車に関する本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
「車 本 読む おすすめ」で調べたんですけど、出てくる本がバラバラすぎて…図鑑もあれば整備の本もあって、正直どれから読めばいいのか分からないです。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。車の本は「ジャンル」というより欲求の集まりなんだ。眺めたい、仕組みを知りたい、歴史を味わいたい、走りたい、そして車の中で読みたい。まず決めるのは分厚さや値段じゃなく「いま自分が何を知りたいか」。これで棚がまるごと変わる。
橘ナナミ
なるほど…!たとえば「自分の車の仕組みが気になる」だったら、どれですか?
佐藤メバル
それなら『改訂新版 最新オールカラー クルマのメカニズム』。青山元男さんが「走る・曲がる・止まる」をカラー図版で分解していく本で、パワートレイン、エンジン、動力伝達装置、電気自動車とハイブリッド自動車、シャシーメカニズムの5部構成。自動車関係の仕事に就いている人が知識の再確認に使える前提で書かれているから、最初の1冊にも、辞書にもなる。
橘ナナミ
理屈より「眺めて楽しい」ほうから入りたい気持ちもあるんですけど…。
佐藤メバル
それも立派な入口だよ。『Casa BRUTUS特別編集 時代を超えて愛される、デザインの良い車100』は、道具が所作を作る——優れた日用品のような佇まいの車を集めたカタログで、シトロエンDSからランドクルーザー40、ルノー5、SAAB 900まで時代を追って並ぶ。1台ごとに得意なことと苦手なこと、つまり個性が書かれているのが良くてね、眺めるだけで終わらないんだ。
車に関する本の選び方
目的別に選ぶ——歴史・仕組み・人物・ドライブ・車中
橘ナナミ
まだ自分の「目的」が言語化できてないんです。逆引きみたいに引けませんか?
佐藤メバル
できるよ。歴史なら『ルノーの世界』や『日本の自動車レース史』、仕組みなら『クルマのメカニズム』か『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』、人物なら『本田宗一郎 夢を力に』や『トヨタ 中国の怪物』、ドライブ計画なら『クルマ好きだったらこんな街で暮らしてみたい』、車中で読むなら小説や漫画。この5つに分けるだけで、迷いのかなりの部分が消える。
橘ナナミ
『ルノーの世界』って、1社だけを追う本ですよね。初心者でも読めますか?
佐藤メバル
読める。知りたいところから読めるように項目ごとに区切られていて、4CV、アルピーヌA110、トゥインゴ、カングー…と戦後の再出発からF1、そしてEVまでが一本の線で見える。1社を縦に読むと、その会社の判断の癖みたいなものが見えてくるんだ。人物なら『本田宗一郎 夢を力に』——これは本人が日経新聞の連載に大幅加筆した自伝で、浜松の鍛冶屋に生まれ、自動車修理工場に見習い奉公に出るところから始まる。人に書かれた評伝と、本人の声は温度が違う。
レベル別に選ぶ——初めての1冊/中級/マニア
橘ナナミ
車に詳しくない私が最初に読むなら、どのあたりがちょうどいいんでしょう。
佐藤メバル
最初は肩の力を抜いて『ざんねんなクルマ事典』でいい。ベストカー編集部と片岡英明さんが、ざんねんスタイル編、ざんねん機能編、狙いがざんねん編など5テーマに分けて約100台をユーモアたっぷりに紹介している。失敗から入ると名前が覚えられるんだよね。名前と形が頭に残ってから図鑑やメカニズム本に進むと、吸収がまるで違う。
橘ナナミ
中級の入口は?
佐藤メバル
『自動車工学の基礎理論』だね。著者の林義正さんは日本車初のデイトナ24時間優勝マシンのエンジンを設計し、その後大学教授として学生とル・マンに挑んだ人。「なぜ?」という問いに材料力学・機械力学・流体力学・熱力学の4力学で答えていく構成で、図版も多い。マニア側なら『R32スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発』——開発に関わった当事者が、グループA仕様への改造やエンジンの開発プロセスを当時の図版とともに語る。設計した人の言葉は、評論とは重みが違う。
形式別に選ぶ——写真図鑑/文庫・新書/漫画/実用書
橘ナナミ
形式で選ぶのって、「今日の気分」で選ぶことでもありますよね。
佐藤メバル
そう。写真図鑑なら『GREATEST HITS フェラーリ名鑑』で、マラネッロで生まれた最初のロードカーから新世紀のハイパーカーまで、貴重な写真と28本の物語で追いかける。漫画なら『MFゴースト』——自動運転が普及した202X年の日本で公道レースが開催される設定で、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニが次々に参戦する。実用書なら『トコトンやさしい自動車の化学の本』のように、燃料や潤滑油、タイヤのゴム、塗料、電池と、パーツごとに化学の側から迫る本もある。
予算別に選ぶ——千円台/二千円台/四千円前後
橘ナナミ
予算の話も聞きたいです。院生の身には切実で…。
佐藤メバル
千円台は文庫・新書の層で、『空飛ぶタイヤ(上)』や『移動革命』、『本田宗一郎 夢を力に』など。二千円台は入門解説と評伝がいちばん厚く、『クルマのメカニズム』『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』『ハイブリッド車の技術とその仕組み』『通史で読み解く自動車の未来』が並ぶ。四千円前後は1社・1人・1車種を徹底的に掘る本の層で、『スズキジムニー50年の歴史』『ルノーの世界』『福野礼一郎 スポーツカー論2』など。ページあたりの情報密度が違うから、最初の1冊というより2冊目に置くと効く。
読む場所・入手性で選ぶ——自宅/車中/電子・中古
橘ナナミ
車の中で読むのって、実際どうなんでしょう。
佐藤メバル
そこは誤解のないように。運転中の読書は絶対にしない。サービスエリアや道の駅で停めて、コーヒー片手に数ページ、が現実的だよ。だから車中向けは短く区切れる本が向いている。『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』のように見開きで1テーマが完結する構成は、待ち時間に強い。
橘ナナミ
手に入れる方法も気になります。『クルマ好きだったらこんな街で暮らしてみたい』みたいな本は、書店で見かけない気がして。
佐藤メバル
発売から年数が経った本は、新品で見つけにくくなることがある。大きめの書店に取り寄せを頼む、古書店やネットの古本を当たる、図書館で借りてから買うか決める——この順番なら外れにくい。電子版がある本は移動中の端末でも読めるから、まず電子で試して、手元に置きたいと思ったら紙を買う。この併用が、いまいちばん失敗の少ない選び方だね。
車に関する本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
車に関する本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
改訂新版 最新オールカラー クルマのメカニズム
青山元男 著|ナツメ社
¥2,200(税込)
累計8万部超のロングセラーの最新改訂版。オールカラーの図版をふんだんに使い、「走る・曲がる・止まる」のメカニズムをパーツごとに解説する。パワートレイン、エンジン、動力伝達装置、電気自動車とハイブリッド自動車、シャシーメカニズムの5部構成で、動弁装置や過給機、変速機、操舵装置、制動装置まで章を細かく分けているのが特徴。2014年刊行後に進化した部分や新しい技術も追加され、図版の見やすさを軸に据えた構成は、入門書と専門書の間を埋めてくれる。
こんな人におすすめ
