クラシック音楽史の本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】

監修

佐藤メバル

佐藤メバル

@shelfy_mebaru

編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ

橘ナナミ

@medias_nanami

編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。

最終更新: 2026年10月

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、今月のテーマが「クラシック音楽史の本」なんですけど……正直、どこから手をつけていいか分からなくて。書店の棚を見たら、通史も図鑑も作曲家の伝記も並んでいて、全部同じものに見えてしまいました。

佐藤メバル

佐藤メバル

いいところに気づいたね。まず大事なのは、音楽史の本は一冊で完結しないということ。たとえば全体像を図でつかむなら『西洋音楽史大図鑑』、因果関係のストーリーとして追うなら『つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史』。どちらも通史だけれど、役割はまったく違うんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……! 「最初の一冊を選べば終わり」ではないんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。読む人の目的で入口が変わる。だからこの記事では、選び方の軸を整理してから、実際の本を見ていこう。

橘ナナミ

橘ナナミ

はい、お願いします!

クラシック音楽史の本の選び方

目的別に選ぶ

佐藤メバル

佐藤メバル

いちばん大事な軸がこれ。「とりあえず流れをつかみたい」なら、近藤譲『ものがたり西洋音楽史』が読みやすい。中世の教会音楽からモダニズムまでを、物語として一気に眺められる。文庫サイズで手に取りやすいのもいい。

橘ナナミ

橘ナナミ

じゃあ「音楽を文化として読みたい」ときは?

佐藤メバル

佐藤メバル

岡田暁生『西洋音楽史講義』だね。「古楽・クラシック・現代音楽」という三つの画期から千年を通史として描いていて、好みや感性ではなく具体的・分析的に聴くためのヒントが詰まっている。歴史の事件から入るなら片山杜秀『革命と戦争のクラシック音楽史』、西原稔『新版 クラシックでわかる世界史』も面白い。聴きどころを磨きたいなら礒山雅『バロック音楽名曲鑑賞事典』のような名曲解説の本が効くよ。

レベル別に選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

楽譜が読めない人は、どのあたりから入るのがいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

それでいうと、久保田慶一『決定版 はじめての音楽史』は西洋音楽と日本音楽の両方を扱っているのが珍しくて、楽譜が読めなくても通読できる。山崎圭一『人生が楽しくなる 西洋音楽史入門』は歴史の流れと曲を同時に紹介するタイプだね。

橘ナナミ

橘ナナミ

中級に進んだら?

佐藤メバル

佐藤メバル

用語と年表を押さえる段階では、津上英輔・赤塚健太郎『西洋音楽史〔新訂〕』や村田千尋『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』が向いている。図表で整理されているから頭の中に地図が描ける。さらに踏み込むなら、広瀬大介『楽譜でわかるクラシック音楽の歴史』のように譜例を数多く載せた本が、入門と原典の間を埋めてくれる。

形式別に選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

活字が苦手な人には何がありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

『まんが音楽の歴史 バロック〜古典派〜ロマン派』はまんがと年表と解説のセットで、世界史と音楽史がつながって見える。ピアノを弾く人なら『すぐわかる! 4コマピアノ音楽史』もいい。作曲家の人物像から入るなら、やまみちゆか・飯尾洋一『クラシック作曲家列伝』や萩谷由喜子『1冊でわかるポケット教養シリーズ クラシックの作曲家たち』が読みやすいよ。

音源との併走と入手性で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

本を読みながら音を聴けると、記憶に残りそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは形式で選ぶと失敗しにくい。長沼由美・二藤宏美『大人の音楽史入門[改訂版]』は参考音源のCDが付いているし、山崎圭一の本はQRコードから聴きどころに飛べる。久保田慶一『解きながら楽しむ 大人の西洋音楽史』は音源リンク付きのワークブックで、手を動かしながら進められる。

橘ナナミ

橘ナナミ

予算や置き場所も気になります……。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは入手性の軸。文庫の『西洋音楽史講義』『ものがたり西洋音楽史』は手頃で、改訂版が出ている本は年表や収録曲が新しくなっていることもある。版を確認してから選ぶと安心だよ。

クラシック音楽史の本をひと目で比較

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず

#画像名称おすすめ対象価格一言
1
西洋音楽史大図鑑
西洋音楽史大図鑑棚に一冊置いておきたい人、気になった作曲家をその場で引ける事典が欲しい人、図版で視覚的に時代の流れをつかみたい人、クラシックをたまに聴く程度から一歩踏み込みたい人に。子どもと一緒に眺めるのにも向きます。¥4,840図解でたどる千年の通史
2
つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史
つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史西洋音楽史の入門書を何冊か読んでも流れがつかめなかった人、宗教や社会と音楽の関係から理解したい人、ギリシャ神話やキリスト教の基礎知識も一緒に押さえたい人に。オペラの成り立ちを重点的に知りたい人にも。¥2,420「そもそも」から説く音楽史
3
ものがたり西洋音楽史
ものがたり西洋音楽史音楽史を物語のように通して読みたい人、持ち歩けるサイズの一冊が欲しい人、演奏法や作曲法の変化にも関心がある人、まず一冊通読して流れをつかみたい人に。章題から内容が想像できるので拾い読みもしやすい。¥1,100物語として読む千年の音楽史
4
人生が楽しくなる 西洋音楽史入門
人生が楽しくなる 西洋音楽史入門世界史の授業が苦手だったけれど音楽から入り直したい人、聴いたことのある曲と時代を結びつけたい人、音を確かめながら読み進めたい人に。学生の復習や、教養をやり直したい社会人にも向きます。¥1,980歴史と音楽を同時に学ぶ入門
5
大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]
大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]耳で確かめながら音楽史を覚えたい人、年表で世界史と日本史と並行して整理したい人、「名前は聞いたことがある」という段階から始めたい人に。ピアノを習っている人の副読本にも。¥2,420CD付きで聴きながら学ぶ

クラシック音楽史の本のおすすめ人気ランキング

橘ナナミ

橘ナナミ

一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!

佐藤メバル

佐藤メバル

よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

西洋音楽史大図鑑
1

西洋音楽史大図鑑

スティーヴ・コリッソン 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

¥4,840(税込)

4.8

豊富な図版とイラストで、作曲家の人生、作曲技法の変遷、作品の成り立ちを解説する一冊です。イギリスのDorling Kindersleyが手がける「BIG IDEAS SIMPLY EXPLAINED」シリーズで、初期の単旋聖歌から現代のミニマリズムまでを時代ごとに追います。「はじめて真のオペラを書いたのは誰?」といった素朴な疑問から入り、重要な作品が西洋音楽の発展に与えた影響を分析する構成が特徴。用語事典としても読める厚みがあり、通読と辞書引きの両方に使えます。

こんな人におすすめ

棚に一冊置いておきたい人、気になった作曲家をその場で引ける事典が欲しい人、図版で視覚的に時代の流れをつかみたい人、クラシックをたまに聴く程度から一歩踏み込みたい人に。子どもと一緒に眺めるのにも向きます。

良い点

  • 図版とイラストが豊富
  • 疑問から入る構成で読みやすい
  • 単旋聖歌から現代まで網羅

気になる点

  • 大型本で持ち歩きにくい
  • 価格はやや高め
  • 通読には時間がかかる

出版社

ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

発売日

2021年12月27日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、この『西洋音楽史大図鑑』、表紙からしてもう図鑑なんですね。4840円……けっこうどっしりした本ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

どっしりしています。イギリスのDorling Kindersleyという、図鑑や事典で知られた出版社の「BIG IDEAS SIMPLY EXPLAINED」シリーズの一冊で、豊富な図版とイラストで作曲家の人生や作曲技法の変遷、作品の成り立ちを解説しています。

