音楽用語辞典として使える本のおすすめ人気ランキング20選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のテーマは「音楽用語辞典」ですよね。楽譜に出てくるイタリア語を調べるための本……という理解で合っていますか?
佐藤メバル
半分は正解で、半分はもっと広い。楽譜の「p」や「f」、cantabile のような発想標語を引くのが基本だけど、作曲家の人名、曲名、楽器と奏法、日本音楽や民族音楽の用語まで載せた事典もある。棚では楽典の本の隣に並ぶけれど、役割ははっきり別ものなんだよ。
橘ナナミ
そこが気になっていました。楽典と用語辞典って、何が違うんですか?
佐藤メバル
楽典は「仕組みを順番に学ぶ教科書」、用語辞典は「わからない語に最短でたどり着く辞書」。楽典は頭から読み進めるもの、辞典は必要なときだけ開くものだね。書店員だったころ、音大生から「楽典は持っているけど辞典は持っていない」と相談されて、試験前に効くのは辞典のほうだと何度も棚から一冊を渡したよ。
橘ナナミ
なるほど!じゃあ今日は「誰が、どんな場面で開くか」で選び分ける話を聞きたいです。順位は別に出るので、私は棚の前に立っている人に何を渡すかを知りたいです。
佐藤メバル
いいね、それがいちばん実用的だ。目的、レベル、形式、言語、検索導線、予算——この軸を押さえれば、棚の前で迷わなくなる。順に見ていこう。
音楽用語辞典として使える本の選び方
目的別——演奏・指導・作曲・受験・鑑賞
橘ナナミ
演奏・指導・作曲・受験・鑑賞で、選ぶ本は変わりますか?
佐藤メバル
変わる。練習中に詰まったときは、記号の形から引ける本が強い。『この1冊で楽譜が読める! 音楽記号事典』は目次に記号そのものが並んでいて、読み方がわからなくても形で探せる。『ケータイに便利な音楽用語・記号事典』も軽いハンディで、クラシックからジャズ、ポピュラー、ロックのバンドスコアまで約400種の用語と記号を扱っている。
橘ナナミ
作曲やDTM畑だと?
佐藤メバル
『最新音楽用語事典(全面改訂新版)』が候補になる。3200語を収録し、とくにDTMやMIDIといったデジタル関連の用語を厚くしている。五線紙の上より、機材の前で引きたい人向けだ。鑑賞や教養を深めたい人には『新装版 音楽用語の基礎知識』。楽典・和声・楽式・分析・音楽史を1冊で見渡せる。
橘ナナミ
教える人、教員採用試験を受ける人は?
佐藤メバル
『すぐに役立つ音楽用語ハンドブック改訂新版』は、音楽理論や教育用語からポピュラー俗語まで約2000項目。日本の音楽の内容を大きく見直し、中学・高校で扱う日本音楽をカバーしている。『新装版 音楽用語の基礎知識』も、教員採用試験の参考書として使えると明記されているよ。
レベル別——小学生・中高生・音大生・愛好家・指導者
橘ナナミ
レベル別だと、どこで分かれますか? 子ども向けは正直、私には想像がつかなくて。
佐藤メバル
まだ経験していない立場の本は、実際の読者を思い浮かべながら選ぶといい。小学生なら『小学生のための便利な音楽辞典』が起点になる。写真とイラストが多く、読み方がわからなくても記号の「見た目」から引けて、あいうえお順の索引も付く。低年齢なら『子ども ポケット音楽事典 音楽用語』や『ミッキーといっしょ 楽譜のことば』——後者はA6判で1ページずつ学べて、索引つきなので辞書としても使える。
橘ナナミ
中高生から音大生、社会人の愛好家は?
佐藤メバル
中高生や音大生には『エッセンシャル・ディクショナリー 音楽用語・作曲家』が扱いやすい。2000語以上の用語と440人を超える作曲家、さらに楽典の基礎知識や楽器と声の基本音域まで入っている。1冊で用語と人名の両方を引けるのは強い。もっと踏み込みたい人や指導する立場なら、約8000項目の『新編 音楽中辞典』、理論篇と歴史篇で音楽史まで見渡す『図解音楽事典』が候補になる。
形式別——ハンディ/デスク版/電子
橘ナナミ
持ち歩きか、据え置きか、電子か。ここも迷います。
佐藤メバル
楽器ケースやバッグに入れて練習場へ持っていくなら、ハンディが正義だ。『ポケット版 音楽用語辞典』は実用的な約3000項目をA6サイズに収めている。『新装版 ポケット音楽辞典』はクラシックからポピュラー、日本音楽、民族音楽まで全3200項目で、記号表や欧文索引も併録。机に置いて調べものを深くするなら、『新編 音楽中辞典』や『図解音楽事典』のような大型の事典だね。
橘ナナミ
電子版があるものは、そちらに寄せたほうがいいですか?
佐藤メバル
同じ内容の電子版が用意されているものもあるので、買う前に確認するといい。ただ、紙は「開いた場所が全部見える」、検索は「一点に最短で届く」——得意分野が違う。両方持つなら、紙は手元の定位置、電子は出先の保険、と役割を決めておくと無駄にならない。
言語別——イタリア語/4か国語/6か国語
橘ナナミ
イタリア語だけ、4か国語、6か国語……言語の数で選ぶんですね。
佐藤メバル
楽語はイタリア語が中心だから、そこだけなら日本語で引ける辞典で足りる。ただ、ドイツ語圏の作曲家の指示やフランス音楽の標語まで視野に入れると、言語をまたぐ辞典が要る。
橘ナナミ
具体的には?
佐藤メバル
『伊英独仏 音楽用語辞典』は約2万語を収録し、1語につき簡潔な訳語を示す。重要語の五カ国語対照表と、詳細な逆引き日本語索引が付いているのが実用的だね。『アルファベットで引く6か国語音楽用語辞典』は約5500語、すべてにカタカナ発音が付き、アクセントは太字で示される。アルファベット表記がわからなくても引ける設計だ。合唱や合奏の練習で使う言葉まで踏み込むなら『音楽のためのドイツ語事典』、ラテン語の宗教曲なら『ラテン語宗教音楽キーワード事典』という住み分けになる。
検索導線別——50音索引・欧文索引・形から引けるか
橘ナナミ
索引の違いって、実際どれくらい効きますか?
佐藤メバル
効くよ。「読み方がわからない語」を引くのが辞典の仕事なのに、読みがわからないと索引が引けない。だから形から入れる本は強い。『この1冊で楽譜が読める! 音楽記号事典』は目次に記号そのものが入り、巻末は和文と欧文の両方の索引。『小学生のための便利な音楽辞典』も同じ発想で、記号の見た目から引ける。
橘ナナミ
反対に、欧文索引が付いていると何がうれしいんですか?
