの爽快感がある。山下敬吾の『実戦ですぐに使える詰碁』はウォーミングアップから発展まで段階を追って並べた150問。石田芳夫が監修した『手順つき実戦詰碁100』は、定石や常型、アマの実戦を調べて1題ずつ作ったという実戦重視の一冊だよ。
橘ナナミ
碁盤に並べるというのは、実際に石を置くんですよね。画面で追うのとは違うんでしょうか。
佐藤メバル
全然違う。手で並べると、次に打つ手を探すときに盤全体が目に入る。解き方はこうだよ。まず問題図を盤に並べる。次に候補の手を一つ打ってみて、相手の応手を考える。外れたら石を戻して次の候補へ。これを繰り返すうちに、頭の中だけで読めるようになる。試し置きは立派な練習で、いきなり暗算でやろうとしなくていい。
橘ナナミ
じゃあ、1日どのくらいやればいいですか。
佐藤メバル
3問でいい。休日に50問まとめてやるより、毎日3問のほうが効く。上野愛咲美は「毎日最低300問以上」と語っているけど、それはトップ棋士の別格の話として受け取っておけばいい。場所と時間を決めてしまうのが、いちばん続くコツだね。
棋力の自己診断と、読む順番の作り方
橘ナナミ
自分がどのくらいの棋力なのか、そもそも分からないんです。級とか段とか言われても。
佐藤メバル
簡単な自己診断があるよ。1手の詰碁を10問並べて、すぐ打てる手が何問あるか数える。8問以上なら基本は入っている。5問くらいなら、やさしい本をもう1周。2、3問なら、眼と欠け眼の説明から始まる本に戻ったほうが早い。日本棋院の『やさしい詰碁』は「眼と欠け眼」「二眼の境界線」から順に並んでいるから、診断の結果しだいではここから始めよう。
橘ナナミ
数字で出ると、迷いが減ります。
佐藤メバル
読む順番も同じ考え方で組める。最初の一冊は、レベル表記か段階構成がある本。青木紳一の1・3・5手の本、あるいは林漢傑の『林漢傑の詰碁 1・3・5手 150題』のように「あなたの得点表」で実力判定ができる本なら、自分の位置が数字で分かる。2冊目は実戦形の本に進む。山田晋次の『全問実戦形!』や、星川航洋のレベル分けされた一冊がいい。3冊目で、テーマを絞った本や長手数の本に広げる。三村智保の7手・9手・11手の本は、この3冊目に置くのがちょうどいい。
橘ナナミ
90日くらいで回すとしたら、どんな感じですか?
佐藤メバル
最初の30日で1冊目を2周。次の30日で実戦形の2冊目。最後の30日で苦手な形だけ拾い直す。このとき大事なのが、間違えた問題に印をつけて、あとでそこだけ再トライすること。全部をもう一度やる必要はない。解けなかった3問を解けるようにする、その繰り返しが棋力になる。
紙か電子か、そして今買えるか
橘ナナミ
Kindle版がある本もあるみたいなんですが、詰碁って電子でも大丈夫なんですか。
佐藤メバル
使い分けで考えるといい。紙の利点は、盤を広げて並べられることと、付箋で印をつけられること。持ち運びたいなら判型の小さい文庫がいい。電子の利点は、いつでも開けることと、検索や拡大ができること。ただ、図を指で追う作業は紙のほうがやりやすい。だから「家では紙、外では電子」と分けるのも手だね。同じ本でもどちらの版があるかはタイトルごとに違うから、購入前に確認しておこう。
橘ナナミ
図の大きさって、子供や年配の方にも関係しますよね。うちの祖父が碁をやっていて。
佐藤メバル
そこは大事なところで、同じ19路盤の図でも、大きく描いてある本と詰めてある本がある。山下敬吾の『実戦ですぐに使える詰碁』は碁盤のイラストを大きく使うと明記されているから、目が疲れにくい。逆に文庫判は持ち歩きに強い代わりに、字と図が小さくなる。読む人の体との相性で選んでいい。
橘ナナミ
あと、古い本が中古でしか買えないこともありますよね。
佐藤メバル
ある。そして注意点がある。詰碁本は改訂や改題をされることがあって、古い版と新しい版で図や解説が変わっていることがある。中古で安く買う前に、同じ内容の新しい版が出ていないか確認する。絶版で手に入らないなら、近いレベルの別の本で代用すればいい。「あの本でなければならない」ということは、詰碁に関してはほとんどない。
橘ナナミ
それは安心しました。最初の一冊に悩みすぎなくていいんですね。
佐藤メバル
そう。むしろ、詰碁アプリやオンラインの問題を併用して、本は「じっくり考える用」に使うのが今どきのやり方だと思う。本で筋を覚えて、アプリで数をこなす。役割を分けると、どちらも長続きする。
よくある質問
詰碁は1日何問くらい解けば上達しますか?
橘ナナミ
詰碁は1日何問くらい解けば上達しますかについて教えてください。
佐藤メバル
3問で十分です。休日にまとめて50問やるより、毎日3問を続けるほうが読みの筋は残ります。上野愛咲美は「毎日最低300問以上」と語っていますが、それはトップ棋士の別格の話として受け取っておけば大丈夫です。大事なのは問題数より、同じ時間に同じ場所で開くという習慣の設計です。
詰碁の本は1冊を繰り返すのと、何冊もやるのはどちらが良いですか?
