ケルト音楽について学べる本のおすすめ人気ランキング23選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日は「ケルト音楽の本」ですよね。でも、そもそもケルト音楽って何なんですか? アイルランドのイメージしかなくて。
佐藤メバル
いい質問だね。ケルト音楽は、一つの国やジャンルを指す言葉じゃなくて、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ブルターニュ、コーンウォール、マン島という、ケルト系の言語と文化を保ってきた地域の伝統音楽をまとめた呼び方なんだ。
橘ナナミ
6つの地域! じゃあ本を選ぶときも「ケルト」でひとくくりにしちゃいけないんですね。
佐藤メバル
そう。ここが今日いちばん大事なところ。書店でも「ケルト音楽」と「アイルランド音楽」が混ざって並んでいるけど、読者が何をしたいかで選ぶ本はまったく変わる。聴くために読むのか、自分で弾くのか、歴史として調べるのか。先に目的を決めると失敗がぐっと減るよ。
橘ナナミ
なるほど……! じゃあ、目的別から教えてください。
ケルト音楽について学べる本の選び方
目的別:聴く・読む・弾く・調べる
橘ナナミ
鑑賞派と演奏派で、選ぶ本は違いますか?
佐藤メバル
全然違う。聴く側なら『聴いて学ぶ アイルランド音楽』。CD付きで、セッション、歴史、ダンス・チューン、楽器、うた、詞という流れを追いながら、名手の演奏でエッセンスをつかめる。オックスフォード大学がテキストとして企画した1冊で、リスナーにもプレイヤーにも薦められる入門書だよ。
橘ナナミ
読み物として楽しむなら?
佐藤メバル
『アイルランド音楽──碧の島から世界へ』は、世界音楽へ進化していくプロセスを描いた本で、CDには日本の新世代ミュージシャン8組の演奏が入っている。旅の気分なら『アイルランド旅と音楽: ケルトの国に魅せられて』。弾くなら、自分の楽器名で曲集を探すのがいちばん早い。
言語別:日本語で読める本か、英語の洋書か
橘ナナミ
英語が苦手でも大丈夫でしょうか。
佐藤メバル
楽譜は言語の壁が低い。曲名と譜面が読めれば使える。たとえば『ピアノ独奏のためのケルト音楽コレクション』は40曲入りの輸入楽譜だけど、弾くだけなら英語の解説に頼らなくていい。
橘ナナミ
読み物で洋書に挑戦するなら?
佐藤メバル
先に日本語の入門書で、人名と地名の下地を作ること。それなしで洋書から入ると、知らない名前の洪水になって心が折れる。書店員時代に何度も見た光景だよ。
レベル別:完全初心者からセッション中級者まで
橘ナナミ
初心者と、セッションに出ている人でも違いますか?
佐藤メバル
違う。初心者は音源付きの入門書を1冊と、自分の楽器の易しい曲集。セッション段階なら曲数の多い曲集と、リール、ジグ、ホーンパイプといった踊りのリズムごとに整理された本が欲しくなる。
橘ナナミ
『ギターソロのための20のケルト音楽集』はそのあたりですか?
佐藤メバル
そう。編者は単身アイルランドに渡り、地元のパブで飛び入り演奏をしながら400曲を採譜した人で、そこから厳選した20曲が入っている。現地で採られた一次資料に近い曲集としても価値がある。
形式別:教則本・曲集・楽譜・読み物
橘ナナミ
教則本と曲集はどう使い分けますか?
佐藤メバル
教則本は「どう弾くか」、曲集は「何を弾くか」。演奏会向けは発想が違って、加藤昌則『ケルトスピリット』はグリーンスリーブスやロンドンデリーの歌の旋律に、リールやジグ、ホーンパイプのリズムを編み込んだ作品。ギターとチェロ、ヴァイオリン、クラリネット、オーボエの組み合わせが選べて、演奏時間は約8分15秒、パート譜付きだよ。
橘ナナミ
読む側には、神話に触れる本もありましたよね。
佐藤メバル
鈴木輝昭『ティル ナ ノグ』は古代ケルト神話を扱った無伴奏の女声合唱曲で、テクストはゲール語原文によっている。音楽書の棚ではなく「合唱」の棚に置かれているから、探すときは棚を決め打ちしないほうがいい。
楽器別:笛・ハープ・フィドル・その他
橘ナナミ
ティンホイッスルやハープの専門書もあるんでしょうか。
佐藤メバル
あるけれど、日本語で手に入るものは限られる。だからまず「手持ちの楽器でケルトの曲を弾ける曲集」を探すのを勧めている。ピアノ、サックス、フルート、トランペット、クラリネット、トロンボーン、ギター、チェロ——管楽器とピアノの曲集が驚くほど揃っているんだ。
橘ナナミ
得意な楽器で入っていいんですね。
佐藤メバル
ジェームズ・カーナウ編曲の『ケルト民族音楽集』はトロンボーン、クラリネット、トランペットとピアノの版がある。吹奏楽なら『ケルト・ウェディング』や『ケルトの子供たち』、『ケルト人の火祭り』といったスコアもあるよ。
予算と入手性:絶版・重版・輸入・音源の有無
橘ナナミ
輸入楽譜は、値段も納期も読めないのが不安です。
佐藤メバル
だから値段より「付属物」を見てほしい。音源が付いているか、パート譜があるか、タブ譜があるか。音源付きなら練習の基準が持てるし、タブ譜があれば譜読みの負担が減る。
橘ナナミ
1冊目は絞ったほうがいいですか?
佐藤メバル
予算が限られているなら、音源付きの入門書か、自分の楽器の曲集のどちらかで十分。本は集めるものじゃなく、使うものだからね。
ケルト音楽について学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、23冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
ケルト音楽について学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

聴いて学ぶ アイルランド音楽 (CD付き)
ドロシアハスト 著|アルテスパブリッシング
アイルランド伝統音楽を「聴きながら学ぶ」入門書です。セッション、歴史、ダンス・チューン、楽器、うた、詞という幅広い切り口を、付属CDの名手の演奏と行き来しながらたどれる構成。オックスフォード大学がテキストとして企画した一冊で、骨格がしっかりしているのが強みです。ルナサ、ケヴィン・クロフォード、メアリ・マクナマラら収録ミュージシャンも豪華。耳と頭を同時に動かせる入り口です。
こんな人におすすめ
これからアイルランド音楽を聴き始める人、セッションに参加したい楽器奏者、詞や歴史まで含めて背景を知りたいリスナー。CDを流しながら通読する学び直しの時間に向きます。最初の一冊で迷ったらここから。
良い点
- CD付きで音と解説を行き来できる
- オックスフォード大学が企画した構成
- セッションから詞まで守備範囲が広い
気になる点
- 演奏技術を教える教則本ではない
- 収録曲の譜面は付属しない
- 入門者には情報量がやや多い
出版社
アルテスパブリッシング
発売日
2008年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ケルト音楽の本って、まず何から読めばいいんでしょう。CD付きの入門書がいくつかあって、私、選べなくて止まってます。
佐藤メバル
いい質問だね。迷ったら、まずこの一冊で骨格をつかむのがおすすめです。セッション、歴史、ダンス・チューン、楽器、うた、詞——ふだん別々に語られがちな話題を一冊で並べてくれる。
しかもオックスフォード大学がテキストとして企画した本なので、構成に無理がないんですよ。
橘ナナミ
大学のテキストなんですね。付属CDに入っているミュージシャンも、ルナサにケヴィン・クロフォード、メアリ・マクナマラ……名前だけで豪華です。
佐藤メバル
そう、そこが嬉しいところでね。文章で読んだ「セッションとは何か」を、そのまま音で確かめられる。書店員時代、音楽書の棚で「解説だけ読んでもピンとこない」という声を何度も聞きました。
この本は耳と頭を同時に動かせる。だから最初の一冊に強いんですよ。