佐藤メバル
楽譜に書かれているのは欧文だから、譜面を見ながらそのまま引ける。『最新音楽用語事典(全面改訂新版)』は50音順とABC順の両方を用意し、巻末に欧文索引を付けている。『新装版 ポケット音楽辞典』や『エッセンシャル・ディクショナリー 音楽用語・作曲家』も欧文索引を持つ。手元の楽譜と同じ並びで引けるかを、買う前に確認してみるといい。
予算別——まず1冊、足りなければ2冊目
橘ナナミ
予算の話も聞きたいです。いきなり高い事典を買うのは怖いです。
佐藤メバル
まずは手に取りやすい価格帯のハンディで試すのがいい。ポケット楽典やハンディの用語辞典なら、失敗しても傷が浅い。物足りなさを感じたら——作曲家の項目や曲名まで引きたくなったら——大型の事典に進む。順番は「引く場面が増えたら買い足す」で十分だよ。
音楽用語辞典として使える本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、20冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
音楽用語辞典として使える本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
最新音楽用語事典(全面改訂新版)
リットーミュージック
¥3,080(税込)
音楽用語を3200語収めた事典で、デジタル関連の語彙を厚くしているのが最大の持ち味です。DTMやMIDI関連の用語まで詳しく解説し、配列は五十音順とABC順を併用。外来語はカタカナ表記、アルファベット表記が慣例の語はそのまま立て、巻末には欧文索引を付けています。楽譜で見かけた綴りから引けるため、演奏する人にも制作する人にも届く一冊。楽典中心の入門書より、録音や制作まわりの言葉まで拾いたい人の守備範囲を広げてくれます。
こんな人におすすめ
自宅でDTMやMIDI機材を触りながら曲を作っている人、制作の現場で飛び交う専門用語をその場で確かめたい人、楽譜の欧文表記から意味を逆引きしたい演奏者に向きます。手元に一冊置いて、机やスタジオで開く使い方が似合う事典です。
良い点
- デジタル・制作系の語彙が充実
- 五十音順とABC順の両方で引ける
- 巻末の欧文索引で綴りから調べられる
気になる点
- 紙の事典で最新語の追随は限定的
- 図版や譜例は多くない
- 入門の楽典解説としては物足りない
出版社
リットーミュージック
発売日
1998年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
音楽用語の辞典って、種類が多くて選べないんです。棚の前で毎回立ち尽くしてしまいます。最初は何を見ればいいんでしょうか?
佐藤メバル
いい質問だね。選ぶときは、何を調べたいかで分けるといい。この事典は、デジタル関連の用語を特に充実させているのが特徴で、DTMやMIDIの語まで詳しく解説している。
配列は五十音順とABC順の両方、巻末には欧文索引もあるから、楽譜で見た綴りからも引ける。楽器の練習より、音を録って作る側の言葉を拾いたい人に向く一冊だよ。
橘ナナミ
作る側の言葉、ですか。私はレコーディングの用語がさっぱりで……。でも、楽譜に書かれたアルファベットから引けるのは助かりそうです。
佐藤メバル
そう、そこが使いやすいところ。たとえば楽譜の端に書かれた見慣れない綴りも、欧文索引からたどれる。ただ紙の事典だから、新しい言葉の追随はどうしても限られる。
手元に置いて何度も開く前提で、基礎から制作まわりまで一枚で押さえたい人に合うと思うよ。
いちばん親切な音楽記号用語事典
轟千尋 著|新星出版社
¥1,980(税込)
楽譜の「・」や「-」、「p」や「f」。記号に見えるそれらに作曲家が何を込めたのかを、作曲家の轟千尋がやさしく、そして深く読み解く事典です。書き手であり読み手の熟達者でもある立場から、音楽記号と用語の読み方を解説し、自分なりの演奏と鑑賞へ導きます。楽譜の見え方が変わるのが最大の収穫で、意味を並べるだけの辞書とは一線を画します。作曲家の頭の中をのぞく面白さがあり、演奏にも鑑賞にもすぐ結びつく一冊です。
こんな人におすすめ
楽譜の記号は読めるけれど、なぜそこにその記号があるのかまで考えたことがない人、ピアノや合唱の練習で表現の幅を広げたい人、コンサートで作曲家の視点を借りて聴きたい愛好家に。ただの記号を意図として読み直したい場面に向きます。
良い点
- 作曲家自身の視点で説明される
- 演奏と鑑賞に直結する解説
- 記号への親しみが湧く読み物性
気になる点
- 網羅的な辞書としては使えない
- 楽典を一から学ぶ本ではない
- 一覧性より読み物としての性格
出版社
新星出版社
発売日
2021年07月02日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
楽譜の『p』とか『f』って、強く弾く、弱く弾く、くらいの理解でした。そこに作曲家の思いが込められているなんて、考えたこともなかったです。
佐藤メバル
そこが面白いところでね。この本は、作曲家の轟千尋が『・』や『-』といった小さな記号に込められた思いを、やさしく、そして深く解説していく。
書き手と読み手の両方を知っている人だからこそ、記号の向こう側が見えてくる。作曲家はこんなことを考えて書いていたのか、という驚きが随所にあるよ。
橘ナナミ
作曲家の頭の中、覗いてみたいです! 私は演奏はしないんですけど、聴くときにそういうのが分かると、コンサートの楽しみ方が変わりそうですね。
佐藤メバル
聴く人にも効く本だよ。楽譜の奥の思いを想像できるようになると、記号がぐっと身近になる。ただ、辞書として網羅的に引くタイプではないから、手元の用語集とは役割が違う。
一枚ずつ読み物として味わうつもりで開くと、いちばん力を発揮する一冊だね。
すぐに役立つ音楽用語ハンドブック改訂新版
カワイ音楽教育研究所 著|カワイ出版
¥1,980(税込)
音楽理論や教育用語からポピュラー音楽の俗語まで、約2000項目をわかりやすく解説したハンドブックです。改訂で日本の音楽に関する内容を大幅に見直し、中学校・高校で扱う日本音楽をカバーする形で項目と図説を増やしました。和楽器や邦楽の用語まで一冊で拾えるのが、洋楽中心の用語集との大きな違い。たいていの疑問はこの一冊で大丈夫、という実用感覚で作られています。
こんな人におすすめ
学校で音楽を教えている人、邦楽の授業や部活で和楽器に触れている生徒・学生、ポピュラー演奏の現場で飛び交う俗語まで確かめたい人に。授業や練習の前後に、机と楽器ケースのそばへ置いておきたい場面で力を見せます。
良い点
- 理論から俗語まで約2000項目
- 日本音楽の項目と図説を増補
- 教育の現場を意識した語り口
気になる点
- 写真や楽譜の類は控えめ
- クラシック専門の深さはない
- デジタル制作系は中心でない
出版社
カワイ出版
発売日
2018年04月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
日本音楽の用語って、ふつうの音楽辞典だと載っていなかったりしますよね。私、研究で邦楽の話にも少し触れていて、いつも手薄さを感じていました。
佐藤メバル
そこを拾えるのがこの本の強み。音楽理論や教育用語だけでなく、ポピュラー音楽の俗語まで約2000項目。
改訂で日本の音楽の内容を大きく見直して、中学校や高校の日本音楽で扱う範囲をカバーする項目と図説を足している。
