石原さとみ子育て本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のお題は「石原さとみ 子育て 本」ですよね。正直、芸能人の方が読んでいた本って、それだけで手に取ってみたくなる気持ちはわかるんです。でも、それが自分の育児の役に立つのかは、よくわからなくて。
佐藤メバル
いい質問だね。まさにそこがこの記事の入口なんだ。石原さとみさんが番組で涙したとされる『はじめてお母さんになったわたしへ』は、手順を教える実用書ではなく、初めてお母さんになった人の気持ちに寄り添うタイプの一冊。同じ本を読めば同じ安心が手に入る、というものではないんだよ。
橘ナナミ
なるほど…! つまり「入口」であって「答え」ではない、ということですか。
佐藤メバル
そう。彼女が語った「ひとりで頑張らない」「思い通りにならない前提でいる」という子育て観は、共感型の育児書がずっと支えてきた考え方なんだ。だから今日は、その系譜をたどりながら、メンタルケア・実用・発達しつけ・絵本という4つのジャンルに整理して、月齢や読み手で選べる地図をつくっていこう。
橘ナナミ
それ気になります! さっそく選び方からお願いします。
石原さとみ子育て本の選び方
目的別:メンタルケア/実用/発達・しつけ/きょうだい・上の子ケア
橘ナナミ
同じ育児書でも、目的によって選ぶ本は変わるんですか。
佐藤メバル
大きく変わる。心が疲れている日は、実用書ではなくメンタルの本。Joe『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』や篠真希『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』は、できていない自分を責めずに済むように書かれている。逆に段取りに困っているなら、成田奈緒子の『はじめてママ&パパのしつけと育脳』のような実用書。声かけなら島村華子『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』、天野ひかり『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』。きょうだいの葛藤は専用の1冊を足す。1冊で全部まかなおうとしないのがコツだよ。
月齢・年齢別:0歳/1〜2歳/3歳以上/就学前
橘ナナミ
0歳のうちは、何を読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
0歳は関係づくりの本が効く。サリー・ウォード『「語りかけ」育児』は0〜4歳を対象に、1日30分という枠で語りかけを具体的に紹介している。児童精神科医・佐々木正美『子どもへのまなざし』も乳幼児期の土台を語る一冊だ。1〜2歳で行動が増えたら、イザベル・フィリオザ『子どもの気持ちがわかる本』が年代別に困った場面を追える。3歳以降は島村華子の本が対象とする時期に入り、就学前は立石美津子『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』のように、手を離す方向へ切り替えていく。
形式別と読みやすさ:紙/電子/オーディオ/コミックエッセイ
橘ナナミ
片手で赤ちゃんを抱えていると、本を開くのも大変そうで…。
佐藤メバル
そこは形式で解決できる。寝かしつけの合間なら電子書籍、耳が空いているならオーディオブック、活字が重い日はコミックエッセイだ。ボーク重子『しなさいと言わない子育て』はマンガ版で、非認知能力という言葉に身構える人ほど入りやすい。天野ひかりの本もマンガで親子の視点の違いを描いていて、活字が苦手な読者を想定している。
読み手別:ママ/パパ/夫婦で共有/祖父母・支援者
橘ナナミ
パパ向け、祖父母向けという切り分けもあるんですか。
佐藤メバル
あるよ。『子どもへのまなざし』は育児に関わる人全体に向けて書かれているから、プレパパの土台にもなる。夫婦で共有するなら、森田麻里子『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』のように「常識」をデータで確かめられる本が向いている。二人で同じ根拠を見ていると、方針のぶつかり合いが減るんだ。祖父母に渡すなら、佐々木正美『この子はこの子のままでいいと思える本』のように、かわいがることの意味をやさしく語る本が角が立たない。
鮮度別:ロングセラーか最新情報か
橘ナナミ
発行年って、気にしたほうがいいんでしょうか。
佐藤メバル
使い分けだね。佐々木正美『子育てのきほん』は10年読み継がれて新装版になり、オールカラーの描きおろし漫画が加わった。普遍の部分は古びない。一方、睡眠やネットの扱いなど研究が更新される領域は新しい本が強い。中室牧子『科学的根拠で子育て』やメリンダ・ウェナー・モイヤー『うちの子、このままで大丈夫?がスーッと消える 科学的に正しい子育ての新常識』がそれにあたる。土台はロングセラーで、更新情報は新刊で。これが書店員時代から変わらない僕の薦め方だよ。
石原さとみ子育て本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
石原さとみ子育て本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
加藤紀子 著|ダイヤモンド社
¥1,230(税込)
教育学・心理学・脳科学など200以上の資料と膨大な取材から「本当にためになる」ことだけを100項目に厳選し、421の具体策まで落とし込んだ一冊。家庭学習、遊び、習い事、ほめ方・叱り方、読書、スマホ、ゲーム、食事、睡眠、運動までを横断する網羅性が核。玉石混淆の助言を整理したい人に向き、佐々木正美や成田奈緒子の一テーマを深く掘る本とは役割が違う。
こんな人におすすめ
何から手をつけるか迷う0〜小学生の親、複数の育児書を比較する前に全体像をつかみたい人、テレビやネットの情報に振り回されたくない人、夫婦で同じ前提を共有したい家庭。辞書的に引ける構成なので、悩みが具体化したときに該当章だけ開く使い方も合う。
良い点
- 100テーマ×421の具体策で網羅性が高い
- 学術研究や取材の裏付けがある
- 悩みから逆引きできる構成
気になる点
- 情報量が多く通読は疲れる
- 一つあたりの深掘りは浅め
- 読む前に悩みを絞らないと迷う
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てベスト100」って、タイトルからしてもう全部入りですよね。100個もあって、逆に何から読めばいいのか分からなくなりそうです。
佐藤メバル
いい質問だね。この本は最初から通す読み物というより、悩みから逆引きする事典に近い。教育学、生理学、心理学、脳科学など200以上の資料と取材から「これは本当にためになる」と著者がふるいにかけた100項目に、421の具体策が付いている。
コミュニケーション、家での勉強、遊び、習い事、ほめ方・叱り方、読書、スマホ、ゲーム、食事、睡眠、運動まで全部入っている。
橘ナナミ
全部入りって、いい方を変えるとどれも浅いということではないんですか。一冊で安心したい気持ちと、物足りなさそうな気持ちが半々で…。
佐藤メバル
そこは正直に言うと、一テーマを深く掘る本ではない。佐々木正美の本は乳幼児期のまなざしをじっくり語るし、成田奈緒子の本は0〜3歳の脳育てに絞っている。
この本はどこに何があるかを知る地図として強くて、気になった章から専門書に進む入口になる。最初の一冊に向いているよ。

子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木正美 著|福音館書店
¥2,090(税込)
児童精神科医の佐々木正美が、臨床経験をふまえて乳幼児期の育児の大切さを語る、育児に関わる人の必読書。子どもにとって乳幼児期が人間の基礎をつくるもっとも重要な時期だという前提から、日々の関わりを丁寧に描く。長く読み継がれてきた厚みがあり、具体策を並べる実用書とは違い「なぜそう関わるのか」という土台を考えさせられる。324ページの読み応えも魅力。
こんな人におすすめ
育児の意味そのものを考えたい0〜3歳前後の親、保育士や幼稚園教諭など子どもに関わる仕事の人、実用テクニックより姿勢を整えたい人、繰り返し読み返して軸を持ちたい人。座右に置いて少しずつ読むのが合う。
良い点
- 臨床経験に裏打ちされた語りに説得力
- 乳幼児期の意味を根本から考えられる
- 育児職にも読み継がれる定番
気になる点
- 厚く通読に時間がかかる
- すぐ使える具体策は少なめ
- 0〜3歳中心で就学後は薄い
出版社
福音館書店
発売日
1998年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐々木正美の本が何冊も並んでいて、「子どもへのまなざし」は福音館から出ているんですね。絵本の出版社から育児書って、ちょっと意外です。
佐藤メバル
そこが面白いところでね。福音館は絵本で知られているけれど、この本は324ページの単行本としてきちんと作られている。
著者は児童精神科医で、臨床の場でたくさんの親子を見てきた人。乳幼児期が人間の基礎をつくる一番重要な時期だという前提で、育児の意味をじっくり語る。
ハウツーより土台を求める人に向く一冊だよ。
橘ナナミ
ハウツーじゃないなら、読み切れるか不安です。育児でヘトヘトのときに読む本なんでしょうか、それとも元気なとき用ですか?
佐藤メバル
通して一気に読む必要はない。気になった章を開いて、数ページで閉じる。そういう付き合い方ができる本だよ。
前に書店で、子育て中の方が何度も同じページを開いて買っていくのを見たことがある。読み返すたびに違う場所が響くタイプの本で、出産前から手元に置いてもいい。