アイルランド音楽──碧の島から世界へ【CD付き】
おおしまゆたか 著|アルテスパブリッシング
¥2,420(税込)
97年刊『アイリッシュ・ミュージックの森』の増補新版です。いま日本でアイルランド音楽が沸き立っている——その変化のきっかけは何なのか、という問いから始まり、世界音楽へ進化していくプロセスを描きます。対談ゲストは演奏家のトシバウロン。CDにはO'Jizo、John John Festival、奈加靖子ら新世代の演奏を収録。同時代の空気が音と論考の両方から見える、定番入門書とは性格の違う一冊です。
こんな人におすすめ
アイルランド音楽を自分で演奏する人、邦人プレイヤーの動きを追いたい人、音楽が国を越えて変わっていく過程に関心がある読者。ライブの予習にも。今の現場を味わいたいときに。
良い点
- 日本盤アーティストの演奏をCD収録
- トシバウロンとの対談を収録
- 旧著の増補新版で論考が更新
気になる点
- 基礎から教える入門書ではない
- 楽譜は付属しない
- 演奏家の動向に関心が薄いと冗長
出版社
アルテスパブリッシング
発売日
2015年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ出版社のCD付きですけど、こっちは表紙の雰囲気が全然違います。日本で盛り上がっている、という話なんですね。
佐藤メバル
そう。97年に出た『アイリッシュ・ミュージックの森』を増補新版として組み直した一冊で、書き出しが「活きのいい音楽が鳴っている。生演奏だ。ライヴだ」なんですよ。
熱がある。日本のミュージシャンが同時多発的にアイルランド音楽へ取り組み始めた、その理由を追いかける。
橘ナナミ
理由を追う、というところが気になります。音楽の入門書というより、ルポに近いんですか?
佐藤メバル
近いね。CDにはO'JizoやJohn John Festival、奈加靖子など8組の演奏が入っていて、対談相手はトシバウロン。
外から来た音楽が、この国で根を張る瞬間を扱っている。読んで、聴いて、現場に行きたくなるタイプの本です。

アイルランド旅と音楽: ケルトの国に魅せられて
松島まり乃 著|晶文社
¥500(税込)
タイトルが示すとおり、アイルランドという土地を旅しながら音楽に触れる、という視点でまとめられた一冊です。二百四十ページあまりという厚みは、曲目を並べたガイドというより、腰を落ち着けて読む旅の読み物としての性格をうかがわせます。パブの音、西の景色、人々の暮らし——文章で土地の空気を味わってから音源に戻ると、同じ曲の聴こえ方が変わります。土地と音を結びつけたい人向けです。
こんな人におすすめ
アイルランドへ実際に足を運びたい人、渡航前に音楽の背景を仕入れたい人、紀行文をゆっくり読みたい読者。地図と音源を横に置いて。旅の助走として使うのが似合います。
良い点
- 旅と音楽を一冊でたどれる
- 紀行として読みやすい厚み
- 渡航前の予習に使いやすい
気になる点
- 楽譜や譜例は期待できない
- 体系的な入門書ではない
- 演奏の実践には向かない
出版社
晶文社
発売日
1999年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、タイトルが旅なんですよ。音楽の本を探していたら、紀行文みたいなのが出てきて……これもアリなんですか?
佐藤メバル
アリどころか、僕は旅の前にこういう本を必ず一冊入れます。現地で流れている曲が、頭の中で景色と結びつくかどうかで、聴こえ方ってまったく変わるんですよ。
橘ナナミ
なるほど。でも内容紹介がほとんどないので、どんな本か分からないまま買うのは、正直ちょっと不安で……。
佐藤メバル
そこは正直に言うと、手に取って確かめるのが一番です。ただ、二百四十ページという厚みは、めくるだけのガイドではなく読み物としての旅を想定した量。
音楽の知識を詰め込む本ではなく、土地の記憶を持ち帰る本だと思って選ぶといいですよ。

MSOAX259 輸入 ケルト音楽・20曲集(アルトサックス+ピアノ)【20CelticHits】 / ミュージックエイト
- 著|ミュージックエイト
アルトサックスとピアノのために編まれた、ケルト音楽20曲の輸入楽譜集です。メロディをサックスが歌い、ピアノが支える二重奏の形なので、教室や発表の場でそのまま使えます。同じ「20曲集」でも楽器ごとに分かれているシリーズの、アルトサックス版。息の使い方で表情が変わるサックスは、旋律の歌い回しがそのまま魅力になります。収録曲の詳細は購入前に現物で確認を。
こんな人におすすめ
アルトサックスを学ぶ中高生から大人まで、ピアノと合わせる機会がある人、発表会の曲を探している人。二重奏のレパートリーを一気に増やしたい場面に向きます。
良い点
- アルトサックス+ピアノの二重奏譜
- 20曲収録でまとまったボリューム
- 旋律を生かす編成になっている
気になる点
- 曲順は掲載順と異なる場合がある
- サックス独奏用の譜面ではない
- 曲目の詳細は購入前に確認したい
出版社
ミュージックエイト
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これは……楽譜なんですね。曲名が並んでいないので、どんな20曲か分からないんですけど、サックスの人には刺さるんですか?
佐藤メバル
刺さりますよ。ケルトの旋律は息の使い方で表情が変わるので、サックスの歌わせ方がそのまま活きる。ピアノと合わせる前提の二重奏譜だから、教室の発表会やちょっとした集まりでも形になります。
橘ナナミ
なるほど。でも20曲も入っているなら、知っている曲があるかどうかが気になります。
佐藤メバル
そこは購入前に曲目を確認するのが確実です。このシリーズは同じ「20曲集」でも楽器ごとに分かれているので、まず自分の楽器の巻を選ぶ。
フルートやトランペットの版もあるから、合わせる相手の楽器で選び分けるのも面白いですよ。

MSOFL347 輸入 ケルト音楽・20曲集(フルート+ピアノ)【20CelticHits】 / ミュージックエイト
- 著|ミュージックエイト
フルートとピアノのためのケルト音楽20曲集です。息の長い旋律をフルートで歌わせると、ゆったりした歌ものから軽やかな舞曲まで、音色そのものが景色になります。同じシリーズのサックス版より息の伸びが前に出る編成で、旋律の呼吸を丁寧に扱いたい人に向きます。ピアノとの二重奏として組まれているので、合わせる楽しみも前提。曲目は現物で確認を。
こんな人におすすめ
フルートを学ぶ人、ピアノと合わせる機会のある人、しっとりした旋律を吹きたい人。発表会やアンサンブルの一曲を探す場面で、まず手に取ってほしい一冊です。
良い点
- フルート+ピアノの二重奏譜
- 20曲収録のボリューム
- 息を生かす編成になっている
気になる点
- 曲順は掲載順と異なる場合がある
- フルート独奏用の譜面ではない
- 曲目は購入前に確認したい
出版社
ミュージックエイト
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきのサックス版と、出版社もタイトルも同じですね。楽器だけが違う。
佐藤メバル
そう、同じシリーズのフルート版です。管の鳴り方が違うだけで、同じ旋律の表情ががらっと変わる。フルートは息がまっすぐ伸びる楽器だから、ゆっくりした歌ものを吹くと余韻がとてもきれいなんですよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ、ゆっくりした曲と速い曲が両方入っているんでしょうか。
佐藤メバル
歌ものの緩やかな旋律と、踊りのための速い曲、その両方を一冊で行き来できるのがこのシリーズの良さです。
同じ20曲でも楽器が違えば別の曲集。フルートを吹いているなら、まずこの版から見てあげてください。

