ゴルフィングマシーン本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のお題は「ゴルフィングマシーン 本 おすすめ」です。でも正直に言うと、私、ザ・ゴルフィングマシーンを読んだことがなくて、名前だけは聞いたことがある、という状態なんです。
佐藤メバル
それが普通だよ。書店で棚を作っていた頃も、「読破した」と言うお客さんにはめったに会わなかった。それくらい、名前は知られているのに本文までたどり着く人が少ない本なんだ。
橘ナナミ
知られているのに、たどり着けない。それはどうしてなんですか?
佐藤メバル
理由は大きく2つある。ひとつは、とにかく難解だと言われていること。もうひとつは、ホーマー・ケリーが書いた本そのものが、いま書店にいつも並んでいる種類の本ではないこと。だから検索している人の多くは、本体そのものより「TGMの考え方を、自分のスイングに使える形に翻訳してくれる本」を探しているんだよね。
橘ナナミ
なるほど……! じゃあ今回のラインナップは、TGMそのものではなくて、その入口になる本たちなんですね。
佐藤メバル
そう捉えていい。物理で解く本、骨格で解く本、振り子で解く本。アプローチは違っても、狙っているのは「なぜそうなるのか」を言葉にすること。ケリーがやろうとしたことを、別の角度から手伝ってくれる本たちだよ。
橘ナナミ
最初から原書に挑んで、心が折れる人も絶対にいますもんね。
佐藤メバル
実際、いちばん多い挫折パターンがそれ。だから今日は、選び方からていねいにいこう。
ゴルフィングマシーン本の選び方
目的別で選ぶ
佐藤メバル
最初に分けたいのは、「TGMの用語を理解したいのか」「レッスンで言われたことの裏付けが欲しいのか」「理論を体系として組み立てたいのか」。目的が違えば、開くべき本はまったく変わる。
橘ナナミ
同じ「理論で知りたい」でも、違うんですか?
佐藤メバル
違う。レッスンの裏付けが欲しいなら、辻村明志氏の『ゴルフのトップコーチが教える スウィングの真髄』のように、指導の現場で使われている言葉——構え、ヘソとグリップの関係、鋭く振り下ろす感覚——を先に押さえると、コーチの指示が腹に落ちる。逆に体系として組み立てたいなら、小澤康祐氏の『「物理学」×「クラブの構造」で解き明かす ゴルフスイングの新事実』のように、クラブの構造から積み上げる本のほうが向いている。
橘ナナミ
入口が「氣」と「クラブの構造」では、まったく別の山ですね……。
佐藤メバル
そう。ただ、どちらも最後は同じ問いに戻ってくる。「今、クラブのどこを、どちらへ動かしているのか」。用語の理解が目的なら、その問いをやさしい言葉に置き換えてくれる入門寄りの1冊を先に挟むのが近道だよ。マツモトタスク氏の『ゴルフサイエンス ファンダメンタルズ』も、感覚ではなく力の伝達として捉え直すという意味では、TGMと同じ方向を向いている。
形式別で選ぶ
橘ナナミ
原書と日本語版と解説本の違いも、いまいち整理できていません。
佐藤メバル
役割が違う。原書は用語の原義に当たれる代わりに、独特の言い回しと定義の積み重ねで読み進みにくい。日本語版はそれを日本語で追える。解説本は「読まなくても分かる」ように見えるけれど、実際には誰かの解釈を経由している。上下関係ではなく、解像度の階段だと思えばいい。
橘ナナミ
解像度の階段! 最初から一番上を目指さなくていいんですね。
佐藤メバル
目指さなくていい。むしろ、映像で動きを見てから本に戻ると、文字が急に像を結ぶ。三觜喜一氏の『三觜喜一 スウィングの流儀』は、動画チャンネルの再生回数上位を誌上で解説する構成だから、映像と本の往復の練習台に向いている。
レベル別で選ぶ
橘ナナミ
初心者や平均スコアの人が読んでも、大丈夫なんでしょうか。
佐藤メバル
大丈夫どころか、初心者こそ読むべき本が多い。浦大輔氏の『予約が取れないレッスンプロが教える ゴルフ1年生のためのスイングの教科書』は、クラブの選び方と診断から始まり、番手によって振り方を変えるという考え方まで、ゴルフ1年生を前提に書かれている。横田真一氏の『横田真一の「脱力ゴルフ」講座』も、形より心理と物理から入るので、細かい動作に悩み始める前の人に向く。
橘ナナミ
逆に、指導する側や上級者はどれを読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
内藤雄士氏の『内藤雄士 ゴルフ 正しいスイングは「骨格」で理解する!』は、間違った動きの多くは「代償動作」だという立場から、骨格の位置と動きでスイングを説明する。マーク・ブル博士の知見を吉田洋一郎氏が実践ドリルに落とし込んだ『最大飛距離が伸びる!ゴルフスイング解剖生理学』も、エラーの原因はアドレスに潜んでいると説く。感覚で教えている人ほど、説明の語彙を持ち帰れるはずだよ。
版と入手性で選ぶ
橘ナナミ
TGM本体の版の違いや、どこで買えるのかも気になります。プレミア価格になっているという話も聞いたことがあって……。
佐藤メバル
そこは実務の話になる。版が違えば内容も異なるから、まず何版かを確認すること。入手性は新品・中古・公式直販で大きく変わる。価格は時期で動くので断定できないけれど、買う直前に在庫と価格を確認してほしい。中古は版の表記と状態——書き込みや線引き——を必ず見る。出所がはっきりしない粗悪なコピーが問題になったこともあるので、怪しい安さは避けるのが基本だ。
橘ナナミ
出所、大事ですね……。値段だけ見て飛びつかないようにします。
読みやすさで選ぶ
佐藤メバル
最後は読みやすさ。同じ理論書でも、図版の量、活字の大きさ、1ページの情報量で、続くかどうかが決まる。奥嶋誠昭氏の『ゴルフ 当たる! 飛ばせる! スイング解剖図鑑』は、写真や動画では伝えにくい「インパクトを感じる手の感覚」をイラストで具体化しようとしている。感覚を絵で掴むタイプの人には強い。
橘ナナミ
活字がびっしりだと、私、三日で止まります……。
佐藤メバル
それなら、図版の多い本を1冊、理論の本を1冊、と往復するほうが結果的に速い。書店員時代も、難解な本1冊で戦おうとした人より、やさしい本と行き来した人のほうが長く続いていたよ。
ゴルフィングマシーン本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
ゴルフィングマシーン本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
ベン・ホーガン パワー・ゴルフ
ベン・ホーガン 著|筑摩書房
¥1,870(税込)
ベン・ホーガンが、自らのスウィングがどう生まれたかを書き記していた一冊。グリップ、クラブ、スタンス、ショット、そしてコースでの実践まで、スウィングとスコア改善のポイントが順に明かされる。読みどころは結論ではなく、名手が何をどう考えて形にしたかの過程。現代のレッスン書のように「こう動かす」と指示するのではなく、なぜその形に至ったかを追う構成で、自己流で迷った人が原理に立ち返るための座学になる。
こんな人におすすめ
動きの手順だけでなく、名手がどう考えてスウィングを作ったのかという過程を読みたい人。自己流で行き詰まり、上達の原理原則に戻りたい中・上級者。答えを急がず時間をかけて読み込みたいタイプに向く。
良い点
- 名手の思考の過程を追える
- グリップから実践まで網羅
- 繰り返し読める古典的価値
気になる点
- 現行クラブ前提ではない
- 写真中心の入門書ではない
- 即効性のある手順は少ない
出版社
筑摩書房
発売日
2012年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルに「パワー」と入っているので、飛距離を伸ばすための本だと思っていたんですけど、そういうことでもないんですか?
