クラシック音楽の歴史が学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】

監修

佐藤メバル

佐藤メバル

@shelfy_mebaru

編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ

橘ナナミ

@medias_nanami

編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。

最終更新: 2026年10月

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、「クラシック音楽の歴史」で検索したら本が山ほど出てきて、最初の一冊で止まりました。通史と名曲解説って、何が違うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。そこが最初の分かれ道なんだ。音楽史の本は大きく四つに分かれる。流れをつかむ通史、曲の中身を教える名曲解説、和声や記譜を扱う楽典・理論、批評やエッセイ。たとえば『クラシック音楽の歴史』(中川右介/角川ソフィア文庫)は人物・事件・用語をトピックごとに並べた通史で、通して読めばグレゴリオ聖歌から20世紀の映画音楽までつながる。『名曲・名盤でたどるクラシック音楽の歴史』(髙木明啓)は462曲を紹介しながら歴史をたどる「曲から入る」型だ。役割が違うから、優劣の話ではないんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。じゃあ自分が何を知りたいかで選べばいいんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。書店員時代、いきなり分厚い学術書を買って三章で止まる人を何人も見た。逆に薄い入門では物足りなくなる人もいた。だからここでは背伸びと挫折の両方を避ける並べ方をする。そして音楽史は暗記科目ではなく、社会と制度の変化の記録として読むと一気に面白くなる。教会が音楽を握った時代、宮廷が雇った時代、市民がホールを建てた時代。担い手が変わるたびに様式も変わってきたんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽の外側の理由で音楽が変わる……その地図、まず手に入れたいです。

クラシック音楽の歴史が学べる本の選び方

目的別:通史か、名曲背景か、理論か

橘ナナミ

橘ナナミ

目的別だと、どう振り分ければいいですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

流れなら『クラシック音楽の歴史』や放送大学教材の『西洋音楽史〔新訂〕』(津上英輔)。曲の背景と聴きどころなら、章ごとにQRコードで音源に飛べる『人生が楽しくなる 西洋音楽史入門』(山﨑圭一/PHP研究所)。社会との関係から組み直したいなら『西洋音楽史再入門』(村田千尋/春秋社)で、楽譜・楽器・人・場の四つの視点から読む。理論や楽典はまた別の棚の本だから、まず歴史の地図を一枚持ってからで遅くない。

レベル別:完全初心者/少し聴く人/大学・音大志望

橘ナナミ

橘ナナミ

私は楽譜が読めない側です。そのレベルでも大丈夫ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

全然大丈夫。むしろ最初は音源付きが強い。『大人の音楽史入門 改訂版』(長沼由美・二藤宏美/ヤマハ)はCDに49曲入っていて、古代から近現代までを対照年表と一緒に追える。もっと軽く始めるなら52ページの『「クラシック音楽」ってなあに』(須田知明)。普段から聴いている人は中公新書『西洋音楽史:「クラシック」の黄昏』(岡田暁生)、大学や音大を視野に入れるなら『西洋音楽史概説』(門馬直美/春秋社)や『グラウト/パリスカ 新 西洋音楽史〈上〉』が土台になる。

形式別:新書・文庫/図解・図鑑/教科書/エッセイ

橘ナナミ

橘ナナミ

持ち歩きやすさも気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

通勤通学なら文庫と新書が強い。角川ソフィア文庫の『西洋音楽史講義』(岡田暁生)、中公新書、河出文庫のパウル・ベッカー『西洋音楽史』、講談社学術文庫の『西洋音楽史を聴く』(前川誠郎)は176ページと薄いのに濃い。目で覚えたいなら『西洋音楽史大図鑑』(ヤマハ)や『歴史を知ればもっと楽しい!西洋音楽の教科書』(ナツメ社)。教室や独学の柱にするなら『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』(村田千尋)や放送大学教材だね。

読了負荷と音源連携:通読する本か、辞書として置く本か

橘ナナミ

橘ナナミ

分厚い本は正直、自信がないです……。

佐藤メバル

佐藤メバル

なら「通読する本」と「辞書として置く本」を分けよう。200ページ前後で通読できるのは『大人の音楽史入門』200ページ、『人生が楽しくなる 西洋音楽史入門』256ページ、『西洋音楽史を聴く』176ページあたり。逆に『西洋音楽史大図鑑』352ページやグラウトは、目次から必要な章だけ拾う使い方が現実的だ。音源はCD付き、QRコード、YouTubeを前提にした『クラシック音楽の歴史について読んで・聞いて理解する本』(河合達人)、そして462曲と名盤を並べた髙木明啓の名盤ガイド系まで選択肢がある。

発行・版の見極め:古典的名著か、改訂版か

橘ナナミ

橘ナナミ

古い本と新しい本、どちらを選べばいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

名著には残っている理由がある。パウル・ベッカーの『西洋音楽史』には岡田暁生による文庫版解説が寄せられていて、時代を経ても読む価値が示されている。ただ音楽史研究は更新されるから、改訂版かどうかは必ず確認してほしい。『大人の音楽史入門』は改訂で年表とCD収録曲が見直され、『音楽史を学ぶ』は増補改訂版、『決定版 はじめての音楽史』は初版と増補改訂を経て決定版にコラムが加わった。同じ書名でも版が違えば中身が違うんだ。

クラシック音楽の歴史が学べる本をひと目で比較

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず

#画像名称おすすめ対象価格一言
1
クラシック音楽の歴史 (角川ソフィア文庫)
クラシック音楽の歴史 (角川ソフィア文庫)クラシックを一度かじって離れ、 composer の名前が断片的にしか残っていない人が、もう一度通しで学び直したいときに。通勤や休憩中の拾い読み、演奏会の前に時代の位置を確かめる用途にも向きます。映画音楽まで含むので、クラシックと映像音楽の橋渡しをしたい人にも。-通読でも拾い読みでも効く
2
大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]【CD付】
大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]【CD付】西洋音楽史の勉強をこれから始める人、音楽史の授業についていきたい学生、独学で最初の一冊を選びたい人に。CDをかけながら通読する使い方も、気になった曲を先に聴いてから本文に戻る使い方もできます。年表目当てで手元に置いておくのもありです。¥2,420CDと年表で耳から学ぶ
3
歴史を知ればもっと楽しい!西洋音楽の教科書
歴史を知ればもっと楽しい!西洋音楽の教科書クラシックもロックもヒップ・ホップも同じプレイリストで聴く人、ジャンルがどう生まれたのか知りたい人、学校で音楽史をかじったきりで全体像を拾い直したい人に。ジャンルの地図がほしいときに向きます。¥1,870クラシックとポピュラーの橋
4
人生が楽しくなる 西洋音楽史入門
人生が楽しくなる 西洋音楽史入門歴史と音楽を別々に覚えられなかった人、世界史の流れと曲を結びつけたい学生、動画で学ぶ習慣がある人に。「これ聴いたことある」という曲から歴史に入りたいときにも向きます。¥1,980歴史と曲をQRで往復
5
つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史
つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史音楽史の本を何冊か読んだけれど線がつながらない人、宗教と音楽の関係から知りたい人、用語の暗記より背景の理解を優先したい人に。「そもそも」から始めたい読者に向きます。¥2,420「そもそも」から始める通史

クラシック音楽の歴史が学べる本のおすすめ人気ランキング

橘ナナミ

橘ナナミ

一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!