自動車メーカー、ディーラー、整備、運送など自動車に関わる仕事に就き、今の知識を再確認したい人。免許は取ったけれど構造を説明できない人、EVやハイブリッドの章から気になる部分だけ拾い読みしたい人にも向く。
良い点
- オールカラーの図版が豊富
- 5部構成で拾い読みしやすい
- EV・ハイブリッドの章が独立
気になる点
- 通読には時間がかかる
- 専門用語はやや多め
- 実作業の手順書ではない
出版社
ナツメ社
発売日
2025年02月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
車の構造って、免許を取ったときにエンジンやオイル交換くらいは習った気がするんですけど、図解を見ても流れが頭に入らなくて。今さら聞けないですよね。
佐藤メバル
いい質問だね。この本は、オールカラーの図版で「走る・曲がる・止まる」をパーツごとに見せてくれる。
パワートレイン、エンジン、動力伝達装置、電気自動車とハイブリッド、シャシーの5部構成で、動弁装置や過給機、変速機、制動装置まで章が細かい。
2014年刊行のロングセラーの改訂新版だから、この間の進化や新技術も足されているよ。
橘ナナミ
章が細かいと、知りたいところから拾い読みできるのがいいですね。電気自動車とハイブリッドの章が独立しているのも今っぽいです。
佐藤メバル
そこが勘所だね。ガソリン車の仕組みだけ追っても今のクルマは説明しきれないから、モーターで走る車とエンジンで走る車を並べて読むと、共通する部品と違う部品がはっきり見えてくる。
自動車メーカーやディーラー、整備、運送など、自動車に関わる仕事の人が知識を再確認するのにも役立つと版元は書いているよ。
Casa BRUTUS特別編集 時代を超えて愛される、デザインの良い車100
マガジンハウス
¥2,200(税込)
『カーサ ブルータス』の連載「時代を超えて愛される、デザインの良い車」と2022年刊行の同題ムックを再編集し、新たな記事を加えた増補改訂版。選ぶ基準は“道具が所作を作る、優れた日用品のようなクルマ”。シトロエンDS、ローバー・ミニ、フィアット500ジャルディニエラ、ランドクルーザー40、ルノー4、BMW2002、いすゞ117クーペ、ボルボ240、ラダ・ニヴァなど、1950年代以降の100台を並べる。一台ごとの得意と苦手=個性を示し、専門店の力を借りて手を入れて長く付き合う視点まで書かれている。
こんな人におすすめ
中古で旧い一台を選び、専門店の力を借りて手を入れて長く乗り継ぎたい人。デザインや佇まいからクルマを選びたい人、写真集のように眺めたい人、暮らしの道具としての車を読みたい人に向く。
良い点
- 年代順に100台を一望できる
- 得意・苦手まで書かれた解説
- 増補改訂で記事が追加
気になる点
- 数値スペックは中心でない
- 掲載車は入手が難しい
- 購入ガイドの網羅性は薄い
出版社
マガジンハウス
発売日
2025年08月28日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100台って聞くと、スペックがずらっと並んだカタログみたいな本を想像してたんですけど、「優れた日用品のようなクルマ」という選び方が面白いですね。
佐藤メバル
そこがこの本の軸なんだ。選ぶ基準は“道具が所作を作る”という見方で、シトロエンDS、ローバー・ミニ、フィアット500ジャルディニエラ、ランドクルーザー40、いすゞ117クーペ、ボルボ240、ラダ・ニヴァなど、1950年代から各年代の車が並ぶ。
一台ごとに得意なことと苦手なこと=個性が書かれていて、自分の性格や生活環境に合わせて選ぶようにと導いてくれる。
橘ナナミ
買う前提じゃなくても、眺めているだけで自分の好みがわかってきそうですね。専門店の力を借りて手を入れる、という前提も潔いです。
佐藤メバル
そうだね、旧い車は放っておけば不機嫌になるから、きちんと手を入れて長く付き合う覚悟まで含めて紹介している。
この本は2017年から2025年までの『カーサ ブルータス』の連載と、2022年発行の同題ムックを再編集して新たな記事を加えた増補改訂版だから、写真集としても長く楽しめるよ。
ざんねんなクルマ事典
ベストカー編集部 著|講談社BECK
¥1,650(税込)
すべてのクルマは人気モデルになることを期待されて生まれるのに、実際はそううまくいかない。名車の陰で、市場の読み違いや脇の甘さから評価を落とした“ざんねん”なクルマを、No.1自動車雑誌『ベストカー』が古今から約100台集めた一冊。スタイルが疑問な「ざんねんスタイル編」、こだわりの機能が不人気の要因になった「ざんねん機能編」、そもそも狙いがよくわからない「狙いがざんねん編」など、5つのテーマに分けてユーモアたっぷりに紹介していく。
こんな人におすすめ
クルマの失敗談や裏話をユーモアとして楽しみたい人、雑誌『ベストカー』のノリが好きな人、中古車選びの反面教師として読みたい人。通読せずに気になる車から拾い読みしたい人や、歴代モデルの名前を眺めたい人にも向く。
良い点
- 5テーマで約100台を分類
- ユーモアがあり読みやすい
- ベストカー編集部の一冊
気になる点
- 好みが分かれる文体
- 年代や仕様の網羅性は薄い
- 写真中心の資料にはならない
出版社
講談社BECK
発売日
2018年12月08日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
“ざんねん”って言い切っちゃうのがすごい。失敗した車を笑いものにする感じなんでしょうか……?
佐藤メバル
いいところに引っかかったね。基本はユーモアで、貶すというより「なぜこうなったのか」を一緒に眺める本なんだ。
約100台を、スタイルが疑問な「ざんねんスタイル編」、こだわりの機能が不人気の要因になった「ざんねん機能編」、狙いがよくわからない「狙いがざんねん編」など5つのテーマに分けて紹介していく。
橘ナナミ
狙いがざんねん、って一番ぐさっときますね。全部、売り出した側は本気だったはずですもんね。
佐藤メバル
そう、すべてのクルマは人気モデルになることを期待されて生まれてくる。だからこの本は失敗の笑い話であると同時に、市場の読み違いや脇の甘さの記録でもあるんだ。
雑誌『ベストカー』の編集部が手がけているから、文章のノリも軽くて、図鑑みたいに拾い読みできるよ。
福野礼一郎 スポーツカー論2
福野礼一郎 著|三栄
¥3,960(税込)
クルマファンから圧倒的支持を得る自動車評論家・福野礼一郎が、世界のスーパーカーやスポーツカー18台に試乗し、その構造的見解から魅力の本質に迫る全18章。ランボルギーニ・レヴェルトとウルス、日産GT-R NISMO、コルベットC8、ロータス・エミーラ、テスラ・モデルS、アストンマーティンDB12、AMG GT、新生モーガン、RZ34などを、夜の東京を走りながら論じる。本職エンジニア直伝の設計論が軸で、前作から収録車数を約1.5倍に増やし、タミヤ模型やAUTOartのインタビューも収録する。
こんな人におすすめ
走行性能の感想だけでなく構造から車を理解したい人、設計やエンジニアリングの話が好きな人。最新のスーパーカーを追いかけている人、模型やミニチュアの作り手の視点にも興味がある人に向く。
良い点
- 18台を設計論で読み解く
- 前作から収録車数1.5倍
- 模型・ミニチュアの記事も収録
気になる点
- 価格はやや高め
- 前提知識があると尚良い
- 試乗記中心を期待すると外れる
出版社
三栄
発売日
2025年07月02日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
スポーツカー論って、走りの感想を綴ったエッセイかと思っていました。設計論ってどういうことですか?
