最高の子育て本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のテーマは「最高の子育て本」ですよね。でも正直、書店の育児書コーナーの前で毎回固まります。多すぎて、どれが自分に必要なのかわからなくて……。
佐藤メバル
いい質問だね、というか、その「固まる」感覚こそが今日の出発点なんだ。書店員だった頃、育児書の棚は毎月のように新刊が積み上がる場所だった。だから最初に伝えたいのは、最高の子育て本は一冊に決まらないということ。良書かどうかは、その本が「誰の、どんな場面」に効くかで決まるからね。
橘ナナミ
なるほど……。でもランキング記事なのに、決まらないって言い切っちゃっていいんですか?
佐藤メバル
決まらないからこそ、順位より先に「選ぶ軸」を渡したいんだ。たとえば『子育てベスト100』は教育学や脳科学、心理学の資料を横断して、100の方法とすぐできる超具体策に整理した本で、辞書的に引ける。一方で『子育てのきほん 新装版』は、児童精神科医の佐々木正美さんが「子育ては過保護でいい」と繰り返す、心の支えに寄った本。同じ棚に並んでいても、効く場面が違うんだよ。
橘ナナミ
あ、そこなんですね。じゃあ「自分に必要な一冊」を見つける物差しが欲しいです!
佐藤メバル
うん。じゃあ具体的な軸を一緒に整理していこう。
最高の子育て本の選び方
目的別——知識か、心の支えか、今日の実践か
橘ナナミ
「目的別」と言われても、そもそも自分が何を求めているかわからないんですけど……。
佐藤メバル
それでいいんだよ。大きく三つに分けよう。知識を得たいなら『子育てベスト100』や『6歳までの子育て大全』。赤ちゃんのお世話の手順を網羅したいなら『最新! 初めての育児新百科』。心を支えてほしいなら『子育てのきほん 新装版』や『子どもへのまなざし』。今日から使いたいなら、『子どもに伝わるスゴ技大全』のように「おしたく」「お片づけ」「お食事」と状況別に引ける構成が強い。目的を一つに絞るだけで、候補は一気に数冊まで落ちる。
対象年齢別——0〜1歳、1〜3歳、3〜6歳、小学生
橘ナナミ
年齢でも変わりますよね。うちの姪はまだ0歳なんです。
佐藤メバル
0〜1歳は生活の手順が中心だから、月齢別に体と心の成長を追う『最新! 初めての育児新百科』が心強い。1〜3歳なら『03歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』。3〜6歳は『6歳までの子育て大全』、性別で分けるなら竹内エリカさんの『男の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方』『女の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方』もある。小学生以降は『科学的根拠で子育て』のように、学校の外の人生まで見据える本が効いてくる。
形式別——マンガ、図解、エッセイ、研究書
橘ナナミ
形式って、マンガか文章か、みたいな話ですか?
佐藤メバル
そう。活字が重い日は『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』や『子育ては心理学でラクになる』のようにマンガや図解が入る本から入るといい。データを読みたい日は『科学的根拠で子育て』や『子育ての大誤解〔新版〕上』が向いている。読みやすさと情報の深さは、しばしば引き換えになる。だから両方の形式を一冊ずつ持っておくと強いよ。
著者の専門性別——医師、保育士、研究者、現役の親
橘ナナミ
著者の肩書って、どう見ればいいんでしょう。小児科医、保育士、研究者……たくさんいますよね。
佐藤メバル
現場の手触りが欲しいなら、現役保育士のてぃ先生や、92歳まで保育を続けた大川繁子さんの『92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て』。医学的な安心が欲しいなら心療内科医の明橋大二さん、児童精神科医の佐々木正美さん。研究の裏付けを確認したいなら、教育経済学の中室牧子さんや、オックスフォード児童発達学博士の島村華子さん。肩書は優劣ではなく「どの根拠を重んじるか」の目印だと思ってほしい。
入手性別——紙、電子、図書館、読み放題
橘ナナミ
買う前に確認できることってありますか?