佐藤メバル

佐藤メバル

よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

クラシック音楽の歴史 (角川ソフィア文庫)
1

クラシック音楽の歴史 (角川ソフィア文庫)

中川右介 著|KADOKAWA

4.8

人物や事件、概念、専門用語をトピック単位で切り出し、それを時間の流れの順に並べる。この構成が効いています。グレゴリオ聖歌から二十世紀の映画音楽までを一本の線として追えるので、用語だけが浮いてしまわない。作曲家ごとの伝記から入る入門書とは順番の作り方が違い、索引的に拾い読みもできる。断片が年表として頭に残るタイプの一冊です。

こんな人におすすめ

クラシックを一度かじって離れ、 composer の名前が断片的にしか残っていない人が、もう一度通しで学び直したいときに。通勤や休憩中の拾い読み、演奏会の前に時代の位置を確かめる用途にも向きます。映画音楽まで含むので、クラシックと映像音楽の橋渡しをしたい人にも。

良い点

  • 時間順のトピック配列で流れがつかめる
  • 文庫で持ち歩きやすい
  • 映画音楽まで射程に入る

気になる点

  • 図版や譜例は多くない
  • 入門者には人名が多め
  • 深掘りより網羅が中心

出版社

KADOKAWA

発売日

2017年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「クラシック音楽の歴史」っていう、そのまんまのタイトルの本から始めるんですね。入門書はいろいろあるのに、これは何が違うんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

この本の面白さは、人物や事件、概念、専門用語をトピックごとに切り出して、それを時間の流れの順に並べているところなんです。

通して読めば流れがつかめるし、気になる項目から拾い読みもできる。グレゴリオ聖歌から二十世紀の映画音楽まで届くので、映画音楽からクラシックに入った人にも入口になります。

作曲家の伝記から入る本とは、順番の作り方が違うんですよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、辞書と通史の中間みたいな感じですか。映画音楽まで入っているのは意外でした。クラシックの本なのに。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが使いやすいところなんですよ。まずこの一冊で時代の地図を手に入れて、気になった作曲家や作品を別の本で掘っていく。

その順番が組みやすいんです。逆にいきなり分厚い概説から入ると、名前だけが並んで息が切れてしまう。私はこの本を入口の地図として使っています。

大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]【CD付】
2

大人の音楽史入門 読んでわかる!きいてわかる!クラシック音楽の歴史[改訂版]【CD付】

長沼由美;二藤宏美 著|ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス

¥2,420(税込)

4.7

ロングセラーが時を経て改訂された、西洋音楽史の入口です。時代背景と作曲家の人生を追いながら、古代から中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、近・現代へ。巻頭の西洋音楽史・世界史・日本史の対照年表で、作曲家が生きた時代に日本や世界で何があったかが見えるのが効いています。付属CDの参考音源は有名曲ばかりで、この曲だったのか、という発見がある。読む・聴く・年表で確かめるの三つが同時に回ります。

こんな人におすすめ

西洋音楽史の勉強をこれから始める人、音楽史の授業についていきたい学生、独学で最初の一冊を選びたい人に。CDをかけながら通読する使い方も、気になった曲を先に聴いてから本文に戻る使い方もできます。年表目当てで手元に置いておくのもありです。

良い点

  • 参考音源のCD付きで確かめられる
  • 日本史まで入った対照年表
  • 作曲家の人生と時代背景が厚い

気になる点

  • CDを再生する環境が必要
  • 改訂で収録曲が一部変更
  • 索引的に引くのには不向き

出版社

ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス

発売日

2024年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

今度は付属CDがある本ですね。音楽史の本に音源が付くと、学び方は何が変わるんでしょう? 読みながら曲を確かめられるのは、想像するより大きいんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

変わりますよ。この本はロングセラーが改訂されたもので、参考音源がCDで付いてくる。アレルヤ唱から「惑星」より木星まで、有名曲が並んでいるので、読んだ時代の音をその場で確かめられるんです。

巻頭には西洋音楽史・世界史・日本史の対照年表があって、作曲家が生きた時代に日本や世界で何があったかが見える。

耳と年表がセットになっているのが強みですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

年表が三本並ぶと、音楽だけを見ているより記憶に残りそうですね。世界史が苦手だったので、そこは助かりそうです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうなんですよ。歴史が苦手だった人ほど、この年表に助けられると思います。作曲家が生きた年に日本で何が起きていたか、世界で何が起きていたかが並んでいると、音楽だけを暗記するよりずっと頭に残る。

音と年表を往復しながら、ゆっくり進めればいいんです。

歴史を知ればもっと楽しい!西洋音楽の教科書
3

歴史を知ればもっと楽しい!西洋音楽の教科書

明石潤祐 著|ナツメ社

¥1,870(税込)

4.6

前半で古代ギリシャから20世紀クラシックまでの流れを追い、後半は19世紀以降のポピュラー音楽の歴史に入る、欲張りな一冊です。ブルース、ジャズ、ゴスペル、カントリー、フォーク、ロックン・ロール、リズム&ブルース、レゲエ、パンクロック、ヘヴィメタル、テクノ、ヒップ・ホップ、EDMまで、時代ごとにジャンルと代表的なミュージシャン、楽曲、アルバムを紹介します。クラシックとポピュラーの両方を一冊で渡れるのが強みです。

こんな人におすすめ

クラシックもロックもヒップ・ホップも同じプレイリストで聴く人、ジャンルがどう生まれたのか知りたい人、学校で音楽史をかじったきりで全体像を拾い直したい人に。ジャンルの地図がほしいときに向きます。

良い点

  • クラシックとポピュラーを一冊で
  • ジャンルごとの代表例が豊富
  • 時代を追う章立てが明快

気になる点

  • クラシック部分は圧縮されている
  • ポピュラー史は好みが分かれる
  • どちらも深掘りは控えめ

出版社

ナツメ社

発売日

2023年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

この本、タイトルに「西洋音楽の教科書」とありますけど、教科書って身構えてしまいます。読んでいて楽しいんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

それが意外と欲張りな一冊で、前半は古代ギリシャから20世紀クラシックまでの流れ、後半は19世紀以降のポピュラー音楽の歴史に分かれているんです。

ブルース、ジャズ、ゴスペル、ロックン・ロール、レゲエ、ヒップ・ホップ、EDMまで、時代ごとにジャンルと代表的なミュージシャンやアルバムを追う。

クラシックとポピュラーの橋を一冊で渡せる本は多くありません。

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、クラシックの本なのにヒップ・ホップまで出てくるんですか。それは気になります! ジャンルの名前は聞いたことがあっても、生まれた順番は全然知らないんです。

佐藤メバル

佐藤メバル

クラシック監修とポピュラー監修が別々に付いているのも、この本の性格が出ていますね。片方だけを深く掘る本ではないけれど、自分の聴いている音楽がいつ、どこから来たのかを確かめるには十分。

両方聴く人ほど面白がれる一冊だと思います。

人生が楽しくなる 西洋音楽史入門
4

人生が楽しくなる 西洋音楽史入門

山﨑圭一 著|PHP研究所

¥1,980(税込)

4.4

教育YouTuberのムンディ先生が、ヨーロッパを中心とした歴史と音楽の歴史を同時に紹介する入門書です。歴史のストーリーと、その時代の事件や人物を題材にした曲、そしてその時代を生きた作曲家と代表曲を並べて解説する。太古から中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、20世紀、戦後の世界まで十章。参考動画のQRコードから聴きどころに飛べるので、読んでその場で耳に落とせます。

こんな人におすすめ

歴史と音楽を別々に覚えられなかった人、世界史の流れと曲を結びつけたい学生、動画で学ぶ習慣がある人に。「これ聴いたことある」という曲から歴史に入りたいときにも向きます。

良い点

  • 歴史と曲を同時に学べる
  • QRコードで聴きどころへ飛べる
  • 十章で太古から戦後まで追える

気になる点

  • 動画の視聴が前提になる
  • 紙面だけでは音が分かりにくい
  • 歴史側の記述が中心

出版社

PHP研究所

発売日

2023年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

教育YouTuberの方が書いた音楽史、というのが気になります。動画で教えている人と本って、相性がいいんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

この本は歴史のストーリーと、その時代の事件や人物を題材にした曲を並べて紹介して、さらに作曲家と代表曲を解説する。

要するに歴史と音楽を同時に進める構成です。気になった曲はQRコードから動画の聴きどころに飛べるので、本で読んで、すぐ耳で確かめられる。

太古から戦後の世界まで十章で追う形ですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

歴史の授業が苦手だった私でも、曲とセットなら入っていけそうな気がします。動画に飛べるの、正直いちばん嬉しいです。

佐藤メバル

佐藤メバル

その入り方がいちばんいいと思いますよ。曲が先に頭に入っていると、年号や事件の名前も覚えやすいんです。

逆に年表から入ってしまうと、どうしても作業になってしまう。まず耳、次に文字。この順番を勧めています。

つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史
5

つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史

岸本宏子 著|アルテスパブリッシング

¥2,420(税込)

4.3

作曲家と作品のカタログではなく、西洋音楽の成り立ちそのものから教えてくれる本です。西洋音楽の「西洋」とは何か、基盤になった古代ギリシャの音楽観とは何か、三大宗教が与えた影響とは何か、という根本から入り、神の音楽から人の音楽へ、そして世界音楽の時代へと三部で進みます。中世から近現代まで複数の執筆者が分担し、重要トピックのコラムには面白かわいいイラストも添えられています。

こんな人におすすめ

音楽史の本を何冊か読んだけれど線がつながらない人、宗教と音楽の関係から知りたい人、用語の暗記より背景の理解を優先したい人に。「そもそも」から始めたい読者に向きます。

