囲碁の上達に役立つ本のおすすめ人気ランキング21選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
「囲碁 上達 本」で調べると、入門書も詰碁も定石も棋譜並べも、もう山のように出てきて…。しかも「級位者向け」と書いてあっても、自分が何級なのかすら曖昧で、最初の一冊を選んだところで止まってしまいました。
佐藤メバル
いい質問だね。囲碁の本は、実は棚が「役割」で分かれているんだ。ルールを教えてくれる読む本、読みを鍛える解く本、碁の流れを追う並べる本。この三つを区別せずに買うと、入門したての人がいきなり『囲碁手筋大事典』を開いて心が折れる。僕も書店員時代に、そういうお客さんを何度も見てきたよ。
橘ナナミ
あ、それは私です。石田芳夫九段が編纂した、頻出形の手筋を用途ごとにまとめた辞典ですよね。名前が格好いいから買ったのに、まったく手が動かなくて。
佐藤メバル
そう、あれは“辞書”であって“教科書”じゃない。辞書は引くもの、教科書は順に進むものだ。まずは依田紀基の『はじめての囲碁入門』や石倉昇の『改訂新版 一人で強くなる囲碁入門』のように、9路盤から13路盤、そして19路盤へと段階を踏ませてくれる本で土台を作る。そのうえで「次に何を足すか」を棋力と目的で決めていく。今日はその地図を一緒に作ろう。
橘ナナミ
お願いします!
囲碁の上達に役立つ本の選び方
目的別に選ぶ——ルール習得・序盤強化・読みの鍛錬・勝負術
橘ナナミ
一口に上達といっても、覚えることは分野ごとに全然違うんですね。
佐藤メバル
そう。ルール習得なら知念かおりの『マンガで覚える図解囲碁の基本』のように、マンガをまじえて対局や19路盤まで案内してくれる本が入りやすい。序盤を強くしたいなら『定石を覚えよう』から入って、趙治勲の『令和版 囲碁 ひと目の定石』のようにAI研究を踏まえた一冊へ進む。読みの鍛錬なら林海峰の『基礎完成 最速上達詰碁200』、勝負術なら小林覚の『勝ちを呼ぶヨセ』——終盤で差がつく分野を狙う。目的をひとつに絞ると、本棚が急に軽くなるよ。
棋力別に選ぶ——対象級位・段位が明記されているか
橘ナナミ
自分の棋力がわからないときは、どう見ればいいんでしょう。
佐藤メバル
「対象=級位者」と明記されている本なら、まずそこで間違いない。『トップ囲碁YouTuberが教える 初段になるための上達法』は、初段とはどの程度の棋力か、初段までの期間や勉強方法から説き起こしてくれるから、目標設定の物差しになる。逆に『基本布石事典』のように上下巻あわせて127型の参考譜を収めた事典は、辞書として棚に置く一冊。通読する本か、引く本かを分けて考えるのがコツだね。
形式別に選ぶ——通読する本・解く本・並べる本
橘ナナミ
解く本と並べる本は、目的が違うんですか。
佐藤メバル
まったく違う。解く本は詰碁や手筋で「読む力」を反復するもの。『囲碁・サバキの手筋100』は整形と捨て石という二つのジャンルに分けて学べるし、『囲碁・13路盤で上達! 基本戦術と手筋』は13路盤という狭い盤で接近戦を練習できる。並べる本は、大橋成哉の『一手ずつ解説! 碁の感覚がわかる棋譜並べ上達法』のように一手ずつ解説を追いながら碁の感覚を入れるもの。読み物として名局を味わえるのも並べる本のいいところだよ。
判型・価格・入手性まで見て選ぶ
橘ナナミ
本屋さんで見ると、文庫サイズのものから大きな事典までさまざまですよね。
佐藤メバル
持ち歩いて電車で詰碁を解くなら文庫や新書、家で盤を広げるなら大判と使い分けるといい。電子書籍は検索性が高く、紙は盤を見ながらめくるのに強い。中古や絶版のものもあるから、まず図書館や電子版で中身を確かめてから手元に置く、という順番でも遅くないよ。
囲碁の上達に役立つ本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、21冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
囲碁の上達に役立つ本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
はじめての囲碁入門
依田紀基 著|池田書店
¥1,265(税込)
ルールから打ち方、終局の仕方までを一冊に収め、序章の基礎知識に始まり、石取りのコツ、そして19路盤の対局の流れへと段階を上げていく構成です。依田紀基の手による入門書で、練習問題を解きながら読み進められるため、「覚えたつもり」で止まらないのが強み。置き碁のすすめまで踏み込み、初心者が最初の一本として迷ったときの道しるべになります。
こんな人におすすめ
これから囲碁を始めたい人、ルールは聞いたことがあるけれど19路盤はまだ敷居が高いと感じている人、そして一人で練習問題を解きながら独学したい人に向きます。碁盤と石を用意して、最初の一局を打てるようになりたい場面で力を発揮します。
良い点
- ルールから19路盤まで一冊で完結
- 練習問題で手を動かしながら学べる
- 置き碁のすすめまで収録
気になる点
- 図の再現には碁盤があると安心
- 入門直後の内容に絞られている
- 上達編までの網羅はない
出版社
池田書店
発売日
2011年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、囲碁ってルールを覚えたらすぐ打てるものなんですか? 盤が広そうで、最初の一歩から迷ってしまいそうです。
佐藤メバル
いい質問だね。この本はそこを丁寧に拾っていて、序章で基礎知識を押さえ、第1章でルールと対局の決まりごと、終局の仕方までを説明してくれる。
第2章で石取りのコツ、第3章で19路盤の流れと置き碁へ進む。練習問題でぐんぐん上達という言葉どおり、読むだけで終わらせない作りなんだ。
橘ナナミ
19路盤って最初から打てるんですか? 小さな盤で慣らしてからだと思っていました。
佐藤メバル
この一冊で19路盤が打てる、と掲げているとおり、置き碁のすすめまで用意されているのが親切なところ。いきなり互先で、ではなくハンデをつけて打つ入口を示してくれる。
似た入門書との違いは、実戦派の棋士が書いている点で、石を取る感覚が具体的なんだよ。
マンガで覚える図解囲碁の基本
知念かおり 著|つちや書店
¥1,320(税込)
「相手より広い陣地を作ったほうが勝ち」という一言から入り、囲碁は難しくないと伝えてくれる入門書です。基本のルールに加えて対局の流れ、19路盤までをマンガをまじえて紹介し、用語集も収録。文字だけの解説で挫折しそうな人にとって、絵の力で敷居を下げてくれる一冊で、語り口もやわらかく最初の一冊として手に取りやすい。
こんな人におすすめ
活字の入門書を開いても頭に入りにくかった人、家族や友人と一緒に囲碁を始めたい人、用語を確認しながら少しずつ読み進めたい人に向きます。まず囲碁というゲームの全体像をつかみたい場面で役立ちます。
良い点
- マンガでルールの敷居が下がる
- 対局から19路盤まで触れている
- 用語集つきで調べやすい
気になる点
- マンガ中心で変化の深追いはない
- 実戦問題の量は多くない
- 上達編は別途必要
出版社
つちや書店
発売日
2013年08月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
囲碁の本って文字ばかりで最初の数ページで眠くなりそうで……。マンガだと違いますか?
