ADHDの子育てに役立つ本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】

監修

佐藤メバル

佐藤メバル

@shelfy_mebaru

編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ

橘ナナミ

@medias_nanami

編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。

最終更新: 2026年10月

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、今回のお題は「ADHDの子育ての本」ですよね。私、子どもがいないので、正直どこから見ればいいのか分からなくて。書店に並んでいても、タイトルがどれも同じに見えてしまいます。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。その「同じに見える」は正しい感覚なんだ。でも中身は全然違う。たとえば本田秀夫先生の『ADHDの子の育て方のコツがわかる本』は、ADHDの子にはアイデアが豊富で思い立ったらすぐ動き出せるという強みがあると置いたうえで、「こまかいことをいちいち叱るのは、やめましょう」とまえがきで言い切る。片づけや勉強の場面別サポートまで書かれた、育て方のコツに寄った一冊なんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど! じゃあ榊原洋一先生の本はどう違うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

榊原先生の『ADHDがわかる本』は、幼児期・学童期・青年・成人期に分けて、それぞれのステージで現れやすい特性や困りごとを整理している。治療法は薬物療法・行動療法・環境変容法の3本柱としてきちんと解説している。つまり「家庭でどう接するか」より前に、「ADHDというものをどう理解して、どこに相談して、どう治療するか」の全体地図を渡してくれる本だね。

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ入門書でも、寄っている方向が違うんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。書店員時代、ADHDの子を持つお母さんに基礎の本を薦めたら「今ほしいのは家族のことが書いてある本だった」と言われてね。困りごとを聞かずに棚へ案内した自分の失敗だ。以来、まず「何に困っているか」を聞くようにしている。

橘ナナミ

橘ナナミ

その「何に困っているか」を軸に、選び方を教えてください!

ADHDの子育てに役立つ本の選び方

目的別に選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

目的って、大きく分けると何があるんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

4つかな。ADHDの基礎知識、家庭での具体的な関わり方、親自身のメンタルケア、そして進路・自立。基礎なら榊原先生の『ADHDがわかる本』や司馬理英子先生の『最新版 真っ先に読むADHDの本』。関わり方ならバークレー博士の『バークレー博士によるADHDの子育てアドバイス』で、ADHDの基礎的理解と12の原則を身につける構成になっている。メンタルケアなら、榊原先生の『よくわかるADHDの子どものペアレンティング』が親のADHDの理解と情動コントロールから説き起こしているのが珍しい。進路なら『親子で乗り越える思春期のADHD』や、かなしろにゃんこ。さんの『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』が、中学校の支援や進路選択まで描いているよ。

発達段階別に選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

未就学と小学生だと、読むべき本は変わりますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

変わる。未就学なら田中康雄先生の『家庭と保育園・幼稚園で知っておきたいADHD 注意欠如・多動症』が、「おうち編」「保育園・幼稚園編」で場面を分けて、就学に向けて家庭と園が困り感を共有する構成になっている。同じく田中先生の『ADHDのある子を理解して育てる本』は園・学校・専門機関の活用法まで視野が広い。小学生なら市川宏伸先生の『子どもと家族のためのADHDサポートブック』が幼児期から思春期以降まで幅広く対応しているね。

橘ナナミ

橘ナナミ

思春期はどうでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

ここは本がぐっと少なくなるゾーンなんだ。だからこそ『親子で乗り越える思春期のADHD』や、かなしろさんのコミックエッセイが貴重なんだよ。

形式別に選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

活字が苦手な人には、やっぱりマンガがいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

良い選択だと思う。本田秀夫先生の『最新 マンガでわかるADHDの子どもたち』はマンガと専門解説の組み合わせ。かなしろさんの『かなしろにゃんこ。のマンガ絵日記 ADHD息子の育て方』は実録の子育て日記で、よその家庭を覗く安心感がある。図解なら講談社の健康ライブラリーやナツメ社のシリーズが読みやすい。ただ、マンガは共感は得られても、診断や治療の全体像は解説書より薄くなりがちだ。だからマンガで気持ちを整えて、解説書で知識を補う、この二本立てが現実的だよ。

著者・監修者の専門性で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

「誰が書いているか」も見たほうがいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは見てほしい。精神科医・小児科医、臨床心理士・公認心理師、療育の支援者、そして当事者や親。バークレー博士の本はADHDの専門家として長い臨床経験が背景にある。シルヴァさんの『子どもが楽しく元気になるためのADHD支援ガイドブック』は発達小児科医とADHDコーチの共著だ。当事者視点なら、29歳でADHDと診断されたアリス・ゲンドロンさんの『ADHDかな?と思ったら読む本』がある。専門家の立場と当事者の立場、両方読むと解像度が上がるよ。

出版年・改訂状況で選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

古い本だと、内容が合わなくなっていることもありますよね。

佐藤メバル

佐藤メバル

ある。とくに診断の基準は改訂されてきたから、司馬先生のように「最新版」とうたい、最新の診断基準や治療薬の情報を載せている本は安心材料になる。榊原先生の『最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本』も、近年大きく展開した薬物療法をていねいに扱っている。買う前に版と出版年、「改訂」「最新」の表示を確認する癖をつけるといい。

読了ハードルで選ぶ

橘ナナミ

橘ナナミ

分厚い本を買って、積んじゃうのが一番怖いです……。

佐藤メバル

佐藤メバル

だよね。だからページ数は正直に見たほうがいい。100ページ前後の入門書は1冊目に向く。逆に、100以上の実践的なストラテジーを453ページに収めた『ADHD 実践ガイド』のような本は、辞書的に使う2冊目以降だね。1冊目は薄く、2冊目で厚く。この順番が、挫折しないコツだよ。

ADHDの子育てに役立つ本をひと目で比較

橘ナナミ

橘ナナミ

えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず

#画像名称おすすめ対象価格一言
1
ADHDの子の育て方のコツがわかる本 (健康ライブラリースペシャル)
ADHDの子の育て方のコツがわかる本 (健康ライブラリースペシャル)ADHDと診断されたばかり、あるいは疑い始めた未就学〜小学生の子を持つ保護者。まず「叱りすぎているかも」と感じている人に向きます。片付けや勉強など場面別のサポート例が欲しい、夫婦や祖父母と共通の土台をつくりたい、短い時間で全体像をつかみたい場面にも。¥1,650叱るより「気にしない」
2
バークレー博士によるADHDの子育てアドバイス
バークレー博士によるADHDの子育てアドバイス毎日のちょっとした衝突で感情的になってしまい、どっしり構える軸が欲しい保護者。診断直後で基礎から応用まで一冊で押さえたい人、療育や支援者と話す前提をつくりたい人、何冊も読む時間がないけれど長く手元に置きたい人に向きます。¥1,87012の原則でどっしり構える
3
読んで学べるADHDのペアレントトレーニング――むずかしい子にやさしい子育て
読んで学べるADHDのペアレントトレーニング――むずかしい子にやさしい子育て叱る回数が増え、親子のやりとりが噛み合わなくなってきた家庭。順番に練習していきたい人、支援機関からペアレントトレーニングをすすめられた人、診断名がつく前でも子どもの問題行動に手を焼いている人に向きます。¥1,980段階式ペアトレの定番
4
ADHDの子どもの育て方大全:特徴・接し方・療育・学校対応までわかる実践ガイド: 今日からできる家庭療育と関わり方の工夫集 正解のない育児シリーズ (子どもの発達支援シリーズ)
ADHDの子どもの育て方大全:特徴・接し方・療育・学校対応までわかる実践ガイド: 今日からできる家庭療育と関わり方の工夫集 正解のない育児シリーズ (子どもの発達支援シリーズ)診断を受けた、または疑いがある子どもの保護者。療育や学校対応まで見通しを立てたい人、叱る回数を減らしたい人、将来・進学・自立が心配で全体像を早くつかみたい人、支援機関と話す材料を集めたい人に向きます。-一冊で全体像の実践ガイド
5
最新版 真っ先に読むADHDの本
最新版 真っ先に読むADHDの本園や学校での友達関係が気になり始めた幼児〜小学生の保護者。まだ診断は受けていないが様子が気になる段階で、短時間で判断材料と当面の手立てが欲しい人、家族で内容を共有したい人に向きます。-最初の一冊に迷ったら

ADHDの子育てに役立つ本のおすすめ人気ランキング

橘ナナミ

橘ナナミ

一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!