良い点

  • 西洋音楽の成り立ちから説き起こす
  • 三部構成で流れが追いやすい
  • コラムのイラストが親しみやすい

気になる点

  • 作品カタログとしては薄い
  • 複数執筆で文体が変わる
  • 初学者には概念がやや重い

出版社

アルテスパブリッシング

発売日

2020年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「つながりと流れがよくわかる」というタイトルですが、つながりと流れって、具体的に何のことなんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

ふつうの音楽史入門は作曲家と作品のカタログになりがちなんですが、この本は「そもそも西洋音楽の『西洋』って何か」「古代ギリシャの音楽観とは」「三大宗教の影響とは」というところから始めるんです。

神の音楽から人の音楽へ、そして世界音楽の時代へ、という三部構成で、作曲家より前の前提を教えてくれる。

複数の執筆者が中世から近現代までを分担しているのも特徴です。

橘ナナミ

橘ナナミ

「そもそも」から入る本って、案外少ないんですね。作曲家の名前を先に覚えても、いつも途中で分からなくなるので。

佐藤メバル

佐藤メバル

少ないんですよ。多くの入門書は作曲家の列伝から始まりますが、この本はそこへ行く前の前提を埋めてくれる。

しかもコラムにイラストがたくさん入っていて、そこで息継ぎができる。読み疲れたときに眺めるページがある本は、案外長く付き合えるものです。

「クラシック音楽」ってなあに: クラシック音楽の魅力と歴史を探る入門書
6

「クラシック音楽」ってなあに: クラシック音楽の魅力と歴史を探る入門書

須田知明 著|Independently published

¥6(税込)

4.1

クラシック音楽とは何か、バロック、古典派、ロマン派、近代音楽といった区分、交響曲、協奏曲、オペラ、室内楽といった形式を、初心者向けにやさしく置いていく入門書です。歴史や重要な作曲家、代表的な作品に加えて、音楽理論や楽器、鑑賞のしかたにも触れている。まず全体の輪郭だけをつかむための薄い一冊で、分厚い本に入る前の肩慣らしに向いています。

こんな人におすすめ

これからクラシックを聴き始める人、いきなり厚い音楽史で挫折した経験のある人、用語と形式の名前だけ先に頭に入れておきたい人に。短時間で全体像をつかんでから次の一冊に進む使い方が合います。

良い点

  • 短時間で全体像をつかめる
  • 形式や楽器の基本にも触れる
  • 最初の一冊として負担が少ない

気になる点

  • ページ数が少なく物足りない
  • 人名や作品の網羅は薄い
  • 索引や年表は付いていない

出版社

Independently published

発売日

2024年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

これ、ページ数がすごく少ない入門書ですよね。こんなに短い本で、音楽の歴史が語れるものなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

これは網羅する本ではなくて、クラシック音楽とは何か、バロック・古典派・ロマン派・近代といった区分はどうなっているか、交響曲や協奏曲やオペラといった形式は何かを、初心者向けにやさしく置いていく本です。

最初の一冊を薄くしたい人には向いています。楽器や聴き方にも触れていますから、肩慣らしの位置づけですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど、最初から分厚い本を買って挫折するタイプなので、こういうのは助かります。まずこれで様子を見てみます。

佐藤メバル

佐藤メバル

その使い方がいちばん賢いです。ここで全体の輪郭をつかんでから、詳しい概説書や名盤ガイドに移ればいい。

逆に最初から厚い本を買って、索引だけ引いて終わってしまうより、ずっと身につきますよ。薄い本は弱い本ではないんです。

名曲・名盤でたどるクラシック音楽の歴史
7

名曲・名盤でたどるクラシック音楽の歴史

髙木明啓 著

4.1

著者は、クラシックの歴史は過去の遺産からの段階的変革の連続で突然変異は少ない、だから難解な曲も歴史をたどれば素直に耳に入る、という立場です。ルネサンス期から20世紀後半までの450年以上を各時代の名曲でたどり、一曲につき最大三種類の名演奏を寸評つきで紹介します。最新の演奏やHIP、リマスタリングで蘇った過去の録音も対象。名盤ガイドとしても通史としても使える構成です。

こんな人におすすめ

曲は聴いているけれど、どの演奏を選べばいいか分からない人、時代順に名曲を追いたい人、歴史の本を読みながら実際の音源も手元に置きたい人に。聴き比べの入口として使えます。

良い点

  • 一曲につき複数の演奏を比較
  • 歴史と名盤ガイドを兼ねる
  • HIPや最新録音も追える

気になる点

  • 曲数が多く読了に時間がかかる
  • 聴き比べ用の音源を別途用意
  • 初心者には寸評が細かい

出版社

詳細情報なし

発売日

2023年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

この本は名曲と名盤で歴史をたどる、とあります。曲の紹介と歴史の解説って、どう組み合わさっているんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

著者は「クラシックの歴史は過去の遺産からの段階的変革の連続で、突然変異は少ない」という立場なんですね。

だから難解に思える曲も、歴史をたどって近づけば耳に入る。その考えで、ルネサンス期から20世紀後半までの450年以上を、各時代の名曲と名演奏でたどる。

一曲につき最大三種類の演奏を寸評つきで紹介しているので、名盤ガイドとしても読めます。

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ曲で三つ聴き比べるの、楽しそうです。最新録音と昔の録音が並ぶんですね。差が分かるかは自信ないですけど。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、HIPの演奏やリマスタリングで蘇った過去の録音も入ってきますよ。同じ曲でも、録音年によって表情がまるで違う。

まず一つの演奏で曲を覚えて、それから別の演奏に触れると、差異がはっきり聴こえるようになります。

クラシック音楽の歴史と名曲・名盤1300
8

クラシック音楽の歴史と名曲・名盤1300

髙木明啓 著

3.9

同じ著者による名盤ガイドの決定版です。ルネサンス期から20世紀後半までの450年以上の歴史を解説しながら、462曲の名曲と、優に1300を超える名盤を紹介します。もとになった本から名盤を大幅に追加・入れ替え、ハイドンの交響曲やバルトークの弦楽四重奏曲も入りやすい番号に差し替えられた。最新録音を含めて体系的に名盤をまとめる役割を、廃刊になった雑誌から引き受けた一冊です。

こんな人におすすめ

同じ曲を何人もの演奏で聴き比べたい人、CDでも配信でも買う前に選びたい人、名曲と名盤を一冊にまとめて手元に置きたい人に。長く使える事典がほしいときに。

良い点

  • 名盤の選択肢が圧倒的に多い
  • 最新録音まで反映している
  • 名曲462曲を体系的に扱う

気になる点

  • 分量が多く通読は難しい
  • 配信のみの音源も少なくない
  • 入門者には情報過多

出版社

詳細情報なし

発売日

2024年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

前の本と著者が同じですね。こちらは「1300」とタイトルに付いているんですが、前の本とは何が変わったんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

前の本で扱った名曲462曲はそのままに、紹介する名盤を大幅に追加・入れ替えて、優に1300を超えたのがこちらです。

もともと「レコード芸術」が廃刊になって、最新録音を含めて名曲と名盤を体系的にまとめるメディアがなくなった、という問題意識が背景にある。

名盤ガイドとしての密度が段違いです。ハイドンの交響曲もバルトークの弦楽四重奏曲も、入りやすい番号に差し替えられています。

橘ナナミ

橘ナナミ

雑誌がなくなった穴を本で埋める、というのが編集の動機なんですね。そういう事情を知ると、同じ著者の二冊の関係も見えてきます。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう本は長く使えます。CDでも配信でも、聴き比べの相棒になってくれる。ただ紹介されている数が多いので、最初から全部を追おうとしないでください。

気になる作曲家のところだけ拾って、そこから広げる読み方で十分です。

[増補改訂版] 音楽史を学ぶ-古代ギリシアから現代まで-
9

[増補改訂版] 音楽史を学ぶ-古代ギリシアから現代まで-

久保田慶一 著|教育芸術社

¥990(税込)

3.9

全200項目で、時代や社会とともに移り変わる西洋音楽の世界を追い、さらに洋楽導入以降の日本の西洋音楽の歩みも扱う通史です。海外の作曲家の話と、日本に西洋音楽がどう入ってきたかの話が一冊に入るのが大きな特徴。音楽史と受容史の両方を見渡せます。授業の教科書として長く使われてきた系統の本で、要点を項目ごとに整理して学べる作りです。