佐藤メバル
飛ばし方のハウツーというより、ホーガンが自分のスウィングをどう組み立てたかの記録なんだ。グリップやクラブ、スタンス、ショットに加えて、コースでどう実践するかまで触れている。
結論だけを渡す本ではなく、そこに至る考え方が読めるのが面白いところで、自己流で迷った人の座学に向いているよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、動きを覚えるための本というより、読み物として楽しむ感じですか?
佐藤メバル
読み物としても強いけれど、読みながら自分の感覚と照らし合わせる使い方がいい。現代のレッスン書は「こう動かす」と指示してくれるけれど、この本はなぜその形なのかが見える。
順番に積み上げる本だから、慌てて結論だけ拾わず、最初から追うときっと発見があるよ。
ゴルフスイング物理学
小澤康祐 著|実業之日本社
¥1,430(税込)
甲子園を目指して野球に打ち込んだ著者が、スポーツトレーナーを経てゴルフに出会い、「飛ぶけどOB連発」から抜け出すために考えた理論。鍵は水平面上の遠心力で、フェースがスクエアになる力の方向を物理とフィジカルから導く。道具であるクラブ、技術である動作、そしてカラダの順に考えるのが特徴で、感覚や根性に頼らず、頭が納得してから体を動かす。既成概念にとらわれない発想が、野球上がりのスライサーや自己流の大人に効く。
こんな人におすすめ
大人になってからゴルフを始め、球は飛ぶのに曲がってばかりという人。理屈から入らないと体が動かない、考えることが好きなタイプ。レッスンで言われた通りにしても再現できないと悩む人にも向く。
良い点
- 理屈から入れる独自メソッド
- 道具から体へ順に整理
- 野球上がりの悩みに刺さる
気になる点
- 物理の言葉がやや多い
- 感覚派には遠回りかも
- 実践ドリルは少なめ
出版社
実業之日本社
発売日
2018年09月27日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
冒頭に「水平面上の遠心力」って出てきて、文系のわたしは身構えたんですけど……。
佐藤メバル
著者は、ボールがまっすぐ飛ぶフェースの向きを物理の言葉で捉え直した人なんだ。理屈で納得してから体を動かす順番を大切にしていて、まずクラブという道具、次に動作、最後に体、という組み立てがこの本の骨格だよ。
橘ナナミ
道具から考えるんですね。ふつうは体の使い方の話から始まる気がしていました。
佐藤メバル
そこが新しいところ。道具が先にあって、それを前提に技術があり、それを動かすのが体だという順番だから、感覚や根性に頼らずに済む。
野球のように腕で振っていると曲がる理由も見えてくるから、スポーツ経験者ほど腑に落ちると思うよ。
ゴルフは基本がすべて! てらゆーのゴルフスイング大全
てらゆー 著|KADOKAWA
¥1,980(税込)
スウィングを「振り子」「回転」「足の動き」という3つの土台に分解し、そこから組み立てるメソッド。「勝手に当たる」「力まなくても飛ぶ」という感覚を取り戻すことを目標に据え、ポジションごと・クラブ別のチェックポイントと反復ドリルが並ぶ。大判で写真が大きく全ページカラーのつくりなので、動きを紙面で確認しながら手元に置ける。動画系のレッスン書の中でも、見た目に頼らず土台から説明している点が違う。
こんな人におすすめ
動画で学んでいるが、知識が断片のままで迷子になっている人。スウィングの土台から順番に整えたい初中級者。ページを開いて写真と見比べながら練習場で使いたい人。
良い点
- 3つの土台で整理されている
- 大判カラーで動きが追える
- クラブ別の解説が充実
気になる点
- 体系的で厚みがある
- 読み込みに時間がかかる
- 感覚重視の人には遠いかも
出版社
KADOKAWA
発売日
2023年03月01日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「振り子」「回転」「足の動き」の3つって聞くと、シンプルそうで、逆に本当にそれだけで大丈夫?と思ってしまいます。
佐藤メバル
土台が崩れていると、上に何を乗せてもうまくいかない。この本は、当てたい気持ちで回転や足が止まる、飛ばしたい気持ちで腕に力が入る、というつまずきを先に説明してから、土台ごとに整える順番を出している。
通しで読むと、写真が大判なのもあって動きの確認がしやすいよ。
橘ナナミ
動画で見て分かったつもりでも、練習場で再現できないことが多いんです。そういう人にも向きますか?
佐藤メバル
むしろ、そういう人のための本。動画は流れてしまうけれど、紙面なら土台ごとに立ち止まれる。ポジション別、クラブ別のチェックポイントと反復ドリルが並んでいるから、自分がどこで崩れているかを探しながら使ってみるといい。
世界標準のスイングが身につく科学的ゴルフ上達法
板橋繁 著|講談社
¥1,320(税込)
日本人ゴルファーが当たり前だと思っている「リストを返す」「ヘッドを走らせる」といった項目を並べ、世界標準では逆だとするスウィング論。クラブの設計や構造を最大限に活かすという考え方で、著者は身体動作学を専門とし、海外でジュニアやトップチームの指導に当たってきた経歴を持つ。トップアマの推薦が添えられているのも特徴で、理論だけでなく実際に変わった人の声が読める。常識を一度疑いたい人に効く。
こんな人におすすめ
自己流や古い教えに疑問を持ち始めた中級者。飛距離と方向の両方で伸び悩んでいる人。「常識」とされてきた言葉に疑いを持ちたい人や、指導する立場の人にも。
良い点
- 常識と世界標準を対比
- 著者の指導歴が厚い
- トップアマの声を収録
気になる点
- 断定調がやや強め
- 合わない人には戸惑う
- クラブ前提の説明が多い
出版社
講談社
発売日
2019年04月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「99%は間違っている」って書いてあるのを見て、ちょっとドキッとしました。私、たぶん間違っている側ですよね。
佐藤メバル
断定が強いから身構えるけれど、内容は「リストを返す」「ヘッドを走らせる」といった、どこかで聞いた言葉を一つずつ点検していくもの。
クラブの設計に逆らわず使うという視点が軸にあって、著者は身体動作学を専門に、海外でジュニアやトップチームの指導をしてきた人だよ。
橘ナナミ
トップアマの推薦が載っているのも気になりました。理論だけの本ではないんですね。
佐藤メバル
そう、右手の使い方を変えたという声など、実際に変わった人のコメントが添えられている。読むと、自分が教わってきた前提そのものを一度疑うきっかけになる。
合わないと感じる部分が出ても、それはそれで発見になるよ。
ゴルフサイエンス ファンダメンタルズ
マツモトタスク 著|日経BP
¥4,950(税込)
「なぜ昨日は飛んで今日は当たらないのか」という誰もがぶつかる疑問を、感覚ではなく科学で解こうとする本。クラブの重心点に働く6種類の力や、グリップ部への力学的入力、Hub PathとCOM Pathの違いなど、スウィングをエネルギー伝達のシステムとして扱う。クラブ設計の思想やルールにも触れ、読後に「なぜ飛ぶのか」を自分の言葉で説明できる状態を目指す構成。元国際金融マンが学び直した道のりも収録され、リテラシーとしてのゴルフ論になっている。
こんな人におすすめ
上達の理由を感覚で語られるのが苦手で、仕組みから理解したい人。長く続けているのに伸び悩み、土台から学び直したい中・上級者。仕事の思考法を鍛えるつもりで読める人にも。
良い点
- 力とトルクから体系化
- 設計やルールにも言及
- 学び直しの視点が新しい
気になる点
- 内容が高度で重い
- 図を読み解く根気が要る
- 即時のスコア改善本ではない
出版社
日経BP
発売日
2026年03月27日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
著者さんが元々金融の世界にいた人で、50代でティーチングプロ資格を取ったと書かれていて。そこからゴルフの科学の世界に転身したって、すごい振り幅ですよね。
佐藤メバル
その経歴が本の性格にも出ている。スウィングを根性や才能の話にせず、クラブが力を受け取り、整えて、ボールへ伝えるまでの流れとして描いている。
6種類の力や、グリップ部での入力の考え方がその中心だよ。
橘ナナミ
「感覚ではなく科学的理解が必要」という一文が冒頭にありました。読み終わったら何が変わるんでしょう?