佐藤メバル
この本の主役は走行インプレッションだけじゃなく、その構造をどう読むかなんだ。ランボルギーニ・レヴェルトとウルス、日産GT-R NISMO、コルベットC8、ロータス・エミーラ、テスラ・モデルS、アストンマーティンDB12、AMG GT、新生モーガン、RZ34など18台に乗り、夜の東京を走りながら本職エンジニア直伝の設計論を展開する全18章。
橘ナナミ
18台って、前作より増えているんですよね。タミヤ模型やAUTOartのインタビューが入っているのも気になります。
佐藤メバル
そう、前作から収録車数を約1.5倍に増やした読み応えのある一冊で、模型やミニチュアの作り手が何を見ているかを探る記事も収録されている。
実車の構造と縮尺模型の両方から魅力の本質に迫る、福野節が冴え渡る内容だよ。
本田宗一郎 夢を力に
本田宗一郎 著|日本経済新聞出版社
¥712(税込)
独創的な技術を追求し続けた実業家・本田宗一郎が、前半生を回顧した日経新聞連載「私の履歴書」に大幅加筆した一冊。浜松の鍛冶屋に生まれ、自動車修理工場に見習い奉公に出て、ピストンリング製造に苦闘し、バイクからオートバイ造りへ進み、国際レースで世界一へ。第二部ではF1への挑戦や小型自動車に賭けた日々、藤沢武夫との関係、さわやかな退任までを綴る。第三部には社内報から抜粋した語録も収録されている。
こんな人におすすめ
創業者や経営者の生き方に関心がある人、ものづくりの原点を本人の言葉で読みたい人、戦後の産業史に触れたい人。語録だけを拾い読みして刺激を受けたい人にも向く。
良い点
- 本人の言葉で綴られる
- 語録も同時に読める
- 年譜が付いている
気になる点
- 時代背景の説明は最小限
- 経営のハウツー本ではない
- 文体はやや古風
出版社
日本経済新聞出版社
発売日
2001年07月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
本田宗一郎さんの本って、経営の成功本みたいなイメージだったんですけど、これはご本人が書いた履歴書なんですね。
佐藤メバル
そう、日経新聞の連載「私の履歴書」に大幅加筆した前半生の回顧が中心だ。浜松の鍛冶屋に生まれ、自動車修理工場に見習い奉公に出て、ピストンリング製造に苦闘し、バイクからオートバイ造りへ、そして国際レースで世界一へ。
借り着で藍綬褒章を受けた話や、不況下に不眠不休で代金回収をした話も生々しい。
橘ナナミ
後半にはF1への挑戦や退任の話、語録も入っているんですか。創業者の言葉がそのまま読めるのは貴重ですね。
佐藤メバル
第二部ではF1への挑戦や小型自動車に賭けた日々、もうひとりの創業者・藤沢武夫との関係、さわやかな退任までが綴られる。
第三部の語録は社内報を編纂した『先見の知恵』からの抜粋で、葬式無用という章題にも彼らしさが出ているよ。
スズキジムニー50年の歴史
二階堂裕 著|エスエスシー出版
¥3,740(税込)
1970年4月発売のジムニーLJ10から2020年のJB64、JB74までの歴代モデルを詳細解説し、諸元データを網羅した50年の歴史。前身であるホープスターON型4WDの詳細な解説から、海外のジムニー、幻といわれるモデルまで触れ、現スズキの鈴木修会長による特別な前書きも収録する。2010年刊行『スズキジムニーの40年の歴史』に追加・修正を加えて再編集し、データを最新のものに刷新。なぜ50年売られ続けたのかが歴史と数字から見えてくる。
こんな人におすすめ
ジムニーを長く乗り継いでいる人、歴代モデルの違いをデータで確かめたい人。旧車としてのジムニーを調べている人、軽四輪の歴史を体系的に知りたい人にも向く。
良い点
- 歴代モデルと諸元を網羅
- 前身ホープスターも解説
- 会長の前書きを収録
気になる点
- マニア向けの密度
- ページ数と価格は重め
- 初心者向けの入門書ではない
出版社
エスエスシー出版
発売日
2020年10月29日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ジムニーって、街でも山でも見かけますけど、50年も続いている車だったんですね。モデルごとに何が変わったのか気になります。
佐藤メバル
そこを丁寧に追う本だよ。1970年4月発売のLJ10から2020年のJB64、JB74までの歴代モデルの詳細解説と諸元データを網羅している。
前身のホープスターON型4WDの解説から始まり、海外のジムニー、幻といわれるモデルまで触れるから、ジムニーマニア向けの密度がある。
橘ナナミ
鈴木修会長の前書きが入っているのも興味深いです。作った側が、なぜ50年続いたかを語っているんですよね。
佐藤メバル
そう。2010年発売の『スズキジムニーの40年の歴史』に追加・修正を加えて再編集し、データも最新に刷新したうえで、特別な前書きが添えられている。
軽自動車でありながら悪路を走る道具として育ってきた歴史が、数字と写真の両方から見えてくるよ。
GREATEST HITS フェラーリ名鑑
HaymarketMediaGroupLtd. 著|ニュートンプレス
¥2,400(税込)
イタリア・マラネッロで生まれた最初のロードカーから、新世紀を代表するハイパーカーまで、フェラーリの進化を28本の物語でたどる。礎を築いた伝説の166、最高峰のクラシックカー250GTO、最高速度323km/hを誇るF40、徹底的にモダンなスクーデリアなど、代表モデルの開発秘話を多数の貴重な写真とともに収録。伝説の幕開け、全盛期、スーパーカーの夜明け、熱狂の1980年代、若き世代という5つのセクションで通史として読める。
こんな人におすすめ
フェラーリに憧れはじめた人、モデル名は知っていても背景を知らない人。開発秘話を物語として読みたい人、写真を見ながら各時代を眺めたい人にも向く。
良い点
- 28本の物語で通史を読む
- 貴重な写真が多数
- 章ごとに一台ずつ読める
気になる点
- 価格や仕様の一覧表は薄い
- 文章量が多く読み応え重視
- モデル名の予備知識があると有利
出版社
ニュートンプレス
発売日
2022年06月20日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フェラーリって名前は知っていても、166とか250GTOとか、どのあたりがすごいのか全然わからなくて。入門でも読めますか?
佐藤メバル
むしろ物語として読むと入りやすい。マラネッロで生まれた最初のロードカーから新世紀のハイパーカーまで、28本の物語で進化をたどる構成なんだ。
礎を築いた166、最高峰のクラシックカー250GTO、最高速度323km/hのF40、徹底的にモダンなスクーデリアなど、代表モデルの開発秘話が多数の貴重な写真とともに並ぶ。
橘ナナミ
28本の物語って、章ごとに一台ずつ読める感じですか。スティーブ・マックイーンのマシン、という章題も気になります。
佐藤メバル
伝説の幕開け、全盛期、スーパーカーの夜明け、熱狂の1980年代、若き世代というセクションに分かれているから、気になる時代から開いてもいい。
ポルシェを倒せ!とか308対ウラッコなんて章もあって、ライバル関係まで含めて通史として読めるよ。
シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡
大矢アキオ 著|三樹書房
¥3,960(税込)
シトロエンで約30年にわたりデザイナーを務め、美術家としても数々の賞に輝いたフラミニオ・ベルトーニ。職人の領域だった自動車造形をデザインの領域へ引き上げ、トラクシォン・アヴァン、2CV、DSといった独創的な車を生んだ人物だ。本書はその造形力と構成力を軸に、自動車デザインと美術作品の双方を見ながら互いの影響を読み解く。DSの造形が哲学者など知識人にも称賛された話や、抽象彫刻への転換、“いびつなデザイン”をめぐる章も収録する。
こんな人におすすめ
自動車デザインの成り立ちを思想から知りたい人、シトロエン2CVとDSの生まれを知りたい人。美術と工業の関係に関心がある人、デザイン史の一冊として読みたい人にも。
良い点
- デザインと美術を横断
- DS誕生の背景がわかる
- 年譜と参考文献を収録
気になる点
- 図版中心の画集ではない
- 専門的な記述が多い
- 車の性能解説が主眼ではない
出版社
三樹書房
発売日
2022年10月26日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
2CVにDS。名前は聞いたことがあるんですが、その二台を作った人が同じデザイナーだったとは知りませんでした。
佐藤メバル
フラミニオ・ベルトーニだね。シトロエンで約30年にわたりデザイナーを務め、美術家としても数々の賞に輝いた人物で、職人の領域だった自動車造形をデザインの領域へ引き上げた。
トラクシォン・アヴァン、2CV、DSの造形は、自動車ジャーナリストだけでなく哲学者など知識人にも広く称賛されたという。
橘ナナミ
車の本なのに美術の話が出てくるのが意外です。彫刻の章まであるんですね。
佐藤メバル
ベルトーニは後に抽象彫刻へ転換していて、本書は自動車デザインと美術作品の双方を見ながら互いの影響を読み解く。
“いびつなデザイン”をめぐる章や、子息レオナルドとの出会いから書かれたあとがき、年譜も収録されているよ。
ルノーの世界ーフランスの歴史ある自動車メーカー
武田隆 著|三樹書房
¥4,400(税込)
1898年設立のルノーについて、歴代名車からレース活動までを項目ごとにまとめ、多くの写真・図版で解説する。フランス本国の全面的な協力により、これまで見ることのなかった写真等を多く発掘・収録したのが特徴だ。序章「ルノーは3度生まれる」に始まり、創始者、タクシー伝説、国営公社としての再出発、4CV、アルピーヌA110、F1のターボ革命、カングー、EVまで通史を追える構成。巻末にルノー関係年表も掲載する。
こんな人におすすめ
ルノーというブランドを一冊で把握したい人、フランス車とレースの歴史を追いたい人。F1からEVまでの流れを通史として読みたい人、調べものの資料がほしい人にも。
良い点
- 本国協力で写真を発掘
- 項目ごとに読める構成
- 巻末に関係年表を掲載
気になる点
- 価格はやや高め
- 情報量が多く重い
- 日本車中心の読者には遠い
出版社
三樹書房
発売日