子育てのきほん 新装版 (一般書)
佐々木正美 著|ポプラ社
¥1,540(税込)
児童精神科医として50年活躍した著者がたどり着いた、圧倒的にシンプルでやさしい子育ての心構えを55のメッセージでまとめた一冊。「子育ては過保護でいい」「いくら抱いても甘やかしてもいい」「子どもが望む親になってください」といった言葉が軸。描きおろし漫画が加わりオールカラーになった新装版で、子育てで悩んだときに開けばヒントがある、という紹介の言葉も寄せられている。
こんな人におすすめ
育児書を初めて手に取る人、育児に自信が持てず不安が大きい人、佐々木正美の考え方に初めて触れる人、家族や祖父母にも渡して共有したい人。短いメッセージ単位なので、寝る前に数ページずつ読む使い方も合う。
良い点
- 文章がやさしく初めてでも入りやすい
- オールカラーで漫画も加わった
- 55の短いメッセージで読み返しやすい
気になる点
- 内容の重複を感じる箇所がある
- 具体的な対処法は少ない
- 厚みの割に情報量は多くない
出版社
ポプラ社
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐々木正美の「子育てのきほん」って、新装版が出てるんですね。オールカラーって、育児書では珍しくないですか?
佐藤メバル
珍しいね。もともと10年読み継がれてきた本に描きおろしの漫画を足して、全部カラーにした。中身は児童精神科医として50年やってきた人がたどり着いた55のメッセージで、「過保護でいい」「いくら抱いてもいい」と、とにかくシンプル。
最初に読む育児書として作られているから、飾りが少ないぶん届きやすい。
橘ナナミ
「いくら甘やかしてもいい」って、しつけはどうなるんだろうって思っちゃいます。甘やかすとわがままになりませんか?
佐藤メバル
その問いこそ、この本が正面から扱っているところ。「かわいがられるからいい子になる」のであって、いい子だからかわいがるのではない、という考え方なんだ。
甘やかすことと、親が望む子に育てようとすることは別だと著者は繰り返す。子育てで悩んだとき開くと、ヒントが置いてある。

はじめてママ&パパのしつけと育脳 ― 0-3才までに絶対しておきたい「脳育て」のコツがよくわかる! (実用No.1シリーズ)
成田奈緒子 著|主婦の友社
¥1,980(税込)
小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子が監修し、0〜3歳でできることをまとめた保存版。発達カレンダーや1日の過ごし方、時期別の脳育てのコツ、しつけ、頭のいい子が育つ食事、親子遊び、家庭教育と習い事までを、漫画・イラスト・写真・図解で整理している。専門用語を避けた見やすさが核で、読み物としてのモンテッソーリ本とは違い生活の中の手順に落としている。
こんな人におすすめ
0〜3歳の子どもを持つ初めてのママ・パパ、早寝早起きやイヤイヤ期への対応を手順として知りたい人、祖父母と育児方針を共有したい家庭、忙しくて長い文章を読む時間が取りにくい人。手元に置いて引く使い方に向く。
良い点
- 発達カレンダーで見通しが立つ
- 図解と漫画で読みやすい
- 食事や習い事まで範囲が広い
気になる点
- 0〜3歳限定で対象が狭い
- 深い議論より実務的
- 監修者の考え方に沿う内容
出版社
主婦の友社
発売日
2017年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この「はじめてママ&パパ」シリーズ、書店でも平積みですよね。しつけと育脳って、タイトルからして欲張りな感じがします。
佐藤メバル
シリーズの中でも人気の一冊だね。監修は小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子で、売りは難しさを排したところにある。
巻頭に0〜5才の心と体の発達カレンダーがあって、時期ごとに何をすればいいか、漫画と図解で追える。
早寝早起き、公共マナー、イヤイヤ期、はしの持ち方、トイレトレーニングまで具体だ。
橘ナナミ
発達カレンダーって、うちの子のペースとズレていたら焦ってしまいそうです。目安として見ていいんでしょうか。
佐藤メバル
目安として見るのがいい。この本は「何をしてはいけないか」も含めて、親が生活をどう組むかを示している。
専門家のインタビューも入っていて、複数の視点に触れられる。全部を守る必要はないから、できている項目を確認する使い方のほうが気楽だよ。

0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす! (単行本)
藤崎達宏 著|三笠書房
¥1,540(税込)
イタリア女性初の医学博士マリア・モンテッソーリが生み出した教育法を、0〜3歳の家庭で実践する形に落とした一冊。妊娠中から始めるコーナー作り、手作り教具、3本指の活動、トイレトレーニング、魔の2歳児の乗り越え方など、親がすべき30のことを写真と実例で紹介する。集中力・判断力・自律がこの3年間で大きく開花するという見立てが土台。自宅で今日から試せる具体性が核。
こんな人におすすめ
0〜3歳の子を持つ親、モンテッソーリに興味があるが教室に通う前に知りたい人、環境づくりから始めたい人、手作りの教具やおもちゃに関心がある人。写真と実例が多いので、実践しながら見返す使い方に向く。
良い点
- 写真と実例が多く真似しやすい
- 環境づくりから具体的に示す
- 0〜3歳に絞った実践構成
気になる点
- モンテッソーリの理論背景は薄め
- 手作り前提の項目が多い
- 対象年齢が限られる
出版社
三笠書房
発売日
2018年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
モンテッソーリ教育って、聞いたことはあるんですが、教室に通わないとできないイメージでした。家でもできるものなんですか?
佐藤メバル
できるよ、というのがこの本の主旨だね。マリア・モンテッソーリが生み出した教育法を、0〜3歳の家庭向けに30の項目へ整理している。
妊娠中から始めるコーナー作り、手作り教具、3本指の活動、トイレトレーニング、魔の2歳児の乗り越え方まで、写真と実例で具体的に紹介している。
橘ナナミ
手作り教具って、工作が苦手な親にはハードルが高そうで。買えば済む話ではないんですかね?
佐藤メバル
市販のもので代用できる話も出てくるけれど、この本の力点は子どもが自分で選べる場所を整えることにある。
教具を作ること自体が目的ではないんだ。環境を整えるという視点で読むと、手持ちの道具でも応用が利くよ。
親はゆったり、子どもはのびのび、という姿勢が繰り返し出てくる。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
島村華子 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
モンテッソーリとレッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が、エビデンスに基づく声かけを3〜12歳向けにまとめた一冊。「すごい」「よくできたね」といったほめ方が自主性を奪いかねないこと、罰を与える叱り方の落とし穴、アクティブ・リスニングの4つのポイントまでを章立てで示す。ほめ方・叱り方に特化した点が独自。
こんな人におすすめ
ほめているのに響いていないと感じる親、叱り方が分からず自己嫌悪になりがちな人、3〜12歳の子どもと関係を立て直したい人、声かけを具体的な言葉として知りたい人。家庭で今日から使える形を求める人に向く。
良い点
- ほめ方と叱り方に絞った構成
- 研究の裏付けがある
- Q&Aで困りごとを引ける
気になる点
- 対象が3〜12歳に限られる
- 理論パートはやや硬い
- 文化差を感じる箇所がある
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごい!」「よくできたね!」って、私も子どもの頃に言われて育った気がします。それが自主性を奪うかもしれないというのは、けっこう衝撃なんですけど…。
佐藤メバル
そこがこの本の出発点だね。著者はオックスフォードの児童発達学博士で、モンテッソーリとレッジョ・エミリアを知り尽くした人。
日本人の自己肯定感が低いのはほめ不足ではなく、ほめ方や叱り方が非効率なせいかもしれない、という問題提起から始まる。
条件付き子育てのデメリットや、罰を与える叱り方がNGな理由まで、エビデンスをもとに書かれている。
橘ナナミ
じゃあ、具体的にどう言えばいいんですか? 抽象論で終わると、現場で言葉が出てこない気がします。
佐藤メバル
そこを埋めるために、章の後半がQ&Aになっている。年齢別にどう変えるか、厳しく叱らないと言うことを聞かないときはどうするか、といった場面ごとに答えが引ける。
アクティブ・リスニングの4つのポイントも手順として紹介されているから、練習できるよ。