和楽器や邦楽の言葉まで一冊で届くのは大きいよ。
橘ナナミ
なるほど、学校の授業を想定しているんですね。だったら教える側だけでなく、習う側の私にも使いやすそうです。
佐藤メバル
そうだね、教える人にも学ぶ人にも開ける作りになっている。たいていの疑問はこの一冊で大丈夫、という気持ちで使えるのがいいところ。
ただし写真や楽譜は控えめだから、見て覚えたい人は別の本と組み合わせるといい。手元の実用辞典として割り切ると、すごく頼れるよ。
エッセンシャル・ディクショナリー 音楽用語・作曲家
リンジー.C.ハーンズバーガー 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,430(税込)
アメリカのロングセラー・ポケット事典シリーズから、用語と作曲家を一冊にまとめた巻です。2000語以上の音楽用語と、中世から現代まで440人を超える作曲家を簡潔・的確に解説。楽典の基礎と声・楽器の基本音域まで収録し、和音一覧表や速度標語といった資料も付きます。用語・人名・楽典・音域の四本立てで、調べものの往復が減る構成が持ち味です。
こんな人におすすめ
学生やアマチュア演奏家が、レッスンや合奏の合間に人名と用語をまとめて確かめたいときに。持ち歩きを前提にした小さな判型なので、かばんに入れて講義や練習場へ連れて行く使い方が向きます。
良い点
- 用語2000語超と作曲家440人超
- 楽典の基礎と音域表を併載
- 簡潔・的確で引きやすい
気になる点
- 解説は短く深掘りは少ない
- 邦楽の項目は中心でない
- 図版は限られている
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2021年04月26日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
作曲家の名前を調べようと思ったら、用語辞典には載っていなかったりするんですよね。逆もしかりで、地味に困っていました。
佐藤メバル
そういう往復が地味に面倒なんだよね。この巻は2000語を超える用語と、中世から現代までの作曲家440人超を一つに収めている。
しかも楽典の基礎や、声と楽器の基本音域まで付いている。用語と人名を同時に引けるから、調べものの行き来が減るのがありがたい。
橘ナナミ
音域の表が載っているの、いいですね。合唱で『この音、自分の範囲かな』って迷うことがあるので、地味に助かりそうです。
佐藤メバル
そこは実用的だよ。和音の一覧表や速度標語といった資料も入っているから、楽典の確認にも使える。ただ、一つひとつの解説は簡潔で、深く掘る本ではない。
短く引いてすぐ戻る、辞書らしい使い方がいちばん似合う一冊だね。
新編 音楽中辞典
海老澤敏 著|音楽之友社
¥6,600(税込)
西洋音楽はもちろん、日本の伝統音楽、民族音楽、ポピュラー音楽まで全分野を対象に、楽語・楽器・人名・曲名など約8000項目を収めた中辞典です。主要な作曲家には主要作品表を付け、理論関係の項目には譜例、楽器の項目には図版を多数掲載。新しい音楽用語も積極的に採り、演奏会やCD、音楽書で目にする人名・曲名も可能なかぎり収録しています。趣味から専門まで届く厚みが魅力です。
こんな人におすすめ
趣味で長く音楽を聴いてきた人が、曲名や人名から自分で調べを深めたいとき。音楽学生や教師が、レポートや授業の下調べで確かな項目に当たりたい場面。CDのライナーノートで見た名前をその場で確認したい人にも。
良い点
- 約8000項目の幅と厚み
- 作曲家に主要作品表を付す
- 理論に譜例、楽器に図版
気になる点
- 大きく重く持ち歩きにくい
- 項目数ゆえ説明は簡潔
- 気軽な入門書ではない
出版社
音楽之友社
発売日
2002年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『中辞典』って、普通の辞典とどう違うんでしょうか? 名前の意味がよく分からなくて、ずっと気になっていたんです。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。手軽な用語集より項目が多く、専門の大事典ほど大きくない、中間の厚みを持った辞典のこと。
この一冊は西洋音楽だけでなく、日本の伝統音楽、民族音楽、ポピュラー音楽まで約8000項目を収めている。
作曲家の項目には主要作品表が付くから、名前から作品へ広がっていくのが楽しいよ。
橘ナナミ
作品表から実際の曲に辿り着けるの、いいですね。図書館でじっくり開くタイプの本なんだろうなあと思います。
佐藤メバル
まさにそういう使い方だね。理論の項目には譜例、楽器には図版が入っていて、目で確かめながら読める。ただ厚くて重いから、持ち歩きには向かない。
腰を据えて調べる棚に一冊、という位置づけが合っていると思うよ。
図解音楽事典
ウルリヒ・ミヘルス 著|白水社
¥7,150(税込)
世界的なベストセラー『アトラス・ツア・ムジーク』の日本語版で、音楽学・音響学・聴覚生理学から楽器学、音楽理論、曲種と形式までを理論篇として、先史時代から20世紀までの流れを歴史篇として図解する学習事典です。見開きの図と年表で全体像をつかめるのが持ち味で、用語を一行ずつ引く辞書とは使い方が異なります。音楽を地図として眺め直したい人に効く一冊です。
こんな人におすすめ
音大受験や音楽史の授業を控えて、用語と歴史をまとめて俯瞰したい学生。図と年表で頭を整理しながら、ジャンルを横断して学びたい社会人。辞書的に引くより、頁をめくって旅するように読むのが向く場面です。
良い点
- 理論篇と歴史篇の二本立て
- 図と年表で全体像が見える
- 学び直しの入口として優秀
気になる点
- 最新の動向を追うには不向き
- 個々の語の深掘りには不向き
- 携帯には向かない大きさ
出版社
白水社
発売日
1989年11月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『図解』って聞くと、字ばかりの辞典より入りやすそうで惹かれます。でも、調べる本としてはどうなのかな、とも思うんです。
佐藤メバル
これは調べるというより、眺めて掴む本だね。世界的なベストセラーの日本語版で、理論篇では音楽学や音響学、楽器学、音楽理論、曲種と形式を扱い、歴史篇では先史時代から20世紀までを追いかける。
図と年表で全体像が見えるから、断片だった知識が線になる感覚があるよ。
橘ナナミ
知識が線になる、それ欲しいです。私、研究で音楽の話を書くときに、時代の流れをいつも見失ってしまうので。
佐藤メバル
それなら効くと思うよ。ただ、新しい動向を追うには向かないし、個々の語の細かい説明も辞書ほどではない。
頁をめくって旅するつもりで読んで、分からない語だけ他の辞典に当たる。そんな併用が似合う一冊だね。
新装版 音楽用語の基礎知識
久保田慶一 著|アルテスパブリッシング
¥2,640(税込)
楽典、和声、楽式、分析、音楽史まで、あらゆる分野を100のキーワードで一冊に束ねた本です。クラシックだけでなくポピュラー音楽、民族音楽、日本音楽までカヴァーし、音楽学の諸分野や社会とのかかわりにも目配りしています。各項目の末尾には参照キーワードが示され、索引からも引けるので、体系的に通読も、事典的に拾い読みも可能。教員採用試験の参考書としても使えるつくりです。
こんな人におすすめ