2023年07月27日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ルノーって聞くと、F1のイメージしかなかったです。それ以前に100年以上の歴史があるんですよね。
佐藤メバル
1898年設立だからね。この本は歴代名車からレース活動までを項目ごとにまとめていて、知りたいところから読めるのがありがたい。
フランス本国の全面的な協力で、これまで見ることのなかった写真等を多く発掘・収録しているのが売りなんだ。
項目ごとに完結する構成だから、通読しなくても使える。
橘ナナミ
タクシー伝説に、4CV、アルピーヌA110、F1のターボ革命、カングー、EVまで入っているんですね。年表も助かります。
佐藤メバル
序章で「ルノーは3度生まれる」と掲げているのが象徴的で、第1次大戦、国営公社としての再出発、そして近年の新展開と、局面ごとに再生してきた流れが見える。
巻末にルノー関係年表と参考文献も付いているから、調べものの入口にも向くよ。
R32スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発
石田宜之 著|グランプリ出版
¥2,640(税込)
16年ぶりに登場したR32スカイラインGT-Rのレース仕様車について、開発に関わった当事者が貴重な当時の図版とともに経緯を詳細に語る。ニスモ仕様をベースに開発され、グループAで好成績を残したマシンの、エンジン概要とグループA仕様への改造、開発プロセス、車体開発、シャシー関係のユニット開発までを章立てで追う。増補二訂版ではRB26DETTエンジン開発担当の石田宜之氏の追加インタビューも収録する。
こんな人におすすめ
R32スカイラインGT-Rのレース活動を詳しく知りたい人、グループAの改造や開発プロセスに関心がある人。当事者の証言を資料として読みたい人、エンジン開発の話を追いたい人にも。
良い点
- 開発当事者の証言が読める
- 当時の図版を収録
- 増補二訂で記事追加
気になる点
- 技術用語が多く専門的
- 市販車の解説が主眼ではない
- 比較的新しい版のため高価
出版社
グランプリ出版
発売日
2024年11月27日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
R32のレース仕様車って、市販車とは別物なんですか? ニスモ仕様をベースに開発って書いてありますけど。
佐藤メバル
そこを開発の当事者が語るのがこの本の核だ。16年ぶりに登場したR32スカイラインGT-Rのレース仕様車について、貴重な当時の図版とともに経緯を詳細に追う。
エンジン概要とグループA仕様への改造、開発プロセス、車体開発、シャシー関係のユニット開発まで章立てで並ぶから、現場の判断が順番に見えてくる。
橘ナナミ
増補二訂版で、RB26DETTの開発を担当した石田宜之さんの話が追加されているんですよね。エンジンの話はやっぱり読みたいです。
佐藤メバル
そう、開発の様子やレース活動、スカイラインへの想いなどが追加収録されている。グループA規則やスカイラインの成績も載っているから、マシン単体ではなくレギュレーションとの格闘として読める。
当時の資料を探していた人にはたまらない一冊だよ。
日本の自動車レース史ー多摩川スピードウェイを中心として 大正4年(1915年)-昭和25年(1950年)
杉浦孝彦 著|三樹書房
¥4,950(税込)
大正4年から昭和25年まで、日本での自動車競走の黎明期から戦後のレースまでを、多摩川スピードウェイを中心に描く。1936年6月7日の第1回全日本自動車競走大会をはじめ各回の記録、戦前のオオタとダットサン、アート商会とカーチス号、オートバイレースの歩み、終戦直後の多摩川、発掘された写真、レース・リザルト、競技規則まで収録。本田宗一郎の談話や、関係者の子孫による寄稿も多数収められている。
こんな人におすすめ
戦前から戦後直後までの日本モータースポーツ史を知りたい人、多摩川スピードウェイという場所に関心がある人、写真と戦績を資料として手元に置きたい人にも向く。
良い点
- 戦前レースの記録を収録
- 子孫の寄稿が複数
- 写真・年表・戦績付き
気になる点
- 価格は高め
- 予備知識なしだと細かい
- 地域と時代が限定される
出版社
三樹書房
発売日
2026年02月27日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日本の自動車レース史って、戦前からあるんですね。多摩川スピードウェイという場所も初めて聞きました。
佐藤メバル
1936年6月7日の第1回全日本自動車競走大会を中心に、大正4年から昭和25年までを追う本だよ。第2回、第3回、第4回の記録、戦前のオオタとダットサン、アート商会とカーチス号、オートバイレースの歩み、終戦直後の多摩川、発掘された写真、レース・リザルト、競技規則まで収録している。
橘ナナミ
本田宗一郎さんの談話や、関係者の子孫の方の寄稿も入っているんですね。記録集というより読み物に近いのかな。
佐藤メバル
そう、祖父である藤本軍次のこと、父・片山豊と多摩川の記憶など、家族の視点の寄稿が並んで、レースが人の営みとして立ち上がってくる。
今に生き残ったレーサーたちや跡地の章、日本の自動車レース史・戦前編の年表も収められていて、調べる人にも効く構成だよ。
自動車工学の基礎理論
林義正 著|グランプリ出版
¥2,640(税込)
日本車初のデイトナ24時間レース優勝マシンのエンジンを設計し、その後大学教授として学生たちとル・マンに挑んだ著者が、エンジニアを志す後進に贈る自動車工学の入門書。「なぜ?」「どうして?」という問いに対して、材料力学、機械力学、流体力学、熱力学の“4力学”を駆使し、約400点もの図版を用いて明快に答えていく。現象の理由から入る構成で、丸暗記ではなく理屈で自動車を理解したい人に向く。
こんな人におすすめ
自動車エンジニアを目指す学生、基礎をやり直したい技術者、理屈から車を理解したい人。数式より現象の理由を知りたい人、大学の講義のお供がほしい人にも。
良い点
- 4力学から理由を説く
- 図版約400点で明快
- 入門書として構成
気になる点
- 数式はそれなりに出る
- 読み物としての軽さはない
- 実務手順の本ではない
出版社
グランプリ出版
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自動車工学の入門書って、数式がいきなり出てきて心が折れるイメージがあるんですけど、この本はどうなんですか?
佐藤メバル
この本は「なぜ?」「どうして?」から入るのが特徴なんだ。著者は日本車初のデイトナ24時間レース優勝マシンのエンジンを設計し、その後大学教授として学生たちとル・マンに挑んだ人。
材料力学、機械力学、流体力学、熱力学の“4力学”を駆使して、約400点もの図版で答えていく。
橘ナナミ
設計した人が教える立場になった本だから、つまずく場所がわかっているんでしょうね。暗記じゃなく理屈で理解したいです。
佐藤メバル
エンジニアを志す若き後進に贈る入門書と位置づけられていて、現象の理由から積み上げる。だから公式を覚える前に「なぜそうなるのか」が腹に落ちる。
大学で学び直したい人にも、現場で基礎を固めたい人にもいい入口だよ。
トコトンやさしい自動車の化学の本
井沢省吾 著|日刊工業新聞社
¥1,650(税込)
自動車の技術と歴史を化学的な側面から紹介する一冊。燃料、潤滑油、エンジン誕生を支えた化学、タイヤのゴム材料、塗料、電池の歴史とEV・ハイブリッド用電池、燃料電池と次世代革新電池、軽量化を支えるプラスチック材料と成形技術まで、原理・原料・つくり方・種類・利用法・新しい技術動向をやさしく解説する。材料から見ると、クルマの見え方ががらりと変わる。
こんな人におすすめ
燃料やタイヤ、塗料、電池といった身近な材料の中身を知りたい人、化学の視点で自動車を見直したい人、燃費や軽量化の技術動向をやさしく追いたい人。
良い点
- 化学の視点で全体を整理
- 材料ごとに章立て
- 技術動向も押さえられる
気になる点
- 発行年がやや古い
- 図版の華やかさは控えめ
- 入門の次に読む位置づけ
出版社
日刊工業新聞社
発売日
2015年06月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自動車の化学の本って、燃料やオイルの話ですよね? 化学は苦手だったんですけど大丈夫でしょうか。
佐藤メバル
タイトルどおりトコトンやさしく書かれているよ。第1章の燃料の化学から始まり、燃費を支える潤滑油、エンジン誕生を支えた化学、安全を守るタイヤのゴム材料、車を美しく見せる塗料、電池の歴史とEV・ハイブリッド用電池、燃料電池と次世代革新電池、軽量化を支えるプラスチックと成形技術まで扱う。
橘ナナミ
塗料が章になっているのが意外です。化学の視点だと、見えている部分の理由まで説明できるんですね。
佐藤メバル
そう、材料の側から見ると、クルマの見え方ががらりと変わる。燃料や電池は技術動向として新しく、タイヤや塗料は身近なのに知らない話が多い。
歴史、原理、原料、つくり方、種類、利用法という順で並んでいるから、関心のある章から読んでも筋道が追えるよ。
図解まるわかり 電気自動車のしくみ
川辺謙一 著|翔泳社
¥1,848(税込)
電気自動車の構造や歴史、運転するうえでの長所と短所、走りを支えるインフラ、自動運転や水素社会などの未来像までを、イラストと解説のセットで整理した一冊。見開きで1テーマを取り上げ、運転してわかる長所と短所から、3つのブームを経た歴史、電池と電源システム、モーター、走りの制御、充電スタンドと水素ステーション、環境性能の評価、CASEやMaaSまで9章で扱う。ハイブリッドや燃料電池車にも触れ、電動車全体を把握できる。
こんな人におすすめ
電気自動車の基本を幅広く知りたい人、構造や3つのブームの歴史を知りたい人、運転するうえでの長所と短所を把握したい人。充電インフラや環境への影響を考えたい人にも。
良い点
- 見開き1テーマで読みやすい
- 図解中心で挫折しにくい
- 電動車全体を把握できる
気になる点
- 内容は基礎レベル
- 専門技術の深掘りは少ない
- 情報は発行時点のもの
出版社
翔泳社
発売日
2023年06月12日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
電気自動車の本は何冊か見たんですが、専門的すぎたり逆に薄かったりで。これは図解中心なんですか?
