囲碁の勉強に役立つ本のおすすめ人気ランキング22選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
「囲碁 勉強 本」で検索すると、ランキング記事がたくさん出てくるんですけど……読み比べれば読み比べるほど、どれから買えばいいのか分からなくなっちゃいました。詰碁、手筋、定石、布石。言葉は聞いたことがあるのに、順番がまったく見えないです。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。囲碁の本は「どれが良いか」より「どの順番で読むか」で決まる部分が大きいんだ。書店の棚を作っていたときも、入門書と詰碁を同時に買っていったお客さんが、数か月後に「難しすぎて止まった」と戻ってきたことが何度もあった。逆に、一冊ずつ階段を上がった人は、いつの間にか有段者の棚に来る。
橘ナナミ
階段、ですか。でも書店の棚にはずらっと並んでいて、どれが一段目なのか分からないんですよね。
佐藤メバル
だから今日は、22冊を「買う順番」という一本の地図に並べ直してみよう。最初の一段目は、依田紀基さんの『はじめての囲碁入門』。ルールと打ち方が分かり、練習問題を解きながら19路盤が打てるところまで連れていってくれる。ここを飛ばして詰碁に行くと、多くの人が途中で止まる。
橘ナナミ
なるほど……!じゃあ、その先はどう選べばいいんですか?
囲碁の勉強に役立つ本の選び方
対象棋力帯で選ぶ
佐藤メバル
まず見るべきは「その本が何級から何級を狙っているか」。同じ詰碁でも、趙治勲さんの『ひと目の詰碁』は「簡単な問題を数多く解くのが級位者の上達の早道」という著者の考えで貫かれた一冊。一方、林漢傑さんの『林漢傑の詰碁 1・3・5手 150題』は中級から初段を主体に、三手読みの精度を高めることを狙っている。
橘ナナミ
自分の棋力って、どう測ればいいんでしょう。
佐藤メバル
難易度区分や得点表がある本は、そのまま自己診断の道具になる。芝野虎丸さんの『芝野虎丸の実戦詰碁150題』は初級・中級・上級・初段・有段に区分され、考える時間の目安やヒント、採点表まで付いている。自力で解けた層が、今の自分の帯だと思っていい。
解く本か、読む本か
佐藤メバル
大きく二つに分かれる。「解く本」は手を動かして筋を体に入れる問題集で、詰碁と手筋がここに入る。「読む本」は考え方を解説する本で、布石や中盤の構想を扱うものが多い。山下敬吾さんの『出る順で学ぶ実戦手筋』は頻出手筋をランキング形式で並べた問題集で、優先順位がはっきりしている。羽根直樹さんの『囲碁 AI時代でも変わらない 布石と中盤の本質』は、アマチュアの碁を講評しながら石の方向や構想力を説く読み物だ。
橘ナナミ
両方を同じペースで進める必要はない、と。
佐藤メバル
そう。解く本は毎日少しずつ、読む本は時間のあるときにまとめて。役割が違うからね。
1冊で完結するか、続編・シリーズ前提か
佐藤メバル
次に確認したいのは、一冊で閉じているか、シリーズの一冊か。『囲碁手筋大事典』は頻出形の手筋を用途ごとにまとめた事典で、辞書として長く手元に置く前提の本。『令和版 初段合格の手筋150題』は「初段を目指す」というゴールがはっきりしている。ゴール型は達成したら卒業、事典型は引き続き引く。
橘ナナミ
事典は最初から通読するものじゃない、と。
佐藤メバル
そこが最大の落とし穴だよ。辞書を通読しようとして止まるのは、いちばん多い失敗パターンなんだ。
初版年とAI対応度で選ぶ
橘ナナミ
囲碁ってAIの影響が大きいと聞きました。古い本は避けたほうがいいですか?
佐藤メバル
ここは丁寧に分けたい。布石や定石はAIで評価が変わった分野だから、新しい本がいい。高尾紳路さんの『やさしい囲碁トレーニング 新しい定石の基本』は、AI登場後に変化した定石をダイレクト三々から丁寧に解説している。一力遼さんの『ダイレクト三々 基本と応用』も、AIが多用して見直されたこの定石を正面から扱う。でも詰碁や手筋の価値はAI以前とほぼ変わらない。古典が今も読まれているのはそのためだよ。
判型・紙か電子か・価格帯
橘ナナミ
詰碁は何度も解き直しますよね。電子でも大丈夫でしょうか。
佐藤メバル
図を睨んで手を考えるタイプの本は、紙のほうが向く人が多い。行き来しやすいし、書き込みもできる。持ち運びや検索を優先するなら電子。価格帯でいえば、手筋や詰碁の小型版は手を出しやすく、事典や布石の大判は一枚あたりの情報量で選ぶ。全部そろえるのではなく「今の一段」に絞るほうが、結果的に安くつくよ。
囲碁の勉強に役立つ本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、22冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
囲碁の勉強に役立つ本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
はじめての囲碁入門
依田紀基 著|池田書店
¥1,265(税込)
ルールと打ち方が一冊で分かり、そのまま19路盤の対局へ進める入門書です。序章で基礎知識を押さえ、第1章で基本ルール・対局の決まり・終局の仕方、第2章で石を取るコツやテクニック、生きと死にの考え方、第3章で実戦の流れと置き碁へ。練習問題を解きながら進む構成なので、読むだけで終わらず手が動きます。碁の本は「読む入門書」と「解く問題集」に分かれがちですが、この本はその橋渡しを一冊で担うのが他にない強みです。
こんな人におすすめ
これから碁を始めたい人、ルールの確認で止まっていた人、アプリで遊んだけど19路盤はまだという人に。盤と石を手元に置いて、最初の一局を打つまでの伴走役として最適。練習問題を順に解けば、対局の流れと終局の感覚まで自然に身につきます。
良い点
- ルールから19路盤の実戦まで一冊でつながる
- 練習問題で手を動かしながら覚えられる
- 終局の仕方や置き碁まで載っている
気になる点
- 級位者向けの戦術書ではない
- 図が多く読み物としては淡々としている
- 上級者には物足りない
出版社
池田書店
発売日
2011年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、囲碁ってルールだけ調べても、その後どうすればいいのか分からなくなるんです。入門書を一冊選ぶなら、これで大丈夫ですか?
佐藤メバル
いい質問だね。この本は依田紀基さんの入門書で、序章の基礎知識から始まって、第1章で基本ルールと対局の決まり、終局の仕方までを扱います。
第2章は石を取るコツ、第3章でいよいよ19路盤の実戦と置き碁。読み終えたら19路盤が打てるという設計なんですよ。
橘ナナミ
19路盤まで行けるの、いいですね。でも石を取るテクニックって、入門の段階で必要なんでしょうか?
