歴史漫画女性本のおすすめ人気ランキング12選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日は「歴史漫画」の女性向け特集ですよね。正直、私の中ではまだ「歴史=暗記」のイメージが強くて……。大人の女性が読むジャンルとして、そんなに広いんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。むしろ逆で、書店の歴史漫画の棚は、いま女性の読者に向けて大きく育っているんだ。理由ははっきりしていて、歴史漫画は「結末の決まった史実」の中で、女性がどう生きたかを描ける数少ないフィールドだから。たとえば『ベルサイユのばら』は連載開始から40年以上読み継がれているロングセラーで、フランス革命という動かせない流れの中で、男として育てられたオスカルが、マリー・アントワネットやフェルゼンと出会いながら自分の生き方を問うていく。恋愛漫画であり、歴史漫画でもあるんだ。
橘ナナミ
なるほど……! 結末は決まっているのに、心の動きは自由に描ける。だから何度も読み返されるんですね。
佐藤メバル
そう。さらに、現代の女子が戦国に飛んでしまう『アシガール』のような作品もある。史実を「動かさずに使う」のか、「入り口として借りる」のかで、まるで別の読み物になる。今日はその違いを意識しながら12冊を見ていこう。
歴史漫画女性本の選び方
目的別に選ぶ(教養・娯楽・学習)
橘ナナミ
「教養として読みたい」と「物語に浸りたい」では、選ぶ本が違いますよね?
佐藤メバル
うん。流れを知りたいなら学習まんがが強い。『まんが日本史ヒロイン1000人』は、神話の時代から現代まで「歴史を創った女たち」のドラマを288ページにギュッと凝縮して、時代別にエピソードで読める。逆に物語へ沈みたいなら、江戸中期を舞台に、本屋の一人娘がたった一人で吉原へ母親を探しに行く『吉原の描き虫』のような作品のほうが向いている。
舞台の地域で選ぶ(日本史/中国史/西洋史/古代エジプト)
橘ナナミ
中華後宮ものって人気ですけど、今回のラインナップには入っていないんですか?
佐藤メバル
よく気づいたね。今回は日本史と西洋史が中心なんだ。中華後宮ものは、女性が権力の内側で生き抜く話が多くて、ロマン系の王道。古代エジプトも同じで、地域を変えればまた別の12冊が組める。西洋史ならフランス革命を描く『ベルサイユのばら』や、国連代表として世界人権宣言の採択に力を尽くした『エレノア・ルーズベルト』。日本史なら戦国・江戸・幕末と幅がある。まず舞台で絞ると、迷いがぐっと減るよ。
物語の要素で選ぶ(ラブ/バトル/逆転)
橘ナナミ
ラブが強い作品と、バトルが強い作品なら、どちらから入ればいいでしょう?
佐藤メバル
『幕末レボリューション!』は空手が得意な中学一年生が1862年の日本に飛ばされ、のちに新選組になる人たちと出会う。少女の「挑戦」の物語でありつつ、恋の芽も出てくる。『アシガール』は戦国の若君との関係が軸だね。恋か戦かで選ぶより、自分が何を追いかけたくなるかで選ぶほうが、読み終えたときの満足が大きい。
史実準拠度で選ぶ(実在人物か創作か)
橘ナナミ
史実に忠実かどうかって、見分けられますか?
佐藤メバル
見分け方はシンプルで、巻末の記事ページを見ること。学習まんがは年表やQ&Aがついていて、どこまでが史実かが示される。『学習まんが 日本の伝記 SENGOKU 浅井三姉妹』も監修者がいて、巻末にQ&Aコーナーがある。一方、娯楽作品は空想の入り口として楽しむ。混ざっているから面白いのであって、どちらが上という話ではないんだ。
巻数・完結状況・読了コストで選ぶ
橘ナナミ
長いシリーズだと、途中で挫折しそうで……。
佐藤メバル
それなら巻数の少ないもの、1冊で完結するものから。『あさきゆめみし』は文庫化されて統一デザインで揃えられているから、手元に置いて少しずつ読める。『エレノア・ルーズベルト』や『アメリア・イヤハート』は1冊で一人の生涯が読み切れる。「まず1冊」という設計は、忙しい大人の女性にこそ合うんだ。
読者の年代で選ぶ(10代/20-30代/40代以上)
橘ナナミ
10代と40代では、入口が違いますか?