MSOTP186 輸入 ケルト音楽・20曲集(トランペット+ピアノ)【20CelticHits】 / ミュージックエイト
- 著|ミュージックエイト
トランペットとピアノのためのケルト音楽20曲集です。金管の明るい音で旋律を吹くと、これまで笛や弦で聴いてきた曲が、晴れやかな行進曲のように立ち上がります。同じシリーズでもサックスやフルートとは響きの方向が違い、旋律の輪郭がくっきり前に出るのが持ち味。ピアノとの二重奏として成立するよう編まれているので、教室や発表の場でそのまま使えます。
こんな人におすすめ
トランペットを学ぶ中高生・大人、ピアノ伴奏と合わせる機会がある人、定番の旋律をレパートリーに加えたい人。金管でケルトを歌う感覚を試したいときに。
良い点
- トランペット+ピアノの二重奏譜
- 20曲収録で曲数が多い
- 旋律の輪郭がはっきり出る編成
気になる点
- 曲順は掲載順と異なる場合がある
- トランペット独奏用ではない
- 曲目は購入前に確認したい
出版社
ミュージックエイト
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
トランペットでケルトって、正直あまり想像がつかないんですけど……合うんですか?
佐藤メバル
意外ですよね。でも吹いてみると、金管のまっすぐな音はケルトの旋律の骨格をよく見せてくれるんです。ヴァイオリンや笛で聴くのとは違う、晴れやかな表情になる。
橘ナナミ
なるほど。ということは、雰囲気は残したまま管楽器向けに整えたアレンジなんですね。
佐藤メバル
そう受け取って大丈夫です。トランペット版はサックス版やフルート版と同じ「20曲集」のシリーズなので、同じ曲を別の楽器で吹き比べるのも楽しい。
教室で友達が違う版を持つと、合わせられる曲が一気に増えますよ。

GG534 ギターソロのための20のケルト音楽集~伝統音楽からエンヤまで~/天満俊秀・編(タブ譜付き)
天満俊秀 著|現代ギター社
¥2,420(税込)
フィンガーピッキングのアコースティック・ギタリスト、天満俊秀が編んだギターソロ曲集です。単身アイルランドに渡り、地元のパブで飛び入り演奏をしながら採譜した400曲ものレパートリーから20曲を厳選した来歴が効いていて、〈ダニー・ボーイ〉やジグ、リール、ホーンパイプの舞曲、伝説の竪琴奏者ターロック・オキャロランの作品、エンヤの〈カリビアン・ブルー〉まで幅広い。現地で採った曲をタブ譜で弾けるのが強みです。
こんな人におすすめ
アコースティックギターやクラシックギターを弾く人、パブセッション風のソロレパートリーを増やしたい人、エンヤなど親しんだ曲から入りたい人。タブ譜で譜読みの負担を減らしたい場面で。
良い点
- タブ譜付きで弾きやすい
- 現地採譜の400曲から20曲
- 舞曲からエンヤまで幅広い
気になる点
- 48ページと薄めの一冊
- 独奏向けで合奏譜ではない
- 歌詞や解説が中心の本ではない
出版社
現代ギター社
発売日
2017年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
あ、これタブ譜付きなんですね。ギターを始めたばかりの友達がいて、こういうのを探していた気がします。
佐藤メバル
いいね。編者の天満俊秀さんは、単身アイルランドに渡ってパブで飛び入りしながら本場の音楽を覚えた人で、現地で採った400曲から20曲に絞っている。だから選曲に現場の匂いがあるんですよ。
橘ナナミ
400曲から20曲って、かなり絞ってますね。ダニー・ボーイも入っている。
佐藤メバル
そこが入り口として優しいところで、ジグやリール、ホーンパイプの舞曲と、ターロック・オキャロランの作品、エンヤの〈カリビアン・ブルー〉や〈オンリー・タイム〉まで入っている。
親しんだ曲から本格的な舞曲へ、順に登っていける構成なんです。

PNP6388 ピアノ・ソロのためのケルト音楽集(15曲収録)《輸入ピアノ楽譜》 / ロケットミュージック
- 著|ロケットミュージック(旧エイトカンパニィ)
伝統的なアイルランド民謡15曲を、アメリカ出身の作曲家フィリップ・ケベレンがピアノ・ソロに編んだ輸入楽譜です。〈ダニー・ボーイ〉〈ザ・パーティング・グラス〉〈夏の名残のバラ〉〈モリー・マローン〉など、歌として親しまれてきた曲が中心。派手な技巧より旋律を歌わせる編曲なので、ピアノ一台で歌ものを味わいたい人に向きます。72ページのまとまった一冊です。
こんな人におすすめ
ピアノ独奏のレパートリーを探す人、民謡の旋律を鍵盤で歌わせたい人、発表会で一曲仕上げたい人。歌詞のある曲をピアノで歌う場面に似合います。
良い点
- アイルランド民謡15曲を収録
- 作曲家ケベレンによる編曲
- 歌もの中心で親しみやすい
気になる点
- 輸入楽譜で解説は多くない
- 40曲版と比べると曲数は少なめ
- 舞曲中心の内容ではない
出版社
ロケットミュージック(旧エイトカンパニィ)
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これはピアノソロで15曲。さっきのギターと違って、歌の曲が中心みたいですね。
佐藤メバル
そう。編曲しているのはアメリカ出身の作曲家フィリップ・ケベレンで、〈ダニー・ボーイ〉や〈ザ・パーティング・グラス〉といった、歌として育ってきた曲が並びます。
旋律を丁寧に歌わせるタイプの編曲なんですよ。
橘ナナミ
モリー・マローンって、貝を売る娘の歌ですよね。それも入っているんだ。
佐藤メバル
よく知ってたね。この曲集の良さは、歌詞のある曲をピアノで歌わせるところ。技巧を見せるより、旋律の呼吸を大事にしたい人に向きます。
同じ作曲家による40曲版もあるので、曲数で選ぶのも手ですよ。