音楽大学や教育課程で専門的に学ぶ学生が、授業の副読本として通したいとき。教員採用試験を目指す人が、範囲をひととおり押さえたい場面。趣味で長く音楽を楽しむ人が、教養を一段深めたいときにも。
良い点
- 100キーワードで体系立つ
- 参照キーワードで横に広がる
- ジャンルを横断して覆う
気になる点
- 人名や生涯の解説はほぼない
- 図版の量は多くない
- 入門書としてはやや硬め
出版社
アルテスパブリッシング
発売日
2024年10月10日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
音楽の知識を一から並べ直したいんですけど、辞典だと項目が多すぎて、逆に何から読めばいいのか分からなくなるんです。
佐藤メバル
それなら、これは読む事典だね。楽典や和声、楽式、分析、音楽史まで100のキーワードに絞って、第一章から順に読めば体系的な知識がつながっていく。
参照キーワードが示されているから、気になった枝へ飛べるのも面白い。クラシックに限らずポピュラーや民族音楽、日本音楽まで入っているよ。
橘ナナミ
『学びほぐし』という言葉が目次にあって気になっていたんです。覚え直すというより、ほどく感じなんですね。
佐藤メバル
そう、慣れた理解を組み替えるという発想だね。ただ、作曲家の生涯や作品にはほとんど触れていないから、そこは大きな事典に任せてほしい。
学びの骨組みをつくる一冊として、机に置いて通読するのが向いているよ。
アルファベットで引く6か国語音楽用語辞典
久保田慶一 著|音楽之友社
¥1,210(税込)
楽譜には五線や音符だけでなく、各国語の音楽用語が並びます。それをアルファベット順に引くだけで、言語の種類・カタカナ発音・意味が分かる辞典です。約5500語を収録し、速度・発想・奏法に加えて、吹奏楽、ポピュラー、宗教音楽、現代音楽の用語まで幅広く拾っています。発音はアクセントを太字で示し、巻末には音名・略語・略号・楽器・数詞の一覧を収録。アルファベット表記が分からなくても引ける工夫があります。
こんな人におすすめ
楽譜に出てくる見慣れない外国語を、その場で確かめたい演奏者。吹奏楽や合唱の練習中に指揮者が口にした用語を、帰宅後に調べたい人。中高生から一般の愛好家まで、言語をまたぐ調べものが多い場面に向きます。
良い点
- 約5500語を6か国語で収録
- カタカナ発音とアクセント表記
- 付録の一覧が実用的
気になる点
- 語義の説明は簡潔
- 文法や例文の解説はない
- 文化背景までは踏み込まない
出版社
音楽之友社
発売日
2015年04月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
楽譜にイタリア語以外の言葉が混ざっていると、もうお手上げで……。辞書を何冊も並べるのは現実的じゃないですよね。
佐藤メバル
そこを一枚で解決しようとしたのがこの辞典。約5500語をアルファベット順に並べて、言語の種類、カタカナ発音、意味がすぐ分かる。
速度や発想、奏法はもちろん、吹奏楽やポピュラー、宗教音楽、現代音楽の用語まで拾っているのが懐の深さだね。
橘ナナミ
アクセントが太字で示されるの、声に出す人には嬉しいですね。私も合唱で発音を注意されたことがあって、身につまされます。
佐藤メバル
発音の情報があるのは大きいよ。巻末には音名や略語、略号、楽器、数詞の一覧も付いていて、見覚えのない記号や楽器名もたどれる。
引きやすさを優先した辞典だから、説明の深さは割り切って、手元の相棒として使うのがいいね。
伊英独仏 音楽用語辞典
篠岡恒悦 著|春秋社
¥4,950(税込)
クラシック音楽に欠かせない音楽用語を約2万語収めた、多言語の実用辞典です。1語につき簡潔な訳語を示すことに徹底し、とりあえず意味を知りたい瞬間に応えます。重要語の五カ国語対照表と、詳細な逆引き日本語索引を備えているので、日本語から外国語を探すことも可能。語数の多さと割り切った構成で、読む辞典ではなく引く道具として研ぎ澄まされています。
こんな人におすすめ
演奏会のプログラムや楽譜で見た語の意味を、すぐ確認したい人。翻訳や研究で日本語から該当する外国語を探したい人。解説を読む時間はないが、語数と速さが欲しい場面に向く一冊です。
良い点
- 約2万語という圧倒的な語数
- 1語1訳語で迷いが少ない
- 逆引き索引で和文からも引ける
気になる点
- 語義の説明はごく短い
- 読み物としての面白さは薄い
- 用例や文法の情報はない
出版社
春秋社
発売日
2022年08月20日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
2万語ってすごい数ですけど、1語につき簡潔な訳語だけを示す、というのは逆にそっけないんでしょうか?
佐藤メバル
そこがこの本の潔さだね。辞書を引くときって、たいていは意味をすぐ知りたいだけでしょう。その一語で足りる場面に絞って、約2万語を収めている。
しかも日本語から外国語を探せる逆引き索引が付いているから、書き手にも使いやすい。読む辞典ではなく、引く道具として研いである感じだよ。
橘ナナミ
道具、いい響きです。私、論文で用語の訳語を探すときに毎回迷うので、日本語から引ける索引があるのは助かります。
佐藤メバル
研究で使うなら心強いね。重要な語は五カ国語の対照表にもなっている。ただ、説明はごく短いから、背景まで知りたい語は別の事典に当たってほしい。
速く引くための一冊として、手元に置くのがいちばん合っているよ。
ポケット音楽事典 音楽用語
飯田真樹 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,320(税込)
楽譜に出てくる楽語や音符まで幅広く収載した、オールカラーのポケット事典です。大切な言葉や記号を赤字で表記しているので、赤い暗記用シートを重ねて覚えられる仕掛けになっています。同じシリーズに楽典基礎とコードネームの巻が並び、目的に応じて選べる構成。色と文字でぱっと見やすく整理され、調べるだけでなく覚える動作まで想定しているのが特徴です。
こんな人におすすめ
楽譜の言葉をこれから覚えたい趣味の演奏者、音楽の知識を少しずつ増やしたい人。レッスンの前後や移動中に、覚えたかを自分で確かめたい場面。机ではなく、かばんの中に常備しておきたい人に向きます。
良い点
- オールカラーで見分けやすい
- 赤字を隠して覚えられる
- 楽語と音符を幅広く収載
気になる点
- 記述は簡潔で深掘りは少ない
- 解説の分量は控えめ
- 上級者の調べ物には軽い
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2025年08月27日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
赤字を赤いシートで隠して覚える、って学生時代の単語帳みたいで懐かしいです。音楽の辞典でもそういうの、あるんですね。
佐藤メバル
そう、調べるだけで終わらせず、覚えるところまで面倒を見てくれる。オールカラーでレイアウトも見やすいし、楽譜に出てくる楽語や音符を幅広く載せている。
赤色の暗記用シートを重ねれば、覚えたかどうかを自分で試せる。同じシリーズで楽典基礎やコードネームの巻も出ているから、必要なほうを選べばいいよ。
橘ナナミ
三つの巻が同時に出ているんですね。音楽を一から覚え直す私だったら、まずどれから手に取ればいいんでしょう?