佐藤メバル
見開きで1テーマを取り上げる図解シリーズで、これなら整理しやすい。第1章は運転してわかる長所と短所から始まり、構造と仲間、3つのブームを経た歴史、電池と電源システム、モーター、走りの制御、充電スタンドと水素ステーション、環境、未来の9章構成。
理系でも文系でもわかりやすいと謳っている。
橘ナナミ
ハイブリッドやプラグイン、燃料電池車にも触れているんですね。EVだけを切り出さずに全体を見られるのが助かります。
佐藤メバル
電動自動車全体の状況を把握できるようにしているのがポイントだね。どれくらいエコなのかをトータルで評価する章や、駆動用バッテリーのリユースとリサイクル、CASEやMaaSまで踏み込む。
気になるキーワードから拾い読みもできるよ。
ハイブリッド車の技術とその仕組みー多様化する新時代のシステム
飯塚昭三 著|グランプリ出版
¥2,200(税込)
環境対応車の主流となったハイブリッドシステムについて、最新動向と技術の全貌を多くの図版で詳述する。一口にハイブリッドといっても方式は多岐にわたり、日本メーカーだけでなく海外メーカーのシステムも視野に入れながら、モーター、インバーター、バッテリーといった主要構成部品と基本的原理を分かりやすく解説する。方式の違いを並べて比較できる構成で、類書の少ないハイブリッド解説書として位置づけられている。
こんな人におすすめ
ハイブリッドの仕組みを人に説明できるようになりたい人、方式ごとの違いを整理したい人、主要部品から理解したい人。海外メーカーの方式まで視野に入れたい人にも向く。
良い点
- 方式ごとに比較できる
- 主要部品から解説
- 海外メーカーも視野に入れる
気になる点
- 図版が多く読み込みが必要
- 実車の試乗記はない
- 専門用語はやや多め
出版社
グランプリ出版
発売日
2020年11月27日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ハイブリッドって、もう当たり前になりすぎて、仕組みを人に説明できないんです。方式がいろいろあるとも聞きますし。
佐藤メバル
その多様さを正面から扱った本だよ。シリーズ方式、パラレル方式、シリーズ・パラレル方式、スプリット方式と、方式ごとに分けて整理される。
日本メーカーだけでなく海外メーカーのシステムも視野に入れ、モーター、インバーター、バッテリーなど主要構成部品と基本原理も図版で解説する。
橘ナナミ
方式の違いを並べて比較できるのは、頭の整理に良さそうですね。環境対応車の主流になった理由もわかりますか?
佐藤メバル
そこは最新動向として押さえられている。ハイブリッド解説書の決定版と位置づけられる内容で、類書が少ない領域を丁寧に埋めている。
部品の役割から入るので、車を選ぶときの判断材料にもなるよ。
自動運転で伸びる業界 消える業界
鶴原吉郎 著|マイナビ出版
¥1,980(税込)
話題の自動運転について、ビジネスとマーケットの概要・全体像を理解できるようにまとめた一冊。いまなぜ自動運転なのか、巨大企業の熾烈な争い、市場規模、世界をリードする新技術を解説し、特に既存産業への影響と、どのような新たなビジネスが生まれ、産業構造がどう変わるのかを詳しく扱う。業界の“伸びる・消える”という切り口で、自動車産業に携わる人や新たな参入を考えている人の入口になる。
こんな人におすすめ
自動車産業や関連産業に携わっている人、自動運転分野への参入を考えている人。ビジネスとしての全体像を短時間で掴みたい人、市場規模に関心がある人にも。
良い点
- 産業構造の変化を解説
- 新ビジネスの萌芽がわかる
- ビジネス視点で整理
気になる点
- 発行が2017年で古い
- 技術の詳細には踏み込まない
- 現状との差は自分で補う必要
出版社
マイナビ出版
発売日
2017年09月26日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自動運転って技術の話だと思っていたんですけど、「伸びる業界 消える業界」というタイトルだとビジネスの本なんですね。
佐藤メバル
そう、ビジネスパーソン向けに書かれた一冊で、市場の全体像を掴むのが狙いだ。いまなぜ自動運転なのか、巨大企業の熾烈な争い、市場規模、世界をリードする新技術を解説し、特に既存産業への影響と、どんな新ビジネスが生まれて産業構造がどう変わるかを詳しく扱う。
業界の地図が塗り替わる前提で読める。
橘ナナミ
自動車産業に携わっている人や、これから参入したい人向けなんですね。2017年の本なので、そこはどう構えるといいんでしょう。
佐藤メバル
そこは前提として押さえておきたいところで、当時の問題意識と予測を読む本として使うといい。どの論点が当たり、どこが想定と違ったかを照らし合わせると、逆に今の見通しが立てやすくなる。入門として読むなら十分な情報量だよ。
移動革命
三菱総合研究所 著|NHK出版
¥880(税込)
EVや自動運転、ドローンといった技術革新と、スマホアプリによるタクシー配車やカーシェアリングなどの新しいサービスによって、ソフトとハードの両面で「モビリティ」の形が大きく変わろうとしている。経済・企業経営・公共分野を調査・研究するシンクタンクが、CASEで占う自動車産業の未来、MaaSが導く鉄道の次世代ビジネスモデル、産業とモビリティの共創、国家戦略、地方創生まで序章・5章・終章で解き明かす。
こんな人におすすめ
モビリティの変化を産業と暮らしの両面から掴みたい人、CASEやMaaSの用語を整理したい人。鉄道や地方創生まで視野に入れたい人、自治体や企業で交通を考えている人にも。
良い点
- CASEとMaaSを一望
- 鉄道や地方の視点も収録
- シンクタンクの分析が軸
気になる点
- 発行は2020年
- 専門用語が多い
- 読み物としての軽さは少ない
出版社
NHK出版
発売日
2020年05月11日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
移動革命って、EVや自動運転の話ですよね? タイトルが大きくて、どこから読めばいいのか迷います。
佐藤メバル
経済・企業経営・公共分野を調査・研究しているシンクタンクが書いているから、視野が広い。序章で2030年代のモビリティ生活を描き、CASEで自動車産業の未来を占い、MaaSが導く鉄道の次世代ビジネスモデル、産業とモビリティの共創、国家戦略、地方創生と続く。
章ごとにテーマがはっきりしている。
橘ナナミ
鉄道の話が入っているのが意外でした。地方の交通課題まで扱っているんですね。
佐藤メバル
人口減少が生み出す交通の課題や、都市部と地方部で異なる事情、担い手不足まで踏み込んで、MaaSを地方創生の切り札として見ていく。
空飛ぶタクシーやカーシェア、オンデマンド相乗りといった具体例も出てくるから、暮らしがどう変わるかの想像が膨らむよ。
通史で読み解く自動車の未来
三品和広 著|東洋経済新報社
¥2,420(税込)
経営戦略論の大家が、自動車産業のこれからと経営者の役割を予測する一冊。日本企業のケーススタディ464ケースを収録した実戦シリーズ3部作と教科書の成果を圧縮し、自動車1つにケースを絞って解像度を上げながら通史を見渡す。発明家のレース、起業家のゲーム、事業家のクラブ、管理人の限界、辺境人の浮沈、異邦人の明暗、挑戦者、防戦者、破壊者、そして理屈屋の未来予測まで章を重ねる。