佐藤メバル
本の狙いは、自分のスウィングを自分で設計し直せるリテラシーを持つこと。読後には「なぜ飛ぶのか」「なぜ曲がるのか」を自分の言葉で説明できるようになる。
すぐスコアが動く類ではなく、長く効く学び直しの本だよ。
ゴルフのトップコーチが教える スウィングの真髄
辻村明志 著|日本文芸社
¥1,210(税込)
トッププロを指導してきたコーチが、野球界の名伯楽・荒川博氏に師事して得たエッセンスをゴルフの指導に落とし込んだ一冊。「構えで勝負は決まっている」「ヘソとグリップはつないでおく」といった言葉で、スウィングを武道や合氣道の考え方から説いていく。技術の前に「氣」という見えない要素を扱う点が、物理や数値で組み立てる現代のレッスン書と決定的に違う。荒川氏の言葉を並べた章もあり、読み物としての味わいも濃い。
こんな人におすすめ
動作の手順をなぞるだけではしっくりこず、姿勢や意識の持ち方から見直したい人。名指導者が何を土台に教えているのか知りたい人。理屈より心構えを整えたい人に向く。
良い点
- 武道由来の視点が独自
- 構えを重んじる一貫性
- 荒川氏の言葉が残る
気になる点
- 抽象度が高め
- 数値的な根拠は少ない
- 好みが分かれる内容
出版社
日本文芸社
発売日
2019年12月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
荒川博という方って、王貞治選手の一本足打法を作った方ですよね。その方に師事したコーチのゴルフ本って、どんな内容なんだろうと思いました。
佐藤メバル
野球の打撃で培われた身体の使い方や意識の持ち方を、ゴルフに置き換えて伝えている。「構えで勝負は決まっている」という言葉に象徴されるように、振り方の前に構えを重んじる。
氣という言葉が軸になっているのが、いまのレッスン書とは大きく違うところだね。
橘ナナミ
氣って、聞き慣れないんですけど、練習でどう扱うものなんですか?
佐藤メバル
そこを合氣道に通じる武道の考え方として説明していく。数値や物理で組み立てる本ではないから、好き嫌いは分かれると思う。
でも、動きを覚えてもしっくりこない人が、姿勢や意識から見直すきっかけにはなる本だよ。
世界が認めた究極のシンプルスイング キープレフト理論
和田泰朗 著|日本文芸社
¥1,540(税込)
クラブを体の左サイドにキープして振るという考え方で、スウィングを一般的な「振り子運動」ではなく「吊り子運動」として捉える。リストコックやアームローテーションへの意識を外せる点が最大の特徴で、動きがシンプルになり再現性が上がるという。考案者は世界的なティーチングプロ団体で上位に選ばれた経歴を持つ。二点吊り子やチルトといったセットアップの考え方から、習得用のドリルまで写真を多く使って説明する構成。
こんな人におすすめ
手首や腕の動きを意識しすぎて、スウィングが複雑になっている人。振り子の感覚がしっくりこない中・上級者。意識することを減らしてシンプルに振りたい人。
良い点
- 意識を減らせる発想
- 写真が多く追いやすい
- セットアップから解説
気になる点
- 独特な用語が多い
- 感覚が合う人向け
- 実践には反復が必要
出版社
日本文芸社
発売日
2019年09月25日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
吊り子運動って、振り子運動と何が違うんですか? 言葉だけだと、時計の振り子とお寺の鐘みたいな違いしか浮かばなくて。
佐藤メバル
まさにその違いなんだ。棒で鐘を突く動きをイメージすると、クラブは体の左サイドにずっとあって、そこから吊られているように振られる。
だからリストコックやアームローテーションを意識しなくてよくなる。意識することを足すのではなく、減らす方向の理論だよ。
橘ナナミ
減らすって、わたしには助かる気がします。覚えることが増えすぎて、いつも途中で分からなくなるので。
佐藤メバル
その感覚なら合いやすいかもしれない。二点吊り子とチルトでセットアップを決めて、あとは吊られる感覚に任せる。
写真が多く使われているから、まずは立ち姿勢の作り方から確認してみるといいよ。
三觜喜一 スウィングの流儀
三觜喜一 著|日本文芸社
¥1,100(税込)
予約が取りにくいと言われる人気レッスンプロの連載をまとめた一冊。漫画のレッスンとグラビア、動画を組み合わせた構成が特徴で、読み物としても眺めて理解する本としても使える。飛距離アップの考え方やミスの直し方に加え、自身の動画チャンネルで再生回数の多かったテーマを誌上で解説する企画も収録され、よく見られているところから順に学べる。スウィング集中の内容で、初心者から中級者まで届くように作られている。
こんな人におすすめ
文字だけの解説だと途中で飽きてしまう人。多くの人がつまずくテーマから順に知りたい初心者・中級者。移動や休憩のすき間時間に読み進めたい人にも。
良い点
- 漫画で流れがつかめる
- 動画との併用がしやすい
- 再生上位のテーマを解説
気になる点
- 体系書ではない
- 網羅性は高くない
- 紙面の情報量は多め
出版社
日本文芸社
発売日
2020年12月17日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
漫画でレッスンって、読みやすそうでいいなと思う反面、内容が薄かったらどうしようとも思うんですけど。
佐藤メバル
そこは心配いらない。漫画で流れをつかんで、グラビアと動画で動きを確かめる、という役割分担になっている。
しかも、自身のチャンネルでよく見られているテーマが上位から並べられていて、多くの人がどこでつまずくのかが先に分かる構成だよ。
橘ナナミ
再生回数の多い順に読めるの、いいですね。何から悩めばいいか分からない人にとっては助かりそうです。
佐藤メバル
そう。スウィング集中の内容だから、飛距離やミスの直し方など、関心の高いところから入れる。最初から最後まで体系立てて読むというより、気になるところを拾って練習場に持ち込む使い方も合っているよ。
内藤雄士 ゴルフ 正しいスイングは「骨格」で理解する!
内藤雄士 著|池田書店
¥990(税込)
体型や筋力、柔軟性に差があっても、骨や関節の位置と役割は人間なら誰でも同じ。その共通点から正しいスウィングを考えようという一冊で、うまくいかない動きの多くは「代償動作」だとする視点が軸になる。ツアープロを指導してきたコーチの理論に、スポーツクラブの全面協力によるスポーツ科学の考証が加わり、アドレスを骨格のポジショニングとして捉え直す。最後は骨格に沿った動きに近づくためのエクササイズまで示される。
こんな人におすすめ
体が硬い、力がないと諦めていた人。体型や年齢の違いを言い訳にせず、共通する体の仕組みから学びたい人。動きを変える前に体を見直したい初中級者。
良い点
- 骨格という共通点で説明
- 代償動作の見方が新しい
- エクササイズまで収録
気になる点
- 運動の知識が要る場面
- 読み込みに時間がかかる
- 即効の裏技はない
出版社
池田書店
発売日
2019年08月09日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「骨や関節の動きは誰でも同じ」と書いてあって、体が硬い自分でも希望が持てる気がしました。
佐藤メバル
そこが出発点なんだ。太っている痩せている、背が高い低い、筋肉があるない、違いはあっても骨と関節の役割は変わらない。
だから、うまくいかない動きの多くは代償動作、つまり本来使うべき動きの代わりに別の場所が働いている状態として説明できる。
橘ナナミ
代償動作、聞いたことがあります。肩が回らないから腰で回してしまう、みたいな。
佐藤メバル
まさにそれ。この本はアドレスを骨格のポジショニングとして捉え直して、そこから骨格に沿ったベストスイングを組み立てる。
最後は体を近づけるためのエクササイズまで載っているから、動きの前に体を見直せるよ。
「物理学」×「クラブの構造」で解き明かす ゴルフスイングの新事実
小澤康祐 著|KADOKAWA
¥1,650(税込)
クラブの構造を知らずに上達はない、という立場から書かれた一冊。フェースの向きやライ角、芯、シャフトの加速と減速でフェースが開閉する仕組みなどを押さえ、インパクトの物理、クラブの動かし方、体の使い方へと進む。「フェースを返さない」「テコを使わない」という考え方を軸に、円錐振り子やグリップエンドを引き続ける感覚を説く。終盤は海外ツアー選手の例を挙げ、個性に合わせた完成のさせ方を分析する。
こんな人におすすめ
手首を返す、ヘッドを走らせるといった言葉に従ってきたが結果が出ない人。道具の仕組みからスウィングを組み直したい中級者以上。クラブを敵にしている感覚がある人。
良い点
- クラブ構造から説き起こす
- 新しい考え方を整理
- ツアー選手の例が豊富
気になる点
- 前提知識がやや必要
- 用語が多く詰め込まれる
- 初心者には難しめ
出版社
KADOKAWA
発売日
2021年02月26日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「あなたはクラブが味方になっていますか、敵になっていますか」という問いかけが印象的でした。クラブが敵って、どういう状態なんでしょう?