こんな人におすすめ

西洋音楽史を授業で学ぶ学生、日本に西洋音楽が入ってきた経緯に関心のある人、要点を項目ごとに整理して学びたい人に。索引的に拾い読みしたいときにも向きます。

良い点

  • 全200項目で整理されている
  • 日本の受容史まで扱う
  • 教材として使われてきた安心感

気になる点

  • 図版や譜例は少なめ
  • 項目ごとの記述は簡潔
  • 最初の一冊にはやや硬い

出版社

教育芸術社

発売日

2024年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

この本は「音楽史を学ぶ」というタイトルで、ちょっと硬そうですね。他の入門書とどう違うんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

全200項目で西洋音楽の世界を追いながら、洋楽導入以降の日本の西洋音楽の歩みも扱っているのがポイントです。

海外の話と日本の受容史が一冊に入る。大学の授業の教科書としても使われてきた系統の本で、増補改訂版になって内容が整理されています。

橘ナナミ

橘ナナミ

日本の話が入っていると、自分との距離が近くなりますね。学校で習った明治や大正の話と重なってくるんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうなんですよ。日本に西洋音楽がどう入ってきたかを知ると、演奏会の聴き方も変わります。たとえば幕末や明治の話と並べて読むと、いま聴いている曲がたどってきた距離が見える。

海外の通史と組み合わせると、効果はもっと大きいです。

決定版 はじめての音楽史: 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで
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決定版 はじめての音楽史: 古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで

久保田慶一 著|音楽之友社

¥2,200(税込)

3.9

20年以上読み継がれてきた入門書の決定版です。西洋音楽と日本音楽の両方を一冊で扱うのが独自性で、初版と増補改訂版を経て、今回は本文を変えずに章間の空きページへ書き下ろしコラム「もうひとつの音楽史」を五本加えました。音楽理論、音楽と社会、音楽の職業、記譜法、音楽メディアという切り口で、俯瞰の視点から音楽の現在まで触れています。

こんな人におすすめ

西洋と日本の音楽を並べて理解したい人、大学や高校の授業の副読本を探している人、細かい年表より音楽と社会の関係を考えたい人に。コラムから読み始めても成立する作りです。

良い点

  • 西洋と日本を一冊で扱う
  • 俯瞰コラムが五本加わった
  • 授業の副読本に使いやすい

気になる点

  • 本文は前の版から変わらない
  • コラム目当てだと物足りない
  • 網羅より視点が中心

出版社

音楽之友社

発売日

2017年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ著者、久保田慶一さんの本がもう一冊ありますね。こちらは「はじめての音楽史」で、決定版と付いています。前の本と何が違うんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

こちらは20年以上売れ続けてきた入門書の決定版で、西洋音楽と日本音楽の両方を扱うのが独自性です。今回は本文の改訂はせず、章間の空きページに書き下ろしのコラム「もうひとつの音楽史」を五本加えている。

音楽理論、音楽と社会、音楽の職業、記譜法、音楽メディアという切り口で、俯瞰の視点が足されているんですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

文学でいうと、本文よりコラムで視野が広がる感じですね。音楽と社会の関係、という切り口が気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

まさに。本文はそのままに、コラムだけが加わったというのは、それだけ前の版が完成していた証拠でもあります。

音楽理論、音楽と社会、音楽の職業、記譜法、音楽メディア。どれも俯瞰の話なので、授業の副読本としても使いやすいはずです。

西洋音楽史: 「クラシック」の黄昏 (中公新書 1816)
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西洋音楽史: 「クラシック」の黄昏 (中公新書 1816)

岡田暁生 著|中央公論新社

¥990(税込)

3.7

岡田暁生が、18世紀後半から20世紀前半までの、私たちが最も親しんでいる「クラシック音楽」と、その前後の音楽状況の重要ポイントを詳述した新書です。名曲の解説ではなく、なぜこの時代の音楽が特別な位置を与えられたのか、という問いを軸にしています。「クラシック」という枠そのものを疑う視点は、後の聴き方を変えてくれる一冊です。

こんな人におすすめ

クラシックが好きだけれど、このジャンルの特別扱いに漠然と疑問を持っている人、音楽を社会や歴史の文脈で考えたい人、新書サイズで通読したい人に。聴く前の前提を組み替えたいときに。

良い点

  • クラシック概念を問い直せる
  • 新書で通読しやすい
  • 時代の前後関係まで押さえる

気になる点

  • 名曲解説は期待できない
  • 音楽史の全体像ではない
  • 入門書としては硬め

出版社

中央公論新社

発売日

2005年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

岡田暁生という名前は聞いたことがあります。「クラシックの黄昏」という副題が物騒で、少し気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

これは18世紀後半から20世紀前半までの、私たちが最も親しんでいる「クラシック音楽」と、その前後の音楽状況の重要ポイントを詳述した新書です。

「クラシック」という概念そのものを疑うところから始まるのが面白い。なぜこの時代の音楽だけが特別扱いされるのか、という問いに答えてくれます。

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽の話というより、音楽をめぐる考え方の話なんですね。「黄昏」という言葉に、少し寂しい気持ちにもなります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう本です。名曲の解説を期待して開くと肩透かしを食いますが、なぜこの時代の音楽だけが特別扱いされるのかを考えたい人には刺さります。

新書サイズなので、通勤の往復で読み切れるのもいいところですよ。

西洋音楽史講義 (角川ソフィア文庫)
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西洋音楽史講義 (角川ソフィア文庫)

岡田暁生 著|KADOKAWA

¥1,210(税込)

3.7

ドレミファ音階、拍子、ハーモニー。今日の世界標準になっている音楽語法のほぼすべてが、西洋音楽史のなかで生まれました。その千年の変遷を全15講で描き出すのがこの本です。グレゴリオ聖歌からオペラの誕生、バロック、ウィーン古典派、ロマン派、20世紀のポピュラー音楽まで、「古楽」「クラシック」「現代音楽」という三つの画期に着目する。感性ではなく具体的・分析的に聴くヒントに満ちています。

こんな人におすすめ

曲の印象を言葉にしたい人、体系立った講義の形で学びたい人、好みの話ではなく音そのものの仕組みから入りたい人に。三つの画期という区切りを持ちたいときに。

良い点

  • 全15講で体系立っている
  • 三つの画期という視点が明確
  • 言葉にするヒントが多い

気になる点

  • 砕けた読み物ではない
  • 譜例の理解に基礎が要る
  • 範囲は西洋音楽史に限る

出版社

KADOKAWA

発売日

2024年8月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ著者の文庫版もありますね。こちらは「講義」と付いていますが、新書のほうと何が違うんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

全15講の形で、ドレミファ音階や拍子、ハーモニーといった今日の世界標準の音楽語法が、ほぼすべて西洋音楽史のなかで生まれたことを説いていく。

グレゴリオ聖歌からオペラの誕生、バロック、ウィーン古典派、ロマン派、20世紀のポピュラー音楽まで。「古楽」「クラシック」「現代音楽」という三つの画期に着目するのがこの本ならではの切り口です。

橘ナナミ

橘ナナミ

三つの画期、というくくり方は初めて聞きました。感性で語られがちな音楽を分析的に聴くヒントになるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

もとは放送大学の教材で、加筆・修正して文庫になったものです。ですから語りが講義調で整っていて、読み物としても進みがいい。

感性で語られがちな音楽を、具体的・分析的に聴くためのヒントが詰まっています。

西洋音楽史再入門 4つの視点で読み解く音楽と社会
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西洋音楽史再入門 4つの視点で読み解く音楽と社会

村田千尋 著|春秋社

¥3,190(税込)

3.7

教科書的な音楽史に一石を投じる入門書です。楽譜、楽器、人、場と機能という四つの視点から、音楽と社会の関係を軸に西洋音楽史を読み解き直します。各章・各節の冒頭にリード文があり、クロスレファレンスやキーワード集、人名さくいんも完備。作曲家の列伝ではなく、音楽を支えた仕組みから見るのが新しいところで、譜例や図版も多数収録されています。

こんな人におすすめ

音大や音楽学科で学ぶ学生、教える立場の人、作曲家の名前を追うだけの歴史に物足りなさを感じている人に。楽器や楽譜の側から歴史を組み直したいときに。

良い点

  • 楽譜・楽器・人・場の四視点
  • リード文と索引が充実
  • 譜例と図版が豊富

気になる点

  • 通読より参照向き
  • 初学者には専門的
  • 章の往復で読みにくい

出版社

春秋社

発売日

2016年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「再入門」という言葉が気になります。一度入門した人がもう一度読む、ということなんでしょうか。それとも、最初の一冊にしてもいいんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

教科書的な音楽史に飽き足らない人向けですね。楽譜、楽器、人、場と機能という四つの視点から、音楽と社会の関係を読み解き直す。

作曲家の列伝ではなく、音楽を支えた仕組みから見るのが新しいところです。各章の冒頭にリード文があり、クロスレファレンスやキーワード集、人名さくいんも付いているので、辞書的に行き来できます。

橘ナナミ

橘ナナミ

楽器や楽譜から入る歴史って、音大で教えている先生ならでは、という感じがしますね。私には難しすぎませんか?