3歳までの子育てに大切なたった5つのこと (健康ライブラリースペシャル)
佐々木正美 著|講談社
¥1,650(税込)
育児にはたくさんのコツがあるが、全部を気にしていたら疲れてしまう。児童精神科医の佐々木正美が、多くの家族を見てきた立場から、母親・父親に伝えたいメッセージを5つに絞った102ページの一冊。ポイントを5つに限定した潔さが核で、すぐできる具体的な工夫も示される。保育士や幼稚園教諭、祖父母にも薦められる構成で、読む人を選ばない。
こんな人におすすめ
育児書を読んでも項目が多すぎて疲れてしまう人、3歳までの関わりを短時間で押さえたい人、保育士や幼稚園教諭など複数の子どもを見る立場の人、祖父母にも渡したい人。薄くて読み切りやすいので、隙間時間に向く。
良い点
- 102ページで読み切りやすい
- 5点に絞られ迷わない
- 保育の現場でも使える
気になる点
- 内容はかなり簡潔
- 詳しい背景説明は省かれる
- 3歳までが対象
出版社
講談社
発売日
2013年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
102ページって、育児書にしてはすごく薄いですよね。5つのことだけ、という思い切った構成だなと思います。
佐藤メバル
そこが狙いなんだ。育児のポイントやコツは山ほどあるけれど、全部を気にしていたら親も先生も疲れてしまう。
だから佐々木正美が多くの家族を見てきた中で、伝えたいことを5つに絞った。読むだけで子どもの表情が変わると言われるような内容で、すぐできる具体的な工夫も入っている。保育の現場でも薦められているよ。
橘ナナミ
薄いぶん、物足りなさはありませんか? もっと詳しく知りたくなったら、次は何を読めばいいんでしょう。
佐藤メバル
そこは潔く割り切って、入口として使う本だね。読み終えたら「子どもへのまなざし」のような厚い本に進めば、同じ著者の考えが立体的に見えてくる。
まず5つだけ持ち帰って、今日からやってみる。それで十分だと思うよ。

お試し特別版 「語りかけ」育児~0~4歳 わが子の発達に合わせた 1日30分間~ 「語りかけ」育児
サリー・ウォード 著|小学館
1日30分、静かな環境で赤ちゃんの興味に沿って遊び語りかけることで、才能を引き出しコミュニケーション能力を育てる「語りかけ育児」を紹介する翻訳書。イギリスで心と知能の発達への効果が立証され、政府が推奨を決めた方法として知られる。月齢別に言葉・おもちゃ・遊び方を示す構成で、思春期の問題を未然に防ぐ面も指摘される。手に取りやすい特別版で出ている。
こんな人におすすめ
0〜4歳の子どもを持つ親、何を話しかければいいか分からず戸惑う人、テレビや動画に頼りすぎていると感じる人、言語やコミュニケーションの発達を意識したい人。1日30分という枠で続けたい人に向く。
良い点
- 月齢別で今日から実践できる
- 30分という時間の目安が明確
- 静かな環境づくりまで含む
気になる点
- 特別版で収録内容は限られる
- 翻訳の言い回しに馴染みが要る
- 効果の感じ方に個人差がある
出版社
小学館
発売日
2017年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「語りかけ育児」って、名前は聞いたことがあります。1日30分って、意外と短いような、長いような気がします。
佐藤メバル
そこが絶妙なんだよね。1日30分だけ、静かな環境で、赤ちゃんの興味に沿って遊んだり語りかけたりする。
それで心と知能を伸ばし、「自分が大好き」と言える子を育てるという考え方。イギリスで効果が立証されて、政府が推奨を決めたことでも知られる。
月齢別に言葉やおもちゃが示されているから、迷いにくい。
橘ナナミ
静かな環境って、うちは上の子がいて常に騒がしいんです。それだと成立しないんでしょうか。
佐藤メバル
理想は静かな場所だけれど、本質はお母さんが自分にしっかり向き合ってくれるという安心感を与えることだと本は説明している。
時間を守ることより、子どもの興味に沿うことのほうが大事。親子の関係が良好になり、思春期の問題を未然に防ぐ面も指摘されているよ。

非認知能力を育てる あそびのレシピ 0歳~5歳児のあと伸びする力を高める (こころライブラリー)
大豆生田啓友 著|講談社
意欲、粘り強さ、自己抑制、社会性、自尊心といった「非認知能力」を、0〜5歳の日常の遊びの中から育てる方法をまとめた一冊。後になって見えてくることから「あと伸びする力」とも呼ばれる力を、特別な教材ではなく普段の遊びの中に見つけていく。遊びを網羅的に紹介する点が核。電子版は紙面を画像化した作りのため、閲覧環境に注意したい。
こんな人におすすめ
0〜5歳の子どもと過ごす時間を意味あるものにしたい親、習い事や教材の前に日常を見直したい人、保育の現場で遊びを組み立てる人、非認知能力という言葉を聞いて気になっている人。メンタルの強い子を願う人に向く。
良い点
- 日常の遊びで完結する
- 非認知能力の定義から説明がある
- 遊びの幅が広く真似しやすい
気になる点
- 電子版は拡大や検索ができない
- 理論より遊び紹介が中心
- 年齢幅が広く発達差が大きい
出版社
講談社
発売日
2019年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「非認知能力」って、聞くたびにモヤッとします。結局どういう力で、どうやって測るんでしょう。
佐藤メバル
いい質問だね。簡単に言うと意欲、粘り強さ、自己抑制、社会性、自尊心といった力で、数値で測りにくいからこそ、後になって見えてくる。
だから「あと伸びする力」とも呼ばれる。この本は乳幼児期にこれを育てると後の幸福につながるという立場から、日常の遊びの中に培う場面を見つけていく。
橘ナナミ
じゃあ特別な教材を買わないといけないのかと思っていました。普通の遊びで足りるなら、少し気がラクです。
佐藤メバル
そこがこの本のいいところ。特別なことを足すのではなく、積み木でも砂遊びでも、大人がどう関わるかを変えるだけで場面が変わる。
遊びのレシピとして数多く並んでいるから、今日の遊びを一つ選んで試せる。電子版は紙面画像なので、タブレットで読むのがおすすめだよ。