佐藤メバル
10代なら、絵が今に近くヒロインが同世代の『幕末レボリューション!』が入りやすい。小学生なら『新島八重』『津田梅子』のような学習まんが。大人なら『ベルサイユのばら』や『あさきゆめみし』を、当時とは違う視点で読み返すのが面白い。同じ本でも、読む年齢で刺さる場所が変わるんだ。
歴史漫画女性本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、12冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
歴史漫画女性本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい
ベルサイユのばら 1
池田理代子 著|集英社
¥484(税込)
1972年に週刊マーガレットで連載が始まり、40年余り読み継がれてきた少女漫画の金字塔です。第1巻は、フランス革命へ向かう時代を背景に、マリー・アントワネット、男装の麗人オスカル、フェルゼンが顔を合わせるところから動き出します。歴史の教科書では年表でしかない革命が、恋と忠誠、身分の壁に揺れる一人ひとりの選択として迫ってくる。後に続く歴史少女漫画の原型であり、史実を恋愛ドラマとして読む読み方の原点です。
こんな人におすすめ
フランス革命に興味はあるけれど年表は苦手な人、少女漫画の名作を一度は押さえたい人、華やかな絵と重い時代背景のギャップを味わいたい人。第1巻だけでも三人の出会いが描かれるので、続巻を買うか迷っている人の試し読みにも向いています。
良い点
- 革命前夜の空気を恋と忠誠で描く
- 男装のオスカルという強烈な主人公
- 40年以上読み継がれた定番の安心感
気になる点
- 史実の前提知識がないと人物が多い
- 描写や価値観は1970年代のもの
- 全巻そろうと冊数がそれなりになる
出版社
集英社
発売日
1972年10月25日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1972年に連載が始まった作品なんですね。半世紀前の少女漫画を、今の私が読んでも楽しめるんでしょうか。ちょっと不安です。
佐藤メバル
いい質問だね。まず押さえておきたいのは、これが歴史を恋愛ドラマとして読む少女漫画の出発点のひとつだということ。
第1巻ではマリー・アントワネット、オスカル、フェルゼンが出会うところから始まって、革命へ向かう空気が少しずつ濃くなっていく。
絵の華やかさと、身分や時代に翻弄される重さの落差が魅力で、古さはむしろ様式美として効いてくるよ。
橘ナナミ
なるほど、様式美として味わうんですね。オスカルって名前は聞いたことがあるんですが、どんな人物なんですか?
佐藤メバル
オスカルは男として育てられ、剣をふるう女性だよ。だからこの物語は、革命という大きなうねりと、自分の生き方を選べない立場との二重のドラマになっている。
フェルゼンとの関係も、恋だけでなく忠誠や身分が絡むから、単純な恋愛漫画として読むと逆に面白さを見落とすかもしれない。
第1巻で三人が交わるところだけでも、十分に読みごたえはあるよ。
あさきゆめみし(1)
大和和紀 著|講談社
¥726(税込)
永遠のベストセラー『源氏物語』を漫画化し、1600万部を売り上げた大和和紀の代表作です。文庫版は統一デザインで、揃えて手元に置きたくなる造り。平安の宮廷の色と季節、衣装の重なりまで描き込まれ、古文が苦手でも物語の流れがすっと頭に入ってきます。教科書で覚えた人物名が生きた人に変わるのが最大の魅力で、光源氏の恋と栄華を少女漫画の情感で追える入門編です。
こんな人におすすめ
源氏物語にいつか挑みたいけれど古文で挫折した人、古典の予習復習をしたい学生、平安の美意識を絵で味わいたい人。文庫の統一デザインなので、気に入ったら少しずつ揃えていく楽しみもあり、手元に置いて何度も開きたくなる一冊です。
良い点
- 古文が苦手でも物語が追える
- 1600万部の実績ある定番
- 文庫で揃えやすい統一デザイン
気になる点
- 登場人物が多く名前が似ている
- 原作の和歌や細部は省かれる
- 光源氏の恋愛観に戸惑う読者も
出版社
講談社
発売日
2001年07月31日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1600万部ってすごい数字ですね。源氏物語そのものを読んだことはないんですけど、これ一冊でわかった気になれますか?
佐藤メバル
いいところを突いてくるね。これは原作の物語の流れを追う入門としてはとても優秀で、人物の関係や季節の移り変わりが絵で頭に入る。
ただ、和歌や細かな心理描写は省略されているから、漫画で地図を作ってから原作に戻る読み方がいちばん豊かだと思う。
古典に戻るきっかけになった、という声をよく聞くタイプの本だよ。
橘ナナミ
地図を作ってから原作に戻る、いいですね。ところで文庫と単行本だと、何か違いがあるんでしょうか?