佐藤メバル
テコの力でクラブを動かしてしまうと、せっかくの設計が働かない。フェースを返す、ヘッドを走らせるという意識が、実はクラブの機能とずれていると指摘しているんだ。
グリップエンドを引っ張り続けるほうが飛距離につながる、というのがこの本の主張だよ。
橘ナナミ
返さない、走らせない、となると、逆に何もしない感じがして不安になります。
佐藤メバル
そこはクラブの動かし方と体の使い方の章で丁寧に説明される。円錐振り子の考え方や、腕とクラブの角度のつけ方まで降りてくる。
最後は海外ツアー選手の例を分析しているから、個性に合わせてどう完成させるかも見えてくるよ。
ゴルフ 当たる! 飛ばせる! スイング解剖図鑑
奥嶋誠昭 著|日本文芸社
¥1,540(税込)
写真や動画では「インパクトを感じる手の感覚」のような体感までは伝えにくい。そこで、スウィング中に体が感じる手や足の感覚をイラストで具体化しようとしたのがこの本だ。クラブ、指、手首、ヒジ、肩、体幹、股関節、ヒザ、足首と部位ごとに章を分け、動きを解剖して図解していく。スウィング解析のシステムで数多くのプレーヤーを分析してきたプロの視点が土台にあり、付録にはツアープロの体の動きの平均データも収録される。
こんな人におすすめ
動画を見ても自分の感覚と結びつかない人。手や足のどこに意識を置けばいいのか分からず迷っている初中級者。言葉にしにくい体感をつかみたい人。
良い点
- 感覚を図で具体化
- 部位ごとに章立て
- 球を曲げる調整も収録
気になる点
- イラストの読み取りが要る
- 文章だけでは伝わりにくい
- 通読より辞書的に使う
出版社
日本文芸社
発売日
2022年12月23日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「インパクトを感じる手の感覚」をイラストにするって、よく考えたらすごく難しいことをやろうとしていますよね。
佐藤メバル
そこがこの本の狙いなんだ。写真や動画では、手や足がどう動いたかは分かっても、どう感じているかまでは見えない。
だからイラストで体感を描き出して、読者がその感覚をつかめるようにしている。まずクラブの動きから始めて、指、手首、ヒジと下っていく構成も面白いよ。
橘ナナミ
付録にツアープロの体の動きの平均データがついているのも気になります。数字を見ながら読むんですね。
佐藤メバル
そう、感覚と数字の両方から確かめられる。球を曲げたいときの調整の話も入っているから、通読するより、気になる部位の章を開く辞書的な使い方も合っているよ。
最大飛距離が伸びる!ゴルフスイング解剖生理学
マーク・ブル 著|池田書店
¥1,320(税込)
海外でツアー選手を指導してきた動作分析の専門家が、解剖学や運動生理学、心理学の視点からスウィングを分析した研究成果を紹介する一冊。スイング中の動きではなく、大半のエラーはアドレスに潜んでいるという指摘が軸で、関節の回転が妨げられると別の動きが代わりに起きると説明する。さらに原因が分かっても脳が新しい動きを認知しないと変わらないとして、意識づけの方法とドリルまで踏み込む。日本側の共著者が実践法を補う。
こんな人におすすめ
練習しても同じミスを繰り返す人。フォームを直しているつもりなのに変わらない理由を知りたい中級者以上。体と脳の両方からアプローチしたい人。
良い点
- アドレスに原因を求める
- 脳の認知まで踏み込む
- ドリル集が付いている
気になる点
- 専門用語が多い
- 読み応えがあり重い
- 初心者には難しめ
出版社
池田書店
発売日
2022年07月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エラーの原因はスイング中ではなくてアドレスに潜んでいる、という一文が刺さりました。ずっと振り方を直そうとしていたので。
佐藤メバル
そう、スウィングは各関節の回転動作の集まりだから、アドレスに問題があるとどこかの回転が妨げられ、代わりに別の動きが出てしまう。
それを代替動作と呼んで、まず原因を突き止めることから始めようとしている。間違った動きを努力で塗り重ねないための本だね。
橘ナナミ
さらに「脳が認知しないと変わらない」という話もありました。体だけでなく頭も変えないといけないんですね。
佐藤メバル
そこが後半のテーマで、必要な動きを意識づけする方法と、体と脳をつなぐドリルが並ぶ。海外の動作分析の研究成果に、日本のコンサルタントの実践法が重なっている構成だから、理屈と稽古の両方が欲しい人に向いているよ。
最大効率ゴルフスイングでゼロからやり直す!
菅原大地 著|KADOKAWA
¥1,650(税込)
構え方やグリップといった基礎から、本当に意味のある練習法まで、「最初からそれを知っていれば」と思える情報をまとめた一冊。最大効率で上達するという考え方で、ショットの精度を高めるスウィングの習得法を、フォーム解析写真と動画で解説する。スコアメイクの鍵になるパッティングに一章を丸ごと割いている点が特徴で、ドライバー中心のレッスン書とは力点が違う。始めたばかりの人にも、離れていた人が戻るのにも合う。
こんな人におすすめ
これから始める、あるいは久しぶりに戻ってきた人。ドライバーばかり練習してスコアがまとまらない人。基礎から順番にやり直したい初中級者。
良い点
- 基礎から練習法まで一冊
- パッティングに一章を割く
- 写真と動画で確認できる
気になる点
- 網羅するため厚みがある
- 上級者には物足りない
- 反復練習が前提になる
出版社
KADOKAWA
発売日
2022年06月30日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
パッティングに一章まるごと使っているのが意外でした。普通はドライバーから始まるイメージだったので。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さだね。スコアメイクの鍵になるのはパッティングだという立場で、ショットの精度を上げる考え方と並べて丁寧に扱っている。
構えやグリップの基礎から、意味のある練習法まで順に積み上げていく構成だから、ゼロからやり直すのに向いているよ。
橘ナナミ
始めたばかりの人や、出戻りの人にも、と書いてありました。基礎から確認する感じですか?
