音楽理論の基礎が学べる本のおすすめ人気ランキング21選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「音楽理論の基礎」なんですね。正直に言うと、コードネームを見た瞬間に目が泳ぎます。そもそも何から手をつければいいのか……。
佐藤メバル
いい質問だね。まず最初に整理しておきたいのは、「楽典」と「音楽理論」はイコールではないという点です。楽典は楽譜を読むためのルール——音符、休符、拍子、調号、記号。音楽理論はその上で「なぜその和音が心地よく響くのか」を考える領域です。書店員時代、いきなり和声学の本を買っていったお客さんが、数週間後に楽典の入門書を買いに戻ってきたことが何度もありました。順番を間違えると、そこで止まってしまうんです。
橘ナナミ
なるほど……! 土台が楽典で、その上に理論が乗るイメージですか。
佐藤メバル
そう。だから今回並ぶ本も性格がはっきり分かれています。『OzaShinの誰でもわかる 音楽理論入門』は楽譜の読み方からコード理論、スケール理論まで段階を踏んで進む構成。『一目瞭然!目からウロコの楽典』は見開きの図解と問題演習で基礎を固めるタイプです。
橘ナナミ
いきなり分厚い本を買うのは、やめたほうがいいですか?
佐藤メバル
目的次第です。じっくり体系を組みたいなら、講義CDつきで一冊通す『よくわかる音楽理論の教科書』も強い。でも「とりあえず1冊」で迷っているなら、薄くて読み切れるものを選ぶ。読み切れなかった本がいちばん高い買い物ですから。
橘ナナミ
本棚で眠っている本を見るたびに、罪悪感が……。
佐藤メバル
それ、みんな通る道です。じゃあ、選び方の軸を一緒に見ていきましょう。
音楽理論の基礎が学べる本の選び方
目的別
橘ナナミ
目的って、そんなに分かれるものですか?
佐藤メバル
大きく4つあります。作曲やDTMなら『現代のポピュラー・ミュージック・セオリー改訂新版』のようにコード・プログレッションを段階的に積む本、演奏なら『コードネーム徹底克服!ピアノ伴奏ドリル1』や『ギター音楽理論 〜コードワーク編〜』。分析や鑑賞なら門馬直美さんの『音楽の理論』が向いています。ひとつ注意したいのは、タイトルに「理論」と入っていても中身が音楽社会学の本もあること。キース・ニーガスの『ポピュラー音楽入門』は音楽産業やメディアを論じる研究書で、コードの押さえ方は出てきません。
レベル別
橘ナナミ
初心者・中級者・上級者だと、どう分ければ?
佐藤メバル
初心者は『マンガでわかる! 音楽理論』『1日5分ではじめる楽典 超入門』『初心者からはじめる楽譜の読み方』あたり。中級は『OzaShinの誰でもわかる 音楽理論入門』『ポピュラー音楽理論改訂版』。上級は『創作和声』や『ラモー氏の原理に基づく音楽理論と実践の基礎』のような専門書です。背伸びした一冊より、8割理解できる一冊のほうが先に進めます。
形式別
橘ナナミ
マンガ、テキスト、問題集……どれがいいんでしょう。
佐藤メバル
マンガは『マンガでわかる! 音楽理論』。辞書的に引くなら『よくわかるやくにたつ ザ・楽典』。手を動かすなら『一目瞭然!目からウロコの楽典』『解いて学ぶ!水野式コード理論ドリル』など問題演習つきが効きます。『1日5分ではじめる楽典 超入門』は全90日の日割り構成で、動画と連動しているのが独学向きです。
ジャンル別
橘ナナミ
クラシックとジャズとポピュラーで、本は変わりますか?
佐藤メバル
変わります。ポピュラーは『ポピュラー音楽理論改訂版』、ジャズ寄りなら『ジャズ&ポップスのための基礎音楽理論』。クラシックの和声を正面からなら『創作和声』。ギターは『指板だから腑に落ちる!ギタリストが知っておくべき音楽理論30選』、保育や教育の現場なら『この一冊でわかる楽典と音楽実技』が実技込みで頼れます。
入手性と価格帯
橘ナナミ
電子書籍のほうが持ち歩きやすそうですが。
佐藤メバル
配信状況は書名ごとに違うので、購入前に各ストアで確認を。楽典は図解と譜例が多く、書き込みながら進めるなら紙が有利です。価格帯は入門書が手頃、和声学の専門書や歴史的文献の翻訳は高め。古い本は在庫が薄いことがあるので、図書館や改訂版の有無も見ておくといいですね。
音楽理論の基礎が学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、21冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
音楽理論の基礎が学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
OzaShinの誰でもわかる 音楽理論入門
OzaShin 著|ナツメ社
¥1,980(税込)
「音楽理論は難しそう」と感じる人のための入門書です。キャラクターが段階を踏んで解説してくれるので、楽譜の読み方からコード理論、スケール理論までサクサク読み進められます。基礎編で音価・拍子・音名・音部記号・調号と臨時記号・音程・メジャー/マイナースケール・ダイアトニックコード・セブンス・転回形・ケーデンス・代理コードを押さえ、応用編ではトライトーン・ドミナントモーション・ディグリーネーム・ツーファイブワン・dim7コード・裏コード・sus4・分数コードまで進みます。挫折しやすい応用編まで一冊で届く構成が、他の入門書との大きな違いです。
こんな人におすすめ
趣味で楽器を始めたばかりの人、作曲に手を出してみたい人、独学で理論の全体像をつかみたい人。専門的な学びの前に予習しておきたい人にも向きます。図やキャラの助けがないと読み進めにくいと自覚している人ほど効果的です。
良い点
- キャラ解説で読み進めやすい
- 基礎から応用まで一冊で完結
- コード理論まで到達できる
気になる点
- 用語の網羅性は専門書に劣る
- 演習問題は少なめ
- 辞書的に引く使い方には不向き
出版社
ナツメ社
発売日
2022年02月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
音楽理論って、参考書を開いた瞬間に眠くなるイメージなんですけど……この本はキャラが解説してくれるんですね。
それなら私でも最後まで行けそうな気がします。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の強みです。音価や拍子といった楽譜の基本から入り、コード理論、スケール理論まで段階を踏んで進みます。
基礎編でダイアトニックコードやケーデンスを押さえ、応用編ではツーファイブワンや裏コード、分数コードまで扱う。
入門書の看板で応用編まで連れて行ってくれるのが珍しいんですよ。書店員時代、「理論書は三冊目で挫折する」という声をよく聞きましたから、この設計はありがたいんです。
橘ナナミ
一冊で完結するのは助かります。でも応用編のトライトーンとか裏コードって、名前からして難しそうです。ほんとに大丈夫なんでしょうか?