佐藤メバル
そこを狙った一冊だね。囲碁は「相手より広い陣地を作ったほうが勝ち」というシンプルなゲームだと最初に置いて、基本、対局、19路盤をマンガをまじえて説明してくれる。
用語集も収録されているから、知らない言葉が出てきても戻って確認できる。
橘ナナミ
なるほど! 用語集があるのは助かります。でもマンガだと、実戦の細かいところは弱いんでしょうか?
佐藤メバル
そこは正直に言うと、まず全体像をつかむための本だと考えていい。雰囲気をつかんでから問題集や定石本に進む、という順番が失敗しにくいよ。
逆に細かい変化を最初から追うと、たいてい途中で放り出してしまうからね。
改訂新版 一人で強くなる囲碁入門
石倉昇 著|日本文芸社
¥1,320(税込)
ロングセラー『囲碁入門』の改訂新版で、9路盤、13路盤、19路盤と盤を広げながら段階的に学べる構成です。著者の石倉昇は自身がアマチュア出身で、入門者や初級者への普及活動を続けてきた人。各章末に練習問題があり、一人でも碁が打てるようになることを狙っています。囲碁とAIや学校教育のコラムも挟まり読み物としても間延びしません。
こんな人におすすめ
独学で強くなりたい人、教室に通わず一人で練習を積みたい人、9路盤から始めて13路盤、19路盤へと無理なく進みたい人に向きます。手を動かす練習問題を軸に、自分のペースで進めたい場面で役立ちます。
良い点
- 9路から13路、19路と段階的
- 各章末に練習問題を収録
- 囲碁とAIのコラムも読める
気になる点
- 独学前提で対人指導はない
- 定石や手筋の深掘りは少なめ
- 改訂前と重なる部分もある
出版社
日本文芸社
発売日
2020年11月03日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「一人で強くなる」って書いてあるのが気になります。囲碁って一人でも上達できるものなんですか?
佐藤メバル
この本はそれを前提に組まれている。9路盤で打ち方に慣れ、13路盤でテクニックを学び、19路盤で対局の流れをつかむ。
しかも各章の終わりに練習問題がついているから、読んで終わりにならない。石倉昇はアマチュア出身で、入門者への普及活動を長く続けてきた人なんだ。
橘ナナミ
盤の大きさを変えていくのは面白いですね。いきなり19路盤だと、どこに打っていいか分からなくなりそうでした。
佐藤メバル
そこがこの本の親切なところ。コラムでは囲碁とAIの話や学校教育との関わりにも触れていて、読み物としても飽きない。
最初の一冊に迷ったら、候補に入れておいていいよ。
囲碁・13路盤で上達! 基本戦術と手筋
星合志保 著|マイナビ出版
¥1,474(税込)
13路盤を題材にした次の一手・手筋の問題集です。13路盤はスマホで気軽に打ててプレイ時間が短く、接近戦が多くなるため戦いの練習になり、適度な広さがあるので布石の要素も含み19路盤の上達にもつながります。13路盤で勝率アップに直結する手筋や布石の考え方を多数収録。著者はNHK杯の司会でも知られる星合志保です。
こんな人におすすめ
13路盤を主戦場にしている人、接近戦の力を身につけたい人、布石の構想力を鍛えたい人、そして19路盤にも生きる実力をつけたい人に向きます。スマホ対局の合間に一問ずつ解く場面にも向きます。
良い点
- 13路盤に特化した希少な問題集
- 接近戦と布石の両方を学べる
- 19路盤にも応用がきく内容
気になる点
- 19路盤の広い構想は別途必要
- 入門者にはやや難しめ
- 13路盤の対局環境が前提
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年10月23日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
13路盤って、入門の途中で通るだけのものだと思っていました。わざわざ専門の本があるんですね。
佐藤メバル
実は近年ユーザーが大きく増えているんだ。スマホで気軽に打てて一回が短く、接近戦になりやすい。だから戦いの練習になるし、適度な広さがあるから布石の要素も学べる。
この本はそこを突いた問題集で、13路盤で勝つための手筋と布石の考え方が並んでいる。
橘ナナミ
星合志保さんって、NHK杯の司会の人ですよね。YouTubeで13路盤を流しているのも納得です。
佐藤メバル
そう。19路盤でもそのまま使える内容だと明記されているから、13路盤を入口にしながら実力全体を底上げできる。
接近戦が苦手だなと感じている人にちょうどいいよ。
トップ囲碁YouTuberが教える 初段になるための上達法
藤森稔樹 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
「ルールを覚えて19路盤で打てるようになったけれど、そこからどう初段を目指せばいいかわからない」という人に向けて書かれた本です。初段とはどの程度の棋力か、どれくらいの人がなれるのか、期間や勉強法、考え方の順序づけまでを解説。詰碁と手筋、棋譜並べ、棋力別の棋書やアプリ、YouTubeチャンネルまで具体的な勉強の道筋が示されます。
こんな人におすすめ
級位者で伸び悩んでいる人、初段の壁の越え方が分からない人、何をどの順番で勉強すべきか知りたい人に向きます。独学の計画を立てたい場面や、停滞を打開したい場面で役立ちます。
良い点
- 初段までの道筋が具体的
- 棋力別の棋書やアプリも紹介
- 停滞例の実践ケースが読める
気になる点
- 入門レベルの解説は薄い
- 問題は演習向けに絞られる
- 対象が級位者以上に寄る
出版社
マイナビ出版
発売日
2022年09月22日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ルールは覚えたのに、そこから先どうすれば強くなるのか分からない……って、私も含めて読者がいちばん詰まりそうなところです。