佐藤メバル
内容紹介にもあるとおり、文庫版は統一デザインで作られていて、並べたときの見た目がきれいなのが特徴だよ。
サイズが小さいから持ち歩きやすく、通学や通勤の合間に少しずつ読むのにも向いている。保存しておきたい作品として作られているので、まず文庫で1巻を試して、続きを揃えるか決めるのが失敗の少ない選び方だね。
アシガール 5
森本梢子 著|集英社
¥484(税込)
戦国時代と現代を行き来する唯と若君の恋を追うシリーズ第5巻。今巻は若君が現代から戦国へ生還し、唯に優しく馬の遠乗りに誘うなど、両思いかもしれないと浮かれる展開から始まります。ところが側室の鐘ケ江の姫のもとへも通うと知り、唯はついに本音をぶつけてしまう。笑いとときめきと戦国の緊張が同時に走る、森本梢子ならではのバランスが光る一冊です。
こんな人におすすめ
戦国ものを気軽に読みたい人、恋のすれ違いにハラハラしたい人、長編シリーズの途中で思いきり盛り上がりたい人。第5巻から入っても若君との関係は追えるので、まず一冊試したい人の入口にもなります。
良い点
- 戦国と現代を往復する軽快さ
- 若君との恋のすれ違いが丁寧
- 1冊で笑いと緊張が両方味わえる
気になる点
- シリーズ途中なので人物関係に迷う
- 戦国描写は物語の舞台装置寄り
- 続きが気になって止まらない
出版社
集英社
発売日
2015年01月23日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイムスリップものって今たくさんありますけど、この作品は戦国に戻っていくところが面白いんですね。
佐藤メバル
そう、そこがこの作品の勘所だね。普通は現代の人が過去へ行くだけだけど、この第5巻では若君が現代から戦国へ生還して、また唯の前に現れる。
行き来する関係だからこそ、会える時間が限られている切なさが出るし、側室の鐘ケ江の姫の存在が恋に影を落とす。
コミカルな絵のまま、恋の駆け引きがきちんと描かれているのが強みだよ。
橘ナナミ
会える時間が限られている、たしかに切ないですね。唯は自分の気持ちをどうやって伝えるんでしょうか?
佐藤メバル
今巻では、若君の気持ちが見えなくてモヤモヤした唯が、ついに本音をぶつけてしまうんだ。そこが読みどころで、遠慮や立場を飛び越えた一言が物語を動かす。
戦国側の事情も絡むから、ただの恋の進展では終わらない。歴史漫画として読むと軽めだけれど、恋の心理を丁寧に追いたい人には、この軽さがちょうどいいと思うよ。
吉原の描き虫 1
大浜カナタ 著|集英社
¥792(税込)
江戸中期、本屋の一人娘であるお文は、大人顔負けの画力から「描き虫」と呼ばれる少女。絵と物語を合わせた黄表紙を愛する明るい性格ですが、遊女だった母と生き別れた寂しさを抱えています。本屋を襲った事件をきっかけに、たった一人で母を捜しに吉原遊廓へ踏み込んでいく。絵と出版という切り口と少女の自立が重なる、新しい歴史漫画です。
こんな人におすすめ
江戸の町や出版文化に関心がある人、少女が自分の腕で道を切り開く話が好きな人、新しい歴史漫画を探している人。第1巻でお文の境遇と決意が描かれるので、シリーズの入口として最適です。
良い点
- 黄表紙という題材が新鮮
- 画力で生きる少女の成長が軸
- 江戸中期の空気が丁寧に描かれる
気になる点
- 吉原の描写は重い場面もある
- 第1巻時点では謎が残る
- 刊行が新しく続巻待ちになる
出版社
集英社
発売日
2024年12月18日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
黄表紙って言葉を初めて見たんですが、どういうものなんですか?お文がそんなに夢中になる理由が気になります。
佐藤メバル
黄表紙は江戸中期に流行った、絵と物語がセットになった読み物だよ。現代でいえば絵本と小説のあいだのようなもので、洒落や風刺がきいていた。
お文はその魅力に夢中な少女で、しかも自分で描ける腕がある。好きなものを自分で作れるという設定が、この物語の推進力になっている。
本屋の娘という立場も、本と紙と人が集まる場所で育ったという意味で大きいね。
橘ナナミ
自分で描けるって強いですね。お母さんを捜しに吉原遊廓へ入っていくのは、かなり大胆な行動ですよね?
佐藤メバル
そう、そこが第1巻の山場だね。本屋を襲った事件をきっかけに、お文は一人で踏み込んでいく。吉原は華やかさと厳しさが同居する場所で、少女が入れば無事では済まない場面もある。
だからこの漫画は、明るい性格のお文の内側にある寂しさと、絵で生きる覚悟を同時に描いている。江戸の出版文化に興味がある人ほど、細部で楽しめると思うよ。
幕末レボリューション! 運命の出会いは新選組!?
五十嵐美怜 著|集英社
¥770(税込)
空手が得意な中学一年の七野凛が、拾った虹色の石をきっかけに1862年の日本へ飛ばされる物語。そこで出会ったのは同い年の桐真と、のちに新選組になる土方や沖田たち。もとの時代に帰りたいと思いながら、彼らがたどる運命を知ってしまい、守りたいという気持ちが芽生える。強い自分をどう生きるかが主題の、時を超えた挑戦の物語です。
こんな人におすすめ
新選組に興味を持ち始めた小中学生、タイムスリップものを気軽に読みたい人、恋と友情と歴史を一度に味わいたい人。空手が得意な主人公なので、体を動かすことが好きな子にも入りやすいです。
良い点
- 新選組を少女の目線で追える
- 空手という行動力が物語を動かす
- 児童向けで読みやすい文章と絵
気になる点
- 史実の細部は簡略化されている
- タイムスリップの仕組みは謎のまま
- 続きを前提にした引きで終わる
出版社
集英社
発売日
2023年09月15日
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
中学一年生の女の子が幕末に飛ばされるんですね。新選組って、いまの女子にも人気があるんでしょうか?