佐藤メバル
名前だけ見ると身構えますよね。でも基礎編で音程やコードの法則を丁寧に積んでいるので、応用編は「あの話の延長か」と読めます。
逆に言えば、基礎編を飛ばすと応用編はただの呪文になる。そこだけ注意してください。あと辞書的に引くのには向かないので、まず通読してから手元に置くのがおすすめです。
マンガでわかる! 音楽理論
侘美秀俊 著|リットーミュージック
¥1,430(税込)
理論書を読み始めたのに途中でわけがわからなくなった——そんな経験を持つ人のために作られた、マンガで学べる理論書です。マンガで基礎に触れ、その後の詳しい解説文で理解を深める二段構え。すべての理論の元となる音程や倍音の仕組みから入るので、なぜそういうルールなのかが腑に落ちます。譜例が並ぶ本が苦手だった人でも、音楽と仲良くなる感覚で読み進められるのが、他の入門書との違いです。
こんな人におすすめ
一度理論書で挫折した人、文章だけだと頭に入らない人、音程や倍音の「なぜ」から知りたい人。マンガの取っつきやすさから入りたい初心者にも、教える側の復習にも向きます。
良い点
- マンガでとっつきやすい
- 音程と倍音から丁寧に説く
- 挫折経験者の再挑戦に向く
気になる点
- 内容の深さは控えめ
- マンガ部分はあっさりしている
- 理論の網羅性は高くない
出版社
リットーミュージック
発売日
2016年03月25日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「マンガでわかる」って、正直ちょっとあなどってました。でも音程や倍音の仕組みから入るって聞くと、そこがむしろ知りたかったところなんですよね。
私、前に理論書を途中で放り投げた経験があるので。
佐藤メバル
それ、まさにこの本が想定している読者です。著者も「途中からわけがわからなくなって放り投げた人が多いはず」という前提で作っています。
マンガで音程や倍音の仕組みに触れ、そのあとの解説文で深める。理論の元から押さえるので、暗記ではなく理屈で覚えられます。
橘ナナミ
なるほど、マンガが先で解説が後なんですね。でも逆に、マンガだけ読んで満足しちゃう人もいそうです。
佐藤メバル
出ますね、そういう人。だからこそ解説文が本編です。マンガは入り口、解説で理解、という役割分担。ただ内容の深さは入門の範囲なので、コード進行をガッツリ分析したくなったら次の一冊に進んでください。
この本は土台づくりに徹した本だと思って付き合うと、効果が長持ちしますよ。
1日5分ではじめる楽典 超入門 〜音楽がスッとわかる3か月プラン!〜
渡邉朋実 著|アルファノート
¥2,420(税込)
人気YouTubeチャンネル『音大卒があなたのお困り助けます。』初の書籍化で、楽典基本・クラシック理論・ポピュラー理論を3か月(全90日)で体系的に理解できるように構成されています。1か月目は楽譜が読めるようになる基礎、2か月目は調と音階のしくみ、3か月目は和音を理解して音楽を楽しむ段階へ。1日5分からの短いステップを積み重ねる設計で、動画と連動して音を聴きながら確かめられるのが他書にない強みです。
こんな人におすすめ
仕事や家事の合間に独学したい人、楽譜が読めるようになりたい人、一度挫折して再挑戦したい人。クラシックもポピュラーも両方視野に入れたい人、教える教材を探す講師にも向きます。
良い点
- 90日という学習設計がある
- 動画と連動して音を確認できる
- クラシックとポピュラー両対応
気になる点
- 1日5分だと進みはゆっくり
- 動画頼りだと本文が疎かになりがち
- 内容は入門レベルに留まる
出版社
アルファノート
発売日
2025年12月20日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「1日5分」って、逆に本当に身につくのか不安になるんですけど……。でも3か月で90日って決まっているのは、むしろ安心できる気がします。
佐藤メバル
そう、設計があるのがこの本の肝です。1か月目はト音記号・ヘ音記号の読み方や拍子、2か月目は度数や五度圏、3か月目はコード進行や終止まで。
今日はここまで、が決まっていると独学でも迷子になりません。楽典は範囲が広いので、区切りがあること自体が価値なんですよ。
橘ナナミ
しかも動画と連動しているんですね。譜面だけだと音がわからなくて止まっちゃうので、そこは本当に助かります。
佐藤メバル
そこです。紙面だけでは伝わりづらい部分を動画で音として確かめられる。ただし著者も前書きで「動画だけでは十分に理解できない、必ず本文と照らし合わせて」と書いています。
動画は補足、主役は本文。その順番を守れば1日5分でも積み上がります。曖昧だった知識がつながる感覚は、短い刻みのほうが得やすいんですよ。
一目瞭然!目からウロコの楽典 〜図解入り解説&問題集(解き方ヒント付き)〜<基礎編>
佐々木邦雄 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,430(税込)
音楽教室を主宰し、音高・音大進学者を毎年輩出している著者が、レッスンで使っているテキストを多くの学習者向けにまとめた楽典解説&問題集です。見開きページで展開する図解入りの項目別解説と、それに連動した実践的なドリル、解き方ヒント付きの解答で、読むだけで終わらせず手を動かして定着させる構成。対象は小学高学年から受験生、基礎を整理したい学習者までと幅広く、迷った項目から開ける使い勝手も持ちます。
こんな人におすすめ
音高・音大受験を視野に入れた人、楽典を問題演習で固めたい人、基礎に穴があると感じている大人の学び直し。解説を読んでも身についた実感がないという人にこそ向きます。
良い点
- 見開き図解で理解しやすい
- 問題演習で定着できる
- 解答に解説とヒントが付く
気になる点
- 基礎編のみで応用は別の巻
- 書き込み式なので中古は不向き
- 読み物としての面白さは控えめ
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2021年08月27日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「基礎編」って書いてあるのが気になります。基礎だけで一冊って、けっこうなボリュームなんじゃないですか?