佐藤メバル
その悩みに正面から答える本だね。まず初段とはどの程度の棋力か、どれくらいの人がなれるのか、どれくらいの期間がかかるのか、という話から始まる。
そして勉強法や考え方の順序づけ、詰碁と手筋、棋譜並べ、タイプ別のおすすめ棋士や棋力別の棋書まで並んでいる。
橘ナナミ
おすすめのアプリやYouTubeチャンネルまで載っているんですね。何から手をつければいいか、迷わなくて済みそうです。
佐藤メバル
10級で停滞した例、8級から昇級できない例、これから始める人の例といった実践例も収録されている。著者はYouTubeやオンラインサロン、碁会所で多くの人を指導してきた人だから、詰まりどころをよく知っているんだよ。
定石を覚えよう
日本棋院
¥1,100(税込)
定石を最善手の集合体と位置づけ、星、小目、目外し、高目、三々と章立てして要点を絞って紹介する一冊です。最後に基本定石一覧がまとめられ、覚えるだけでなく整理して使うための構成になっています。対象は級位者と明記され、一つの型を長く解説するより要点に絞った説明で、定石集の最初の一冊として選びやすい。
こんな人におすすめ
定石を初めて体系的に覚えたい級位者、序盤でどこに打てばいいか迷う人、まず代表的な型だけ頭に入れたい人に向きます。短い時間で要点をつかみ、対局で試したい場面に適します。
良い点
- 星から三々まで章立てで整理
- 級位者向けに要点を絞る
- 巻末に基本定石一覧を収録
気になる点
- AI以降の新定石は扱わない
- 変化の深掘りは少なめ
- 上級者には物足りない
出版社
日本棋院
発売日
2015年02月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
定石って、丸暗記するものだと思っていました。でも意味を理解しないと使えないですよね。
佐藤メバル
その通りで、この本は定石を最善手の集合体ととらえて、星、小目、目外し、高目、三々と整理してくれる。対象が級位者と明記されていて、らくらく理解できる要点に絞ってあるから、最初の定石集として無理がないんだ。
橘ナナミ
巻末の基本定石一覧は、対局前にさっと見返すのにも良さそうです。
佐藤メバル
そうやって使うのがいいね。ただしAI以降の新しい定石までは扱っていないから、そこは次の一冊で補う。まず型に慣れる、という段階の人に向いているよ。
令和版 囲碁 ひと目の定石
趙治勲 著|マイナビ出版
¥1,650(税込)
もとの『ひと目の定石』から年数がたち、AI研究で序盤が大きく変わったことを受けて作られた新版です。ひと目シリーズらしく素直な打ち筋を多く紹介し、難解な変化は省き、難しい変化を避けて互角に持ち込む手順を用意しているのが特徴。定石は手順ではなく一手一手の意味を理解することが大事だと説き、総合問題まで収録しています。
こんな人におすすめ
定石を覚えたけれどAI時代の形に更新したい人、手順の暗記から意味の理解へ進みたい人、問題形式で手を考えながら定石を身につけたい人に向きます。実戦で遭遇する形を整理したい場面で役立ちます。
良い点
- AI以降の定石を反映
- 一問一答で手を考えられる
- 難解変化を避ける配慮あり
気になる点
- 定石の歴史的変遷は少なめ
- 布石全体の構想は別途必要
- 問題形式に慣れが必要
出版社
マイナビ出版
発売日
2023年07月13日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「令和版」ってことは、昔の定石の本とは中身が変わっているんですか?
佐藤メバル
そこが肝でね。もとの『ひと目の定石』が出たあとにAI研究が進んで、序盤は大きく変わった。だから進化した定石をまとめ直したのがこの新版なんだ。
難解な変化は省いて、難しい変化を避けて互角に持ち込む手順を示してくれるから安心して学べる。
橘ナナミ
ひと目、というだけあって、考えて解く形式なんですね。
佐藤メバル
星の定石、小目の定石、未完成の定石を探す問題、定石選択、総合問題と並んでいる。定石は手順の暗記ではなく一手一手の意味を理解することが大事、という著者の姿勢が全体に通っているよ。
実戦定石の運用法
小林覚(囲碁) 著|ユーキャン
¥1,760(税込)
定石で最も大切なのは局面に応じてふさわしい定石を選ぶことだ、という立場から書かれた一冊です。基本定石を必要最小限の35型に絞り、アマはこれだけ知っていれば十分とし、大型の難解定石は不要と明言。著者の打碁とアマ高段者の碁を題材に、定石と布石、中盤の入り口までを一続きのものとして解説しています。
こんな人におすすめ
定石を覚えても実戦で選べない人、隅の形と全局の関係を考えたい人、難解定石に手を出す前に土台を固めたい人に向きます。アマ高段者の碁から学びたい場面にも向きます。
良い点
- 基本定石を35型に絞って提示
- 定石と布石を一続きで解説
- アマ高段者の実戦を題材にする
気になる点
- 定石の網羅性は高くない
- 級位者にはやや難しめ
- シリーズ他巻と併読が前提
出版社
ユーキャン
発売日
2013年09月20日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
定石を覚えても、実戦でどれを使えばいいか分からなくなる気がします。そんな本なんでしょうか?
佐藤メバル
まさにそこがテーマなんだ。この本は、局面に応じてふさわしい定石を選ぶことこそ大事だと説く。だから基本定石を必要最小限の35型に絞って、アマならこれで十分、大型の難解定石は要らないとまで書いている。
全体と部分は切り離せないという考えが軸だね。
橘ナナミ
35型って、覚えられそうな数ですね。でも全体ってどう見るんでしょう?