佐藤メバル
楽譜の言葉でつまずいているなら、この巻からでいいと思う。記述は簡潔だから、深い解説を求めるなら別の事典と組み合わせてね。
覚えるための一冊と割り切って、レッスン前後に開く。そういう付き合い方がいちばん似合うよ。
新装版 ポケット音楽辞典
音楽之友社 著|音楽之友社
¥1,650(税込)
クラシック、ポピュラー、日本音楽、民族音楽とオールジャンルにわたり、音楽用語から作曲家・演奏家の人名、作品名、楽器とその奏法まで全3200項目を収めた定番のコンパクト辞典が、新装丁で生まれ変わりました。記号表、音域表、略語表、欧文索引を併録し、かばんにも楽器ケースにも収まる大きさです。引く・持つ・使うのバランスを突き詰めた一冊です。
こんな人におすすめ
ジャンルを問わず、曲名や人名まで含めて手元で確認したい人。楽器ケースに入れて練習場へ運びたい演奏者。ひとつの辞典で用語も人名も作品も拾いたい、欲張りな調べものに向きます。
良い点
- 全3200項目をコンパクトに収録
- 記号表や音域表など付録が充実
- 日本音楽や民族音楽も範囲内
気になる点
- 項目あたりの説明は短い
- 図版は多くない
- 専門研究には物足りない
出版社
音楽之友社
発売日
2026年03月18日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ポケット辞典って、サイズが小さいぶん調べたいことが載っていない印象なんですけど、これもそうなんでしょうか?
佐藤メバル
そこが驚きどころでね。クラシック、ポピュラー、日本音楽、民族音楽まで含めて、用語だけでなく作曲家や演奏家の人名、作品名、楽器とその奏法まで全3200項目を収めている。
かばんにも楽器ケースにも入る大きさでこれだけ載っているのは心強いよ。
橘ナナミ
人名や作品名まで入っていると、演奏会の帰り道にそのまま復習できそうですね。付録も付いているんですか?
佐藤メバル
記号表、音域表、略語表、欧文索引が付いている。だから気になった語を後から追いやすい。ただ、一項目あたりの説明は短めだから、深く知りたいときは大きな事典に当たってほしい。
まず手元で確かめる役を担わせるのがいいね。
ポケット版 音楽用語辞典
小池孝志 著|ドレミ楽譜出版社
¥1,320(税込)
実用的な音楽用語およそ3000項目を、192頁に収めたコンパクトな辞典です。上着のポケットや楽器ケースに入れて持ち運べる大きさで、ピアノのレッスンはもちろん、吹奏楽や合唱の練習、個人的な調べ物まで幅広く想定しています。語数を絞らずに持ち運びやすさへ振り切った設計で、現場で開く回数が多くなる使い方に向いています。
こんな人におすすめ
ピアノや吹奏楽、合唱の練習場へ通う人で、その場で語を確かめたい人。レッスンバッグに入れておきたい人。家に大きな事典を置いていても、外では軽さを優先したい場面に向きます。
良い点
- 約3000項目を192頁に収録
- 上着やケースに入るサイズ
- 練習の現場を想定した作り
気になる点
- 解説は短めで簡潔
- 図や譜例はほとんどない
- 最新の専門語は限られる
出版社
ドレミ楽譜出版社
発売日
2014年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
192頁に3000項目って、1項目あたりはかなり短いですよね。それで本当に役に立つんでしょうか?
佐藤メバル
役に立つ場面を絞っているんだと思う。ピアノのレッスンや吹奏楽、合唱の練習中に、この言葉なんだっけ、と確かめる。
その一瞬に応えるための持ち運べる実用辞典だね。上着のポケットや楽器ケースに入る大きさで、3000項目を抱えているのは強いよ。
橘ナナミ
現場で開く前提の辞典なんですね。家でじっくり読むというより、練習の合間にさっと、という感じなのかな。
佐藤メバル
そのとおり。図や譜例はほとんどないから、見て覚えたい人には物足りない。でも軽さは正義でね、重い事典を家に置いてくる代わりに、これだけ連れて行く。
そういう割り切りができる人には、すごく働いてくれる一冊だよ。
この1冊で楽譜が読める! 音楽記号事典
多田鏡子 著|日本文芸社
¥2,200(税込)
楽譜のしくみから、リズムと拍子のとりかた、音階と調号のルール、そして音楽記号の解説までを辞典形式でまとめた一冊です。軽くて持ち歩きやすい判型ながら、300ページを超えるボリュームを確保し、楽譜や文字の読みやすさにも配慮しています。目次に記号そのものが並ぶので読み方が分からなくても形から探せ、巻末には和文と欧文の索引を用意。演奏・鑑賞・作曲のどの場面にも橋をかける構成です。
こんな人におすすめ
楽譜がうまく読めずに独学でつまずいている人、部活やレッスンで譜読みに時間がかかる人。作曲を始めて、記号の意味を確かめながら書きたい人。形からでも引ける索引を、辞書として使い倒したい場面に向きます。
良い点
- 記号の形から引ける目次と索引
- 楽譜の基礎を体系立てて解説
- 軽くて持ち歩きやすい判型
気になる点
- 和音の解説は基礎的
- 専門的な楽曲分析には不足
- 網羅性より読みやすさ優先
出版社
日本文芸社
発売日
2023年04月28日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
楽譜の記号って、読み方が分からないと索引も引けないんですよね。名前が分からないものを調べられない、あの感じがずっと不便でした。
佐藤メバル
そこを突いた本だね。目次に音楽記号そのものが並んでいて、読み方が分からなくても形から探せるようになっている。
楽譜のしくみからリズムと拍子、音階と調号、そして記号の解説まで、辞典形式で一冊にまとまっているよ。
橘ナナミ
形から引けるの、私には画期的です! しかも300ページを超える量なら、調べることは当分なくならなそうですね。
佐藤メバル
そう、軽いのに中身は濃いよね。巻末の索引は和文と欧文の両方から引けるから、作曲するときにも使える。ただ、和音の説明は基礎的だから、コードを深く扱いたいなら別の本を足して。
譜読みの相棒として手元に置いておくのがいいね。
ケータイに便利な音楽用語・記号事典
シンコーミュージック・エンタテイメント
¥1,430(税込)
クラシックやジャズ、ポピュラーの譜面、ロックのバンドスコアにも現れる約400種の用語と記号を、幅広いプレイヤー層と年齢層に向けて平易に説明した解説書です。楽譜に関する記号から音部記号、音符と休符、変化記号、調号、拍子記号、反復記号、速度記号、強弱記号、発想記号、奏法記号、コード・ネーム、楽器までを一冊でたどれます。軽いハンディサイズで携帯に便利なつくりです。
こんな人におすすめ
バンドスコアやジャズの譜面を読む人で、ロックやポピュラーの現場で使う記号を確かめたい人。ギターやベースの練習の合間に、コード・ネームの読み方を調べたい人。ジャンルをまたいで譜面に向き合う場面に向きます。
良い点
- ジャンルを横断して用語を収録
- コード・ネームまで範囲に含む
- B6判で携帯しやすい
気になる点
- 収録は約400種と絞られる
- 高度な理論には踏み込まない
- 図版は限られている
出版社
シンコーミュージック・エンタテイメント
発売日
2010年04月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
バンドスコアって、クラシックの楽譜と記号の使い方が少し違う気がするんです。同じ一冊で足りるんでしょうか?