佐藤メバル
そこが肝でね。石には生きと死にがあり、それを知らないと終局の判定が分からなくなる。第2章でコツとテクニックを練習問題で覚えてから第3章に進む流れなので、実戦で「取られた」「取った」の意味がつかめます。まずは置き碁から始めるのもいいですよ。
マンガで覚える図解囲碁の基本
知念かおり 著|つちや書店
¥1,320(税込)
「囲碁は難しくなく、相手より広い陣地を作ったほうが勝ち」という一文から始まる入門書です。基本・対局・19路盤の流れをマンガをまじえて紹介し、用語集も収録。図解とマンガのリズムで、文字だけの入門書で心が折れた人の再入門にも効く作りです。用語集があるので、分からない言葉を後から辞書的に引けるのも実用的。全体像をつかむ入り口としてよくできています。
こんな人におすすめ
活字だけの入門書で挫折した人、家族や友人に碁を教えたい人、まず全体像を絵でつかみたい人に。短い時間で読み切れるので通勤や寝る前の入門編にも向き、用語集は対局中に引く辞書としても使えます。
良い点
- マンガと図解で最後まで読み切りやすい
- 基本・対局・19路盤を一通り扱う
- 用語集つきで後から引ける
気になる点
- マンガ部分の情報量は多くない
- 実戦の棋力向上には別の問題集が要る
- 上達段階に入ると物足りない
出版社
つちや書店
発売日
2013年08月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、漫画で覚えるっていう入門書、正直ちょっと甘く見てました。でも碁の本って図が多くて、最初から読む気力が要りますよね。
佐藤メバル
そう感じる人は多いよ。この本は冒頭で「囲碁は難しくなく、相手より広い陣地を作ったほうが勝ち」と、勝ち負けの基準を先に置いてくれる。
そこが大きい。マンガをまじえて基本から対局、19路盤まで進み、用語集も付いているので、分からない言葉を後から引けます。
橘ナナミ
用語集が付いてるの、いいですね。でも漫画だと、細かい打ち方は結局分からないままになりませんか?
佐藤メバル
そこは正直に言って、盤の前で手を動かす量は別の本に譲る。この本の役目は全体像をつかんで「やってみよう」と思うところまで。
そのあと問題集に移る流れが自然で、入り口としての役割がはっきりしている本です。
囲碁・13路盤で上達! 基本戦術と手筋
星合志保 著|マイナビ出版
¥1,474(税込)
13路盤を題材にした次の一手・手筋問題集です。13路盤はスマホで気軽に打てて対局が短く、接近戦になりやすいので戦いの練習になり、適度な広さがあるぶん布石の要素も含む。だから19路盤の上達にそのままつながります。著者はNHK杯の司会で知られる星合志保さんで、自身のYouTubeでも13路盤実況を主な内容にしています。13路盤という練習台に焦点を当てた本は貴重です。
こんな人におすすめ
13路盤で遊んでいる人、接近戦が苦手な人、布石の構想力を身につけたい人に。スマホアプリの13路盤と並べて、解いてからすぐ実戦で試す使い方が効きます。19路盤に上がる前の橋渡しとしても頼れます。
良い点
- 13路盤に特化した手筋・次の一手集
- 接近戦と布石の両方を練習できる
- 19路盤にもそのまま使える内容
気になる点
- 13路盤のルール自体の説明は少ない
- 完全な入門者には問題が難しい
- 答えの暗記だけでは実戦で出にくい
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年10月23日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
13路盤って、19路盤に慣れてない人が遊ぶ小さい盤というイメージでした。わざわざ専門の問題集があるんですね。
佐藤メバル
そこが見落とされがちなポイントでね。13路盤はスマホで気軽に打てて、対局時間が短く、接近戦になりやすい。
つまり戦いの練習台なんです。適度な広さもあるから布石の要素も入ってきて、19路盤の上達に直結する。
著者の星合志保さんは自身のYouTubeでも13路盤実況をメインにしています。
橘ナナミ
なるほど、小さい盤は入門用というより練習用なんですね。じゃあ19路盤ばかり打っている人にも効きますか?
佐藤メバル
効くよ。収録されている手筋や布石の考え方は19路盤でもそのまま使えるものばかり。ただ13路盤のルール説明は前提になっているので、盤の打ち方から知りたい人は入門書を先に読むといいですよ。
「用語・手筋・形」がまとめてわかる囲碁辞典
大橋成哉 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
「いきなり突拍子もない所にツケられて困った」という経験から始まる用語辞典です。ツケは相手の勢力圏で苦しい状況を打開する時に使われ、相手の石を強くするので互角や有利な場面ではあまり使われない。つまりツケてきたら「サバキにきた」「戦いを起こしにきた」と読める。用語を意味から用途まで押さえると、相手の作戦が瞬時に読める。まえがきでは有段者でも用語を誤用していると指摘しています。
こんな人におすすめ
棋書や指導碁で出てくる言葉につまずいた人、相手の手の意図を読みたい人、有段者で用語の使い方を確認したい人に。手元に置いて引く使い方が中心で、勉強会の検討のお供にもなります。
良い点
- 用語を意味と用途まで解説
- 相手の作戦を読む力につながる
- 初級者から有段者まで使える
気になる点
- 辞書なので通読には向かない
- 具体的な打ち方は別途必要と明記
- 引く習慣がないと眠ってしまう
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年07月22日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、棋書を読んでると聞いたことのない用語がどんどん出てきて、そこで止まってしまうんです。用語だけの辞典って、本当に役に立つんですか?