佐藤メバル
そう。最大効率という言葉どおり、遠回りしない順番で並べてある。フォーム解析の写真と動画で自分の動きと見比べながら進められるから、自己流で固まった人ほど、いったん戻って確認する価値があるよ。
見るだけで劇的に上手くなる スイングの作り方
阿河徹 著|日本文芸社
¥1,210(税込)
球数を打てば、ラウンドを重ねれば上手くなるという思い込みを否定するところから始まる。スウィングに致命的な欠陥がある限り、いつまでも安定して良いスコアは出ない。そこで、なぜ飛ばないのか、なぜ曲がるのか、なぜ安定しないのかを先に理解し、著者が「スイングの設計図」と呼ぶ基本の動きを押さえる。悪いクセの整理と処方箋、数多くのカラー写真によるドリル、動画で確かめられる構成が並ぶ。
こんな人におすすめ
練習量は確保しているのにスコアが伸びない人。原因を感覚でごまかさず、仕組みから理解したい中級者。漫然と球を打つのをやめたい人に向く。
良い点
- 設計図という整理が明快
- 悪いクセの処方箋がある
- カラー写真と動画で確認
気になる点
- 派手な即効性はない
- 理論の説明が続く章がある
- 読んで終わると効果は薄い
出版社
日本文芸社
発売日
2020年07月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「球数を打てば上手くなると思っている」で始まるのが、ちょっと痛いです。わたしも練習量だけは増やしていました。
佐藤メバル
そこに気づかせるための書き出しなんだ。スウィングに根本的な問題があると、良いスコアがたまたま出ても続かない。
だから先に、なぜ飛ばないのか、なぜ曲がるのかを理解して、スイングの設計図と呼ばれる基本の動きを頭に入れる。順番を変えるだけで練習の質が変わるよ。
橘ナナミ
「見るだけで劇的に」というタイトルは、ちょっと大げさな気もするんですけど。
佐藤メバル
写真と動画で動きを目から入れて、悪いクセと処方箋を照らし合わせる構成だから、まず見て理解することを大事にしている。
もちろん見るだけで終わったら変わらない。読んで確かめて練習場で試す、その往復を想定した本だよ。
最強インパクトを作る うねりスイング
三觜喜一 著|日本文芸社
¥3,960(税込)
スウィングの習得には、スウィング中の4つの連続動作をこなすことが重要だという理論を軸に、体の動きをカラー写真で追いながら解説する。アドレスからインパクトまでの流れを一続きの動作として捉えるのが特徴で、各章にチェックシートが付き、自分の状態を確認しながら進められる。最後はハンドファーストインパクトの完成まで段階が示される点が核で、著者の前著を補完する位置づけの一冊。
こんな人におすすめ
パーツごとの動きは知っているが、つなげると崩れてしまう人。チェックシートで現在地を確かめながら進めたい中級者。インパクトの形を最後まで作りたい人。
良い点
- 4局面という整理が明快
- チェックシートで確認できる
- 大判で写真が見やすい
気になる点
- 読み切るのに時間がかかる
- 前著と併読が前提になりやすい
- 分量が多く感じられる
出版社
日本文芸社
発売日
2019年02月28日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「うねり」って言葉がまず浮かばないんですけど、体のどこがどううねるんですか?
佐藤メバル
スウィングを4つの連続動作として捉えて、それが順に重なっていく動きをうねりと呼んでいる。一つの動作を切り出して覚えるのではなく、流れとしてつなげるのが狙いだ。
各章にチェックシートが付いているから、自分のどこが抜けているかを確かめながら進められる。
橘ナナミ
チェックシートがあると、本を読んで終わりになりにくそうですね。
佐藤メバル
うん、スウィング作りに欠かせないドリルも収録されている。アドレスでエラーを防ぐ話から、ゼロから覚える段階、飛距離の話を経て、最後はハンドファーストのインパクト完成まで運んでくれる。
時間をかけて取り組みたい人向けの一冊だよ。
予約が取れないレッスンプロが教える ゴルフ1年生のためのスイングの教科書
浦大輔 著|KADOKAWA
¥1,760(税込)
体格に恵まれずとも大きな飛距離を出すことで知られ、レッスンの予約が取りにくいことでも話題のプロが、超基本をまとめた入門書。まず自分に合ったクラブを知り、アライメントを調整するという出発点から始め、番手ごとに振り方を変える意識、各番手のヤード数を把握することまで進む。クラブの知識や番手選び、練習法まで含めて、初心者が最短で上達するために組まれた構成になっている。
こんな人におすすめ
これからゴルフを始める、または始めたばかりの人。道具選びでつまずいている初心者。ドライバーだけでなくアプローチとパターまで一冊で見通したい人。
良い点
- クラブ選びから始まる
- 初心者の落とし穴を先回り
- 番手ごとの考え方が身につく
気になる点
- 上級者には物足りない
- 基本重視で地味に感じる
- 実践はコースでの確認が必要
出版社
KADOKAWA
発売日
2024年10月02日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「初心者がまずやるべきは自分に合ったクラブを知ること」って、技術より先に道具なんですね。
佐藤メバル
そう、そこを飛ばして振り方だけ練習しても遠回りになる。クラブを選び、アライメントを整えるという土台があってこそ、スウィング作りの話が生きてくる。
番手ごとに振り方を変える意識や、自分のヤード数を把握することまで含めて、最短で進む道筋を示しているよ。
橘ナナミ
ユーティリティの章があるのも、他の初心者向けの本では見かけない気がします。
佐藤メバル
初心者の助けになる道具として、ちゃんと章を割いている。ドライバー、ユーティリティ、アプローチとパターまで、コースで使う順に並んでいるから、始めたばかりの人が一冊で見通せる。最初の一冊として素直に読める本だよ。
「完全振り子理論」で学ぶ 最後のゴルフレッスン
永田玄 著|講談社
¥1,980(税込)
アマチュアがアマチュアのために書いたとされる一冊で、「インパクト」「ヘッドスピード」という言葉こそが上達を妨げると指摘するのが特徴。身体を2つのパーツに分けて認識することや、腰の切り上げ、サイクロイド曲線、2つの円軌道といった考え方を通して、運任せのスウィングから必然のスウィングへ移ることを目指す。断片の寄せ集めではない、理路整然とした理論で覚えることを重視している。
こんな人におすすめ
よく使われる用語にどこか引っかかりを感じてきた人。小手先のコツを足すのをやめて、理論から組み直したい中・上級者。無駄な練習を減らしたい人。
良い点
- 用語を疑う視点が新鮮
- 理路整然とした組み立て
- ドライバーからパターまで
気になる点
- 独特な図の理解が必要
- 読むのに集中が要る
- 感覚派には不向きかも
出版社
講談社
発売日
2025年03月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「インパクト」という言葉が上達を妨げるって、意外すぎて二度読みしました。そんな言葉を使わないゴルフなんてあるんでしょうか。
佐藤メバル
そこを疑うところから始まる本なんだ。阻害する力や無駄な力を取り除くことが最優先で、そのためには断片の寄せ集めではなく、筋の通った理論で覚える必要があるという立場。
身体を2つのパーツに分けて捉えるなど、認識の仕方から組み替えていくよ。
橘ナナミ
サイクロイド曲線とか、2つの円軌道とか、図が思い浮かばない言葉も出てきました。
佐藤メバル
図を見ながらでないと飲み込みにくいかもしれない。ただ、ドライバーからパターまで同じ考え方で通しているので、用語を一つずつ自分の動きに当てはめていくと、無駄な練習を減らす方向に働くはずだよ。
ゴルフの上達に一番必要な「回さない」という基本
小泉智之 著|日本文芸社
¥1,980(税込)
スウィング本の多くは「いかに上手く回すか」を説くが、この本は逆に、回す意識そのものがシャンクやトップを生むと指摘する。ボールは前でも後ろでもなく下にあるという当たり前の事実に立ち返り、下にあるボールをしっかり打つ感覚を先に身につける。前半で基本とブレーキの考え方を示し、後半で振り方の練習へ進む構成で、遠回りした練習や現場で教えられたことにも触れる。
こんな人におすすめ
腰を回せ、体を回せと言われ続けてきたのに、ミスが減らない人。体の向きを意識しすぎて手元が狂う中級者。下のボールを打つ感覚から作り直したい人。
良い点
- 回す意識の弊害を指摘
- ブレーキの練習から入る
- 著者の実感が語られる
気になる点
- 独特の用語が出てくる
- 前半は地味に感じる
- 通読に根気が要る
出版社
日本文芸社
発売日
2026年06月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「回さない」というタイトルを見て、ゴルフなのに回さないの?と思ったんですけど、回す意識がシャンクやトップを生むと書いてあって。
佐藤メバル
そう、そこが逆説の面白さでね。多くの本は、いかに上手く回すかを教えるけれど、回そうとすると体の向きばかり気になって、下にあるボールを打つ感覚が抜けてしまう。
まず下への意識を持つという順番を提案しているんだ。
橘ナナミ
ブレーキを知る、という章立てにも興味が出ました。振り方より先に止め方を学ぶんですね。
佐藤メバル