「はじめて真のオペラを書いたのは誰?」といった疑問から入り、初期の単旋聖歌から現代のミニマリズムまでを追う構成です。

橘ナナミ

橘ナナミ

疑問から始まるの、いいですね。「この曲のことは?」と思ったときに開く使い方でも大丈夫ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

もちろんです。目次が「初期の音楽」「バロック」「古典派」「ロマン派」と時代で区切られているので、気になる時代を拾い読みできます。

たまにクラシックを聴く人にも、熱烈なファンにも、読み終えるころにはクラシック音楽への理解が深まるつくりですよ。

つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史
2

つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史

岸本宏子 著|アルテスパブリッシング

¥2,420(税込)

4.7

クラシック音楽はどこから来てどこへ向かうのか。神の音楽から人の音楽へ、そして世界音楽の時代へという因果関係のストーリーで西洋音楽史を解きほぐします。序章では「西洋とは」「古代ギリシャの音楽観」「ユダヤ教・キリスト教・イスラム教」から始まり、中世・ルネサンス、バロック・古典派、ロマン派から現代までの3部構成。作曲家の伝記を並べるだけでは見えない背景を、面白かわいいイラスト入りのコラムとともに解説します。

こんな人におすすめ

西洋音楽史の入門書を何冊か読んでも流れがつかめなかった人、宗教や社会と音楽の関係から理解したい人、ギリシャ神話やキリスト教の基礎知識も一緒に押さえたい人に。オペラの成り立ちを重点的に知りたい人にも。

良い点

  • 「そもそも」から説明してくれる
  • コラムのイラストが楽しい
  • 因果関係で流れがつかめる

気になる点

  • やや硬派な記述が多い
  • 入門には分量が多い
  • 図版は挿絵中心

出版社

アルテスパブリッシング

発売日

2020年10月23日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

タイトルに「つながりと流れがよくわかる」ってありますけど、音楽史の本って、作曲家の名前を覚えるだけになりがちじゃないですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを変えようとした本です。序章で「西洋とは何か」「古代ギリシャの音楽観とは」から始めて、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教という三つの宗教が音楽に与えた影響を押さえる。

そのうえで中世・ルネサンス、バロック・古典派、ロマン派から現代へと、原因と結果の物語としてつないでいきます。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。音楽だけじゃなくて、宗教の話から入るんですね。コラムにイラストがついているのも助かりそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、重要トピックのコラムには面白かわいいイラストが載っていて、そこで息継ぎができます。作曲家や作品のカタログではなく、西洋音楽がどう変わってきたかを初心者にも理解できるように書いた本なので、最初の一冊にちょうどいいと思いますよ。

ものがたり西洋音楽史
3

ものがたり西洋音楽史

近藤譲 著|岩波書店

¥1,100(税込)

4.6

岩波書店から出ている、比較的手に取りやすい価格の通史です。中世の教会音楽、ルネサンスの多声音楽、オペラが生まれたバロック、そして「芸術としての音楽」が追究された古典派・ロマン派・モダニズムへ。時代を代表する作曲家と作品、演奏法や作曲法、音楽についての考え方の変遷をたどります。「音楽は聖句の乗りもの」「言葉を収める音の伽藍」など、章題そのものが読みどころを示してくれる構成です。

こんな人におすすめ

音楽史を物語のように通して読みたい人、持ち歩けるサイズの一冊が欲しい人、演奏法や作曲法の変化にも関心がある人、まず一冊通読して流れをつかみたい人に。章題から内容が想像できるので拾い読みもしやすい。

良い点

  • 物語のように読める通史
  • 価格が手頃で持ち歩ける
  • 作曲家と作品をバランスよく扱う

気になる点

  • やや硬めの文体
  • 図版や譜例は少なめ
  • 入門者には説明不足の箇所も

出版社

岩波書店

発売日

2019年03月21日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『ものがたり西洋音楽史』……岩波書店で1100円。タイトルに「ものがたり」とあるけど、小説みたいに読めるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

近藤譲さんの筆で、章題がまず魅力的です。「音楽は聖句の乗りもの」「言葉を収める音の伽藍」「音楽の劇場」「芸術としての音楽」。

中世からモダニズムまでを一続きの物語としてたどっていきます。

橘ナナミ

橘ナナミ

伽藍って、教会建築のことですよね。音楽を建築にたとえているのが面白いです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう比喩が随所に出てきます。演奏法や作曲法、音楽についての考え方がどう変わったかまで触れているので、作曲家の名前を覚えるだけの年表より頭に残りやすい。

まず一冊通して読みたい人に向いています。

人生が楽しくなる 西洋音楽史入門
4

人生が楽しくなる 西洋音楽史入門

山崎圭一 著|PHP研究所

¥1,980(税込)

4.4

教育YouTuberのムンディ先生こと山崎圭一さんが、ヨーロッパを中心とした歴史と音楽の歴史を同時に紹介する入門書です。太古・古代から中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、20世紀前半、戦後の世界まで10章立て。歴史のストーリーと、その時代の事件や人物を題材にした曲、生きた作曲家と代表曲を並べて解説します。紹介曲にはYouTube動画のQRコードが付き、聴きどころから再生できます。

こんな人におすすめ

世界史の授業が苦手だったけれど音楽から入り直したい人、聴いたことのある曲と時代を結びつけたい人、音を確かめながら読み進めたい人に。学生の復習や、教養をやり直したい社会人にも向きます。

良い点

  • QRコードで音を確認できる
  • 世界史と音楽史が並行して学べる
  • 知っている曲から入れる

気になる点

  • YouTube視聴が前提の構成
  • 図版は多くない
  • 深い音楽分析は少なめ

出版社

PHP研究所

発売日

2023年08月09日

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

あ、これムンディ先生の本ですよね! 教育系YouTuberの方。『人生が楽しくなる 西洋音楽史入門』って、タイトルからして気楽そう。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、歴史のストーリーと、その時代の事件や人物を題材にした曲をセットで紹介しています。太古・古代から戦後の世界まで10章。

曲のQRコードを読み込むとYouTubeの聴きどころから再生されるので、読みながら音が確かめられます。

橘ナナミ

橘ナナミ

「これ、聴いたことある!」「この曲ってこの時代だったんだ」って発見が多そうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが狙いです。ヨーロッパを中心とした歴史と音楽の歴史を両方いっぺんに紹介する本は意外と少ない。作曲家の代表曲も押さえられるので、まず耳から入りたい人の入口になりますよ。

大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]
5

大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]

長沼由美 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

¥2,420(税込)

4.3

15年以上読まれている『大人の音楽史入門』の改訂版です。巻頭に西洋音楽史・世界史・日本史の対照年表があり、作曲家が生きた時代の日本や世界の出来事と並べて眺められます。時代背景や作曲家の人生を追いながら、付属CDの参考音源で有名な名曲を実際に聴ける構成。収載曲は49曲で、改訂にあたって年表と収録曲の一部も見直されています。

こんな人におすすめ

耳で確かめながら音楽史を覚えたい人、年表で世界史と日本史と並行して整理したい人、「名前は聞いたことがある」という段階から始めたい人に。ピアノを習っている人の副読本にも。

良い点

  • 参考音源のCDが付属
  • 世界史・日本史との対照年表
  • 作曲家の人生まで踏み込む

気になる点

  • CD再生環境が必要
  • 記述は時代ごとに要約的
  • 価格は中位

出版社

ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

発売日

2024年11月26日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『大人の音楽史入門』の改訂版、CD付きなんですか。49曲も入っていると、聴きながら読めますね。

佐藤メバル

佐藤メバル

巻頭の「西洋音楽史・世界史・日本史対照年表」が便利で、作曲家が生きた時代に日本や世界で何が起きていたかが一目でわかります。

「この曲だったのか!」という発見を狙った構成で、CDで音を確かめながら読み進められますよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