佐藤メバル

佐藤メバル

よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

ADHDの子の育て方のコツがわかる本 (健康ライブラリースペシャル)
1

ADHDの子の育て方のコツがわかる本 (健康ライブラリースペシャル)

本田秀夫 著|講談社

¥1,650(税込)

4.8

ADHDの子にはアイデアが豊富で、思い立ったらすぐ動ける。性格的に明るい子が多く「にくめないお調子者」といった魅力がある——本田秀夫先生はまえがきでそう書きます。一方、勢いよく動く分うっかりミスが多く、叱られ続けると本来の積極性を失い、緊張でミスがむしろ増えるという悪循環も指摘します。だからこそこまかいことを気にしないことが重要で、叱るのをやめ、親がミスを補って成功体験を積むほうが建設的だと説きます。「OKレベル」を下げる、課題は一度にひとつ、内申点や学歴より本人の選択——イラスト図解と巻頭マンガ、巻末の薬物療法の解説まで102ページに収めています。

こんな人におすすめ

ADHDと診断されたばかり、あるいは疑い始めた未就学〜小学生の子を持つ保護者。まず「叱りすぎているかも」と感じている人に向きます。片付けや勉強など場面別のサポート例が欲しい、夫婦や祖父母と共通の土台をつくりたい、短い時間で全体像をつかみたい場面にも。

良い点

  • イラスト図解で要点が一目でわかる
  • 叱らない関わりの具体策が豊富
  • 巻頭マンガで全体像をつかめる

気になる点

  • 102ページで情報は絞りめ
  • 診断や医療の詳細は浅め
  • 思春期以降の記述は少ない

出版社

講談社

発売日

2017年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、ADHDの子って明るくて活発、というイメージで語られることが多い気がします。でも実際は叱られてばかりで、だんだん元気をなくしていくという話も聞きます。そこでは何が起きているんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いい質問だね。本田秀夫先生はまえがきで、ADHDの子にはアイデアが豊富で思い立ったらすぐ動ける、明るい子が多くて「にくめないお調子者」といった魅力があると書いている。

でも勢いよく動く分うっかりミスが多く、「落ち着きがない」と言われ続けると本来の積極性や明るさを失い、緊張でミスがむしろ増えてしまう。

だから周りがこまかいことを気にしないことがきわめて重要だと。

橘ナナミ

橘ナナミ

叱るのをやめる、と言われても、毎日同じことを繰り返されると難しいですよね。じゃあ代わりに何をするんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが実践の部分だね。親がミスを補って成功体験を積み重ねるほうがよっぽど建設的だと。具体的には、高いパフォーマンスを求めず「OKレベル」を下げる、課題は一度にひとつだけ、言っても動かないときは子どものハートをくすぐるかけひきを使う、内申点や学歴より本人の選択を重視する、苦手なことを「致命的だ」と思わせない、などが挙げられている。

片付けや勉強の場面別サポートも載っているよ。

バークレー博士によるADHDの子育てアドバイス
2

バークレー博士によるADHDの子育てアドバイス

ラッセル・A・バークレー 著|星和書店

¥1,870(税込)

4.7

ADHDの子との日々に応用できるアドバイスを、基礎理解と「12の原則」にまとめた一冊です。星和書店から384ページ、腰を据えて読むタイプの本で、困難な事態に陥っても落ち着きを取り戻し、効果的に対処する自信が芽生えると説きます。著者のバークレー博士はADHDの専門家として50年近い臨床経験を持ち、その思いやりに満ちたメッセージが、適応力のある幸せな子どもを育てたいと願う読者の背中を押します。原則を先に身につけるからこそ、個々の場面で応用がきく。それがHow-to集との大きな違いです。

こんな人におすすめ

毎日のちょっとした衝突で感情的になってしまい、どっしり構える軸が欲しい保護者。診断直後で基礎から応用まで一冊で押さえたい人、療育や支援者と話す前提をつくりたい人、何冊も読む時間がないけれど長く手元に置きたい人に向きます。

良い点

  • 対処の土台になる12の原則
  • 臨床50年の厚みある内容
  • 長く参照できる座右の書

気になる点

  • 384ページで気軽さはない
  • 日本の制度の話は少なめ
  • 図解中心を求める人には重い

出版社

星和書店

発売日

2022年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

バークレー博士、名前だけは聞いたことがあります。この「12の原則」って、要するにテクニック集なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが面白いところでね。テクニックの前に、まずADHDの基礎理解と原則を身につける。すると個別の場面でどう動けばいいかを自分で組み立てられるようになる。

この本は384ページある厚い本だけど、その場しのぎの対処法を並べた本ではないんだ。困難な事態で落ち着きを取り戻せるのは原則があるからだ、という立場だね。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。逆に言うと、すぐ効く裏ワザを探している人には向かない、ということですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。索引から拾い読みしてもいいけれど、最初に一度は通して読んでほしい。バークレー博士は50年近い臨床経験のある専門家で、文章には思いやりがある。

子育てに疲れたとき、書き手が味方でいてくれるだけでも支えになるよ。星和書店から出ている、いわば座右の書だね。

読んで学べるADHDのペアレントトレーニング――むずかしい子にやさしい子育て
3

読んで学べるADHDのペアレントトレーニング――むずかしい子にやさしい子育て

シンシア・ウィッタム 著|明石書店

¥1,980(税込)

4.6

UCLA精神神経医学研究所の研究と臨床実践から生まれたペアレントトレーニングの技法を、わかりやすく解説した一冊です。対象はADHDの子を持つ親だけでなく、子どもの問題行動に悩むすべての親。子どもとの向き合い方を段階的に教えてくれるのが特徴で、いきなり全部を変えるのではなく、順を追って関わり方を組み替えていきます。272ページ、明石書店という臨床に根ざした版元から出ていることからも、現場で使われてきた技法の手引きだとわかります。

こんな人におすすめ

叱る回数が増え、親子のやりとりが噛み合わなくなってきた家庭。順番に練習していきたい人、支援機関からペアレントトレーニングをすすめられた人、診断名がつく前でも子どもの問題行動に手を焼いている人に向きます。

良い点

  • 段階を追って学べる構成
  • UCLA発の技法がベース
  • ADHD以外の悩みにも応用可

気になる点

  • 実践には親の時間と根気が必要
  • 日本の制度説明は別途必要
  • イラスト主体の本ではない

出版社

明石書店

発売日

2002年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

ペアレントトレーニングってよく聞くんですが、教室に通って習うものなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

本来は指導者のもとで学ぶものだけど、この本は読んで学べる形にまとめたものなんだ。UCLA精神神経医学研究所の研究と臨床実践から生まれた技法で、ADHDの子を持つ親だけでなく、子どもの問題行動に悩むすべての親に向けている。

ポイントは段階を踏むこと。一度に全部やろうとすると挫折するから、順番に進めていくんだね。

橘ナナミ

橘ナナミ

段階的、というのは具体的にはどういう順番なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

まず子どもの行動をよく見て肯定的な関わりを増やし、それから指示の出し方を整える、という順番。叱る技術ではなく、うまくいっている場面を増やしていく技術だと思えばいい。

272ページ、明石書店からの本は図解たっぷりというより文章でじっくり説明するタイプだから、通読して手元に置く使い方が合っているよ。

ADHDの子どもの育て方大全:特徴・接し方・療育・学校対応までわかる実践ガイド: 今日からできる家庭療育と関わり方の工夫集 正解のない育児シリーズ (子どもの発達支援シリーズ)
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ADHDの子どもの育て方大全:特徴・接し方・療育・学校対応までわかる実践ガイド: 今日からできる家庭療育と関わり方の工夫集 正解のない育児シリーズ (子どもの発達支援シリーズ)

ウッド 著

4.4

特徴の理解から家庭・学校・療育・将来までを一冊で整理した実践ガイドです。忘れ物、落ち着きのなさ、宿題が進まない——そうした日々の悩みに、朝の支度や忘れ物の対処、叱らない関わり方と効果的な声かけ、合理的配慮の求め方、児童発達支援や放課後等デイサービスといった療育の活用法、家庭でできる「見える化」まで具体策を並べます。貫かれているのは子どもを変えるのではなく、環境と関わり方を変えるという考え方。「もう怒りたくない」「この子でいいんだ」と思えることを目指すと明言しているのが、他の入門書との違いです。

こんな人におすすめ

診断を受けた、または疑いがある子どもの保護者。療育や学校対応まで見通しを立てたい人、叱る回数を減らしたい人、将来・進学・自立が心配で全体像を早くつかみたい人、支援機関と話す材料を集めたい人に向きます。

良い点

  • 家庭から療育・学校まで網羅
  • 今日から使える具体策が中心
  • 将来への見通しまで触れる

気になる点

  • 網羅的ゆえ一冊は厚め
  • 著者や出版社の情報は少ない
  • 医療の詳細は専門書が別に必要

出版社

詳細情報なし

発売日

2026年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「大全」ってつく本、最近よく見かけます。ああいうのって、本当に一冊で足りるんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