アクセルの前にブレーキを知るという順番が特徴だよ。著者自身が遠回りした練習や、現場で教えられたことも書き添えられているから、理論を覚えるというより、体験談をたどりながら自分の動きを点検する読み方もできるよ。
【バーゲン本】一生役立つゴルフ スイングタイプ上達法
マーク金井 著|マイナビ
¥539(税込)
多くのゴルファーはアウトサイドインかインサイドアウトのスイングタイプに分けられ、弾道はそのタイプとインパクトでのフェースの向きで決まる。自分のタイプに合わない練習は時間の無駄という立場から、まずタイプの見つけ方を示し、タイプ別の特徴と練習方法をやさしく解説する。同じ理論を万人に一律で当てはめる本とは違い、自分がどちら側かを確認してから手を打てるのが強み。
こんな人におすすめ
練習の方向性が分からず、あれこれ手を出してしまう人。球の曲がり方の理由をはっきりさせたい中級者。自分に合った練習だけに絞りたい人。
良い点
- タイプ診断が入口になる
- タイプ別に練習を提示
- 言葉がやさしく読みやすい
気になる点
- 二分類で割り切る構成
- 網羅的な理論書ではない
- 上級者には簡単すぎるかも
出版社
マイナビ
発売日
詳細情報なし
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
アウトサイドインかインサイドアウトか、で分かれると言われても、自分のスイングがどっちなのか、実はよく分かっていません。
佐藤メバル
そこを最初に確かめるところから始まる本だよ。弾道は自分のタイプとインパクトのフェースの向きで決まるから、タイプが分かれば、効かない練習をやめて効く練習に絞れる。
合わない練習は時間の無駄と言い切っているのが潔いね。
橘ナナミ
二つに分けるのは、わりと割り切りすぎな気もするんですけど……。
佐藤メバル
割り切るぶん、迷わず動けるのが利点だね。タイプ別の特徴と練習方法がやさしく並んでいるから、まず自分のタイプを見つけて、そこから一歩ずつ試す。
入口として使うにはちょうどいい読みやすさだよ。
横田真一の「脱力ゴルフ」講座
横田真一 著|実業之日本社
¥616(税込)
「このティショットはスライスしそうだ」「このロングパットは入る気がする」という予想は、意外なほど当たる。その予想を信じて活かせたらスコアは一気に良くなる、というのがこの本の出発点。形や細かい動きを気にする「頭でっかち」なゴルフを卒業し、心理と物理の両面からゴルフを考え直す。心理編、想念編、物理編、戦術編という並びで、メンタルと原理の両方を扱う点が他のレッスン書と違う。
こんな人におすすめ
練習では打てるのに本番で崩れる人。メンタルの揺れを技術の問題と切り離して考えたい人。イメージや予感の使い方に関心がある中級者。
良い点
- 心理と物理を同時に扱う
- 予想の活用という視点
- 戦術の章まで及ぶ
気になる点
- 技術の手順書ではない
- 抽象的な話題が多い
- 好みが分かれる内容
出版社
実業之日本社
発売日
2015年09月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「このパットは入る気がする」って、わたしも思うことあります。でもそれが当たるのは、気のせいじゃないかと。
佐藤メバル
そこを正面から扱っているのが面白いところでね。予想が当たるなら、その予想を信じて活かそうというのがこの本の立場。
形や細かい動きを気にする頭でっかちなゴルフを卒業するという言葉が象徴的で、心理と物理の両面から組み立てていくよ。
橘ナナミ
心理編と想念編と物理編、戦術編、と章が分かれているのも、変わっていますね。
佐藤メバル
メンタルだけでも技術だけでもなく、順番に並べている。ロングパットのイメージの話から、クラブの物理、攻め方の確率の話まで届くから、本番で崩れるタイプの人ほど、読む価値があると思うよ。
練習はインパクトゾーンだけでいい!
栗林保雄 著|ゴルフダイジェスト社
¥1,320(税込)
時間をかけられないアマチュアが安定して80台を出すにはどうすればいいか、という問いから生まれた一冊。グリップは握らずただ支える、ヒッティングという中枢の動きを押さえる、といった独自の整理で、練習範囲をインパクトゾーンに絞り込む。フルスウィングとの違いにも触れ、胸の回転を加える段階や多段加速の考え方まで示す。これまでの理論は理論ではなかった、という挑発的な書き出しも印象的。
こんな人におすすめ
仕事や家事で練習時間が思うように取れない人。限られた時間で80台を目指したい中級者。練習の範囲を思い切って絞りたい人。
良い点
- 練習範囲を絞る発想
- グリップの捉え直しが独自
- 実戦的な目標設定
気になる点
- 理論の前提が独特
- 用語の理解に時間が要る
- 多忙な人向けの内容
出版社
ゴルフダイジェスト社
発売日
2016年02月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「グリップは握らない。ただ支えるだけ」という一文に、えっ、となりました。握らないのに振れるんでしょうか。
佐藤メバル
そこがこの本の核心でね。手で握って操作するのではなく、支えるという感覚に置き換える。練習の範囲もインパクトゾーンだけに絞って、そこを確実にする。
時間がなくても80台に届くという発想は、忙しい人には現実的だと思うよ。
橘ナナミ
「今までのスウィング理論は理論ではなかった」という言い切りも強気ですよね。
佐藤メバル
そこは挑発的に書いているけれど、内容はヒッティングという中枢の動きを丁寧に分解している。フルスウィングは胸の回転を足す、多段加速になる、といった整理で違いを示すから、読み進めると主張の根拠が見えてくるよ。
世界最速のゴルフ上達法クォーター理論
桑田泉 著|日本文芸社
¥880(税込)
「ボールは見るな」「手打ちをしろ」など、従来の指導では言われない考え方を並べるのがクォーター理論。パターから始めてアプローチで基礎を固めるという順番も画期的で、さまざまな練習をしてきたのに伸びない人を救ってきたという。著者を主人公にしたストーリーマンガで理論を解説し、さらに写真でもポイントを紹介するので、理屈と見た目の両方から入れる。壁に当たっている人向けの一冊。
こんな人におすすめ
何年も練習しているのに壁を越えられない人。これまでと違う角度の理論を試したい中級者以上。マンガで読みやすく入りたい人。
良い点
- 意外な言葉で常識を崩す
- パターから始める順番
- マンガと写真の両方
気になる点
- 主張の賛否が分かれる
- 独自用語の確認が必要
- 上達には実践が要る
出版社
日本文芸社
発売日
2016年01月29日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ボールは見るな」「手打ちをしろ」って、これまでのレッスンで言われたことと真逆すぎて、逆に気になりました。
佐藤メバル
セオリーを壊すと言われるゆえんだね。しかも、パターから始めてアプローチで基礎を固めるという順番が独特で、いきなりフルスイングから入らない。
基礎を下の番手から積み上げる発想が、伸び悩んだ人に効いてきたと著者は言っているよ。
橘ナナミ
マンガで解説されているのも、とっつきやすそうでいいですね。
佐藤メバル
ストーリーマンガで流れを追って、写真でポイントを確かめる二段構えだ。主張が独特だから、読むときは自分の体で試しながら確かめるのが前提になる。
それでも、行き詰まりを感じている人には新しい風になる一冊だよ。
スモールスイング・レボリューション 新装版 ゴルフ歴1年で70台に突入できる30cmトレ
大塚友広 著|幻冬舎
¥1,320(税込)
フルスウィングで練習を重ねても上手くならない、という逆説から始まる。インパクトから逆算してスウィングを組み立てるという考え方を軸に、ドライバーはインパクト後の50センチ、パターはインパクト後の10センチという捉え方でミスを減らす。10〜30ヤードのショットをやり抜く勇気を持つことが、大きなスウィングへの入口になるという主張が特徴。普通のビジネスマンが1年で70台に入ったという体験が土台にある。
こんな人におすすめ
ドライバーのミスでスコアを崩してしまう人。小さな距離のショットをおろそかにしてきた中級者。派手さより再現性を優先したい人にも。
良い点
- インパクトから逆算する発想
- 距離別の具体的な目安
- 実体験に基づく構成
気になる点
- 練習の考え方を変える必要
- 大きなスイングの話は後半
- 地道な反復が前提になる
出版社
幻冬舎
発売日
2020年10月28日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ドライバーはインパクト後の50センチ」という表現が、まず頭に浮かばなかったです。振り終わりじゃなくて、その先を見るんですね。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さで、ゴールから逆算する考え方なんだ。ドライバーのミスを減らすことが100切りへの近道だと説き、パターはインパクト後の10センチとして捉える。
小さなスイングを極めることが大きなスイングへの入口になると主張しているよ。
橘ナナミ
10〜30ヤードのショットをやり抜く勇気、という言い方も刺さりました。つい、ちゃんと振らないと練習にならないと思ってしまうので。
佐藤メバル
そこを疑うのがこの本だね。小さな動きを連続させて確実にしていく。普通のビジネスマンが1年で70台に入ったという体験が背景にあるから、特別な才能の話ではなく、順番の話として読めるよ。
菅原大地の“サイコースウィング”で飛ばせ!