PNC4388 輸入 ピアノ独奏のためのケルト音楽コレクション《輸入ピアノ楽譜》 / ロケットミュージック
- 著|ロケットミュージック(旧エイトカンパニィ)
アイルランド、スコットランド、ウェールズの音楽的伝統に影響を受けた40曲を、ピアノ独奏用にまとめた輸入曲集です。〈ダニー・ボーイ〉や〈ロッホ・ローモンド〉といったフォークの定番から、シネイド・オコナー、ザ・コアーズ、ザ・チーフタンズ、ザ・ポーグスが録音したポップ・ヒットまで一冊に入る。伝統と現代をつなぐ選曲が特徴で、96ページと弾きごたえもあります。
こんな人におすすめ
幅広い選曲でピアノを楽しみたい人、ポップス寄りからケルトへ入りたい人、発表会や弾き語りの素材を探す人。一冊で長く遊びたいときに。
良い点
- 40曲収録のボリューム
- 伝統曲とポップヒットを併載
- 96ページで弾きごたえがある
気になる点
- 曲ごとに難易度の差が大きい
- 舞曲を集めた曲集ではない
- 独奏用で連弾譜ではない
出版社
ロケットミュージック(旧エイトカンパニィ)
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
40曲! さっきの15曲の倍以上じゃないですか。これはお得なほうだと考えていいんですか?
佐藤メバル
曲数で選ぶならこちらですね。ただ、数が多いだけでなくて、フォークの定番と、シネイド・オコナーやザ・コアーズ、ザ・チーフタンズ、ザ・ポーグスが録音した曲が同じ棚に並ぶのが面白い。
伝統が現代に流れ込む過程が、曲目そのもので見えるんです。
橘ナナミ
へえ。ロッホ・ローモンドって、スコットランドのですよね。アイルランドだけじゃないんですね。
佐藤メバル
そこもポイントです。アイルランド、スコットランド、ウェールズ——ケルトの三つの伝統をまたいで編まれている。
ピアノ一台で旅するつもりで弾くと楽しいですよ。

MSOTB869 輸入 ケルト民族音楽集(ジェームズ・カーナウ編曲)(トロンボーン+ピアノ)【CelticFolksongsfo / ミュージックエイト
- 著|ミュージックエイト
作曲家ジェームズ・カーナウによるケルト民謡集の、トロンボーンとピアノ版です。原題に「あらゆる世代のために」とあるように、年代を問わず楽しめるよう編まれているのが特徴で、低音の楽器が旋律を担う編成は数少ない。低音でうたうケルトを探していた人には朗報です。伴奏のピアノと合わせて一組になっているので、教室や発表の場でそのまま使えます。
こんな人におすすめ
トロンボーンを学ぶ中高生から大人まで、低音のレパートリーに困っている人、ピアノと合わせる機会がある人。自分が旋律を歌う側に立つ場面に向きます。
良い点
- トロンボーン+ピアノの二重奏譜
- カーナウ編曲の民謡集
- 低音楽器のレパートリーになる
気になる点
- 収録曲の詳細は購入前に確認
- 独奏用の譜面ではない
- 楽器違いの版が複数ある
出版社
ミュージックエイト
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
トロンボーンでケルト……って、また渋いのが出てきましたね。低音の楽器で民謡を吹くのって、実際に合うんですか?
佐藤メバル
合うんですよ、これが。カーナウという作曲家の編曲は、原題のとおり「あらゆる世代」に向けて書かれていて、旋律を大事にする。
トロンボーンって伴奏に回ることが多い楽器でしょう。だからこそ、自分が歌う側に立てる曲集は貴重なんです。
橘ナナミ
なるほど。吹奏楽だと低音は支える側ですもんね。クラリネットやトランペットの版もあるんですか?
佐藤メバル
ありますよ。同じ編曲のまま楽器違いで揃っているので、金管仲間で合わせるなら同じ曲を別の楽器で、という遊び方もできる。
まずは自分の楽器の版から見てあげてください。

MSOCL2090 輸入 ケルト民族音楽集(ジェームズ・カーナウ編曲)(クラリネット+ピアノ)【CelticFolksongsf / ミュージックエイト
- 著|ミュージックエイト
ジェームズ・カーナウ編曲のケルト民謡集、クラリネットとピアノ版です。クラリネットは音域が広く、やわらかい低音から明るい高音まで使えるので、民謡の語りのような節回しがよく映えます。「あらゆる世代のために」の名のとおり、誰が吹いても無理なく旋律を楽しめるよう整えられているのが編曲の良心。ピアノと二人で一組の曲集です。
こんな人におすすめ
クラリネットを学ぶ人、伴奏と合わせて一曲仕上げたい人、音域の広さを活かした旋律を吹きたい人。歌うように吹きたい場面に。
良い点
- クラリネット+ピアノの二重奏譜
- 幅広い音域を活かせる編成
- カーナウによる民謡編曲
気になる点
- 収録曲の詳細は購入前に確認
- 独奏用の譜面ではない
- 楽器違いの版と内容が重なる
出版社
ミュージックエイト
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
またカーナウさんですね。今度はクラリネット。楽器が違うだけで、そんなに演奏の印象って変わるものですか?
佐藤メバル
変わるんです。クラリネットは音域が広いから、低いところで語って、高いところで歌う——民謡の節回しがそのまま演奏になる。吹いていて気持ちのいい楽器なんですよ。
橘ナナミ
それって、さっきのトロンボーン版と何が違うんでしょう。
佐藤メバル
トロンボーンは一本の線をまっすぐ通す感じ、クラリネットは音色の幅で場面を描ける感じ。同じ編曲でも、選ぶべき版は違います。
自分の手持ちの楽器の巻を選ぶのが基本ですよ。

MSOTP904 輸入 ケルト民族音楽集(ジェームズ・カーナウ編曲)(トランペット+ピアノ)【CelticFolksongsfo / ミュージックエイト
- 著|ミュージックエイト
カーナウ編曲のケルト民謡集、トランペットとピアノ版です。金管の華やかな音で民謡を吹くと、祭りの日の空気になります。同じ楽器の「20曲集」とは別の本で、こちらは原題どおり世代を問わず演奏できるよう整えられた民謡集。旋律を丁寧に扱う編曲なので、金管の音が苦しくならず、教室の定番曲を探している人にも使いやすい一冊です。
こんな人におすすめ
トランペットを学ぶ人、ピアノ伴奏と合わせる人、発表会やコンクールの課題曲を探す人。金管で民謡を吹く入り口として選びやすいです。
良い点
- トランペット+ピアノの二重奏譜
- カーナウ編曲で世代を問わない
- 旋律重視のやさしい編曲
気になる点
- 収録曲の詳細は購入前に確認
- 独奏用の譜面ではない
- 同楽器の別曲集と混同しやすい
出版社
ミュージックエイト
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
トランペットはさっきもありましたよね? さっきのは20曲集で、これはカーナウさんの民謡集……同じ楽器で2冊あるんですね。
佐藤メバル
そこは混同しやすいところで、よく気づいたね。20曲集のほうはシリーズ物の曲集、こちらはカーナウという作曲家の編曲による民謡集。
同じ楽器でも別の本なので、曲目を見比べて選ぶといいですよ。
橘ナナミ
じゃあ、迷ったら両方見て決めるという感じでしょうか。
佐藤メバル
そう、それでいい。教室で「伴奏と合わせる曲を一曲」と決めているなら、まずこの民謡集から探すのが素直です。
旋律を丁寧に扱う編曲なので、金管の音がきつくならずに歌えますよ。