佐藤メバル
あるよ。紙か電子か、図書館に所蔵があるか、読み放題の対象か。育児書は辞書のように何度も引く本と、一度通読すれば足りる本がある。何度も引くなら紙か、検索できる電子。通読なら図書館で試してから買う、という順番もいい。中古は安いけれど、新版や改訂版が出ていないかを確認してからにしてほしい。
分量と読了時間別——通読型か、拾い読み型か
橘ナナミ
分厚い本は、正直ハードルが高いです……。
佐藤メバル
ならなおさら選び方が大事だね。ページ数の多い本は、通読ではなく必要な章だけ拾う前提で選ぶ。逆に短くまとまった一冊を先に読み切ってから、分厚い本に移る順番もある。最初の一冊は「読み切れる量」で選ぶのが正解。読み切った経験が、次の一冊を連れてくるからね。
最高の子育て本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
最高の子育て本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
加藤紀子 著|ダイヤモンド社
¥1,230(税込)
200以上の資料と膨大な取材から厳選したベスト100の方法に、すぐ使える421の超具体策を添えた一冊。コミュニケーション、家庭学習、遊び、習い事、ほめ方叱り方、読書、スマホ、ゲーム、食事、睡眠、運動まで、子育てのあらゆるテーマをカバーする。玉石混淆の情報をふるいにかけた網羅性が最大の武器で、最初に手に取る地図として強い。
こんな人におすすめ
初めての子育てで何から手をつければいいか分からない人、SNSやテレビの情報が多すぎて迷っている人、0歳から小学生までのわが子に本当にためになることを知りたい人。テーマ別に引けるので、辞書のように手元に置く使い方に向く。
良い点
- 200以上の資料と取材に基づく厳選
- 421の超具体策で今日から動ける
- テーマ網羅性が高く辞書的に使える
気になる点
- 344ページで最初は圧倒される
- 全項目を実践するのは現実的でない
- 1冊完結のため各論の深掘りは薄い
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てベスト100」って、タイトルからしてもう全部入りな感じがします。でも100もあったら、逆にどれを選べばいいか迷いませんか?
佐藤メバル
いい質問だね。これは100個全部やる本ではなくて、テーマ別に引ける辞書に近い。コミュニケーション、家庭学習、遊び、習い事、ほめ方叱り方、睡眠、食事、スマホまで、200以上の資料と取材から厳選した方法が並んでいる。
わが子の今の困りごとから逆引きするのが正しい使い方なんだ。
橘ナナミ
なるほど! 最初から通読しようとするから重く感じるんですね。じゃあ、まずは目次を見て気になるところから開けばいいんですね。
佐藤メバル
そう。421の超具体策があるから、「今日からどうするか」まで落ちるのが強みだよ。書店員時代、こういう網羅型は売り場で一番聞かれる「結局どれがいいの?」に応えられる一冊だった。
情報の洪水に疲れた人が最初に手に取る地図としておすすめだね。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
島村華子 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
モンテッソーリとレッジョ・エミリアを知り尽くしたオックスフォード児童発達学博士が、ほめ方・叱り方をエビデンスで整理する。「すごい!」「よくできたね!」がなぜ自主性を奪うのか、条件付き子育ての弊害、褒美と罰の落とし穴、アクティブ・リスニングまで、3〜12歳対象の声かけを具体化。自己肯定感の低さはほめ不足ではなくほめ方の問題という指摘が核。
こんな人におすすめ
ほめて育てたいのに伝わらないとモヤモヤする人、つい叱ってその後で罪悪感を抱える人、3〜12歳の子どもと声かけでぶつかっている家庭。叱り方を変えたい親が最初に読む一冊として、Q&Aからでも入りやすい。
良い点
- 博士のエビデンスに基づく理論
- Q&Aで具体的な場面を拾える
- 193ページで読み切りやすい
気になる点
- 対象が3〜12歳で乳児期は薄い
- 理論パートはやや硬質
- 実践の反復は読者の工夫次第
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごい!」「よくできたね!」って、私も子どものころ言われて育った気がします。それがダメかもしれないって、ちょっと衝撃です。
佐藤メバル
そこがこの本の核心なんだ。博士は、ほめること自体が悪いと言っているんじゃない。条件付き子育て、つまりできたときだけ評価する関わりが自主性を奪うと指摘する。
プロセスに目を向けた声かけに変えると、子どもは自分の判断で動き始めるんだよ。
橘ナナミ
じゃあ、叱り方も「ダメでしょ!」を別の言葉に置き換えるってことですか?