佐藤メバル
著者自身の打碁とアマ高段者の碁を題材に、定石と布石の関連、ときには中盤の入り口まで話が広がる。隅の一手が、盤全体のどの方向につながるのか。
それが見えてくると、定石がぐっと使いやすくなるよ。
ダイレクト三々 基本と応用(AI時代の新定石)
一力遼 著|日本棋院
¥1,870(税込)
従来は評価されてこなかった星への三々入りが、囲碁AIの多用をきっかけに見直され、プロの間で流行した——その定石をダイレクト三々と名づけ、基本と応用を丁寧に解説する一冊です。第1章で基本知識、第2章でアマの実戦での活用法、第3章でプロの実戦からの応用、第4章は自戦解説3局。布石の考え方を変えた一手を命名者自身が追いかけています。
こんな人におすすめ
AI時代の序盤を身につけたい人、ダイレクト三々を実戦で使いたい人、プロの実戦から応用を学びたい人に向きます。布石の常識が変わった流れを追いたい場面にも適します。
良い点
- 命名者自身による解説
- アマ実戦とプロ実戦の両方を扱う
- 自戦解説3局を収録
気になる点
- 序盤の一部にテーマを絞る
- 定石全般は網羅しない
- 級位者には展開が速い
出版社
日本棋院
発売日
2019年08月07日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ダイレクト三々」って、名前からしてもう強そうですね。昔は打たれなかった手なんですか?
佐藤メバル
そう、従来は評価されてこなかった星への三々入りなんだ。ところがAIが多用するようになって見直され、プロの間で大流行した。
この本はその定石をダイレクト三々と命名して、基本と応用を丁寧に解説している。命名した一力遼自身の手による一冊だよ。
橘ナナミ
アマの実戦とプロの実戦、両方から学べるのが面白いですね。
佐藤メバル
第2章がアマの実戦で学ぶ活用法、第3章がプロの実戦から学ぶ応用、第4章は自戦解説3局。布石の考え方を大きく変えた一手が、どんな場面で効くのかを追える。
序盤の常識を更新したい人に向いているよ。
洪道場のAI定石辞典
小池芳弘 著|朝日出版社
¥2,530(税込)
AI以降に作られた定石をまとめた辞典で、AI流三々入り、小目のシマリへの対抗策、進化した定石と消えた定石という三つの柱で構成されています。まえがきでは、本の定石を使うかどうかは自分で決めればよく、自分に合わないものを無理に使う必要はない、なるほどそういう手もあると知るだけでも勉強だと語られています。
こんな人におすすめ
AI定石を辞書的に手元に置きたい人、新しい形と消えた形の違いを知りたい人、自分の碁に合う定石を選びたい人に向きます。対局後に該当ページを引いて確認する場面で役立ちます。
良い点
- AI定石を幅広く収録
- 消えた定石も確認できる
- 辞書的に引ける構成
気になる点
- 通読には向かない構成
- 前提となる棋力が必要
- 実戦で使うには取捨選択が要る
出版社
朝日出版社
発売日
2020年09月29日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「辞典」ってことは、最初から読む本ではないんですね。どんなふうに使うんでしょう?
佐藤メバル
AI流の三々入り、小目のシマリへの対抗策、そして進化した定石と消えた定石。三つの柱でまとまっているから、実戦で出てきた形を引くのに向いている。
まえがきで洪清泉は、本の定石を使うかどうかは自分で決めればいい、なるほどそういう手もあると知るだけでも勉強だと書いているのがいいんだ。
橘ナナミ
無理に全部使わなくていい、という言葉は安心します。定石本って、覚えなきゃと身構えてしまって。
佐藤メバル
一番大事なのは囲碁を楽しむことだ、世界に一つだけの自分の碁を打ってみてほしい、とまで書かれている。辞書として手元に置いて、必要なときに開く。そんな付き合い方ができる一冊だよ。
布石で勝つ方法
小林覚(囲碁) 著|ユーキャン
¥1,760(税込)
前巻『実戦定石の運用法』に続く一冊で、序盤戦すなわち布石にはおのずから大きい手と小さい手があり、全局的に見れば石の向かう方向があると説きます。実利と厚み、モヨウをめぐって進む代表的な型を三章に分けて研究し、布石から中盤の戦いへ波及する様相を追う構成。定石が布石世界の一部分だと位置づける視点が際立ちます。
こんな人におすすめ
布石で主導権を握りたい人、大きい手と小さい手の判断を身につけたい人、序盤から中盤へのつなぎ方を考えたい人に向きます。前巻と合わせて読む場面にも適します。
良い点
- 布石の大小と方向を整理
- 実利と厚みの型を扱う
- 中盤への波及まで追う
気になる点
- 前巻と併読が望ましい
- 序盤にテーマを絞る
- 入門者には難しめ
出版社
ユーキャン
発売日
2013年10月18日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
布石って、序盤に石を置いていくだけですよね。勝ち負けにそんなに響くんでしょうか?
佐藤メバル
そこを正面から扱った本だね。序盤戦にはおのずから大きい手と小さい手があって、全局的に見れば石の向かう方向がある。
実利と厚み、モヨウをめぐって進む代表的な型を三章に分けて研究して、布石から中盤の戦いへ波及するところまで見ていくんだ。
橘ナナミ
定石の本の続き、という位置づけなんですね。
佐藤メバル
そう。定石は序盤に打たれることが多く、序盤は布石とほぼ同義語。だから定石を使いこなせれば布石も巧みになる、という考え方なんだ。
これまで考えてきた布石から一枚脱皮したい人に向いているよ。
基本布石事典(上巻)新版
依田紀基 著|日本棋院
¥2,640(税込)
上下巻をあわせて127型の参考譜を収める布石事典の上巻です。上巻は星・小目平行を第1型から第41型、星・小目タスキ他を第1型から第10型という章立てで、現代の布石構想を総チェックできる構成になっています。個々の定石を覚える本ではなく、布石の型を参照しながら自分の構想を照らし合わせる事典としての使い方が核です。
こんな人におすすめ
布石の型を一覧で確認したい人、自分の構想を型と照らし合わせたい人、上巻と下巻を揃えて手元に置きたい人に向きます。対局前後に型を引きたい場面で役立ちます。
良い点
- 127型の参考譜を上下で収録
- 星・小目平行を厚く扱う
- 事典として引ける
気になる点
- 上巻だけでは完結しない
- 通読には向かない
- 一定の棋力が前提
出版社
日本棋院
発売日
2008年07月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
布石の「事典」って、けっこうがっしりした本ですよね。どんな人が持つんでしょう?