佐藤メバル
むしろ一番効率がいい分野かもしれない。たとえば「ツケ」を理解すると、相手がツケてきた意味が見える。苦しい状況を打開しにきたのか、戦いを起こしにきたのか。
相手の作戦が読めると、次の一手を考える土台ができるんです。
橘ナナミ
へえ、用語って暗記ものだと思ってました。でもまえがきに、有段者でも言葉を間違って使うと書いてあるのには驚きました。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の主張でね。用語を正しく押さえると指導碁や棋書の理解が変わる。ただし具体的な打ち方の練習は別の本が要る、と本人も書いています。
辞書として手元に置き、疑問が湧いたときに開く。その使い方がいちばん合っています。
やさしい囲碁トレーニング新しい定石の基本
高尾紳路 著|池田書店
¥1,430(税込)
AI登場で定石が大きく変わったことを、丁寧な解説で追える一冊です。以前の定石がもう打たれなくなった、悪いと言われていた手が定石になった——そうした変化を、ダイレクト三々をはじめ頻出のものから使いやすい形に絞って紹介しています。構成は星の部、小目の部、その他(目外し・高目・三々)。図と文字の大きさがちょうどいいと、年配の読者からも好評という声が届いています。
こんな人におすすめ
昔覚えた定石が通じなくなったと感じる人、AI時代の序盤を一からやり直したい人、図が小さくて読みにくい本に疲れた人に。布石の更新を無理なく進めたい場面に向き、解説が丁寧なので独学でも進めやすい。
良い点
- AI以降に変わった定石を厳選して解説
- 星・小目・その他で整理され探しやすい
- 図と文字が大きく読みやすい
気になる点
- 網羅性を求める人には絞り込みが強い
- ある程度打てる人が前提になる
- 変化の理由を深掘りしたい人には物足りない
出版社
池田書店
発売日
2023年08月16日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
AIが登場して定石が変わったってよく聞きますけど、昔の本で覚えた定石はもう使えないんでしょうか。
佐藤メバル
使えなくなったものも多いのは事実でね。この本は、以前の定石がなぜ打たれなくなったのか、逆に悪いと言われていた手がなぜ定石になったのかを、丁寧に説明していく。
扱うのはダイレクト三々をはじめ頻出で使いやすい形を厳選したもので、星の部、小目の部、その他と整理されている。
図と文字が大きいと年配の読者にも好評なんですよ。
橘ナナミ
図が大きいの、地味に大事です。定石の本って変化図が細かくて、目が疲れて途中で諦めてました。
佐藤メバル
そういう声は本当に多い。この本は「やさしい囲碁トレーニング」シリーズの一冊で、解説の丁寧さを売りにしています。
全部を覚えるというより、まず今の相場観をつかむつもりで読むと、実戦での迷いが減りますよ。
出る順で学ぶ実戦手筋
山下敬吾 著|マイナビ出版
¥1,419(税込)
頻出手筋をランキング形式で並べた、新しいタイプの問題集です。絶対に出る実戦手筋、石を取る手筋、攻め合い、分断、連絡、隅の特殊な手筋、捨て石・整形、ヨセ、逆転——とテーマごとにトップ20を積み上げ、最後にチャレンジ問題のカウントダウンが待っています。「出る順」という切り口が効いていて、限られた時間で実戦に効く手筋から身につけられる。網羅型の手筋事典とは役割がはっきり違います。
こんな人におすすめ
手筋を覚えたいが範囲が広すぎて困っている人、対局でよく出る形から攻略したい人、短い時間で効率よく学びたい人に。章ごとに20題という区切りがよく、1日1テーマずつ進める使い方にも向きます。
良い点
- 頻出度の高い手筋から学べる
- テーマ別で弱点を補いやすい
- 最後にチャレンジ問題の総仕上げ
気になる点
- ランキングの根拠は明示されていない
- 網羅性は事典タイプに劣る
- 基本用語の解説は前提になる
出版社
マイナビ出版
発売日
2014年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
手筋の問題集って、最初から順番に並んでいるだけのイメージでした。出る順って、なんだか参考書みたいですね。
佐藤メバル
まさにそこが新しいところでね。第1章は絶対に出る実戦手筋トップ20、第2章は石を取る手筋トップ20、と章ごとに20題ずつ積み上げていく。
頻出の順に並ぶので、途中で力尽きても実戦で使える手筋が残るのが強みです。
橘ナナミ
たしかに、最後まで終わらない問題集だと何も残らないですもんね。章の分け方も分かりやすいです。
佐藤メバル
そう。攻め合い、分断、連絡、隅の特殊な形、捨て石や整形、ヨセ、逆転と、実戦の場面ごとに引けるようになっている。
網羅型の事典は辞書として、こちらは練習帳として、と役割を分けて持つのがいいですよ。
囲碁手筋大事典 -頻出型完全網羅ー
石田芳夫 著|マイナビ出版
¥2,079(税込)
名誉本因坊の資格を持つ石田芳夫九段が編纂した手筋辞典です。数多くある手筋を用途ごとにまとめ、実戦に応用できることにこだわっているのが特徴。頻出する形を完全網羅と銘打ち、引いて調べる使い方を想定した作りになっています。問題集として順に解く本ではなく、実戦で出会った形の答え合わせに開く。一冊あると長く使えるタイプの本です。
こんな人におすすめ
手筋をまとめて手元に置きたい人、実戦で出た形を後から調べたい人、長く使える一冊を選びたい人に。辞書として本棚に置き、対局後の検討や棋書を読むときの参照用にするのが合っています。
良い点
- 用途別に整理された手筋辞典
- 実戦応用を重視した構成
- 長く参照できる一冊
気になる点
- 通読して覚える本ではない
- 初級者には引く前に難易度が高い
- 索引を使いこなす手間が要る
出版社
マイナビ出版
発売日
2018年04月11日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
大事典って名前の本は、正直持て余しそうで避けてました。全部読むのは無理ですよね。
佐藤メバル
読む本じゃないよ、引く本です。石田芳夫九段が編纂した手筋辞典で、数多くある手筋を用途ごとにまとめ、実戦で応用できることにこだわっている。
対局で出た形を後から調べる、その使い方がいちばん向いています。
橘ナナミ
なるほど、辞書と同じですね。でも調べる前に、そもそも自分が何を打たれたのか分からないことも多くて。
佐藤メバル
そこは辞典の強みでね、形から探せるようになっている。実戦で困った形を覚えておいて、家で開く。それを繰り返すと、同じ形への対処が速くなる。
長く使える一冊なので、慌てず付き合うといいですよ。
令和版 初段合格の手筋150題
日本棋院 著|日本棋院
¥1,210(税込)
人気の囲碁文庫が令和版として全面リニューアルした手筋の問題集です。初段を目指すための手筋の基本を、易しい問題を中心に多数収録。序章で本筋と俗筋の違いを押さえ、第1章は序盤・中盤に生じる手筋、第2章は石取りと攻め合い、第3章はヨセと、実戦の流れに沿って並びます。易しい問題を数多くという方針がはっきりしており、初段への道を一歩ずつ埋めていけます。
こんな人におすすめ
初段を目標にしている級位者、手筋の本を一冊決めたい人、文庫サイズで持ち歩きたい人に。反復して解く前提の構成なので、通勤や待ち時間に少しずつ進める使い方がよく合います。
良い点
- 初段目標に絞った易しめの問題構成
- 序盤・中盤・ヨセの順で流れがつかめる
- 文庫サイズで持ち歩きやすい
気になる点
- 有段者には易しすぎる
- 手筋以外の要素は扱わない
- 問題数が多く反復の忍耐が要る
出版社
日本棋院
発売日
2025年12月15日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
初段合格って、目標がはっきり書いてあるのいいですね。囲碁の本って、対象がぼんやりしてることが多くて。
佐藤メバル
そう、この本は初段という的がはっきりしている。序章で本筋と俗筋の違いを押さえて、第1章が序盤中盤の手筋、第2章が石取りと攻め合い、第3章がヨセ。
易しい問題を数多くという方針で、一気に難問へ挑むのではなく、階段を一段ずつ上がる作りです。
橘ナナミ
本筋と俗筋って何なんですか?聞いたことはあるんですが、人に説明しようとすると言葉に詰まってしまいます。
佐藤メバル
形の善し悪しの話でね、見た目は石を取れても後が悪い手を俗筋、後の形まで見て良い手を本筋と呼ぶ。この序章を最初に置くことで、そのあとの問題が「なぜこの手が正解か」で理解できるようになる。
文庫サイズなので、持ち歩いて繰り返すのが向いています。
ひと目の詰碁
趙治勲 著|マイナビ出版
¥1,364(税込)
簡単な問題を数多く解くことが級位者の上達の早道——という著者の考えが貫かれた詰碁集です。難しい一題に時間をかけるのではなく、基本の形を繰り返すことで自然に詰碁の筋を覚えていく構成。姉妹本の手筋と対になるシリーズで、こちらは死活に絞った全160問。長期間三大タイトルを保持し続けた著者の問題が、文庫の形で残されています。
こんな人におすすめ
詰碁が苦手な級位者、まず解ける感覚をつかみたい人、過去の名著を手頃に持ちたい人に。1日数問から始めて同じ問題を繰り返す使い方が効果的で、つまずきやすい人ほど向いています。
良い点
- 基本の詰碁を160問収録
- 繰り返し解く前提の作り
- 文庫で手に取りやすい
気になる点
- 難しい問題を求める人には易しすぎる
- 死活以外の要素は扱わない
- 有段者の読みの練習には不足
出版社
マイナビ出版
発売日
2003年06月02日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁って、難しそうでずっと後回しにしてました。そもそも何問くらい解けば、効果が出るものなんですか?