菅原大地 著|日本文芸社
¥1,320(税込)
力がなくても飛ばせるスウィング、つまり最大効率のスウィングを目指す一冊。効率のいい動きが飛距離を伸ばすという考え方をていねいに解説し、曲がりを抑えてさらに飛ばすところまで段階を追う。レッスン動画とカラー写真で、理屈と動きの両方を確かめられる構成。無理に力を出す方向ではなく、身体とクラブの使い方の効率を上げる方向で飛距離を狙う点が、根性論の飛距離本と違うところ。
こんな人におすすめ
力任せに振っても飛距離が伸びずに悩む人。体が大きくない、パワーに自信がないゴルファー。フォームを効率の視点で見直したい中級者。
良い点
- 効率という軸が明確
- 飛距離からスコアまで扱う
- 動画と写真で確認できる
気になる点
- 飛距離重視の内容
- 曲がり対策は後半
- 実践には反復が必要
出版社
日本文芸社
発売日
2021年12月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
周りの人は「もっと振れ」と言うんですけど、振っても飛ばないんですよね。この本は逆を行っているように見えました。
佐藤メバル
そう、力ではなく効率で飛ばすという立場なんだ。身体とクラブを最大効率で使えば、非力でも飛距離は伸びる。
曲がりを抑えながらさらに飛ばす段階まで進むから、飛ばしっぱなしで終わらない構成になっているよ。
橘ナナミ
動画とカラー写真がついているのも、動きを確かめるのに助かりそうです。
佐藤メバル
理屈だけでは動きが入りにくいからね。飛距離アップの考え方、曲がりの抑え方、実戦での練習法、厳選ドリルと順に並んでいるので、自分の課題に合わせて開いていける。
飛ばしたいのに力任せになっている人ほど、読む意味があるよ。
ゴルフ 誰でも280ヤード! サイコースイン
菅原大地 著|池田書店
¥1,100(税込)
小柄な体格でも平均飛距離で大きな数字を出すプロが、その仕組みを分解して説明する一冊。鍵は飛距離の大部分を生み出す足の力を、いかに効率よくクラブへ伝えるか。身体とクラブを最大効率で使うメソッドの仕組みを章ごとに解説し、動きを細かく分解したうえで、身につけるための練習ドリルも多数収録する。悩みに答えるQ&Aの章があり、読みながら自分の疑問を照らし合わせられる。
こんな人におすすめ
体が小さい、力がないと飛距離を諦めている人。腕力ではなく体の使い方から飛ばしを学びたい初心者・中級者。仕組みを理解してから練習したい人。
良い点
- 足の力という切り口
- 動きを細かく分解
- Q&Aで疑問を拾える
気になる点
- 飛距離に特化した内容
- 反復ドリルが前提になる
- 読み流すと効果が薄い
出版社
池田書店
発売日
2020年09月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
小柄で腕相撲では女性に負けたこともあるというプロが、平均で300ヤードを超えるって、にわかには信じがたいです。
佐藤メバル
そこがこの本の説得力でね。飛距離の大部分は足の力が生んでいると捉えて、それをどうクラブに伝えるかを分解している。
腕力ではなく体の使い方の問題として整理されているから、体格に自信がない人ほど読む価値があるよ。
橘ナナミ
Q&Aの章があるのもいいですね。読んでいて出てくる素朴な疑問を拾ってくれそうです。
佐藤メバル
仕組み、動きの分解、身につけ方、そして悩み解消と順に並んでいるから、最初から通してもいいし、気になる疑問から入ってもいい。
動きを映像で確かめられるようになっているので、目で見ながら進められるよ。
ザ・ゴルフィングマシーンとは何か、なぜ「最も有益で最も難解」と言われるのか
橘ナナミ
ここで一度、そもそも論を聞きたいです。ザ・ゴルフィングマシーンって、結局どんな本なんですか?
佐藤メバル
ホーマー・ケリーが書いたゴルフ理論書で、スイングを物理と幾何、そして体の動きの言葉で体系化しようとした本だよ。「最も有益で、最も難解」と言われる。有益なのは、クラブの動き・手の役割・体の使い方を「条件」として分解して見る視点を与えてくれるから。この視点は、どんなメソッドにも応用が効く。
橘ナナミ
難解なほうは、なぜなんですか?
佐藤メバル
独自の用語を、独自の定義で使うから。しかも前の章を前提に次の章が書かれている。拾い読みすると意味が通らない。図版と文章を往復しながら、定義をひとつずつ確定させていく読み方が要る。だから小説のように一気に読む本ではない。辞書に近いんだよね。
橘ナナミ
辞書……! じゃあ、通読しなくてもいいんですね。
佐藤メバル
むしろ、自分のスイングで疑問が湧いたときに該当箇所を引く使い方のほうが向いている。ただし、その索引として使うには前提となる言葉を知っている必要がある。だから今日並べた本で予習してから戻るのが、いちばん現実的な順番だよ。
主要概念のとらえ方と、影響を受けたプロ・派生メソッドの系譜
橘ナナミ
「木こりの三機能」とか「ブランコの三原則」っていう言葉も見かけたんですが、あれは何なんですか?
佐藤メバル
あれは、クラブを振る動きを日常の動作になぞらえて、体のどの部分が何を担うかに分解するための比喩だよ。斧を振る動き、ブランコの揺れ——身近な動きに置き換えることで、手・腕・体幹・下半身の役割を切り分けようとしている。ただ、ここは言葉を暗記しても意味がない。
橘ナナミ
暗記しても、スイングは変わらない、と。
佐藤メバル
そう。同じ内容を力学の言葉で説明してくれる本を先に読むと、この比喩が急に像を結ぶ。小澤康祐氏の『ゴルフスイング物理学』は「水平面上の遠心力」という気づきから組み立てられていて、比喩ではなく原理から入りたい人に向く。暗記した用語と、身体で再現できる動きのあいだには、必ずこの翻訳の工程が要るんだ。
橘ナナミ
その翻訳を手伝ってくれるのが、今日のラインナップなんですね。TGMから影響を受けたプロもいるんですよね?