佐藤メバル
そう。罰やご褒美の落とし穴も整理されていて、最後はアクティブ・リスニング、つまり聞く習慣に行き着く。
うちの売り場でも、モンテッソーリ系は絵本コーナーの近くに置くと手に取られたよ。3歳から12歳まで長く使えるのがいいところだね。

完 子どもへのまなざし (福音館の単行本)
佐々木正美 著|福音館書店
¥2,200(税込)
1998年刊行のシリーズ完結編。虐待やひきこもりが増える現代で子どもにどう接するかを考え、後半では発達障害も詳しく取り上げる。障害のあるなしにかかわらず、互いに助け合い共鳴し合って生きるという思いが全編を流れ、育児書でありながら人生を導く書にもなっている。目先のノウハウより、まなざしの質を問う一冊。
こんな人におすすめ
育児の手順より、子どもとどう向き合うかを腰を据えて考えたい人、障害のある子を育てる家族、保育や福祉の支援者。人生の長い目で子育てを捉えたい読者が、時間をかけて読むのに向く。急いで答えが欲しい人には不向き。
良い点
- 虐待や発達障害まで踏み込む
- 共生の視点が全編を貫く
- 育児書を超えた読み応えがある
気になる点
- 376ページで覚悟がいる
- 即効のハウツーは少ない
- 既刊を読むと理解が深まる
出版社
福音館書店
発売日
2011年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「完」とついているので、シリーズの締めくくりなんですね。虐待やひきこもり、発達障害まで扱うと聞くと、けっこう重いテーマに思えます。
佐藤メバル
重いけれど、根っこはとてもあたたかい。佐々木先生は、障害のあるなしにかかわらず、人は助け合い共鳴し合って生きるんだという姿勢を最後まで貫いた。
育児書であると同時に人生導きの書だと言われているゆえんだね。手順を知りたい人より、まなざしを整えたい人に向く。
橘ナナミ
まなざし、かあ。すぐに役立つテクニックとは違うけど、長くそばに置きたくなる感じがします。
佐藤メバル
書店員時代、この本は児童書コーナーと育児コーナーの境目に置いていたよ。読み終えたお母さんが静かにため息をついて、また買っていく姿を何度も見た。
急ぐ人には向かないけれど、時間をかけて読む価値がある一冊だね。

0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス
明橋大二 著|1万年堂出版
¥1,540(税込)
心療内科医で子育てカウンセラーの明橋大二が、0〜3歳でいちばん大切なことをマンガとイラストで解説するシリーズ第1弾。3歳までは自分は大切にされているという気持ちを育む時期という軸のもと、抱っこ、話しかけ、甘えさせることと甘やかすことの違い、イヤイヤ期のQ&Aを扱う。忙しい合間にパッと読めるのが最大の特長。
こんな人におすすめ
初めての子育てで不安な人、赤ちゃんが泣きやまない・後追いがひどいと悩む人、自分の自己肯定感も低いと感じる親。読む体力がない時期の味方で、スキマ時間に開いて安心を得たい人に向く。パパの子育ての項も。
良い点
- マンガ中心でスキマ時間に読める
- 甘えと甘やかしの違いが明確
- 親の自己肯定感にも触れる
気になる点
- 対象が0〜3歳に限定される
- 理論より実践と安心が中心
- 図版が多く情報密度は高くない
出版社
1万年堂出版
発売日
2017年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
育児書って、育児中に読む時間がないのがいちばんの矛盾ですよね。これはマンガが中心なんですか?
佐藤メバル
そう、○×マンガとあるあるマンガがふんだんに入っている。だから忙しい合間にパッと目を通してインプットできる。
「甘えさせる」と「甘やかす」の違いをここまで分かりやすく書いた本は少ないよ。心療内科医の明橋先生が、3歳までは自分は大切にされているという気持ちを育む時期だと繰り返し伝えている。
橘ナナミ
小さいときにしっかり甘えた子が自立する、というのも意外でした。逆だと思っていました。
佐藤メバル
そこが誤解されやすいところなんだよね。赤ちゃんが泣きやまない、おもちゃの貸し借りができない、かんしゃくがひどい、といったQ&Aもあって、索引的に使える。
パパの子育てや母子家庭についての項もある。初めての育児の不安をホッと安心に変える、そういう役割の本だよ。

世界標準の子育て
船津徹 著|ダイヤモンド社
¥1,210(税込)
日米で20年以上教育現場に携わり4000名以上のアジア人を育成してきた著者が、各国の教育の実情を並べ、日本の子育ての思い込みを指摘する。後半は実践編で、社交性の育て方、絵本の読み聞かせ、しつけのタイミング、習い事、勉強のつまずき、男女の育て方の違い、思春期の向き合い方までを体系化。子育ての基本方針を持てるのが強み。
こんな人におすすめ
軸が定まらず情報に揺れている人、国際的な視点で子どもを育てたい人、思春期までの見通しを持ちたい親。子育ての方針を一本決めたいときに手に取る一冊。習い事や勉強のつまずきにも具体的な答えがある。
良い点
- 各国比較で視野が広がる
- 発達段階ごとに体系化されている
- 悩みへの解決策も丁寧
気になる点
- 世界標準という主張に好みが分かれる
- エリート育成と誤解されやすい
- 日本の文化的前提と衝突する箇所も
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2017年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「世界標準」という言葉に、ちょっと身構えてしまいます。エリートを育てるための本なんでしょうか?