佐藤メバル
人気は根強いよ。ただこの作品が面白いのは、新選組をかっこいい集団として眺めるだけじゃなく、のちの運命を知っている主人公の立場に立たせるところだね。
凛は空手が得意で、強い自分に恋愛のイメージを持たれないことにモヤモヤしている。その揺れが、幕末で仲間を守りたいという気持ちに変わっていく。
歴史の入口としても、少女の成長物語としても読めるよ。
橘ナナミ
自分の強さが悩みになる感覚、ちょっとわかります。1862年って、新選組ができる前の時代なんですよね?
佐藤メバル
そう、そこが大事なポイント。1862年は新選組がまだ形になる前で、のちに名前を残す人たちがまだ若い頃なんだ。
だから凛は、史実を知っているからこそ「この人たちはこれからどうなるのか」と心がざわつく。彼らを変えようとするのか、見守るのかで物語の選択が重くなる。
歴史を知っているほど切なく、知らない子は知らないまま引き込まれる。両方楽しめる作りだね。
学習まんが 世界の伝記NEXT 光源氏
春野まこと 著|集英社
¥1,210(税込)
『源氏物語』の主人公・光源氏の生涯を、伝記風のまんがで追う学習まんがです。母を幼くして亡くし、帝の子でありながら臣籍に降下し、藤壺の宮への恋、葵の上との結婚、若紫との出会い、そして多くの人との関わりが描かれます。すべてふりがな付きで、巻末には九つの質問でわかるQ&Aや年立などの資料ページも充実。名作の主人公を人物として理解する新しい入口です。
こんな人におすすめ
小学校低学年から源氏物語に触れたい子、大河ドラマをきっかけに古典を知りたい大人、名作の時代背景を先に押さえたい人。すべてふりがな付きなので、ひとり読みの練習にも向いています。
良い点
- ふりがな付きで低学年から読める
- Q&Aや年立など資料が充実
- 人物として光源氏を理解できる
気になる点
- 物語全体の細部は削られる
- 恋愛の機微は大人向けではない
- 原作を読んだ人には物足りない
出版社
集英社
発売日
2024年03月05日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
光源氏を「伝記」として読むのが面白いですね。実在の人物ではないのに、伝記の形にするんですね。
佐藤メバル
そこがこのシリーズの狙いで、名作の主人公を人物として扱うことで、物語の流れがぐっと入りやすくなる。光源氏は母を亡くし、帝の子でありながら臣籍に降下し、藤壺の宮に恋をしながら葵の上と結婚する。
関係の筋道が見えるから、原作に挑む前の地図になるんだ。巻末のQ&Aや年立も、つまずきどころを拾ってくれる。
橘ナナミ
ふりがな付きなのがありがたいです。子どもと一緒に読むとしたら、どのあたりから楽しめそうですか?
佐藤メバル
すべての漢字にふりがなが付いているから、小学校低学年でもひとりで読み進められる作りだよ。ただ、光源氏の恋の数々は、大人が読むとまた違う味わいがある。
親子で読んで「この人はなぜこうしたんだろう」と話すのがいちばん楽しい使い方だね。原作の前に、人物の生涯を押さえるという順番がおすすめだよ。
学習まんが 日本の伝記 SENGOKU 浅井三姉妹 ( 茶々 ・ 初 ・ 江 )- 戦国の姫たち 2 -
東園子 著|集英社
¥1,100(税込)
織田信長の妹・お市の方を母に、浅井長政を父に生まれた茶々・初・江の三姉妹を描く学習まんがです。両親と次々に死に別れる少女時代を経て、それぞれ戦国武将の妻となり、信長・秀吉・家康という三英傑と深く関わった人生が、当時の女性としては珍しいほど後世に伝わっています。三姉妹の視点で戦国を追う構成と、河合敦先生のQ&A、巻末の口絵工作まで、読んで作って楽しい一冊です。
こんな人におすすめ
戦国時代に興味を持ち始めた小学生、とくに姉妹や家族の物語が好きな子、大河ドラマの背景を知りたい大人。A5判のソフトカバーで持ち歩きやすく、塾や習い事の行き帰りの読書にも向きます。
良い点
- 三姉妹それぞれの人生を追える
- 河合敦先生のQ&Aが充実
- 口絵の型紙で工作も楽しめる
気になる点
- 戦国の勢力争いは簡略化
- 三姉妹の名前が混乱しやすい
- 内容は小学生向けの平易さ
出版社
集英社
発売日
2020年04月30日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
茶々・初・江って、聞いたことはありますけど、三姉妹だったんですね。どうしてそんなに有名なんですか?