佐藤メバル

佐藤メバル

譜例や図版も多いですから、眺めているだけでも発見がありますよ。楽譜がいつ、どう変わったか。楽器がどう育ったか。

そういう話から入ると、作曲家の名前の並びが急に意味を持ち始めます。辞書的に使うのが向いています。

図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説
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図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説

村田千尋 著|春秋社

¥3,520(税込)

3.7

西洋音楽史の全体像を8つの時代と8つの観点で整理し、4つの軸で通時的に概観する概説書です。宗教音楽、世俗音楽、オペラ、器楽というジャンルごとの歴史をたどることで、音楽文化や芸術音楽がどう成り立ってきたかが見えてきます。多くの図表とともに流れをつかめるので、頭のなかを整理しながら読めるのが強みです。

こんな人におすすめ

年表や図で視覚的に理解したい人、ジャンルごとに音楽史を追い直したい人、授業やゼミの教材として手元に置きたい人に。宗教音楽と世俗音楽の対比から入りたいときにも。

良い点

  • 8つの時代と8つの観点で整理
  • 図表が多く理解しやすい
  • ジャンル史としても読める

気になる点

  • 分量が多く感じられる
  • 実践より概観が中心
  • 索引頼みになりがち

出版社

春秋社

発売日

2026年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

こちらの著者も村田千尋ですね。さっきの「再入門」と並ぶと、性格がまるで違いそうですが、役割は違うんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

西洋音楽史の全体像を8つの時代と8つの観点で整理して、4つの軸で通時的に概観する。宗教音楽、世俗音楽、オペラ、器楽というジャンルごとの歴史を追うと、音楽文化や芸術音楽がどう成り立ってきたかが見えてくるんです。

図表が多いので、頭のなかを整理しながら読めるのが強みですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

前の本が視点を変える本で、こちらは整理する本、という住み分けなんですね。図表があると、頭が弱い私には助かります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう考えると選びやすいでしょう。こちらは通読して全体像を整理する本、再入門のほうは考え方を揺さぶる本。

同じ著者でも役割が違うので、目的に合わせて選んでください。図表が多いぶん、眺めてから読むのも手です。

西洋音楽史概説
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西洋音楽史概説

門馬直美 著|春秋社

¥3,080(税込)

3.7

古代ギリシアから現代に至る西洋音楽の変遷を詳述し、時代様式と作曲家の個人様式を簡潔にまとめながら音楽史の流れを的確に解説する概説書です。古代、中世、ルネサンス、バロック、クラシック、ロマン主義、民族主義、20世紀と章が並び、人名索引と事項索引を完備。教材としても好評で、音楽史の基礎を固めたい人の土台になる一冊です。

こんな人におすすめ

独学で通史を一冊読み切りたい人、西洋音楽史の基礎を固めたい学生、調べもののために索引付きの概説を手元に置きたい人に。授業の予習復習にも使いやすい作りです。

良い点

  • 時代様式と個人様式を簡潔に整理
  • 人名・事項索引を完備
  • 教材としての実績が長い

気になる点

  • 図版や譜例は少ない
  • 記述は簡潔で淡々としている
  • 読み物としての華やかさは薄い

出版社

春秋社

発売日

1976年1月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

今度は「概説」とだけ付いた本ですね。教材としても好評とありますが、独学でも使えるんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

門馬直美による本で、古代ギリシアから現代までの変遷を、時代様式と作曲家の個人様式を簡潔にまとめながら解説していく。

中世、ルネサンス、バロック、クラシック、ロマン主義、民族主義、20世紀と章が並んでいるので、音楽史の基礎を固める教科書として長く使われてきた一冊です。

人名索引と事項索引が付いているのも調べものに向いています。

橘ナナミ

橘ナナミ

索引があると、読み返すときの安心感が違いますね。教科書として使われてきた、というのも納得できます。家に一冊置いておくタイプの本ですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

ええ、何度も戻ってくる前提の本です。章立てが素直なので、自分の関心のある時代から読み始めても迷わない。

教材として使われてきただけあって、独学の人が一人で読んでも置いていかれにくい作りになっています。

西洋音楽史大図鑑
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西洋音楽史大図鑑

スティーヴ・コリッソン 著|ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス

¥4,840(税込)

3.5

クラシック音楽の歴史を一望できる、コンパクトなサイズの図鑑です。はじめて真のオペラを書いたのは誰か、記譜法のシステムの起源はどこか、作曲家はどう交響曲を作曲するのか、といった疑問に答える形で、90以上の作品を豊富な図版とイラストで解説します。初期の単旋聖歌から現代のミニマリズムまで。作曲家の人生と作曲技法の変遷を同時に見られるのが強みです。

こんな人におすすめ

図鑑を眺めるのが好きな人、用語や作品の由来をビジュアルで確かめたい人、たまにクラシックを聴く程度でこれから深掘りしたい人に。熱心なファンの復習にも耐える作りです。

良い点

  • 図版とイラストが豊富
  • 90以上の作品を疑問形式で解説
  • コンパクトで持ちやすい

気になる点

  • 細かい用語の網羅は控えめ
  • 翻訳本で人名表記に癖がある
  • 通読すると重い

出版社

ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス

発売日

2021年12月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

大図鑑というだけあって分厚いですね。図鑑って、読むというより眺めるものというイメージがあるんですが、それでいいんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

眺めるだけでも十分楽しいですが、中身は「はじめて真のオペラを書いたのは誰か」「記譜法のシステムの起源はどこか」「作曲家はどう交響曲を作るのか」といった疑問に答える形で進むんです。

90以上の作品を図版とイラストで解説しながら、単旋聖歌から現代のミニマリズムまで追う。イギリスのDorling Kindersleyのシリーズの一冊ですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

あの図鑑の出版社の本なんですね。作曲家の人生と作曲技法の変遷を同時に見られるのが面白そうです。絵を見ているだけで時間が過ぎそう。

佐藤メバル

佐藤メバル

たまに聴く人も熱心なファンも、両方楽しめる作りになっています。図版を見ているだけでも作曲家の人生が伝わってきますし、疑問形式なので引っかかりが多い。

眺めて、読んで、また聴く。そういう往復がしやすい本です。

グラウト/パリスカ 新 西洋音楽史〈上〉
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グラウト/パリスカ 新 西洋音楽史〈上〉

ドナルド・ジェイグラウト 著|音楽之友社

¥6,600(税込)

3.5

長く読み継がれてきた西洋音楽史の定番、第5版の上巻です。古代ギリシャ・ローマの音楽生活と音楽観から始まり、中世の聖歌と世俗歌、多声音楽の始まりと13世紀、14世紀のフランスとイタリア、15世紀のイギリスとブルゴーニュ、ルネサンスのネーデルラント、16世紀の新しい潮流、後期ルネサンスと宗教改革の教会音楽まで。学術的な土台に触れたい人のための一冊です。

こんな人におすすめ

音楽史を本格的に学びたい学生、研究やレポートで一次的な通史が必要な人、中世からルネサンスをじっくり読み込みたい人に。上巻で古代から16世紀までを固めたいときに。

良い点

  • 古代から16世紀までを詳述
  • 索引が充実し調べやすい
  • 学術的な定番として信頼が厚い

気になる点

  • 上巻のみでは完結しない
  • 分量が多く時間がかかる
  • 入門には難度が高い

出版社

音楽之友社

発売日

1998年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

これは「上」と付いているので、下巻もあるんですよね。グラウト/パリスカ、というのは何でしょう? 名前だけでは全然想像がつきません。

佐藤メバル

佐藤メバル

長く使われてきた西洋音楽史の定番で、これは第5版の上巻です。古代ギリシャ・ローマの音楽生活と音楽観から始まって、中世の聖歌と世俗歌、多声音楽の始まり、14世紀のフランスとイタリア、15世紀のイギリスとブルゴーニュ、ルネサンスのネーデルラント、16世紀の新しい潮流、後期ルネサンスと宗教改革の教会音楽まで。