作曲家の人生も書いてあるんですか? 名前と曲だけだと、どうしても覚えられなくて。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを丁寧に追っています。ジョスカン・デ・プレ、パレストリーナから、ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてロマン派・近現代まで。

時代背景と人生をセットで読むと、記憶に残り方が違いますよ。

決定版 はじめての音楽史
6

決定版 はじめての音楽史

久保田慶一 著|音楽之友社

¥2,200(税込)

4.1

20年以上売れ続けている音楽史入門書の決定版です。第1部で古代ギリシャから20世紀までの西洋音楽史、第2部で日本音楽史、第3部で日本の現代音楽と現代邦楽を扱うのが大きな特徴。西洋史と日本史の両方を一冊で学べる構成は類書にありません。今回は本文の改訂ではなく、章間の5箇所に書き下ろしコラム「もうひとつの音楽史」が加わり、音楽理論・音楽と社会・音楽の職業・記譜法・音楽メディアを俯瞰します。

こんな人におすすめ

日本の伝統音楽と西洋音楽を並べて理解したい人、大学・高校の授業の副読本を探している人、記譜法や音楽メディアの歴史にも関心がある人に。邦楽や能・狂言まで視野に入れたい人に向きます。

良い点

  • 西洋と日本を一冊で扱う
  • 授業のテキストにも使える
  • 俯瞰的なコラムが5本

気になる点

  • 執筆者が多く文体に差
  • ページ数は多め
  • 図版は控えめ

出版社

音楽之友社

発売日

2017年08月30日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

あれ、この本、第2部が「日本音楽史」になってますね。西洋音楽史の入門書なのに、日本の話も入っているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが独自性です。第1部が古代ギリシャから20世紀までの西洋音楽史、第2部が日本音楽史、第3部が日本の現代音楽と現代邦楽。

西洋と日本の両方を一冊で扱う入門書はなかなかありません。

橘ナナミ

橘ナナミ

能と狂言とか、近世の三味線文化なんかも入っているんですね。授業で使えそう。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、大学や高校の授業にも取り入れやすい構成です。決定版では章と章の間に久保田慶一さんの書き下ろしコラムが5本入って、音楽理論、音楽と社会、音楽の職業、記譜法、音楽メディアを横から眺められます。

西洋音楽史講義
7

西洋音楽史講義

岡田暁生 著|KADOKAWA

¥1,210(税込)

4.1

放送大学のテキストとして書かれた本を加筆・修正し、文庫化した一冊です。今日の世界標準となったドレミファ音階や拍子、ハーモニーが西洋音楽史の中でどう生み出されたかを、全15講で通史として描きます。鍵になるのは「古楽」「クラシック」「現代音楽」という三つの画期。好みや感性で語られがちな音楽を具体的・分析的に聴くためのヒントが詰まっています。

こんな人におすすめ

通史を一度は体系的に押さえたい人、文庫で講義形式の読み物を求める人、「なぜ西洋の音楽語法が世界標準になったのか」を知りたい人に。ポピュラー音楽との関係まで視野に入れたい人にも。

良い点

  • 文庫サイズで講義形式
  • 三つの画期で整理される
  • ポピュラーまで射程に入る

気になる点

  • 放送大学テキストの体裁
  • 譜例は少なめ
  • やや硬質な記述

出版社

KADOKAWA

発売日

2024年08月23日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『西洋音楽史講義』、これ文庫なんですね。1210円。放送大学のテキストだったものを文庫化したって書いてあります。

佐藤メバル

佐藤メバル

岡田暁生さんの本で、「古楽」「クラシック」「現代音楽」という三つのエポックに注目して、千年の変遷を通史として描いています。

ドレミファ音階や拍子、ハーモニーが、実は西洋音楽史の中で生み出されたという視点から入るのが面白いところです。

橘ナナミ

橘ナナミ

普段あたりまえに使っているドレミが、歴史の中でできたものだって考えると、見え方が変わりますね。

佐藤メバル

佐藤メバル

最終講ではクラシックと現代音楽とポピュラーまで並べられます。好みや感性で語られがちな音楽を、もう少し具体的に、分析的に聴き楽しむためのヒントに満ちた一冊ですよ。

西洋音楽史〔新訂〕
8

西洋音楽史〔新訂〕

津上英輔 著|放送大学教育振興会

¥3,080(税込)

3.9

放送大学の教材として作られた一冊で、作品だけでなく、その前提となる考え方や社会状況、作品を実現する楽器や演奏法にも力点を置きます。古代ギリシャの音楽理論と今日の西洋音楽、中世の多声音楽、ルネサンスの聖と俗、オペラの誕生、バロックの器楽ジャンルの確立、啓蒙主義と古典派、ロマン派の鍵盤音楽、19世紀のオペラ、そしてバッハ演奏の変遷まで。作品を思想的・社会的背景から立体的に把握するのが目標です。

こんな人におすすめ

楽器や演奏法の変化から音楽史を眺めたい人、作品を社会や思想の文脈で理解したい人、通史を一通り学んだ後の二冊目を探している人に。バッハ演奏の変遷に関心がある人にも向きます。

良い点

  • 楽器・演奏法に重点
  • 思想的背景から作品を見る
  • 全15章で体系的

気になる点

  • 教材としての体裁
  • 価格はやや高め
  • 図版は多くない

出版社

放送大学教育振興会

発売日

2021年03月20日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『西洋音楽史〔新訂〕』……大学の教材みたいな表紙ですね。3080円。作品だけじゃなくて、楽器や演奏法にも力点を置いているって本当ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

放送大学教育振興会の本で、その通りです。たとえば最後の章は「バッハ演奏の変遷から見る音楽史」。同じ曲でも時代によって弾き方が変わってきたことが、歴史の一部として語られます。

橘ナナミ

橘ナナミ

演奏の仕方そのものが歴史になるんですね。聴き比べが好きな人にはたまらなそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

15章のうち鍵盤音楽だけで二章使っているのも特徴です。作品を思想的、理論的、社会的背景から立体的に把握できるようにすることが目標の本なので、通史を一通り学んだ次の一冊に向いていますよ。

西洋音楽史の原風景ー国境を越え、時代を超えー
9

西洋音楽史の原風景ー国境を越え、時代を超えー

岸田文夫 著|幻冬舎

¥1,760(税込)

3.9

モンテヴェルディからベートーヴェン、ワーグナー、ドビュッシー、武満徹まで、名曲に隠された物語をひもときながら、従来の音楽史では語られない「原風景」をたどるエッセイ集です。ベートーヴェン、シューマンの和声、音楽と自然、『トリスタンとイゾルデ』における意志と表象、ヴェルディ讃、古楽器演奏によるモーツァルトのオペラの新発見、忘れ得ぬステージ、愛聴盤まで。聴き手の実感から書かれた一冊です。

こんな人におすすめ

名曲をすでに何度も聴いてきた愛好家、曲の背景にある思想や自然観まで知りたい人、演奏会の記憶を言葉にしたい人に。音楽史の通史を一通り読んだ後の味わい深い一冊として。

良い点

  • 名曲の背景を掘り下げる
  • 武満徹まで射程に入る
  • 愛好家向けの読み物

気になる点

  • 通史としては使えない
  • 著者の好みが濃い
  • 初級者にはやや難解

出版社

幻冬舎

発売日

2025年10月27日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『西洋音楽史の原風景』……これ、目次に「私の愛聴盤から」なんて章があります。音楽史というよりエッセイですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、通史ではなく、名曲に隠された物語をひもとく読み物です。ベートーヴェン、シューマンの和声、音楽と自然、『トリスタンとイゾルデ』の意志と表象、ヴェルディ讃、そして古楽器演奏によるモーツァルトのオペラの新発見まで。武満徹の名も出てきます。