足りるかどうかは別として、最初に地図を一枚もらう意味は大きいよ。この本は特徴の理解から家庭、学校、療育、将来までを一冊で並べている。

朝の支度や宿題、忘れ物といった毎日の困りごとへの対処、叱らない関わり方、合理的配慮の求め方、児童発達支援や放課後等デイサービスの使い方まで載っている。

橘ナナミ

橘ナナミ

療育の話まで入っているんですね。そこはちょっと意外でした。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。しかもこの本が繰り返すのは、子どもを変えるのではなく環境と関わり方を変えるということ。正しい育て方を探すほど苦しくなる、と冒頭で言い切っている。

全体像を早めにつかんでから、必要な章を深掘りする読み方がいいね。

最新版 真っ先に読むADHDの本
5

最新版 真っ先に読むADHDの本

司馬理英子 著|主婦の友社

4.3

わが子のしぐさや行動が気になり、ADHDではないかと心配になったときに最初に読む本として作られています。80ページと薄く、まず行いたいチェックポイント、巻頭コミック、「育てにくい子」と感じたらADHDが隠れているかもしれないという視点、そして潜在能力を引き上げ、問題行動をストップさせるために家庭でできること——と、最初の一歩に絞ってあります。幼稚園や小学校で仲間はずれにされたり、いじめに合わないように家庭ですぐできること、という観点が他の入門書とは違う焦点です。

こんな人におすすめ

園や学校での友達関係が気になり始めた幼児〜小学生の保護者。まだ診断は受けていないが様子が気になる段階で、短時間で判断材料と当面の手立てが欲しい人、家族で内容を共有したい人に向きます。

良い点

  • 80ページでさっと読める
  • 巻頭コミックで入りやすい
  • いじめ予防の視点がある

気になる点

  • 内容は入門レベルに限定
  • 医療的な詳細は少ない
  • 成長後の対応は別途必要

出版社

主婦の友社

発売日

2020年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、80ページって、けっこう薄いですよね。それで足りるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

足りるというより、最初の一冊として絞ってあるんだね。この本の狙いははっきりしていて、しぐさや行動が気になり出したときに、チェックポイントで見当をつけ、家庭で何ができるかを先に渡す。

巻頭がコミックなのも、疲れている親が開きやすいようにだろうね。

橘ナナミ

橘ナナミ

仲間はずれやいじめ、という言葉が紹介文に出てくるのが気になりました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の特徴。幼稚園や小学校で仲間はずれにされたり、いじめに合わないように、家庭ですぐできること、という観点が前に出ている。

ADHDの知識を増やすための本というより、明日からのわが子を守るための本だね。

ADHDがわかる本 正しく理解するための入門書 (健康ライブラリーイラスト版)
6

ADHDがわかる本 正しく理解するための入門書 (健康ライブラリーイラスト版)

榊原洋一 著|講談社

¥1,650(税込)

4.1

困った行動はなぜ起きるのか、だれに相談するのか、治療すればよくなるのか、この先どうなるのか——そうした不安と疑問に答える形で基礎から解説する入門書です。幼児期・学童期・青年/成人期に分けて現れやすい特性を整理し、治療の3本柱である薬物療法・行動療法・環境変容法をていねいに説明します。脳機能の偏りが原因で、しつけとは関係ないこと、成長とともに多動性や衝動性は軽快しやすいが不注意は残りやすいことなど、誤解を解くポイントも明快。叱るのは逆効果でほめることに重点を置く方針が全編を貫きます。

こんな人におすすめ

ADHDの疑いがある、または診断を受けた子の保護者。相談先や治療の全体像を先に知りたい人、学校での支援から成人期の就労支援まで見通したい人、叱り方そのものを変えたいと思っている人に向きます。

良い点

  • 3つの治療法を整理して解説
  • 年代別に困りごとを提示
  • 相談先の章が実務的

気になる点

  • イラスト版だが情報量は多め
  • 家庭の具体的な工夫は他書が詳しい
  • 事例の会話は少なめ

出版社

講談社

発売日

2024年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

治療の3本柱ってよく聞きます。薬と、行動療法と……あと一つは何でしたっけ?

佐藤メバル

佐藤メバル

環境変容法だね。この本は三つを並べて、薬だけでも、しつけのがんばりだけでもないという全体像を見せる。

加えて、ADHDは生まれつきの特性で脳機能の偏りが原因、しつけとは関係ないと最初に言い切っている。ここを押さえないと、親が自分を責めてしまうからね。

橘ナナミ

橘ナナミ

成長すれば軽くなる、というのも聞いたことがあります。

佐藤メバル

佐藤メバル

正確には、成長とともに多動性や衝動性は軽快することが多いけれど、不注意の特性は残りやすい。だから青年・成人期の章まで置いている。

叱るのは逆効果でほめることに重点を置く、という方針が通底しているよ。

よくわかる ADHDの子どものペアレンティング 落ち着きのない子を自信をもって育てるために
7

よくわかる ADHDの子どものペアレンティング 落ち着きのない子を自信をもって育てるために

榊原洋一 著|ナツメ社

¥1,760(税込)

4.1

「ペアレンティング」=子育てという言葉を軸に、ADHDの子への関わりを三つのアプローチで整理した本です。親自身のADHD理解と情動コントロール、子どもへの対応(指示の出し方・ほめ方など)、環境の変容と整備。この三つをケース別に図解でていねいに解説します。巻頭カラーの口絵で考え方を俯瞰し、後半では各ケースの対処法を「ほめ方」「注意のしかた」「かんしゃくの回避」といった技術別に整理してあるので、困った場面から逆引きできます。128ページ、通読より辞書的に使える構成です。

こんな人におすすめ

専門機関のペアレントトレーニングに通う時間が取りにくい人。家庭でわが子に合った対応を組み立てたい人、指示の出し方やほめ方を技術として学びたい人、かんしゃくなど特定の場面に困っている人に向きます。

良い点

  • ケース別+技術別の二段構え
  • カラー口絵で全体像がつかめる
  • 親の感情コントロールに言及

気になる点

  • 理論の深掘りは控えめ
  • 128ページで網羅性は限られる
  • 支援制度の話は少なめ

出版社

ナツメ社

発売日

2024年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

佐藤さん、榊原先生の本が何冊もあって選べません……。

佐藤メバル

佐藤メバル

この本の立ち位置ははっきりしているよ。ペアレントトレーニングは指導者のもとで学ぶものだけど、必ずしも指導者が必要なわけではない、家庭でできる、というのが出発点なんだ。

三つのアプローチ——親の理解と情動コントロール、子どもへの対応、環境の変容と整備——をケース別に図解している。

橘ナナミ

橘ナナミ

ケース別、というのは読みやすそうですね。うちの子に近い場面を探せばいいんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。しかも後半では、ほめ方、注意のしかた、かんしゃくの回避といった技術別に整理されているから逆引きができる。

巻頭のカラー口絵で全体像をつかんで、あとは必要なところを開く。そういう使い方がいちばん合っている本だね。

子どものADHD早く気づいて親子がラクになる本 (親子で理解する特性シリーズ)
8

子どものADHD早く気づいて親子がラクになる本 (親子で理解する特性シリーズ)

宮尾益知 著|河出書房新社

¥1,366(税込)

3.9

家庭でできること、学童前にできること、園や学校で取り組めること——普段の生活で湧く「どうしたらいいの?」に答える形でまとめた一冊です。112ページとコンパクトながら、気づく時期を早めることが親子双方をラクにすると前面に出しているのが特徴。河出書房新社の「親子で理解する特性シリーズ」の一冊で、家庭と園・学校の両方の場面を視野に入れ、診断の前後で何をすればいいかを具体的に示してくれます。

こんな人におすすめ

園や学校で「落ち着きがない」と言われ始めた段階の保護者。診断の前後で何をすればいいか知りたい人、家庭と園で同じ方針を持ちたい人、買い物や外出など生活場面の対応に困っている人に向きます。

良い点

  • 家庭と園・学校の両方をカバー
  • 112ページで読み切りやすい
  • 早期の気づきに焦点を当てる

気になる点

  • 内容はコンパクトに絞られる
  • 医療の詳しい説明はない
  • 思春期以降は別の本が必要

出版社

河出書房新社

発売日

2016年3月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

早く気づく、ってよく言われますけど、早く気づくと何が変わるんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

この本のタイトルにもなっている通り、気づきが早いほど親子がラクになるというのが答えだね。気づかないまま叱られ続けると、子どもは自信をなくし、親も自分を責める。

園や学校で取り組めること、家庭でできること、学童前にできることを場面ごとに並べて、手遅れという感覚を減らそうとしている。

橘ナナミ

橘ナナミ

家庭でできること、学童前にできること、園や学校でできること……と分かれているのは助かりますね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、普段の生活の「どうしたらいいの?」に答える形になっている。112ページだから、最初に読み通してから、必要になった章に戻る使い方がいいよ。

ADHDのある子を理解して育てる本 (学研のヒューマンケアブックス)
9

ADHDのある子を理解して育てる本 (学研のヒューマンケアブックス)