学術的な土台に触れたい人の本ですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

読者として、これは趣味の入門というより勉強用という印象です。上巻だけでこの厚さだと、下巻も覚悟がいりますね。

佐藤メバル

佐藤メバル

その通りで、腰を据えて読みたい人向けです。索引もしっかりしていますから、調べもので開くたびに戻ってこられる。

趣味の入門というより、音楽史を学問として押さえたい人の土台になる一冊だと思ってください。

西洋音楽史〔新訂〕 (放送大学教材)
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西洋音楽史〔新訂〕 (放送大学教材)

津上英輔 著|放送大学教育振興会

¥3,080(税込)

3.5

西洋芸術音楽の歴史を、作品だけでなく、その前提となる考え方や社会状況、作品を実現する楽器や演奏法にも力点を置いてたどる放送大学の教材です。古代ギリシャから中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、19世紀のイタリア、ドイツを通し、作品を思想的、理論的、社会的背景から立体的に把握することが目標になっています。

こんな人におすすめ

楽器や演奏法の変化にも関心がある人、作品を時代の思想と結びつけて理解したい人、通信教育や独学で体系的に学びたい人に。背景から作品を読む練習に向きます。

良い点

  • 楽器や演奏法にも力点を置く
  • 背景から作品を立体的に把握
  • 古代から19世紀まで通す

気になる点

  • 教材の体裁でやや硬い
  • 図版は多くない
  • 独学には補助が要る

出版社

放送大学教育振興会

発売日

2021年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

放送大学の教材なんですね。教材というと、やっぱり作品を淡々と並べる感じなんでしょうか? 独学の人はどう使うんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

ここが面白くて、作品だけでなく、その前提となる考え方や社会状況、さらに楽器や演奏法にも力点を置いているんです。

古代ギリシャから中世、ルネサンス、バロック、古典派、ロマン派、19世紀のイタリア、ドイツまで通して、作品を立体的に把握するのが目標になっています。

思想や理論の背景から理解する、というのが他の概説書との違いですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ曲でも、当時の楽器や演奏法を知ると聴こえ方が変わりそうです。通信の教材というのは、独学でも進められますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そうなんですよ。演奏会の前に読むと、耳が少し変わります。当時の楽器や奏法を知っていると、いま鳴っている音が再現なのか翻訳なのかが見えてくる。

背景から作品を立体的に把握する、という目標がはっきりした教材です。

西洋音楽史 (河出文庫)
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西洋音楽史 (河出文庫)

パウルベッカー 著|河出書房新社

3.5

読み継がれてきた音楽史の古典が、河出文庫で手に取りやすくなった一冊です。ギリシャ人から説き起こし、グレゴリオ音楽、多声音楽と新芸術、ネーデルランド楽派、器楽的和声音楽、オペラとオラトリオ、バッハとヘンデル、ハイドン、グルック、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてロマン派から新しい転換まで。河上徹太郎の解説、岡田暁生の文庫版解説も読みどころです。

こんな人におすすめ

古典的な西洋音楽史を一度読んでおきたい人、モーツァルトやベートーヴェンを大きな流れのなかに置き直したい人、解説も含めて読み物として楽しみたい人に。文庫で持ち歩く通史がほしいときに。

良い点

  • 文庫で読める音楽史の古典
  • 作曲家ごとの章立てが明快
  • 解説が二本付いている

気になる点

  • 記述はやや古い
  • 図版や譜例はない
  • 用語の前提知識が要る

出版社

河出書房新社

発売日

2011年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

パウル・ベッカー、と聞いても私は知らなかったんですが、これは昔から読まれている本なんでしょうか? 文庫で出ているのが少し意外です。

佐藤メバル

佐藤メバル

長く読み継がれてきた音楽史の古典で、河出文庫に入っています。ギリシャ人から説き起こして、グレゴリオ音楽、多声音楽、ネーデルランド楽派、器楽の和声音楽、オペラとオラトリオ、バッハとヘンデル、ハイドン、グルック、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてロマン派、ワーグナー・ヴェルディ・ビゼー、後期ロマン派と「新しい転換」まで。

解説は河上徹太郎、文庫版解説は岡田暁生が書いています。

橘ナナミ

橘ナナミ

解説が二人分入っているんですね。本編だけでなく解説も読みどころになりそうです。古い本を今読む意味って、どこにあるんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、先人の読み方を同時に味わえるのが文庫のいいところです。本編はやや古い記述もありますが、そのぶん骨太で、作曲家ごとの章立てが明快。

古典として一度通しておくと、後の新書や概説書の位置づけも見えてきますよ。

若い読者のための音楽史 【イェール大学出版局 リトル・ヒストリー 第2期】
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若い読者のための音楽史 【イェール大学出版局 リトル・ヒストリー 第2期】

ロバート・フィリップ 著|すばる舎

3.5

クラシック史ではなく、音楽そのものの歴史を世界中から描く一冊です。太古の祖先から今日の大量生産された歌まで、ヨーロッパ、南米、アジア、アフリカに目を向け、音楽家が貿易や移住でどう結びついたか、植民地主義が何をもたらしたかを検証します。中世の聖歌、クラシック・オペラ、ジャズ、ヒップホップまで網羅。なぜ世界中で音楽が大切にされるのかに光を当てます。

こんな人におすすめ

洋楽の枠を超えて音楽の歴史を知りたい人、世界史や国際文化に関心がある学生、ジャンルを横断して聴く人に。クラシックを相対化して見たいときにも向きます。

良い点

  • 世界の音楽を横断して扱う
  • 植民地主義の影響まで検証
  • ジャンルが驚くほど広い

気になる点

  • クラシック史の細部は薄い
  • 地域ごとの濃淡がある
  • 年代の把握は粗め

出版社

すばる舎

発売日

2024年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「若い読者のための音楽史」というタイトル、クラシックの本なのに世界史っぽい雰囲気があります。中身はどんな構成なんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

これはヨーロッパだけでなく南米、アジア、アフリカを含む世界各地に目を向けて、先史時代から今日までを追う本です。

音楽家が貿易や移住でどう結びついたか、植民地主義が何をもたらしたかまで検証する。中世の聖歌、クラシック・オペラ、ジャズ、ヒップホップまで幅広い。

クラシック史ではなく音楽そのものの歴史なんです。

橘ナナミ

橘ナナミ

ジャズもヒップホップも同じ本に入るんですね。視野が一気に広がります。クラシックを相対化する感じがします。

佐藤メバル

佐藤メバル

イェール大学出版局のリトル・ヒストリー・シリーズの一冊ですから、語り口も読みやすいですよ。クラシックを中心に据えず、世界の音楽を並べて描くので、自分の知っている音楽の位置が変わる。視野を広げたいときに向いています。

西洋音楽史を聴く バロック・クラシック・ロマン派の本質 (講談社学術文庫 2547)
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西洋音楽史を聴く バロック・クラシック・ロマン派の本質 (講談社学術文庫 2547)

前川誠郎 著|講談社

¥880(税込)

3.5

バロック、クラシック(古典派)、ロマン派、後期ロマン派、そして国民楽派、二十世紀音楽へ。音楽史の時代区分は独特で、それぞれの特徴はどこにあるのか、その音楽は何を目指したのかを論じます。著者は美術史を専門としながら、生涯をかけて聴くことに力を傾けた人。聴く側の実感から書かれた言葉は、評論というより音楽への愛に近い。解説を下村耕史が担当しています。

こんな人におすすめ

時代区分の違いを耳で感じ取りたい人、演奏会のプログラム解説をもっと深く読みたい人、短い分量で濃い音楽論に触れたい人に。演奏会の前後に読む一冊として。

良い点

  • 時代区分の本質を考えさせる
  • 短い分量で読みやすい
  • 聴く側の実感に寄り添う

気になる点

  • 網羅的な通史ではない
  • 作品解説は最小限
  • 著者の本職は美術史

出版社

講談社

発売日

2019年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「聴く」という動詞がタイトルに入っているのが、いいなと思います。著者の方は音楽の専門家なんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

実は美術史が専門の方で、生涯をかけて聴くことに力を注いだ人なんです。だからこそ、バロック、古典派、ロマン派、後期ロマン派、国民楽派、二十世紀と続く時代区分の特徴を、聴く側の実感から語る。

その時代の音楽が何を目指したのかを、熟成した言葉で綴っています。解説は下村耕史によるものです。

橘ナナミ

橘ナナミ

美術史の人が音楽を語るって、視点がずれていて面白そうですね。絵を見るように音楽を聴く、ということなんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