加藤昌則/ケルトスピリット ギターとチェロのための
加藤昌則 著|全音楽譜出版社
¥2,200(税込)
作曲家・加藤昌則による「ケルト・スピリット」のギターとチェロ版です。〈グリーンスリーブス〉や〈ロンドンデリーの歌〉の旋律と、リールやジグ、ホーンパイプのリズムが編み込まれた一楽章の作品で、演奏時間は約8分15秒。民謡を引用しながら叙情的で情熱的な一曲に仕立てる、コンサート向きの現代作品です。パート譜付きで、デュオのレパートリーとして使いやすい。
こんな人におすすめ
ギターとチェロでデュオを組む人、コンサートのプログラムに現代曲を入れたい人、民謡を素材にした作品を弾きたい人。8分台の一曲を探す場面に向きます。
良い点
- ギター+チェロのデュオ曲
- 民謡と舞曲のリズムを融合
- パート譜付きで演奏しやすい
気になる点
- 32ページの一曲のみ
- 独奏用の作品ではない
- 他の楽器版と素材は同じ
出版社
全音楽譜出版社
発売日
2021年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、さっきまでの曲集と全然違いますね。曲がたくさん入っているのではなく、ひとつの「作品」なんですか?
佐藤メバル
そう、楽譜が一冊で一曲。加藤昌則さんが〈グリーンスリーブス〉や〈ロンドンデリーの歌〉の旋律と、リールやジグ、ホーンパイプのリズムを編み込んだ、約8分15秒の作品です。
橘ナナミ
8分15秒って、けっこう長い。チェロとギターでコンサートに出す想定なんですね。
佐藤メバル
そのつもりで書かれていて、パート譜も付いています。民謡の引用なのに叙情的で情熱的、というコンサート映えする構成が面白い。
ギターとチェロは音量のバランスが難しい組み合わせですが、この曲はそこも含めて組まれていますよ。

加藤昌則/ケルトスピリット ギターとヴァイオリンのための
加藤昌則 著|全音楽譜出版社
¥1,980(税込)
同じ「ケルト・スピリット」のギターとヴァイオリン版です。初演は2012年8月18日、Hakuju Hall で、ヴァイオリンを古澤巌、ギターを荘村清志が担いました。〈グリーンスリーブス〉や〈ロンドンデリーの歌〉の旋律にリールやジグ、ホーンパイプのリズムを織り込む構成は同じでも、ヴァイオリンの歌が主役になると印象はぐっと華やか。演奏時間は約8分15秒です。
こんな人におすすめ
ヴァイオリンとギターのデュオを組む人、披露宴やコンサートで一曲おさめたい人、初演の記録に興味がある人。華やかな響きを優先したいときに。
良い点
- ギター+ヴァイオリンのデュオ曲
- 初演の演奏者と日付が明記
- 民謡と舞曲のリズムを融合
気になる点
- 32ページの一曲のみ
- 同じ曲の楽器違い版が複数
- 独奏用の作品ではない
出版社
全音楽譜出版社
発売日
2021年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
同じ「ケルト・スピリット」で、こっちはヴァイオリン。しかも初演の日付とお名前まで書いてあります。
佐藤メバル
そこが面白いところでね、2012年8月18日にHakuju Hallで、ヴァイオリンを古澤巌、ギターを荘村清志が弾いた初演。
プロの現場から生まれた曲だと分かる記録が残っているんです。
橘ナナミ
チェロ版と比べると、聴いた感じはやっぱり変わるんですか?
佐藤メバル
同じ素材でも、ヴァイオリンが旋律を持つと華やかさが前に出ます。リールやジグのリズムはそのままだから、踊りの空気はしっかり残る。
披露宴やサロンコンサートで一曲、という場面にも使いやすいですよ。

加藤昌則/ケルトスピリット ギターとクラリネットのための
加藤昌則 著|全音楽譜出版社
¥2,200(税込)
「ケルト・スピリット」のギターとクラリネット版です。〈グリーンスリーブス〉や〈ロンドンデリーの歌〉の旋律に、リールやジグ、ホーンパイプのリズムを織り込んだ一楽章の作品で、演奏時間は約8分15秒。木管のやわらかい音が加わると、同じ旋律がぐっと親密な表情になります。ギターと木管のデュオは曲そのものが少ないので、探していた人には価値のある一冊です。
こんな人におすすめ
クラリネットとギターでデュオを組む人、木管のコンサート曲を探す人、編成の珍しい作品に挑みたい人。発表会や室内楽の場に向きます。
良い点
- ギター+クラリネットのデュオ曲
- 民謡と舞曲を織り込んだ構成
- パート譜付きで使いやすい
気になる点
- 32ページの一曲のみ
- 独奏曲ではない
- 同じ曲の楽器違い版がある
出版社
全音楽譜出版社
発売日
2021年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
クラリネットとギターのデュオって、あんまり見ない気がします。需要あるんですか?
佐藤メバル
そこなんですよ。ギターと木管の組み合わせは曲そのものが少ない。だからこそ加藤さんの作品は重宝されていて、同じ曲を複数の楽器で弾けるように版が揃っているんです。
橘ナナミ
なるほど。グリーンスリーブスにロンドンデリーの歌、そのうえリールやジグのリズムまで入っているんですね。
佐藤メバル
そう、8分15秒のうちに景色が何度も変わる。クラリネットが旋律を担うと、ヴァイオリン版より落ち着いた叙情になる。
室内楽のプログラミングに一石投じたいときにいいですよ。

加藤昌則/ケルトスピリット ギターとオーボエのための
加藤昌則 著|全音楽譜出版社
¥2,200(税込)
「ケルト・スピリット」のギターとオーボエ版です。オーボエはケルトの旋律と相性のいい楽器で、〈グリーンスリーブス〉や〈ロンドンデリーの歌〉といった民謡の旋律に、リールやジグ、ホーンパイプのリズムが重なっていきます。演奏時間は約8分15秒、コンサート向きの作品。管の中でも歌心の強い音を持つオーボエで、哀愁のある旋律を味わいたい人に向きます。
こんな人におすすめ
オーボエとギターのデュオを組む人、発表会やコンクールで現代曲を選びたい人、歌うような旋律を吹きたい人。哀愁の旋律を求める場面で。
良い点
- ギター+オーボエのデュオ曲
- 民謡と舞曲のリズムを融合
- 演奏時間が明記されている
気になる点
- 32ページの一曲のみ
- 独奏曲ではない
- 楽器違い版と素材が重なる
出版社
全音楽譜出版社
発売日
2021年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
オーボエ版まであるんですね。オーボエって、なんとなく、しみじみした音のイメージがあります。
佐藤メバル
いいところを突いてる。オーボエは音色に歌心があるから、〈ロンドンデリーの歌〉のような哀愁のある旋律が引き立つんですよ。
そこにジグやホーンパイプのリズムが入ってくる。
橘ナナミ
同じ曲を4つの楽器で出しているって、出版社も力が入っていますね。
佐藤メバル
演奏する側からするとありがたい話でね。相方はギターで固定、上に乗る楽器だけ選べる。オーボエやクラリネットを吹く高校生の発表会の一曲としても使いやすいです。