佐藤メバル
いい質問だね。三人がそれぞれ有名な戦国武将の妻になり、しかも織田信長・豊臣秀吉・徳川家康という三英傑と深く関わったからだよ。
普通、当時の女性の人生は記録に残りにくい。それなのに三姉妹の生涯がここまで伝わっているのは珍しいことなんだ。
三人を並べて見ると、戦国の流れが女性の側から見えてくる。
橘ナナミ
たしかに、歴史の授業だと女性の名前はほとんど出てきませんでした。この本は子ども向けなんですよね?
佐藤メバル
小学生向けの学習まんがだけど、大人が読んでも発見は多いよ。巻末には河合敦先生へのQ&Aがあって、「三姉妹ってなんでこんなに有名なの?」といった素朴な疑問に答えてくれる。
それにこのシリーズははじめてソフトカバーを採用していて、軽くて持ち歩きやすい。巻末の口絵はミニふうとうとミニびんせんの型紙で、手を動かすのが好きな子にも刺さるね。
新島八重
柊ゆたか 著|集英社
¥1,210(税込)
会津を救おうと城にこもって戦った八重に、維新後の日本は別の人生を与えました。夫・新島襄を助けて、まだ偏見の残るキリスト教の学校の設立に力を尽くし、晩年は看護師を育てる。一つの時代を戦い、次の時代を建てるという起伏が、この一冊の芯です。2013年の大河ドラマの主人公になった人物の生涯を、学習まんがで追えます。
こんな人におすすめ
会津や幕末維新に興味がある人、女性が教育や社会を切り開いた過程を知りたい人、大河ドラマの背景を先に押さえたい人。戦う時代と建てる時代の両方を一冊で追えるのが魅力です。
良い点
- 幕末から明治までを一冊で追える
- 教育と看護という後半生が厚い
- 大河ドラマの予習復習になる
気になる点
- 戦闘場面の描写は控えめ
- 維新後の政治背景は簡略的
- 会津側の視点に寄っている
出版社
集英社
発売日
2012年12月14日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
城にこもって戦った女性が、のちに学校を作るんですか。同じ人の人生とは思えないギャップです。
佐藤メバル
そう、そこが八重の面白さだね。会津を救いたいと城にこもって戦った経験は、維新後、まったく別の形で生きてくる。
夫の新島襄を助けて、まだ偏見の残るキリスト教の学校の設立に尽くし、晩年は看護師を育てた。戦う力が建てる力に変わるという流れが、この本をただの伝記以上のドラマにしているよ。
橘ナナミ
晩年に看護師を育てることになったのは、どういう経緯だったんでしょうか?そこも気になります。
佐藤メバル
詳しい経緯は本文で追ってほしいけれど、会津で戦った経験と、夫を支えてきた経験が、人の命に寄り添う仕事へつながっていくんだ。
この本はひとりの女性の一生を追う構成だから、時代が変わっても役割を選び直せるというメッセージが自然に伝わってくる。
大河ドラマを見た人も、まだ見ていない人も、人物の芯を知る入口になるよ。
津田梅子
RICCA 著|集英社
¥1,100(税込)
たった六歳で海を渡り、日本初の女子留学生となった津田梅子。アメリカで教育を受けて帰国した彼女は、日本には女性のための学校が必要だと痛感し、女子英学塾、現在の津田塾大学を開校します。学ぶ道を切りひらいた明治の女性の生涯が、ふりがな付きのまんがで読めます。巻末には九つの質問でわかるコーナーや年表もあり、資料としても使える一冊です。
こんな人におすすめ
進路や学び方に迷っている中高生、女性の教育の歴史を知りたい人、学習まんがで人物を押さえたい人。六歳で留学する決断という出だしは、子どもにも大人にも刺さります。巻末の年表と合わせて読むと理解が深まります。
良い点
- ふりがな付きで低学年から読める
- Q&Aと年表で資料性が高い
- 進路を考える時期に効く
気になる点
- 留学後の政治的背景は簡略
- 明治の女性観は補足が欲しい
- 伝記として淡々とした印象
出版社
集英社
発売日
2021年06月25日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
六歳で海を渡るって、私には想像できないです。親元を離れて留学生になるのは、相当な決断ですよね。
佐藤メバル
そうだね、そこがこの本の出発点であり、いちばん驚かされる事実だよ。ただ、梅子の物語の重心はその後にある。
アメリカで教育を受けて帰国した彼女は、日本には女性のための学校が必要だと痛感して、女子英学塾、今の津田塾大学を開校する。
学ぶ機会そのものを作った人なんだ。六歳の決断と、そこから続く長い道のりを一冊で追える。
橘ナナミ
学校を作るって、当時はものすごく反発もありそうです。巻末のQ&Aには何が載っているんでしょうか?
