自己肯定感を育む子育ての本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日は「自己肯定感 子育て 本 おすすめ」の記事ですよね。でも正直、引っかかってるんです。私、まだ子どものいない大学院生で、自己肯定感って言葉だけがひとり歩きしている気がして。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。書店でも「自己肯定感」の棚は年々大きくなっているけれど、まず押さえたいのは自己肯定感が高い=いい子、ではないということ。自分のことを丸ごと受け止められる感覚の話で、テストの点や要領のよさとは別なんだ。
橘ナナミ
なるほど! 「高ければ高いほどいい」わけでもないんですね。
佐藤メバル
そう。『自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方』の古荘純一は、自己肯定感は変えられるし、そもそも変動するものだと書いている。上がったり下がったりしながら育つ、という前提で読むと、焦らなくていいと分かる。『全米トップ校が教える 自己肯定感の育て方』の星友啓は、学習や仕事の成果と関わる要素として、コンセプトからエクササイズまでを整理している。定義を先に確かめるのが、いちばんの近道だよ。
橘ナナミ
定義から! そこを飛ばして、声かけテクニックだけ拾おうとしてました……。
佐藤メバル
正直でいい。で、このテーマは「何位か」より「誰が、どの場面で読むか」が効く。その軸を一緒に整理しよう。
自己肯定感を育む子育ての本の選び方
読む主体で選ぶ——親が読む本、子が読む本、親子で読む本
橘ナナミ
親が読む本と、子どもに読ませる本は分けて考えていいんですか?
佐藤メバル
分けたほうがいい。親が読む代表は『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』。中島輝が、親の接し方を体系立てて解説している。親子で開くなら『12歳までの自己肯定感の育て方で、その後の人生が決まる』。元小学校教師のばなな先生が、親子で取り組むワークを載せている。机の上で開ける本かどうかで分けるといい。
橘ナナミ
子ども自身が読む本は、このラインナップにあるんですか?
佐藤メバル
今回は親向けが中心だね。だから親が先に読んで、わが子に合う言葉を選んでから、会話で渡す。本を渡して終わりにしないのがコツだよ。
子どもの年齢帯で選ぶ——0〜6歳、小学生、思春期
橘ナナミ
年齢で変わるんですか?
佐藤メバル
変わる。3歳〜12歳を対象にした『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は、島村華子がモンテッソーリとレッジョ・エミリアを踏まえて、ほめ方・叱り方をエビデンスベースで書いている。0〜2歳の「基本的信頼感」から段階を追うなら『失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方』。小学生なら、脳の発達の時期を区切りにした『脳科学者が教える 子どもの自己肯定感は3・7・10歳で決まる』。思春期は男女で分かれていて、開成の校長を務めた柳沢幸雄の『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』、女子校で生徒と向き合ってきた吉野明の『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』がある。書名の年齢表記は、選書の強い手がかりになるよ。
悩みのフェーズで選ぶ——しつけ、声かけ、不登校、発達特性
橘ナナミ
悩み別だと、どう探せばいいですか?
佐藤メバル
「ことば」に困っているなら辞書型が速い。『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』は、石田勝紀が場面別・性格別に、つい言ってしまう言葉を言い換えてくれる。『子どもの自己肯定感が高まる ほめ方・叱り方の新常識100』も、齋藤孝が教育学の知見から100項目に分けている。どちらも目次から逆引きできる。
橘ナナミ
逆引きできるの、忙しい人に優しい……!
佐藤メバル
そして不登校や「学校に行きたくない」といった場面は、『自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方』が章立てで扱っている。発達特性については、「わが子に当てはまるか」を本で決めず、気になるなら専門機関に相談する前提で読んでほしい。本は診断の代わりにはならないからね。
形式で選ぶ——イラスト中心か、文章中心か
橘ナナミ
活字が苦手な友人にすすめるなら?
佐藤メバル
それなら『イラストでわかる自己肯定感をのばす育て方』。諸富祥彦のカウンセリングの知見を、イラストと図で追える。『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』も各章の冒頭にエッセイマンガが入っていて場面がつかみやすい。読みやすさは内容の薄さとは別物だから、そこは誤解しないでほしい。
性格で選ぶ——理論・根拠重視か、実践ノウハウ重視か
橘ナナミ
自分の性格で選べばいいんですね。
佐藤メバル
そう。理屈から納得したい人は『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』。逆に、今日から一つ試したい人は『子どもの「やってみたい」をぐいぐい引き出す! 「自己肯定感」育成入門』。平岩国泰が具体的なメソッドを並べている。手順が欲しい人には『最上のほめ方』も向く。八田哲夫が、ほめる育児を4つのステップに分けている。理論と実践を1冊ずつ、が強いよ。
著者の専門性で選ぶ——誰の立場から書かれた本か
橘ナナミ
著者を見る目が、まだないです……。
佐藤メバル
肩書きを権威として見るんじゃなく、「どの立場から、誰に向けて書いたか」を見る。『あなたはあなたのままでいい』は、桑田真澄の息子として育ったMattを見てきた母親の立場から書かれている。『大谷翔平・羽生結弦の育て方』はスポーツ心理の立場で、2人の発言や子ども時代のエピソードを分析する本。立場が違えば、同じ「自己肯定感」でも切り口が変わる。書店で「はじめに」と目次を読んで、誰に向けて語っているかを確かめてから選ぶと、外れが少ないよ。
自己肯定感を育む子育ての本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
自己肯定感を育む子育ての本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書
中島輝 著|SBクリエイティブ
¥1,650(税込)
1万5000人をカウンセリングしてきた人による、子どもの自己肯定感の決定版。344ページと厚いぶん、体系立てて学べます。黄・赤・青・緑の4キッズタイプ診断でわが子の傾向をつかみ、声かけは「ホメるより気づく」「0.1ミリの成長を探す」へ。左脳右脳の強さで分けるアクセル・クラッシュ・ブレーキ・ニュートラルの4タイプ別ワークまで踏み込み、巻末には親子でやるワークも収録。声かけ集で終わらせず、脳の仕組みとタイプ別対応まで一冊で押さえられるのが強みです。
こんな人におすすめ
小学校中学年から思春期に入る子を持つ親で、声かけの引き出しを増やしたい人。勉強や友だちづきあいに悩みが出始め、どの本から読めばいいか迷っている入門者にも向きます。親自身の自己肯定感も同時に立て直したい人、ワーク形式で手を動かしながら読みたい人にも。
良い点
- 344ページで網羅性が高い
- タイプ診断で個別対応できる
- 親子で使えるワーク付き
気になる点
- 分量が多く通読は重い
- 理論編はやや詳しめ
- イラストは少なめ
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自己肯定感の本っていっぱいありますけど、子育て初心者というか、まず最初に読むならどれなんだろうって迷っています。
佐藤メバル
いい質問だね。最初の一冊なら中島輝の『子どもの自己肯定感の教科書』を挙げたい。1万5000人をカウンセリングしてきた人で、344ページと厚いけれど、その分だけ体系立っている。
黄・赤・青・緑の4キッズタイプ診断でわが子の傾向をつかんでから声かけの章へ進める流れが親切なんだ。「ホメるより気づく」という言葉が全編を貫いていて、読後は子どもの見方が変わるよ。
橘ナナミ
4キッズタイプ診断、それ気になります! 自分の子がどの色かって、占いみたいで先に試したくなります。診断だけでも読む価値がありそう。
佐藤メバル
そこから入るのは正解だよ。色で分けると、同じ「すぐキレる」「すぐあきらめる」でも声かけの手順が変わってくる。
後半では左脳右脳の強さからアクセル・クラッシュ・ブレーキ・ニュートラルの4タイプに分けて、こころの脳を鍛えるワークまで紹介している。
タイプ別に具体策まで落としているのがこの本の強みだね。巻末の親子ワークも含めて、長く使える一冊だよ。