こんな人におすすめ
自動車業界の経営や戦略に関わる人、業界の未来を過去から考えたい人。通史として自動車産業を俯瞰したい人、経営戦略論の実践例を読みたい人にも向く。
良い点
- 通史として自動車を俯瞰
- 章題が人物類型で整理
- 実戦シリーズの圧縮版
気になる点
- 経営戦略の素養が要る
- 価格はやや高め
- 技術解説が主眼ではない
出版社
東洋経済新報社
発売日
2025年08月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
経営戦略論の大家が自動車の未来を予測する本、ですか。ケースが464もある実戦シリーズを圧縮したと書いてあって、重そうですね。
佐藤メバル
重いけれど軸は明快だよ。時機を人より早く捉えたければ過去事例をベースにした直観的な認識に頼るのが定石で、その感性を磨くために自動車1つにケースを絞って解像度を上げた。
発明家のレース、起業家のゲーム、事業家のクラブ、管理人の限界、辺境人の浮沈と、登場人物の類型で通史を区切っていく。
橘ナナミ
異邦人の明暗、挑戦者の用意周到、防戦者の四苦八苦、破壊者の猪突猛進……章題が物語みたいで、読み進めやすそうです。
佐藤メバル
終章は「理屈屋の未来予測」で締められる。自動車産業はこれからどうなるのか、経営者に何ができるのかという問いに対して、過去の事例から答えの手がかりを引き出す構成だから、業界の人が自分の立場を重ねて読むのに向いているよ。
トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男
児玉博 著|文藝春秋
¥1,870(税込)
企業人の“業”を描いてきた著者が、トヨタの中国事務所総代表を務めた服部悦雄氏の初のロングインタビューをもとに、トヨタの中国進出と豊田家世襲の内幕を描くノンフィクション。戦中に生まれ27歳まで中国にとどまり、大躍進運動や文化大革命の飢餓、零下20度の小屋での暮らし、原生林での強制労働を経験した人物が、帰国後にトヨタへ入る。中国進出の遅れでドン底に陥った状況を、当事者の証言から読む。
こんな人におすすめ
自動車メーカーの海外戦略に関心がある人、中国市場の成り立ちを知りたい人。当事者の証言で企業史を読みたい人、ノンフィクションの読み応えを求める人にも。
良い点
- 当事者の証言が軸
- 中国近現代史も見える
- 全12章の読み応え
気になる点
- 内容は濃く好みが分かれる
- 技術や車の話は中心でない
- 登場人物が多い
出版社
文藝春秋
発売日
2024年02月07日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
トヨタの中国の話、しかも豊田章男さんを社長にした男、というタイトル。これは経営の成功本ですか、それともノンフィクションですか?
佐藤メバル
企業人の“業”を描いてきた著者によるノンフィクションだ。主人公はトヨタの中国事務所総代表を務めた服部悦雄氏で、初のロングインタビューを元にしている。
戦中に生まれ、27歳まで中国にとどまり、大躍進運動や文化大革命の飢餓、零下20度の小屋での一人暮らし、原生林での強制労働を経験した人なんだ。
橘ナナミ
そこから帰国してトヨタに入るんですね。中国進出が遅れてドン底だった、という章も気になります。
佐藤メバル
中国への進出が遅れて中国政府から生産の許可が下りず、90年代に他メーカーへ大きく引き離された経緯があり、そこへ創業家の豊田章男が中国本部長に据えられる。
誰が何を決断したのかが、当事者の証言から順に明かされていく。全12章の読み応えがあるよ。
クルマ好きだったらこんな街で暮らしてみたい
いのうえ・こ-いち 著|二玄社
¥1,650(税込)
箱根を控え、世界でも有数の自動車ギャラリーがいくつもある御殿場を舞台に、クルマと暮らすという選択を描く。東京から1時間、土地もマンションも3割かた安いという条件から、趣味のクルマのガレージ・スペースを現実のものとして語る。御殿場のパイオニアやクルマ生活を語る人へのインタビュー、カロッツェリアや自動車デザインの現場への取材、御殿場を走る愉しみまで全3章で構成する。
こんな人におすすめ
クルマとの暮らし方を考えたい人、趣味の車の置き場所に悩んでいる人。御殿場という土地に関心がある人、自動車デザインの現場の話を読みたい人にも。
良い点
- 暮らし視点でクルマを語る
- 御殿場の人物取材が充実
- 自動車デザインの現場も収録
気になる点
- 1999年刊行で情報が古い
- 地域が御殿場に限定
- 移住ガイドではない
出版社
二玄社
発売日
1999年02月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
クルマ好きが住む街、という発想がまずなかったです。御殿場って、そんなにクルマと縁のある場所なんですか?
佐藤メバル
箱根を控えていて、世界でも有数の自動車ギャラリーがいくつもある土地なんだ。東京から1時間、土地もマンションも3割かた安いという条件から、趣味のクルマのガレージ・スペースを現実の話として語っていく。
御殿場のパイオニアへのインタビューや、日本のカロッツェリア、自動車デザインの現場への取材が並ぶ全3章の構成だ。
橘ナナミ
水がいい、空気がおいしい、霊峰を望む、というあたり、車の本なのに暮らしの話でもありますね。
佐藤メバル
そう、走る愉しみと暮らす愉しみを同じ軸で語っている。御殿場への道として東名高速を箱根への序章と捉える章もあって、ドライブの延長に住まいを置くという感覚が伝わってくる。
1999年の本だけれど、クルマとの距離の取り方を考えさせられるよ。
その交通事故には理由がある!
大澤秀行 著|論創社
¥2,200(税込)
逆走・暴走、人の列に突っ込む、アクセルとブレーキの踏み間違い——多くの交通事故の原因には、人間の意識と無意識が深く関わっている。35年に及ぶ精神分析と治療実績を持つ著者が、事故の形式、擦過箇所、事故の相手、年齢ごとの傾向といったさまざまな視点から、そこに隠れたメッセージをひも解く。発生原因と場所、ヒューマンエラー、事故の心理的背景、安全運転の4章構成で、完全自動運転の近未来も見据える。
こんな人におすすめ
運転するすべての人、安全運転指導や事故防止に関わる人、事故の心理的な背景を考えたい人。人の意識と無意識から事故を見つめ直したい人、自動運転時代の安全を構想したい人にも。
良い点
- 事故を心理から読み解く
- 年齢ごとの傾向を扱う
- 自動運転の未来も見据える
気になる点
- 精神分析の用語が出る
- 統計資料という性格ではない
- 意見の好みが分かれる
出版社
論創社
発売日
2026年02月18日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
事故の原因を心理から読む本って珍しいですね。逆走や踏み間違いの話はニュースで見るたびに、他人事じゃないなと思っていて。
佐藤メバル
まさにその感覚を掘り下げる本だ。35年に及ぶ精神分析と治療実績を持つ著者が、事故の形式、擦過箇所、事故の相手、年齢ごとの傾向といった視点から、繰り返す事故や理由のわからないミスの背後にある無意識のメッセージをひも解いていく。
橘ナナミ
事故の発生原因と場所、ヒューマンエラー、心理的背景、安全運転の4章立てなんですね。自動運転の話も入るんですか?