佐藤メバル
著者自身が冒頭で、決してエリートにするための本ではないと明言している。育てたいのは地頭の良さ、あきらめない心、社交性。
どんな環境の変化にも負けない子どもを、というのが芯なんだ。前半でアメリカ、イギリス、北欧、シンガポール、インド、中国、韓国などの教育の実情を見比べて、日本の子育ての思い込みを指摘していく。
橘ナナミ
比較があると、自分の「あたりまえ」が相対化されますね。実践編はどんなことが書かれているんですか?
佐藤メバル
絵本の読み聞かせ方、しつけのタイミング、習い事、勉強でつまずかない方法、男の子と女の子の違い、思春期の向き合い方まで、発達段階ごとに整理されている。
4000人以上の育成経験が背景にあるから、方針を一本持ちたい人には頼りになるよ。

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本 - 「AERA with Kids」 元編集長が選ぶ -
江口祐子 著|ワニブックス
¥1,360(税込)
子育て雑誌「AERA with Kids」元編集長が、幼児・小学生を持つ親向けのベストセラーと名作100冊から「これスゴイ」を23のキーワードで抽出した一冊。自己決定力、自己肯定感、ほめ方の工夫、親の習慣、勉強・受験の勘違い、金融教育、不登校まで○×形式で整理される。多読の代わりに全体像をつかむ入口になる。
こんな人におすすめ
どの育児書から読むか決められない人、子育て本をたくさん読む時間がない人、中学受験や金融教育まで視野に入れたい親。最初の一冊に迷ったときの羅針盤として、書店や図書館でまず手に取りたい。
良い点
- 100冊の要点を効率よく把握できる
- ○×形式で判断が早い
- 受験や金融教育まで射程に入る
気になる点
- 各書籍の深い内容は省かれる
- 原典を読んだ満足感は薄い
- キーワード整理のため偏りもある
出版社
ワニブックス
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これって、いわば読書ガイドの読書ガイドですよね。100冊分を1冊で読めるのはお得な気がします。
佐藤メバル
まさに入口の本だね。編集長として100冊を選び抜いて、23のキーワードに絞った。自己決定力を育てる、ほめ方を工夫するといった原則が○×で示されるから判断が早い。
ただ、原典の濃い部分は削られているから、ここで当たりをつけてから本編に行くのが正しい使い方だよ。
橘ナナミ
なるほど。いきなり名著に挑むより、先に地図を買う感じですね。受験や金融教育まで入っているのも意外です。
佐藤メバル
そう、そこが元編集長の視点だよね。中学受験は親の知識とサポートが必須、まず親がお金の価値観を見直す、なんて項目もある。
育児書の海で溺れそうな人が、まず岸に上がるための一冊だよ。

子育てのきほん 新装版 (一般書)
佐々木正美 著|ポプラ社
¥1,540(税込)
児童精神科医として50年活躍した著者がたどり着いた、圧倒的にシンプルでやさしい心構えを55のメッセージで綴る。過保護でいい、いくら抱いても甘やかしてもいい、子どもが望む親になってくださいと語る。10年読み継がれたロングセラーに描きおろし漫画を加えオールカラーにした新装版。最初に読む育児書として名高い。
こんな人におすすめ
子育てに自信が持てない人、厳しくしなきゃと力が入っている人、育児書を初めて読む人。気持ちを軽くしたい親に向く。短いメッセージが並ぶので、寝る前に一つずつ開く使い方もよく似合う。
良い点
- 55の短いメッセージで読みやすい
- オールカラーで漫画も追加
- 入門書として最適
気になる点
- 具体的な手順は少ない
- 内容の重複を感じる箇所がある
- 悩みの解決より心構えが中心
出版社
ポプラ社
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育ては過保護でいい」って、正直びっくりしました。過保護はよくないって言われ続けてきた気がします。