12歳までの自己肯定感の育て方で、その後の人生が決まる
ばなな先生 著|フォレスト出版
¥1,650(税込)
元小学校教師で、のべ1000組の親子の自己肯定感を高めてきた著者による224ページ。中学生の6割が「自分嫌い」と答える調査を引きながら、9〜12歳のうちに土台をつくれば大人になっても崩れないと説きます。幼い頃に歌った歌を数十年後も歌えるように、培われた自己肯定感は感覚脳に保存され、何かのきっかけで取り戻せるという説明が希望になる。難しい理論より、親子でそのまま試せる簡単なワークが中心なのが、理論書との違いです。
こんな人におすすめ
小学生の子を持つ親で、中学生になってからでは遅いのかと不安な人。工作やワークが苦手でない親子、1日10分だけ一緒に何かしたい家庭に向きます。元教師の現場目線で、学校生活のあるあるを踏まえた声かけを知りたい人にも。
良い点
- 元教師の実践知が濃い
- ワークが簡単で続けやすい
- 「戻せる」と希望が持てる
気になる点
- 中学生以降は対象外
- 理論の掘り下げは浅め
- 挿絵や図は少なめ
出版社
フォレスト出版
発売日
2023年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
12歳までで決まるって聞くと、もう過ぎちゃったらどうしようって焦る親御さん、多そうですよね。取り返しがつかないんでしょうか。
佐藤メバル
いい質問だね。この本の答えは明快で、一度ついた自己肯定感は感覚脳に保存されて、何かのきっかけで取り戻せる、というんだ。
幼い頃に歌った歌を何十年経っても歌えるのと同じ仕組みだね。著者は元小学校教師で、のべ1000組の親子を見てきた人。
自分基準で評価するという感覚を、簡単な親子ワークで体験させていく構成なんだよ。
橘ナナミ
ワークが簡単なのがいいですね。読んで終わりじゃなくて、その日の夜に親子でできそうなのが助かります。
佐藤メバル
そう、そこが使いやすいところ。難しい用紙を用意しなくても、会話の中でできるものが多い。6割の子が自分を嫌いと答える調査があるけれど、逆に言えば土台づくりの余地がそれだけあるということ。
「楽しそう」「簡単そう」と思ったものから試す、という著者の姿勢がそのまま読者を楽にしてくれる。
専門書を読む体力がない家庭にも勧めやすいよ。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
島村華子 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
オックスフォードで児童発達学を学び、モンテッソーリとレッジョ・エミリアの両方を見てきた著者が、エビデンスに基づいて「ほめる」「叱る」を組み替える本。日本の子の自己肯定感が低いのは謙遜文化によるほめ不足ではなく、非効率的なほめ方・叱り方が原因かもしれないという指摘が鋭い。条件付き子育ての弊害、褒美と罰の落とし穴、アクティブ・リスニングの4ポイント、年齢別Q&Aまで、3〜12歳の声かけを科学的に整理しています。
こんな人におすすめ
「すごい!」「よくできたね」と褒めているのに手応えがない親。しつけのつもりが怒鳴り続けて自己嫌悪になる人。モンテッソーリやレッジョ教育に興味がある人、テレビや動画で見かけて気になっていた人にも。
良い点
- エビデンスが明示されている
- ほめる叱るを両方扱う
- 年齢別Q&Aが実用的
気になる点
- 理論章は情報密度が高い
- 日本文化前提の話は少なめ
- ワークは少なめ
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごいね!」って褒めるのがよくないって聞いて、じゃあ何て言えばいいの? と途方に暮れました。褒めてもダメって、厳しすぎませんか。
佐藤メバル
そこがこの本の出発点だね。著者は、日本の子の自己肯定感が低いのはほめ不足のせいではなく、ほめ方・叱り方が非効率なせいかもしれない、と言う。
条件付きの褒め方は自主性を奪うし、罰による叱り方にも落とし穴がある。では代わりに何を使うのか、が章立てで丁寧に示される。
モンテッソーリとレッジョ・エミリアを見てきた人の説得力がそこにあるんだ。
橘ナナミ
アクティブ・リスニングっていう言葉も出てきますよね。聞く習慣って、それだけで特別なことなんですか?
佐藤メバル
いいところに気づいたね。アクティブ・リスニングは、話を遮らず、評価もせず、相手の言葉をそのまま受け取って返す聞き方のこと。
4つのポイントが紹介されているよ。叱る前に聞くという順番に変えるだけで、親子の空気はかなり変わる。
叱り方の章より、実はこの聞く章がいちばん効く、と書店員時代にこの本を手に取った人へ伝えていたよ。

全米トップ校が教える 自己肯定感の育て方 (朝日新書)
星友啓 著|朝日新聞出版
¥869(税込)
スタンフォード大学オンラインハイスクールの校長を務める著者が、自己肯定感を世界的な研究の文脈から整理した新書。コンセプトの説明だけでなく、家庭でできるエクササイズまで含めて208ページに凝縮しています。学習や仕事の成果と自己肯定感の関係を、感覚論ではなく研究の言葉で押さえられるのが強み。子育て書でありながら、大人自身の自己肯定感を立て直す読み方もでき、869円で最先端の知見に触れられる入り口になります。
こんな人におすすめ
海外教育や心理学の知見を手早く押さえたい人。子育て書の断定調が苦手で、根拠から知りたい人。新書サイズで通勤や通学のすきま時間に読み切りたい人、まず全体像をつかんでから他の本を選びたい人にも。
良い点
- 新書で手に取りやすい
- 研究ベースで信頼できる
- エクササイズ付き
気になる点
- 子育て具体例は少なめ
- あっさりめで物足りない人も
- 図版はほぼなし
出版社
朝日新聞出版
発売日
2022年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
スタンフォードの校長先生が自己肯定感の本を出してるって、ちょっと意外でした。学習の話かと思っていたので。
佐藤メバル
そこが面白いところでね。著者は学習や仕事の成果に自己肯定感が大きく関わると捉えている。しかも精神論ではなく、世界で注目される要素として扱っているんだ。
コンセプトからアプローチ、エクササイズまでを新書一冊に凝縮しているから、まず地図がほしい人に向いている。
869円で最先端に触れられるのは大きいよ。
橘ナナミ
新書サイズなら通学の電車でも読めそう。子育て本って分厚いイメージがあったので、そこは助かります。
佐藤メバル
そう、入門としてちょうどいい厚みだね。ただし子育ての具体場面は少なめだから、うちの子にどう言えば、という実践が欲しい人は、ほめ方や叱り方の本と組み合わせるといい。
先に考え方を知ってから、具体策を選ぶ。この順番で読むと、後で読む本の言葉がすっと入ってくるよ。

脳科学者が教える 子どもの自己肯定感は3・7・10歳で決まる
西剛志 著|PHP研究所
脳科学の視点から、自己肯定感が育つ節目を3歳・7歳・10歳と区切って解説する一冊。脳の力と心の力は切り離せないという立場から、脳を育てながら心も育てるという順序で話が進みます。自己肯定感を土台に非認知能力——創造力、困難を乗り越える力、コミュニケーション能力、セルフコントロール力——を伸ばすという構図が一貫していて、年齢の節目ごとに戻って読み返せる構成が使いやすい。
こんな人におすすめ
3歳・7歳・10歳という区切りに合わせて、今の年齢で何をすればいいか知りたい親。非認知能力という言葉が気になっている人。発達心理学ではなく、脳の仕組みの側から理解したい人にも。
良い点
- 年齢別に読み返せる
- 非認知能力まで視野
- 脳の話が噛み砕かれている
気になる点
- 声かけの具体例は少なめ
- 理論パートはやや硬い
- ワークは少なめ
出版社
PHP研究所
発売日
2020年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
3歳・7歳・10歳って区切られると、ちょうどその学年の子を持つ親御さんはドキッとしますよね。過ぎていたらもう遅いのかな、と。
佐藤メバル
その区切りは覚えやすいけれど、締め切りではないと受け取ってほしい。この本は、脳の力と心の力は切り離せないという立場から、脳を育てながら心も育てるという順序で書かれている。
自己肯定感を土台に非認知能力を伸ばす、という全体の構図がはっきりしているから、年齢ごとに戻って読み返す使い方ができるんだよ。
橘ナナミ
非認知能力って最近よく聞きますけど、テストの点では測れない力のことですよね。そこまで一冊で見られるんですか?
佐藤メバル
そう、点数にならない力だね。この本では創造力、困難を乗り越える力、コミュニケーション能力、セルフコントロール力が挙げられている。
自己肯定感を土台に置くと、これらが育ちやすくなるという説明の運びだ。脳の話から入るぶん、根拠が気になる人には安心感がある。
ただ声かけの具体例は少なめなので、実践集と並べて読むといいよ。