田中康雄 著|学研プラス

3.9

ADHDの基礎知識と基本的なかかわり方、ケース別の対応、園・学校・専門機関の活用法までを、イラストと図でやさしく解説した一冊です。著者は発達障害の診療に長く携わってきた田中康雄先生。保護者だけでなく支援者向けと明記されているのがポイントで、家庭と支援の現場が同じ地図を持つことを狙っています。適切に関わり育てていくための情報をたっぷり紹介する、という紹介文どおりの網羅型で、面談の場で同じ言葉を使うための共通言語になります。

こんな人におすすめ

支援者と連携しながら育てていきたい保護者。園や学校の先生と同じ本を読みたい人、ケース別の対応をまとめて知りたい人、療育や専門機関の使い方を調べている人、支援職として関わっている人に向きます。

良い点

  • 家庭と支援者の共通言語になる
  • ケース別対応が豊富
  • 園・学校・専門機関の活用法まで

気になる点

  • ざっと読むには情報量が多い
  • 診断や薬の細部は専門書が必要
  • 索引頼みの使い方になりがち

出版社

学研プラス

発売日

2016年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

田中康雄先生の本は何冊かありますよね。これは「保護者・支援者向け」と書いてあるのが気になりました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の性格だね。ADHDの基礎知識と基本的なかかわり方、ケース別の対応、園・学校・専門機関の活用法を、イラストと図でやさしく解説する。

保護者だけに閉じないで、支援する側と共通の土台をつくることを狙っている。

橘ナナミ

橘ナナミ

先生と同じ本を親も読む、というのは連携の第一歩になりそうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。面談のときに同じ言葉を使えるのは大きいよ。網羅型だから最初から最後まで一気に読む必要はない。ケース別の章を見出し代わりに使うのが現実的だね。

子どもと家族のためのADHDサポートブック
10

子どもと家族のためのADHDサポートブック

市川宏伸 著|成美堂出版

¥1,540(税込)

3.9

ADHDの子やその疑いのある子を理解し支援するための一冊で、適切な対応、生活環境の工夫、周囲への理解の求め方を、たくさんのイラストと図解で詳しく解説します。160ページで幼児期から思春期以降までの幅広い年代に対応しているのが特徴。子どもの可能性を伸ばすヒントが満載、という言葉どおり、困りごとの解決だけでなく、その子の伸びしろに目を向ける構成です。周囲への理解の求め方を独立して扱っている点は、他の入門書ではあまり前面に出ない部分です。

こんな人におすすめ

祖父母や園の先生、習い事の講師など、わが子をとりまく周囲に説明する必要がある人。家庭の外に理解を広げたい保護者、幼児期から思春期まで長く使いたい人、生活環境の整え方を知りたい人に向きます。

良い点

  • 幼児期〜思春期以降まで対応
  • 周囲への理解の求め方を解説
  • イラスト図解で説明しやすい

気になる点

  • 年代が広いぶん各論は浅め
  • 医療の詳細は触れが薄い
  • 160ページで網羅的とは言い難い

出版社

成美堂出版

発売日

2022年6月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「子どもと家族のための」というタイトルが気になります。子ども本人だけの本とは違うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが大事なところでね。この本は家族ぐるみ、周囲ぐるみで支えるという視点で書かれている。適切な対応や生活環境の工夫に加えて、周囲への理解の求め方まで章として立てているんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

祖父母にどう説明しようか悩んでいたので、そこは助かります。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん、実際いちばん説明が要るのは身内だったりするからね。幼児期から思春期以降まで幅広い年代に対応しているから長く手元に置ける。

イラストと図解がたくさんあるので、口で説明するより見せたほうが早い場面でも使えるよ。

ADHD 実践ガイド: 子どもの毎日の生活を支えるためのシンプルな方法 日々のルーティン、学習、注意力、行動、そして成長をサポートするために
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ADHD 実践ガイド: 子どもの毎日の生活を支えるためのシンプルな方法 日々のルーティン、学習、注意力、行動、そして成長をサポートするために

UilmaalvesdosSantos 著

3.7

ADHDの子ども・思春期の子を育てる保護者のための実践型ガイドです。理解を深めるだけでなく、家庭で実際に使える方法に重点を置き、日常生活・学習・行動・感情・人間関係・成長に合わせたコミュニケーションまで、100以上のストラテジーを収録。453ページという分量で、依存や問題行動の予防、アルコールや薬物のリスク、性感染症の予防、思春期の身体や恋愛についてどう子どもと話すかといった、ふつうの育児書が避けがちなテーマにまで踏み込んでいるのが際立った特徴です。

こんな人におすすめ

思春期に入った、あるいはこれから迎える子の保護者。性や依存など難しい話題をどう伝えるか困っている人、家庭で使える具体策を数多く欲しい人、長期の見通しを持ちたい人に向きます。

良い点

  • 100以上の具体策を収録
  • 思春期の難しい話題まで扱う
  • 成長段階ごとに整理されている

気になる点

  • 453ページで通読は大変
  • 日本の療育制度の説明はない
  • 著者情報が乏しく判断材料が少ない

出版社

詳細情報なし

発売日

2026年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

453ページって、かなりの厚さですよね。読み切れる気がしません……。

佐藤メバル

佐藤メバル

全部を最初から読む本ではないと思う。この本は必要なときに必要な項目を引く使い方を想定しているよ。

100以上の実践的なストラテジーが並んでいるから、今日困っているところから拾える。

橘ナナミ

橘ナナミ

思春期の性や依存の話まで入っているのが意外でした。子育て本でそこまで書くのは珍しくないですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

珍しいね。アルコールや薬物のリスク、性感染症の予防、身体の変化や恋愛——年齢や発達段階に合わせてどう対話するかまで踏み込んでいる。

責めたり怖がらせたりせずに話すためのヒントという整理のしかたも、この本らしいところだよ。

薬を飲ませる前にできるADHDの子どもを救う50の方法
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薬を飲ませる前にできるADHDの子どもを救う50の方法

トーマスアームストロング 著|柏書房

¥2,750(税込)

3.7

書名が示す通り、薬を使う前に家庭でできる方法を50挙げた一冊です。著者はトーマス・アームストロング、柏書房から289ページで出ています。ADHDの子育てでは薬物療法が選択肢に上がる場面がありますが、この本はその前に家庭で試せる手立てを並べるという立ち位置。治療の判断を迫られる前に、環境や関わり方を見直す材料を増やしたい人に向きます。50という区切りの数が、どこから手をつけるかを決めやすくしてくれます。

こんな人におすすめ

薬物療法をすすめられ、すぐに決められずに迷っている保護者。家庭でできることを先に試したい人、ADHDの子育てを見直す観点を増やしたい人、支援者と相談する材料を集めたい人に向きます。

良い点

  • 薬の前に試せる選択肢を提示
  • 50項目で整理されている
  • 家庭視点の見直しに使える

気になる点

  • 家庭でできる方法が中心の構成
  • 289ページで通読は覚悟が要る
  • 医学的判断は主治医が前提

出版社

柏書房

発売日

2011年12月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

タイトルに「薬を飲ませる前に」とありますけど……これって薬を否定している本なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこは誤解しないほうがいい。薬を使うなと言う本ではなく、薬の前に家庭でできることを並べた本だね。

書名が示す通りの位置づけで、50の方法という単位で整理されている。著者はトーマス・アームストロング、柏書房から出ている289ページの本だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。じゃあ、いきなり薬を、と言われて戸惑っている人にはいいのかもしれません。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだね。ただし医療の判断は主治医と相談するのが前提。この本は選択肢を増やすための材料として読むのが健全だと思う。

家庭で試して効果があったことを共有できれば、診察室での会話も具体的になるからね。

親子で乗り越える思春期のADHD (親子で理解する特性シリーズ)
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親子で乗り越える思春期のADHD (親子で理解する特性シリーズ)

. 著|河出書房新社

¥1,540(税込)

3.7

コミュニケーションを取ることが難しい発達障害の子ども、とくに早期発見と早期対応が必要なADHDに絞って解説した一冊です。河出書房新社の「親子で理解する特性シリーズ」に連なる112ページ。思春期は親の指示が通りにくくなり、本人も自分の特性と向き合い始める時期です。この本は親子のどちらか一方ではなく、両方の側からこの時期を捉えようとするところが特徴で、反抗や無口さを本人の問題として片づけずに済む視点をくれます。

こんな人におすすめ

小学校高学年から中学生の子を持つ保護者。反抗期とADHDの特性が重なって手が出せなくなった人、本人にどう伝えるか迷っている人、二次的な心の問題を心配している人、家族で読み合いたい人に向きます。