佐藤メバル
やがて車が完全自動運転になる近未来を見据えつつ、運転と心のメカニズムを読み解く構成になっている。技術で事故を減らす話と、人の心が事故を呼ぶ話を同時に置くことで、対策の見え方が変わる。
運転する人なら一度は通っておきたい内容だよ。
空飛ぶタイヤ(上)
池井戸潤 著|講談社
¥759(税込)
走行中の大型トレーラーが脱輪し、はずれたタイヤが歩道を歩く若い母親と子を直撃する。製造元のホープ自動車は、トレーラーを所有する赤松運送の整備不良が原因だと主張するが、正確な整備記録を残していた社長の赤松は納得できない。独自に真相へ迫ろうとする彼を大企業の論理が阻み、経営は混迷し家族からも孤立していくなか、週刊誌記者が驚愕の事実をもたらす。組織の断面図を描く企業小説。
こんな人におすすめ
企業小説が好きな人、組織と個人の対立を描いた物語を読みたい人。大企業の論理に違和感を持ったことがある人、上巻から一気に読みたい人にも。
良い点
- 上巻で一気に引き込む
- 組織の論理を描く
- 整備記録という切り口
気になる点
- 下巻が前提の物語
- 企業小説の好みが分かれる
- 技術解説はない
出版社
講談社
発売日
2009年09月15日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
池井戸潤さんの企業小説、ドラマや映画のイメージしかなかったんですが、これはタイヤが外れた事故から始まるんですよね。
佐藤メバル
そう。走行中の大型トレーラーが脱輪し、はずれたタイヤが歩道を歩く若い母親と子を直撃する。製造元のホープ自動車は所有する赤松運送の整備不良が原因だと主張するが、正確な整備記録を残していた社長の赤松は納得できない。
大企業の論理と一人で向き合う話だ。
橘ナナミ
経営は混迷して家族からも孤立して、そこへ週刊誌の記者が来る。上巻はかなり追い詰められるところで終わるんですか?
佐藤メバル
独自に真相へ迫ろうとする赤松を阻む壁が厚く、会社も家族も失いかけて絶望のどん底に見えたところで、記者の榎本が驚愕の事実をもたらす。
序章に「決して風化することのない、君の記憶」とあるように、保身に走るエリート社員たちの組織の断面図が上巻の読みどころだよ。
MFゴースト(1)
しげの秀一 著|講談社
¥836(税込)
西暦202X年、車の自動運転が普及した日本で、公道の自動車レースが開催されている。世界中で人気を集めるそのレースの名はMFG。ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなど最速を誇るマシンが次々に参戦するなか、イギリスのレーシングスクールを卒業したドライバー、カナタ・リヴィントンが、ある目的を果たすために日本へ帰国する。新公道最速伝説の開幕を描く第1巻。
こんな人におすすめ
自動運転後の世界を舞台にしたレースものを読みたい人、車の漫画が好きな人。最新のマシンが並ぶ舞台を楽しみたい人、第1巻から新シリーズに入りたい人にも。
良い点
- 自動運転時代の設定
- 世界の名車が参戦
- 第1巻から勢いがある
気になる点
- シリーズの続巻前提
- 車の知識があると楽しい
- レース描写が中心
出版社
講談社
発売日
2018年01月05日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自動運転が普及した時代に、公道レースをやっている。設定からして面白いですね。しげの秀一さんの作品なんですね。
佐藤メバル
西暦202X年、自動運転が普及した日本で公道の自動車レースが開催されている、という世界観だ。世界中で人気を集めるそのレースの名はMFG。
ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなど最速を誇るマシンが次々に参戦する。新公道最速伝説がここに開幕する。
橘ナナミ
主人公はイギリスのレーシングスクールを卒業したドライバーで、ある目的のために帰国するんですよね。その目的が気になります。
佐藤メバル
そう、カナタ・リヴィントンがその目的を果たすために日本へ帰ってくる。速さの舞台がサーキットではなく公道で、しかも自動運転が当たり前になった時代という設定だから、走り屋の物語が未来に置き直されている。
第1巻でその空気に一気に引き込まれるよ。
首都高SPL(1)
楠みちはる 著|講談社
¥869(税込)
工藤圭介、42歳。GT-R専門のチューニングメーカー代表で、彼の作るGT-Rは絶品といわれ、数々の走り屋たちを魅了してきた。そんな彼のもとに、元嫁と暮らす一人娘が現れる。久しぶりの二人でのドライブの最中、すごい走りをするポルシェターボに遭遇する——という入口から始まる第1巻。クルマを作る側の大人を主人公に据え、ドライブと家族の時間を重ねて描く。
こんな人におすすめ
大人の主人公が登場する車漫画を読みたい人、GT-Rやチューニングに興味がある人。作る側の視点でクルマを眺めたい人、家族と車の物語を読みたい人にも。
良い点
- 40代主人公が新鮮
- チューナーの視点で描く
- 家族の時間も重ねる
気になる点
- 第1巻のみでは物語半ば
- 走り屋ものの系譜にある
- 車の予備知識があると有利
出版社
講談社
発売日
2018年01月05日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
首都高SPL、主人公が42歳って珍しい気がします。若いドライバーが主役の漫画が多い印象だったので。
佐藤メバル
工藤圭介はGT-R専門のチューニングメーカー代表で、彼の作るGT-Rは絶品といわれ、数々の走り屋たちを魅了してきた人物だ。
そこへ元嫁と暮らす一人娘が現れ、久しぶりの二人でのドライブに出る。その時、すごい走りをするポルシェターボに遭遇する、という入口なんだ。
クルマを作る側の大人が主役なのが効いている。
橘ナナミ
走り屋を魅了する側の人が、自分の娘とドライブする。立場が急に生活者になる感じがいいですね。
佐藤メバル
そこがこの作品の面白さだね。チューナーとしての誇りと、父としての時間が同じ車内で重なっていく。楠みちはるの描くクルマは、速さだけでなく手をかける人の物語として読める。
第1巻は、その二つが出会う瞬間を丁寧に見せてくれるよ。
くるまずかん
成美堂出版編集部 著|成美堂出版
¥1,100(税込)
文字に興味を持ちはじめた子どもに向けて、「はたらくくるま」をとおして自分で本を読む楽しさを伝える図鑑。幼児が聞いてもわかるように徹底的にかみくだいた解説と、ひらがなの本文で、子ども自身でも読めるように作られている。まち、こうじげんば、はたけやたんぼ、みなと、くうこう、てつどうをまもる、おおきなものをはこぶという場面ごとに、パトロールカーやポンプ車、ブルドーザー、コンバイン、ガントリークレーンなどが並ぶ。3〜6歳向けの一冊。
こんな人におすすめ
ひらがなを覚えはじめた3〜6歳の子ども、働く車が好きな子ども。自分で本を読む練習をさせたい保護者、乗り物の名前を一緒に覚えたい人にも。
良い点
- ひらがなで子が自分で読める
- 場面ごとに整理されている
- 働く車を幅広く収録
気になる点
- 幼児向けで大人には物足りない
- しかけや音はない
- 数や文字の学習要素は薄い
出版社
成美堂出版
発売日
2023年12月04日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これは……私には子どもがいないので想像なんですが、3歳から6歳向けの図鑑なんですね。本文はひらがなだけなんですか?
佐藤メバル
そう、ひらがなで書かれていて、子ども自身でも読めるように作られている。文字に興味を持ちはじめた子に、「はたらくくるま」をとおして自分で本を読む楽しさを伝え、知的好奇心を引きだすのが狙いだ。
幼児が聞いてもわかるように徹底的にかみくだいた解説が付いている。
橘ナナミ
まち、こうじげんば、はたけやたんぼ、みなと、くうこう……って、場面ごとに分かれているのがいいですね。乗り物以外も載っているんですか?
佐藤メバル
パトロールカーやポンプ車、救急車、レッカー車、清掃車だけでなく、ブルドーザー、コンバイン、ガントリークレーン、ロケット運搬台車まで幅広い。
ショベルやローダーが姿を変えるページもあるから、ひとつの車を追いかける楽しみ方もできる。プレゼントにも向く一冊だよ。
入門→中級→マニアへ——階段で上がる読書ロードマップ
橘ナナミ
結局、どの順番で読めばいいんでしょう。まとめて買う勇気はないです。
佐藤メバル
3段の階段で考えよう。1段目は「名前と形」——『ざんねんなクルマ事典』や『Casa BRUTUS特別編集 時代を超えて愛される、デザインの良い車100』で、車種名と佇まいを体に入れる。2段目は「理屈」——『クルマのメカニズム』や『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』で、走る・曲がる・止まるを押さえる。3段目でようやく「深掘り」——『自動車工学の基礎理論』『ハイブリッド車の技術とその仕組み』『R32スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発』のように、1テーマを技術で掘る。段を飛ばすと、専門書がただの記号の羅列になるんだよ。
橘ナナミ
なるほど…!逆に、いきなり3段目に行って挫折した経験、私もあります。
佐藤メバル
私もあるよ。書店員時代、図版がきれいな専門書を勢いで買って、用語が分からず数ページで止まったことがある。だから今は、同じテーマの入門と専門を並べて棚に置くようにしている。行き来できるから、詰まらないんだ。
2冊並べて読み比べる——同じテーマでもここが違う
橘ナナミ
読み比べって、具体的にどう組み合わせるんですか?