子どもの心の育てかた
佐々木正美 著|河出書房新社
¥1,430(税込)
「どこに行っても根を張れる、温かく強い心」を育てることを軸に、乳児期から思春期までの子どもの成長を、季節のように読んでほしいと綴る一冊。しつけで叱りすぎても褒めすぎても自主性を妨げること、叱られてもすぐ忘れることが幼児期の大きな利点であること、思春期の反抗は喜ぶべきことなど、時間軸を広くとらえる点が核。
こんな人におすすめ
乳幼児期だけでなく思春期まで見通したい親、叱り方や褒め方のバランスで迷っている人、佐々木正美の考えを短めの一冊で押さえたい人、育児と仕事の両立で揺れている人。子どもが育つ季節を通して眺めたい人に向く。
良い点
- 乳児期から思春期まで見通せる
- 144ページで読み切りやすい
- 叱り方と褒め方の加減に触れる
気になる点
- テーマが広くやや散る
- 具体策の分量は少なめ
- 既刊と重なる箇所がある
出版社
河出書房新社
発売日
2016年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子どもの心の育てかた」って、乳児期から思春期までと幅が広いですよね。子育て本は0〜3歳までが多い気がするので、逆に新鮮です。
佐藤メバル
そこが珍しいところ。短くても長くても、子どもと暮らすすべての人に、乳児から思春期まで読んでほしいと著者は書いている。
たとえばトイレトレーニングは叱りすぎても褒めすぎても自主性を妨げる、とされる。叱られてもすぐ忘れることが幼児期の大きな利点だという話も、肩の力が抜けるよ。
橘ナナミ
思春期の反抗は喜ぶべき、というのも意外です。実際に反抗されたら、私は落ち込んでしまいそうですが。
佐藤メバル
その気持ちはよくわかる。ただ「だ」と言い始めたら「ついに来たか」と、これからの成長を楽しみにする、というのが著者の見方なんだ。
創造性や独創性は模倣から生まれるから、人まねを叱る必要はないとも書いている。長い目で見るための言葉が並んでいるよ。

子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本
篠真希 著|すばる舎
「責任感があるからこそ怒る」「怒鳴るとスッキリするのには理由がある」「怒りは6秒以上続かない」といった気づきから、カーッと頭に血がのぼるその前に使えるアンガーマネジメントの手法を紹介する一冊。怒りに「また!」という感情を乗せない工夫など、怒りとの付き合い方に焦点を絞る。母親としても一人の女性としても自信を取り戻せるように、という姿勢で書かれている。
こんな人におすすめ
毎日のように子どもに声を荒げてしまう人、怒ったあとの自己嫌悪がつらい人、同じ場面で繰り返しイライラしてしまう人、母親としても一人の女性として自信を取り戻したい人。怒りをなかったことにしない方向で考えたい人に向く。
良い点
- 怒りの正体から説明がある
- 共感パートで安心できる
- すぐ使える手法が並ぶ
気になる点
- 感情の扱いは練習が必要
- 家庭以外の場面は少なめ
- 読むだけでは変化しにくい
出版社
すばる舎
発売日
2017年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
怒りは6秒以上続かないって書いてあって。でも私、10分どころか翌日まで尾を引くタイプなんですけど…。
佐藤メバル
6秒というのは、怒りがわっと立ち上がる最初の瞬間の話だね。そのあと感情に「また!」という別のものを乗せてしまうから長く続く。
この本は、責任感があるからこそ怒ってしまう、怒鳴るとスッキリするのには理由がある、といった気づきから入って、カーッとなるその前に使える手法を紹介している。
怒りを責めない書き方なのがいい。
橘ナナミ
アンガーマネジメントって、怒るのを我慢する修行みたいなイメージでした。この本は違うんですか?
佐藤メバル
我慢ではなく、振り回されないようになる、というのが趣旨だね。「うちの子も同じ」と共感しながら読み進められるから、自己嫌悪に陥っているのは自分だけじゃないと安心できる。
一人の女性としての自信も戻していこう、というスタンスの一冊だよ。

「私、子育て向いてないかも」がラクになる本
Joe 著|日本実業出版社
¥1,540(税込)
「読み聞かせしなきゃ」「子どもとの時間をつくらなきゃ」と思いながら家事に追われ、寝かしつけのときに罪悪感を抱えてしまう——そんな状態から楽になる方法を示す一冊。たった3秒のコミュニケーションで子どもの心は満たせるという視点が核で、ちょっとした行動の変化で勝手に伸びる心豊かな子を育てる考え方を紹介する。
こんな人におすすめ
理想と現実のギャップに罪悪感を抱えている人、家事と育児で時間が足りないと感じる人、完璧にやろうとして疲れている人、短い関わりでも意味があると知りたい人。向いていないかもと思ったことがある人に手に取ってほしい。
良い点
- 罪悪感に寄り添う語り口
- 3秒という小さな単位が実行しやすい
- 行動の変化に絞った構成
気になる点
- 短時間で足りるかの不安は残る
- 深い理論の説明は少なめ
- 生活スタイルによって差が出る
出版社
日本実業出版社
発売日
2021年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「私、子育て向いてないかも」ってタイトル、正直ちょっとドキッとしました。そう思ったことは、口に出しにくいですよね。
佐藤メバル
そういう人が静かに手に取る本だね。読み聞かせしなきゃ、時間をつくらなきゃと思いながら家事に追われて、寝かしつけのときに「今日もできなかった」と罪悪感を抱える。
その状態を前提にして、たった3秒のコミュニケーションで子どもの心は満たせると書いている。ちょっとした行動を変えるだけで、というのがこの本の主張だよ。
橘ナナミ
3秒で足りるなら、今まで必死に時間を作ろうとしていたのは何だったんだろう、と複雑な気持ちにもなります。
佐藤メバル
長い時間を確保できなかったことへの罪悪感は、多くの親が抱えている。だからこの本は、量より関わり方に焦点を当てる。
無理せずラクに、自信を持って子育てできるようになる方法が並んでいるから、できなかったことではなく、できた3秒を数えるほうへ気持ちを移せるよ。

この子はこの子のままでいいと思える本
佐々木正美 著|主婦の友社
¥1,870(税込)
「いい子だからかわいがるのではなく、かわいがられるからいい子になる」——2017年に逝去した児童精神科医・佐々木正美が最も伝えたかったことを、お母さんたちの悩み相談に答えながら届ける構成。「お母さん」が重い、しつけが難しい、親子バトル、思春期の前、父親の役割までを章立てで扱う。相談形式で自分の状況に引き寄せて読めるのが核。
こんな人におすすめ
自分だけがうまくやれていないと感じている人、しつけや親子の衝突で行き詰まっている人、父親の役割を考えたい人、佐々木正美の本を相談形式で読みたい人。孤独感をやわらげたいときに開くのに向く。
良い点
- 悩み相談の形で具体的
- 章立てが場面ごとに整理されている
- 父親の役割にも触れる
気になる点
- 構成がやや重複する
- 現代の新しい事情は少ない
- 精神論に見える箇所がある
出版社
主婦の友社
発売日
2020年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「いい子だから、かわいがるのではありません。かわいがられるから、いい子になる」という一文、ぐっときました。順番が逆なんですね。
佐藤メバル
そこがこの本の核なんだ。著者は2017年に亡くなっているけれど、残された言葉がこうして一冊にまとまっている。
人間関係が薄くなって孤独な親が増えた時代に、幸せな親子を増やしたいという思いが根底にある。お母さんたちの悩み相談に答える形だから、自分の状況に引き寄せて読める。
橘ナナミ
相談形式なら入りやすそうですが、通して読んだときに話がつながっていくのか、少し気になります。バラバラの寄せ集めには見えませんか?
佐藤メバル
「お母さん」が重い、しつけって難しい、親子バトルから抜け出したい、子どもを伸ばすには、思春期になる前に、父親の役割って何ですか——と章が並んでいて、悩みの地図になっている。
かわいがることを中心に据えれば、答えの方向がぶれない。順に読んでも、必要な章から読んでもいいよ。