佐藤メバル
佐々木先生は、いくら抱いてもいくら甘やかしてもいい、と言い切る。かわいがられるからいい子になるのであって、かわいい子だからかわいがるのではない、という一文が全編の芯だね。
児童精神科医として50年、たどり着いた結論が驚くほどシンプルなのがいい。
橘ナナミ
新装版でオールカラーになって、漫画も足されたんですね。最初の一冊に向いていそう。
佐藤メバル
そう、育児協会推薦の入門書として、まずここから読むのがいい。うちの店でも、出産祝いに迷ったらこれを選んでいたよ。
悩んだときに開くとヒントがある、という使われ方をする本だね。

0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす! (単行本)
藤崎達宏 著|三笠書房
¥1,540(税込)
マリア・モンテッソーリが生み出した教育法の実践を、0〜3歳に絞って具体的に紹介する。妊娠中から始める4つのコーナー作り、自宅で作れる手作り教具、3本指の活動、成功するトイレトレーニング、魔の2歳児の乗り越え方まで、写真と実例が豊富。集中力と自律の土台を家庭で作るための30の実践法が並ぶ。
こんな人におすすめ
0〜3歳の乳幼児を育てる家庭、保育士など幼児教育に関わる人、モンテッソーリを家庭で試したい人。環境を整えるところから始めたい親に。手作り教具など手を動かすのが好きな人ほど向いている。
良い点
- 写真と実例が豊富で真似しやすい
- 0〜3歳に特化した具体策
- 手作り教具の紹介が実用的
気になる点
- 教具の準備に手間がかかる
- 理論の掘り下げは控えめ
- 環境づくりにスペースが必要
出版社
三笠書房
発売日
2018年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
モンテッソーリって名前は聞くんですが、家庭で何をするのかは正直知りませんでした。
佐藤メバル
この本はそこを埋めてくれる。妊娠中から始める4つのコーナー作り、自宅で簡単に作れる手作り教具、良い頭は3本指の活動から、といった具合に、家庭の環境を整えるところから具体策が並ぶ。
藤井聡太棋士やジェフ・ベゾス氏など、この教育を受けた人たちの名前が出てくるのも興味を引くよね。
橘ナナミ
3本指の活動、というのはどういう意味なんですか?
佐藤メバル
指先を細かく使う活動が集中力や判断力の土台になる、という考え方だよ。魔の2歳児の乗り越え方やトイレトレーニングまで、写真付きで紹介されている。
ただ、教具を揃える手間はかかるから、そこは余裕のある範囲でいい。0〜3歳の3年間をどう使うか、という視点がもらえる一冊だね。

マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方
伊藤美佳 著|かんき出版
¥1,250(税込)
ハーバード大学の心理学者ガードナーが唱えた多重知能理論を、著者が日本人向けにアレンジした「9つの知能」で子どもの才能を見つける本。いたずらばかり、話を聞かない、友だちと仲良くできない——そんな困った行動が輝く才能に変わる視点を、マンガでかんたんに読める。9つの知能を伸ばすアクティビティも多数収録。
こんな人におすすめ
わが子の「困った行動」に手を焼いている人、才能の見つけ方が分からない人、マンガで気軽に学びたい親。行動の見方を変えたいときに。きょうだいそれぞれの得意の入り口を探すのにも使える。
良い点
- マンガで読みやすく184ページ
- 9つの知能という多面的な視点
- 家庭でできる活動を多数掲載
気になる点
- 多重知能理論の評価は諸説ある
- モンテッソーリの体系は浅め
- 活動の対象年齢の幅が広い
出版社
かんき出版
発売日
2020年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「いたずらばかりする」とか「話を全然聞いてない」とか、まさに困った行動ですよね。それが才能になるってどういうことでしょう?