佐藤メバル
その質問にこの本が答えをくれます。著者は、難しい問題を時間をかけて解くより、簡単な問題を数多く解くことが級位者には上達の早道、と考えている。
だから基本の形を反復する構成で、全160問。同じ問題を何度も解いていいんです。
橘ナナミ
同じ問題を繰り返していいんですね。一度解いて答えを覚えたら、もう意味がないのかと思ってました。
佐藤メバル
覚えること自体が目的の一つだからね。詰碁の筋が体に入ると、実戦で似た形を見たときに手が止まらない。長く三大タイトルを保持した著者の問題が文庫で読めるのはありがたい。
まずは易しいところから、数で押していくといいですね。
初段になれる詰碁
日本棋院
¥1,100(税込)
死活が楽しくなる、という言葉を掲げた詰碁集です。目次がとても具体的で、急所を探す生きる問題と殺す問題から始まり、石を取って眼を作る形、巧みな捨て石、賢い守り、ダメヅマリ、急所か広さか、コウ、セキ、そしてレベルアップ編の総合問題へと進みます。失敗のパターンごとに学べるので、自分がどこで間違えるのかが見えてくる。詰碁が苦手な人の原因別攻略に向いています。
こんな人におすすめ
詰碁を解いても実戦に活きないと感じる人、死活のパターンを整理したい人、初段前後で一冊仕上げたい人に。目次の分類を手がかりに、苦手な形から順に埋めていく使い方が効果的です。
良い点
- パターン別に死活を学べる
- コウやセキまで扱っている
- 初段前後の総仕上げになる
気になる点
- 問題の量は絞られている
- 解説の分量は多くない
- 入門者がいきなり挑むには難しい
出版社
日本棋院
発売日
2013年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁の問題集って、急に問題が並んでて、どこから手をつけていいか分からないことが多いです。この本は目次が細かいですね。
佐藤メバル
そこが親切なところでね。急所を探す生きる問題と殺す問題、石を取って眼を作る形、捨て石、賢く守る、ダメヅマリ、急所か広さか、コウ、セキと、間違いやすい場面ごとに並んでいる。自分がどこで転ぶかが見える構成です。
橘ナナミ
セキとかコウって、実戦で出てくると毎回あたふたします。そこを独立して練習できるのは助かります。
佐藤メバル
そう、死活が楽しくなるというのは大げさじゃなくて、分からないまま打っていた部分がパターンとして見えてくると、実戦で落ち着くんですよ。
まず苦手な分類から埋めて、最後に総合問題で腕試しをしてみてください。
囲碁人ブックス 解くたびに強くなる 井山裕太の基本詰碁
井山裕太 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
手筋と詰碁のセットの第二弾、詰碁編です。第1章は絶対に覚えたい基本死活、第2章はテーマ別問題、第3章は総合問題と、無理なく積み上げる構成。読み物としてもコラムがあり、アルファ碁についての考察と、師匠である石井邦生九段の話が収められています。基本死活を最初に固める設計なので、その後の問題が土台の上で解けるようになります。
こんな人におすすめ
基本死活を一通り覚えたい人、第一人者の問題で学びたい人、詰碁と一緒に読み物も楽しみたい人に。基本から総合問題へと段階を踏めるので、独学で詰碁を進める際の軸になります。
良い点
- 基本死活から総合問題へ段階的に進む
- 著者本人のコラムが読める
- テーマ別で弱点を補える
気になる点
- 問題数は網羅型に及ばない
- 入門者には基本死活でも歯ごたえがある
- 難易度に幅がある
出版社
マイナビ出版
発売日
2016年10月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
井山さんというと、囲碁をあまり知らない私でも名前を聞いたことがあります。その人の詰碁の本って、やっぱり難しいんでしょうか。
佐藤メバル
そこが意外でね。第1章は絶対に覚えたい基本死活から始まる。土台を固めてからテーマ別問題、総合問題へと進む構成なので、級位者でも入っていけます。
まえがきには、囲碁を打ちたいと思ったらすぐに始めましょう、という言葉も添えられています。
橘ナナミ
コラムにアルファ碁の話と師匠の話が入っているのも気になります。問題集なのに、読み物としても面白そうですね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の奥行きでね。第一線で戦ってきた人が何を考えているかが伝わってくる。問題を解く合間に読むと、死活が単なる暗記ではなく、勝負の場面で使う道具だと分かってくるはずです。
基礎完成 最速上達詰碁200
林海峰 著|マイナビ出版
¥1,419(税込)
新聞連載の詰碁から200題を収録した一冊です。林海峰名誉天元の問題は解きやすく棋力アップにつながるものがそろい、重要手筋を使う問題が多く出題されています。だから読みの練習だけでなく、手筋の習得にもそのまま役立つ。さらに仕上げ用の挑戦問題を別に用意し、繰り返し挑戦して解けるようになることで上達を実感できる構成になっています。
こんな人におすすめ
詰碁を数こなしたい人、読みと手筋を同時に鍛えたい人、新聞の詰碁欄を楽しんできた人に。毎日少しずつ解いて、最後に挑戦問題へ進む流れが自然です。難易度は素直で、無理なく続けられます。
良い点
- 詰碁200題と挑戦問題30題
- 手筋の習得も狙った出題
- 解きやすく続けやすい難易度
気になる点
- 難問を求める人には物足りない
- 解説は簡潔
- 死活以外の要素は扱わない
出版社
マイナビ出版
発売日
2017年05月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
新聞に詰碁が載っているのって、正直なんでだろうと思ってました。あれを毎日解く人がいるんですね。
佐藤メバル
そう、その習慣に向いているのがこの本でね。連載された詰碁から200題を収録している。解きやすい問題が中心で、しかも重要な手筋を使う形が多く選ばれているから、読みの練習と手筋の習得が同時に進むんです。
橘ナナミ
読みと手筋が同時に、というのは効率がよさそうですね。200題って、やっぱり多いほうなんですか?