橘ナナミ

橘ナナミ

モーツァルトのオペラが歌なのか芝居なのか、という問い、すごく気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは古楽器で演奏すると見えてくるものがある、という話につながります。すでに名曲を何度も聴いてきた人が、自分の聴き方を言葉にしてもらうような本ですね。

解きながら楽しむ 大人の西洋音楽史
10

解きながら楽しむ 大人の西洋音楽史

久保田慶一 著|くもん出版

¥1,650(税込)

3.9

西洋音楽史を学びたい大人のためのワークブックです。中世から近・現代までのクラシックの流れを、問題を解きながら一気にたどれます。各時代の特徴や作曲家の人生・代表作を丁寧な解説で学べ、演奏音源へのリンク付きなので鑑賞の習慣づけにも向きます。日付を記入して学習の記録を残せるのも特徴で、毎日少しずつ取り組める構成。ヴィヴァルディ、バッハ、モーツァルトからガーシュイン、バーンスタインまで、読み物コラムも多数収録します。

こんな人におすすめ

机に向かう習慣を作りたい人、読むだけでは頭に入らなかった人、作曲家ごとに一区切りつけて整理したい人、音源リンクで鑑賞を習慣にしたい人に。大人の学び直しの入口としても。

良い点

  • 問題を解きながら進められる
  • 音源リンク付き
  • 日付を記録できる

気になる点

  • 書き込み前提の構成
  • 問題集が苦手だと負担
  • 通史の深掘りは控えめ

出版社

くもん出版

発売日

2026年01月27日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『解きながら楽しむ 大人の西洋音楽史』……問題を解くんですか? 音楽史なのに?

佐藤メバル

佐藤メバル

久保田慶一さんのワークブックで、中世から近・現代までの流れを、読みながら解きながら進められます。日付を書き込んで学習の記録を残せるようになっていて、毎日手軽に取り組めるのがいいところです。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、読むだけだと流れてしまうので、手を動かすのは効きそう。演奏音源へのリンクも付いているんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ロマン派の面々、そしてシェーンベルク、ラヴェル、ストラヴィンスキー、ガーシュイン、バーンスタインまで。

クラシックにまつわる読み物のコラムも多数入っていますよ。

図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説
11

図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説

村田千尋 著|春秋社

¥3,520(税込)

3.7

西洋音楽史の全体像を、8つの時代と8つの観点で整理し、さらに「宗教音楽」「世俗音楽」「オペラ」「器楽」という4つのジャンル史の軸で通時的に概観する一冊です。音楽の基本構造、楽譜、ジャンル、表現内容、音楽の場、担い手、演奏と聴取、民族性という観点から、音楽文化・芸術音楽の成り立ちが見えてきます。多くの図表とともに流れをつかめるのが持ち味で、ジャンルごとに追えるのが類書との違いです。

こんな人におすすめ

音楽史をジャンル別に整理して理解したい人、年表や図表で視覚的に把握したい人、授業や発表の資料づくりに使いたい人に。オペラ史だけを通して読みたい人にも向きます。

良い点

  • 図表が多く流れが見える
  • ジャンル史で追える
  • 観点が明示されている

気になる点

  • 価格は高め
  • 教科書的な記述
  • 通読には覚悟がいる

出版社

春秋社

発売日

2026年02月03日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』って、8つの時代と8つの観点、さらに4つの軸で整理するって書いてあります。なんだか設計図みたいですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが強みです。「宗教音楽」「世俗音楽」「オペラ」「器楽」というジャンルごとに、通時的に追えるようになっています。

オペラの誕生から19世紀以降のオペラまでを一本の線で読めるのは、通史の本ではなかなかできないことです。

橘ナナミ

橘ナナミ

オペラだけ通して読みたいとき、普通の音楽史だと時代ごとに飛び飛びになっちゃうんですよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう読み方に応えてくれます。音楽の基本構造、楽譜、表現内容、音楽の場、担い手、民族性といった観点も明示されているので、自分が今どこを見ているのかを見失わずに読めますよ。

音楽史を学ぶ増補改訂版
12

音楽史を学ぶ増補改訂版

久保田慶一 著|教育芸術社

¥990(税込)

3.7

古代ギリシャ・ローマから20世紀、そして明治・大正・昭和・平成の日本までを扱う、コンパクトな音楽史のテキストです。時代と社会、音楽史の流れを示したうえで、グレゴリオ聖歌、ノートルダム楽派、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、そして現代までを追い、「聴いておきたい名曲」と「知っておきたい音楽用語」を各時代に配置。日本における洋楽導入の歴史まで入っているのが特徴です。

こんな人におすすめ

価格を抑えて本格的な通史を手元に置きたい人、各時代の名曲と用語をセットで押さえたい人、明治以降の日本と西洋音楽の関係まで知りたい人に。音楽大学を目指す学生の副読本にも。

良い点

  • 990円で内容が濃い
  • 名曲と用語を各時代に配置
  • 日本の洋楽導入まで扱う

気になる点

  • 紙面は簡素
  • 図版は少なめ
  • 記述は要点中心

出版社

教育芸術社

発売日

2024年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、この『音楽史を学ぶ 増補改訂版』、990円なんですか。こんなに項目がたくさんあるのに、安すぎません?

佐藤メバル

佐藤メバル

教育芸術社のテキストで、古代ギリシャ・ローマから20世紀まで、さらに明治・大正・昭和・平成の日本まで入っています。

各時代に「聴いておきたい名曲」と「知っておきたい音楽用語」が配置されているので、知識の抜けを確認しながら進められます。

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽取調掛とか、滝廉太郎とか、山田耕筰の名前も出てくるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

洋楽導入のところまで書いてあるのは貴重です。常設オーケストラの誕生や日本のオペラにも触れています。価格を抑えて本格的な通史を手元に置きたい人にぴったりですよ。

楽譜でわかるクラシック音楽の歴史
13

楽譜でわかるクラシック音楽の歴史

広瀬大介 著|音楽之友社

¥2,750(税込)

3.7

音楽史の教科書は数多くありますが、ある程度の分量の譜例を掲載し、作曲家が得意とした音楽様式上の特徴を実際の作品から学ぶことを目的とした一冊です。前古典派のギャラント様式やマンハイム楽派から始まり、ソナタ形式の確立、オペラ改革、ベートーヴェンの交響曲と室内楽、ドイツ歌曲、19世紀のピアノ音楽、交響詩、ベルカント・オペラ、楽劇、国民楽派、そして20世紀まで。譜例を数多く載せた音楽史の本は類例が少ないのが持ち味です。

こんな人におすすめ

楽譜が読めて、様式の違いを目で確かめたい人、大学の一般教養科目で音楽史を学ぶ人、耳だけでなく譜面から作品を理解したい人に。演奏や作曲を学んでいる人の副読本としても。

良い点

  • 譜例が豊富で具体的
  • 様式の変化を目で追える
  • 大学テキストとして最適

気になる点

  • 楽譜が読めないと辛い
  • 音源は付属しない
  • 通史の網羅性は限定的

出版社

音楽之友社

発売日

2014年07月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『楽譜でわかるクラシック音楽の歴史』……これ、譜例がたくさん載っているんですか? 楽譜が読めないと厳しいやつですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

広瀬大介さんの本で、前古典派から20世紀まで、作曲家が得意とした様式の特徴を実際の作品の譜例で確かめていきます。

ソナタ形式の確立やオペラ改革の変化を、音符のレベルで見られるのが強みです。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、一般大学の学部生みたいな初学者向けのテキストなんですね。音源は付いていないんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