そのずれが新鮮なんですよ。美術史の目で音楽を見ると、様式の話が絵画や建築と重なって見えてくる。ページ数も多くないので、短い時間で濃い話が読めます。

演奏会のプログラムを読む前後に開くと、ちょうどいい分量です。

詳説総合音楽史年表―音楽を世界の歴史からグローバルにとらえる
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詳説総合音楽史年表―音楽を世界の歴史からグローバルにとらえる

皆川達夫 著|教育芸術社

¥2,200(税込)

3.5

音楽の出来事を世界の歴史の流れのなかに置いて、グローバルにとらえるための年表です。作曲家の生没年や作品の順番だけでなく、そのとき世界で何が起きていたかを同時に見られるので、音楽史と世界史のずれが手に取るように分かります。通読する本ではなく、他の音楽史の本の横に置いて確かめる使い方に向いています。

こんな人におすすめ

音楽史の本を複数冊読んでいて、年号の前後が混ざってしまう人、作曲家と世界情勢を並べて確かめたい人、調べものをしながら手元に置きたい人に。照合の相棒として。

良い点

  • 世界史と並べて音楽を見られる
  • 手元に置くと照合が速い
  • グローバルな視点が得られる

気になる点

  • 通読する本ではない
  • 記述量は限られる
  • 年表だけでは背景が薄い

出版社

教育芸術社

発売日

2004年1月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

これは年表なんですね。年表って、読む本というより引くものというイメージがあります。単独で買う意味はあるんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

タイトルに「音楽を世界の歴史からグローバルにとらえる」とあるとおり、音楽の出来事を世界史の流れのなかに置いて眺める作りです。

作曲家の順番だけでなく、世界で何が起きていたかが同時に見える。通読するというより、手元に置いて確かめる使い方が合っていますね。

橘ナナミ

橘ナナミ

他の本を読みながら、横に置いておく感じですか。年表って、地味だけどあったほうがいい道具なんですね。ひとつ持っておこうと思います。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、辞書や地図と同じです。年表が一冊あると、頭のなかの整理がぐっと速くなります。読んでいる本の横に開いておいて、作曲家の生きた年と世界の出来事を照らし合わせる。

その地味な作業が、後で効いてくるんですよ。

クラシック音楽の歴史: 88の人と事件と言葉
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クラシック音楽の歴史: 88の人と事件と言葉

中川右介 著|七つ森書館

¥2,550(税込)

3.5

最初の一冊と同じ著者が、まったく違う切り口で書いた音楽史です。88という数で人物と事件と言葉を区切って並べ、通史を頭から読むのではなく、気になる切り口から入っていけるようにしています。時間順のトピック集とは逆の入口を持つ本で、言葉から人物へ、人物から事件へと広がる読み方ができます。同じ著者の二冊を並べると、視点の落差が面白いんですよ。

こんな人におすすめ

歴史を通読するのが苦手で、気になる言葉から入りたい人、作曲家のエピソードをきっかけに時代を知りたい人、同じ著者の本を読み比べたい人に。拾い読みの入口がほしいときに。

良い点

  • 88の切り口で飽きずに読める
  • 言葉から時代へ広がる
  • 同じ著者の別の視点が楽しめる

気になる点

  • 通史としては断片的
  • ひとつの流れを追いにくい
  • 拾い読み向きで通読は散漫

出版社

七つ森書館

発売日

2013年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

これ、最初に紹介した中川右介の本ですね。タイトルに「88の人と事件と言葉」とあります。同じ著者が二冊あるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、同じ著者でも作りが違います。人物と事件と言葉を88という数で区切って並べていく形で、通史を頭から読むのではなく、切り口から入っていけるのが特徴です。

最初の本が時間の流れに沿ったトピック集だとすれば、こちらはキーワードから人物と事件に迫る形ですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ著者の本を二冊並べるの、比べられて面白いですね。88という数で区切るのにも、何か理由があるんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

気になる言葉から入って、そこから時代に広がっていく読み方もできますよ。88という区切りは、通読を強制しないための工夫でもあります。

最初の一冊と並べて、同じ著者がどこをどう見ているかを比べてみるのも面白いです。

クラシック音楽史における時代背景の流れ―クラシック音楽史の入門書―
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クラシック音楽史における時代背景の流れ―クラシック音楽史の入門書―

藤原優斗 著

3.5

クラシック音楽史を、作曲家や作品の暗記ではなく時代背景の流れから学ぶ入門書です。なぜ教会音楽から始まったのか、なぜバロックで壮麗な響きが生まれたのか、なぜ近代に和声が揺らいだのかを、宗教、思想、政治、社会、個人主義、戦争、技術革新から説明します。古代ギリシアから日本における西洋音楽受容、戦後前衛、ミニマル・ミュージック、映画音楽、現代クラシックまで。流れから全体像をつかむ一冊です。

こんな人におすすめ

曲名を覚えても頭に残らなかった人、歴史の因果から音楽を理解したい人、映画音楽や現代クラシックまで見渡したい人に。代表作曲家と代表作品の総まとめから復習したいときにも。

良い点

  • 時代背景から因果を説明する
  • 映画音楽や日本受容まで扱う
  • 鑑賞ポイントのまとめ付き

気になる点

  • 図版や譜例は少なめ
  • 入門向けで深掘りは控えめ
  • 網羅する分やや散らかる

出版社

詳細情報なし

発売日

2026年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「時代背景の流れ」というタイトルが、私には刺さります。曲名ばかり覚えても、頭に残らなかったので。どんな順番で読むんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

まさにそのための本で、教会音楽から西洋音楽が始まった理由、バロックで壮麗な響きが生まれた理由、古典派が形式美を重んじた理由、近代に和声が揺らいだ理由を、宗教、思想、政治、社会、戦争、技術革新から説明していくんです。

古代ギリシアから日本における西洋音楽受容、戦後前衛、ミニマル・ミュージック、映画音楽、現代クラシックまで。

作曲家の暗記ではなく流れから学ぶ構成ですね。

橘ナナミ

橘ナナミ

武満徹や久石譲の名前も出てくるんですか。そこまでつながっていると嬉しいです。映画音楽から入った私にはありがたい。

佐藤メバル

佐藤メバル

代表作曲家と代表作品の総まとめ、鑑賞ポイントまで付いていますから、入口として使いやすいですよ。背景から入ったあとに、まとめのページで復習する。

この往復ができると、曲を聴いたときの解像度が一段上がります。

クラシック音楽の歴史について読んで・聞いて理解する本
25

クラシック音楽の歴史について読んで・聞いて理解する本

河合達人 著

3.5

西洋音楽であるクラシック音楽の歴史を、実際の演奏をYouTubeで見ながら学ぶ本です。バロック音楽から現代音楽までを網羅し、読みながらその場で音に当たれる。そして最後には、これから音楽はどこへ向かわなければいけないのか、という提言が置かれています。歴史を未来の話につなげるところが、他の入門書と大きく違う点です。

こんな人におすすめ

動画を見ながら学ぶほうが頭に入る人、音源を探す手間を省きたい人、音楽の未来について考えてみたい人に。読み終えたあとに考えたくなる一冊として。

良い点

  • 動画と本を行き来できる
  • バロックから現代まで網羅
  • 未来への提言で締める

気になる点

  • 動画の視聴が前提になる
  • 演奏の当たり外れは自分次第
  • 学術的な記述は薄め

出版社

詳細情報なし

発売日

2017年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

最後は「読んで・聞いて理解する」という本ですね。YouTubeで演奏を見ながら進むのが今っぽくて、少し気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、実際の演奏をYouTubeで見ながらバロックから現代音楽までをたどる形です。本を読みながらその場で音に当たれるので、耳で確かめながら進められます。

そして最後には、これから音楽はどこへ向かわなければいけないのか、という提言まで置いている。歴史を未来の話につなげるところが、他の入門書と違うところです。

橘ナナミ

橘ナナミ

歴史の本なのに、最後に提言が来るんですね。読み終わりが前向きになりそうです。提言って、けっこう強いことが書いてあるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう終わり方の本は珍しいですし、読み終えたあとに考えたくなるんですよ。歴史を振り返るだけで終わらせず、これから音楽がどこへ向かうのかまで置いている。