佐藤メバル
楽典の主要な項目を、著者独自の切り口で無駄なく並べているんです。見開きで一項目が完結するので、自信がないところからページを開けます。
しかも解説に対応したドリルが付いていて、解答には解き方のヒントまで入っている。受験生がレッスンで使う教材がベースなので、実践的ですよ。
橘ナナミ
問題集がついているのは大きいですね。解説を読んだだけで「わかったつもり」になりがちなので、手を動かせるのはありがたいです。
佐藤メバル
まさにそこなんです。楽典は理解と定着が別で、読みっぱなしだと、いざ問題になると手が止まる。この本は書き込み式なので、書きながら覚えられます。
ただし書き込むと中古では使えないので、新品で手元に置いてください。基礎を固め終えたら、次は和声やコードの本へ進む流れになりますよ。
初心者からはじめる楽譜の読み方
進藤克己 著|Gakken
¥1,980(税込)
音楽が好きだけれど楽譜は読めない、あるいは昔習ったけれど忘れてしまった——そんな人のための、楽譜の読み方に絞った一冊です。掲載されている楽譜にはすべて音源コードが付いていて、スマホなどで音を確かめながら進められます。項目ごとの「ふりかえり問題」で理解をチェックできるので、読んで終わりにしない学習が可能。理論を広く扱う本ではなく、譜読みという入口に的を絞っているのが持ち味です。
こんな人におすすめ
楽譜が読めないまま楽器を始めた人、独学で弾き語りをしたい人、昔の知識を取り戻したい再入門者。音を聴きながら確かめたい人にぴったりです。
良い点
- 全譜例に音源コードが付く
- ふりかえり問題で確認できる
- 譜読みに絞った素直な構成
気になる点
- コード理論には踏み込まない
- 項目によって難易度に差がある
- 応用的な演奏法は扱わない
出版社
Gakken
発売日
2023年02月16日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、タイトルが「楽譜の読み方」に絞られているのが逆にいいなって思いました。音楽理論って言われると範囲が広すぎて、どこから手をつければいいのかわからなくなるので。
佐藤メバル
そうですね。この本は「読めるようになる」という一点に集中しています。しかも掲載の楽譜すべてに音源コードが付いていて、スマホで音を確認できる。
目と耳の両方で確かめられるのは、独学者にとって本当に大きいんですよ。
橘ナナミ
耳で確認できるの、ありがたいです。私、頭の中で音を再生するのが苦手で、譜面を見ても無音なんですよ……。
佐藤メバル
多くの人がそうです。それで「合っているのかわからない」まま進んで、不安になって止まってしまう。音源があればその不安が消えますし、各項目のふりかえり問題で進み具合も見える。
コード理論には踏み込みませんが、譜読みの土台を作る一冊としては、とても素直な作りだと思います。
よくわかる音楽理論の教科書 【CDつき】
秋山公良 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,980(税込)
楽譜を読み解き、作曲をするまでに必要な知識を、ジャンルを超えて解説する教科書です。第1章でドレミファソラシドの成り立ちに触れ、音程とコード、ポピュラーに役立つ対位法と和声学、ジャズのコード理論とスケール理論、ロックのコード理論と音色の発展へと進みます。講義CDで音を確認しながら学べるうえ、付録に全調へのコード変換マップが付くなど、座学と実用の橋渡しを意識した構成が特徴です。
こんな人におすすめ
一冊でジャンル横断的に理論を把握したい人、作曲の入口に立ちたい人、ジャズやロックの理論にも触れたい人。なぜドレミなのかから知りたい人にも向きます。
良い点
- ジャンルを横断して学べる
- 講義CDで音を確認できる
- 作曲まで視野に入る
気になる点
- 各章の深さは控えめ
- 発展的な内容は別書が必要
- CDの再生環境が要る
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2014年07月23日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ドレミファソラシドは誰がつくったのか?」って見出しに、思わず惹かれました。理論書なのに、いきなり歴史から入るんですね。
佐藤メバル
そこが面白いところです。いきなり記号の説明から入るのではなく、なぜ今の音階があるのかから始まる。そのうえで音程とコード、対位法、和声学、ジャズ、ロックへと進んでいく。
一本道ではなく地図を描くような構成なんですよ。
橘ナナミ
ジャズもロックも一章ずつあるんですか。ひとつのジャンルに偏らないのは、幅広く聴く人には助かりそうです。
佐藤メバル
そうなんです。ポピュラーに役立つ対位法、ジャズのスケール理論、ロックの音色の発展まで視野が広い。講義CDで音を確かめながら読めるので、耳でも理解できます。
ただ各章は入口の深さなので、ジャズを本格的にやるなら専門書へ進んでください。最初に全体の地図がほしい人にぴったりの一冊です。
よくわかるやくにたつ ザ・楽典
飛田君夫 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,320(税込)
ピアノやエレクトーンを学ぶ小中学生の楽典入門として、読みやすくわかりやすいことを狙って編まれた一冊です。説明や用語をかみくだいた文体なので、読み進めるうちに自然と楽典の知識が吸収できます。第1章は楽譜の書き方、第2章は音階と調性・音程・和音という音楽の骨組み。必要な項目だけを拾い読みする辞書的な使い方もでき、表現は平易でも内容は音楽をするうえで必要十分だとされています。
こんな人におすすめ
ピアノやエレクトーンの学習と並行して楽典も押さえたい人、教える立場で用語をやさしく説明したい人、中上級を目指す一般の学び直し。手元に置いて何度も引く使い方に向きます。
良い点
- かみくだいた平易な文体
- 辞書的に引ける構成
- 価格が手頃で取り入れやすい
気になる点
- 初学者向けで深掘りはしない
- 図版は多くない
- 問題演習は付かない
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2022年04月12日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「楽譜を書こう!」って章があるのが意外でした。読むだけじゃなくて、書くところから始まるんですね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本のいいところです。五線に音符を書く、音符だけで伝わらないところを記号で補う、という作業を通ると楽譜の見え方が変わります。
そのうえで音階と調性、音程、和音という骨組みへ進む。手を動かしてから理屈に入る順番なんですよ。
橘ナナミ
辞書みたいに使えるって書いてありますけど、通読しなくてもいいんでしょうか? 気になる項目だけ拾い読みしても大丈夫ですか?
佐藤メバル
大丈夫です。必要な項目だけ目を通す使い方を想定して作られていますから、レッスンでわからない記号が出てきたらその項目を開く、という付き合い方ができます。
ただ内容は入門の範囲なので、本格的に和声を学ぶ段階になったら別の本が必要です。手元に一冊置いておくタイプの本だと思ってください。
この一冊でわかる楽典と音楽実技
深見友紀子 著|株式会社音楽之友社
¥1,980(税込)
保育士、幼稚園・小学校教諭の資格・採用試験対策として定評のある本の大改訂版です。第1部の理論編では、五線譜の意味や音名と階名、臨時記号、音符と休符、リズムと拍子、音程、音階と調、コードネームと構成音、転回形、セブンス・コードまで、やさしい楽典を順に整理。第2部の実践編では、ピアノ演奏のアドバイス、バイエルの練習方法、歌の練習のコツ、弾き歌い、試験に向けた準備まで踏み込みます。
こんな人におすすめ
保育士・幼稚園教諭・小学校教諭の資格や採用試験を控えた人、ピアノ実技と楽典を同時に準備したい人。弾き歌いに不安がある人、独学で試験対策を進める人にも向きます。
良い点
- 試験対策に直結した構成
- 理論と実技を一冊で押さえる
- 実践編の助言が具体的
気になる点
- 試験目的以外にはやや過剰
- 楽典の深掘りは控えめ
- 演奏指導の完全な代わりにはならない
出版社
株式会社音楽之友社
発売日
2023年03月27日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
保育士や教員の試験対策の本なんですね。私、保育の現場はまったく経験がないので当事者のふりはできませんけど、ピアノ実技と楽典が一冊に入っているのは気になります。
佐藤メバル
いい視点です。この本の要点は、試験で問われる楽典の知識と現場で必要な実技を切り離さずに並べていること。
音名と階名の違い、移調、コードネーム、弾き歌いまで、なぜそれが要るのかが実技と結びついて見えてきます。
橘ナナミ
弾き歌いって、楽譜どおりに弾くのとは違うんですね。歌いながら伴奏を組み立てるとなると、頭の使い方が変わりそうです。
佐藤メバル
違います。歌いながら弾くには、伴奏を自分で組み立てる感覚が要る。第2部ではバイエルの練習方法や歌の練習のコツ、暗譜のすすめ、試験本番に向けた準備まで書かれています。
試験が目的でなくても、保育の場で音楽に関わる人なら読む価値がありますよ。
ギター譜で学ぶ新楽典
小川伊作 著|現代ギター社
¥1,650(税込)
楽典と音楽理論を、ギター譜を通して学べる一冊です。譜表と音名、変化記号、音符、拍子と小節、リズム、音程と音階、調、演奏上の指示、略記法、装飾音、そしてタブラチュアによる記譜法までを扱い、後半では対位法、和音と和声法、楽式へ進みます。タブラチュア譜の読み方まで踏み込む楽典書は多くなく、ギタリストが五線譜とタブの橋を渡れるのが持ち味です。
こんな人におすすめ
ギターを弾きながら理論も身につけたい人、タブ譜から五線譜へ移行したい人、クラシックギターの学習者。譜例が自分の楽器と一致する安心感を求める人に向きます。
良い点
- ギター譜で理論を確認できる
- タブラチュア記譜法も解説
- 文献表と索引が付属する
気になる点
- ギター以外には馴染みにくい
- 記述はやや硬め
- 図版は控えめ
出版社
現代ギター社
発売日
2013年09月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ギターって、タブ譜で覚えちゃうと五線譜が遠くなる気がするんですけど……この本はそこを埋めてくれるんですか?