佐藤メバル
数としてはしっかりした量で、最後に挑戦問題が30題用意されています。繰り返し挑戦して解けるようになると棋力の伸びを実感できる、と本人も書いている。
全部一度に解こうとせず、毎日少しずつ進めるのがいいですよ。
芝野虎丸の実戦詰碁150題
芝野虎丸 著|成美堂出版
¥814(税込)
死活は石の方向を決めるときの羅針盤になる——という視点から作られた実戦重視の詰碁集です。実戦によく現れる死活を中心に150題を収録し、著者自身の実戦譜を踏まえた問題も含みます。役立つ基本詰碁から、よくできる実戦死活、筋と急所、読む力を養う問題、腕だめしの41題へと進み、難易度は初級から有段まで区分。考える時間の目安やヒント、採点表も付いて独学でも進めやすい。
こんな人におすすめ
実戦に直結する死活を身につけたい人、難易度の目安がほしい独学者、詰碁を採点しながら進めたい人に。ヒントと採点表があるので、一人で取り組む場面でも挫折しにくい。
良い点
- 実戦形の死活150題を収録
- ヒントと採点表付き
- 初級から有段まで難易度表示
気になる点
- 基本死活の解説は多くない
- 詰碁以外の要素は扱わない
- 問題数は中規模
出版社
成美堂出版
発売日
2021年04月22日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁の本って、どこまでできれば合格なのか分からないまま不安になるんです。採点表があると助かりますね。
佐藤メバル
そういう人のために作られている本でね。難易度が初級、中級、上級、初段、有段に区分されていて、考える時間の目安やヒントも付いている。
自分の立ち位置が見えるから、独学でも進めやすいんですよ。
橘ナナミ
へえ、実戦譜を踏まえた問題も入ってるんですか。棋士の実戦の死活って、やっぱり形が違うんでしょうか。
佐藤メバル
そこが面白いところで、意外と基本の形が出てくる。著者は死活を「石の方向を決めるときの羅針盤」と表現していて、死活が分かると布石や中盤の判断まで変わってくる。
第1章の基本詰碁から順に進めるのが素直な道です。
読みが鋭くなる上野愛咲美の詰碁
上野愛咲美 著|池田書店
¥1,980(税込)
「私の攻撃力の源は、詰碁です」という言葉から始まる、詰碁愛にあふれた一冊です。基本的な練習問題と、著者の実戦で出てきた死活を問題形式で解説する実戦的な問題の2本立て。コツは難しい物を解かずに楽しんでサクサク解くことと明言し、序章で詰碁の基本のキを押さえて、超基本から超難問まで並びます。上野語録として、詰碁仲間と正答率を競う話や毎日の問題数の話も収録。
こんな人におすすめ
詰碁を楽しく続けたい人、攻める碁を打ちたい人、級位者から段位者まで手応えのある問題を求めている人に。短時間で数をこなす習慣を作りたい場面に向いています。
良い点
- 基本と実戦の問題を2本立てで収録
- 著者の言葉と実戦譜が読める
- 超基本から超難問まで幅がある
気になる点
- 問題の総数は絞られている
- 実戦譜の解説は要点中心
- 楽しむ前提なので厳しい特訓には向かない
出版社
池田書店
発売日
2024年08月19日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
攻撃力の源は詰碁、って言い切ってるのがかっこいいですね。でも詰碁の本って、どうしても苦行のイメージが。
佐藤メバル
そのイメージをひっくり返しにいっている本です。著者はコツを、難しい物を解かずに楽しんでサクサク解くことだと言っている。
序章で詰碁の基本のキを押さえて、超基本から始まり、できたら強い問題、できたら凄い超難問へと進みます。
橘ナナミ
上野語録も載っているんですね。「詰碁仲間」と正答率を競うって、そんな世界があるんだと驚きました。
佐藤メバル
そう、毎日問題を続けると効果が出てくる、という実感も語られている。基本の練習問題と、プロの実戦から出た死活を問題形式で解説する実戦的な問題の二本立てだから、楽しみながら読みと攻撃力を育てられますよ。
林漢傑の詰碁 1・3・5手 150題
林漢傑 著|成美堂出版
¥990(税込)
中級から初段レベルを主体に、三手読みの精度を高めることを狙った詰碁集です。一手の詰碁25題、三手の基本30題、三手の応用30題、中央の詰碁25題、腕だめし40題と、読む手数を意識して配列。一手・三手に絞ることで、実戦で使いこなせる読みの長さに集中できます。出題には難易度の区分や考慮時間の目安、実力判定の得点表も用意されています。
こんな人におすすめ
読みの精度を上げたい中級者、短い読みを確実にしたい人、問題の難易度を測りながら進めたい人に。中央の詰碁という章は珍しく、実戦で見落としやすい形の練習になります。
良い点
- 一手・三手に絞った読みの練習
- 中央の詰碁まで収録
- 得点表で実力判定できる
気になる点
- 長い読みの練習には別の本が必要
- 解説は要点中心
- 問題数は150題と中規模
出版社
成美堂出版
発売日
2024年12月04日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
一・三・五手って書いてありますけど、これは何手先まで読むかという意味ですよね。長い読みより短い読みのほうが大事なんですか?
佐藤メバル
実戦では短い読みの正確さがものを言うんですよ。中級から初段レベルだと、三手先を確実に読めるかどうかが分かれ目になる。
この本は一手と三手に絞って、基本から応用、中央の詰碁、腕だめしへと積み上げていきます。
橘ナナミ
中央の詰碁という章が珍しいなと思いました。私は隅の死活ばかり練習していたので、中央は苦手です。
佐藤メバル
そこに気づくのはいい感覚だね。中央の死活は実戦でも見落としやすい。第4章がそれに当てられていて、最後に腕だめしの40題。
得点表で実力判定ができるので、数か月後に同じ表を見ると伸びが分かりますよ。
必殺力のつく詰碁
林海峯 著|マイナビ出版
¥1,408(税込)
「急所を見抜く」力を身につけることを掲げた、林海峰名誉天元の死活三部作の第二弾です。繰り返し解いて、確実に仕留める力を身につける——というコンセプトがはっきりしています。詰碁の解説書というより、急所を感じ取る訓練に重心が置かれているのが特徴で、同じ著者の姉妹本と組み合わせると死活の引き出しが増えます。
こんな人におすすめ
読み切れないまま手を選んでしまう人、勝負所で決め手を逃したくない人、死活の問題集を二冊目に進みたい人に。繰り返し解く前提で、一冊を反復する使い方が向いています。
良い点
- 急所を見抜く力をテーマにした構成
- 繰り返しで身につく設計
- 死活三部作として位置づけが明確
気になる点
- 問題数や難易度の表示は控えめ
- 初心者には前提知識が要る
- 姉妹本と重複する形もある
出版社
マイナビ出版
発売日
2013年08月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
急所を見抜く力、というのが気になります。詰碁の問題って、急所を当てるゲームみたいなものでしょうか。
佐藤メバル
近い感覚だね。この本は林海峰名誉天元の死活三部作の第二弾で、繰り返し解いて確実に仕留める力を身につけることを狙っている。
急所を見抜くという一点に重心を置いた作りなので、読みの長さより手の勘を鍛えたい人に向いています。
橘ナナミ
三部作の真ん中なんですね。やっぱり一冊目から順に進まないと、いきなりこれだと置いていかれますか?