読み手を置いていかない締め方だと思います。

時代様式と代表作の対応——「年表」より「地図」で読む

橘ナナミ

橘ナナミ

中世・ルネサンス・バロック……名前は聞くけど、何がどう違うのか全然つかめません。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこで効くのが年表付きの本だね。『大人の音楽史入門』は巻頭に西洋音楽史・世界史・日本史の対照年表があり、作曲家が生きた時代に世界で何が起きていたかが並ぶ。『詳説総合音楽史年表』(皆川達夫/教育芸術社)は85ページで、音楽を世界史からグローバルにとらえる年表として使える。ざっくり言えば、中世はグレゴリオ聖歌に代表される単旋律の聖歌、ルネサンスは多声音楽の精緻化、バロックは壮麗な響き、古典派は形式美、ロマン派は感情の拡大、そして近代以降は和声が揺らいで無調や前衛が生まれる。この変化の理由を社会と結びつけるのが『クラシック音楽史における時代背景の流れ』の狙いだね。作曲家や作品の暗記ではなく、なぜその表現が必要とされたのかから入る。

橘ナナミ

橘ナナミ

様式名を覚えるより、順番に並べてもらえるほうが助かります。

西洋中心史観を相対化する——日本・非西洋・ジャンル別の入口

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽史の本って、ヨーロッパの男性作曲家ばかりなイメージがあるんですが……。

佐藤メバル

佐藤メバル

いいところに気づいたね。近年の本はそこを意識している。『決定版 はじめての音楽史』(久保田慶一/音楽之友社)は西洋音楽と日本音楽の両方を一冊で扱う点が独自で、古代ギリシアから日本の現代音楽までを射程に入れる。『音楽史を学ぶ』も洋楽導入以降の日本の歩みを含む全200項目だ。さらに世界へ広げるなら、ヨーロッパ、南米、アジア、アフリカに目を向け、植民地主義がもたらした影響まで検証する『若い読者のための音楽史』(ロバート・フィリップ/すばる舎)がある。中川右介の『クラシック音楽の歴史』は映画音楽まで、『歴史を知ればもっと楽しい!西洋音楽の教科書』はロックン・ロールやヒップホップ、EDMまでつなげてくれる。現代音楽の入口としては『西洋音楽史講義』(岡田暁生)の「古楽・クラシック・現代音楽」という三つの画期の捉え方が分かりやすい。

橘ナナミ

橘ナナミ

女性作曲家を主題にした本は、この中にあるんでしょうか。

佐藤メバル

佐藤メバル

正直に言うと、ここで挙げた25冊に女性作曲家だけを主題にした歴史本は見当たらない。だから通史で流れをつかんだあとに、別の棚として自分で足していくしかない。そこは隠さずに書いておきたいところだね。

橘ナナミ

橘ナナミ

ジャンル別の入口も知りたいです。オペラは難しそうで……。

佐藤メバル

佐藤メバル

オペラなら『つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史』(岸本宏子/アルテスパブリッシング)が、オペラを担当する書き手を置いてバロックからロマン派までを分担している。宗教曲や中世の聖歌、世俗歌は『グラウト/パリスカ 新 西洋音楽史〈上〉』の序盤が手厚い。交響曲や器楽は『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』が宗教音楽・世俗音楽・オペラ・器楽のジャンル史として並べてくれるから、入口として使いやすい。演奏家の自伝や対談はまた別の棚になるけれど、まず骨格を持ってから読むと格段に面白くなるよ。

挫折しない読書設計——音源・図書館・アウトプット

橘ナナミ

橘ナナミ

買ってはみたものの積んでしまう、という未来が見えます。

佐藤メバル

佐藤メバル

よくある話だよ。だから三点連動を勧めている。本で章を読む→その章の曲を聴く→可能ならコンサートで生で聴く。音源付きやQRコード付きの本を選べば、この往復が自動で回る。サブスクでも無料音源でも構わないけれど、聴く曲を本の章に固定するのがコツだ。予算が厳しければ図書館で通史を借り、手元には音源付きの一冊だけ置く。『西洋音楽史大図鑑』のような価格の張る本は、図書館で試してから決めればいい。電子書籍なら持ち歩きの負荷が消えるし、版の新しいものがすぐ手に入る。挫折ポイントは決まっていて、いきなり500ページ級の学術書か、名盤ガイドを最初の一冊に選ぶこと。読後は鑑賞ノートに「この時代の担い手は誰か」を一言書く。それだけで次に読む章が自然に見えてくる。

よくある質問

クラシック音楽の歴史を初心者が最初に読むならどの本?

橘ナナミ

橘ナナミ

クラシック音楽の歴史を初心者が最初に読むならどの本について教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

音と年表がセットになった入門が最短です。CDに49曲を収めた『大人の音楽史入門 改訂版』か、章ごとにQRコードで音源に飛べる『人生が楽しくなる 西洋音楽史入門』。読んだ章の曲をその場で聴けると、時代の変化が耳でつながります。

西洋音楽史のわかりやすい新書や文庫は?

橘ナナミ

橘ナナミ

西洋音楽史のわかりやすい新書や文庫はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

中公新書『西洋音楽史:「クラシック」の黄昏』、角川ソフィア文庫の『クラシック音楽の歴史』と『西洋音楽史講義』、河出文庫のパウル・ベッカー『西洋音楽史』、講談社学術文庫『西洋音楽史を聴く』が挙げられます。どれも256ページ以下で、持ち歩きながら通読できます。

楽譜が読めなくても音楽史の本は理解できる?

橘ナナミ

橘ナナミ

楽譜が読めなくても音楽史の本は理解できるについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

問題ありません。音楽史は教会や宮廷、市民社会など担い手の変化を扱うので、譜面の知識は必須ではありません。譜例が多い本や理論書は後回しにして、まず聴ける入門から入るのが安全です。

名曲の背景と聴きどころがわかるCD付きの本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

名曲の背景と聴きどころがわかるCD付きの本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『大人の音楽史入門 改訂版』が代表的で、付属CDに全49曲を収録しています。CDを持ち歩かない人なら、YouTubeの聴きどころから再生できるQRコード付きの『人生が楽しくなる 西洋音楽史入門』が便利です。

クラシックの聴き方・鑑賞力を上げる本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

クラシックの聴き方・鑑賞力を上げる本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『西洋音楽史を聴く』(前川誠郎/講談社学術文庫)は176ページで、バロック・古典派・ロマン派の本質を聴く側から語ります。『名曲・名盤でたどるクラシック音楽の歴史』の寸評や、『西洋音楽史講義』の具体的・分析的に聴くヒントも役立ちます。

音楽理論・楽典を独学するならどの本?

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽理論・楽典を独学するならどの本について教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

ここで紹介した本は歴史が中心で、楽典そのものの入門は含まれていません。『大人の音楽史入門』の著者コンビが楽典系の入門書も手がけているので、その流れから探すのが近道です。歴史と並行して学ぶと頭に入りやすくなります。

オペラ入門に役立つ歴史の本は?

橘ナナミ

橘ナナミ

オペラ入門に役立つ歴史の本はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

『つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史』(岸本宏子)はオペラ担当を置いて時代ごとに分担執筆しています。宗教曲や聖歌なら『グラウト/パリスカ 新 西洋音楽史〈上〉』の序盤が手厚く、オペラ以外の入口にもなります。

音楽学を独学するためのおすすめ本と順番は?

橘ナナミ

橘ナナミ

音楽学を独学するためのおすすめ本と順番はについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

通史で地図を作り、『西洋音楽史再入門』で楽譜・楽器・人・場の4視点を知り、『図表とともに学ぶ 西洋音楽史概説』や『西洋音楽史概説』で時代様式を固め、最後にグラウトで精読する。放送大学教材を軸にすると独学の進行管理がしやすいです。

まとめ

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、最初に戻ると、結局どれから読めばいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

目的が「流れをつかむ」なら、音源かQRコード付きの入門を一冊、目次だけ分厚い通史で確認する。順番は、音源付きで時代の音を覚える、通史で地図を描く、名盤ガイドで一曲ずつ深く掘る、楽典や理論で仕組みを知る、そして『西洋音楽史再入門』や『西洋音楽史講義』で見方を組み替える。全部を一度に揃える必要はないよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

一曲ずつ掘るのは楽しそう。名盤ガイド、気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

462曲を追う『名曲・名盤でたどるクラシック音楽の歴史』、1300を超える盤を扱う『クラシック音楽の歴史と名曲・名盤1300』は、辞書として長く使える。ただ、最初の一冊にすると溺れるから注意して。書店員時代、名盤ガイドだけ買って曲名のリストに圧倒される人を何人も見てきたからね。

橘ナナミ

橘ナナミ

では最初の一歩は、薄くて、音が鳴る本ですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。音楽史の本は、楽器の調弦に似ている。最初から全部の弦を合わせようとしなくていい。一本合わせれば、次の弦の音が自然に聴こえてくる。低い弦から、自分の速さで順に合わせていけば、いつか全部の音が重なって響くんだ。

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Editorial Team

編集に関わる専門家