佐藤メバル
まさにそこです。タブラチュアによる記譜法まで一章を割いて扱っていますから、タブと五線譜の対応がつかめます。
しかも譜例がギター譜なので、自分の楽器で音を確かめながら楽典の項目を追える。これがピアノ向けの楽典書との決定的な違いです。
橘ナナミ
なるほど。音名や変化記号も弦の上で確認できるわけですね。タブ譜しか読めない私でも、五線譜に近づける気がしてきました。
佐藤メバル
その感覚で大丈夫です。そのうえで後半は対位法、和音と和声法、楽式と、理論の骨格に入っていきます。主要文献表や引用譜例リスト、索引も付いていて調べ物にも使える。
ただ記述は硬めなので、まったくの初心者より、少し弾けるようになった人が読むと効きますよ。
ポピュラー音楽理論改訂版
北川祐 著|リットーミュージック
¥2,750(税込)
ポピュラー音楽を理解するための理論を、実用的な視点からまとめた定番の教科書です。読譜と音楽理論の基礎から、コードについての基本的知識、コード・スケールの基本と相互関係、そして一歩進んだ活用方法までを伝授します。理論を並べるだけでなく、実践でどう使うかを見据えた記述が続くのが特徴。長く読まれている改訂版だけに、ポピュラー理論の道筋を一本通したい人に向いています。
こんな人におすすめ
バンドやDTMで曲を作る人、コード進行の理屈を体系的に押さえたい人、ジャンルを問わずポピュラー音楽の理論を一度通したい人。独学の拠り所を探している人にも向きます。
良い点
- 実用的な視点でまとまっている
- コードとスケールの関係が学べる
- 定番として息が長い
気になる点
- 初版が古く用語に時代感がある
- 図版は多くない
- 完全な初心者にはやや硬い
出版社
リットーミュージック
発売日
2004年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
2004年の本が今も定番って、けっこうすごいことですよね。内容が古びたりしないんでしょうか。
佐藤メバル
理論の骨格は変わらないんですよ。読譜からコードの基礎、コードとスケールの相互関係、その先の活用まで、一本の道筋として書かれている。
なぜこのコードの上でこの音が使えるのかがつながっていくので、時間が経っても土台として使えます。
橘ナナミ
コードとスケールの相互関係、っていうのが私にはまだピンとこないんですけど、そこを掴むのが大事なんですか?
佐藤メバル
大事です。コードだけ覚えても、その上で何を弾けばいいかわからない。逆にスケールだけ覚えても、なぜそこでその音なのか説明できない。
この本はその橋を架けてくれます。ただ記述は硬めなので、まったくの入門というより、少し弾いてから読むと刺さりますよ。
ポピュラー音楽理論入門
キース・ニーガス 著|水声社
¥3,850(税込)
これは楽典やコード理論の本ではなく、ポピュラー音楽を社会と文化の側から考えるための理論書です。アドルノの大衆文化批判の検討から始まり、音楽生産と音楽消費の相互関係、そして両者を跨ぐ媒介——音楽産業、活字メディア、録音媒体、ラジオ、テレビ、映画、インターネット——の問題へと進みます。聴衆、産業、媒介、一体性、歴史、地理、政治という章立てで、ポピュラー音楽研究の争点を俯瞰する一冊です。
こんな人におすすめ
音楽を文化や社会の視点で考えたい人、メディアや産業と音楽の関係を学びたい人、研究や論文の入口を探す大学院生。コード進行ではなく論点を知りたい人に向きます。
良い点
- 音楽研究の論点を俯瞰できる
- 媒介と産業の視点が得られる
- 章立てが明快で参照しやすい
気になる点
- 楽典やコード理論は扱わない
- 訳書で記述は硬め
- 実践的な作曲には不向き
出版社
水声社
発売日
2004年04月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、タイトルは「ポピュラー音楽理論入門」ですけど、内容はコードの話じゃないんですね。私、メディア論をやっているので、むしろこちらのほうが気になります。
佐藤メバル
そう、ここでいう理論は「音楽の仕組み」ではなく「音楽をどう捉えるか」の理論です。アドルノの大衆文化批判を検討し、生産と消費、そして両者を跨ぐ媒介——音楽産業や録音媒体、ラジオ、テレビ、映画、インターネット——を扱う。
音楽はどこで誰に届くのかを問う本なんですよ。
橘ナナミ
媒介って言葉、私の研究でもよく出てきます。録音技術や配信、インターネットの話まで入るなら、なおさら気になります。
佐藤メバル
入ります。だから「なぜこの曲が流行ったのか」を、コード進行ではなく産業とメディアの側から考えられる。
すぐに作曲の役には立ちませんが、音楽の見方が一段深くなります。橘さんの研究テーマと重なるなら、なおさら読む価値がありますよ。
ジャズ&ポップスのための基礎音楽理論
エー・ティー・エヌ
¥3,300(税込)
ジャズとポップスのための基礎理論を、調性システムとハーモニーの基礎という二部構成で整理した一冊です。楽譜の読み書きから、倍音列がハーモニーの土台になる話、音程、トライアド、四音構成のコードとエクステンション、アイオニアン・システム、五度圏、ハーモニック・マイナー、メロディック・マイナー、その他のスケール、ハーモニック・メジャーまで段階的に進みます。エクササイズの解答まで収録し、手を動かして確かめられる構成です。
こんな人におすすめ
ジャズやポップスを理論から学びたい人、コードとスケールを体系立てて押さえたい人、DTMやバンドでアレンジを考える人。五度圏やマイナー系スケールでつまずいた経験のある人にも。
良い点
- ジャズとポップスを一貫して扱う
- 倍音列から説き起こす
- エクササイズの解答つき
気になる点
- 価格はやや高め
- 記述はやや専門的
- 完全な入門書ではない
出版社
エー・ティー・エヌ
発売日
2023年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最初に「倍音列」って出てくるのが気になります。理論書って、いきなり音符の話から始まることが多い気がしていたので。
佐藤メバル
そこがこの本の誠実さです。ハーモニーがなぜああいう形になるのか、その土台に倍音列がある。そこから音程、トライアド、セブンスとエクステンション、そしてアイオニアン・システムや五度圏、ハーモニック・マイナー、メロディック・マイナーへと進みます。
理屈の順番どおりに積むので、丸暗記にならないんですよ。
橘ナナミ
ハーモニック・マイナーとメロディック・マイナーがそれぞれ章になっているのも、ジャズならではですよね。独学だと後回しにしがちなところです。