失敗に負けない「強い心」が身につく 世界標準の自己肯定感の育て方
船津徹 著|KADOKAWA
¥2,005(税込)
日米中で25年間、5000人を超えるバイリンガルを育ててきた著者が、世界の子育てと比較しながら自己肯定感の作り方を示す256ページ。自己肯定感が高い子は失敗しても楽観を保ち、落ちても立て直す術を持っているという観察が出発点です。発達段階ごとの課題——0〜2歳の基本的信頼感、1〜3歳の自律性、3〜6歳の積極性、6〜12歳の勤勉性——に沿って章が並び、今どの土台を積む時期かがわかるのが強み。
こんな人におすすめ
海外経験のある家庭、これからグローバルな環境で子を育てたい親。年齢別に何を優先すべきかを整理したい人。習い事や英語教育の前に、まず土台を考えたい人にも向きます。
良い点
- 年齢別の課題が明確
- 海外比較の視点がある
- 章立てが整理されている
気になる点
- 価格はやや高め
- 日本の学校事情の具体は少なめ
- 分量はしっかりめ
出版社
KADOKAWA
発売日
2020年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
世界標準っていう言葉が気になります。日本の子育てと、そんなに違うんでしょうか。バイリンガルの話も出てきますよね。
佐藤メバル
著者は日米中で5000人を超えるバイリンガルを育ててきた人で、グローバルに活躍する子に共通するのは自己肯定感の高さだと気づいたと書いている。
失敗しても楽観を保ち、落ち込んでも立て直す術を持っているのが特徴だね。社会がどう変わっても自分らしく生きられる土台になる。
日本の常識を一度外して見たい人にはいい一冊だよ。
橘ナナミ
0〜2歳、3〜6歳、6〜12歳って分かれているんですね。きょうだいで今読む章を変えられるのは便利です。
佐藤メバル
そう、発達段階ごとに積むべきものが違うとされている。最初は基本的信頼感、次は自律性、それから積極性、そして勤勉性。
今どの土台を積む時期かがわかると、焦って先回りしなくて済む。他の本が「何歳までに」と締め切るのに対して、この本は順番を示してくれる。そこが似た本との違いだね。

自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方
古荘純一 著|ダイヤモンド社
¥1,300(税込)
「非認知能力」——考える力、やり抜く力、折れない心——の土台は、親が子どもの話を聞くことからつくられると説く224ページ。著者が実際に接してきた実例を交えながら、しつけ、日常、勉強の場面ごとに子どもに接するヒントを整理しています。キレる子、うそをつく子、勉強しない子といった具体的な困りごとに項目が割かれ、疑問文の見出しを追うだけで必要な箇所にたどり着ける実用性が際立つ一冊です。
こんな人におすすめ
毎朝「早くしなさい」と怒ってしまう親。日常の困りごと別に答えがほしい人。自己肯定感と脳の関係を、専門家が接してきた実例つきで知りたい人にも向きます。
良い点
- 困りごと別の索引性が高い
- 脳と心を両方扱う
- 実例が豊富
気になる点
- 項目が多く通読しにくい
- 理論はやや硬め
- 挿絵は少なめ
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
親の「聞く力」が土台っていうのが意外でした。何かを教えたり与えたりするより、先にやることがあるんですね。
佐藤メバル
そう、この本の核心だね。「自分は大事にされている」という根底の自信が先にあって、そのうえで自己肯定感が育つ。
だから親の役割は、まず話を聞くことになる。自己肯定感は変えられるし、そもそも変動するものという前提も書かれていて、幼い頃に決まりきる話ではないと安心できる。
実例がたくさん載っているのも読みやすいところだよ。
橘ナナミ
しつけ編、日常編、勉強編って分かれているんですね。読者の方が、今いちばん困っているところから開けそうです。
佐藤メバル
そう、目次がそのまま相談窓口のようになっている。テストの点を気にしない、友だちの成績ばかり気にする、嫌いな先生の授業は聞かない、といった相談が並んでいるんだ。
疑問文の見出しを追うだけで必要な答えにたどり着ける。書店員時代、忙しいお母さんに「辞書みたいに使えますよ」と紹介していた本だよ。

男の子の「自己肯定感」を高める育て方:世界を生き抜く力は思春期に伸びる!
柳沢幸雄 著|実務教育出版
¥1,430(税込)
開成の校長を務めた著者が、思春期男子の自己肯定感をどう伸ばすかに絞って書いた199ページ。自己肯定感は遺伝ではなく育った環境で培われ、その最大の要因は親だと明言し、思春期を「最後のチャンス」と位置づけます。減点法から加点法へ、ダメ出しの代わりに「これがいい」と伝える、垂直に比較して伸びたところを具体的に褒めるなど、男の子の親が明日から使える具体策が並びます。
こんな人におすすめ
中学生・高校生の息子を持つ親。しゃべってくれない、反抗的で手が出せないと感じている人。受験期をどう支えるか、親の側の姿勢を整えたい人にも向きます。
良い点
- 思春期男子に特化
- 親の心構えから具体的
- 子離れの視点が珍しい
気になる点
- 女の子には当てはめにくい
- 対象年齢はやや高め
- 幼児期の話は少なめ
出版社
実務教育出版
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
男の子に絞った本って珍しい気がします。思春期って、もう手遅れなのかと勝手に思ってました。
佐藤メバル
そこをひっくり返すのがこの本だね。著者は開成の校長を務めた人で、思春期こそ自己肯定感を大きく成長させる最後のチャンスだと書いている。
そして、自己肯定感は遺伝ではなく育った環境で培われ、その一番大きな要因は親だと明言する。指示待ち人間は否定から生まれるという指摘は重いよ。
橘ナナミ
しゃべってくれないのが当たり前、という項目がありますよね。あれを読むだけで救われるお母さんが多そうですし、私も身に覚えがあります。
佐藤メバル
そうだね、そこは勇気づけられる。本の中では、減点法ではなく加点法の価値観を身につけさせること、親は子どもより多くしゃべらないこと、そして18歳になったら一人暮らしさせるといった、やや踏み込んだ話まで出てくる。
子どもは帰るところがあるからチャレンジできるという言葉は、受験期の親の支え方にも通じるね。

女の子の「自己肯定感」を高める育て方: 思春期の接し方が子どもの人生を左右する!
吉野明 著|実務教育出版
¥1,430(税込)
名門女子校で44年間生徒と向き合ってきた校長が、思春期女子の自己肯定感を扱った220ページ。日本の子の自己肯定感は10歳をピークに思春期で下がり続けるという前提から、親として何ができるかを具体的に示します。完璧主義で失敗を怖がる、過剰に空気を読む、人前で叱ると下がる、といった女子特有の傾向を押さえ、30点のテストを「ガハハ」と笑い飛ばす失敗フォローまで踏み込んでいます。
こんな人におすすめ
小学校高学年から高校生の娘を持つ親。繊細で完璧主義な娘にどう声をかけるか迷っている人。つい姉妹のように親密になりすぎてしまうと感じている人にも向きます。
良い点
- 女子特有の傾向を整理
- 44年の現場経験
- 思春期の具体対応が豊富
気になる点
- 息子には当てはめにくい
- 幼児期の内容はほぼない
- やや説教調に感じる人も
出版社
実務教育出版
発売日
2018年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
女の子って、人前で褒められるのも嫌がるって聞いたことがあります。そういう細かいところから扱っているんですか?
佐藤メバル
まさにそこから入るよ。人前で叱ると自己肯定感が下がる、不用意に褒めてもいけない、過剰に空気を読む、といった女子特有の傾向が先に整理されている。
著者は名門女子校で44年間生徒と向き合ってきた校長だから、説得力が現場から出ている。完璧主義で失敗を恐れる子に、どう失敗を返してあげるかの具体例が効くんだ。
橘ナナミ
30点のテストを「ガハハ」と笑い飛ばすって項目、すごくいいですね。私は絶対できない自信がありますけど。
佐藤メバル
はは、そう言うけれど、それができると娘は救われるんだよ。笑い飛ばして失敗の重みを軽くしてから、次の一手を一緒に考えればいい。
本では、苦手だと言う娘に同調しないこと、失敗を先回りして回避しないことも挙げられている。親が中立でいるという距離感の話は、近すぎる親子ほど刺さると思うよ。