佐藤メバル
布石の型を参照するための本だね。上巻は星・小目平行を第1型から第41型、星・小目タスキ他を第1型から第10型と並べていて、上下巻をあわせると127型の参考譜になる。
現代の布石構想を総チェックできる構成なんだ。
橘ナナミ
型を引いて、自分の碁と見比べる感じですか。上巻だけだと物足りないですか?
佐藤メバル
上巻だけでは完結しないから、揃えて使うのが前提だと考えていい。定石を覚える本ではなく、布石の設計図を確認する本だよ。
ある程度打てるようになって、自分の構想を持ち始めた人にちょうどいい。
囲碁 AI時代でも変わらない 布石と中盤の本質
羽根直樹 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
AIの影響で新しい打ち方が次々に生まれる一方、変わっているのは手段で本質はほぼ変わっていない——という立場から書かれた一冊です。第1章は作戦・構想の立て方、第2章は石が競ったときの考え方、第3章は羽根流の考え方。アマの碁を題材にした講評と、AI全盛の時代に自身の打ち方を貫いた著者の碁の両方から、大事な考え方を掘り下げます。
こんな人におすすめ
流行の手に振り回されたくない人、布石と中盤の考え方の土台を固めたい人、アマの碁から学びたい人に向きます。手段と本質を切り分けて考えたい場面に適します。
良い点
- アマの碁を題材にした講評
- 布石から中盤までを扱う
- 羽根流の考え方に触れられる
気になる点
- 定石の網羅本ではない
- 級位者にはやや高度
- 問題集形式ではない
出版社
マイナビ出版
発売日
2021年06月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
AIの影響で打ち方が変わり続けているのに、この本は「変わらない本質」と言い切っています。そこが気になります。
佐藤メバル
変わっているのはあくまで手段で、本質の部分はほぼ変わっていない。その立場で書かれているんだ。第1章は布石で石の方向をどう決めるか、一段落後にどこへ向かうか、弱い石をどう攻めるかといった構想力。
第2章は石の攻め方や、模様に突入してきた相手への対処。アマの碁を題材に講評していく。
橘ナナミ
第3章は著者自身の碁なんですね。AI全盛の時代に自分の打ち方を貫いた、と書いてあります。
佐藤メバル
AIを参考にしている部分もあると本人は言う。貫く考え方と参考にする考え方を並べて見せることで、囲碁で大切な考え方とは何かに迫っていく。流行に振り回されたくない人にいいよ。
囲碁手筋大事典 -頻出型完全網羅ー
石田芳夫 著|マイナビ出版
¥2,079(税込)
名誉本因坊の資格を持つ石田芳夫が編纂した手筋辞典です。数多く存在する手筋を用途ごとにまとめ、実戦に応用できることにこだわったのが特長で、頻出形の手筋を完全網羅することを掲げています。読み物として通すのではなく、実戦で出てきた形から引いて確認する事典的な一冊で、手元に置いて長く使える構成です。
こんな人におすすめ
手筋を辞書的に手元に置きたい人、実戦で出た形をすぐ確認したい人、頻出形を一通り押さえたい人に向きます。対局の振り返りで該当する形を探す場面に役立ちます。
良い点
- 名誉本因坊の編纂による辞典
- 用途ごとに整理されている
- 実戦応用を重視
気になる点
- 通読向きではない
- 基本の理解が前提
- 手筋の取捨は自分次第
出版社
マイナビ出版
発売日
2018年04月11日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
手筋の「大事典」って、すごい迫力ですね。読み通す本なんですか?
佐藤メバル
読み物として通すより、実戦で出てきた形を引いて確認する事典だと考えたほうがいい。数多くある手筋を用途ごとにまとめて、実戦に応用できることにこだわっている。
頻出形の手筋を完全網羅という言葉どおり、一冊持っておきたい内容だね。
橘ナナミ
名誉本因坊の資格を持つ人が編纂していると、やっぱり信頼感があります。
佐藤メバル
囲碁ファンなら誰でも一冊は持っておきたい、と紹介される本だよ。ただ、基本の形が頭に入っているほうが引くときに迷わないから、入門書を一冊終えたあたりで手を伸ばすといい。
囲碁・サバキの手筋100
現代碁研究室 著|マイナビ出版
¥1,804(税込)
サバキとは相手の攻めや追及を無力化する技術で、アタリを打つ方向を変えるだけで10目以上の差が現れることもあると説きます。段位者でも実戦で正しく打てる人は少ない理由を、多くの状況で石を捨てることが前提だからだと指摘し、整形と捨て石の2つに分けて基礎から応用まで学べる構成。守る基本を逆手に取る発想が核です。
こんな人におすすめ
相手の攻めを受けるのが苦手な人、捨て石の発想を身につけたい人、段位を目指して手筋を増やしたい人に向きます。攻め込まれた局面の打ち方を変えたい場面に適します。
良い点
- 整形と捨て石で章立て
- サバキに絞った100題
- 捨てる前提を丁寧に説明
気になる点
- 守る基本の確認が前提
- 級位者にはやや難しめ
- 布石の内容は含まない
出版社
マイナビ出版
発売日
2023年09月19日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「サバキ」って聞き慣れないんですけど、どういう意味ですか?