佐藤メバル
このシリーズは記事ページが充実していて、九つの質問でわかる人物紹介と年表が付いている。まんがだけでは拾いきれない背景を、後ろの資料で補える構成だね。
それに、この人が新しい紙幣の顔になったことで、名前だけは知っているという人も増えた。名前から人物へつなげるのにちょうどいい一冊だよ。
エレノア・ルーズベルト
よしまさこ 著|集英社
¥990(税込)
世界人権宣言を国際連合で採択することに力を尽くした女性、エレノア・ルーズベルトの生涯を描きます。幼いころは自分をみにくいと思っていた彼女が、多くの出会いを経て強い信念を持つ女性に成長。夫フランクリンが第32代大統領になると、ファーストレディとして不況や人種差別などの問題に立ち向かいます。夫の死後も国連代表として世界のために働いた後半生まで一冊で追えます。
こんな人におすすめ
人権や国際協力に関心がある中高生、ファーストレディの仕事を知りたい人、学習まんがで世界史の人物を押さえたい人。学習漫画初登場の人物なので、伝記の選択肢を広げたい人にも向いています。
良い点
- 人権宣言という大きな仕事を追える
- 幼少期の自己肯定感の話が刺さる
- 大統領夫人の公的役割がわかる
気になる点
- 世界史の前提知識が少し要る
- 政治的な対立は簡略されている
- 関係する人名が多く感じられる
出版社
集英社
発売日
2013年05月24日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ファーストレディって、大統領夫人というだけの立場だと思っていました。そんなに大きな仕事をするんですね。
佐藤メバル
そこがこの本の核心だよ。エレノアは夫が大統領の間、アメリカじゅうを回って不況や人種差別の問題に向き合った。
そして夫の死後、悲しみを乗りこえて国連代表のひとりとなり、世界人権宣言の採択に力を尽くす。幼いころは自分をみにくいと思っていた人だというのが、また胸に来る。
立場を与えられて終わる人ではなく、立場を仕事に変えた人なんだ。
橘ナナミ
自分をみにくいと思っていたというのは意外でした。そこから、どうやって変わっていったんでしょうか?
佐藤メバル
ひとつは多くの出会いだね。この本では、彼女が人と関わるなかで視野を広げ、強い信念を持っていく過程が描かれている。
紹介文にも、男に生まれていたら大統領になっていただろうと評される人物だと書かれている。学習漫画初登場という触れ込みどおり、これまで伝記で拾われにくかった人物を一冊で知れる貴重な機会だよ。
アメリア・イヤハート
佐野未央子 著|集英社
¥990(税込)
20世紀のはじめ、飛行機が始まったばかりの時代に、女性として世界で初めて飛行機で大西洋を横断したアメリア・イヤハート。1928年には乗組員として、1932年には単独で大西洋横断に成功し、アメリカの「新しい女性」のシンボルになりました。自分のやりたいことを探し続けた末に23歳で飛行機と出会い、次々と記録を達成していく39年の生涯を追える学習まんがです。
こんな人におすすめ
飛行機や冒険に憧れる小中学生、女性が道を開いた歴史を知りたい人、挑戦の背中を押してほしい大人。「世界一周飛行」から「ラストフライト」まで収められ、その生涯を一冊で見渡せます。
良い点
- 女性初の大西洋横断を追える
- 記録だけでなく人となりも描く
- 目次が生涯の流れでわかりやすい
気になる点
- 航空史の背景は最小限
- 最後の飛行の詳細は少なめ
- 時代の差別描写に説明が要る
出版社
集英社
発売日
2012年03月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
女性として世界で初めて大西洋を横断したんですね。1928年と1932年で、意味が違うんでしょうか?
佐藤メバル
よく気づいたね。1928年は乗組員としての横断で、1932年は単独での横断だ。同じ横断でも、自分で操縦するかどうかはまったく別の重さがある。
当時、飛行機はまだ始まったばかりで、女性が操縦することを疑う目もあった。それでも記録を重ねて、アメリカの「新しい女性」のシンボルになっていく。
ただの冒険譚ではなく、女性の権利拡大の文脈も持った人だよ。
橘ナナミ
23歳で飛行機に出会ったというのもいいですね。それまでずっと、やりたいことを探し続けていたんですね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本のいちばん励まされる部分だと思う。子ども時代から自立心が芽ばえて、訓練の日々があって、パトナムとの出会いを経て大西洋へ挑む。
目次を追うだけでも、遠回りに見える時間が最後に効いてくるのがわかる。39年という短い生涯だけれど、世界一周飛行から最後の飛行まで、一冊で通して読める構成になっているよ。
まんが日本史ヒロイン1000人
世界文化社
¥2,090(税込)
神話の時代から現代まで、歴史を創った女性たちのドラマを288ページにまとめた一冊です。教科書に出てくる人物はもちろん、大河ドラマや朝の連続ドラマで話題になった実在の女性たちも取り上げられています。時代別の構成だから流れがつかみやすく、エピソードで読むから記憶に残るのが強み。個別の伝記に入る前の、地図のような使い方ができる本です。
こんな人におすすめ
歴史に登場する女性をまとめて知りたい人、大河ドラマや朝ドラのモデルを調べたい人、子どもと一緒に人名を眺めたい人。ひとりを深くではなく、時代の流れで広く押さえたいときに効きます。
良い点
- 神話から現代まで幅広くカバー
- 時代別で流れがつかみやすい
- エピソード単位で拾い読みできる
気になる点
- 一人あたりの記述は短い
- 索引的に使うと物足りない
- 価格はやや高めの部類
出版社
世界文化社
発売日
2016年12月13日頃
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
1000人って、とんでもない数ですよね。ひとりひとりのお話はどのくらいの分量で載っているんですか?