佐藤メバル
その橋渡しを意識した一冊だよ。クラシックやジャズ、ポピュラーの譜面、ロックのバンドスコアに現れる約400種の用語と記号を、平易に説明している。
コード・ネームや楽器の項目まで入っているから、ジャンルをまたいで譜面を読む人には助かると思う。
橘ナナミ
400種と聞くと絞られている気もしますけど、逆にひととおり目を通して覚えられる量かもしれませんね。
佐藤メバル
その捉え方でいいと思う。高度な理論に踏み込む本ではないから、まずは現場で出会う記号と用語を片づけていく。
軽いハンディサイズなので楽器ケースにも入る。スタジオや練習部屋に一冊置く、そういう使い方が似合うね。
音楽のためのドイツ語事典
市川克明 著|メトロポリタンプレス
¥2,750(税込)
音楽を学び、演奏する人に向けたドイツ語の事典です。楽語や専門用語を軸に、日本の表記とは異なる和音記号や和声分析のしかた、楽器や演奏会で頻出する語、楽曲のドイツ語名称、合奏や合唱の練習で必要になる表現までを集めています。日本語からドイツ語へ、ドイツ語から日本語へ引ける索引を備え、名詞の性と複数形、カタカナによるアクセント表記も付けられています。
こんな人におすすめ
ドイツ語圏の楽譜や歌曲、合唱曲に向き合う演奏者や声楽を学ぶ人。和声分析の用語を原語で確認したい学生。合奏や合唱の練習で使われる指示語を、辞書としてその場で引きたい場面に向きます。
良い点
- 独和・和独の両方向索引
- 名詞の性と複数形を明記
- 和声分析の独自表記まで扱う
気になる点
- ドイツ語に特化した一冊
- 初心者にはやや専門的
- 会話学習が主目的ではない
出版社
メトロポリタンプレス
発売日
2025年10月03日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
音楽の世界って、なぜかドイツ語の用語が多いですよね。歌曲の歌詞もそうですし……でも普通の独和辞典には出てこなくて。
佐藤メバル
そこを埋める本だね。楽語や専門用語はもちろん、日本の表記とは違う和音記号や和声分析のしかた、楽器や演奏会でよく出る言葉、楽曲のドイツ語名まで扱っている。
名詞の性と複数形、カタカナのアクセント表記まで付いているから、読みながら使えるよ。
橘ナナミ
独和と和独の両方の索引があるの、書き言葉にも強そうですね。合奏の練習で飛び交う指示も拾えるんですか?
佐藤メバル
拾えるよ、実際の合奏や合唱の練習で必要になる表現も集めている。歴史的に貴重なピアノやパイプオルガンの写真が載っているのも楽しい。
ただ、会話を学ぶ本ではないから、音楽のためのドイツ語と割り切って使うのがいいね。
ラテン語宗教音楽キーワード事典
志田英泉子 著|春秋社
¥4,400(税込)
ラテン語による宗教曲を読み解くための一冊です。典礼暦年の概要と1年の巡り、ミサと聖務日課、レクイエム、そして聖霊讃歌や聖母マリアへの聖歌といった聖歌の数々を、用語の解説とテキストの対訳でコンパクトに集成しています。付録として教会ラテン語の読み方も収録。宗教音楽の精華を、典礼という文脈ごと理解したい人に届く構成です。
こんな人におすすめ
ミサ曲やレクイエムを聴くとき、歌詞と典礼の流れを知りたいクラシック愛好家。合唱でラテン語曲を歌う人、宗教曲を研究する学生。コンサートの前に予習してから聴きたい場面に向きます。
良い点
- 典礼と用語をまとめて解説
- テキストの対訳を収録
- 教会ラテン語の読み方付き
気になる点
- 対象はラテン語宗教曲に限定
- 一般の音楽用語は扱わない
- 入門の楽典本ではない
出版社
春秋社
発売日
2023年09月20日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
レクイエムを聴いていても、歌詞の意味が分からないまま感動している自分がいます……。そういう隙間を埋める本ですか?
佐藤メバル
まさにそのための一冊。典礼暦年の巡り、ミサと聖務日課、レクイエム、聖歌の数々を、用語の解説とテキストの対訳でまとめている。
教会ラテン語の読み方まで付いているから、歌う人にも聴く人にも届く。音楽の外側にある典礼の流れが分かると、曲の構造も見えてくるよ。
橘ナナミ
なるほど、曲だけじゃなくて一年の巡りから見るんですね。合唱でラテン語を歌う友達にも教えてあげたいです。
佐藤メバル
いいね、歌う人には特によく効く内容だよ。ただ、一般の音楽用語を引くための辞典ではないから、そこは役割が違うと割り切ってほしい。
典礼という文脈ごと味わうつもりで開くと、コンサートの聴き方が一段深くなる。
小学生のための便利な音楽辞典
浦田泰宏 著|シンコーミュージック・エンタテイメント
¥1,650(税込)
楽器を始めたばかりの小学生から使える音楽辞典です。写真とイラストをふんだんに入れ、やさしい解説で音楽の疑問をその場で解決します。読み方が分からなくても記号の“見た目”から引ける構成と、あいうえお順のさくいんを両方備えているのが特徴。記号、ことば、楽器、コード、人名という並びで、教室と家庭の両方の疑問に応えます。
こんな人におすすめ
ピアノや管弦楽を習い始めた小学生が、レッスンや家での練習でつまずいたときに自分で開く場面。楽譜の記号の名前が分からなくても形から探せます。保護者や指導者が、子どもに説明するときの補助にも。
良い点
- 写真とイラストが豊富
- 形からも五十音からも引ける
- 対象が小学生と明確
気になる点
- 収録範囲は基礎に絞られる
- 大人の調べ物には物足りない
- 専門用語の深掘りはない
出版社
シンコーミュージック・エンタテイメント
発売日
2017年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
小学生向けの辞典って、どんな子が使うんでしょう? 私には縁がないので、想像すると余計に気になります。
佐藤メバル
楽器を始めたての子だね。ピアノでも管楽器でも、楽譜の記号の意味が分からずに止まってしまう。そこで読み方が分からなくても“見た目”から引けるようにしてあるのが、この本のいちばん優しいところ。
あいうえお順のさくいんも付いているから、育つにつれて引き方も変わっていくよ。
橘ナナミ
見た目から引けるのは、字がまだ読めない年齢でも使えるということですね。写真やイラストも多いんですよね?
佐藤メバル
そう、写真とイラストが満載で、やさしい解説が付いている。記号、ことば、楽器、コード、人名という並びだから、レッスンで先生に聞く前に自分で調べる習慣がつく。
子どもが自分で開く前提で作られているのが、大人向け辞典とのいちばんの違いだね。
子ども ポケット音楽事典 音楽用語
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,320(税込)
子ども向けのポケット音楽事典から、楽譜を読むために必要な楽譜のことばをまとめた一冊です。お子さまの小さな手にぴったり収まるポケットサイズで持ち運びが容易なうえ、全ページをオールカラーで見やすいレイアウトにまとめています。覚えておきたい大切な言葉は赤字で記しているので、赤いシートなどで隠せば学習効率も上がります。
こんな人におすすめ
楽譜を読み始めた子どもが、自宅やレッスンで言葉を確かめたいとき。小さな手でも扱いやすいサイズなので、自分のかばんに入れて持ち歩けます。保護者が、覚えているかを一緒に確認したい場面にも。
良い点
- 小さな手に合うポケットサイズ
- オールカラーで見やすい
- 赤字を隠して覚えられる
気になる点
- 収載される用語は基礎中心
- 解説は子ども向けに簡潔
- 大人の辞典代わりにはならない
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2026年03月18日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ『ポケット音楽事典』でも、大人向けと子ども向けの巻があるんですね。サイズ以外に何が違うんでしょう?