【新装版】抱きしめよう、わが子のぜんぶ: 思春期に向けて、いちばん大切なこと
佐々木正美 著|大和出版
¥1,650(税込)
「この子はこの子のままでいい」そう思えたとき、子どもはイキイキと輝き出す——という軸で、思春期に向けて今いちばん大切なことを伝えるリニューアル版。いつまでも色あせない子育てバイブルとして位置づけられ、子どもと向き合う場を作ってきた人からも推薦の言葉が寄せられている。肯定から始まる構成を、手を変え品を変え伝えてくれる。
こんな人におすすめ
思春期が近づいてきた子どもの親、自己肯定感という言葉に引っかかりがある人、つい比べてしまって苦しくなる人、長く手元に置いて読み返したい人。抱きしめるという比喩がしっくりくる人に向く。
良い点
- 肯定を軸にした一貫した語り
- 192ページで読み返しやすい
- 思春期を見据えた内容
気になる点
- 具体的対応策は多くない
- 既刊と重なる部分がある
- 即効性を求める人には物足りない
出版社
大和出版
発売日
2023年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「抱きしめよう、わが子のぜんぶ」ってタイトルがまっすぐで、思わず背筋が伸びます。思春期って、抱きしめるには照れくさい年齢なのに。
佐藤メバル
その照れくささ込みで書かれている本だね。「この子はこの子のままでいい」と思えたとき、子どもはイキイキと輝き出す。
新装版として装いを新たにしているけれど、軸は変わらない。行く道を照らしてくれるという言葉を寄せている人もいて、長く読まれている理由がわかる。
橘ナナミ
思春期向けというと、反抗期の対処や進路の話ばかりになりそうですが、この本は違うんでしょうか。
佐藤メバル
手前の時間をどう過ごすか、が主題なんだ。思春期になってから急に抱きしめるのではなく、それまでの積み重ねが効いてくる。
だから今のうちに読む意味がある。192ページと長すぎないから、節目ごとに開き直せる一冊だよ。

しなさいと言わない子育て
ボーク重子 著|サンマーク出版
¥1,540(税込)
歯を磨きなさい、靴をそろえなさい、ゲームをやめなさい——日常にあふれる「しなさい」を減らすところから始める子育て論。非認知能力を調査・研究し育児に実践してきた著者の考えを、初のマンガ版として読みやすくまとめている。1日30分の空想タイム、習い事は2つまで、門限を子どもと一緒に決めるなど仕組みで変える発想が核。
こんな人におすすめ
「しなさい」を1日に何度も言ってしまう人、非認知能力という言葉に関心がある人、マンガから入りたい読書初心者、習い事やゲームのルールを仕組みで決めたい人。自分を大切だと思う力を育てたい人に向く。
良い点
- マンガで入りやすい
- 具体策が生活単位で示される
- 自己肯定感の議論に接続する
気になる点
- マンガ以外は読み応えがある
- 海外の事例が中心
- 効果の実感には時間がかかる
出版社
サンマーク出版
発売日
2022年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「しなさい」を1日に何回言ったか数えたら、たぶん20回は超える気がします。マンガ版なら読めるかなと思ったんですが、中身も軽いんでしょうか。
佐藤メバル
そこは誤解しないでほしい。マンガで入りやすくなっているけれど、318ページあって、非認知能力を研究し実践してきた著者の考えがちゃんと詰まっている。
非認知能力は認知能力を底上げするものとして注目されている。「しなさい」は能力を奪う言葉という指摘から始まるんだ。
橘ナナミ
習い事は2つまで、という指摘が気になりました。うちは3つ通わせていて、減らすべきか悩んでしまいます。
佐藤メバル
この本の面白さは、我慢しなさいではなく仕組みを変えるという発想にある。習い事は小さく始める、やめ方のルールを決めておく。
ゲームならインターバルトレーニング、門限は子どもと一緒に決める。親のマインドチェンジとちょっとしたしかけで変わる、というのが著者の立場だよ。

1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ
立石美津子 著|日本実業出版社
¥1,430(税込)
完璧な母さん、子どものためを思う母さんこそ過保護になりやすい——という視点から、6歳までの子育てを45のルールと楽しいイラストで紹介する一冊。「努力すれば報われる」と言わない、「えらいね」ではなく感謝を伝える、謝るのは本当に悪いことをしたときだけ、など言葉の選び方を軸にしている点が核。
こんな人におすすめ
理想の母さん像に疲れている人、つい先回りして手を出してしまう人、声かけの具体例をたくさん知りたい人、専門書より読みやすい形式が合う人。完璧を手放したい人に向く。
良い点
- 45のルールが短く並ぶ
- イラストで読みやすい
- 声かけの具体例が豊富
気になる点
- ルール数が多く実践は選別が必要
- 短文のため背景説明は少ない
- 6歳までが対象
出版社
日本実業出版社
発売日
2014年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「テキトー母さん」って、育児書でこの言葉は新鮮です。テキトーって、投げやりな印象もあるんですが。
佐藤メバル
ここでのテキトーは、いい加減というより「完璧を手放す」に近い。完璧な母さん、子どものためを思っている母さんこそ、実は過保護になりやすい。
だから45のルールを短く並べて、言葉の選び方から変えていこうとする。努力すれば報われると言わず過程を認める、えらいねの代わりに感謝を伝える、といった具合だね。
橘ナナミ
45個もあると、また全部やらなきゃと思ってしまいそうで。それこそ完璧主義に戻りそうなんですが。
佐藤メバル
その心配はもっともで、全部やる必要はない。この本はむしろ、点数をつけるのをやめよう、短所を指さないで見方を変えよう、といった方向を何度も示してくる。
子どもにとっての味方でいることを優先する。気になったものから拾えばいいよ。

子育てはガマンしない
平塚さとみ 著|秀和システム新社
子どものためにと信じて熱心に世話を焼きすぎるママさんへの注意から始まり、不登校や摂食障害などの原因の一つになりうるとして、親も子も無理をしない子育てのコツを解説する一冊。2000人以上の子育て相談を解決に導いた著者が、子どもの問題行動の原因や年齢に応じた親子の関わり方を示す。がんばりすぎを見直す視点が核。
こんな人におすすめ
手をかければかけるほど空回りしていると感じる人、子どもの不登校や食の問題で悩んでいる人、年齢に応じた関わり方を整理したい人、育児相談の場を探している人。無理をしない選択肢を知りたい人に向く。
良い点
- 2000人以上の相談実績に基づく
- 年齢別の関わり方を扱う
- 問題行動の背景から説明する
気になる点
- 親の責任を重く感じる箇所がある
- 口調がやや断定的
- 具体的な手順は限られる
出版社
秀和システム新社
発売日
2017年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てはガマンしない」って、逆に言うと我慢してきた人が読む本ですよね。2000人以上の相談を見てきた方だそうで、重みがあります。
佐藤メバル
そう、著者は子育て相談を数多く解決に導いてきた人で、熱心に世話を焼きすぎる親御さんに注意を促すところから始まる。
子どもの不登校や摂食障害の原因の一つが、親のがんばりすぎかもしれない、という指摘は重い。親も子も無理をしないコツを、年齢に応じた関わり方として解説している。
橘ナナミ
でも、そこまで言われると、今までの自分の関わりが悪かったのかと、責められている気持ちになりませんか?
佐藤メバル
その気持ちを持つ人は多いと思う。ただ、この本は責めるためではなく、がんばりすぎに気づくためのものだ。
子どもの問題行動の原因を一緒に考えることで、次の関わり方を選べる。基本がわかると、ガマンの量が減っていくよ。

ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある
大河原美以 著|河出書房新社
¥2,222(税込)
思いやりのある子、やさしい子に育ってほしいと願うほど、感情をコントロールできない子になってしまう——という子育ての現実から出発する一冊。親には子どもの感情を育てる義務がある、という立場を掲げ、「わが子をよい子に育てたい」と願う親に向けて書かれている。ネガティブな感情の扱いを正面から扱う点が核。
こんな人におすすめ
泣くことを許せずに「泣かないの」と言ってしまう人、やさしい子に育ってほしいと強く願う人、感情の扱いを学びたい教育関係者、思春期前の感情の育ちを見直したい人。ちゃんと泣けるという言葉に引っかかりを感じた人に向く。
良い点
- 感情の育ちを正面から扱う
- 願いが裏目に出るしくみを説明
- タイトルの一貫性が強い
気になる点
- すぐ使える対処は少なめ
- 論旨がやや硬質
- 読む人を選ぶ内容
出版社
河出書房新社
発売日
2006年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ちゃんと泣ける子に育てよう」というタイトル、泣かせないようにする話かと思ったら逆なんですね。泣けることが大事なんですか?
佐藤メバル
そこが要点だね。思いやりのある子、やさしい子に育ってほしいと願うほど、感情をコントロールできない子になってしまうことがある。
だから親には子どもの感情を育てる義務がある、という立場で書かれている。泣くことを奪わないことが、結果として感情の調整につながるという考え方なんだ。
橘ナナミ
でも、公共の場で泣かれると困るから、つい「泣かないの」と言ってしまいます。それは責められることですか?
佐藤メバル
責めるための本ではないよ。ただ、感情を抑えることを繰り返すと、子ども自身が自分の感情を扱えなくなる。
なぜそうなるのかを丁寧に説明してくれるから、次に同じ場面が来たときの選び方が変わる。読む人によっては、痛いところを突かれる一冊だと思う。

子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て
イザベル・フィリオザ 著|かんき出版
¥1,650(税込)
16カ国以上で翻訳され、フランスで25万部を突破した育児書。最新の神経生物学や生理学に基づき、子どもの話を聞くこと・同調することに焦点を当て、行動の裏にある動機を分析する手法を提案する。1歳から5歳までの時期別に、泣く、ダダをこねる、イヤイヤ、秩序、ケンカ、ウソといった困った状況と対応法をイラストで整理している点が核。
こんな人におすすめ
子どもの困った行動の理由を知りたい1〜5歳の親、感情的に叱ってしまう前に別の見方を知りたい人、プレママ・プレパパ、年齢別に引ける一冊がほしい人。行動の裏側を読む習慣をつけたい人に向く。
良い点
- 年齢別の章立てで引きやすい
- 行動の動機から説明される
- イラストで読みやすい
気になる点
- 文化差を感じる場面がある
- 理論の説明は簡潔
- 日本の制度の話はない
出版社
かんき出版
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フランスで25万部って、ずいぶん売れているんですね。フランスの育児書って、日本と感覚が違ったりしませんか。
佐藤メバル
違うところはあるけれど、基本は同じで、最新の神経生物学や生理学に基づいて、子どもの話を聞くこと、同調することに焦点を当てている。
ダダをこねる、イヤイヤ、秩序へのこだわり、1人でやると主張する時期——1歳から5歳までを時期別に分けて、行動の裏にある動機を分析する。
橘ナナミ
うちの子、朝の出かける時間になるとお腹が痛いと言うんです。そういう困った場面も載っていますか?
佐藤メバル
まさに4歳半から5歳の章で扱われている場面だね。ルールと自分のイメージ、自意識と社会適応の難しさ、といった切り口で説明されている。
泣いているだけに見えていた行動が「実はこう考えていたのか」と腑に落ちる作りで、目からウロコという言葉が似合う一冊だよ。

子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉【「考える子どもに導く7つのステップ〜小学校までに親にできること」DL特典付き】
天野ひかり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,870(税込)
NHK「すくすく子育て」の元司会で、これまで累計5万6千人以上の親子の悩みに接してきた著者が、自律した子どもが育つ「伸ばす言葉」と、よかれと思って言ったのに実は否定している言葉の違いを解説する一冊。カギは「認める(≠ほめる)」ことにあり、親と子の視点の違いをマンガで示す。言葉の正解を場面ごとに示す点が核。
こんな人におすすめ
叱らずにやめさせたい場面が増えてきた人、宿題や片付けで同じことを言い続けている人、ゲームやお菓子の場面で言葉に迷う人、活字が苦手でも声かけを学びたい人。今日から使える言葉がほしい人に向く。
良い点
- 困りごと別に言葉の正解がある
- マンガで視点の違いがわかる
- 登園拒否など具体的な場面が豊富
気になる点
- 網羅ゆえ全部は覚えられない
- 事例が中心で理論は簡潔
- 対象年齢の幅が広い
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「認める」と「ほめる」って、私の中では同じものだったんですが、本の帯に「≠」と書いてあって固まりました。
佐藤メバル
その違いがこの本の芯だね。著者はNHK「すくすく子育て」の元司会で、講座や講演で累計5万6千人以上の親子の悩みに接してきた人。
よかれと思ってかけた言葉が、実は子どもの自己肯定感を下げていた、というケースが意外とある。認めることとほめることは別物だと、事例で示していく。
橘ナナミ
ゲームばかりやっているとき、叱らずにやめさせる言葉って、本当にあるんでしょうか。知りたいです。
佐藤メバル
そこは目次の第1章で扱われていて、ほかにも宿題や習い事の練習をやりたがらないとき、片付け、買って買ってが止まらないとき、きょうだいゲンカ、登園拒否まで並んでいる。
親と子の視点の違いをマンガで見せてくれるから、言葉だけ覚えるより腹に落ちるよ。

自分で決められる子になる育て方ベスト
柳澤綾子 著|サンマーク出版
¥1,650(税込)
年間500本以上の論文を読む東大医学博士で二児の母でもある著者が、コミュニケーション力、思考力、自己肯定感、諦めない心、情熱力の5つに分けて、自分で決められる子になるために親ができる具体策を示す一冊。会話の黄金比は子9対親1、ごっこ遊びは最低15分、習い事は2つまで、褒めるときは結果より努力など、行動レベルに落とした助言が核。
こんな人におすすめ
先回りして決めてしまう自分に気づいた人、習い事や進路をどう任せればいいか知りたい人、日常の小さな選択から練習したい人、研究の裏付けがある助言を求めている人。決める練習を家庭に組み込みたい人に向く。
良い点
- 5つの力ごとに整理されている
- 論文ベースの根拠がある
- 日常で使える具体策が豊富
気になる点
- 項目が多く実践は選別が必要
- 親の関与を前提とする
- 即効性は期待しにくい
出版社
サンマーク出版
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「会話の黄金比は子9対親1」って、けっこう衝撃です。私、話を聞いてもらうより、説明するほうが多い気がします。
佐藤メバル
そこを見直すところから始まる本だね。著者は年間500本以上の論文を読む東大医学博士で、二児の母でもある。
今日着る服、何をして遊ぶか、宿題をいつやるか、そうした小さな選択から、進学や将来の職業まで、自分で決める場面は数えきれない。
その力を5つに分けて具体策を示している。
橘ナナミ
ごっこ遊びは最低15分、というのも具体的です。ただ、15分って意外と長く感じるんですが、そんなに大事なんですか?
佐藤メバル
遊びを暇つぶしではなく、思考やコミュニケーションの練習として位置づけているからだね。褒めるときは結果より努力、スマホは興味を伸ばすツールとして使う、習い事は2つまで。
世界の最新研究から選んだ関わり方を、親が今日から試せる形で並べている。

科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線
中室牧子 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
『「学力」の経済学』から9年、信頼性の高いエビデンスを世界の学術論文誌から厳選し、学校を卒業した後の人生の本番で役立つ教育を問う一冊。将来の収入を上げるために子どもの頃にすべきこと、非認知能力と結婚や寿命の関連、時間投資の効果、早生まれ、別学と共学、男女差、教育政策までを章立てで扱う。長期の成果に視点を置く点が核。
こんな人におすすめ
目の前の成績だけでなく長い人生を見据えたい親、教育にお金や時間をどう配分するか考えたい人、教員や指導者、報道で見た教育政策の議論を自分で判断したい人、家庭で教育投資の優先順位を話し合いたい人。データで考えたい人に向く。
良い点
- 世界的な論文から根拠を厳選
- 収入や寿命まで視野が広い
- 政策論まで踏み込む
気になる点
- 相関と因果の理解が要る
- 直感に反する結論がある
- 312ページで読み応えがある
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「教育経済学」って、子育てとどうつながるんですか? お金の話ばかりだったら、ちょっと身構えてしまいます。
佐藤メバル
そこが入口の誤解でね。この本は、企業が新卒採用で重視するのがコミュニケーション能力や主体性、チャレンジ精神だと指摘するところから始まる。
小さい頃は勉強と言いながら、大人になったら急に「勉強だけできても」と言い出すのはおかしいだろう、と。
学校の外の人生で役立つ教育を問うている。
橘ナナミ
データって結局は平均の話ですよね。うちの子一人に当てはまるのかは疑問なんですが、そこはどう考えるべきでしょう。
佐藤メバル
その疑問はこの本自身が最後の章で扱っている。エビデンスを読み解くときに注意すべき点が挙げられていて、平均の話を個人に当てはめる危うさも含まれている。
そのうえで、時間投資の効果は子どもの年齢が小さいほど大きい、といった知見が紹介される。判断材料として持っておくといい。