佐藤メバル
そこまで厳密でなくても、ある程度詰碁に慣れている人なら大丈夫。ただ、同じ著者の他の死活本と重なる形もあるので、手元にあるなら見比べてから選ぶといい。反復して使うほど味が出る一冊です。
基本布石事典(上巻)新版
依田紀基 著|日本棋院
¥2,640(税込)
上下巻あわせて127型の参考譜を収めた布石の事典です。上巻は星・小目平行の第1型から第41型、星・小目タスキ他の第1型から第10型を収録し、現代の布石構想を総チェックできる構成になっています。型ごとに並ぶ参考譜なので、実戦で遭遇した形を引いて確認する使い方と、通して布石の流れをつかむ使い方の両方ができます。
こんな人におすすめ
布石の形をまとめて確認したい人、実戦で出た形の続きを知りたい人、序盤の構想を体系的に押さえたい人に。上下巻で一組の事典なので、まず上巻から手をつけるのが自然です。
良い点
- 星・小目まわりの型を網羅的に収録
- 参考譜として引ける構成
- 布石構想の総チェックに向く
気になる点
- 通読には向かない
- 解説は型の確認が中心
- 下巻と合わせないと全体像は見えにくい
出版社
日本棋院
発売日
2008年07月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
上下巻あわせて127型って、すごい数ですね。布石って、それだけ覚えないと実戦で困るものなんでしょうか。
佐藤メバル
覚えるためじゃなくて、引くためにある本だよ。上巻は星と小目の平行から41型、星・小目タスキ他から10型を収録している。
型ごとの参考譜が並ぶので、実戦で出た形の続きを確認する使い方ができます。
橘ナナミ
なるほど、辞書みたいなものですね。でも逆に通して読んだら、布石の流れみたいなものが見えてきたりしないんでしょうか。
佐藤メバル
それもできる。上巻だけでも構想の総チェックになるので、まずは上巻から。下巻と合わせると全体像が見えてくる、という作りです。
定石を覚えるというより、形の引き出しを増やす感覚で使うといいですね。
囲碁 ほんとうに大事な布石の考え方
佐々木柊真 著|マイナビ出版
¥2,200(税込)
序盤は広すぎてどこに打ったらいいか分からない、定石通り打っているのに気づけば形勢が悪い——そんな悩みに応える布石の本です。鍵になるのは3つの技術で、価値の高い空間の見極め方、3線と4線の使い分け、失敗しないとっておきの布石。覚える型を絞る代わりに、判断の基準を先に渡してくれる構成で、級位者から有段者までを対象にしています。
こんな人におすすめ
定石は覚えたのに勝てない人、序盤で何を考えればいいか分からない人、暗記に頼らず布石を理解したい人に。3つの基準を持って対局に臨みたい場面に効きます。
良い点
- 布石を3つの技術に整理
- 価値の高い空間の見極め方を解説
- 3線と4線の使い分けが分かる
気になる点
- 定石の網羅は目的としない
- 実戦譜の分量は多くない
- すでに有段の上級者には物足りない場合がある
出版社
マイナビ出版
発売日
2026年08月19日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
序盤が一番苦手です。どこに打っても正解な気がしてしまって、結局なんとなく打って、あとで後悔します。
佐藤メバル
その状態は布石の本が効く典型でね。この本は、誰でも布石が上達する3つのテクニックに絞って話を進める。
価値の高い空間の見極め方、3線と4線の使い分け、失敗しないとっておきの布石。この3つだけでいい、と言い切っているのが潔い。
橘ナナミ
たった3つでいいんですか。私は定石の暗記量が足りないせいだと思って、ずっと覚えるほうに時間を使っていました。
佐藤メバル
暗記だけだと、相手が外してきた瞬間に崩れる。この本は判断の基準を先に渡して、細かいことはそこまで気にしなくていいと書いている。
級位者から有段者まで対象なので、長く使える一冊ですよ。
囲碁 AI時代でも変わらない 布石と中盤の本質
羽根直樹 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
AIの影響で新しい打ち方が次々生まれるなか、変わっているのは手段で本質はほぼ変わっていない——という立場から書かれた一冊です。第1章は作戦・構想の立て方、第2章は石が競ったときの考え方、第3章は著者自身の碁を題材にした羽根流の考え方。第1章と2章はアマチュアの碁を講評する形で、布石と中盤の判断が具体的に追えます。自分の打ち方を貫いた棋士の言葉が読めるのが貴重です。
こんな人におすすめ
AIの定石は覚えたが形勢判断が苦手な人、布石と中盤のつながりを理解したい人、実戦の講評形式で学びたい人に。アマの碁が題材なので、自分の対局を重ね合わせやすい。
良い点
- アマの碁を題材にした講評形式
- 布石から中盤の考え方がつながる
- 著者自身の碁とAI観に触れられる
気になる点
- 定石の暗記には向かない
- ある程度打てる人が前提
- 網羅的な布石事典ではない
出版社
マイナビ出版
発売日
2021年06月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
AI時代でも変わらない本質、というタイトルに惹かれました。でもAIの打ち方はどんどん新しくなってますよね。
覚えるのを諦めたほうがいいんでしょうか。
佐藤メバル
そこは切り分けて考えられていてね。変化しているのは手段で、本質はほぼ変わっていない、というのが著者の立場です。
第1章で作戦や構想の立て方、第2章で石が競ったときの考え方を、アマチュアの碁の講評を通して解説していく。
橘ナナミ
アマの碁が題材なのがいいですね。プロの碁だと、どこが悪いのか分からないまま流れていってしまいます。
佐藤メバル
そう感じる人は多いよ。自分の碁と重ねやすいぶん、布石で石の方向をどう決めるか、一段落後にどこへ向かうかが腹に落ちる。
第3章では著者自身の碁を題材に、AIを参考にしている部分と貫いている考え方が示されます。
布石革命
芝野虎丸 著|日本棋院
¥1,650(税込)
2016年に現れたアルファ碁以降、人間が積み上げてきた布石の常識が覆された——その具体的な中身に、現代のトップ棋士が迫った一冊です。第1章で流行布石が衰退した理由、第2章で常識の変容と新たな価値観、第3章でAI発の革命的新定石を扱い、コラムも収録。なぜ消えたのかという理由から入る構成なので、暗記ではなく時代の変化として布石を理解できます。
こんな人におすすめ
昔の布石がなぜ通じなくなったのか知りたい人、AI以降の価値観の変化を追いたい人、布石の本を一冊目に選びたい人に。理由から理解したい読者に向き、棋書を読む前の地図としても便利です。
良い点
- 布石衰退の理由から解説
- AI以降の新定石まで収録
- コラムで背景も読める
気になる点
- 定石の網羅的な辞典ではない
- 実戦問題は中心ではない