子どもの自己肯定感が高まる ほめ方・叱り方の新常識100
齋藤孝 著|宝島社
¥1,400(税込)
齋藤孝による教育学の知見を、ほめ方・叱り方の新常識100項目に落とし込んだ224ページ。1項目が短くまとまっていて、目次から気になる見出しを拾って読める構成です。怒ってしまった後に落ち込む母親へ向けた処方箋が入っているのが、叱り方を扱う他書との違い。自分を認めて前向きになるための考え方にもページが割かれ、子どもと親の両方の自己肯定感を見ています。
こんな人におすすめ
本を最初から最後まで読む時間が取れない人。気になる項目から拾い読みしたい人。叱った後に「またやってしまった」と落ち込む自分を、なんとかしたい親にも向きます。
良い点
- 100項目で拾い読みしやすい
- 親側の立て直しも扱う
- 1項目が短く実用的
気になる点
- 深掘りは少なめ
- 系統立てた理論は薄め
- 似た項目が並ぶことも
出版社
宝島社
発売日
2021年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100項目ってすごい数ですね。ひとつひとつが短いなら、寝る前に1ページずつ読むのでも続けられそうです。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の使いやすさだね。教育学の知見をもとに、ほめ方・叱り方を新常識として並べている。特徴的なのは、怒ってしまった母親への処方箋があること。
「また言ってしまった、ダメな母親だ」と落ち込む方向けの内容が入っているんだ。叱り方を説く本は、しばしば親を追い詰めるから、この視点は貴重だよ。
橘ナナミ
叱り方の本を読むと、逆に落ち込んでしまうことがあるっていうのは、なんとなくわかる気がします。
佐藤メバル
わかってくれるね。だからこの本は、叱り方を厳しく教えるより、日々もつべき考え方を示す方向に寄っている。
自分自身を認めて前向きになれる言葉が並んでいるから、子どもに向ける前に、まず自分のために読むのでもいい。
100項目あるので、今日の自分に必要な一つが必ず見つかるよ。

「自分が好きな子」になる子育て 自己肯定感が高い子に幸せな人生がやってくる
宮本覚道 著|現代書林
¥1,485(税込)
岐阜で「自分が好きな子になる子育て」を実践する幼稚園の園長による184ページ。園児の「夢って、本当にかなうの」という一言をきっかけに、パワーリフティングで世界大会に出てアジアチャンピオンになった人です。口先ではなく体で示したから、園児たちの目が輝く。坐禅、鼓笛、食育といった園の取り組みと、ありがとう・思いやり・やり抜く心を育てる12か月の法話が並び、理論書とはひと味違う迫力があります。
こんな人におすすめ
言葉で説明するより、自分の背中で示したいと思っている親。夢を語る大人の姿を見せたい人。仏教の考え方や、落ち着いた雰囲気の子育て観に触れてみたい人にも。
良い点
- 実体験の迫力がある
- 家庭でも試せるヒント付き
- 語り口が温かい
気になる点
- 園の実践が中心
- 体系的な理論書ではない
- 宗派の話に馴染みがない人も
出版社
現代書林
発売日
2021年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
パワーリフティングでアジアチャンピオンになった園長先生……? 子育て本でそんな経歴は初めて聞きました。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さだね。きっかけは園児の「夢って、本当にかなうの」という一言だった。「頑張ればかなうよ」と言いかけて、口先だけではいけないと思ったんだ。
そこから本当に世界大会を目指して、成し遂げた自分に自信を持ち、自分を好きになったと書いている。言葉で語る以上の説得力がそこにある。
橘ナナミ
坐禅とか鼓笛とか、幼稚園ならではの取り組みも載っているんですね。家庭でそのまま真似できるものでしょうか。
佐藤メバル
全部を家庭で、とはいかないけれど、考え方は持ち帰れる。本には「自分が好きな子になる子育て」のヒントが並んでいて、ありがとうの心、思いやりの心、やり抜く心を育てる12か月の法話も収録されている。
失敗するのはカッコ悪いことじゃない、あきらめることがカッコ悪いという園長の言葉は、そのまま家で使えるよ。

子どもの「やってみたい」をぐいぐい引き出す! 「自己肯定感」育成入門
平岩国泰 著|夜間飛行
¥1,760(税込)
5万人の子どもと向き合ってきたNPO代表が、12歳までに親ができることを33のメソッドにまとめた224ページ。ほめる親より気づく親になる、目標は非常識なくらい低く設定する、子どもを「ちょっと前の子ども」と比べる、親のしくじり話をどんどん話す——どれも逆向きの発想で、やる気を外から押すのではなく内から引き出す設計になっています。発売後まもなく4刷となり、推薦の声も集めた一冊です。
こんな人におすすめ
「ほめて伸ばす」を試しても反応が薄いと感じている親。目標設定や声かけの常識を一度疑ってみたい人。中学受験期の親の役割に迷っている人にも向きます。
良い点
- 33の具体メソッド
- 逆張りの発想が新鮮
- 中学受験期の記述も
気になる点
- ややビジネス書的な語り口
- STEP式の章立ては硬め
- 挿絵は少なめ
出版社
夜間飛行
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ものわかりが悪い親になる」って、目次で見て二度見しました。それって、わがままになれってことですか?
佐藤メバル
いいところに引っかかったね。気が利く親は先回りして答えを出してしまう。でもそれだと、子どもが自分で考える機会を奪ってしまうんだ。
だからあえて「それはどう思う?」と返す。親は365日保護者モードでなくていい、ときにはコーチ目線で突き放すという話につながる。
5万人を見てきた人の言葉だから、重みがあるよ。
橘ナナミ
目標を「非常識なくらい低く」設定するっていうのも、普通と逆ですよね。高く持たないと伸びないのかと思ってました。
佐藤メバル
そこもこの本の肝だね。低い目標を確実に越えると、「できた」という経験が積み上がる。ハードルを越えるたびに自己肯定感が育つから、結果的に遠くまで行ける。
ほめる親より気づく親、0.1ミリの成長に気づく、という話と一本につながっている。中学受験期の親の関わり方についての記述も、近年の関心に応える内容だよ。

イラストでわかる自己肯定感をのばす育て方
諸富祥彦 著|池田書店
¥1,480(税込)
3000人以上の親子をカウンセリングしてきた著者が、自己肯定感の育て方をイラストと図で整理した192ページ。言葉かけ、ワーク、日記、習慣といった形で、いますぐ使えるメソッドが並びます。ありのままの自分を認める「ほんものの自己肯定感」という切り口が特徴で、成功と幸せの秘訣は学力ではなく自己肯定感だという立場を、マンガ家モチコのイラストで柔らかく伝えています。
こんな人におすすめ
活字の分厚い本を前にすると心が折れる人。絵や図から入って要点をつかみたい人。カウンセリングの現場で実際に使われている声かけを知りたい人にも向きます。
良い点
- イラストで読みやすい
- 現場メソッドが豊富
- 入門書として最適
気になる点
- 深い理論は省かれがち
- 網羅性は中程度
- イラストの好みは分かれる
出版社
池田書店
発売日
2021年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
イラストでわかるって、正直いちばんありがたいです。子育て本って、見開きの文字量が多い印象があったので。
佐藤メバル
わかるよ。この本は、言葉かけ、ワーク、日記、習慣といった形で、現場で使われているメソッドを絵と一緒に見せてくれる。
著者は3000人以上の親子をカウンセリングしてきた人で、成功と幸せの秘訣は学力ではなく自己肯定感という立場を一貫して取っている。
マンガ家モチコの絵が、説教くささを消してくれているんだ。
橘ナナミ
「ほんものの自己肯定感」って言葉が出てきますけど、にせものの自己肯定感もあるんですか? そこが気になります。
佐藤メバル
そこを突っ込むのは鋭いね。この本では、ただ自分を認めるだけでなく、「自分を大切にしたい、自分の人生を大切に生きていきたい」という思いまで含めて、ほんものの自己肯定感と呼んでいる。
表面的に自分を好きと言うだけでは足りない、という整理だ。入門書でありながら、他の入門書が飛ばしがちな一歩先まで触れているのがいいところだよ。

みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典
石田勝紀 著|KADOKAWA
5万人以上の生徒を指導し、全国でママカフェを開いてきた著者による、場面別・性格別の言い換え事典。大人の前で話せない、宿題に時間がかかる、失敗を恐れて動けない、口答えばかり——よくある育児シーンごとに、つい出るネガティブワードをポジティブワードへ置き換える具体例を示します。各章の冒頭には書き下ろしのエッセイマンガが入り、音声プラットフォームと連携して実際のトーンまで確認できる構成です。
こんな人におすすめ
とっさに出てしまう言葉を変えたい親。語彙の引き出しを増やしたい人。活字が苦手でマンガから入りたい人、耳から学びたい人にも向きます。
良い点
- 場面別で探しやすい
- マンガと音声で再現しやすい
- 親の自己肯定感にも言及
気になる点
- 辞書型で通読には向かない
- 理論の説明は最小限
- 似た場面で項目が重なる
出版社
KADOKAWA
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
言い換え事典って、語彙力に自信がない私にも刺さります。子育てに限らず、バイト先でも使えそうです。
佐藤メバル
はは、それもいい使い方だね。この本は、大人の前で話せない、宿題に時間がかかる、ゲームに夢中、失敗を恐れて動けない、といったシーンごとに、かける言葉を具体的に置き換えていく。
場面別・性格別に並んでいるから、今まさに困っているところを開けばいい。5万人以上の生徒を見てきた人の実践がもとになっているよ。
橘ナナミ
音声プラットフォームと連携してるっていうのは、声のトーンまで確認できるんですね。文字だけだと伝わらない部分、ありますもんね。
佐藤メバル
そう、そこが珍しいところだね。同じ言葉でも、トーンが違えば響き方はまるで変わる。文章で読むより耳で聞くほうが早いという人にも届くようにできている。
マママンガ家によるエッセイマンガも各章の冒頭にあって、状況が具体的につかめる。似た本より、使い続けられる設計になっているよ。

最上のほめ方~自己肯定感を高める4つのステップ~
八田哲夫 著|光文社
世界10ヶ国でのべ100万人以上が触れたという「ほめ育」を、4つのステップに整理した一冊。幼稚園・保育園・こども園で3700回以上の講演・研修を行ってきた幼児教育のプロが、しつけとタイプ分け、自分ほめ、親子ほめを組み合わせて、わが子に合ったほめ方を示します。ほめるを技術として分解しているので、感情任せにならず、自立した世界基準の子どもに育つという筋道が見えるのが特徴です。
こんな人におすすめ
ほめたいのに言葉が出てこない親。上の子と下の子でほめ方を変えたい人。まず自分をほめる習慣から始めたい人にも向きます。
良い点
- 4ステップで手順が明確
- タイプ別のほめ方がある
- 講演3700回の実践知
気になる点
- 幼児期寄りの内容
- 大人向けの応用は少なめ
- 章の重複を感じる人も
出版社
光文社
発売日
2018年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
4つのステップって、具体的には何と何なんですか? しつけとタイプ分け……あと何かあった気がします。
佐藤メバル
しつけ、子のタイプ分け、自分ほめ、親子ほめの4つだね。面白いのは、自分ほめが入っているところ。
親が自分を認められないと、子どものよさにも気づきにくい。だから先に自分のハードルを下げる。そのうえでタイプに合わせてほめ方を変え、親子でほめ合う。
3700回以上の講演や研修をしてきた人が体系化しただけあって、順番に意味があるんだ。
橘ナナミ
自分ほめ、たしかに苦手かもしれません。自分のいいところを挙げろって言われると、急に固まってしまいます。
佐藤メバル
それ、多くの人がそうだよ。でも順番が効くんだ。親が自分のよさに目を向けられるようになると、子どもの小さな変化にも気づける。
ほめるを勘や根性に頼らせないのがこの本の設計で、タイプ分けがあるから、上の子と下の子で声のかけ方を変える目安にもなる。
未就学児くらいの子を持つ家庭で試しやすい内容だよ。

子どもの自己肯定感を高める「接し方・声のかけ方」自分で考えて生き抜く力をもつ子に育てるコツ
本多優子 著|ソシム
認定子育てハッピーアドバイザー/マイスターの著者が、接し方と声のかけ方をイラストつきで解説した一冊。自己肯定感を育む6つのポイント、場面ごとの上手な接し方・ほめ方・叱り方を、OK例とNG例を並べて示すので、自分の言い方がどちら側かひと目でわかります。親の気持ちを落ち着かせるアンガーマネジメントにもページが割かれ、『子育てハッピーアドバイス』シリーズの著者からも推薦が寄せられています。
こんな人におすすめ
つい声を荒らげてしまう自分を変えたい親。具体的な言い回しの手本がほしい人。短時間で要点をつかみ、今日からひとつ試したい人にも向きます。
良い点
- OK・NGの対比が明快
- アンガーマネジメントも収録
- イラストで読みやすい
気になる点
- 理論の掘り下げは浅め
- 内容は基礎的
- 網羅性は中程度
出版社
ソシム
発売日
2021年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
OK例とNG例を並べてくれるの、ありがたいですね。自分がどっちを言ってるか、たぶん一目でわかります。
佐藤メバル
そう、そこが使いやすいところだね。自己肯定感を育む6つのポイントを押さえたうえで、よくある場面の接し方、ほめ方、叱り方をOK・NGで見せてくれる。
正解を覚えるというより、自分の癖に気づく作りなんだ。しかも親自身の気持ちを落ち着かせるアンガーマネジメントまで入っている。
叱る前に自分を整える、という順番が現実的だよ。
橘ナナミ
アンガーマネジメントって、子育ての本ではあまり見かけない気がします。親の側のケアなんですね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の効くところだよ。子どもへの言葉を変えようとしても、親がカッとなっていたら続かない。
だから先に自分の感情の扱い方を学ぶ。叱り方の前に親の整え方がある、という構成になっている。この分野の入門書として長く読まれてきた『子育てハッピーアドバイス』の著者からの推薦も、内容の裏付けになるね。

親の習慣100 子どもの自己肯定感がどんどんあがる!
親野智可等 著|グラフィック社
¥1,650(税込)
重版を重ねた『親の言葉100』の続編として、親の習慣と思考のクセのほうから自己肯定感を扱った256ページ。叱らない習慣、親自身の自己肯定感を上げる習慣、効果的な褒め方の4章に、すぐできる100項目が並びます。毎日のハグ、ちょっとしたお手伝い、リフレーミングなど、特別な道具も時間もいらないものばかり。言葉編を先に読んだ人も、こちらで行動の側から整え直せます。
こんな人におすすめ
本を読んでも実行に移せないと感じてきた親。1日ひとつだけ習慣を足したい人。言葉だけでなく、家のルーティンごと変えたい人にも向きます。
良い点
- 100項目で実践しやすい
- 続編としての連続性がある
- 行動ベースで具体的
気になる点
- 理論の説明は少なめ
- 重複を感じる項目も
- 256頁はやや厚め
出版社
グラフィック社
発売日
2025年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
『親の言葉100』の続編なんですね。言葉は変えたけど、習慣までは手が回らない、という人向けですか?
佐藤メバル
その通りだね。叱らない習慣、親の自己肯定感を上げる習慣、効果的な褒め方、と章が分かれている。毎日のハグ、お手伝いの頼み方、リフレーミングのように、特別な道具がいらないものばかり100並んでいる。
言葉を変えても行動が伴わないと、子どもは違和感を覚えるから、この続編で行動の側を整えるのは理にかなっているよ。
橘ナナミ
ハグって、思春期に入ったら難しそうですけど、小さいうちは毎日でもできそうですね。うちの母もやってたのかな。
佐藤メバル
そうだね、早い時期ほど入りやすい習慣だよ。お手伝いを頼むのも、単に楽になるだけでなく、役に立っているという感覚を子どもに渡すことになる。
リフレーミングは、短所に見えるところを別の角度から言い直す技術で、これができると叱る場面がぐっと減る。
100項目あるので、今日の自分に必要な一つを選べばいい。