譜例を数多く掲載した音楽史の本は類例が少ないので、演奏や作曲を学んでいる人には宝物のような一冊になります。

手元に楽器や音源がある人は、譜例を見ながら音を確かめると、様式の違いがよくわかりますよ。

革命と戦争のクラシック音楽史
14

革命と戦争のクラシック音楽史

片山杜秀 著|NHK出版

¥880(税込)

3.7

クラシック音楽を第一級の歴史史料として読む一冊です。ハプスブルク軍国主義とモーツァルト、フランス革命とベルリオーズ、反革命とハイドン、ナポレオン戦争とベートーヴェンという四つの切り口から、戦争や革命が音楽をどう変えたかを大胆に描きます。序章では「芸術の神は砲声を喜ぶ」「戦いにリズムありき」と、音楽史はナイーヴではありえないと宣言。巻末には関連年表も付きます。

こんな人におすすめ

世界史とクラシックの両方が好きな人、曲が生まれた政治状況まで知りたい人、通史の次に一味違う切り口を読みたい人に。音楽の授業では教わらない話を楽しみたい人へ。

良い点

  • 世界史と音楽史を結ぶ視点
  • 880円で手に取りやすい
  • 年表付きで整理できる

気になる点

  • 扱う時代は限定的
  • 著者の解釈が濃い
  • 通史としては使えない

出版社

NHK出版

発売日

2019年09月10日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『革命と戦争のクラシック音楽史』……これ、序章に「芸術の神は砲声を喜ぶ」ってあります。物騒な始まり方ですね。どんな本なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

片山杜秀さんの本で、クラシック音楽を歴史史料として読んでいくんです。ハプスブルク軍国主義とモーツァルト、フランス革命とベルリオーズ、反革命とハイドン、ナポレオン戦争とベートーヴェンという四章立て。

『第九』を生んだのはナポレオンだという見方から入ります。

橘ナナミ

橘ナナミ

『四季』が聴けるのはムッソリーニのおかげ、なんて話も紹介文にありました。お上品な芸術も、戦争で進化してきたんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう「不都合な真実」から音楽史を眺める本です。巻末には関連年表も付いているので、世界史の流れと突き合わせながら読めます。

博覧強記の著者が大胆に料理する、世界史×音楽史の新しい教養ですよ。

新版 クラシックでわかる世界史
15

新版 クラシックでわかる世界史

西原稔 著|アルテスパブリッシング

¥2,090(税込)

3.7

16世紀中盤から第一次世界大戦までの音楽を、革命や戦争といった出来事、社会史、美術史、演劇史と組み合わせて見る一冊です。音楽史でいえばバロック前期から後期ロマン派までが対象で、宗教改革、三十年戦争、国際政治とオペラ、絶対王政、継承戦争、フランス革命、メッテルニヒ体制、七月革命とポーランド十一月革命、1848年3月革命、帝国主義、そして第一次世界大戦下の音楽まで。オペラ作品の題材と歴史の関連が充実しています。

こんな人におすすめ

オペラの筋書きの背景にある政治史を知りたい人、音楽から世界史をたどり直したい人、バロックから後期ロマン派までを社会と結びつけたい人に。検閲やユダヤ人問題に関心がある人にも。

良い点

  • オペラと歴史の関連が濃い
  • 都市の音楽文化まで触れる
  • 巻末に人名索引

気になる点

  • 対象時代が限られる
  • 通史の代わりにはならない
  • やや専門的

出版社

アルテスパブリッシング

発売日

2017年05月26日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『新版 クラシックでわかる世界史』、これ前は2007年に出ていた本の改訂版なんですね。16世紀中盤から第一次世界大戦まで、ってことはバロック前期から後期ロマン派までか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、宗教改革や三十年戦争、絶対王政、フランス革命、七月革命、1848年3月革命、帝国主義と、歴史の大きな動きと音楽を並べて見ていきます。

オペラ作品の題材と歴史の関連が特に充実していて、各都市の音楽文化にも触れています。

橘ナナミ

橘ナナミ

オペラって、もともと宮廷や都市の政治と切っても切れないものでしたよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを立体的に見せてくれます。ヴィヴァルディが皇帝に機密情報を提供していた、といった話も出てきますよ。

世界史の知識があると、同じ曲が別物に聴こえてきます。

教養としてのクラシックの名曲100 作品・楽器・作曲家のポイントがわかる!
16

教養としてのクラシックの名曲100 作品・楽器・作曲家のポイントがわかる!

山本友重 著|日本文芸社

¥1,870(税込)

3.5

交響曲・協奏曲・管弦楽曲・歌劇・バレエ音楽・器楽曲から100曲を選び、作品背景、使われる楽器、作曲家の生涯を1曲見開きで解説する一冊です。ベートーヴェンの交響曲第7番、シューベルトの未完成、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ロッシーニの『チェネレントラ』、ワーグナーの『ニーベルングの指環』、スメタナの『モルダウ』、パガニーニの24の奇想曲まで。演奏会を支える仕事やコンサートの選び方のコラムも収録します。

こんな人におすすめ

聴いたことのある曲の名前と背景を知りたい人、コンサートに行く前に予習したい人、1曲ずつ区切って気軽に読みたい人に。CDの聴き比べを始めたい人にも向きます。

良い点

  • 1曲見開きで読みやすい
  • 作品背景と楽器まで解説
  • コンサート入門コラム付き

気になる点

  • 特定曲の深掘りは浅め
  • 作曲家は有名どころ中心
  • 音源は付属しない

出版社

日本文芸社

発売日

2022年08月12日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『教養としてのクラシックの名曲100』、1曲が見開きで完結するって書いてあります。読みやすそう。作品背景や楽器の話も入っているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

作品背景、使われる楽器、作曲家の生涯をセットで解説しています。たとえばシューベルトの交響曲第8番「未完成」は通常4楽章の交響曲を2楽章でやめた作品、ロッシーニの『チェネレントラ』はオペラ・ブッファの第一人者が描いたシンデレラ、といった具合に、一言でその曲の個性がつかめます。

橘ナナミ

橘ナナミ

ワーグナーの『ニーベルングの指環』が上演に4日間かかる、というのも入っているんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、曲の規模や成り立ちの「へえ」が随所にあります。第2章のあとにはコンサートの選び方のコラムもあって、聴きに行く前の予習にも使えますよ。

1曲ずつ区切って読めるので、通勤のお供にもいいですね。

人生が深まるクラシック音楽入門
17

人生が深まるクラシック音楽入門

伊東乾 著|幻冬舎

¥946(税込)

3.5

作曲家であり指揮者、さらに音響の脳科学研究プロジェクトも率いる著者が、クラシックの味わい方をやさしく説く入門書です。ベートーヴェンの交響曲第五番に勇気が湧く、ブラームスの交響曲第四番に過ぎ去った日々への愛惜がかきたてられる——そんなふうに、クラシックは人生の春夏秋冬に寄り添うものだと捉えます。西洋音楽300年の歴史、楽器とホールの響きの秘密、名指揮者・演奏家の素顔まで、ツボを押さえて解説します。

こんな人におすすめ

聴くだけでなく味わい方を知りたい人、楽器やホールの響きに興味がある人、演奏家や指揮者の人間的な姿を覗きたい人に。音響や脳科学の視点から音楽を捉えたい人にも。

良い点

  • 作曲家自身による解説
  • 楽器とホールの響きまで
  • 人生に即した聴き方

気になる点

  • 初版は2011年
  • 好みが分かれる語り口
  • 網羅的な通史ではない

出版社

幻冬舎

発売日

2011年07月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『人生が深まるクラシック音楽入門』、著者の伊東乾さんって作曲家で指揮者で、しかも脳科学のプロジェクトもやっているんですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、その三つの立場から書かれた本です。ベートーヴェンの交響曲第五番で猛然と勇気が湧く、ブラームスの交響曲第四番で過ぎ去った日々への愛惜がかきたてられる。