佐藤メバル
たとえば仕組みなら、『改訂新版 最新オールカラー クルマのメカニズム』と『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』。前者はエンジンからシャシーまでクルマ全体を機構で見渡し、後者は電気自動車を軸にハイブリッド・プラグイン・燃料電池まで含めた電動車の全体像を、運転してわかる長所と短所から入って整理する。読む順番で視点が変わる組み合わせだね。
橘ナナミ
デザイン方面だと?
佐藤メバル
『GREATEST HITS フェラーリ名鑑』と『Casa BRUTUS特別編集 デザインの良い車100』。前者は1ブランドを時代順に縦に掘り、後者はメーカーをまたいで横に並べる。縦と横を1冊ずつ持つと、車の見方が立体的になる。
橘ナナミ
1車種を掘る本はどうでしょう。
佐藤メバル
『スズキジムニー50年の歴史』は初代から歴代の諸元データまでを網羅した縦の本で、前身のホープスターON型4WDや海外仕様、幻と言われるモデルまで触れている。対して『R32スカイラインGT-R レース仕様車の技術開発』は、レース仕様という一点に絞って開発の経緯を当事者が語る。同じ「1車種の縦」でも、網羅する縦と、一点を貫く縦は別物なんだよ。
橘ナナミ
産業や未来の話は、どのあたりが揃っていますか?
佐藤メバル
『自動運転で伸びる業界 消える業界』は自動運転のビジネスとマーケットの全体像、『移動革命』はEV・自動運転・ドローンからMaaSやCASE、地方創生まで視野が広い。『通史で読み解く自動車の未来』は経営戦略論の立場から自動車産業の通史をたどり、未来予測に踏み込む。技術の本と産業の本では、問いの立て方そのものが違うから、同じ「EV」でも見える景色が変わる。
文化史・評伝・実務——ジャンルのすき間を埋める
橘ナナミ
デザイナー個人の本って、珍しい気がします。
佐藤メバル
『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』は、シトロエンで約30年デザイナーを務め、美術家としても賞に輝いたフラミニオ・ベルトーニを、自動車デザインと美術作品の両方から読み解く本。職人の領域だった自動車造形をデザインの領域に引き上げた人だ。『日本の自動車レース史』は多摩川スピードウェイを中心に、戦前のレースを発掘写真と関係者の寄稿でたどる。経営なら『トヨタ 中国の怪物』——トヨタの中国事務所総代表だった服部悦雄氏のロングインタビューを元にしたノンフィクションだ。同じ「車の本」でも、扱っている時間の長さがまるで違う。
橘ナナミ
事故や心理の本は、どこに置けばいいんでしょう。
佐藤メバル
『その交通事故には理由がある!』は、逆走・暴走やアクセルとブレーキの踏み間違いといった事故の背後に、人の意識と無意識がどう関わるかを精神分析の側から読み解く本。安全運転を「技術」ではなく「心」から考える棚だね。『クルマ好きだったらこんな街で暮らしてみたい』は、箱根を控えた街でクルマと暮らす話で、文化史にも生活史にも寄る。これにSA・PAや道の駅のガイドブックを並べると、ドライブ計画の棚が完成する。
よくある質問
車の本はどこで買えばいい?書店以外の入手方法は?
橘ナナミ
車の本はどこで買えばいい?書店以外の入手方法はについて教えてください。
佐藤メバル
大型書店の趣味棚やネット書店が基本の入口です。店頭で見かけない本は、書店の取り寄せ、古書店やネットの古本、図書館、そして電子版という順に当たってみてください。1冊ずつ入手経路を変えて探すと、待たずに済みます。
車に詳しくない初心者におすすめの1冊目は?
橘ナナミ
車に詳しくない初心者におすすめの1冊目はについて教えてください。
佐藤メバル
まずは『ざんねんなクルマ事典』のような読み物から入るのがおすすめです。約100台が5テーマに分けて紹介され、笑いながら名前と形が頭に残ります。仕組みが気になるなら『改訂新版 最新オールカラー クルマのメカニズム』。いきなり専門書から入らないのが失敗しないコツです。
絶版・中古の車の本はどうやって探せばいい?
橘ナナミ
絶版・中古の車の本はどうやって探せばいいについて教えてください。
佐藤メバル
発売から年数が経った本は新品で見つけにくくなります。大きめの書店に取り寄せを相談し、次に古書店やネットの古本、最後に図書館という順で探すと外れにくいです。状態と版の違いは必ず確認しましょう。
車の仕組みがわかる入門書でおすすめは?
橘ナナミ
車の仕組みがわかる入門書でおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
『改訂新版 最新オールカラー クルマのメカニズム』は、パワートレインからシャシーまでを5部構成で、パーツごとにカラー図版で解説します。電気自動車の側から入りたいなら、運転してわかる長所と短所から始まる『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』が読みやすいです。
クラシックカーの本は最初にどれを読むべき?
橘ナナミ
クラシックカーの本は最初にどれを読むべきについて教えてください。
佐藤メバル
時代を追って100台を並べた『Casa BRUTUS特別編集 時代を超えて愛される、デザインの良い車100』が最初の1冊に向きます。1ブランドを深く知りたくなったら『GREATEST HITS フェラーリ名鑑』、デザインの成り立ちまで踏み込むならベルトーニの軌跡を扱った1冊へ進むとよいです。
電子書籍やオーディオブックでも車の本は読める?
橘ナナミ
電子書籍やオーディオブックでも車の本は読めるについて教えてください。
佐藤メバル
電子版があれば移動中の端末でも読めます。ただし図版や写真が主体の本は紙が有利で、オーディオブックは音声化されている作品が中心なので、まず読みたい本の対応状況を確認してください。紙と電子を併用するのが現実的です。
車の中で快適に読書するコツや便利グッズは?
橘ナナミ
車の中で快適に読書するコツや便利グッズはについて教えてください。
佐藤メバル
大前提として運転中は読みません。サービスエリアや道の駅で停車し、休憩時間に短く区切って読む。見開きで完結する構成の本や漫画が向いています。日差し対策と飲み物、そして「何分まで」と時間を決めておくと快適です。
予算別に失敗しない車の本の選び方は?
橘ナナミ
予算別に失敗しない車の本の選び方はについて教えてください。
佐藤メバル
千円台の文庫・新書で当たりを探し、二千円台の入門書や評伝で土台を作り、四千円前後の専門書・大型本は2冊目以降に回す。この順番なら、高い本を買って途中で止まる事故が減ります。読む順番を先に決めてから買うのが最大の防御です。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、車の本って「読む本」というより「選ぶ本」なんだなと思いました。
佐藤メバル
そうだね。1冊で全部をカバーする本はないし、それは欠点じゃない。目的ごとに違う人が、違う角度から書いている。だから同じ車が、何度も違う顔で見えてくる。
橘ナナミ
最初の1冊は、やっぱり仕組みから入るのがいいんでしょうか。
佐藤メバル
それもいいし、『ざんねんなクルマ事典』で笑いながら名前を覚えるのでもいい。大事なのは、読んだあとに街で車を見たくなるかどうか。眺めて終わる本より、外に連れ出してくれる本を選んでほしい。
橘ナナミ
外に連れ出してくれる本…いいですね。次のドライブで、サービスエリアに寄ったら何ページか読んでみます。
佐藤メバル
そのときは、運転中は絶対に開かないこと。車の本は、燃料タンクみたいなものだよ。走るのは自分自身だけど、満タンにしておくと、行ける場所の数が変わる。まずは1冊、給油してみて。