佐藤メバル
まずサイズと手ざわりが違う。小さな手にぴったり収まるように作られていて、全ページがオールカラーで見やすくまとまっている。
扱うのは、楽譜を読むために必要な楽譜のことばだね。覚えたい言葉は赤字だから、赤いシートで隠せば覚えたかを試せる。
橘ナナミ
自分で持ち歩けるの、いいですね。弟がピアノを習い始めたので、こういうのを渡したら喜ぶかもしれません。
佐藤メバル
それはいい贈り物だと思うよ。ただ、載っているのは基礎的なことばが中心だから、もっと先へ進んだら次の辞典へ移る前提で考えてほしい。
自宅やレッスンで自分で引く、その最初の一歩を支えてくれる一冊だね。
ミッキーといっしょ 楽譜のことば
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,100(税込)
基本的な音楽用語と記号の読み方と意味を、1ページずつ学習できるポケット楽典です。強弱記号、奏法、反復記号、速度、発想標語、そのほかの楽語、装飾音、ペダル記号という並びで、無理なく一歩ずつ進められます。索引が付いているので辞書としても使え、小さな判型で持ち歩きも簡単。普段のレッスンやワークの併用にちょうどいい設計です。
こんな人におすすめ
これから楽譜のことばを覚える小さな学習者が、レッスンの合間に1ページずつ進める場面。指導者が、宿題のワークと並べて使いたいとき。索引から辞書のようにも引けるので、長く手元に置けます。
良い点
- 1ページ完結で進めやすい
- 索引付きで辞書にもなる
- 小さな判型で持ち歩ける
気になる点
- 扱う記号は基本に限られる
- 解説の量は多くない
- 上級の内容には届かない
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2023年12月12日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルにミッキーとあるので、小さい子向けの絵本かと思っていました。中身は楽典なんですね。
佐藤メバル
そう、基本の音楽用語と記号の読み方と意味を、1ページずつ学べるポケット楽典だよ。強弱記号、奏法、反復記号、速度、発想標語、装飾音、ペダル記号と順に並んでいるから、一歩ずつ積み上げる感覚で進められる。
索引も付いているから、辞書としても使える。
橘ナナミ
1ページずつなら、うちの弟でも続けられそうですね。レッスンのワークと並べて使うイメージなんでしょうか?
佐藤メバル
まさにその使い方だね。小さな判型で持ち歩きも簡単だから、かばんに入れておける。ただ、扱う記号は基本に限られるから、最初の一冊として使い切って、次へ進むのがいい。普段のレッスンの相棒にちょうどいいよ。
聴いて覚える音楽事典
ドレミ楽譜出版社
¥1,760(税込)
音名と音部記号に始まり、音符と休符、半音・全音と変化記号、音程、音階と調、和音、速度記号、強弱記号、発想記号、演奏記号、反復記号と、楽典の項目を章立てで順にたどる事典です。基礎から積み上げる構成で、付点音符や連符、和音の転回といった細かな論点も章の中で扱います。五線と加線、臨時記号の効力、5度圏といったコラムも随所に挟まり、つまずきやすい箇所を拾いながら進められます。
こんな人におすすめ
楽典を最初から最後まで一本の流れで学び直したい人。独学で譜読みを練習していて、章ごとに区切りながら進めたい人。試験やレッスンに向けて、記号と理論を整理して頭に入れたい場面に向きます。
良い点
- 章立てで体系立てて学べる
- コラムで細部を補ってくれる
- 音名から和音まで一通り覆う
気になる点
- 図版や写真は控えめ
- 曲の分析までは踏み込まない
- 辞典的な引きやすさは薄い
出版社
ドレミ楽譜出版社
発売日
2025年07月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『聴いて覚える』というタイトルが気になって開いてみたら、中身はしっかり楽典で驚きました。読み方の本なんですね。
佐藤メバル
そう、音名と音部記号から始まって、音符と休符、変化記号、音程、音階と調、和音、速度記号、強弱記号、発想記号、演奏記号、反復記号と、章を追って順に進む構成だ。
基礎から積み上げる作りだから、飛ばさずに読むと全体がつながるよ。
橘ナナミ
章立てで並んでいるのは、独学の私にはありがたいです。途中で5度圏とか、臨時記号の効力とか、コラムも挟まっていて。
佐藤メバル
そう、そういうつまずきやすいところをコラムで拾ってくれるのが親切だね。付点音符や連符、和音の転回といった細かい論点も章の中で扱っている。
ただ図版や写真は控えめだから、文字で整理するタイプの学び方が合う人に向くよ。
出版社ごとの編集方針と「版」の見分け方
橘ナナミ
出版社によって、辞典の性格って違うんですか?
佐藤メバル
はっきり違う。音楽之友社は音楽の専門出版社で、『新編 音楽中辞典』は西洋音楽だけでなく日本伝統音楽、民族音楽、ポピュラー音楽まで対象にし、楽語・楽器・人名・曲名を約8000項目収録。作曲家の項目には主要作品表、理論の項目には譜例、楽器には図版を付けている。調べた先に必ず次の情報がある作りだね。『新装版 ポケット音楽辞典』や『アルファベットで引く6か国語音楽用語辞典』も同じ出版社から出ていて、索引の付け方が丁寧だ。
橘ナナミ
他の出版社は?
佐藤メバル
ヤマハは実用と学習のバランス型。『エッセンシャル・ディクショナリー 音楽用語・作曲家』はアメリカのロングセラー事典シリーズの第3弾で、用語と作曲家、楽典、楽器と声の音域という章立て。『ポケット音楽事典 音楽用語』はオールカラーで、大切な言葉を赤字にして赤シートで隠せる。覚える前提の設計だね。アルテスパブリッシングの『新装版 音楽用語の基礎知識』は、音楽学の研究者が最新の研究成果を持ち寄った教養型。読む事典、使う事典、覚える事典——性格が分かれている。
橘ナナミ
「版」の違いはどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
改訂版かどうかを必ず確認すること。たとえば『新装版 音楽用語の基礎知識』は、先に刊行された同名書の新装版で、内容に変更はないと明記されている。逆に『最新音楽用語事典』は全面改訂新版としてデジタル用語を充実させている。語の意味は古びにくいが、人名・曲名・機器の用語は更新される。古い版しか手に入らないときは、そこだけ割り切って使う。中古でも意味を引く用途なら困らないが、状態の確認はしておこう。
紙・電子・アプリをどう組み合わせるか
橘ナナミ
三つを併用するとして、具体的にどう役割を分けますか?
佐藤メバル
現場は紙、自宅は電子、移動中はアプリ、が基本形だね。レッスンや合奏の途中で使うなら、楽器ケースに入るハンディ——『ポケット版 音楽用語辞典』や『ケータイに便利な音楽用語・記号事典』のようなサイズが強い。通信も電源も要らないから、本番前の数秒を一番確実に埋めてくれる。
橘ナナミ
電子やアプリ側の役割は?
佐藤メバル
複数の語をまとめて調べたいとき、読み方がまったく見当たらないときに強い。ただ、電子版が用意されているかいないかは書名ごとに違うので、購入前に必ず確認してほしい。手持ちの紙の辞典に電子版があるなら、それを買い足すのが一番ズレがない。
橘ナナミ
同じ語を両方で引くのは無駄ですか?