クラシックは人生の春夏秋冬に寄り添うという見方で貫かれています。

橘ナナミ

橘ナナミ

楽器とホールの響きの秘密、というのも気になります。演奏会場で音が違う理由とか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを音響の側から説明してくれるのが、他の入門書にないところです。名指揮者・演奏家の素顔にも触れています。

読み終えると、同じ曲の聴こえ方が変わる一冊ですよ。

クラシック作曲家大全
18

クラシック作曲家大全

ジョン・バロウズ 著|日東書院本社

¥6,050(税込)

3.5

千年以上にわたるクラシック音楽の歴史を網羅した、愛好家必携のガイドブックです。中世からルネサンス、バロック、古典派、ロマン派を経て1900年以降の近現代まで、あらゆる時代の音楽と楽器を扱い、約300人の作曲家の生涯や作風、主要作品に詳しく言及します。前半ではクラシック音楽の基礎知識、使われる楽器、演奏についても解説。クラシック音楽の独特な用語をすっきり説明する用語解説と作曲家索引を備えています。

こんな人におすすめ

家に一冊、事典として置いておきたい人、気になった作曲家をすぐ引けるようにしたい人、楽器や用語の基礎もまとめて押さえたい人に。長く使える大型のガイドが欲しい人へ。

良い点

  • 約300人をカバー
  • 用語解説と索引付き
  • 楽器と基礎知識も網羅

気になる点

  • 価格は高め
  • 大型で持ち歩けない
  • 記述は要点中心

出版社

日東書院本社

発売日

2013年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『クラシック作曲家大全』、6050円。約300人の作曲家が載っているって、辞書みたいなものですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

まさに愛好家必携のガイドブックです。中世からルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、国民楽派、現代音楽まで、作曲家の生涯や作風、主要作品に詳しく言及しています。

橘ナナミ

橘ナナミ

クラシック音楽とは何か、使われる楽器、演奏の話から始まっているんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが親切で、基礎知識と独特の用語をすっきり解説してくれます。用語解説と作曲家索引があるので、読み物としても辞書としても使える。

長く本棚に置いておくタイプの一冊ですよ。

クラシック作曲家列伝
19

クラシック作曲家列伝

やまみちゆか 著|マール社

¥1,870(税込)

3.5

漫画家やまみちゆかさんが描く、作曲家「その人」に注目した音楽史案内です。漫画とイラストとテキストで、バッハ、モーツァルト、サリエリ、ベートーヴェン、ベルリオーズ、リスト、ショパン、ブラームス、ワーグナー、チャイコフスキー、ドビュッシー、ラヴェルの12名を収録。頑固者すぎて剣の決闘にまで至ったバッハ、妄想ストーカー作曲家とも言えるベルリオーズなど、教科書には載らない等身大の人物像が浮かび上がります。音楽史ざっくり年表と作曲家相関図付き。

こんな人におすすめ

作曲家の人間らしい一面を知りたい人、堅い音楽史の本で挫折した人、音楽史の大きな流れを気軽につかみたい人に。漫画から入って音源へ向かう入口が欲しい人にも。

良い点

  • 漫画で読みやすい
  • 12人の人物像が濃い
  • 相関図と年表付き

気になる点

  • 扱う作曲家は12人
  • 作品の分析は少ない
  • イラストの好みは分かれる

出版社

マール社

発売日

2021年07月20日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

え、『クラシック作曲家列伝』って漫画なんですか。「妄想ストーカー作曲家」って見出しがもう気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

ベルリオーズのことですね。やまみちゆかさんの漫画とイラストで、バッハ、モーツァルト、サリエリ、ベートーヴェン、リスト、ショパン、ブラームス、ワーグナー、チャイコフスキー、ドビュッシー、ラヴェルの12名を紹介しています。

剣による決闘にまで至ったバッハなんて話も出てきます。

橘ナナミ

橘ナナミ

ショパンとリストの微笑ましい友情とか、ブラームス対ワーグナーの対立も入っているんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

巻頭と巻末に音楽史の潮流の付録、ロマン派の作曲家相関図もあって、彼らの人生を通して大きな流れも把握できます。

気軽に読める音楽の教養書としてちょうどいいですよ。

1冊でわかるポケット教養シリーズ クラシックの作曲家たち
20

1冊でわかるポケット教養シリーズ クラシックの作曲家たち

萩谷由喜子 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

¥1,045(税込)

3.5

モーツァルトやベートーヴェンといった超有名人から、伝記の入手しにくいビゼー、フランク、スクリャービンまで、作曲家50人の評伝を1冊にまとめたポケット教養シリーズです。ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ、ハイドン、パガニーニ、ウェーバー、ロッシーニ、シューベルトと、時代順に人となりを追えます。手頃な価格と携帯しやすい判型で、人名から引くのにも通読にも向きます。

こんな人におすすめ

作曲家の人物像を手軽に押さえたい人、電車の中で少しずつ読みたい人、名前は知っているけれど人となりは知らない作曲家を確認したい人に。発表やレポートの下調べにも。

良い点

  • 50人の評伝を一冊で
  • 携帯しやすい判型
  • 手頃な価格

気になる点

  • 1人あたりの記述は短め
  • 図版は少ない
  • 作品の詳細分析はなし

出版社

ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

発売日

2013年09月21日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『1冊でわかるポケット教養シリーズ クラシックの作曲家たち』、これ1045円で50人も載っているんですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

萩谷由喜子さんが書いた評伝集です。モーツァルトやベートーヴェンだけでなく、伝記の入手しにくいビゼー、フランク、スクリャービンまで拾っているのがありがたいところです。

橘ナナミ

橘ナナミ

ポケット教養シリーズってことは、携帯しやすいサイズなんですね。通勤中に読み進められそう。

佐藤メバル

佐藤メバル

ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ、ハイドン、パガニーニ、ウェーバー、ロッシーニ、シューベルトと、時代順に並んでいます。

一人あたりは短めなので、気になる作曲家を辞書的に引く使い方もできますよ。

クラシックの「曲名」と「作曲家」がすぐわかる本
21

クラシックの「曲名」と「作曲家」がすぐわかる本

久松義恭 著|シンコーミュージック・エンタテイメント

¥1,650(税込)

3.5

映画やCMでよく耳にするクラシックの旋律が、誰のなんという曲なのかを引ける検索ガイドです。映画で流れていたメロディー、テレビのドラマやアニメ、食品や飲料のCM、運動会や入学式・卒業式で聴いた曲と、場面から逆引きできる構成。定番85曲の美味しい部分を集めたCD付きで、「これ何の曲だっけ」がその場で解決します。作曲家の紹介ページも設けています。

こんな人におすすめ

曲名がわからずもやもやしている人、CMや映画で耳にした曲を探している人、運動会や式典で聴いたあの曲を確かめたい人に。クラシックの入口に立ったばかりの人にも。

良い点

  • 場面から曲を逆引きできる
  • 定番85曲のCD付き
  • 作曲家の紹介もあり

気になる点

  • 収録は85曲に限られる
  • 曲の深い解説は少ない
  • CD再生環境が必要

出版社

シンコーミュージック・エンタテイメント

発売日

2017年03月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『クラシックの「曲名」と「作曲家」がすぐわかる本』。これ、まさに私が欲しかったやつです。CMで流れてるあの曲、毎回調べられなくて。

佐藤メバル

佐藤メバル

映画、テレビのドラマやアニメ、食品や飲料のCM、運動会や入学式・卒業式と、場面から逆引きできる構成になっています。

定番85曲の美味しい部分を集めたCDも付いています。

橘ナナミ

橘ナナミ

運動会でかけっこに使われていた曲、とかも載っているんですか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう日常生活の場面から探せるのがこの本の狙いです。曲名だけでは覚えられない人でも、「あの場面の曲」なら記憶に残ります。