佐藤メバル
相手の攻めや追及を無力化することだね。たとえばアタリを打つ方向を変えるだけで、10目以上の差が現れることもある。
ただ、段位者でも実戦で正しく打てる人は少ない。理由は、多くの状況で石を捨てることが前提だからなんだ。
守る基本を真っ向から否定する動きだから、抵抗感を覚えるのは正常な反応だよ。
橘ナナミ
石を捨てる、という発想がまだ出てこないです。もったいない気がしてしまいます。
佐藤メバル
この本は整形と捨て石の2つに分けて、基礎から応用まで学べるようにしている。サバキの呼吸をつかめば、捨て石の名人になれるとまで書かれている。
攻められて苦しいときに、発想を変えたい人に向いているよ。
囲碁 極みの手筋100
孫テツ 著|マイナビ出版
¥1,980(税込)
今より少しでも強くなりたいという思いに向けて、孫テツと星合志保がこだわり抜いた実戦手筋集です。型にはまった問題ではなく、これぞ実戦というアグレッシブな筋を多数集めているのが特徴。大多数のプロがまず詰碁と手筋の勉強を勧めること、とりわけ手筋は抜けがちだと指摘し、繰り返せば石の急所がひと目で見えるようになると説きます。
こんな人におすすめ
実戦で使える手筋を増やしたい人、詰碁はやっているが手筋が手薄な人、読みの力を底上げしたい人に向きます。問題を繰り返し解いて感覚を身につけたい場面に適します。
良い点
- 実戦的なアグレッシブな筋を収録
- 二人の棋士によるこだわりの100題
- ヨミの力向上を狙える
気になる点
- 基礎の手筋は別途必要
- 難易度はやや高め
- 布石やヨセは扱わない
出版社
マイナビ出版
発売日
2025年05月16日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁はよく勧められますけど、手筋の勉強は抜けがち、という一文が刺さりました。私も手筋は後回しにしていました。
佐藤メバル
そこを突いた本だね。対局する、棋譜を並べる、AI研究でトレンドを追う。どれも正しいアプローチだけど、大多数のプロはまず詰碁と手筋を勧める。
この本は型にはまった問題ではなく、これぞ実戦というアグレッシブな筋を集めているんだ。
橘ナナミ
孫テツさんと星合志保さんの共著なんですね。二人でこだわり抜いた100題、というのが気になります。
佐藤メバル
繰り返し読めば石の急所がひと目で見えて、ヨミの力がアップする。実戦手筋を極めたい人に向いているよ。詰碁と並べて、手筋も毎日のメニューに入れてみるといい。
基礎完成 最速上達詰碁200
林海峰 著|マイナビ出版
¥1,419(税込)
サンケイスポーツに掲載された林海峰名誉天元の詰碁から200題を収めた問題集です。解きやすく棋力アップにつながる問題がそろい、重要手筋を使う問題を多く出題しているのが特徴。読みの練習だけでなく手筋の習得にも役立つと位置づけ、仕上げに挑戦問題を30題用意。繰り返し挑戦して解けるようになることで上達を実感できる構成です。
こんな人におすすめ
詰碁を毎日の習慣にしたい人、読みの練習と手筋の習得を同時に進めたい人、問題量をこなして基礎を固めたい人に向きます。短時間で一問ずつ積み上げたい場面に適します。
良い点
- 200題という問題量
- 重要手筋を使う問題が多い
- 挑戦問題30題を収録
気になる点
- 解説は簡潔に絞られる
- 布石やヨセは扱わない
- 毎日の継続が前提
出版社
マイナビ出版
発売日
2017年05月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
詰碁200題って、多いですね。こなせるか不安ですけど、毎日の習慣にしたら強くなれそう。
佐藤メバル
新聞に掲載された詰碁から選んだ200題で、解きやすく棋力アップにつながる問題がそろっている。しかも重要手筋を使う問題が多いから、読みの練習だけでなく手筋の習得にも役立つ。
仕上げに挑戦問題が30題用意されているんだ。
橘ナナミ
挑戦問題があると、最後に力試しができていいですね。繰り返し解くのが大事なんでしょうね。
佐藤メバル
そう、繰り返し挑戦して解けるようになることで棋力の向上を実感してください、という作りなんだ。一分でもいいから毎日続けてみる。それがいちばん近い道だよ。
勝ちを呼ぶヨセ
小林覚(囲碁) 著|ユーキャン
¥1,760(税込)
一局にはさまざまな分野があるが、ヨセと死活は勉強すればするほど上達につながると説く一冊です。ヨセが敬遠される理由は何目かの計算がわずらわしいからだが、原理はいたって簡単だとし、ややこしい計算はなるべく省略。小ヨセより大ヨセを多く取り上げ、中盤から終盤、大ヨセのあたりを守備範囲として解説します。
こんな人におすすめ
終盤で逆転されたくない人、形勢判断と計算の基本を押さえたい人、ヨセを敬遠してきた人に向きます。終盤のうっかりミスを減らしたい場面にも向きます。
良い点
- 大ヨセを多く取り上げる
- 計算をなるべく省略
- 腕試しの練習問題つき
気になる点
- 死活は扱わない
- 序盤の内容は含まない
- シリーズ他巻と併読が前提
出版社
ユーキャン
発売日
2014年02月21日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ヨセって、地味なイメージがありました。でも「勝ちを呼ぶ」って書いてあるのが気になります。
佐藤メバル
ヨセと死活は、勉強すればするほど上達につながるといわれているんだ。実際、ヨセの研究を集中的にやってアマ高段で打てるようになった、という人が少なくない。
ヨセが得意な人はあまり多くないから、上達の近道になりうる分野なんだよ。
橘ナナミ
でも、何目か計算するのが面倒そうで……そこが敬遠される理由ですよね。
佐藤メバル
だからこの本はややこしい計算をなるべく省略して、小ヨセより大ヨセを多く取り上げる。中盤から終盤、大ヨセのあたりが守備範囲だ。
終盤に強い打ち手を目指したい人にいいよ。
置碁でわかる囲碁上達法 〜黒の作戦と白の意図〜
水間俊文 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
置碁は文化と言われるほど学べることが多く、効率の良い陣地の囲い方から模様や石を攻める応用作戦まで身につくと説く一冊です。黒番視点の内容ながら、うわ手がどのような意図で打ってくるかも解説し、置碁でも互先でも共通して使える考え方を扱います。石取りたがり病、連絡依存症といった言葉でアマの間違いを示すのも特徴です。