良い点

  • 思春期に絞った構成
  • 親子双方の視点を持つ
  • 112ページで要点が掴める

気になる点

  • 幼児期の対応は他書が必要
  • 医療の詳細は控えめ
  • 思春期前の話は範囲外

出版社

河出書房新社

発売日

2016年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

思春期のADHD、と聞くと身構えてしまいます。何がそんなに大変なんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

この本が絞っているのは、まさにそこ。思春期は早期発見と早期対応が必要な時期で、それでいてコミュニケーションを取るのがいちばん難しい。

親の言うことを聞かなくなるし、本人も自分の特性に気づき始めて悩む。

橘ナナミ

橘ナナミ

「親子で乗り越える」というタイトルがいいですね。子をどうにかする、ではないんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが肝心。親子の両方の側からこの時期を捉えようとしている。112ページと薄いから、思春期に入る前に一度読んでおいて、必要になったら戻るという使い方もできるよ。

うちの子はADHD 反抗期で超たいへん! (こころライブラリー)
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うちの子はADHD 反抗期で超たいへん! (こころライブラリー)

かなしろにゃんこ。 著|講談社

¥1,540(税込)

3.7

漫画家ママが、ADHDの息子・リュウ太くんの思春期を描いたコミックエッセイです。不注意、落ち着きのなさ、衝動を止められない——典型的なADHDの子が反抗期を迎え、中学校での支援の求め方、ADHDのことを本人や周囲にどうわかってもらうか、クラスメートとの関係、反抗と親子ゲンカの悪循環、成績と進路、そして家のお金に手をつけてしまった出来事まで、問題だらけの日々が生々しく描かれます。それでも「かわいい我が子」にどう向き合ってきたかが軸。140ページ、一気読み必至の体験コミックです。

こんな人におすすめ

思春期の子の反抗に心が折れかけている保護者。同じ状況の家庭の実例に触れたい人、マンガで気持ちを立て直したい人、中学校以降の支援や進路の実際を知りたい人、家族で共有したい人に向きます。

良い点

  • 実体験ベースで共感が強い
  • 中学以降の具体的な困りごと
  • 家族の空気感まで描かれる

気になる点

  • 対応法は物語に埋め込まれている
  • 医療情報は詳しくない
  • 著者家族の一事例である

出版社

講談社

発売日

2017年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

マンガのADHD本って、読みやすいけど軽く見られがちじゃないですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

この本は軽くないよ。ADHDの息子が思春期に入って、中学校でどう支援してもらうか、クラスメートとの関係をどうするか、成績がピンチで進路をどうするか——さらには家のお金に手をつけてしまった出来事まで描かれる。

同じ立場の人がここまで書いてくれているという安心感は、専門書では代えられない。

橘ナナミ

橘ナナミ

家のお金に手をつけて……というのは、聞いていて心が痛いです。

佐藤メバル

佐藤メバル

そういう場面を隠さず描いているからこそ、読者は「うちだけじゃない」と思える。反抗と親子ゲンカの悪循環にどう向き合ってきたかが軸で、140ページを一気に読める。

思春期前までを描いた既刊のマンガと並べて読むのもいいね。

ADHDをもつ子の学校生活: こうすればうまくいく
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ADHDをもつ子の学校生活: こうすればうまくいく

リンダJ.フィフナー 著|中央法規出版

¥2,440(税込)

3.7

書名が示す通り、ADHDをもつ子の学校生活に焦点を当て、こうすればうまくいくという形でまとめた一冊です。著者はリンダ・J・フィフナー、中央法規出版から189ページで出ています。家庭での関わりや医療を主題にした本が多いなか、学校という場面に絞っているのが大きな違い。就学後の生活を具体的に思い描きながら、学校とどう連携していくかを考えるための土台になります。入学前の準備にも、入学後の見直しにも使える一冊です。

こんな人におすすめ

小学校に上がる、あるいは上がったばかりの子を持つ保護者。学校との連携を具体的に考えたい人、家庭での対応は把握してきたので次の段階に進みたい人、面談の準備をしたい人に向きます。

良い点

  • 学校生活にテーマを絞った構成
  • 189ページで見通しが立てやすい
  • 学校との連携を考える土台になる

気になる点

  • 家庭の対応は他書で補う必要
  • 内容の細部は手に取って確認したい
  • 医療の話は主題ではない

出版社

中央法規出版

発売日

2000年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

学校生活に絞った本って、意外と少ない気がします。家庭の話はどの本にも載っていますけど。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこがこの本の立ち位置だね。学校という場面だけを見ているから、就学後に何が起きるかを具体的に思い描ける。

中央法規出版から189ページで、著者はリンダ・J・フィフナーだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

入学前と入学後、どちらで読むのがいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

できれば入学前がいい。見通しを持って準備できるからね。ただ、家庭での関わりや医療の情報はこの本の主題ではないから、別の入門書と組み合わせる前提で読むのがいいよ。

家庭と保育園・幼稚園で知っておきたいADHD 注意欠如・多動症 (発達障害お悩み解決ブック 2)
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家庭と保育園・幼稚園で知っておきたいADHD 注意欠如・多動症 (発達障害お悩み解決ブック 2)

田中康雄 著|ミネルヴァ書房

¥2,750(税込)

3.5

就学前の発達障害児を育てる保護者と、その子が通う保育園・幼稚園の先生が、それぞれの困り事を持ち寄り、就学に向けて困り感を共有して解決していくための一冊です。第1章はおうち編、第2章は園編として、気になるものがあると走り出す、片づけが苦手、順番が待てない、すぐにものをなくす——といった具体的な場面を、つばささん、ゆかりさんら複数の子どものケースで並べます。第3章では家庭でできること、園でできることを5つのヒントに整理。96ページに就学準備の視点が凝縮されています。

こんな人におすすめ

3〜5歳の子の保護者と、その子を預かる園の先生。入園や就学の前に双方で困りごとを擦り合わせたい人、家庭と園で同じ方針を持ちたい人、就学先への伝え方を準備したい人に向きます。

良い点

  • 家庭編と園編の二部構成
  • 複数の子どものケースで具体的
  • 就学準備に焦点を当てる

気になる点

  • 96ページで各ケースは短め
  • 医療の詳しい説明はない
  • 小学生以降は範囲外

出版社

ミネルヴァ書房

発売日

2020年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

保育園や幼稚園の先生と、親はどこまで情報を共有するものなんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そこを正面から扱っているのがこの本。就学前の子を育てる保護者と、その子が通う園の先生が、それぞれの困りごとを持ち寄って共有することを目的にしている。

第1章がおうち編、第2章が園編で、同じ種類の困りごとが両側から並ぶのが面白いところだね。

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ子の話を家庭と園の両方から見る、ということですか。96ページで入っていますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

入っているよ。つばささん、ゆかりさん、だいちさん……と複数の子どもが登場して、走り出す、片づけられない、順番が待てない、忘れ物をする、といった場面が具体的に描かれる。

第3章は家庭でできること、園でできることを5つのヒントに整理している。就学の前に読むのがおすすめだね。

こうすればうまくいく! ADHDのある子どもの保育 ―イラストですぐにわかる対応法
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こうすればうまくいく! ADHDのある子どもの保育 ―イラストですぐにわかる対応法

水野智美 著|中央法規出版

3.5

「突発的に走り出す」「人の話を聞いていない」といった行動を、ADHDの〈衝動型〉〈不注意型〉という特徴から解説し、保育現場で遭遇する困った場面での適切な対応法を、クイズとイラストでわかりやすく示した一冊です。水野智美著、中央法規出版。保護者や周りの子どもへの対応方法も収載されているのが特徴で、目の前の一場面を切り取って考える形式なので、研修や振り返りにも向いています。イラストですぐにわかる、という副題どおりの設計です。

こんな人におすすめ

保育士・幼稚園教諭など、集団の場でADHDの子を支える人。現場でとっさにどう動くか知りたい人、園内研修の教材を探している人、保護者と共通の対応方針をつくりたい人に向きます。

良い点

  • クイズ形式で考えながら学べる
  • イラストで場面がつかみやすい
  • 周りの子への対応も扱う

気になる点

  • 体系的な理論の解説は少なめ
  • 家庭向けの内容ではない
  • 電子版は固定レイアウト型

出版社

中央法規出版

発売日

2017年5月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

保育の現場って、一人で何人も見ているじゃないですか。クイズ形式って、実際に役に立つんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

むしろ現場向きだと思う。その場面を切り取って、どう動くかを先に考える形式だから、研修で使えるし振り返りにもなる。

衝動型と不注意型という特徴の違いから入って、突発的に走り出す、話を聞いていない、といった場面の対応を示す。

水野智美さんの本で、イラストですぐにわかる、というのが副題だね。

橘ナナミ

橘ナナミ

保護者や周りの子どもへの対応も載っているんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこが実践的でいい。対応は本人だけの問題じゃないからね。園全体で同じ方針にしたいときの共通資料としても使いやすいよ。