MUNS1063 輸入 ケルト・ウェディング(ジェレミー・ベル)(スコアのみ)【CelticWedding】 / ミュージックエイト
- 著|ミュージックエイト
作曲家ジェレミー・ベルによる「ケルト・ウェディング」のスコアです。タイトルが示すとおり結婚式の場を想定した一曲で、用途がはっきりしているのが特徴。手に入るのはスコアのみなので、演奏するにはパート譜の手配が必要な点は覚えておきたいところ。披露宴やセレモニーの音楽を探している人にとっては、選曲の候補が一つ増える一冊です。
こんな人におすすめ
結婚式やセレモニーで演奏する曲を探している人、ケルト風の式を考えている人、スコアから編成を検討したい人。式の演出を具体化したいときに。
良い点
- 用途がはっきりした「ケルト・ウェディング」
- 作曲家ジェレミー・ベルの作品
- 式の選曲候補になる
気になる点
- スコアのみでパート譜は別途
- 収録曲の詳細は購入前に確認
- 式以外の用途は想定しにくい
出版社
ミュージックエイト
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ケルト・ウェディング……結婚式の曲ですか。そういう選曲もアリなんだ、という感じです。
佐藤メバル
テーマがはっきりしているから、披露宴や挙式の音楽を探している人には分かりやすい。作曲はジェレミー・ベル。
ただし、これはスコアだけなので、実際に演奏するならパート譜の手配が要ります。
橘ナナミ
あ、そうなんだ。買えばすぐ吹けるというわけじゃないんですね。
佐藤メバル
そこは注意点です。探しやすいぶん、演奏までの手順も確認しておく。式の音楽って締切が決まっているので、こういうのは早めに動くのがいいですよ。

UN1454 輸入 《吹奏楽譜》ケルトの子供たち【輸入】 / ロケットミュージック
- 著|ロケットミュージック
作曲家ベルト・アッペルモントによる吹奏楽作品です。三部構成で、第一部は技巧的でダイナミックなアレグロで子どもの自由な創造性を、第二部は多くの子どもがなお経験している無関心や不公平への静かな抗議を、第三部はすべてのものの美しさをたたえる壮大なフィナーレを描く。最後はケルトの踊りが渦を巻くように締めくくります。コンサートやコンクール向きで、ヴォーカルパートは省略も可能です。
こんな人におすすめ
吹奏楽団体でコンクール曲を探す顧問や部員、子どもをテーマにしたプログラムを組む人、ケルト風の作品を演奏したい団体。ステージ映えする一曲として。
良い点
- 三部構成でドラマがある
- コンサート・コンクール向き
- ヴォーカルパートは省略可能
気になる点
- 吹奏楽編成が前提の作品
- 個人の練習には不向き
- 演奏時間はスコアで確認したい
出版社
ロケットミュージック
発売日
2024年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
吹奏楽譜、きましたね。これって部活の定番曲なんですか?
佐藤メバル
コンクールやコンサートで使われるタイプの作品ですね。三部構成で、子どもの創造性、無関心や不公平への静かな抗議、そして美しさをたたえるフィナーレへ、と物語が動く。
最後はケルトの踊りが渦巻くように終わります。
橘ナナミ
テーマが重い……でも、吹奏楽でこういう曲ってけっこう選ばれますよね。ヴォーカルパートって何ですか?
佐藤メバル
歌声のパートが入っているんだけど、他の楽器が同じ音を吹いているので省くこともできる。演出的に使うかどうかを選べるのが親切な設計です。
プログラムに物語のある一曲を入れたい団体に向きますよ。

UN532 輸入 ケルト人の火祭り《輸入吹奏楽譜》 / ロケットミュージック
- 著|ロケットミュージック
「ケルト人の火祭り」というタイトルの輸入吹奏楽譜です。火祭り——古い祭礼の光と熱を思わせる題名で、ステージの一曲としてタイトルそのものが強い魅力になっています。吹奏楽作品は編成や長さがスコアを見ないと分からない部分があるので、現物で編成を確かめてから選ぶのがおすすめ。祭りの空気を音で描く作品を探している団体に向きます。
こんな人におすすめ
吹奏楽団体の選曲係、ケルト風のタイトル曲を探す人、演奏会のプログラムに変化をつけたい人。タイトルで客席を引きたい場面で。
良い点
- タイトルが明快でプログラム映え
- 吹奏楽のレパートリーになる
- 祭りを題材にした選曲
気になる点
- 編成の詳細はスコアで確認
- 個人練習向きではない
- 音源の有無は購入前に確認したい
出版社
ロケットミュージック
発売日
2023年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ケルト人の火祭り……タイトルだけで音が想像できますね。でも、これだけ情報が少ないと、紹介しづらくないですか?
佐藤メバル
正直に言えば、吹奏楽譜は編成を見ないと何も言えない部分がある。だからこそ、タイトルとスコアを手がかりに選ぶしかないんです。読者にもそう伝えるのが誠実でしょう。
橘ナナミ
なるほど。でも火祭りって、ケルトの暦の行事でしたっけ。
佐藤メバル
そう、古い祭礼のイメージだね。演奏会の一本にこういう題名の曲を置くと、客席の空気が変わる。まずはスコアで編成と長さを確認してから選んでください、と伝えておくといい。

合唱ピース 女声合唱曲 感謝の祈り -古代ケルトの祈りの言葉より- (4677)
なかにしあかね 著|カワイ出版
¥660(税込)
作曲家・なかにしあかねによる女声合唱曲で、古代ケルトの祈りの言葉に曲をつけた一篇です。12ページの合唱ピースで、曲は「感謝の祈り」ひとつ。古い祈りの言葉を、現代の合唱の響きに置き直す——祈りを歌として立ち上げる作業がそのまま作品になっています。組曲ではなく単曲なので、演奏会のプログラムに一曲として組み込みやすいのも助かります。
こんな人におすすめ
女声合唱団で祈りをテーマにした曲を探す人、短い単曲をプログラムに足したい人、なかにしあかねの作品を歌いたい人。祈りの言葉を歌う場面に向きます。
良い点
- 単曲でプログラムに組みやすい
- 古代ケルトの祈りの言葉がテクスト
- なかにしあかねによる作曲
気になる点
- 12ページの小さなピース
- 混声版や組曲版とは別の楽譜
- 器楽編成では演奏できない
出版社
カワイ出版
発売日
2026年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、合唱曲なんですね。ケルトの祈りの言葉に曲をつけた、と。12ページで、単曲という理解でいいんでしょうか。
佐藤メバル
単曲です。なかにしあかねさんが「感謝の祈り」という一篇に曲を付けている。古い祈りの言葉がテクストになっているので、歌詞の意味と響きを同時に味わうタイプの作品ですね。
橘ナナミ
なるほど。祈りの言葉って、もともと短いものなんですか?
佐藤メバル
そこは実際のスコアで確かめてほしいけど、祈りを一曲として立ち上げる作りなので、組曲の間に置いても映えますよ。
同じ祈りの言葉から生まれた別の曲もあるので、並べてみるのも楽しい。