佐藤メバル
むしろ使い比べは面白い。『伊英独仏 音楽用語辞典』は訳語を簡潔に示す引き方、『新編 音楽中辞典』は小項目から大項目まで説明する引き方。同じ語でも説明の粒度が違うのを眺めると、その語がどのくらい重要なのかが見えてくる。辞典の使い比べは、語彙を増やすより先に語の地図を作る作業なんだ。
調べた語を定着させ、1冊目と2冊目をどう分けるか
橘ナナミ
調べただけで終わらせないコツはありますか?
佐藤メバル
引いた語を楽譜に書き戻すこと。『いちばん親切な音楽記号用語事典』は作曲家の轟千尋さんが、記号に込められた作曲家の思いから説き起こす本だ。
「そうだったのか!」があなたの楽譜に対する考え方を180度変えるはず。
理屈まで入ると記憶が残る。『新装版 音楽用語の基礎知識』にも「参照キーワード」をたどる使い方が用意されていて、一つの語から関連語へ跳べる。索引で引いて、隣の項目を一つ読む——これだけで定着率が変わるよ。
橘ナナミ
1冊目と2冊目はどう分ければいいですか?
佐藤メバル
1冊目は「自分が一番よく開く場面」に合わせてほしい。レッスン鞄ならハンディ、机なら中辞典、子どもなら見た目から引けるもの。2冊目は、1冊目では届かなかった方向に足す。日本語で引ける辞典が1冊目なら、2冊目は言語をまたぐ辞典。用語が足りているなら、2冊目は作曲家や曲名まで引ける事典。足りない穴を埋める順番で増やせば、同じ役割の本が棚に並ぶことはない。
よくある質問
音楽用語辞典は1冊持てば十分ですか?
橘ナナミ
音楽用語辞典は1冊持てば十分ですかについて教えてください。
佐藤メバル
レッスンで楽語の意味を確かめるだけなら、1冊でもかなり戦えます。ただし日本語で意味を説明してくれる辞典と、複数言語を横断して引ける辞典とでは役割が違います。たとえば『伊英独仏 音楽用語辞典』は約2万語を簡潔な訳語で引く実用型。1冊目は日本語で引けるもの、2冊目は言語をまたぐものという順番が失敗しにくいです。
楽典の本と音楽用語辞典はどちらを先に買うべき?
橘ナナミ
楽典の本と音楽用語辞典はどちらを先に買うべきについて教えてください。
佐藤メバル
学ぶ順番でいうと楽典、調べる場面が先に来るなら用語辞典です。楽典は仕組みを順番に積み上げる教科書、辞典はわからない語に最短で届く辞書。ピアノや吹奏楽を始めたばかりで「この記号なんだろう」が頻発する時期なら、辞典が先でも十分機能します。
子どもや初心者にはどの辞典がおすすめですか?
橘ナナミ
子どもや初心者にはどの辞典がおすすめですかについて教えてください。
佐藤メバル
読み方がわからなくても記号の見た目から引けるかどうかが決め手です。『小学生のための便利な音楽辞典』は写真とイラストが多く、あいうえお順の索引も付いています。『子ども ポケット音楽事典 音楽用語』はオールカラーで大切な言葉が赤字、『ミッキーといっしょ 楽譜のことば』はA6判で1ページずつ学べます。**
まず「形から引ける」1冊**を選ぶとつまずきません。
イタリア語・ドイツ語・フランス語の違いはどう使い分けますか?
橘ナナミ
イタリア語・ドイツ語・フランス語の違いはどう使い分けますかについて教えてください。
佐藤メバル
楽語はイタリア語が中心なので、そこだけなら日本語で引ける辞典で足ります。ドイツ語圏の作曲家の指示やフランス音楽の標語まで視野に入れるなら言語をまたぐ辞典へ。『アルファベットで引く6か国語音楽用語辞典』は言語を考えずにアルファベット順で引け、カタカナ発音とアクセント付きです。
紙の辞典とアプリはどちらが便利ですか?
橘ナナミ
紙の辞典とアプリはどちらが便利ですかについて教えてください。
佐藤メバル
練習場では紙、調べものをまとめてするときは検索が有利です。通信も電源も要らない紙は、本番前の数秒を確実に埋めてくれます。同じ内容の電子版があるかは書名ごとに違うので、購入前に必ず確認してください。紙の定位置と電子の出先用途を決めておくと無駄になりません。
収録語数が多い辞典を選べば間違いないですか?
橘ナナミ
収録語数が多い辞典を選べば間違いないですかについて教えてください。
佐藤メバル
語数は目安にはなりますが、大事なのは引きたい語に最短で届くかどうかです。約8000項目の『新編 音楽中辞典』は調べものに強い一方で持ち歩けません。手元の楽譜で出会う語を、どの場面で引くかを想像して選ぶほうが結果的に失敗が少ないです。
音大受験やレッスンにはどの辞典が向いていますか?
橘ナナミ
音大受験やレッスンにはどの辞典が向いていますかについて教えてください。
佐藤メバル
受験なら知識の網羅性が効きます。『新装版 音楽用語の基礎知識』は楽典・和声・楽式・分析・音楽史を1冊で見渡せ、教員採用試験の参考書としても使えると明記されています。『エッセンシャル・ディクショナリー 音楽用語・作曲家』は用語と作曲家、楽典、楽器と声の音域まで収録。レッスンの鞄なら、ハンディの用語辞典を併用するのが現実的です。
古い版や絶版の辞典は中古で買っても大丈夫ですか?
橘ナナミ
古い版や絶版の辞典は中古で買っても大丈夫ですかについて教えてください。
佐藤メバル
語の意味そのものは古びにくいので、意味を引く用途なら中古でも困りません。ただし人名・曲名・デジタル機器の用語は更新されます。改訂版かどうかを確認し、可能なら新しい版を選びましょう。内容に変更がないと明記された新装版なら、版の違いを気にせず使えます。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、辞典って「引くためだけの本」じゃないんだなと思いました。
佐藤メバル
そう。楽譜の「p」を調べたはずが、その作曲家の項目に寄り道して、曲名の意味まで転がっていく。辞典は目的地じゃなくて、寄り道を許してくれる地図なんだ。
橘ナナミ
子ども向けの辞典を自分の立場で読む感覚はまだわからないんです。でも、レッスンに通う小学生が「この記号なんだろう」と開く最初の1冊になるんだと思うと、選び方の重みが変わりますね。
佐藤メバル
そうだね。読み方がわからない子が形から引けるかどうかで、音楽を嫌いになるかどうかが決まる場面もある。だから小学生向けには、あいうえお索引と記号の見た目索引の両方がある本を推すんだ。
橘ナナミ
大人の私だったら……まず1冊、鞄に入るサイズから始めてみます。
佐藤メバル
それがいい。楽譜は、イタリア語やドイツ語で書かれた手紙のようなものだ。音楽用語辞典は、その手紙を読むための小さな辞書。全部を暗記してから開く必要はない。わからない言葉に出会った瞬間に開ける一冊を鞄に入れて、立ち止まることを怖がらなければ、手紙はいつのまにか読めるようになっているよ。