最新 マンガでわかるADHDの子どもたち
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最新 マンガでわかるADHDの子どもたち

本田秀夫 著|バトン社/フォレスト出版

¥1,760(税込)

3.5

マンガと専門解説を組み合わせて、ADHDの子どもたちの姿を描いた一冊です。著者は本田秀夫先生で、臨床経験30年以上の解説がつくため、「あるある」と感じる場面の一つひとつに、なぜそう見えるのか、どう捉えればいいのかという説明が添えられます。176ページ、バトン社/フォレスト出版。活字の入門書を開く気力がない日でも、共感と納得を行き来しながら読み進められるのが強みで、家族で回し読みするのにも向いています。

こんな人におすすめ

ADHDの子の行動に振り回され、知識より先に気持ちを整えたい保護者。家族で同じ本を読みたい人、活字の専門書に手が出ない人、本田先生の視点をわかりやすく知りたい人、子ども本人と眺めたい人に向きます。

良い点

  • マンガで入りやすい
  • 臨床30年以上の解説つき
  • 家族で共有しやすい

気になる点

  • 網羅的な知識は得にくい
  • 176ページで内容は絞られる
  • 対応法の詳細は他書が詳しい

出版社

バトン社/フォレスト出版

発売日

2026年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

本田先生の本がもう一冊。これは最初の一冊とどう使い分けるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

最初の一冊は育て方のコツを体系立てて示した本。こちらはマンガで「あるある」を共有して、そこに専門解説を添える構成だね。

臨床経験30年以上の本田先生の解説がついているから、共感だけで終わらない。読んでいて楽なのに、ちゃんと納得が残る。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。活字がしんどいときでも読める、ということですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。子育てに余力がないときほど、こういう本は助けになる。家族で回し読みして、それぞれが同じ場面で笑えるというのも大きいよ。

かなしろにゃんこ。のマンガ絵日記 ADHD息子の育て方 (学研スマートライブラリ)
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かなしろにゃんこ。のマンガ絵日記 ADHD息子の育て方 (学研スマートライブラリ)

かなしろにゃんこ。 著|学研プラス

3.5

幼い頃にADHDがわかった息子・リュウ太くんと、著者、家族たちのドタバタな日々を詰め込んだ実録の子育て日記です。学研プラスから出たマンガ絵日記で、人付き合いやお約束ごとなど、ADHDの子どもが陥りがちなお悩みにどう工夫して取り組んだかという、かなしろ流の子育て術が見どころ。描き下ろしマンガも多数収録されています。反抗期を描いたもう一冊より前の時期の記録なので、小さい子の保護者はこちらから読む順番になります。

こんな人におすすめ

未就学〜小学校低学年の子の保護者。人付き合いや約束ごとでつまずき始めた段階の人、家庭の工夫を実例で知りたい人、まず気持ちを軽くしたい人、きょうだいを含めた家族で読みたい人に向きます。

良い点

  • 幼児期の実録として具体的
  • 工夫が日常の形で見える
  • 描き下ろしマンガも収録

気になる点

  • 体系的な知識は別途必要
  • 著者家族の一事例である
  • 思春期以降は範囲外

出版社

学研プラス

発売日

2017年7月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

同じ作者のマンガが2冊ありますよね。先に読むならどっちですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

順番で言えばこちらが先だね。幼い頃にADHDがわかった息子の日々を描いた実録で、人付き合いやお約束ごとなど、小さい子がつまずきがちな場面への工夫が詰まっている。

もう一冊は思春期の反抗期を描いたものだから、子どもが大きくなってから読むほうが刺さる。

橘ナナミ

橘ナナミ

かなしろ流子育て術、というのは、つまり同じ失敗を繰り返しながら工夫していく感じですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

そうそう。うまくいったことだけを並べた本ではないところがいい。描き下ろしのマンガも多いから、肩の力を抜いて読めるよ。

ウルトラ図解 ADHD
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ウルトラ図解 ADHD

岩波明 著|法研

¥10(税込)

3.5

ADHDの正しい知識を身につけ、自分に合った対策を考えるための一冊です。著者は岩波明、法研から159ページ。ADHDの基礎知識、検査と診断、病院で行われる治療、生活のなかでできる工夫——という流れで、大人のADHDを主題に、事例と豊富な図解で解説します。併発しやすい病気や、うつ病のかげにADHDが隠れているケース、不安障害を併せもつ人についても触れられています。わが子の診断をきっかけに、自分もそうかもしれないと気づく親が最初に手に取れる本です。

こんな人におすすめ

子どもの診断を機に、自分の生きづらさの正体が気になり始めた親。親自身がADHDかもしれないと思っている人、大人のADHDの検査や治療の流れを知りたい人、生活のなかの工夫を探している人、パートナーに理解を伝えたい人に向きます。

良い点

  • 大人のADHDに特化した構成
  • 検査・診断・治療の流れがわかる
  • 生活の工夫まで踏み込む

気になる点

  • 子どもの育て方の本ではない
  • 図解中心で文章は簡潔
  • 当事者以外には縁遠い内容

出版社

法研

発売日

2018年4月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

これ、大人のADHDの本ですよね。子育てのランキングに混ぜるのは変ではないですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

いや、これは外せないんだ。わが子の診断をきっかけに、自分もそうかもしれないと気づく親がいる。

そういう人が最初に開く本として、この位置にある。著者は岩波明、法研から159ページ。基礎知識、検査と診断、治療、生活のなかでできる工夫という流れで、事例と図解が豊富だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

うつ病のかげにADHDが隠れているケース、というのも紹介文にありました。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。併発しやすい病気や、不安障害を併せもつ人にも触れている。親が自分の特性を知ると、子どもへの関わり方も変わってくる。

そういう意味で子育ての役にも立つ一冊だね。

ADHDって、なんだろう?: 子どものADHDを理解するためのやさしいガイド Noah — 子どもを理解するために
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ADHDって、なんだろう?: 子どものADHDを理解するためのやさしいガイド Noah — 子どもを理解するために

Noah 著

3.5

ADHDとは何か、どんな特徴があるのか、保護者は子どもをどう理解し、どう支えていけばよいのかを、やさしい言葉で紹介するガイドです。貫かれているのは、子どもを責めるのではなく、どこで困っているのかを理解することから始めるという姿勢。専門用語や制度の細かい話に入る前の、いちばん最初の一歩に向いています。著者名のNoahも、そうした入りやすさをそのまま表したような一冊です。

こんな人におすすめ

はじめてADHDという言葉に触れ、不安だけが先に立っている保護者。とにかくやさしい言葉で全体像を知りたい人、身内に説明する前の段階の人、専門書を開く準備がまだできない人、保育士や教師が最初に手に取るのにも向きます。

良い点

  • 用語がやさしく読みやすい
  • 責めない視点が一貫している
  • 最初の一冊として負担が軽い

気になる点

  • 具体的な対応策は少なめ
  • 診断や治療の情報はない
  • 物足りなさを感じる人もいる

出版社

詳細情報なし

発売日

2026年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「やさしいガイド」って、やさしすぎて物足りなくないですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

目的が違うんだよね。この本は子どもを責めるのではなく、どこで困っているのかを理解することから始める、というところに立っている。

ADHDとは何か、どんな特徴があるのか、どう支えていくかを、やさしい言葉で紹介する。制度や治療の話に入る前の段階の本だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど。じゃあ、知識を増やすというより、気持ちの入口を作る本なんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。不安だけが先に立っているとき、いきなり分厚い専門書を開くのはつらいからね。ここから入って、必要になったら他の本に進めばいい。

ADHDかな?と思ったら読む本
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ADHDかな?と思ったら読む本

アリス・ゲンドロン 著|かんき出版

¥1,650(税込)

3.5

29歳でADHDと診断された著者が、自分のことがわかると生きるのが楽になると綴った一冊です。遅刻、忘れ物、先延ばし癖、飽きっぽさ、片づけられない、眠れない——そうした日々を、かわいらしいイラストとともにInstagramで発信してきた内容をまとめています。基礎の基礎からADHDと賢くつきあうヒントまで、どこから読み始めてもOKの構成。当事者はもちろん、ひょっとしたら自分もそうかもと迷う人に向けて書かれています。216ページ、かんき出版。

こんな人におすすめ

自分やパートナー、あるいは思春期の子がADHDかもしれないと感じている人。当事者の実感を知りたい人、生活のライフハックを具体的に欲しい人、読みやすい入口を探している人に向きます。

良い点

  • 当事者目線で具体的
  • どこからでも読める構成
  • イラストで情景が浮かぶ

気になる点

  • 子育ての指南書ではない
  • 日本の制度や支援の話は薄い
  • 医療の説明は最小限

出版社

かんき出版

発売日

2024年10月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

Instagramで62万フォロワーって、すごいですけど……SNS発の本って信頼できるんでしょうか?