佐藤メバル
デシャンボー、フォーリー、ガンカス——TGMの語彙を自分のスイングや指導に取り込んだ名前として、よく挙げられる。共通しているのは、形を覚えるのではなく「なぜその動きになるのか」を説明しようとする姿勢だよ。そしてAGLのような派生メソッドは、その思想を現代のレッスンに合わせて整理したもの。派生は本家の用語を簡略化していることが多いから、用語の原義に戻りたくなったら、本家か公式の解説に当たるのが確実だね。
挫折しない読み方と、購入前に確認したいこと
橘ナナミ
具体的な読む順番も知りたいです。私は何から手をつければいいんでしょう。
佐藤メバル
3段階で考えるといい。まず図版の多い入門書か動画で「動きの言葉」を掴む——てらゆー氏の『ゴルフは基本がすべて! てらゆーのゴルフスイング大全』は、振り子・回転・足の動きという3つの土台に絞っているので、言葉を増やさずに入れる。次に『ゴルフスイング物理学』や『ゴルフサイエンス ファンダメンタルズ』で「なぜ」を掴む。最後にTGM本体や公式日本語版で用語の定義に当たる。この順番なら投げ出しにくい。
橘ナナミ
やってはいけない読み方と、よくある誤解も知りたいです。
佐藤メバル
いきなり原書の1ページ目から順番に、章を飛ばさず読む——これが最悪のパターン。誤解は3つ。読めば自動的に上手くなるわけではない。解説本を読めば原典は不要ということもない。そして、TGMは読み物というより参照する辞書だということ。
橘ナナミ
用語のミニ辞典みたいなものは、頭に置いておくべきですか?
佐藤メバル
最低限だけなら。TGMでは「ヒッティング」と「スウィング」を別の手続きとして区別する。日常語の「打つ」「振る」よりずっと意味が狭い。力の源を分けて数える考え方や、クラブヘッドが手の動きに遅れてくる状態を指す言葉もある。ただ、訳語や定義の整理は解説者によって揺れるから、必ず本文で確認してほしい。用語集を暗記するより、気になった言葉を本文に戻って確かめる癖のほうが役に立つ。
橘ナナミ
購入前のチェックリストもお願いします。
佐藤メバル
①版の表記、②訳者、③図版の有無、④中古なら書き込みと線引きの状態、⑤公式直販があるかどうか。特に版と訳者は必ず見て。参照している解説本がどの版に基づいているかを揃えると、用語のズレで迷わなくなるよ。
よくある質問
ザ・ゴルフィングマシーンは初心者でも読めますか?
橘ナナミ
ザ・ゴルフィングマシーンは初心者でも読めますかについて教えてください。
佐藤メバル
読めないことはありませんが、最初の1冊には向きません。独自の用語を独自の定義で使うため、前提となる言葉を知らないまま開くと、意味が取れないまま疲れてしまいます。まずは図版の多い入門書や動画で「動きの言葉」を掴み、次に力学や解剖の本で「なぜ」を押さえてから戻る。この順番なら、同じ文章が別物のように読めます。
日本語版と原書はどちらを買うべきですか?
橘ナナミ
日本語版と原書はどちらを買うべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
原文に当たりたい、用語の原義を確認したいなら原書。スイングの理解を優先するなら日本語版が現実的です。両方そろえる必要はありませんが、日本語版で訳語に納得がいかない箇所だけ原書を確認する併用は有効です。まずは日本語版で骨格を掴むのがおすすめです。
解説本だけ買えば内容は理解できますか?
橘ナナミ
解説本だけ買えば内容は理解できますかについて教えてください。
佐藤メバル
概要はつかめますが、理解としては不足します。解説本は必ず誰かの解釈を経由していて、紙幅の都合で省略もあるからです。同じ用語でも解説者によって訳語や力点が変わるため、解説本を複数読んで食い違った箇所は、本文に戻って確認するのが確実です。
ザ・ゴルフィングマシーンはどこで買えますか?値段はいくら?
橘ナナミ
ザ・ゴルフィングマシーンはどこで買えますか?値段はいくらについて教えてください。
佐藤メバル
大型書店の理論書コーナー、オンライン書店、公式直販、中古市場などが候補になります。価格は版と状態、在庫状況で大きく動くため、ここで断定はできません。買う直前に在庫と価格を確認し、中古は版の表記と書き込みの有無を必ずチェックしてください。出所がはっきりしない安価なコピーは避けるのが基本です。
第2版と第7版の違いは何ですか?
橘ナナミ
第2版と第7版の違いは何ですかについて教えてください。
佐藤メバル
版が違えば、記述の整理や図版の構成、用語の扱いが変わります。どちらが読みやすいかは読み手の目的によりますが、本記事では版ごとの細かな差分を断定しません。大切なのは、いま読んでいる解説本がどの版に基づいているかを揃えること。ネットの要約は版を明記していないことが多いので、参照するときは注意してください。
どの本から読むのがおすすめの順番ですか?
橘ナナミ
どの本から読むのがおすすめの順番ですかについて教えてください。
佐藤メバル
①図版が多く動きの言葉を掴める入門書 → ②力学や解剖から「なぜ」を説明する理論書 → ③TGM本体か公式日本語版、という3段階です。いきなり③から入ると挫折しやすいので、①と②を往復しながら、自分の疑問が言葉になったタイミングで③に進むのが現実的です。
併読すべき本や予習できる入門書はありますか?
橘ナナミ
併読すべき本や予習できる入門書はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
TGMの比喩を力学の言葉に翻訳してくれる本が予習に向きます。『ゴルフスイング物理学』や『「物理学」×「クラブの構造」で解き明かす ゴルフスイングの新事実』は原理から入れる。逆に感覚から入りたいなら、『ゴルフ 当たる! 飛ばせる! スイング解剖図鑑』のように、インパクトの手の感覚をイラストで具体化した本が併読に向いています。
読了までにどのくらいの期間がかかりますか?
橘ナナミ
読了までにどのくらいの期間がかかりますかについて教えてください。
佐藤メバル
期間は読み方次第で、一概には言えません。通読を目標にすると挫折しやすいので、章を区切って、ラウンドや練習で出た疑問ごとに該当箇所を引く読み方をおすすめします。数か月かけて何度も戻る本だと考えておくと、焦らずに済みます。
まとめ
橘ナナミ
話を聞いていて、少し気が楽になりました。TGMって、いつか読破しなきゃいけない試練みたいに思っていたので。
佐藤メバル
読破は目的じゃないよ。大切なのは、自分のスイングで「なぜ」という問いが立ったときに、戻れる場所を持っておくこと。今日並べた本は、その戻り先を増やしてくれる。
橘ナナミ
戻り先、いい言葉ですね。じゃあ私は、まず動画と図版の多い1冊から始めてみます。
佐藤メバル
それがいい。ラウンドの翌日、なぜあの球が曲がったのか分からないまま練習場に行く——その繰り返しが、いちばんもったいない。言葉を持っていれば、練習の1球が検証になる。逆に言葉がなければ、同じ失敗を回数で塗りつぶすことになる。
橘ナナミ
回数で塗りつぶす……。身に覚えがありすぎます。
佐藤メバル
ザ・ゴルフィングマシーンは、スイングの取扱説明書の原本みたいなものだと思っている。説明書を読んだだけで機械が上手に使えるようにはならないけれど、調子がおかしくなったときに開くと、どこを見直せばいいかが分かる。今日のランキングは、その原本を自分の言葉に翻訳してくれる、何冊もの別訳の取扱説明書だ。枕元に積むのは1冊でいい。あとはクラブを握って、コースで確かめてきて。