佐藤メバル
そうですね。この二つはジャズでは避けて通れませんが、独学だと飛ばされがちです。ここで正面から扱ってくれるのはありがたい。
巻末にはスケール表とエクササイズの解答も付いていますから、確認しながら進められます。ただ価格も内容も本格派なので、それなりの覚悟で臨んでください。
現代のポピュラー・ミュージック・セオリー改訂新版
中村正史 著|サーベル社
¥2,640(税込)
基礎から応用までを4つのStepで積む、ポピュラー音楽理論の一冊です。Step1で譜表や音名、音程、音階、調性といった基礎を固め、Step2でトライアド、テトラード、転回形、ダイアトニック、コード・ファンクション、ケーデンス、ツーファイブ、セカンダリー・ドミナントへ。Step3ではテンション・ノート、代理コード、アヴォイド・ノート、ディミニッシュ・セヴンスの正体などに踏み込み、Step4でコード・パターンやペダル・ポイントまで扱います。
こんな人におすすめ
コード進行の理屈を段階的に学びたい人、作曲やアレンジで行き詰まっている人、ジャズ系の理論にも手を伸ばしたい人。なぜその代理コードが使えるのかを知りたい人に向きます。
良い点
- Step構成で道筋が明快
- コード進行の応用まで踏み込む
- 用語と記号の整理も付属する
気になる点
- 基礎の説明は簡潔
- 価格は中堅どころ
- 完全な初心者には進みが速い
出版社
サーベル社
発売日
2026年06月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
Step3に「ディミニッシュ・セヴンスの正体」ってありますけど……正体、って言い方が気になります。なんだか秘密めいていて、読みたくなります。
佐藤メバル
いいところに目をつけました。dim7は、初心者には「とりあえず挟むコード」として覚えられがちです。でも理論的にはちゃんと役割がある。
パッシング・ディミニッシュとしてコード間を橋渡しする働きなど、正体がわかると使い方が変わるんですよ。
橘ナナミ
なるほど。Step2でケーデンスやツーファイブをやってから、Step3で代理やテンションに行く流れなんですね。順番が腑に落ちました。
佐藤メバル
その順番が大事です。Step1で譜表や音程、音階、調性を固めておかないと、後の応用が呪文になります。
Step4ではコード・パターンやペダル・ポイント、クリシェまで進みますから、作曲やアレンジで次の一手が欲しい人には効きますよ。
基礎の説明は簡潔なので、並行して入門書を一冊持っておくと安心です。
解いて学ぶ!水野式コード理論ドリル
水野正敏 著|シンコーミュージック・エンタテイメント
¥1,980(税込)
クイズを解くだけで難しいコード理論がわかる、と謳う問題形式のドリルです。Part1でコード(3和音・4和音・テンション・分数コード)、Part2でコード・プログレッション(4度上行=5度下行の進行や順次進行、コード・パターン、循環コード、代理コード)、Part3でコードとスケール(ダイアトニック・コードのスケール、様々なコードのスケール)を扱います。弦楽器・鍵盤・管楽器、音楽に携わるすべての人に向けた構成です。
こんな人におすすめ
コード理論を読むだけでなく手を動かして定着させたい人、バンドやセッションで即座に使いたい人、ジャンルを問わず演奏する人。わかったつもりを潰したい人に向きます。
良い点
- 問題形式で定着しやすい
- 楽器を問わず使える
- 進行とスケールまで一冊で
気になる点
- 解説より問題が中心
- 独学だと詰まる箇所もある
- 理論の通読には向かない
出版社
シンコーミュージック・エンタテイメント
発売日
2018年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ドリル形式って、学生の頃のワークブックみたいで、逆に手が動きそうだなって思いました。読むだけだと頭に入らないので。
佐藤メバル
まさにそのために作られた本です。3和音や4和音、テンション、分数コードをクイズで確認し、次にコード・プログレッション、さらにコードとスケールへ進む。
手を動かして初めて定着するという設計なんですよ。
橘ナナミ
分数コードって、前に本で見て「なんとなく上に違うベースが乗るやつ」くらいの理解で止まっていたんですけど、ドリルなら整理できそうですね。
佐藤メバル
ええ。ただ解説より問題が中心なので、わからないところは他の理論書に戻る前提で使ってください。あと、これは特定の楽器のためではなく、弦楽器・鍵盤・管楽器と幅広く想定されています。
セッションの前に腕試しする、という使い方も面白いですよ。
コードネーム徹底克服! ピアノ伴奏ドリル1 〜しっかり身につく基本のコードネーム〜 基礎編
折田信枝 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥1,650(税込)
コード奏法を取り入れたピアノ・レッスンのために作られたドリルです。1つの調を1つの家族に見立て、3人家族=主要3和音のイメージから入るのが特徴で、主要3和音を弾いて覚える「カデンツ★プラクティス」、付録の解説付き「5度圏表」、目で見てわかる「ピアノ鍵盤展開図」など、基本の要素を体で覚える工夫が詰まっています。きらきら星やどんぐりころころなど親しみのある曲で、2つ・3つのコードの進行を練習します。
こんな人におすすめ
コードネームを見て伴奏したい人、ピアノ講師や保育士など教える立場の人、クラシックからポピュラーへ広げたい人。楽譜どおり弾くのは得意でもコードは苦手という人に。
良い点
- 主要3和音から無理なく入れる
- 鍵盤展開図と5度圏表が便利
- なじみのある曲で練習できる
気になる点
- 基礎編で扱いはやさしい
- 伴奏の自由度は限られる
- ピアノ以外には使いにくい
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2022年07月28日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「1つの調を1つの家族に見立てて、3人家族=主要3和音」っていう説明、なんだか急に親しみやすく感じます。
コードって数字とアルファベットの羅列で身構えてました。
佐藤メバル
その喩えがこの本の入り口です。まず主要3和音を家族として耳と手に覚えさせる。カデンツ★プラクティスで繰り返し弾き、巻末の5度圏表や鍵盤展開図で視覚的にも確認できる。
コード奏法は感覚と理屈の両輪なんですよ。
橘ナナミ