佐藤メバル

佐藤メバル

発信元がSNSかどうかより、誰が何を書いているかで見ればいい。この本の著者は29歳でADHDと診断され、どう折り合いをつけていけばいいかわからず途方に暮れた経験がある。

そこから当事者としての日常をイラストで綴ってきた人だ。

橘ナナミ

橘ナナミ

遅刻、忘れ物、先延ばし、片づけられない……どれも身近すぎて、読みたくなります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そうだろうね。基礎の基礎から、賢くつきあうためのライフハックまで、どこから読み始めてもいい構成になっている。

わが子の姿と重ねて読む親もいるし、親自身が自分ごととして読むこともできる。216ページ、かんき出版だよ。

最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本 (発達障害を考える心をつなぐ)
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最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本 (発達障害を考える心をつなぐ)

榊原洋一 著|ナツメ社

¥1,650(税込)

3.5

ADHDを正しく理解するための最新の解説書として、行動特性・診断の流れ・治療と支援のしかたまでをまとめた一冊です。基礎知識や発症の原因を説明したうえで、医療機関へのかかり方、支援のしかたや治療法をイラストとともに解説。近年大きく展開している薬物療法についても詳しく扱い、家庭・幼稚園・保育園・小学校での支援に役立つケース別の対応例とポイントを示します。榊原洋一先生の手による、160ページのサポート実践版です。

こんな人におすすめ

園や学校と連携しながら支援を組み立てたい保護者。治療の最新事情を押さえたい人、場面別の対応例をまとめて参照したい人、支援者と資料を共有したい人、手元に置いて長く使いたい人に向きます。

良い点

  • 薬物療法の最新情報に詳しい
  • 家庭・園・学校のケース別対応
  • 支援の全体像がつかめる

気になる点

  • 160ページで密度が高い
  • 読み通すには時間が要る
  • 他の榊原本と重なる部分もある

出版社

ナツメ社

発売日

2019年2月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

「最新図解」と「よくわかる」、榊原先生の本が多くて選べません……。

佐藤メバル

佐藤メバル

役割が違うと考えればいい。これはADHDの子どもたちをサポートする本で、治療と支援の最新事情に重心がある。

行動特性、診断の流れ、治療と支援のしかた、医療機関へのかかり方、そして家庭・園・学校でのケース別の対応。

近年大きく展開している薬物療法も詳しく扱っている。

橘ナナミ

橘ナナミ

薬の話が詳しいのは、今の時期だと助かる人が多そうですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう。しかも診断や治療の目的は、子どもの困難を正確にとらえて適切にサポートすることにある、という立場がはっきりしている。

160ページで密度は濃いから、必要な章から読むのが現実的だよ。

ADHD 注意欠如・多動症の本 (育ちあう子育ての本)
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ADHD 注意欠如・多動症の本 (育ちあう子育ての本)

司馬理英子 著|主婦の友社

¥1,650(税込)

3.5

「落ち着きがない」「忘れ物が多い」「ものをよくなくす」「順番が待てない」——そうした特徴を持つ子と、その子を育てる大人のための一冊として、症状・原因・対応策をマンガと豊富なイラスト、読みやすい文章で徹底的に解説します。症例だけでなく、治療例を年齢別に紹介しているので、将来への見通しを持って接することができます。生活リズムの整え方、やればできるという気持ちを育てる言葉のかけ方、スマホやゲームとのつきあい方、能力を育てるために——長年ADHDの治療にあたってきた著者の経験にもとづく助言が並び、子ども本人へのメッセージも入っています。

こんな人におすすめ

症状の全体像と年齢別の見通しを一冊で押さえたい保護者。本人にどう伝えるか考えている人、スマホやゲームとのつきあいに悩んでいる人、教育関係者や支援者、マンガから入りたい人にも向きます。

良い点

  • マンガとイラストで徹底解説
  • 年齢別の治療例を収録
  • 子ども本人へのメッセージもある

気になる点

  • 128ページで細部は限られる
  • 図版中心で文章は簡潔
  • 診断の詳細は医療機関で

出版社

主婦の友社

発売日

2020年9月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

司馬先生の本も2冊目ですね。最初に読む本とはどう違うんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

最初に読む本は「最初に読む」ことに振り切った一冊。こちらは症状・原因・対応策を徹底的に解説するほうで、マンガとイラストがたっぷり入っている。

症例だけでなく治療例を年齢別に紹介しているから、将来への見通しを持って子どもに接することができる。

橘ナナミ

橘ナナミ

生活リズムや言葉のかけ方、スマホやゲームとのつきあい方まで載っているんですね。そこは今どき助かります。

佐藤メバル

佐藤メバル

そう、そこが実用的だね。長年ADHDの治療にあたってきた司馬先生の経験にもとづくアドバイスが並ぶ。子ども本人へのメッセージが入っているのも特徴で、大きくなった本人が読むことも想定されているんだよ。

子どもが楽しく元気になるための ADHD支援ガイドブックー親と教師が知っておきたい9つのヒント
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子どもが楽しく元気になるための ADHD支援ガイドブックー親と教師が知っておきたい9つのヒント

デシリー・シルヴァ 著|金剛出版

¥2,420(税込)

3.5

親や教師向けのQ&Aを中心に、シンプルでわかりやすく、周りの大人がADHDのある子どもとどう向き合えばよいかを伝えるガイドブックです。特性の現れ方や併存しやすい症状、診断のされ方といった基礎知識から、家庭や学校で起こりやすい困りごとへの対応、子どもに授けるべき知恵、治療法や受けられるサポート体制まで幅広く扱います。発達小児科医とADHDコーチという二人の専門家が書いているのが強みで、医療と日常のコーチングの両方の視点が入っています。最後は俗説を捨て、正しいコツを身につけよう、と締めくくられます。

こんな人におすすめ

家庭と学校の両方で一貫した関わりをつくりたい大人。教師や支援者が保護者と共通の資料を持ちたい人、基礎からサポート体制まで一冊で押さえたい人、科学的な知見に基づく助言を求めている人に向きます。

良い点

  • Q&A中心で読み進めやすい
  • 医師とコーチの共著
  • 俗説の整理まで踏み込む

気になる点

  • 180ページで各論はコンパクト
  • 日本の制度の説明は限定的
  • 専門家向けの記述も混在する

出版社

金剛出版

発売日

2022年11月

ページ数

詳細情報なし

橘ナナミ

橘ナナミ

これが最後の質問です。9つのヒント、ってシンプルにまとめてあるのが、逆に気になります。

佐藤メバル

佐藤メバル

シンプルなのは編集の狙いだろうね。親や教師向けのQ&Aを中心に、周りの大人がどう向き合えばよいかを伝える構成になっている。

基礎知識から、家庭や学校の困りごとへの対応、子どもに授けるべき知恵、治療法や支援体制まで幅広く扱う。

橘ナナミ

橘ナナミ

発達小児科医とADHDコーチの共著、というのも珍しいですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

そこがこの本の独自性。医療の視点と、日常で子どもを支えるコーチングの視点が両方入っている。しかも最後の章では俗説を捨てて正しいコツを身につけよう、と明示している。

ADHDにまつわる思い込みを一度整理したい人にも向いているよ。

診断前・グレーゾーン、そして困りごとからの逆引き

橘ナナミ

橘ナナミ

「うちの子はまだ診断を受けていない」という読者も多そうです。グレーゾーンの段階でも読める本はありますか?

佐藤メバル

佐藤メバル

ある。というより、その段階こそ読んでほしい。司馬理英子先生の『最新版 真っ先に読むADHDの本』は、わが子の行動が気になり、ADHDではないかと心配になったときに最初に読む本として書かれている。宮尾益知先生の『子どものADHD早く気づいて親子がラクになる本』も、家庭でできること、学童前にできることを軸にした一冊だ。アリス・ゲンドロンさんの『ADHDかな?と思ったら読む本』は診断を受けた本人の立場で書かれているから、親が読むと「本人はどう感じるのか」を想像する力がつくよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

困りごと別に探すこともできるんですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

できる。癇癪、宿題、友達トラブル、不登校——この4つで探すと外しにくい。かんしゃくの回避は榊原先生の『よくわかるADHDの子どものペアレンティング』が「ほめ方」「注意のしかた」といった技術別に整理している。忘れ物や宿題は本田先生の『ADHDの子の育て方のコツがわかる本』の場面別サポート。友達とのトラブルは市川先生の『子どもと家族のためのADHDサポートブック』。学校生活そのものを整理したいなら、フィフナーさんの『ADHDをもつ子の学校生活』だね。

橘ナナミ

橘ナナミ

不登校が近づいている場合は?