橘ナナミ
詰碁の本は1冊を繰り返すのと、何冊もやるのはどちらが良いですかについて教えてください。
佐藤メバル
基本は1冊を2〜3周です。『ひと目の詰碁』のように、難しい問題を時間をかけて解くより簡単な問題を数多く解くことを方針にした本は、繰り返しを前提に作られています。1冊をやり切ってから、実戦形の本へ移る。2冊目は星川航洋の『中盤戦で差がつく! 実戦形詰碁トレーニング』のようにレベル分けがあると選びやすいです。
タイトルに書かれた棋力(級位・段位)は信じていい?
橘ナナミ
タイトルに書かれた棋力(級位・段位)は信じていいについて教えてください。
佐藤メバル
目安として使うのは構いませんが、そのまま信じるのはおすすめしません。出版社と著者が想定した読者層と自分の実力はしばしばずれます。本のほうにレベル表示があるものを選ぶか、実際に数問解いて手が止まらないかどうかで確かめるのが確実です。
分からない問題はすぐ答えを見てもいい?
橘ナナミ
分からない問題はすぐ答えを見てもいいについて教えてください。
佐藤メバル
かまいません。青木紳一の『死活の基礎完成! 1・3・5手の詰碁』にも、解けない問題でも解答を見るだけで効果があると書かれています。目安は5分です。答えを見たら、その手を盤に並べて「なぜそこで形が止まるのか」を確かめます。詰碁は答えを見て筋を覚える勉強でもあります。
詰碁の本は紙とKindleのどちらがおすすめ?
橘ナナミ
詰碁の本は紙とKindleのどちらがおすすめについて教えてください。
佐藤メバル
家でじっくり解くなら紙、移動中や空き時間に開くなら電子が向いています。紙は盤に並べたり付箋で印をつけたりしやすく、文庫判なら持ち歩きにも強い。電子はいつでも開けますが、図を指で追う作業は紙が楽です。同じ本でもどちらの版があるかはタイトルごとに違うので、購入前に確認してください。
初心者・子供にはどの詰碁本が向いていますか?
橘ナナミ
初心者・子供にはどの詰碁本が向いていますかについて教えてください。
佐藤メバル
「眼と欠け眼」「二眼の境界線」から順に並ぶ日本棋院の『やさしい詰碁』は、死活の考え方を積み上げられます。対話形式で読み進められる孫テツと星合志保の『楽しく解ける! 孫・星合のまいにち詰碁』は、詰碁が苦手な人や入門者向け。図の大きさを優先するなら、碁盤のイラストを大きく使うと明記された山下敬吾の『実戦ですぐに使える詰碁』が候補になります。
詰碁と手筋はどちらを先に勉強すべき?
橘ナナミ
詰碁と手筋はどちらを先に勉強すべきについて教えてください。
佐藤メバル
切り離さず行き来するのが現実的です。趙治勲の『ひと目の詰碁』には姉妹本として手筋の本が用意され、簡単な問題を数多く解くという同じ方針で作られています。林海峰の『基礎完成 最速上達詰碁200』も、重要手筋を使う問題を多く出題し、読みの練習だけでなく手筋の習得にも役立ててほしいとしています。
絶版・旧版になった詰碁本の代わりは何を選べばいい?
橘ナナミ
絶版・旧版になった詰碁本の代わりは何を選べばいいについて教えてください。
佐藤メバル
同じテーマの、入手できる本で代用してかまいません。詰碁本は改訂や改題をされることがあり、たとえば『ひと目の詰碁』は別タイトルを改題して文庫に入り直した例です。まず同じ内容の新しい版が出ていないかを確認し、なければ目的(筋・読み・実戦形)が近い本を選ぶ。あの1冊でなければならないということは、詰碁ではほとんどありません。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、最初の一冊のハードルが下がりました。レベル表記があって、やさしい問題が並んでいて、持ち歩ける。それだけで十分なんですね。
佐藤メバル
そう。あと一つだけ。詰碁は正解できたかどうかで一喜一憂しなくていい。解けなくても、答えを見て「この一手で形が決まるのか」と感じた瞬間が、いちばん力になっている。
橘ナナミ
なるほど……。なんだか、それって碁盤の上だけの話じゃない気がします。詰められない形にも、急所がある、みたいな。
佐藤メバル
いいことを言うね。実際、詰碁で身につくのは手順だけじゃなくて、「この形はまだ決まっていない」と見抜く目なんだ。生きているか死んでいるか、どこが急所か。それを何百回も確かめる。
橘ナナミ
だったら私も、今日の帰りに本屋さんで1冊開いてみます。まずは10問、指で追うところから。
佐藤メバル
いいね。詰碁の問題図って、パッと見ただけでは生きているのか死んでいるのか分からない。でも盤をのぞき込んで、もう一手打てる場所を探し続けると、必ず急所が見えてくる。君の盤の上にも、まだ見つかっていない一手が待っているよ。