収載曲が30曲あるんですね。きらきら星みたいな知っている曲で練習できると、進んでいる実感が出そうです。
佐藤メバル
ええ、そこがいい。2つのコード、3つのコードで弾ける曲から始めて、移調にも触れていきます。巻頭には終止形と伴奏付けのコツも解説されています。
保育の現場でメロディーとコードネームだけ渡されて弾く、という場面を想像しながら取り組むと、ぐっと身近になりますよ。
ギター音楽理論 〜コードワーク編〜
矢萩秀明 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
¥2,860(税込)
「理論は実践できてこそ意味がある」と語る理論派ギタリストによる、ギタリストのための音楽理論書です。第1章で5ベーシックコードから分数コード、パワーコード、カッティング向きの4ノートコード、開放弦を使ったコードまでコードフォームを研究。以降、クローズ/オープンボイシング、4th・5thビルドコード、代理和音、ガイドトーン、ハーモナイズドスケール、スタイルごとのボイシングまで踏み込みます。
こんな人におすすめ
コードの引き出しを増やしたいギタリスト、バッキングやコンピングを磨きたい人、アレンジに関わる人。同じコードでも響きを選べるようになりたい人に向きます。
良い点
- コードフォームを網羅的に研究
- ボイシングと代理和音が厚い
- スタイル別の分析が付く
気になる点
- コード以外の基礎は前提とされる
- 価格はやや高め
- 紙面は譜例が中心
出版社
ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
発売日
2023年05月17日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ギターの本なのに、いきなり「コードフォーム研究」から始まるのが面白いですね。コードを覚える、じゃなくて研究なんですか。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の性格です。5ベーシックコードから、分数コード、パワーコード、カッティング向きの4ノート、ミュート向きの3ノート、開放弦を使ったものまで、同じ和音をどう配置するかを徹底的に見ていく。
同じコードでも響きが違うことを、手の形と音で確かめられるんですよ。
橘ナナミ
ボイシングって、私まだ言葉の意味があいまいなんですけど……和音の並べ方のことでしょうか?
佐藤メバル
そのとおりです。和音の構成音をどう並べるか、です。クローズとオープンの違い、4thや5thを積んで作るコード、さらにガイドトーンを使ったバッキングやリハーモナイズまで進みます。
最後はロック、ブルース・ゴスペル、R&B、ジャズ、サルサ、ボサ、バラードと、スタイルごとのボイシングを分析する。実践に直結する保存版ですよ。
指板だから腑に落ちる!ギタリストが知っておくべき音楽理論30選
竹内一弘 著|シンコーミュージック・エンタテイメント
¥2,420(税込)
ギターの指板という見える場所で理論を理解する、30項目の理論集です。ディグリー、ダイアトニック・コード、テンション、コードの成り立ち、2音間インターヴァルから始まり、オープン・コード、コンパウンド・コード、アッパー・ストラクチャー・トライアド、スケールの覚え方、ハーモニック/メロディック・マイナー、ブルーノート、コード・スケール、代理コード、ケーデンス、ツー・ファイヴ、セカンダリー・ドミナント、クリシェ、モードやポリリズムまで一冊でたどれます。
こんな人におすすめ
理論を指板と結びつけたいギタリスト、スケール練習が暗記で止まっている人、アドリブや作曲の材料を増やしたい人。セッションで使える引き出しが欲しい人に。
良い点
- 指板と理論が結びつく
- 30項目で網羅性が高い
- 奏法と理論を横断する
気になる点
- 項目が多く駆け足に感じることも
- 完全な初心者には速い
- ギター限定の内容
出版社
シンコーミュージック・エンタテイメント
発売日
2023年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「指板だから腑に落ちる」って、つまり理論を指の位置で覚える、という意味なんでしょうか?
佐藤メバル
近いですが、もう少し深いです。ディグリーやダイアトニック・コードを、指板上の形として見られるようにする。
頭の中だけで「この音は3度」と数えるより、指板に浮かび上がる形として掴むほうが早い。それを30項目ぶん積み上げる本なんですよ。
橘ナナミ
スケールの覚え方、という項目もありますね。「音の配置を覚えるだけの練習は卒業し」って、これは刺さる人が多そうです。
佐藤メバル
刺さりますよ。ハーモニック・マイナーやメロディック・マイナー、ペンタトニック、ブルーノート、コード・スケール、アウト・フレーズまで進みます。
後半は代理コードやターン・バック、ペダル・ポイント、クリシェ、転調、そしてモードやポリリズムと、作曲やアドリブの材料が続く。索引も付いていて辞書的にも使えます。
創作和声
物部一郎 著|音楽之友社
¥6,160(税込)
和音と和声の基礎から、実際に書く段階までを段階的に積む実習本位の和声法の本です。三和音の基本形と転回形、主要三和音と副三和音、禁則、数字付き和声から始まり、属七と副七、借用属七、転調、掛留、ナポリタン六の和音、増六度和音へ。後半は開離4声体、九・十一・十三の和音、楽曲・総譜和声と進み、ジャズコードにも触れます。実習課題が各段階に付くのが特徴です。
こんな人におすすめ
和声法を体系的に学びたい人、作曲や編曲で4声体を書きたい人、音大入試や和声課題に取り組む人。独学で一度挫折した和声に再挑戦したい人にも向きます。
良い点
- 段階を追った実習構成
- 借用和声や転調まで厚い
- ジャズコードにも触れる
気になる点
- 価格が高め
- 初学者には難所が多い
- 内容はクラシック和声が中心
出版社
音楽之友社
発売日
1985年04月01日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
6160円……正直、価格にびっくりしました。でも「実習課題」が段階ごとに付いているんですね。読み物というより問題集に近いんでしょうか?
佐藤メバル
これは読み物ではなく、書いて身につける本です。三和音の基本形から入り、転回形、属七、副七、借用和声、転調、掛留、ナポリタン、増六度と、段階ごとに課題が出ます。
手を動かさないと意味がない作りなんですよ。
橘ナナミ
禁則とか数字付き和声とか、聞いたことはあるけど触れたことがなくて。独学だとハードルが高いですか?