こんな人におすすめ
置碁で打つ機会が多い人、うわ手の意図を読みたい人、自分の癖を言葉で自覚したい人に向きます。布石から形勢判断、ハメ手対策まで一通り押さえたい場面に適します。
良い点
- 黒の作戦と白の意図の両方を解説
- アマの間違いを言葉で示す
- ハメ手対策も収録
気になる点
- 囲碁の基本は前提になる
- 互先専門の人には遠回り
- 問題集形式ではない
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年08月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
置碁って、ハンデをつけて打つものですよね。「置碁は文化」という言葉があると聞いて、意外だと思いました。
佐藤メバル
置碁から学べることはとても多いんだ。効率の良い陣地の囲い方といった基本から、模様や石を攻めるといった応用作戦まで身につく。
この本は黒番視点だけど、うわ手がどのような意図で打ってくるかも解説している。置碁でも互先でも共通して使える考え方が軸なんだ。
橘ナナミ
「石取りたがり病」「連絡依存症」って、キャッチーですけど耳が痛いです……。
佐藤メバル
アマのやりがちな間違いを、そう名づけて対処法を解説してくれる。著者の水間俊文は30年以上の指導歴があり、何人もの生徒を有段・高段者に導いてきた人だ。自分の癖を自覚したい人に向いているよ。
うわ手は何を考えているのか? 置碁で身につく基本作戦集
水間俊文 著|マイナビ出版
¥1,749(税込)
「白に打たれたらどの手も正しく見えてしまう」という経験から入り、強い人が盤面を見て考えていることを明かす一冊です。石の強弱、大きい場所と小さい場所、要石とカス石といった情報の見え方を、置碁を題材に黒と比較しながら抽出。どこで差がついているのかを示したうえで、手筋、死活、ヨセ、攻め合いといった即効性の高い技術も紹介します。
こんな人におすすめ
強い人との差がどこにあるのか知りたい人、置碁で上達したい人、形勢判断の材料を増やしたい人に向きます。前著と合わせて読む場面にも適します。
良い点
- 強い人の思考を言語化
- 即効性の高い技術も紹介
- 前著と続けて読める
気になる点
- 囲碁の基本は前提になる
- 互先専門の人には遠回り
- 前著と一部重なる内容
出版社
マイナビ出版
発売日
2020年12月23日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「同じ盤面を見ているはずなのに、強い人は様々な情報を手に入れている」って、まさに不思議に思っていたことです。
佐藤メバル
その見え方の違いを明かす本だね。石の強弱、大きい場所と小さい場所、要石とカス石。強い人が盤面から何を読み取っているのかを、置碁を題材にして黒と比較しながら抽出していく。
どこで差がついているのかが重要なポイントとして浮かび上がるんだ。
橘ナナミ
考え方を学んだあとに、実際のテクニックも紹介されるんですね。
佐藤メバル
手筋、死活、ヨセ、攻め合いといった即効性の高い技術が並んでいる。著者は30年の指導歴があり、前著も大好評だった人だ。盤面を見る目を一段上げたい人にいいよ。
一手ずつ解説! 碁の感覚がわかる棋譜並べ上達法 【激動の江戸後編】
大橋成哉 著|マイナビ出版
¥1,859(税込)
歴史に残る名局を一手ずつ解説で堪能するシリーズの一冊です。本因坊秀策のコスミや耳赤の一手、正確無比な碁で知られる本因坊秀和、後聖と称された本因坊丈和、丈和との争碁で知られる井上幻庵因碩が登場。布石だけでなく中盤や終盤にも見所の多い局を収録し、石が込み合った場面でも何が起こっているかを追える構成です。
こんな人におすすめ
棋譜並べを習慣にしたい人、古碁の名局に触れたい人、中盤や終盤の感覚を養いたい人に向きます。江戸時代の碁の面白さを知りたい場面にも適します。
良い点
- 名局を一手ずつ解説
- 中盤・終盤の見所も多い
- 激動の江戸後編という位置づけ
気になる点
- 現代のAI定石は扱わない
- 棋譜並べの習慣が前提
- シリーズ他巻と併読が望ましい
出版社
マイナビ出版
発売日
2019年08月23日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
棋譜並べって、上達にいいと聞きますけど、ただ並べるだけで何が起きているか分からなさそうで……。
佐藤メバル
そこを一手ずつ解説してくれるのがこのシリーズなんだ。秀策、秀和、丈和、幻庵因碩と、歴代最強に名前が挙がる面々が登場する。
布石だけでなく中盤や終盤にも見所の多い局を収録しているから、石が込み合った場面でも何が起こっているかよく分かる。
橘ナナミ
耳赤の一手って聞いたことがあります。そういう有名な場面も出てくるんですね。
佐藤メバル
収録局はシリーズ随一と言っていいほど、並べていて楽しい碁ばかりだそうだ。古碁の面白さが詰まっていて、上達にも役立つ。
棋譜並べを習慣にしたい人に向いているよ。
棋力別「3冊セット」と、読む・解く・並べるの役割分担
橘ナナミ
選び方はわかりました。でも結局、何冊くらい持てばいいんでしょう。
佐藤メバル
僕が勧めているのは、一冊を探すのではなく“3冊セット”で処方すること。役割はこうだ。読む本=理解、解く本=反復、並べる本=感覚。入門期なら、読む本に『はじめての囲碁入門』か『改訂新版 一人で強くなる囲碁入門』、解く本にやさしい詰碁、並べる本はまだ要らない。19路盤で打てるようになったら、解く本を『基礎完成 最速上達詰碁200』に替え、並べる本を一冊足す。
橘ナナミ
初段を目指す段階だと、セットはどう変わりますか。
佐藤メバル
軸になるのは『トップ囲碁YouTuberが教える 初段になるための上達法』。ここで詰碁と手筋、棋譜並べ、タイプ別の棋士、棋力別のおすすめ棋書まで道筋が示される。序盤は『令和版 囲碁 ひと目の定石』や『実戦定石の運用法』、戦いの感覚は水間俊文の『置碁でわかる囲碁上達法』や『うわ手は何を考えているのか?』で補う。手筋は『囲碁 極みの手筋100』のような実戦形の問題集、終盤は『勝ちを呼ぶヨセ』。この三層を回すと、勉強している実感が続くよ。
1日15分の学習ルーティンと、効果を測って乗り換える方法
橘ナナミ
社会人だと、まとまった時間が取れないのが悩みです。
佐藤メバル