- ある程度の棋力が前提になる
出版社
日本棋院
発売日
2021年06月18日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
囲碁AIが常識を覆した、という話は聞いたことがあります。でも具体的に何が変わったのかは、まったく知らないんです。
佐藤メバル
そこを正面から扱った本でね。これまで人間が作ってきた布石は有力だと信じられてきたのに、AIの登場でそのほとんどが衰退の道を辿った。
第1章で流行布石が衰退した理由、第2章で常識の変容と新たな価値観、第3章でAI発の革命的定石を扱っています。
橘ナナミ
理由から説明してくれるのはありがたいです。定石の変化だけを並べられると、どうしても丸暗記になってしまって。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の読みどころ。なぜその手が選ばれなくなったのかが分かると、新しい形も覚えやすい。棋士が何を考えて布石を選んでいるのか、その視点ごと受け取れる一冊です。
定石を覚える前に読むと、頭の整理になりますよ。
ダイレクト三々 基本と応用(AI時代の新定石)
一力遼 著|日本棋院
¥1,870(税込)
従来は評価されてこなかった星への三々入りが、AIの多用をきっかけに見直され、プロの間で大流行しました。その定石を「ダイレクト三々」と名づけ、基本知識、アマの実戦で学ぶ活用法、プロの実戦から学ぶ応用、そして著者自身の自戦解説3局へと進みます。一つの定石をここまで深く掘った本は珍しく、流行の入り口と奥行きを同時に掴めます。
こんな人におすすめ
ダイレクト三々を実戦で使いたい人、流行の定石を一冊で押さえたい人、プロの実戦からの応用まで視野に入れたい人に。基本から自戦解説へと段階を追う構成なので、独学でも迷いにくい。
良い点
- ダイレクト三々を基本から応用まで解説
- アマの実戦での活用法が分かる
- 著者自身の自戦解説3局を収録
気になる点
- 他の定石は扱わない
- アマの実戦編は棋力が前提
- 流行の変化で内容が古くなる可能性
出版社
日本棋院
発売日
2019年08月07日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ダイレクト三々、名前だけは聞いたことがあります。星にいきなり三々に入る手ですよね。昔は良くないとされていたのに、なぜ今は流行っているんですか?
佐藤メバル
そこが囲碁AI以降の大きな変化でね。従来は評価されてこなかった手が、AIの多用で見直され、プロの間で大流行した。
この本はその定石をダイレクト三々と名づけて、基本知識、アマの実戦での活用、プロの実戦からの応用、自戦解説へと順に進みます。
橘ナナミ
一つの定石だけで一冊になるんですね。自戦解説が3局も入っているのは読みごたえがありそうです。
佐藤メバル
そう、流行の手を表面だけでなく、なぜそう打つのかまで追える。ただ、他の定石は扱っていないので、布石全体を学びたいなら別の本と組み合わせるといい。
入り口と奥行きを同時に味わえる一冊です。
洪道場のAI定石辞典
小池芳弘 著|朝日出版社
¥2,530(税込)
AIが出てから作られた定石を洪道場がまとめた辞典です。AI流の三々入り定石、小目のシマリへの対抗策、そして進化した定石と消えた定石という柱で構成され、テーマ図ごとに流行の形を追えます。まえがきには、自分に合わないものを使う必要はない、なるほどそういう手もあると思うだけでも勉強になる、という言葉が添えられています。使うかどうかは自分で決めるという姿勢が心地よい一冊です。
こんな人におすすめ
AI定石を一通り見渡したい人、流行の形をテーマ図で確認したい人、定石に振り回されたくない人に。辞典として引く使い方と、気楽に眺める使い方の両方ができます。
良い点
- AI以降の定石を体系的に収録
- 小目のシマリへの対策が充実
- 消えた定石の項目が貴重
気になる点
- 定石以外の要素は扱わない
- 変化が多く初心者には重い
- 流行の移り変わりで内容が古くなる可能性
出版社
朝日出版社
発売日
2020年09月29日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
洪道場って何なんですか?聞いたことがなくて。囲碁の道場の名前だとしたら、そこで作った定石の本ということですよね。
佐藤メバル
そう、洪道場という研究の場がまとめたAI定石の辞典です。AI流の三々入り定石、小目のシマリへの対抗策、進化した定石と消えた定石という柱で、テーマ図ごとに形を追っていく。
小目のシマリへの対策が細かく並んでいるのが特徴です。
橘ナナミ
まえがきの、自分に合わないものを使う必要はない、という言葉がいいですね。定石の本って、覚えなきゃと追い立てられる感じがしてました。
佐藤メバル
そこがこの本の懐の深さでね。なるほどそういう手もあると思うだけでも勉強になる、一番大事なのは囲碁を楽しむことだ、と書かれている。
辞書として引いても、眺めるだけでもいい。気楽に付き合える一冊です。
棋力別・買う順番のロードマップ
佐藤メバル
22冊を一本の道に並べ直すと、こうなる。一段目は『はじめての囲碁入門』か、マンガで流れをつかむ知念かおりさんの『マンガで覚える図解囲碁の基本』。二段目で星合志保さんの『囲碁・13路盤で上達! 基本戦術と手筋』のような13路盤の教材を挟むと、接近戦の練習になり、19路盤の布石にもつながる。
橘ナナミ
いきなり19路盤に行かなくていいんですね。
佐藤メバル
13路盤はプレイ時間が短く、戦いの練習になる。スマホでも気軽に打てるから、棋書と実戦の往復がしやすい。そこで手筋の感覚を作ってから、詰碁に入る。定番は『ひと目の詰碁』、少し先を狙うなら『初段になれる詰碁』や井山裕太さんの『解くたびに強くなる 井山裕太の基本詰碁』。中盤戦の前に『出る順で学ぶ実戦手筋』で頻出の形を押さえる。
橘ナナミ
布石はいつごろですか?
佐藤メバル
詰碁と手筋がある程度解けるようになってから。依田紀基さんの『基本布石事典』は上下巻あわせて127型の参考譜で、現代の布石構想を総チェックできる。ただし眺めるだけでは身につかない。佐々木柊真さんの『囲碁 ほんとうに大事な布石の考え方』のように「価値の高い空間の見極め方」「3線と4線の使い分け」という原理から入る本を先に読むと、事典が使いやすくなる。
挫折しない運用法と、予算・AIとの付き合い方
橘ナナミ
詰碁って、何周くらいすればいいんでしょう。
佐藤メバル
まず一周目は解けなくても答えを見て筋を覚える。二周目で自力、三周目で速度、というのが現実的だよ。上野愛咲美さんは『読みが鋭くなる上野愛咲美の詰碁』の中で、難しいものを解かずに楽しんでサクサク解くことを勧め、毎日最低300問以上やって1〜2週間後に効果が出る、と語っている。量と回転数が大事なんだ。
橘ナナミ
逆に、やめたほうがいい买い方はありますか?