女声合唱組曲 ケルトの祈り (2593)
- 著|カワイ出版
¥12(税込)
女声合唱のための組曲で、「平和の祈り」「あなたへの祈り」「夜の祈り」「光の祈り」「微笑の祈り」と、五つの祈りが並びます。44ページのまとまった一冊で、祈りを場面ごとに歌い分ける構成。単曲のピースではなく組曲として流れを組むタイプなので、演奏会の前半をまるごと任せられます。祈りを軸にしたプログラムを作りたい団体に向きます。
こんな人におすすめ
女声合唱団で組曲をまとめて演奏したい人、祈りをテーマにしたステージを組む人、歌詞の世界を丁寧に扱いたい指揮者。プログラムの軸を探すときに。
良い点
- 五つの祈りで組曲として構成
- 44ページのまとまったボリューム
- テーマ性のある選曲になっている
気になる点
- 女声編成が前提の楽譜
- 単曲だけを抜くと物足りない
- 祈りの解釈は演奏者に委ねられる
出版社
カワイ出版
発売日
2024年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの「感謝の祈り」と似ていますけど、こっちは組曲なんですね。平和、あなたへ、夜、光、微笑……祈りが五つ並んでいます。
佐藤メバル
そこが違いです。単曲を一曲持っていくか、組曲として流れで聴かせるか。後者なら、祈りというテーマでステージの前半をまとめて設計できる。
合唱団にとってはありがたい単位なんですよ。
橘ナナミ
歌詞の世界が静かな感じだと、プログラムの並べ方も変わってきそうですね。
佐藤メバル
そう、そこを考えるのが合唱の面白さでね。祈りの言葉が並ぶ組曲は、派手な曲の前後に置くと余韻が効きます。
実際に歌う団体は、まず全体の流れを譜面で見てから決めるといいですよ。

無伴奏童声合唱 ティル ナ ノグ (Tír na nÓg for Female Chorus) -古代ケルト神話より- (合唱・女声)
鈴木輝昭 著|音楽之友社
作曲家・鈴木輝昭による無伴奏の女声合唱作品で、古代ケルトの神話を題材にしています。物語はいわば浦島太郎のような、アイルランドに今も語り継がれる伝説。テクストはゲール語原文によっていて、詩の意味をなぞるのではなく、声の音響で音楽的イメージを膨らませる作りが特徴です。言葉は楽器の発音のように扱われ、従来のアマチュア合唱作品とは一線を画します。先に出た「Clann Lir」との連作です。
こんな人におすすめ
無伴奏の現代合唱に挑戦したい女声・童声合唱団、難しい作品をプログラムに置きたい指揮者、ケルト神話に関心のある歌い手。音響を作る合唱を体験したいときに。
良い点
- 無伴奏で声の響きを追求
- ゲール語原文のテクスト
- 「Clann Lir」との連作作品
気になる点
- 難易度は高めの現代作品
- 女声・童声が前提の楽譜
- 意味をなぞる歌い方ではない
出版社
音楽之友社
発売日
2017年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ティル ナ ノグ……すみません、読めないんですけど、これ何なんですか?
佐藤メバル
古代ケルト神話の世界で、浦島太郎に似た物語のこと。鈴木輝昭さんがその神話を無伴奏の女声合唱にした作品です。テクストはゲール語の原文によっている。
橘ナナミ
意味が分からない言葉を歌うって、けっこう大変そう……。合唱団の人たちはどう歌うんでしょう。
佐藤メバル
そこが狙いでね、詩の意味をなぞるのではなく、声そのものを楽器のように使う。言葉の響きで音楽のイメージを立ち上げていく現代合唱です。
先に出た「Clann Lir」と連作になっているので、二曲並べると世界が広がりますよ。