佐藤メバル
そこは期待の持ち方を間違えないほうがいい。ひとりを深く掘る本ではなく、時代別に並べて全体を見渡す本だと考えてほしい。
288ページにギュッと凝縮されているから、まず名前と時代を知って、気になった人を個別の伝記で深掘りする。
そういう使い方がいちばん力を発揮するよ。神話の時代から現代まで一冊でつながるのは、なかなか貴重だね。
橘ナナミ
地図として使うのがいいんですね。教科書に出てくる人物以外にも、どんな女性が載っているんでしょうか?
佐藤メバル
大河ドラマや朝の連続ドラマで取り上げられた実在の女性たちも入っているのが、この本のいいところだね。いま話題になっている人から入って、同じ時代の別の女性へ広げていける。
エピソードで読むから面白いというのが版元の言葉だけど、まさにその通りで、通読しても拾い読みしても使える。
シリーズ全体の総まとめとして置いておくにも向いているよ。
史実系・ロマン系・幻想混淆系 — 3系統で見る地図
橘ナナミ
さっきの「史実を動かすか、借りるか」の話、系統として呼び分けるとどうなりますか?
佐藤メバル
大きく3つに分けると整理しやすい。史実系は実在の人物や事件を軸にするもの、ロマン系は恋愛や人間関係のドラマを軸にするもの、幻想混淆系はタイムスリップや空想の設定を混ぜるものだね。『まんが日本史ヒロイン1000人』は史実系、古典を下敷きにした『あさきゆめみし』はロマン系、『アシガール』や『幕末レボリューション!』は幻想混淆系。同じ戦国でも、若君を追いかける話と、新選組になる人たちの運命を「知ってしまった」少女の話では、読後感がまるで違う。系統を知ると、次に読む一冊が自分で選べるようになるよ。
橘ナナミ
系統で選べると、失敗が減りそうです。
名作から最新連載まで — 女性主人公はどう描かれてきたか
佐藤メバル
ここは一番伝えたいところ。『新島八重』は、会津を救おうと城にこもって戦った人が、維新後に夫・新島襄を助けてキリスト教の学校を設立し、晩年は看護師を育てた生涯。『津田梅子』は6歳で海を渡り、日本初の女子留学生として学び、女子英学塾を開いた人。『エレノア・ルーズベルト』は世界人権宣言の採択に力を尽くした。誰かに守られる姫ではなく、自分で道を切りひらいた女性が主役として並んでいる。これが歴史漫画の現在地なんだ。
橘ナナミ
男子向けの歴史漫画とは、主役の立たされ方が違うんですね。
佐藤メバル
そう。『吉原の描き虫』のように、江戸の遊廓に一人で踏み込む少女を描く新しめの作品も出てきている。名作と最新作を並べて読むと、時代ごとに女性の描かれ方が動いてきたことが見えてくる。
学習との橋渡しと入手手段
橘ナナミ
中学受験や勉強に使うなら、やっぱり学習まんがですか?
佐藤メバル
学習まんがから入るのが素直だね。『学習まんが 世界の伝記NEXT 光源氏』はすべてふりがな付きで、巻末に「9つの質問でわかる」記事ページもあり、大河ドラマで話題になった『源氏物語』の入り口になる。『浅井三姉妹』は軽くて持ち歩きやすいソフトカバーで、塾や習い事の行き帰りにも読める。娯楽作品で興味に火がついたら、学習まんがで史実を確認する。この往復が一番強いんだ。
橘ナナミ
入手手段はどう使い分ければいいでしょう?
佐藤メバル
紙・電子・図書館の三択で考えればいい。まず図書館で1巻を試し、繰り返し読みたくなったら紙で揃える。文庫版がある作品は場所を取らないから、ひとり暮らしにはありがたいよ。
よくある質問
女性向け歴史漫画で最初に読むべき作品は?