佐藤メバル
この本はハーバードのガードナーが唱えた多重知能理論を、日本人向けに9つの知能として整理している。運動、学力、クリエイティビティ、コミュニケーションなど、能力の入り口を9つに分けて見つけていくんだ。
だから「できない子」ではなく「まだ別の入り口が開いていないだけ」と捉えられる。
橘ナナミ
視点が増えると、叱る回数が減りそうですね。マンガだからとっつきやすいのもいいなあ。
佐藤メバル
そう、そこが184ページで読める強み。9つの知能を伸ばすオリジナルの活動も載っているから、今日から試せる。
藤井聡太さんや松岡茉優さんが幼児期に受けた教育として注目された流れも解説されているよ。

子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉【「考える子どもに導く7つのステップ〜小学校までに親にできること」DL特典付き】
天野ひかり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,870(税込)
NHK「すくすく子育て」元司会の著者が、累計56,000人以上の親子の悩みに接した経験から、「伸ばす言葉」と「実は否定している言葉」の違いを解説する。ゲーム、宿題、片づけ、あいさつ、きょうだいゲンカ——日常の場面ごとに、自己肯定感を下げない声かけをマンガで示す。認めることと褒めることの違いが核。
こんな人におすすめ
つい怒って罪悪感を抱く人、声かけを変えたいと思っている人、活字が苦手な親。今日から使える言葉が欲しいときに。ゲーム、片づけ、あいさつなど日常の困りごとから逆引きできる構成が助けになる。
良い点
- 日常の場面が具体的で共感しやすい
- マンガで親子の視点の違いが分かる
- Q&A形式で引ける
気になる点
- 288ページとやや長い
- 理論面は控えめ
- 事例が多く通読には根気がいる
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「よかれと思って言ったのに、実は否定していた」って、読んでいて身が縮みますね。自分も言われて育った側なので。
佐藤メバル
著者はカギを「認める(≠ほめる)」に置いている。ほめると認めるは似て非なるものだ、と。自己肯定感は評価の言葉ではなく承認から育つという整理だね。
NHK「すくすく子育て」の元司会で、相談を受けた親子は延べ56,000人以上。現場の言葉がそのまま事例になっているのが強みだよ。
橘ナナミ
ゲームばかりのとき、宿題をやりたがらないとき、片づけないとき。全部、日常で起きることです。
佐藤メバル
そう、親と子の視点の違いをマンガで見せてくれるから、活字が苦手でも入っていける。「やりたくない」を受け入れるべきか、何度言っても伝わらないときどうするか、といった問いに一つずつ答えがある。
今日から使える言葉が目当てなら、これだね。

子育ては声かけが9割
佐藤亮子 著|東洋経済新報社
¥1,540(税込)
東大理三に三男一女を合格させた「佐藤ママ」が、26年の子育てで最も大切にしてきた声かけのノウハウを公開する。何気ない母親の言葉は毎日何百回、何千回と繰り返され、それを聞いて育つ子どもに絶大な影響を与える。親子の信頼関係、勉強習慣、自己肯定感、そして母自身が楽になることまで、日常の言葉の設計図として読める。
こんな人におすすめ
毎日の声かけを見直したい人、勉強習慣をどう作るか悩む人、母が抱え込みすぎていると感じる人。言葉で親子の関係を整えたい家庭に。受験期だけでなく幼児期から使えるのがうれしい。
良い点
- 具体例が豊富で実践しやすい
- 勉強習慣の作り方が明確
- 母の負担軽減にも触れる
気になる点
- 受験成功体験が前提に感じられる
- 家庭環境の違いで再現が難しい
- 語り口に好みが分かれる
出版社
東洋経済新報社
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「声かけが9割」と言い切られると、責任が重いなあと身構えてしまいます。でも、お母さんも楽になるって書いてあるのが気になります。
佐藤メバル
そこがこの本の救いだね。著者は声かけを縛りではなく、親子の信頼関係を作る道具として語っている。何百回、何千回と繰り返される日常の言葉こそが効く、というのが著者の実感なんだ。
橘ナナミ
東大理三に4人というと、すごく特別なことをしているイメージでした。
佐藤メバル
読んでみると、特別な教材より、日々の言葉と習慣の積み重ねが中心。勉強習慣が身につく、自己肯定感が高まる、しかもお母さんも楽になる、と三方向に効かせているのが特徴だよ。
ただ、家庭環境の違いはあるから、全部を真似するより、自分の家に合う言葉を拾う読み方がいい。26年の記録としての厚みは確かだね。

子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!