東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て (光文社新書)
森田麻里子 著|光文社
¥990(税込)
妊娠中の予防接種、ワクチンの同時接種、ハンドドライヤーの衛生、風邪での市販薬、テレビや動画の是非、体罰——世間で「常識」とされる事柄を、世界の最新研究をリサーチして一つずつ点検する一冊。東京大学医学部卒の医師が、医療と育児のはざまで混乱しやすい領域に光を当てる。ネット情報の偏りを疑う視点が核。
こんな人におすすめ
ネットの情報に振り回されていると感じる人、祖父母世代と育児の常識が食い違って困っている人、根拠を知ったうえで判断したい人、医学的な話を新書サイズで読みたい人。気にしなくていいことを知りたい人に向く。
良い点
- 医学研究の根拠が示される
- 新書で価格も手頃
- 祖父母世代にも渡しやすい
気になる点
- 分野が広く掘り下げは限定的
- 研究の更新が早い領域を含む
- 判断は最終的に個人に委ねられる
出版社
光文社
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ジェット式ハンドドライヤーは衛生的」って、普通に信じていました。これが間違いと言われると、何を信じればいいのか分からなくなります。
佐藤メバル
まさにその混乱を扱う本だね。著者は東京大学医学部卒で、二児の母でもある医師。ネット上の記事には個人体験談も多く、「絶対ダメ」「私は大丈夫だった」と極端な意見も多い。
だから世界の最新研究をリサーチして、本当に気をつけることと、それほど気にしなくていいことを分けていく。
橘ナナミ
テレビや動画が「悪」ではない、というのも意外でした。私は影響を考えて、全部ダメだと思い込んでいたので。
佐藤メバル
そこも研究の蓄積で見方が変わってきた領域だね。妊娠中の予防接種、ワクチンの同時接種、子どもの風邪と市販薬、言うことを聞かないときの体罰まで、一つずつ確認していく。
じいじもばあばも必読とされているのは、世代で前提が違うと衝突が起きるからだよ。

うちの子、このままで大丈夫?がスーッと消える 科学的に正しい子育ての新常識
メリンダ・ウェナー・モイヤー 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
科学ジャーナリストで一男一女の母である著者が、膨大な研究データをもとに、自己中、飽きっぽい、嘘、いじめ、きょうだいゲンカ、スマホ・インターネット、性への関心といった悩みに、1歳から10代後半までを対象に答える一冊。わがまま、やる気、性差別、自己肯定感を扱う前半と、困った場面の対処を扱う後半という構成。ユーモラスな語りが核。
こんな人におすすめ
わが子の性質が気になって仕方ない人、きょうだいゲンカやネットとの付き合い方に困っている人、1歳から10代後半まで長く使える一冊がほしい人、科学の裏付けを好む人。親が学べば楽になるという考え方に共感する人に向く。
良い点
- テーマ別で悩みから引ける
- 研究データが豊富
- 長い年齢幅をカバーする
気になる点
- 海外の事例が中心
- 320ページで通読は重い
- 文化差を感じる箇所がある
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「自己中」「飽きっぽい」「嘘」って、目次を見ただけで少しドキッとします。うちの子のことを書かれている気がして。
佐藤メバル
その感覚が大事でね、この本は科学ジャーナリストで二児の母でもある著者が、子どもの発達に関する科学を日々の生活に取り入れやすい形にしたもの。
親が学べば子育てはもっとうまくいくという立場で、わがまま、やる気、いじめ、嘘、性差別、自己肯定感を扱う前半と、困った場面の対処を扱う後半に分かれている。
橘ナナミ
「子どもの脳の発達状態」を知れば対応が変わるとありますが、脳の話って難しくないんでしょうか。読み切れるか心配です。
佐藤メバル
そこをユーモラスに書いているのが持ち味だね。子どもの言動が何に起因するかを知れば、やさしく思いやりをもって対応できるようになる、というのが著者の主張。
境界線をどこに引くか、どんな会話をするか、反応するか無視するか——その選択次第だと言い切っている。