作曲家の紹介ページもあって、そこから聴く幅が広がっていきますよ。

まんが音楽の歴史 バロック〜古典派〜ロマン派
22

まんが音楽の歴史 バロック〜古典派〜ロマン派

ひのまどか 著|Gakken

¥1,870(税込)

3.5

音楽の歴史を、まんがと解説で小学生向けにわかりやすく紹介する学習まんがシリーズの第2巻です。バロック時代からロマン派前期ごろまでの政治・宗教と音楽の関係をたどり、各章が「まんが→年表→解説」の順にまとまっているので、時代ごとの理解が進みます。全長約45cmの巻末折込「音楽史クイズ年表、人物年表」が付き、音楽と社会をつなげて理解できる構成です。

こんな人におすすめ

小学生に音楽史を伝えたい保護者や先生、まんがから世界史と音楽の関係に入りたい人、年表で時代の流れを確認しながら読みたい人に。音大を目指す前の導入としても。

良い点

  • まんがで読みやすい
  • 章末年表で整理できる
  • 大判の折込年表付き

気になる点

  • 第2巻のみでは前後が欠ける
  • 対象は小学生向け
  • 専門的な記述は少ない

出版社

Gakken

発売日

2025年10月16日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『まんが音楽の歴史 バロック〜古典派〜ロマン派』。これ、小学生向けの学習まんがなんですね。音楽の歴史と世界の歴史が同時にわかるって本当ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

Gakkenのシリーズで、第2巻はバロック時代からロマン派前期ごろまでの政治・宗教と音楽の関係をたどります。

「まんが→年表→解説」の順にまとまっているので、時代ごとに立ち止まって整理しながら読めます。

橘ナナミ

橘ナナミ

巻末に全長約45cmの折込年表が付いているって、すごいですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

音楽史クイズ年表と人物年表になっていて、1冊丸ごと整理に使えます。音楽の歴史は世界の歴史とつながっている、というのがこの本の一貫したメッセージなんですよ。

すぐわかる! 4コマピアノ音楽史 ピアノの誕生〜古典派編
23

すぐわかる! 4コマピアノ音楽史 ピアノの誕生〜古典派編

工藤啓子 著|ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

¥2,420(税込)

3.5

4コマ漫画とわかりやすい解説で、「作曲家」と「ピアノ」と「音楽史」を一気につなげる一冊です。鍵盤楽器の歴史から始まり、1700年頃にフィレンツェでピアノが誕生した経緯、バッハのダメ出しによる改良、ウィーン式とイギリス式の違い、モーツァルトやハイドンが弾いた楽器、ベートーヴェンとエラールの関係まで。ピアノの構造や各部の名称、製作者マップ、奏法の歴史も収録しています。

こんな人におすすめ

ピアノを習っている人とその保護者、発表会で弾く曲の背景を知りたい人、鍵盤楽器の変遷から音楽史に入りたい人に。先生が生徒に説明するときの材料としても。

良い点

  • 4コマでとっつきやすい
  • ピアノの構造から解説
  • 製作者マップが便利

気になる点

  • 対象は古典派まで
  • ピアノ中心の内容
  • 音楽史全体は網羅しない

出版社

ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

発売日

2024年08月28日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『すぐわかる! 4コマピアノ音楽史』……ピアノの音楽史、しかも4コマなんですか。ざっくりわかるピアノ年表まで付いている。

佐藤メバル

佐藤メバル

鍵盤楽器の歴史から入って、1700年頃フィレンツェでピアノが誕生した経緯、バッハのダメ出しによってピアノが改良された話、ウィーン式とイギリス式の違いまで、4コマと解説でつないでいきます。

橘ナナミ

橘ナナミ

バッハがダメ出ししたって、ちょっと笑ってしまいますね。モーツァルトが弾いていたピアノの音も気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこも書かれています。モーツァルトの軽やかな響きにはウィーンの楽器が合っていた、ベートーヴェンはエラールのピアノの音響から霊感を得た、といった具合です。

ピアノの構造や各部の名称、製作者マップもあるので、習っている人には実用的ですよ。

バロック音楽名曲鑑賞事典
24

バロック音楽名曲鑑賞事典

礒山雅 著|講談社

¥1,155(税込)

3.5

生きる喜びが溢れるバロック音楽を、新しく誕生したオペラ、心の奥底まで響く宗教音楽、多彩に奏で歌う協奏曲、宮廷を輝かせる典雅な調べという切り口から味わう一冊です。カッチーニ、モンテヴェルディ、シュッツ、クープラン、ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ等の作品から隠れた名曲まで厳選した100曲を、西洋音楽史研究の第一人者が語ります。著者が「無人島に持っていきたい」と記す一曲の記述も読みどころです。

こんな人におすすめ

バロック音楽が好きで曲を深く知りたい人、モンテヴェルディやシュッツの作品を体系立てて聴きたい人、名曲の背景を一冊で押さえたい人に。古楽にはまり始めた人にも。

良い点

  • バロック名曲100曲を収録
  • 第一人者による解説
  • 隠れた名曲も拾う

気になる点

  • 対象はバロックのみ
  • 通史としては使えない
  • 初版は2007年

出版社

講談社

発売日

2007年02月10日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『バロック音楽名曲鑑賞事典』、100曲も載っているんですか。カッチーニ、モンテヴェルディ、シュッツ、クープラン……名前を聞いただけでわくわくします。

佐藤メバル

佐藤メバル

礒山雅さんが古楽の沃野から選んだ100曲の魅力を語る一冊です。オペラ、宗教音楽、協奏曲、宮廷の調べと、ジャンルごとに豊かに広がっています。

「無人島に持っていくならモンテヴェルディの《聖母マリアの夕べの祈り》」という一文から始まる項目もあって、読み物としても引き込まれます。

橘ナナミ

橘ナナミ

《マタイ受難曲》じゃないんですか、と突っ込みたくなる気持ちもわかります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが著者の実感なんですね。バロックが好きな人が、一曲ずつ噛みしめるように読める本です。隠れた名曲や感動の演奏にも出会えますよ。

バロックの光と闇
25

バロックの光と闇

高階秀爾 著|講談社

¥1,540(税込)

3.5

もともと「歪んだ真珠」を意味する語として生まれた「バロック」は、「粗野な」「劣った」というニュアンスを帯びる一方、バッハやベルニーニに代表される雄大壮麗な作品群の名でもあります。西洋美術史研究の第一人者が、音楽や建築にとどまらず美術、演劇、文学まで多彩な分野を縦横に駆けめぐり、その本質に迫る旅の記録。ジャンルでも時代区分でもなく、現代にまで至るものとしてのバロックを探ります。

こんな人におすすめ

「バロック」という言葉そのものが気になっている人、音楽だけでなく美術や建築と合わせて時代を捉えたい人、図版を眺めながら読みたい人に。現代とバロックのつながりを考えたい人にも。

良い点

  • 音楽以外の分野にも広がる
  • 図版を多数収録
  • 現代とのつながりまで

気になる点

  • 音楽史の入門書ではない
  • 扱う範囲が広い
  • やや難解な記述も

出版社

講談社

発売日

2017年11月11日頃

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

『バロックの光と闇』……これ、音楽の本じゃなくて美術史の本なんですね。著者は高階秀爾さん。音楽史の棚に置いていいんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

西洋美術史の第一人者による本です。「バロック」という言葉がもともと「歪んだ真珠」を意味していて、そこから「粗野な」「劣った」というニュアンスを帯びるようになった一方で、バッハやベルニーニの壮麗な作品も同じ名で呼ばれている。