佐藤メバル
高いです。だからこそ各段階の説明と作例、実習課題が丁寧に置かれている。一度挫折した人が再挑戦するなら、この構成が助けになります。
後半は開離4声体や九・十一・十三の和音、楽曲・総譜和声、ジャズコードまで触れるので、和声の全体像がつかめる。腰を据えて取り組む一冊です。
ラモー氏の原理に基づく音楽理論と実践の基礎
ジャン・ル・ロン・ド・アランベール 著|春秋社(千代田区)
¥6,050(税込)
『百科全書』の編纂者ダランベールが、ラモーの難解な理論を平易にまとめた1752年刊の入門書を、本邦初訳で読める一冊です。導入部で旋律・和音・和声・音程といった用語を定義し、第1巻では和声理論として、調の起源や最も自然な旋律、最も完全な和声の起源、5度連鎖と守るべき法則などを扱います。第2巻は作曲の主要な規則。今の理論がどこから来たのかをたどれる歴史的文献です。
こんな人におすすめ
音楽理論の歴史に関心がある人、ラモーやダランベールの思想を読みたい人、和声理論の原典に触れたい人。なぜそう決まったのかを原典から知りたい人に向きます。
良い点
- 歴史的文献の邦訳として貴重
- 用語の定義から丁寧に始まる
- 和声理論の源流に触れられる
気になる点
- 価格がかなり高い
- 現代の実用書ではない
- 古い語彙で記述は硬い
出版社
春秋社(千代田区)
発売日
2012年07月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1752年刊の本が今読めるんですね。しかも『百科全書』のダランベールがラモーの理論をまとめたもの、というのがすごいです。
佐藤メバル
音楽理論の源流の一つです。ラモーの理論は難解で知られていて、それをダランベールが平易にまとめた。導入部で旋律や和音、和声、音程を定義し、第1巻で調の起源や5度連鎖、第2巻で作曲の規則へ進みます。
今の理論の前提がどこで作られたかが見えるんですよ。
橘ナナミ
5度連鎖って、今の禁則の話とつながるんでしょうか? 禁止される理由を昔の考え方から知れるなら面白いです。
佐藤メバル
つながります。なぜ禁じられるのかを、当時の考え方から確認できる。ただ、現代の実用書ではないので、コード進行を今すぐ使いたい人には向きません。
価格も含めて、原典を読みたい人が覚悟を持って手に取る本です。それでも理論史に興味があれば、一度は触れておきたい一冊ですよ。
音楽の理論と表現
共同音楽出版社
¥1,650(税込)
教育・保育における表現を出発点に据えた理論の本です。幼稚園教育要領や保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領、五つの領域、領域「表現」のねらいと内容、小学校学習指導要領の音楽編を押さえたうえで、楽譜の書き方、音名、音符と鍵盤の位置、リズム、拍子、音程、音階、調号、移調、コードへと進みます。「教えて!マエストロ!!」のコラムで歴史や由来にも触れ、最後は保育者・教師としての歌い方まで扱います。
こんな人におすすめ
保育士・幼稚園教諭・小学校教諭を目指す学生、現場で音楽活動を担う人、子どもの声域に合わせた移調を考えたい人。コードネームから伴奏を作りたい人にも。
良い点
- 教育・保育の文脈で学べる
- 移調の解説が実践的で厚い
- 声の出し方までカバーする
気になる点
- 作曲理論としては限定的
- 資格試験の網羅性は別書が上
- 内容は教育関係者向け
出版社
共同音楽出版社
発売日
2020年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「教えて!マエストロ!!」っていうコラムがいくつもあるんですね。ドレミと五線譜の誕生とか、音名はどうしてハニホ?とか、雑学っぽくて読みたくなります。
佐藤メバル
そこが楽しいところです。理論を覚える前に、なぜそうなっているのかを知れる。しかもこの本は、保育所保育指針や小学校学習指導要領の音楽編から出発して、表現の領域と結びつけて理論を並べています。
現場で何に使うかから逆算した構成なんですよ。
橘ナナミ
移調の項目が細かいのも、子どもの声域に合わせるためなんですね。大人が歌いやすい高さと、子どもが歌いやすい高さは違いますもんね。
佐藤メバル
まさにその通りです。調号の移調、臨時記号つきの音符の移調、子どもに合わせる移調、と段階を分けて説明しています。
最後には疲れにくい声の出し方や音声障害の話まで。保育や教育の場で音楽を担う人にとって、理論と実践が地続きになる一冊です。
音楽の理論
門馬直美 著|講談社
¥1,441(税込)
ベートーヴェンの「田園」がなぜ穏やかな感興をもたらすのか、バッハの紡いだ旋律の根幹は何か。そうした問いから入る、評論の泰斗による体系的な音楽理論書です。バロック以前から無調・多調音楽まで、数多くの名曲の譜例を採りながら、和声・リズム・旋律・対位法・形式・転調の真髄を説きます。和声や対位法、形式の寄せ集めではなく、一つの体系として組み上げた点を著者自身が強調しています。
こんな人におすすめ
クラシックを聴くだけでなく理屈から味わいたい人、和声・対位法・形式を一貫して学びたい人、音楽史と理論を結びつけたい人。なぜこの曲はこう響くのかを考えたい人に。
良い点
- 豊富な譜例で体系をたどれる
- 和声から形式まで一貫している
- 記述が読み物としても魅力的
気になる点
- 譜例の読解力が前提になる
- 長大で気軽には読めない
- ポピュラーの実用には向かない
出版社
講談社
発売日
2019年09月12日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「なぜベートーヴェンの田園は穏やかな感興をもたらすのか」——この一文だけで引き込まれました。理論書なのに、問いかけから始まるんですね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の特別なところです。バロック以前から無調・多調音楽まで、数多くの名曲の譜例を採りながら、和声・転調・リズムと旋律・対位法・形式を一つの体系として説いていく。
寄せ集めではなく体系だと著者自身が書いているとおりの骨太さです。
橘ナナミ
375もの譜例が載っているんですよね。そこまでするから、聴いたことのある曲で理屈が確認できるんですね。
佐藤メバル
ええ。ただし譜例を読む力は前提になります。楽典の基礎がないまま開くと、ただの音符の山に見えてしまう。
逆に、ある程度読める人なら、聴き慣れた曲がなぜそう響くのかに答えをもらえる。長く付き合う一冊です。ポピュラーの伴奏を今すぐ作りたい人には向きませんが、音楽の見方が変わる本ですよ。
迷わないための学習ロードマップと「併読」の組み方
橘ナナミ
結局、何をどの順番で読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
基本は3段階です。第1段階は楽典——『初心者からはじめる楽譜の読み方』や『1日5分ではじめる楽典 超入門』で、音符・拍子・調号・音程を「読める」状態にする。第2段階でコードへ。『OzaShinの誰でもわかる 音楽理論入門』は基礎編と応用編に分かれ、ダイアトニックコードからツーファイブワン、裏コードまで進むので、この段階の背骨になります。第3段階で自分のジャンルに特化した一冊へ、という流れです。
橘ナナミ
1冊ずつ終わらせていく感じですか?
佐藤メバル
併読もおすすめです。たとえば『マンガでわかる! 音楽理論』で音程と倍音の感覚をつかみ、同じ時期に『一目瞭然!目からウロコの楽典』で問題を解く。読む本と手を動かす本を1冊ずつ持つと、理解が定着しやすい。逆に、和声学の専門書を入門期に開くと、禁則や数字付き和声の説明で止まりがちです。順番は守ったほうが安全ですよ。
本を選ぶときに見ておきたい4つの指標
橘ナナミ
難易度って、ぱっと見でわかりますか?