佐藤メバル

佐藤メバル

司馬先生の『ADHD 注意欠如・多動症の本』は、早く気づいて適切な対策を取らないと学業不振やいじめ、不登校につながることもあると明記したうえで、症例だけでなく治療例も年齢別に紹介している。先回りして知っておく意味は大きいよ。

エビデンスと入手性——買う前に確かめたいこと

橘ナナミ

橘ナナミ

「エビデンス」ってよく聞きますが、本を選ぶときはどう見ればいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

ひとつの目安は、ペアレントトレーニングや行動療法といった、研究と臨床実践から生まれた方法を扱っているかどうか。ウィッタムさんの『読んで学べるADHDのペアレントトレーニング』は、UCLAの研究と臨床実践から生まれた技法を段階的に解説している。バークレー博士の本も、基礎理解と12の原則という形で構造化されている。一方で、トーマス・アームストロングさんの『薬を飲ませる前にできるADHDの子どもを救う50の方法』のように、薬物療法に慎重な立場から書かれた本もある。立場の違う本を並べて読むと、自分が何を選んでいるのかが見えてくるんだ。

橘ナナミ

橘ナナミ

電子書籍や試し読みについてはどうですか?

佐藤メバル

佐藤メバル

まず試し読みで、字の大きさと文章量を確かめてほしい。図解中心の本は固定レイアウトで電子化されていることがあり、端末によっては読みにくい。逆に分厚い実践ガイドは、電子なら検索が効いて辞書的に使いやすい。紙と電子、どちらが正解というより、使い方で選ぶといいね。

橘ナナミ

橘ナナミ

買って失敗しないチェックリストもほしいです。

佐藤メバル

佐藤メバル

じゃあ5つ。ひとつ、今いちばん困っていることを1つだけ挙げる。ふたつ、その困りごとが目次にあるか確認する。みっつ、著者の立場を見る。よっつ、出版年と「最新」「改訂」の表示を見る。いつつ、試し読みで読了できそうか確かめる。これだけで、積読はかなり減るよ。

読んだ後にどう動くか

橘ナナミ

橘ナナミ

読んで終わりにしない方法も教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

書いてあることを全部やろうとしないこと。1日1回、これだけやると決める。たとえば「叱る回数を1回減らす」でいい。そして学校とは、本に書かれていた言葉をそのまま持っていく。榊原先生の『ADHDがわかる本』も『最新図解 ADHDの子どもたちをサポートする本』も、学校・地域と連携する章を設けている。本は、先生との会話の共通語になってくれるんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

なるほど……。本って、読むためだけのものじゃないんですね。

よくある質問

ADHDの子育て本は、最初にどれを読めばいいですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

ADHDの子育て本は、最初にどれを読めばいいですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

まず「今いちばん困っていること」を1つ決めるのが先です。ADHDというものの全体像を知りたいなら榊原洋一『ADHDがわかる本』、気になる行動があって早く動きたいなら司馬理英子『最新版 真っ先に読むADHDの本』、家庭での関わり方に踏み込みたいなら本田秀夫『ADHDの子の育て方のコツがわかる本』が入口になります。迷ったら、薄くて目次が自分の困りごとと重なる1冊を選べば外しません。

ADHDの子育て本は何冊くらい読めば十分ですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

ADHDの子育て本は何冊くらい読めば十分ですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

冊数より順番です。1冊目で基礎の地図を持ち、2冊目で目の前の困りごとを解決し、3冊目は必要になってから足す。たとえば1冊目に『ADHDがわかる本』、2冊目に『読んで学べるADHDのペアレントトレーニング』、進路の時期に『親子で乗り越える思春期のADHD』という流れです。読んだ冊数より、読後に1つ行動を変えられたかどうかが効いてきます。

マンガやイラスト中心の本でも、子育ての役に立ちますか?

橘ナナミ

橘ナナミ

マンガやイラスト中心の本でも、子育ての役に立ちますかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

役に立ちます。本田秀夫『最新 マンガでわかるADHDの子どもたち』はマンガと専門解説の組み合わせで、かなしろにゃんこ。の『かなしろにゃんこ。のマンガ絵日記 ADHD息子の育て方』は実録の子育て日記です。共感で気持ちが軽くなる効果は大きい。ただし診断の基準や治療の全体像は解説書のほうが詳しいので、マンガと解説書を1冊ずつ組にするのがおすすめです。

まだ診断前・グレーゾーンでも読むべき本はありますか?

橘ナナミ

橘ナナミ

まだ診断前・グレーゾーンでも読むべき本はありますかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

あります。司馬理英子『最新版 真っ先に読むADHDの本』は、わが子の行動が気になって心配になったとき最初に読む本として書かれています。宮尾益知『子どものADHD早く気づいて親子がラクになる本』も、家庭でできることや学童前にできることを軸にした一冊です。29歳で診断されたアリス・ゲンドロン『ADHDかな?と思ったら読む本』を併せて読むと、本人の感じ方を想像しやすくなります。

親自身がADHDかもしれないとき、参考になる本はありますか?

橘ナナミ

橘ナナミ

親自身がADHDかもしれないとき、参考になる本はありますかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

あります。アリス・ゲンドロン『ADHDかな?と思ったら読む本』は、診断を受けた著者自身がイラストとともに日常の工夫をまとめた本で、当事者としての折り合いのつけ方が具体的です。岩波明『ウルトラ図解 ADHD』は大人のADHDの基礎知識や検査・診断、生活のなかでできる工夫を扱っています。親子双方の困りごとを同時に見渡したいときに役立つ2冊です。

紙の本と電子書籍(Kindle)はどちらがおすすめですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

紙の本と電子書籍(Kindle)はどちらがおすすめですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

使い方で選ぶといいでしょう。図解やイラスト中心の本は固定レイアウトで電子化されていることがあり、端末によっては読みにくい場合があります。一方、実践的なストラテジーが大量に載った分厚い本は、電子だと検索が効いて辞書的に使えます。どちらを選ぶにしても、購入前に試し読みで字の大きさと文章量を確かめるのが失敗しないコツです。

本を読むのと療育に通うのは、どちらを優先すべきですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

本を読むのと療育に通うのは、どちらを優先すべきですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

対立するものではありません。ウッド『ADHDの子どもの育て方大全』は、特徴の理解から家庭・学校・療育・将来までを一冊で整理し、療育(児童発達支援・放課後等デイサービス)の活用方法や合理的配慮まで扱っています。本で言葉と見通しを仕入れてから療育や学校で相談すると、聞きたいことが具体的になり、話が進みやすくなります。

きょうだい児や家族のための本も読んだほうがいいですか?

橘ナナミ

橘ナナミ

きょうだい児や家族のための本も読んだほうがいいですかについて教えてください。

佐藤メバル

佐藤メバル

読む価値があります。市川宏伸『子どもと家族のためのADHDサポートブック』は、子ども本人だけでなく周囲への理解の求め方や生活環境の工夫まで解説しています。榊原洋一『よくわかるADHDの子どものペアレンティング』も、ペアレンティングを無理なく続けるための心のつなぎ方を終章で扱っています。家族全体の負担を下げる視点は、結果として子どもの支援にも効いてきます。

まとめ

橘ナナミ

橘ナナミ

今日の話を聞いて、最初に読む1冊がようやく見えてきた気がします。でも、25冊もあると、やっぱり全部読まなきゃいけないのかなって不安にもなります。

佐藤メバル

佐藤メバル

全部読まなくていい。むしろ読まないほうがいい。1冊目で「ADHDとは何か」という地図を持って、2冊目で今の困りごとを解決する。3冊目は必要になってからで十分だよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

順番があるんですね。

佐藤メバル

佐藤メバル

うん。それと忘れないでほしいのは、本は子どもを変える道具じゃないということ。環境と関わり方を変えるためのヒントなんだ。だから読んだあとに「今日1回」だけ試す。それで十分。

橘ナナミ

橘ナナミ

親自身が疲れているときは、どうすればいいんでしょう?

佐藤メバル

佐藤メバル

そのときは関わり方の本じゃなくて、親の心を守る本を先に開いていい。榊原先生の『よくわかるADHDの子どものペアレンティング』は親の情動コントロールから始まるし、市川先生の『子どもと家族のためのADHDサポートブック』のように家族全体を見る本もある。叱りすぎて自己嫌悪になった日は、知識より先に休息が要るんだよ。

橘ナナミ

橘ナナミ

少し安心しました。本棚を、子どもの取扱説明書を探す場所じゃなくて、暗い部屋の灯りを選ぶ場所だと思うことにします。

佐藤メバル

佐藤メバル

いい喩えだね。一冊で部屋じゅうを照らす本はない。けれど手元を照らす一冊があれば、次の一歩だけは必ず見える。ADHDの子育て本は、そうやって選べばいいんだと思うよ。

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Editorial Team

編集に関わる専門家