では、バロックとはいったい何なのかを問う旅の記録です。

橘ナナミ

橘ナナミ

ジャンルとしてでも時代区分としてでもなく、現代にまで至るものとしてのバロック、というのが面白いですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

音楽、美術、演劇、文学、建築まで縦横に駆けめぐります。サン・ピエトロ大聖堂前の列柱廊からポンピドゥー・センターの建築まで出てくる。

図版も多数収録されていて、音楽史の本を何冊か読んだ後の味わい方としておすすめです。

音楽学という学問の地図——通史・理論・鑑賞・批評の役割分担

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、音楽史の本っていろいろありすぎて、「これは何の本?」と迷うことがあります。

佐藤メバル

佐藤メバル

音楽学という学問は、美学・社会学・民族音楽学……と広がっている。本を選ぶときは、それがどの地図の上にあるかを意識すると迷わない。通史なら『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』や『音楽史を学ぶ 増補改訂版』、理論に寄るなら楽典の本、鑑賞なら名曲解説、批評なら評論、という具合だね。

橘ナナミ

橘ナナミ

役割が違うと分かっていれば、同じテーマの本を二冊買ってしまう失敗も減りそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

まさにそれ。名曲解説は一曲ごとの聴きどころ、通史は時代の因果。『教養としてのクラシックの名曲100』と通史の本は、持っていても重ならない。

橘ナナミ

橘ナナミ

理論と歴史は、どこでつながるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

楽典で用語だけ覚えると、歴史の中に置き場所がないままになる。『音楽史を学ぶ』は古代ギリシャの音楽理論から入り、旋法や和声の話を歴史の流れに乗せてくれる。明治以降の日本まで触れているのも強みだね。

原典・洋書・版の実務——どこで翻訳に切り替えるか

橘ナナミ

橘ナナミ

大学の先生はグラウト/パリスカやターラスキン、アレックス・ロスの名前を挙げていたんですけど、いきなり原典はハードルが高い気がします。

佐藤メバル

佐藤メバル

その感覚は正しい。原典や学術書は、通史の骨組みが頭に入ってからでないと、註と註のあいだで迷子になりやすい。入門で流れをつかみ、『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』のような整理された本で橋をかけて、それから原典に渡る。Oxford Historyのような海外定番も、邦訳で読むか原書で読むかは、引用の細かさと語彙で判断すればいい。

橘ナナミ

橘ナナミ

電子書籍やオーディオブック、サブスクはどう使い分けますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

図版や譜例の多い本は紙、通読する文庫や新書は電子、耳で流すならオーディオブック。サブスクで曲を並行再生しながら読むと、情景ごと記憶に残りやすい。本と音源を往復するのがいちばん贅沢な読み方だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

読了後にアナリーゼやコンサートへ、という流れも想像できました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。譜例の本を片手に実際の音を追えば、聴き方が確かに変わる。レコードを探す楽しみもそこから始まるね。

日本音楽史と非西洋の視点——受容史という独自の軸

橘ナナミ

橘ナナミ

クラシックって西洋のものなのに、日本の話も入ってくるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

『決定版 はじめての音楽史』は西洋音楽史と日本音楽史を一冊で並べているのが本当に珍しい。能・狂言から三味線文化、近代の伝統音楽と西洋音楽の並存まで追える。『音楽史を学ぶ』も明治の洋楽導入や常設オーケストラの誕生、現代邦楽まで扱っていて、日本人としての受容史が見えてくる。

橘ナナミ

橘ナナミ

自分たちが「輸入した側」だという視点、面白いです。そこを押さえると、コンサートホールで鳴っている音の意味が変わりそうですね。

よくある質問

音楽史の本は楽譜が読めなくても読めますか?

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽史の本は楽譜が読めなくても読めますかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

読めます。『決定版 はじめての音楽史』や『ものがたり西洋音楽史』は、譜面を追えなくても通読できる作りです。一方で『楽譜でわかるクラシック音楽の歴史』のように譜例を前提にした本もあるので、自分が何を知りたいかを基準に選ぶのがコツです。

クラシック初心者が最初に読むべき一冊はどれですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

クラシック初心者が最初に読むべき一冊はどれですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

迷ったら、物語として流れを追える『ものがたり西洋音楽史』か、歴史と曲を同時に紹介する『人生が楽しくなる 西洋音楽史入門』が入口になります。最初から分厚い一冊を選ばず、薄くて読み切れるものから始めるのが結果的に近道です。

音楽史と音楽理論はどちらを先に学ぶべきですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽史と音楽理論はどちらを先に学ぶべきですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

基本的には歴史から入るのがおすすめです。理論の用語は、歴史の中に置き場所ができて初めて意味を持ちます。『音楽史を学ぶ 増補改訂版』は古代ギリシャの音楽理論から説き起こすので、両者の橋渡しとして使いやすい一冊です。

入門書を読んだ後、次はどの本に進めばいいですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

入門書を読んだ後、次はどの本に進めばいいですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

次は用語と年表を整理する段階です。『西洋音楽史〔新訂〕』や『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』で観点ごとに俯瞰し、さらに踏み込みたくなったら『楽譜でわかるクラシック音楽の歴史』で譜例に慣れる。この順番だと挫折しにくいです。

洋書や原典(グラウト/パリスカなど)は翻訳とどちらで読むべきですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

洋書や原典(グラウト/パリスカなど)は翻訳とどちらで読むべきですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

通史の骨格が頭に入るまでは翻訳がおすすめです。原書は引用や註の細かさを確かめたいときに価値が出ます。入門書で流れをつかみ、図表で整理された本で橋をかけてから原典へ渡ると、迷子になりにくいです。

名曲解説本と音楽史の本は何が違うのですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

名曲解説本と音楽史の本は何が違うのですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

名曲解説は一曲ごとの聴きどころと背景、音楽史は時代の流れと因果を扱います。『教養としてのクラシックの名曲100』や『バロック音楽名曲鑑賞事典』は前者、通史は後者。役割が違うので、両方持っていても内容は重なりません。

電子書籍やオーディオブック、サブスクと併用する読み方はありますか?

橘ナナミ

橘ナナミ

電子書籍やオーディオブック、サブスクと併用する読み方はありますかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

図版や譜例の多い本は紙、通読する文庫や新書は電子、移動中はオーディオブック、という使い分けが現実的です。サブスクで曲を流しながら読むと情景ごと記憶に残りやすく、本と音源の往復が理解を深めます。

音楽について文章や感想を書けるようになる本はありますか?

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽について文章や感想を書けるようになる本はありますかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

まず語彙と視点を持つことが近道です。『西洋音楽史講義』は好みや感性ではなく具体的・分析的に聴くヒントに満ちていて、書くための材料になります。『西洋音楽史の原風景』のように名曲の物語をたどる読み物も、感想の切り口を増やしてくれます。

まとめ

橘ナナミ

橘ナナミ

今日お話を聞いて、最初に思っていた「どの一冊が正解か」という問いが、少し違うなと思いました。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。音楽史の本は正解を当てるものではなくて、自分の耳の解像度を上げていく道具なんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

通史で流れをつかんで、図表で整理して、譜例や名曲解説で確かめて……そのあとに原典へ、という順番が、やっと見えました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そして最後は本を閉じて音を聴く。読了後のコンサートでも、レコード棚でもいい。本と音源を行き来しているうちに、同じ曲が別の顔で聴こえるようになる。

橘ナナミ

橘ナナミ

それ、ちょっと楽しみです。音楽史の本って、いわばまだ鳴っていない音のための譜面台みたいなものなんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい表現だね。譜面台に楽譜を開いておけば、いつでも最初の一音が鳴らせる。焦らず、自分のペースで一冊ずつ開いていけばいいよ。

関連記事

Editorial Team

編集に関わる専門家