自己肯定感を高める最強の子育て
大坪信之 著|PHP研究所
¥1,100(税込)
世界200か所以上で展開する幼児教室のメソッドをもとに、自己肯定感と脳の力を両方育てる208ページ。右脳と左脳、両方の鍛え方をポイントとして示し、すぐ使える家庭教育法として整理しています。家庭でできるサポート術に重心があり、AI時代に負けないたくましさと知恵は親が家庭で育むものだという立場。教室に通わせる前に、まず家でできることを試したい人に向いています。
こんな人におすすめ
未就学児の親で、家庭でできる脳への働きかけを知りたい人。教室に通う前に、まず家でできることを試したい人。右脳・左脳という切り口に関心がある人にも。
良い点
- 家庭でできる具体策
- 教室メソッドがもと
- 価格が手頃
気になる点
- 未就学児向けが中心
- 学術的な裏付けは薄め
- 「6歳まで」に焦る人も
出版社
PHP研究所
発売日
2019年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
右脳と左脳、両方を鍛えるって、けっこう大胆な言い方ですよね。家庭でそんなことができるんでしょうか。
佐藤メバル
そこは教室メソッドがもとになっているから、具体的な働きかけが並んでいる。世界200か所以上で教えている幼児教室のやり方を、家庭用に落とした形だね。
自己肯定感と、AI時代に負けないたくましさを同時に育てるというのが狙い。頭の良さは6歳までに決まるという前提なので、対象は未就学児の家庭が中心になるよ。
橘ナナミ
6歳までって言われると、小さい子がいる家庭は焦りそうです。もう過ぎていたらどうしよう、と思ってしまいそう。
佐藤メバル
その焦りはもっともだね。ただ、この本の主眼は締め切りを突きつけることではなく、家庭で親ができるサポートを具体的に渡すことにある。
すぐ使える、すぐできるを合言葉のように、日常のなかで取り入れられる形にしてある。上の子が大きい家庭は、下の子で試しながら、上の子には自己肯定感の声かけだけ残す、という使い方もできるよ。

あなたはあなたのままでいい 子どもの自己肯定感を育む桑田家の子育て
桑田真紀 著|講談社
¥1,540(税込)
桑田真澄の息子として、野球をやって当然と思われる家庭に育ったMattの母親による164ページ。願いはただひとつ、親や周囲の期待ではなく、本人が心からやりたいことを見つけてほしいというものだったと書いています。子育てにわかりやすい正解はないし、期限もないという実感から語られるため、成功談というより、迷いながら進んだ記録として読めます。方法論ではなく物語から自己肯定感を考えたい人に向く一冊。
こんな人におすすめ
著名人の家庭の子育てに関心がある人。方法論に疲れたとき、体験記として読みたい人。親の期待と子どもの希望のあいだで揺れている人にも向きます。
良い点
- 当事者の体験記として読める
- 164頁で読み切りやすい
- 期待との向き合い方が主題
気になる点
- 具体的なノウハウは少なめ
- 環境が特殊で一般化しにくい
- 理論的な裏付けは薄め
出版社
講談社
発売日
2021年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
桑田真澄の息子であるMattの母親の本なんですね。著名人の家庭って環境が違いすぎて、参考にならないことも多い気がするんですけど。
佐藤メバル
その疑いを持つのは正しいと思う。ただ、この本の重心は成功の秘訣ではなく、親の期待と子の希望がずれるときにどうするかという迷いのほうにある。
息子が生まれたときから願いはただひとつ、本人が心からやりたいことを見つけてほしい、だったと書いている。
野球をやって当然と思われる家で、それを貫くのは簡単ではなかったはずだよ。
橘ナナミ
たしかに、うちの母も「あなたの好きなように」と言いつつ、けっこう期待はあった気がします。
佐藤メバル
はは、そういうものだよね。著者も、子どもが小さい頃はもちろん、成人した今でも「これでよかったのかな」と思い迷うことがあると正直に書いている。
子育てには正解も期限もないという前提で書かれているから、方法論の本を読むのに疲れたときに挟むと、肩の力が抜ける。
164ページと短いので、体験記として一気に読めるよ。

大谷翔平・羽生結弦の育て方 子どもの自己肯定感を高める41のヒント (幻冬舎単行本)
児玉光雄 著|幻冬舎
大谷翔平選手と羽生結弦選手の発言や子ども時代のエピソードを、スポーツ心理学の視点から読み解く一冊。二人には小さい頃から自己肯定感が非常に強い、メモを常に持ち歩いて書き留めていたなどの共通点があったと分析します。有能感を心に満たす、好きなことと得意なことを自覚する、逆境で折れる子と折れない子の違い、目標設定シートや自己暗示まで、夢をかなえる子に育てるヒントが41項目並びます。
こんな人におすすめ
スポーツや習い事で伸び悩む子を持つ親。一流の人の子ども時代から具体策を拾いたい人。目標設定やメンタルの整え方を知りたい人にも向きます。
良い点
- 実例が具体的で記憶に残る
- 41のヒントで拾い読み可
- メンタル面の記述が厚い
気になる点
- 本人の伝記ではない
- 分析には解釈が含まれる
- 再現性を求める人には物足りない
出版社
幻冬舎
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
大谷選手と羽生選手に共通点があったっていうのが気になります。メモ魔だったっていうのは意外でした。
佐藤メバル
そう、小さい頃からメモを持ち歩いて書き留めていたという共通点が挙げられている。あわせて、「自分はできる」と信じ続けたこと、良くない出来事にプラスの要素を見つける癖も挙げられている。
著者はスポーツ心理学の立場から、その発言や子ども時代のエピソードを分析している。伝記ではなく、親向けのヒント集として読む本だね。
橘ナナミ
目標設定シートとかSWOT分析用紙とか、けっこう具体的な道具が出てくるんですね。仕事みたいで面白いです。
佐藤メバル
そう、そこが特徴だね。有能感を満たす、好きなことと得意なことを自覚する、数値化でやる気と工夫を生む、寝る前のイメージトレーニング。
努力する前に必ずやっておくべきことという項目もある。一流の人の舞台裏を、家庭で使える形に翻訳してくれている。
ただし本人たちの伝記ではないので、そこは期待しすぎないほうがいいよ。

子どもの自己肯定感が高まる天使の口ぐせ
白崎あゆみ 著|マキノ出版
¥1,060(税込)
日常で無意識に使ってしまう「悪魔の口ぐせ」を減らし、「天使の口ぐせ」を増やすという切り口の176ページ。何回も言ったよね、こっちにしたら、ちょっと待って——といった実際の事例を挙げ、その場面で口にしたい言葉を具体的に示します。小さな言動の積み重ねが自己肯定感をつくるという立場で、親が見る世界も変わるというのが本書の主張。1060円と手に取りやすく、最初の一冊にも向きます。
こんな人におすすめ
毎日つい同じ小言を言ってしまう親。自分の口ぐせを見直したい人。育児書を何冊も読む前に、まず言葉だけ変えてみたい人にも向きます。
良い点
- 価格が手頃で入門向け
- 実例が身近で具体的
- 176頁で読み切りやすい
気になる点
- 理論の深掘りは少なめ
- 「悪魔」の表現は好みが分かれる
- 網羅性は限定的
出版社
マキノ出版
発売日
2020年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「悪魔の口ぐせ」って、聞いただけでドキッとします。「ちょっと待って」とか、私も普通に言いそうです。
佐藤メバル
そう、その「普通に言ってしまう」がテーマなんだ。悪魔の口ぐせとして、何回も言ったよね、こっちにしたら、ちょっと待って、といった実際の事例が挙げられている。
そのうえで、その場面で口にするといい天使の口ぐせを具体的に示してくれる。言葉を禁止するのではなく、置き換えるという発想が現実的で、続けやすいんだよ。
橘ナナミ
親が見る世界も変わる、っていう一文が気になります。子どもだけじゃなくて、お母さん自身も変わるんですね。
佐藤メバル
そこがこの本のうまいところだね。口ぐせが変わると、子どもの反応が変わり、それを見た親の見え方も変わる。
親と子の自己肯定感が同時に上がるという設計になっている。しかも176ページで1060円だから、分厚い本を前に迷っている人が最初に手に取るのにちょうどいい。肩肘張らずに読めるのが強みだよ。