それなら15分を固定しよう。平日は詰碁を数題だけ解く——解けなくても、答えを読んで「この形はこう決まる」と覚えるだけでいい。睡魔が来たらそこで終わり。週末にまとめて棋譜並べか定石の確認を入れる。月に一度は実戦を打って、負けた碁を並べ直す。これで十分回る。
橘ナナミ
上達しているかどうかは、どう測ればいいんでしょう。
佐藤メバル
一番わかりやすいのは、同じ本を解き直したときの速度だね。前は時間がかかった問題が、すっと見えるようになる。逆に、同じ本を何度開いても手が動かないなら、その本はまだ早い。難易度が合っていないか、分野が合っていないかのどちらかだから、一段やさしい本に戻すか、別ジャンルへ移る。乗り換えは失敗じゃなくて調整だよ。
挫折パターン別の処方箋と、入手性・年代別の選び方
橘ナナミ
挫折にも種類があるんですね。
佐藤メバル
大きく二つ。難しい本を選んで心が折れる“難易度ミス”と、苦手分野ばかり回して飽きる“分野ミス”。前者は『マンガで覚える図解囲碁の基本』のような入口に戻ればいい。後者は、定石ばかりで嫌になったら大橋成哉の棋譜並べで名局を眺める、逆に並べるのが退屈なら『囲碁・サバキの手筋100』で手を動かす。気分で分野を替えるのが長続きの秘訣だね。
橘ナナミ
シニアや子ども、生活スタイルが違う場合も知りたいです。
佐藤メバル
石倉昇の『改訂新版 一人で強くなる囲碁入門』は、碁を置きながらルールを解説し、章末に練習問題がつく構成で、ひとりで始める人に向く。マンガから入りたい子どもには『マンガで覚える図解囲碁の基本』が無理がない。通勤が長い人は電子版で詰碁、家で落ち着ける人は紙の棋譜並べ。生活の隙間の形に合わせて選ぶのがいちばんだ。
橘ナナミ
AI時代の定石本は、今も必要なんでしょうか。
佐藤メバル
『ダイレクト三々 基本と応用』は、AIが多用するようになって見直された三々入りを「ダイレクト三々」と名づけ、基本から応用まで解説した一冊。『洪道場のAI定石辞典』は進化した定石と消えた定石まで扱っている。だからこそ、手順の暗記ではなく意味をつかむ読み方が要る。羽根直樹の『囲碁 AI時代でも変わらない 布石と中盤の本質』が示すように、変わるのは手段で本質はそう変わらない——ここを軸に持っておくと、流行に振り回されないよ。
よくある質問
囲碁が強くなるにはどの本から読めばいい?
橘ナナミ
囲碁が強くなるにはどの本から読めばいいについて教えてください。
佐藤メバル
まずはルールと打ち方を一冊で通せる入門書から始めるのが近道です。依田紀基の『はじめての囲碁入門』は練習問題つきで19路盤まで導いてくれますし、石倉昇の『改訂新版 一人で強くなる囲碁入門』は9路盤から13路盤、19路盤へと段階を踏ませてくれます。碁を置きながら覚えたい人は後者が向いています。
詰碁と手筋はどちらを先にやるべき?
橘ナナミ
詰碁と手筋はどちらを先にやるべきについて教えてください。
佐藤メバル
順番を決めきるより、詰碁を軸にして手筋を足すのがおすすめです。詰碁は読みの反復、手筋は形の引き出しづくりで役割が違います。『基礎完成 最速上達詰碁200』は重要手筋を使う問題が多いので、一冊で両方に触れられる入口になります。
本を読むだけで強くなれるのか?
橘ナナミ
本を読むだけで強くなれるのかについて教えてください。
佐藤メバル
読むだけでは足りません。本で覚えた形を、実際に盤の前で手を動かして確かめる必要があります。詰碁を解く、負けた碁を並べ直す、実戦で試す。この往復があって初めて本の内容が自分のものになります。
初段になるにはどの本を揃えればいい?
橘ナナミ
初段になるにはどの本を揃えればいいについて教えてください。
佐藤メバル
道筋を示す本を軸に、序盤・手筋・終盤を一枚ずつ足すのが現実的です。『トップ囲碁YouTuberが教える 初段になるための上達法』は初段までの期間や勉強方法、棋力別のおすすめ棋書まで触れているので土台になります。そこに定石の本、手筋の問題集、ヨセの本を組み合わせていきましょう。
囲碁の本は電子書籍と紙のどちらがおすすめ?
橘ナナミ
囲碁の本は電子書籍と紙のどちらがおすすめについて教えてください。
佐藤メバル
詰碁や手筋は検索性と携帯性の高い電子版、定石や棋譜並べは盤を広げながらめくれる紙が向いています。どちらかに統一せず、使う場面で分けるのがいちばんです。まず電子版で中身を確かめてから紙を買う、という順番でも構いません。
難しい本で挫折したときは易しい本に戻るべき?
橘ナナミ
難しい本で挫折したときは易しい本に戻るべきについて教えてください。
佐藤メバル
戻るべきです。同じ本を開いても手が動かないなら、難易度か分野が合っていません。マンガ形式の入門書のような入口に戻るか、定石から棋譜並べに切り替えるなど、分野ごと替えるのも有効な調整です。
AI時代の定石本は今も必要?
橘ナナミ
AI時代の定石本は今も必要について教えてください。
佐藤メバル
必要です。ただし手順の暗記目的ではなく、意味を理解するために使うのが前提になります。AIによって評価が変わった定石もあれば、消えていった定石もあります。変化を知る一冊と、変わらない本質を説く一冊を並べて持つと判断しやすくなります。
シニアや子どもにおすすめの入門書は?
橘ナナミ
シニアや子どもにおすすめの入門書はについて教えてください。
佐藤メバル
子どもにはマンガをまじえた『マンガで覚える図解囲碁の基本』が入りやすいです。シニアや、ひとりで始めたい人には、碁を置きながらルールを解説し章末に練習問題がある『改訂新版 一人で強くなる囲碁入門』が向いています。文字の大きさや図の見やすさも、書店で必ず確認してください。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、本棚の作り方が変わりました。まず土台の一冊を決めて、解く本と並べる本を足していく。全部そろえなくていいんですね。
佐藤メバル
そう。最初から全部そろえる必要はない。むしろ、いまの棋力に合った一冊をしっかり回すほうが強い。半年で初段を目指すなら、道筋を示してくれる本を軸に、序盤・手筋・終盤を少しずつ足していけばいい。
橘ナナミ
負けた碁を並べ直すのも、本の使い方のうちなんですね。
佐藤メバル
うん。本は答えを教えてくれるものじゃなくて、盤を見る目を貸してくれるものだ。詰碁を一題、碁盤の前に座った15分。その積み重ねが、いつか自分の一手を選ぶ根拠になる。布石は打った手が何手も先でつながっていくけれど、読書も同じだよ。今日の一冊が、半年後のあなたの一手につながっている。