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本 - 「AERA with Kids」 元編集長が選ぶ -
江口祐子 著|ワニブックス
¥1,430(税込)
子育て雑誌「AERA with Kids」元編集長が、幼児・小学生を持つ親向けの子育て本のベストセラーや名作から100冊を厳選し、押さえておきたい「子育ての基本」と「新しい教育観」を23のキーワードで紹介する一冊。自己決定力や自己肯定感の育て方、褒め方の工夫、夫婦で話し合う習慣、受験の勘違い、金融教育までを横断。1冊で全体を眺める点が核。
こんな人におすすめ
どの育児書から読めばいいか分からない人、何冊も買う前に全体像をつかみたい人、幼児から小学生の子を持つ親、夫婦で育児観をすり合わせたい人。名著の要点だけ先に知りたい人に向く。
良い点
- 100冊の要点を横断できる
- 23のキーワードで整理されている
- 買う前の見取り図になる
気になる点
- 要約なので原書の厚みは伝わらない
- 引用元の選定に偏りはあり得る
- 小学生以降の話題は限られる
出版社
ワニブックス
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100冊を1冊にまとめた本って、正直ずるい感じがします。読んだ気になって終わってしまわないでしょうか。
佐藤メバル
その危うさはあるけれど、役割がはっきりしているんだ。著者は「AERA with Kids」の元編集長で、幼児・小学生を持つ親向けのベストセラーや名作から100冊を選び、23のキーワードに沿って紹介している。
何度も出会った「これスゴイ」という章があるように、複数の本に共通して出てくる要点が浮かび上がる。
橘ナナミ
逆に、この本で概要だけ知って満足してしまうのが、いちばんもったいない使い方ですよね。次の一冊につなげる感じでしょうか。
佐藤メバル
そう、地図として使うのがいい。褒め方を工夫する、夫婦で話し合う習慣があるとその家の新しい文化ができる、中学受験は親の知識とサポートが必須、まずは親がお金の価値観を見直す——こうした論点から気になるものを選んで、原書に進む。
次の一冊を決めるために読む本だよ。
育児書は4つのジャンルに分けると、迷わなくなる
橘ナナミ
さっき「メンタル・実用・発達しつけ・絵本」とおっしゃいましたが、この4つはどう違うんですか。
佐藤メバル
メンタル系は「あなたは悪くない」と支える本。実用系は手順と段取り。発達・しつけ系は脳や発達の知識をもとに声かけを設計する本。絵本は、子どもと大人が同じ物語を体験するもの。役割がまったく違うんだ。たとえば大河原美以『ちゃんと泣ける子に育てよう』は感情の育ちを扱うからメンタルと発達の中間。大豆生田啓友『非認知能力を育てる あそびのレシピ』は0〜5歳の遊びを通して意欲や粘り強さを育てる発達寄りの実用書だ。まず自分がどの棚の前に立っているのかを決めると、選書は一気に速くなる。
橘ナナミ
育児書と絵本は、同じ本棚に並んでいてもいいんでしょうか。
佐藤メバル
並んでいいけれど、役割は別。育児書は親が読むもの、絵本は子どもと一緒に読むものだ。佐々木正美の本には「かわいがられるから、いい子になる」という考え方が繰り返し出てくる。それを頭で知るのが育児書、実際に体験するのが絵本の時間。知識と体験がそろって初めて意味が出るんだよ。
口コミの読み方と、書店員が使う選書の目
橘ナナミ
ネットのレビューって、どう見ればいいんでしょう。星の数が高い本を選べばいいんですか。
佐藤メバル
星の数より、書かれている「状況」を読むこと。子どもが何人で、何歳で、どんな場面で効いたのか。そこが自分の家と重なるレビューは参考になる。逆に「神本」「絶対」といった断定だけの口コミは、書いた人の条件が見えないから判断材料としては弱い。あと、監修が入っているかは一つの目印になる。『はじめてママ&パパのしつけと育脳』は発達脳科学の研究者が監修していて、専門家のインタビューも収録されている。ただし監修は「絶対」の印ではなく、根拠の出どころが示されているという意味だと受け取ってほしい。
橘ナナミ
なるほど。では、予算はどう考えれば。
佐藤メバル
全部そろえる必要はない。まず図書館で借りて、手元に置きたいと感じた1冊だけ買う。江口祐子『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』は、多数の子育て本の要点を23のキーワードで整理した一冊で、買う前の地図として使える。森田麻里子の本のように新書で読めるものもあるから、予算より「今の自分に効くか」で選ぼう。
育児書で追い詰められないための読み方
橘ナナミ
ここが私、いちばん聞きたかったところです。育児書を読んで、かえって不安になることってありますよね。
佐藤メバル
ある。しかもよくある。原因はだいたい3つ。全部やろうとする、わが子と本の平均を比べる、できていないところを探してしまう。回避法はシンプルで、読む目的をあらかじめ1つに絞ること。「今日は寝かしつけだけ」と決めて読めば、本は味方のままでいられる。佐々木正美『3歳までの子育てに大切なたった5つのこと』は、102ページという薄さで5つに絞ってくれている。情報量の多さが不安を呼ぶなら、引き算の本を選ぶといい。
橘ナナミ
石原さとみさんの愛読書から、共感型の育児書の流れをたどることもできますか。
佐藤メバル
できるよ。『はじめてお母さんになったわたしへ』のように、初めて母になった人の気持ちに語りかける本。その系譜には、佐々木正美『抱きしめよう、わが子のぜんぶ』や『子どもの心の育てかた』、Joe『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』、平塚さとみ『子育てはガマンしない』が連なっている。共通しているのは、親を直すのではなく、親のままでいいと認めるところから始める姿勢だ。
橘ナナミ
夫婦で読むなら、どこから始めるのがいいんでしょう。
佐藤メバル
まず一冊を二人で読んで、感想を言い合うところから。柳澤綾子『自分で決められる子になる育て方ベスト』のように会話の比率まで具体的に示してくれる本は、夫婦の共通言語になりやすい。ボーク重子『しなさいと言わない子育て』も、つい出てしまう言葉を互いに見張るきっかけになる。相手を採点するためではなく、同じ方向を向くために読む。これが夫婦で読むときの唯一のルールだよ。
よくある質問
石原さとみさんが紹介した本はどこで買えますか?
橘ナナミ
石原さとみさんが紹介した本はどこで買えますかについて教えてください。
佐藤メバル
書店の育児書コーナーやオンライン書店で探せます。在庫は店舗ごとに違うので、見つからないときは取り寄せを頼むのが確実です。同じ棚には佐々木正美『子どもへのまなざし』など、寄り添うタイプの育児書が並んでいることが多いので、あわせて手に取ってみてください。
『はじめてお母さんになったわたしへ』はどんな内容の本ですか?
橘ナナミ
『はじめてお母さんになったわたしへ』はどんな内容の本ですかについて教えてください。
佐藤メバル
石原さとみさんがご自身の子育てと重ねて紹介し、涙されたことで知られる一冊です。タイトルのとおり、初めてお母さんになった人に向けたメッセージが中心の本で、手順やノウハウを詰め込んだ実用書ではありません。収録内容の細部は書店で実際に確かめてから迎えるのがおすすめです。
育児書は妊娠中から読むべきですか?
橘ナナミ
育児書は妊娠中から読むべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
読んでおくと安心材料になります。サリー・ウォード『「語りかけ」育児』は0〜4歳が対象で、妊娠中から準備として読めます。ただし先回りして読み込みすぎると、出産後に「本と違う」と感じて落ち込みやすくなります。妊娠中は1冊だけ、気構えの本として読むくらいがちょうどいいと思います。
初めてのママにおすすめの子育て本は?
橘ナナミ
初めてのママにおすすめの子育て本はについて教えてください。
佐藤メバル
まずは成田奈緒子の『はじめてママ&パパのしつけと育脳』のように、時期別の発達と生活のコツがまとまった実用書を1冊。心が揺れたときに開ける本として、Joe『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』を並べておく。この2冊構成が、初めての人にはいちばん失敗が少ないと感じています。
パパ向け・夫婦で読みたい育児本のおすすめは?
橘ナナミ
パパ向け・夫婦で読みたい育児本のおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
パパの土台づくりには佐々木正美『子どもへのまなざし』が向いています。夫婦で共有するなら、森田麻里子『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』のように根拠が示された本がおすすめです。事実をもとに話せると、意見の食い違いが感情のぶつかり合いになりにくくなります。
育児書を読む時間がないときはどうすればいいですか?
橘ナナミ
育児書を読む時間がないときはどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
形式を変えるのが手っ取り早い方法です。片手がふさがっているなら電子書籍、家事の合間ならオーディオブック、活字が重い日はマンガ版や図解中心の本へ。ボーク重子『しなさいと言わない子育て』はマンガ版が出ています。全部読まなくても、目次から今困っている章だけ拾えば十分です。
育児書と絵本はどう使い分ける?
橘ナナミ
育児書と絵本はどう使い分けるについて教えてください。
佐藤メバル
育児書は親が読むもの、絵本は子どもと一緒に読むものです。たとえば「かわいがられるから、いい子になる」という考えを頭で知るのが育児書、それを実際に体験するのが絵本の時間。知識と体験をひとつずつ、と考えると使い分けがしやすくなります。
産後メンタルが辛いときに読むべき本は?
橘ナナミ
産後メンタルが辛いときに読むべき本はについて教えてください。
佐藤メバル
まず、ノウハウ本から離れてください。その状態で実用書を開くと、できないことの確認になってしまいます。篠真希『子育てのイライラ・怒りにもう振り回されない本』や大河原美以『ちゃんと泣ける子に育てよう』のように、感情を扱う本が向いています。読めないほどつらいときは、本より人に話すことを優先してください。
まとめ
橘ナナミ
今日のお話で、いちばん心に残ったのは「1冊で全部まかなおうとしない」という言葉でした。私、本を読むときつい「これ一冊で完璧にならなきゃ」と思ってしまうので…。
佐藤メバル
その癖、僕も書店員時代にさんざんやったよ。育児書の棚を丸ごと読んで、かえって何も選べなくなった。だから今は、その日の自分の状態から選ぶようにしている。
橘ナナミ
状態から選ぶ、か。心が疲れている日はメンタルの本、段取りに困っている日は実用書、言葉に迷った日はほめ方叱り方の本。
佐藤メバル
そう。そして、読む時間がとれない日は、無理をして読まないこと。読めなかった罪悪感まで抱えたら、育児書が育児書でなくなってしまうからね。
橘ナナミ
はい。石原さとみさんが本を前に涙したという話も、正解を教わったからではなく、自分の気持ちを代わりに言葉にしてくれる誰かがそこにいたから、なのかもしれませんね。
佐藤メバル
いいまとめだね。育児書は、答えを配る先生じゃない。夜中の台所で、何も言わずに隣に座ってくれる人のようなものだ。石原さとみさんの涙も、その「隣にいてくれる感覚」だったんじゃないかな。今日の地図を片手に、あなたの今にちょうどいい一冊を選んでみてほしい。