佐藤メバル
私は4つ見ます。ひとつは前提知識の量。『よくわかるやくにたつ ザ・楽典』は「読みやすくわかりやすい」を狙って編まれた入門書で、辞書的に引ける構成。『創作和声』は実習課題を積み上げる本格的な和声学で、向き合い方がまるで違います。
橘ナナミ
残りの3つは?
佐藤メバル
2つめは練習問題の質と量。『一目瞭然!目からウロコの楽典』は解答に解き方ヒントが付き、『解いて学ぶ!水野式コード理論ドリル』はクイズ形式でコード・プログレッション・スケールを確認できます。3つめは著者の背景。音高・音大進学者を出している教室主宰者がレッスン用に作った本、人気動画チャンネル発の本、理論派ギタリストが書いた本——誰に向けて書かれたかが構成に表れます。4つめは情報の新しさ。版が古い本は用語や表記が今と違うことがあるので、改訂版が出ていないか確認しましょう。
橘ナナミ
動画やネットの情報と組み合わせるのはありですか?
佐藤メバル
大いにありです。『1日5分ではじめる楽典 超入門』は本文と連動した動画が前提に置かれ、『初心者からはじめる楽譜の読み方』は掲載譜に音源が付いています。ただし、動画だけでは体系がつながらない。本で骨組み、動画で耳の確認、という役割分担がちょうどいい。読了後の次のステップは、学んだ和音で短い進行を自分で書いてみること。分析なら、好きな曲の楽譜を1曲、調とコード進行を書き出してみる。ここまでやると、次の一冊が自然に見えてきます。
よくある質問
音楽理論の勉強は何から始めればいいですか?
橘ナナミ
音楽理論の勉強は何から始めればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず楽典、つまり楽譜を読むための基礎から始めるのが順序として無理がありません。音符・拍子・音程・調号を押さえてから、コード理論へ進みます。『OzaShinの誰でもわかる 音楽理論入門』のように、楽譜の読み方からコード理論・スケール理論まで段階を踏む構成の本なら、1冊でその流れをたどれます。
音楽理論本は1冊で足りますか?
橘ナナミ
音楽理論本は1冊で足りますかについて教えてください。
佐藤メバル
目的がはっきりしていれば1冊で通せることもあります。講義CDつきで「楽譜を読み解き、作曲をする」までをジャンル横断で解説する『よくわかる音楽理論の教科書』は、一冊通し型の代表です。ただし楽典と理論は役割が違うので、読む本と手を動かす問題集を1冊ずつ持つ形が現実的です。
初心者におすすめの音楽理論本は?
橘ナナミ
初心者におすすめの音楽理論本はについて教えてください。
佐藤メバル
『マンガでわかる! 音楽理論』はマンガで基礎に触れてから解説文で深める作りで、理論書で挫折した経験がある人に向いています。『初心者からはじめる楽譜の読み方』は掲載譜に音源が付き、項目ごとのふりかえり問題で確認できます。『1日5分ではじめる楽典 超入門』も1日5分から始められる日割り構成です。
独学で音楽理論を学ぶにはどの本がいいですか?
橘ナナミ
独学で音楽理論を学ぶにはどの本がいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
独学は「音が確認できるか」が勝負です。『1日5分ではじめる楽典 超入門』は連動したレッスン動画があり、紙面だけでは伝わりにくい部分を耳で確かめられます。『初心者からはじめる楽譜の読み方』も全譜例に音源コードが付いています。耳で確かめながら進めると、独学でも迷子になりにくいです。
作曲に役立つ音楽理論本は?
橘ナナミ
作曲に役立つ音楽理論本はについて教えてください。
佐藤メバル
コード進行を組み立てる力が要るので、コード理論を段階的に積む本が向きます。『現代のポピュラー・ミュージック・セオリー改訂新版』はトライアドからケーデンス、テンション、リハーモナイズまで段階を追います。『ポピュラー音楽理論改訂版』もコードとスケールの相互関係から活用方法まで扱う定番の教科書です。
楽典と音楽理論の本の違いは?
橘ナナミ
楽典と音楽理論の本の違いはについて教えてください。
佐藤メバル
楽典は楽譜を読み書きするためのルールを扱う領域で、音符・休符・拍子・調号・記号が中心です。一方の音楽理論は、なぜその和音がそう響くのか、どう進行すると感じるのかを考える領域。楽典で「読める」状態を作り、その上に理論を乗せると理解がつながります。
電子書籍で読める音楽理論本は?
橘ナナミ
電子書籍で読める音楽理論本はについて教えてください。
佐藤メバル
配信状況は書名ごとに違うため、購入前に各ストアで確認するのが確実です。なお楽典や和声の本は図解と譜例が多く、書き込みや見開きでの比較を考えると紙が向く場合もあります。まず紙で読み、持ち歩き用に電子版を検討するのも一案です。
絶版になった音楽理論本はどうすれば?
橘ナナミ
絶版になった音楽理論本はどうすればについて教えてください。
佐藤メバル
古い楽典書や和声学の専門書は在庫が薄くなっていることがあります。まず図書館で確認し、同じ内容の改訂版や新装版が出ていないかも調べましょう。本文が同一で判型違いの版が存在する本もあるので、中古を買う前に版の情報を突き合わせておくと安心です。
まとめ
橘ナナミ
話を聞いていて、少し安心しました。全部を一気に理解しなくていいんですね。
佐藤メバル
そうです。音楽理論は覚える科目というより、聴き方が更新されていく体験です。最初は「ドミナントモーション」と言われても記号にしか見えない。でも本を1冊読み切ると、好きな曲のサビ前で「あ、ここで引っ張ってる」と感じられる瞬間が来る。その瞬間がいちばん楽しいんですよ。
橘ナナミ
その感覚、わかる気がします。高校の古文で助動詞を覚えた途端に、急に読めるようになったときと似てるかも。
佐藤メバル
いいたとえだね。ただ、音楽は古文と違って音が正解を教えてくれます。だから独学でも進める。音源や動画が付いた本を選ぶのは、そのためです。
橘ナナミ
逆に、挫折しがちなポイントってどこですか?
佐藤メバル
音程と調号のあたりで一回、コードのテンションで二回、転調で三回。多くの人がそこで本を閉じます。だから最初の一冊は、図解が多くて問題が解けるものを。わからないまま次章へ進むより、戻れる本のほうが強い。
橘ナナミ
では最後に、これから始める人へひとことお願いします。
佐藤メバル
音楽理論の本は、答えを配る辞書ではなく、音を聴くための度の合った眼鏡だと思ってください。度が合わない眼鏡をかけ続けると頭が痛くなる。だから入門書で自分の度数を確かめて、少しずつレンズを替えていく。焦らず、自分の目に合う一冊から始めれば大丈夫です。