てぃ先生 著|ダイヤモンド社
¥1,320(税込)
現役のカリスマ保育士・てぃ先生が、TwitterやYouTubeで反響のあった伝え方を「おしたく」「お片づけ」「お食事」など状況別にまとめた事典。共通するのは、子どもが自分から動いてくれるようにするという考え方で、自動改札機ごっこ、変身アプリでにんじんを食べさせるなど、その場で試せる工夫が並ぶ。何歳向けと限定しないのも特徴。
こんな人におすすめ
毎日忙しく本を読む時間がない人、朝の支度や食事で手が止まる人、叱る回数を減らしたい親。「はやくして」を言わずに済ませたい場面で、すぐ引ける事典として使える。保育の現場感覚を知りたい人にも。
良い点
- 状況別に引ける事典形式
- 10万部突破の実績ある内容
- 年齢を問わず試せる
気になる点
- ノウハウ中心で理論は少ない
- 子どもによって効き方が違う
- 根本的な悩みには物足りない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「自動改札機ごっこ」で朝の支度が進む、というのは目からウロコでした。遊びにしちゃっていいんですね。
佐藤メバル
てぃ先生の一貫した考えは、子どもが自分から動いてくれるようにすること。「絵本を見なきゃダメでしょ」と言っても集中はしない、そもそも面白ければ自分から見る、という理屈がすべての工夫の土台にある。
だから状況別に引ける事典の形にしたんだね。
橘ナナミ
「はやくして」を言わなくて済むなら助かります。保育士さんの引き出しってすごいなあ。
佐藤メバル
12年目の現役保育士だから、現場で試して効果があったものだけが並んでいる。フォロワー50万人、YouTube登録40万人という支持も納得だよ。
ただし、ノウハウが中心だから、なぜ効くのかをもっと知りたくなったら別の本と組み合わせるといい。

科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線
中室牧子 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
37万部の「学力の経済学」から9年、教育経済学の最前線を世界的な学術論文から厳選して示す。将来の収入を上げる行動、非認知能力と収入・結婚・寿命の関係、音楽や美術の効果、時間投資、目標設定、第1志望のビリと第2志望の1位、別学と共学、男女差、教育政策の是非まで。学校の外で役立つ教育を問う。
こんな人におすすめ
根拠のある判断がしたい人、教育方針を夫婦で議論したい人、教員や指導者。エビデンスで子育てを語りたい場面に。SNSの情報に半信半疑の人ほど、判断の材料として役に立つ。
良い点
- 世界的論文から厳選した根拠
- 学校外の成果まで射程に入る
- テーマが幅広く議論の土台になる
気になる点
- 数字や研究の記述が多く読み応えが必要
- 結論が直感に反する箇所もある
- 個別の家庭への処方箋ではない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エビデンス、エビデンスって最近よく聞きますけど、実際に読むと難しくないですか? 論文の話が延々続くと身構えてしまいます。
佐藤メバル
確かに読み応えはあるよ。でもこの本は、将来の収入を上げるために子どもの頃にすべきこと、非認知能力はどう伸ばせるのか、時間投資はどの年齢が効くのか、といった問いを立ててから研究を並べる。
「第1志望のビリ」と「第2志望の1位」、どちらが有利か、なんて問いはつい読み込んでしまうよね。
橘ナナミ
早生まれや女子枠の話も入っているんですね。答えが直感と違うと、夫婦で議論になりそうです。
佐藤メバル
そこがこの本の価値だよ。データは、子育ての思い込みを一度外してくれる。全部を鵜呑みにする必要はないけれど、判断の材料が欲しい人には頼もしい。
エビデンスを読むときに注意すべき4つのことも書かれているから、受け取り方の作法まで学べるね。

「自分でできる子」に育つスゴい習慣 スタンフォード大学博士が教える最新脳科学×子育てメソッド
キム・ボギョン 著|U-CAN
¥1,760(税込)
スタンフォード大学で博士号を取得した脳科学研究者が、自身の育児経験を織り交ぜながら最新の脳科学と子育てメソッドを融合する。行動を変えるのは意志の力でも叱ることでもご褒美シールでもなく、日々の小さな行動の繰り返し=習慣だという立場から、集中する脳、勉強する脳、幸せな脳を作る習慣を示す。悪い子はいない、悪い習慣があるだけ。
こんな人におすすめ
何度言っても片づけない、宿題をしない、スマホばかり見ていると悩む人、習慣づけに失敗してきた親。叱る以外の手立てが欲しいときに。3〜10歳の子を持つ家庭に向く。
良い点
- 脳科学の裏付けがある
- 習慣化の5つの秘訣が実践的
- 年齢の目安が示される
気になる点
- 360ページと長め
- 海外の事例がやや多い
- 即効性を期待すると物足りない
出版社
U-CAN
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「よくできましたシール」作戦が失敗する理由、という見出しが気になります。ご褒美って、よくないんですか?