合唱ピース 混声合唱曲 大地への祈り -古代ケルトの祈りの言葉より- (4671)
- 著|カワイ出版
¥770(税込)
古代ケルトの祈りの言葉による混声合唱曲で、曲は「大地への祈り」一篇。女声の「感謝の祈り」に対になる混声版で、16ページのピースです。混声ならではの厚みで、大地というモチーフを低音から積み上げていく。男女の声が重なる祈りは、女声版とはまったく違う景物を見せてくれます。単曲なのでプログラムにも組み込みやすい。
こんな人におすすめ
混声合唱団で一曲足したい人、女声版と聴き比べたい合唱好き、祈りをテーマにしたステージを組む人。低音の厚みを活かしたい場面に。
良い点
- 混声編成で厚みのある響き
- 古代ケルトの祈りの言葉がテクスト
- 16ページの単曲ピース
気になる点
- 女声版とは別の楽譜
- 組曲ではないため曲数は多くない
- テーマが限られている
出版社
カワイ出版
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
あ、「感謝の祈り」と似たタイトル。こっちは混声で「大地への祈り」なんですね。
佐藤メバル
同じ「古代ケルトの祈りの言葉より」というシリーズで、混声版はこれ。女声の「感謝の祈り」が人の内側に向かう祈りなら、大地への祈りは足元から下へ広がっていくイメージで、混声の低音が効くんです。
橘ナナミ
混声と女声で同じテーマを出しているって、歌う側からすると選べていいですね。
佐藤メバル
そう、団体の編成で選べるのがありがたい。混声で一曲、祈りを置きたいならこれが手頃ですよ。祈りの言葉を扱った曲は他にもあるので、並べて比べると自分の団体に合うものが見えてきます。
ケルト音楽の6つの文化圏をおさえる
橘ナナミ
さっき6つの地域って言ってましたけど、本を選ぶのに地域を知る意味はあるんですか?
佐藤メバル
ある。アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ブルターニュ、コーンウォール、マン島。このうち本が圧倒的に多いのはアイルランドとスコットランドだ。だから「ケルト音楽の本」を探すと、実際にはアイルランド音楽の本に行き着くことが多い。それは間違いではないけど、ケルト=アイルランドと思い込むと視野が狭くなる。
橘ナナミ
ウェールズやブルターニュの音楽は、本ではあまり見かけない気がします。
佐藤メバル
日本語だと少ないね。だからまずアイルランドで土台を作って、余裕が出たら他地域へ、という順番が現実的。『ピアノ独奏のためのケルト音楽コレクション』のように、アイルランド、スコットランド、ウェールズの伝統曲をまとめて収めた曲集もあるから、そういう本で横に広げていくのも手だよ。
歴史・神話・民族誌として読む
橘ナナミ
音楽だけじゃなく、神話の本も一緒に読む人っていますか?
佐藤メバル
むしろ逆で、神話から入る人も多い。鈴木輝昭『ティル ナ ノグ』は「浦島太郎のような物語」と紹介されている古代ケルトの代表的な神話伝説で、アイルランドをはじめ欧米諸国に今なお語り継がれている。歌詞の意味をなぞるのではなく、声の音響で音楽的イメージを膨らませる作りで、テクストはゲール語原文によっている。
橘ナナミ
曲なのに、民族誌みたいでもあるんですね。
佐藤メバル
そう。古代ケルトの祈りの言葉に作曲した合唱曲もあって、『感謝の祈り』『ケルトの祈り』『大地への祈り』などがある。歌いながら、古代の祈りの言葉に触れられる。こうした本は音楽書の棚ではなく「合唱」の棚にあることが多いから、探すときは棚を決め打ちしないほうがいい。書店員時代は、お客さんを棚から棚へ案内するのが仕事の半分だったよ。
橘ナナミ
ひとつの棚で完結しないのが、この分野の面白さでもあるんですね。
定番・名著の位置づけと、洋書の読み方
橘ナナミ
「定番」と呼べる本はあるんでしょうか。
佐藤メバル
『聴いて学ぶ アイルランド音楽』は、大学がテキストとして企画した入門書という位置づけで、長く参照されるタイプの1冊だね。『アイルランド音楽──碧の島から世界へ』は1997年に出た本の増補新版で、時代をまたいで読み継がれてきた側面がある。この2冊は「今の新刊」というより、土台として持っておく本だと考えている。
橘ナナミ
逆に、洋書はどう読めばいいですか?
佐藤メバル
輸入楽譜は、言語というより「記号」を読むと思えばいい。曲名、リズム、調号、パート譜の有無。この4つが分かれば使える。読み物の洋書は、日本語の入門書で人名と地名の下地を作ってから。あと、絶版や重版の状況は変わりやすいから、買う前に在庫を確認する癖をつけて。欲しい本がすぐ手に入らないのは、この分野では珍しくないんだ。
橘ナナミ
CDや音源が付いているかも、選ぶ基準にしていいですか?
佐藤メバル
むしろ積極的に見てほしい。音源があるだけで、耳で覚えるスピードが変わる。輸入曲集は音源がないことも多いから、練習用の音源を自分で用意する前提で選ぶといいよ。
よくある質問
ケルト音楽の入門書で初心者におすすめの1冊は?
橘ナナミ
ケルト音楽の入門書で初心者におすすめの1冊はについて教えてください。
佐藤メバル
最初の1冊なら『聴いて学ぶ アイルランド音楽』です。CDが付いていて、セッション、歴史、ダンス・チューン、楽器、うた、詞という流れでアイルランド伝統音楽のエッセンスを学べる作りになっています。オックスフォード大学がテキストとして企画した1冊で、リスナーにもプレイヤーにも薦められる入門書とされています。読み物として物足りなければ、『アイルランド音楽──碧の島から世界へ』へ進むと、世界音楽へ進化していくプロセスまで追えます。
ケルト音楽の歴史や文化が学べる本はある?
橘ナナミ
ケルト音楽の歴史や文化が学べる本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
『アイルランド音楽──碧の島から世界へ』は、アイルランド音楽が世界音楽へ進化していく過程を描いた読み物です。CDには日本の新世代ミュージシャン8組の演奏が収録され、演奏家のトシバウロンとの対談も収められています。旅と文化を一緒に味わいたいなら『アイルランド旅と音楽: ケルトの国に魅せられて』も。神話の側から入るなら、古代ケルトの物語を扱った合唱曲『ティル ナ ノグ』も文化の入口になります。
アイリッシュ音楽の教則本はどれを選べばいい?
橘ナナミ
アイリッシュ音楽の教則本はどれを選べばいいについて教えてください。
佐藤メバル
楽器が決まっているなら、まずその楽器の曲集から入るのが現実的です。ピアノなら『ピアノ・ソロのためのケルト音楽集』や『ピアノ独奏のためのケルト音楽コレクション』、ギターならタブ譜付きの『ギターソロのための20のケルト音楽集』、サックス・フルート・トランペットなら『ケルト音楽・20曲集』シリーズがあります。譜読みの負担を減らしたいならタブ譜やパート譜の有無を必ず確認してください。教則本は「どう弾くか」、曲集は「何を弾くか」で役割が違うので、両方そろえるのが理想です。
ケルト音楽の楽譜集・セッション曲集のおすすめは?
橘ナナミ
ケルト音楽の楽譜集・セッション曲集のおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
曲数を重視するなら、アイルランド、スコットランド、ウェールズの伝統曲と現代のポップ・ヒットを40曲収めた『ピアノ独奏のためのケルト音楽コレクション』がまとまっています。15曲構成の『ピアノ・ソロのためのケルト音楽集』はフィリップ・ケベレン編曲。管楽器なら、ジェームズ・カーナウ編曲の『ケルト民族音楽集』(トロンボーン、クラリネット、トランペットとピアノ)や、アルトサックス、フルート、トランペット用の『ケルト音楽・20曲集』があります。
ケルト音楽の音階や旋法がわかる専門書はある?
橘ナナミ
ケルト音楽の音階や旋法がわかる専門書はあるについて教えてください。
佐藤メバル
正直に言うと、日本語で「これ1冊で旋法が体系的に分かる」と胸を張って薦められる本は多くありません。まずは音源付きの入門書で、リール、ジグ、ホーンパイプといったリズムと旋律の違いを耳で覚えるところから始めるのが現実的です。『ギターソロのための20のケルト音楽集』のように、編者が現地で採譜した曲を収めた曲集を弾きながら調号の動きを観察するのも勉強になります。理論書は、耳が追いついてから買っても遅くない分野です。
英語が苦手でも読めるケルト音楽の本はある?
橘ナナミ
英語が苦手でも読めるケルト音楽の本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
読み物なら『聴いて学ぶ アイルランド音楽』『アイルランド音楽──碧の島から世界へ』『アイルランド旅と音楽: ケルトの国に魅せられて』のように、日本語で読める本があります。楽譜は言語の壁が低く、輸入曲集でも曲名と譜面が読めれば使えます。英語の解説が読めなくても、音そのものは楽しめるのが音楽の本の強みです。洋書に挑戦するなら、日本語の入門書で人名と地名の下地を作ってからにすると挫折しにくくなります。
ケルト音楽の名盤ガイド・ディスクガイドはどれがいい?
橘ナナミ
ケルト音楽の名盤ガイド・ディスクガイドはどれがいいについて教えてください。
佐藤メバル
ディスクガイドそのものを今回のラインナップでは扱っていませんが、音源付きの本で実際の演奏に当たることはできます。『聴いて学ぶ アイルランド音楽』のCDには、ルナサ、ケヴィン・クロフォード、アンディ・アーヴァイン、ケヴィン・バーク、ジョー・ヒーニィ、メアリ・マクナマラ、ポゥドリギーン・ニ・ウーラホーン、レン・グレアム、ミホール・オ・スーラウォーンなどの演奏が収録されています。ここから自分の好きな演奏家を追いかけていくのが、いちばん確実なディスクガイドの作り方です。
ケルト神話や北欧音楽も一緒に学べる本はある?
橘ナナミ
ケルト神話や北欧音楽も一緒に学べる本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
ケルト神話なら、鈴木輝昭『ティル ナ ノグ』が古代ケルトの代表的な神話伝説を扱った無伴奏の女声合唱曲で、テクストはゲール語原文によっています。古代ケルトの祈りの言葉に作曲した『感謝の祈り』『ケルトの祈り』『大地への祈り』といった合唱曲も、祈りの文化に触れられる入口です。一方で北欧音楽はケルトとは別の伝統なので、同じ本でまとめて学ぶより、別ジャンルとして棚を分けて探すのがおすすめです。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、最初に買う1冊が決まりました。音源付きの入門書を1冊と、それから自分の楽器の曲集を1冊です。
佐藤メバル
いい選び方だね。1冊で全部わかろうとしないこと。入門書は地図、曲集は実際に歩く道だよ。地図だけ眺めていても音楽にはならないし、道だけ歩いていると、今どこにいるのか分からなくなる。
橘ナナミ
たしかに。読み物で地域と歴史を知って、楽譜で手を動かす。両方いるんですね。
佐藤メバル
そう。ケルト音楽は、譜面と生の演奏がずっと並んで歩いてきた音楽だから。本も同じで、読む本と弾く本が並んでいるほうが強い。
橘ナナミ
じゃあ最後にひとことだけ。この記事を読んでいる人に伝えるとしたら?
佐藤メバル
ケルト音楽の本選びは、セッションのようなものだと思う。自分のパートを持ち寄って、少しずつ音が重なっていく。1冊目は小さな音でいいから、まず自分の楽器——つまり自分の目的——で輪の中に入ってみてほしい。
橘ナナミ
セッション! いいですね、その感じ。私もまず1冊、輪の中に入ってみます。