橘ナナミ
女性向け歴史漫画で最初に読むべき作品はについて教えてください。
佐藤メバル
10代なら『幕末レボリューション!』、大人なら『ベルサイユのばら』か『あさきゆめみし』が入りやすいです。前者は空手が得意な中学一年生が1862年の日本に飛ばされる話で、ヒロインが同世代。後者は連載開始から40年以上読み継がれてきたロングセラーで、結末の決まった史実の中で女性がどう生きたかを味わえます。1冊で完結する伝記まんがから始めるのも堅実です。
歴史が苦手でも楽しめますか?
橘ナナミ
歴史が苦手でも楽しめますかについて教えてください。
佐藤メバル
楽しめます。『吉原の描き虫』は江戸中期の本屋の一人娘が、たった一人で吉原へ母親を探しに行く物語で、時代の知識がなくても少女の旅として読めます。史実は背景として効いてくるので、むしろ後から「そういう時代だったのか」と追いかけたくなります。
中華後宮ものと日本史ものはどう選べばいい?
橘ナナミ
中華後宮ものと日本史ものはどう選べばいいについて教えてください。
佐藤メバル
権力の内側で女性が立ち回る面白さを求めるなら中華後宮もの、身近な土地と時代の流れを感じたいなら日本史もの。今回のラインナップは日本史と西洋史が中心で、戦国・江戸・幕末と時代も幅があります。まず「どの時代の空気を吸いたいか」で選ぶと迷いません。
小学生女子でも読める歴史漫画はありますか?
橘ナナミ
小学生女子でも読める歴史漫画はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。『学習まんが 世界の伝記NEXT 光源氏』はすべてふりがな付きで、小学校低学年から読める作り。『学習まんが 日本の伝記 SENGOKU 浅井三姉妹』は現代の子が共感できる絵柄で、巻末に作って遊べる口絵もついています。まずは読み切れる1冊を選ぶのがコツです。
史実に忠実な歴史漫画と創作の違いは?
橘ナナミ
史実に忠実な歴史漫画と創作の違いはについて教えてください。
佐藤メバル
巻末の年表やQ&A、監修者がいるかどうかを見ると判断しやすいです。監修者が入った学習まんがは、どこまでが史実かが示されます。タイムスリップや空想の設定を含む作品は、史実を入り口にした物語として読む。両方を往復するのが一番理解が深まります。
大人の女性が楽しめるおすすめは?
橘ナナミ
大人の女性が楽しめるおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
『ベルサイユのばら』『あさきゆめみし』のような長く読まれてきた作品は、当時とは違う視点で刺さります。実在の女性の生涯を追うなら『津田梅子』や『エレノア・ルーズベルト』も。1冊で一人の人生が読み切れる構成なので、まとまった時間が取れない人にも向いています。
ラブ要素が強い歴史漫画を知りたい
橘ナナミ
ラブ要素が強い歴史漫画を知りたいについて教えてください。
佐藤メバル
『アシガール』は戦国の若君との関係が軸で、両思いかもしれないと揺れる心が丁寧に描かれます。『幕末レボリューション!』も、のちに新選組になる人たちとの出会いの中で恋の芽が生まれます。恋の比重が高い作品は、時代の制約があるからこそ感情の起伏が濃くなります。
無料や試し読みで読める歴史漫画はある?
橘ナナミ
無料や試し読みで読める歴史漫画はあるについて教えてください。
佐藤メバル
電子版には試し読みが用意されていることが多く、まず数ページ読んで絵とテンポを確かめるのがおすすめです。図書館で1巻を借りてから、繰り返し読みたくなった作品を紙で揃える流れなら出費を抑えられます。文庫版がある作品は、揃えても場所を取りません。
まとめ
橘ナナミ
今日のお話を聞いて、歴史漫画の見え方がだいぶ変わりました。年表を覚えるための本じゃなくて、人の一生を追いかける本なんですね。
佐藤メバル
そう。書店員だったころ、歴史漫画の棚を「勉強コーナー」に寄せてしまって、売り場が一気に固くなった失敗がある。それから学習まんがと娯楽作品を隣に並べ直したら、親子で一緒に選ぶお客さんが増えた。棚は、読者の入口の数だけあったほうがいいと、あのとき学んだよ。
橘ナナミ
入口が複数ある、という考え方、いいですね。私だったらまず『幕末レボリューション!』で幕末に慣れてから、『新島八重』で史実を確かめてみたいです。
佐藤メバル
それ、いい順番だね。逆に大人の読者なら、『ベルサイユのばら』か『あさきゆめみし』を1冊、腰を据えて読むのがいい。恋も戦も、読み返すたびに意味が変わるから。
橘ナナミ
同じ本なのに、読む年齢で景色が変わる。それって不思議で、ちょっと嬉しいです。
佐藤メバル
年表っていう一枚の地図の上に、女性が自分の足でつけた足跡を重ねて眺める——それが歴史漫画を読む時間なんだと思う。今日並んだ12冊は、足跡のつけ方がそれぞれ違う。だから、あなたが惹かれた足跡から辿ってみてください。