佐藤メバル
三つある。序盤の理解前にAI定石の専門書へ飛び込むこと。答えを見ずに一問へ何十分も固執すること。そして難易度の合わない問題集を「いつか解けるから」と持ち続けること。合わないと感じたら、潔く本棚にしまう勇気も必要だよ。
橘ナナミ
買い替えの判断は難しいですね。
佐藤メバル
同じ本でも新版が出ていることがある。『基本布石事典(上巻)新版』のように改訂されている場合は、旧版と中古の価格差を確認してから決めるといい。電子版や読み放題の対象かどうかも購入前に見ておきたいね。中古は絶版の名著に手が届く利点がある一方、図版の状態は個体差がある。
橘ナナミ
AIに聞けばいい時代に、棋書を買う意味ってあるんですか?
佐藤メバル
ある。AIは最善手を示すけれど、なぜそこなのかを言葉にしてはくれない。『洪道場のAI定石辞典』のまえがきには「一冊で一つだけ得るものがあれば大成功」という言葉がある。全部を覚える必要はなく、一つを持ち帰ればいい。AIは答え合わせ、棋書は考え方の言語化。役割が違うんだ。
よくある質問
囲碁のルールを覚えるのに一番分かりやすい本は?
橘ナナミ
囲碁のルールを覚えるのに一番分かりやすい本はについて教えてください。
佐藤メバル
ルールと打ち方、終局の仕方までを一冊で通したいなら、依田紀基さんの『はじめての囲碁入門』が分かりやすい構成です。序章で基礎知識を押さえ、対局の決まりごと、石を取る技術、19路盤の流れへと段階を踏みます。活字が苦手なら、知念かおりさんの『マンガで覚える図解囲碁の基本』がマンガをまじえて対局や19路盤を紹介し、用語集も収録しています。
初心者が最初に買うべき詰碁の本はどれ?
橘ナナミ
初心者が最初に買うべき詰碁の本はどれについて教えてください。
佐藤メバル
趙治勲さんの『ひと目の詰碁』が第一候補です。難しい問題を時間をかけて解くより、簡単な問題を数多く解くことが級位者には上達の早道という著者の考えで作られた全160問。繰り返し解くうちに詰碁の筋が自然に身につきます。少し進んだら、パターンとコツをつかむ構成の『初段になれる詰碁』も選択肢になります。
囲碁の本は紙と電子どちらがおすすめ?
橘ナナミ
囲碁の本は紙と電子どちらがおすすめについて教えてください。
佐藤メバル
碁盤の図を睨んで考える詰碁や手筋は紙が向いています。前後のページを行き来しやすく、書き込みもでき、何周も解き直す運用に耐えます。一方で持ち運びやキーワード検索、複数冊の併用を優先するなら電子が便利です。事典類は検索性の面で電子の利点が大きく、問題集は紙、という併用も現実的です。
AI時代になって定石の本は買い替えるべき?
橘ナナミ
AI時代になって定石の本は買い替えるべきについて教えてください。
佐藤メバル
布石・定石の本は買い替えを検討する価値があります。アルファ碁以降、過去の布石の多くが衰退し、それまで悪いとされていた手が定石になった例も少なくありません。高尾紳路さんの『新しい定石の基本』や一力遼さんの『ダイレクト三々』のように、AI以降の変化を前提に書かれた本が参考になります。詰碁・手筋は評価が大きく変わらないため、買い替えは必須ではありません。
初段になるには本を何冊くらい読めばいい?
橘ナナミ
初段になるには本を何冊くらい読めばいいについて教えてください。
佐藤メバル
冊数よりも、一冊を何周したかが効きます。入門書一冊、詰碁一冊、手筋一冊、布石の考え方を説く本一冊。この四冊を反復するだけでも、初段を目指す土台は作れます。実際、詰碁は一周目で筋を覚え、二周目で自力、三周目で速度という回し方が現実的で、冊数を増やすより回転数を上げたほうが力になります。
子どもに囲碁を教えるのにおすすめの本は?
橘ナナミ
子どもに囲碁を教えるのにおすすめの本はについて教えてください。
佐藤メバル
まずは大人が読んで、子どもと同じ目線で盤に向かえるかどうかが大事です。『マンガで覚える図解囲碁の基本』はマンガをまじえて基本から対局、19路盤までを紹介し、用語集も付いているので、教える側の言葉の確認にも使えます。依田紀基さんの『はじめての囲碁入門』も練習問題つきで、親子で一章ずつ進めるのに向いています。
定石は本で覚えられる?覚える必要はある?
橘ナナミ
定石は本で覚えられる?覚える必要はあるについて教えてください。
佐藤メバル
覚えるというより、形と意味を結びつけて知っておく、という捉え方が正確です。『やさしい囲碁トレーニング 新しい定石の基本』は星・小目などに分けて頻出のものを厳選し、丁寧に解説しています。丸暗記は相手の変化に対応できませんが、よく出る形を知っていれば序盤で大きく損をしなくなります。
囲碁の本は中古や絶版でも大丈夫?
橘ナナミ
囲碁の本は中古や絶版でも大丈夫について教えてください。
佐藤メバル
中古は絶版の名著に手が届く利点がある一方、図版の状態に個体差があり、書き込みが残っていることもあります。同じ本に改訂版や新版がある場合は、内容の更新と価格差を比べてから決めるとよいでしょう。事典のように長く引く本は、状態の良いものを選んだほうが結果的に長持ちします。
まとめ
橘ナナミ
最初は「22冊もどう選ぶんだろう」と思っていたのに、階段にしてみると、意外と一冊ずつでいいんですね。
佐藤メバル
そう。全部を同時に読む必要はないし、読めない。今の自分に必要な一段だけを選べばいい。そして一段上がったら、次を買い足す。
橘ナナミ
でも、せっかく買った本が合わなかったら、もったいないなって思ってしまって。
佐藤メバル
それなら逆に聞くけど、囲碁で「この一手は無駄だった」と決まるのはいつだろう。打った瞬間には分からないよね。何手か進んで、あとから効いてくる。読書も同じで、今はピンとこなかった一冊が、半年後にふと手に取ったとき、すごくよく分かることがある。
橘ナナミ
あ、それ、囲碁の布石みたいですね。序盤に置いた石が、終盤になって働いてくる。
佐藤メバル
いい例えだね。だから焦って結論を出さなくていい。まずは『はじめての囲碁入門』で盤に向かい、ひと目の詰碁を一日一問。その一手ずつが、いつかあなたの碁の厚みになる。棋書は、あなたの碁石を置く場所を教えてくれる地図なんだよ。