子どもの自己肯定感がぐんぐん上がる アメリカ式子育てマジックフレーズ
シノブ・フィリップス 著|KADOKAWA
在米20年の著者が、アメリカの家庭や学校でリアルに使われるフレーズを紹介する一冊。他人と比較せず自分を愛する力、個人を尊重する力、自分で考えて決める力、人のせいにせず問題に向き合う力を育てる声かけが並びます。公認心理師の解説つきで、取り入れ方のコツと、日本の「協調して生きる力」と組み合わせる視点まで示されています。どちらが優れているかではなく、違う文化の工夫から学ぶ構成です。
こんな人におすすめ
海外的な声かけに関心がある人。英語のフレーズをそのまま使う機会がある家庭。日本の遠慮がちな褒め方に物足りなさを感じている人にも向きます。
良い点
- 実際に使われるフレーズが豊富
- 心理師の解説つき
- 文化比較の視点がある
気になる点
- 直訳では使いにくい表現も
- 場面設定は海外寄り
- 日本での場面設定は少なめ
出版社
KADOKAWA
発売日
2022年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
アメリカ式のフレーズって、英語のまま使うんですか? 日本語に直すと、ちょっと照れくさくなりそうなんですけど。
佐藤メバル
そこは著者も気にしていて、公認心理師の解説がついている。そのまま英語で使ってもいいし、日本語に置き換えてもいい。
大事なのは言い方の中にある考え方のほうで、他人と比較せず自分を愛する力、自分で考えて決める力といった目標が先に示されている。
どちらが優れているという話ではなく、工夫を持ち帰る本だね。
橘ナナミ
日本の「協調して生きる力」と組み合わせたら最強、みたいな書き方もされていましたよね。そこが面白いです。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の立ち位置だね。日本の子育てを否定せず、他人も自分も大事にする社会性につなげようとしている。
在米20年で感じたカルチャーショックと、実際の家庭や学校の声かけがセットで出てくるから、読んでいて具体物が多い。
ただ日本の教室の場面にそのまま当てはめにくいところもあるので、取捨選択して使うといいよ。

子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感
井上顕滋 著|幻冬舎
¥1,760(税込)
企業研修を20年以上手がけてきた著者が、そのプログラムを子ども向けに作り直して生まれた「こども成功塾」をもとに書いた200ページ。自己肯定感には母性愛と父性愛の2種類の愛情が必要だと説きます。ありのままを受け入れる母性愛で土台をつくり、ルールや規範のなかで目標を達成する父性愛を重ねる。片方が欠けると、自分を肯定できても挑戦できない状態になりうるという指摘が、他の本と一線を画します。
こんな人におすすめ
甘やかすだけではいけないと感じている親。優しさと厳しさのバランスに悩む人。企業研修の手法を子育てに応用した考え方に関心がある人にも。
良い点
- 愛情を2種類に整理
- ビジネス由来の実践知
- 心理学・脳科学に言及
気になる点
- 用語の印象は好みが分かれる
- 具体ワークは少なめ
- やや硬い文体
出版社
幻冬舎
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
母性愛と父性愛、両方必要っていうのは、シングルでもできるんでしょうか。そこが気になりました。
佐藤メバル
いい質問だね。ここでいう母性愛と父性愛は、性別ではなく役割のことだと捉えるといい。ありのままを受け入れる優しさと、社会のルールのなかで目標を達成させる厳しさ。
どちらか一方だけでは、失敗を恐れて挑戦できない状態になりうるというのが著者の主張だ。だから一人の親が場面によって両方を使い分ける、という読み方もできるよ。
橘ナナミ
企業研修のプログラムを子ども向けに作り直したっていう経緯も面白いですね。大人向けの手法が子どもに効くんですか。
佐藤メバル
著者は20年以上、企業の研修に携わってきた人で、そのなかで自己肯定感を高める方法を伝えてきた。それを子どもにもわかる形にすれば、同じように効くはずだと考えて「こども成功塾」を始めたんだ。
心理学と脳科学に基づくという言い方をしているように、感覚論で終わらせないところが持ち味だね。
ワークは多くないので、考え方を知る本として読むといい。

お母さんの自己肯定感を高める本
松村亜里 著|WAVE出版
¥1,060(税込)
子の自己肯定感を願う前に、まず母親自身が「どうせ私なんて」を手放す。そんな角度から書かれた224ページ。コロンビア大学で修士号を取った心理学者が、NYで広まったポジティブ心理学をベースに、幸せになることで自然と自己肯定感が高まるという考え方を示します。感謝の種を見つける、きらめく過去を思い出す、「夢中」を再発見するなど、14の行動習慣がワーク形式で並びます。
こんな人におすすめ
自分の自己肯定感が低いまま子育てしていると感じる人。ワークを一つずつ試したい人。ポジティブ心理学の考え方に触れてみたい人にも向きます。
良い点
- 14のワークで実践的
- 親向けの視点が明確
- 1060円で手に取りやすい
気になる点
- 子育ての具体場面は少なめ
- ワークは時間が要る
- 心理学用語がやや多め
出版社
WAVE出版
発売日
2020年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
子どもではなく、お母さんの自己肯定感を高める本なんですね。順番としては、こちらが先なんでしょうか。
佐藤メバル
そこがこの本の主張するところだね。母親が「どうせ私なんて」と思っていると、その埋め合わせとして子どもに夢を託しすぎたり、競争を強いたりしてしまう。
だから先に親が満たされる。しかも自己肯定感は高めようと思って高まるものではなく、幸せになることで自然と高まると説いている。発想を変える一冊だよ。
橘ナナミ
感謝の種を見つける、きらめく過去を思い出す……14個のワークがあるんですね。1週間ずつくらいで進めるんですか?
佐藤メバル
そう、いくつかは1週間単位で取り組む形になっている。「今」を1週間感じる、動いてさっぱりする1週間、といった具合だね。
動いて整える回と、考える回が交互に来る構成で、座って考えるのが苦手な人でも進めやすい。1060円で224ページだから、自分のための一冊として買いやすいのもいいところだよ。

自信のある子どもに育てるにはママの自己肯定感がカギ
富所さゆり 著|ギャラクシーブックス
¥1,430(税込)
自己肯定感を高める方法論にとどまらず、悩みを根本から解決するために大切なことをまとめた120ページ。「自分を好きになるために」「自信を持つために」という入口の先にある、考え方の土台を扱っています。子どもや自分の自己肯定感が気になる人、子育て中にモヤモヤしている人、教育関係者に向けて書かれ、読むと納得が続く構成。短い分量ながら、親と子の自己肯定感をセットで捉える視点が一貫しています。
こんな人におすすめ
方法論をいくつも試して、しっくりこなかった人。悩みの根っこから見直したい人。120ページで短くまとまった本を探している人、教育関係者にも向きます。
良い点
- 120頁で読み切りやすい
- 親子をセットで扱う
- 教育関係者にも開かれている
気になる点
- ページ数の割に価格は高め
- 具体ワークは少なめ
- 事例の紹介は控えめ
出版社
ギャラクシーブックス
発売日
2024年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
25冊目にして、またお母さん自身の自己肯定感なんですね。最後にここへ戻ってくる感じがします。
佐藤メバル
そう、そこがこの企画の着地点だよ。この本は「自分を好きになるために」「自信を持つために」という方法論にとどまらず、悩みの根本から解決していくために大切なことを集めている。
入口の先にある考え方の土台を扱う本だね。120ページと短いけれど、子どもと自分の自己肯定感をセットで見る視点が一貫している。
橘ナナミ
教育関係者にも向けて書かれているのが気になります。学校の先生が読んでも、何か変わるんでしょうか。
佐藤メバル
そこは大きいと思う。親も先生も、目の前の子に言葉をかける前に、自分がどう自分を見ているかが影響するからね。
この本は、子育て中でモヤモヤしている人にも届くように書かれている。納得の連続という言葉が似合う構成で、読後は子どもへの見方より、自分への見方が先に変わる。
それが結果として子どもの自信につながるんだよ。
教育メソッド本は「地図」として読む——エビデンスの見分け方
橘ナナミ
モンテッソーリとかアドラーとか、名前だけは聞いたことがあります。初心者がいきなり手を出しても大丈夫ですか?
佐藤メバル
入り口としては悪くないよ。ただ、メソッド本は「わが子の取扱説明書」ではなく「考え方の地図」だと思って読んでほしい。モンテッソーリやレッジョ・エミリアに触れるなら、『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』がいい。メソッドの紹介そのものではなく、ほめ方・叱り方という日々の声かけに落とし込んでくれている。アドラー心理学を掲げる本も棚には多いけれど、「この子にはこれが正解」と断定する本より、「なぜそうするのか」を説明している本のほうが応用がきく。
橘ナナミ
エビデンスがあるかどうかって、どう見分けるんですか?
佐藤メバル
目次と「はじめに」で、根拠の出どころが書かれているかを見る。オックスフォードの児童発達学、脳科学、ポジティブ心理学——立場が明示されている本は、どこまでが事実で、どこからが著者の解釈かを自分で切り分けられる。逆に「これをやれば必ず」と断言する本は、いったん距離を置いていい。子育てに、全員に効く必殺技はないからね。
読んだあとに何をするか——家庭で使えるワークと、パパ・きょうだいの視点
橘ナナミ
本を読んで「いい話だった」で終わりそうで怖いです。
佐藤メバル
そこは意識してほしい。ワークが載っている本を選ぶと、読みっぱなしになりにくい。『12歳までの自己肯定感の育て方で、その後の人生が決まる』は親子で取り組む簡単なワークが中心だし、『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』にも、親子でやるワークが付録として用意されている。『イラストでわかる自己肯定感をのばす育て方』なら、言葉かけ・ワーク・日記・習慣という形で行動に落とし込める。
橘ナナミ
うちの親は父がほぼノータッチだったんですけど、パパの本ってあるんですか?
佐藤メバル
あるよ。『男の子の「自己肯定感」を高める育て方』は、お母さんに向けて書かれているけれど、父親の関わり方にも章が割かれている。『子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感』は、ありのままを受け入れる母性愛と、ルールや規範のなかで目標を達成する力を育む父性愛、その両方が要ると説く。片方だけでは「ニセモノの自己肯定感」になりうる、という指摘は印象的だよ。
橘ナナミ
きょうだいがいる場合の葛藤はどうでしょうか。
佐藤メバル
それも『自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方』が、きょうだいげんかの場面として取り上げている。『女の子の「自己肯定感」を高める育て方』には、できる姉や妹、手のかかる弟がいる子への接し方という項目もある。上の子ばかり我慢させている、と気づいたら、そこが読むべきページだね。
それでも変わらないときの相談先と、紙・電子・図書館の使い分け
橘ナナミ
本を読んで実践しても、変わらないときは……?
佐藤メバル
まず、本は万能じゃないと認めてあげてほしい。「読んでも変わらない」は、あなたのやり方が間違っているという意味ではない。それでもつらい状態が続くなら、スクールカウンセラーや自治体の相談窓口、医療機関といった専門機関につながってほしい。とくに「学校に行きたくない」が長引くとき、心身の不調が続くときは、本だけで抱え込まないほうがいい。本棚の隣に、相談先を並べておく感じだよ。
橘ナナミ
入手方法も知りたいです。電子と図書館、どう使い分ければいいんでしょう?
佐藤メバル
何度も読み返す1冊——たとえば自分の軸になる理論書——は、手元に置くのがいい。スマホで調べたい声かけの本は電子が便利。逆に、まず自分の悩みに合う本を探す段階なら、図書館で何冊か並べて「はじめに」だけ読んで選ぶのがいちばん賢い。買ってから合わなかった、が減るからね。『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』のように、端末によって読みやすさが変わる本もあるから、試し読みで確かめてから決めると安心だよ。
よくある質問
自己肯定感を育てる本は何歳から読ませればいい?
橘ナナミ
自己肯定感を育てる本は何歳から読ませればいいについて教えてください。
佐藤メバル
今回紹介する本は、ほとんどが親向けに書かれたものです。対象年齢は書名や内容に明記されていて、『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は3〜12歳、『脳科学者が教える 子どもの自己肯定感は3・7・10歳で決まる』は乳幼児期からの脳の発達を扱っています。子ども自身が読む読み物として作られたものは少ないので、まず親が読み、わが子に合う言葉を選んで会話で渡すのが現実的です。
親が読むべき本と子どもに読ませる本はどう違う?
橘ナナミ
親が読むべき本と子どもに読ませる本はどう違うについて教えてください。
佐藤メバル
親が読む本は、親の接し方や言葉を変えるためのものです。『何があっても「大丈夫。」と思える子に育つ 子どもの自己肯定感の教科書』は、親の接し方を体系立てて解説しています。一方、『12歳までの自己肯定感の育て方で、その後の人生が決まる』のように、親子でいっしょに取り組むワークを載せた本もあります。まず自分が読むのか、隣で子と開くのかを決めてから選ぶと迷いません。
自己肯定感が低い子にはどんな声かけの本がおすすめ?
橘ナナミ
自己肯定感が低い子にはどんな声かけの本がおすすめについて教えてください。
佐藤メバル
場面別に引ける辞書型が使いやすいです。『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』は、つい言ってしまうネガティブワードをポジティブワードに置き換える形で示しています。『子どもの自己肯定感が高まる ほめ方・叱り方の新常識100』も100項目で具体的です。叱ったあとに落ち込んだときの処方箋まで書かれている本を選ぶと、親の側も救われます。
マンガやイラスト中心で読みやすい本はある?
橘ナナミ
マンガやイラスト中心で読みやすい本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
『イラストでわかる自己肯定感をのばす育て方』は、イラストと図で自己肯定感の考え方を追える構成です。『みんなの自己肯定感を高める 子育て言い換え事典』も、各章の冒頭に描き下ろしのエッセイマンガが入っています。文字中心の本が苦手でも、場面から入れるので取っつきやすいですよ。
HSCや発達特性のある子にも使える本はある?
橘ナナミ
HSCや発達特性のある子にも使える本はあるについて教えてください。
佐藤メバル
HSC(非常に敏感な子)という言葉を書名に掲げた本は、このラインナップにはありません。発達特性に関わる場面は『自己肯定感で子どもが伸びる 12歳までの心と脳の育て方』が日常の難しい場面として扱っていますが、本で判断せず、気になる場合は専門機関に相談する前提で読んでください。本は診断の代わりにはなりません。
モンテッソーリやアドラーの本は初心者でも読める?
橘ナナミ
モンテッソーリやアドラーの本は初心者でも読めるについて教えてください。
佐藤メバル
入門として読めます。『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は、モンテッソーリとレッジョ・エミリアを踏まえつつ、日々の声かけに落とし込んだ内容です。メソッドの全体像を暗記するというより、「なぜそうするのか」を1つ持ち帰る読み方から始めると、挫折しません。
本を読んでも変化を感じないときはどうすればいい?
橘ナナミ
本を読んでも変化を感じないときはどうすればいいについて教えてください。
佐藤メバル
まず、本は万能ではないと認めるところからです。読んでも変わらないのは、あなたのやり方が間違っているからではありません。それでもつらさが続くなら、スクールカウンセラーや自治体の相談窓口、医療機関など、専門機関につながってください。本だけで抱え込まないことが大切です。
電子書籍や図書館でも同じ本は読める?
橘ナナミ
電子書籍や図書館でも同じ本は読めるについて教えてください。
佐藤メバル
出版社によっては電子版も出ていますが、紙だけの本もあります。書名で検索して、電子の有無と試し読みを確かめるのが確実です。図書館なら複数冊を並べて「はじめに」を読み比べられ、自分に合う1冊を選びやすくなります。手元に置いて何度も開く本は紙、調べる用は電子、という使い分けがおすすめです。
まとめ
橘ナナミ
今日の話でいちばん刺さったのは「高ければいいわけじゃない」でした。私、自分の自己肯定感をテストの点数みたいに考えてました。
佐藤メバル
それ、多くの人がそうだよ。書店員だった頃、「自己肯定感を上げる」と帯に書かれた本を、ちょうど自己肯定感が下がっているときに買っていく人がたくさんいた。でも、そういう人にいちばん効いたのは、テクニックの本じゃなくて、定義を丁寧に説明している本だったりした。順番が大事なんだよね。
橘ナナミ
順番……定義、しくみ、それから声かけ、ですか。
佐藤メバル
そう。それと忘れてほしくないのは、親自身の自己肯定感。『お母さんの自己肯定感を高める本』は、幸せになることで自己肯定感は自然と高まるという考え方で、行動習慣を紹介している。『自信のある子どもに育てるにはママの自己肯定感がカギ』も同じ方向を向いた本だ。子どもを変える前に、まず自分を責めないこと。それが結果的にいちばん効く。
橘ナナミ
子どもを変える前に、自分を責めない。メモします。
佐藤メバル
そして、選べる本がたくさんあるからこそ、全部読まなくていい。1冊を、何度も開けばいい。自己肯定感は、一度取ったら終わりの免許証じゃなくて、毎日握り直すおにぎりみたいなものだよ。少し形が崩れても、また握ればいい。本は、その手のひらの感覚を思い出させてくれる道具なんだ。