佐藤メバル
著者は、行動を変えるのは意志の力でも、叱ることでも、ご褒美シールでもないと言う。柔らかい子どもの脳を変えるのは日々の小さな行動の繰り返し、つまり習慣だという立場なんだ。
100回言っても変わらない理由を3つ挙げて、それを習慣の設計で解いていく。
橘ナナミ
悪い子はいない、悪い習慣があるだけ、という言葉が刺さりますね。責めなくて済む気がします。
佐藤メバル
そこが救いだよね。3〜10歳は大成する脳をつくる時期だと位置づけて、集中する脳、勉強する脳、幸せな脳を作る習慣を章ごとに整理している。
スタンフォードで博士号を取った脳科学者が、自分の子育てと重ねて書いているから、実験室の話で終わらない。
韓国で10刷のロングセラーなのもうなずけるよ。

子育ての大誤解〔新版〕上――重要なのは親じゃない (ハヤカワ文庫NF)
ジュディス・リッチ・ハリス 著|早川書房
¥924(税込)
親が愛情をかければ良い子が育ち、育て方を間違えれば道を踏み外す——この子育て神話は、ずさんな学説から生まれたデタラメだと著者は主張する。双子の統計、ニューギニアの部族の記録など多様な調査を総動員し、子どもは家と学校で性格が変わること、神童の末路、移民の言語の使い分けなどを示す。子育ての重圧から親を解放してきた革命的育児論。
こんな人におすすめ
自分の育て方が原因だと責めてしまう人、子育て論に違和感を持っている人、心理学や社会学に関心がある読者。親の責任をいったん下ろしたいときに読むと楽になる。文庫で手に取りやすい価格なのもありがたい。
良い点
- 統計とフィールド調査の裏付け
- 子育ての重圧を軽くする
- 文庫で手に取りやすい
気になる点
- 上巻のみで話が続く
- 主張が過激で反発もある
- 実践的な育児法は載らない
出版社
早川書房
発売日
2017年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「重要なのは親じゃない」って、子育て中の人に言ったら怒られませんか? でも気になってしまいます。
佐藤メバル
刺激的なタイトルだけど、これは親を責める本ではなく、むしろ親を解放する本なんだ。双子を対象にした統計データからニューギニアの部族の記録まで、多様な調査を総動員して、性格と将来を決める要因を探っていく。
子どもは家と学校で性格ががらりと変わる、という事例が象徴的だね。
橘ナナミ
家ではおとなしいのに学校では、というのは私にも思い当たる節があります。神童の末路の話も気になります。
佐藤メバル
英才教育を受けた神童の多くが悲惨な末路を辿っている、なんて例も挙げられる。2017年の新書大賞で取り上げられて話題になった名著で、文庫で読めるようになったのはありがたい。
ただし上巻のみだから、結論は下巻へ続く。実践法を求める本ではないけれど、発想を揺さぶられることは間違いないよ。

私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む
ポール・タフ 著|英治出版
¥1,654(税込)
『成功する子 失敗する子』の著者が、ノーベル経済学賞のヘックマンの研究をはじめ、世界中の知見と先進事例を統合する。やり抜く力、好奇心、自制心といった非認知能力の育み方を、逆境、ストレス、愛着、家庭への介入、規律、動機づけ、マインドセットまで23のテーマで解き明かす。貧困と教育格差に正面から向き合う。
こんな人におすすめ
教育格差や子どもの貧困に関心がある人、保育や教育の支援者、非認知能力の育て方を知りたい親。逆境にある子どもに何ができるかを考えたいときに。幼児期から思春期まで射程に入る。
良い点
- 最新の科学的知見と事例が豊富
- 幼児期から思春期まで射程
- 教育関係者にも有用
気になる点
- 海外事例が中心
- 学術的な記述が多く読み応えが必要
- 家庭向けのハウツーは限られる
出版社
英治出版
発売日
2017年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
非認知能力って、最近すごく聞きます。やり抜く力とか自制心とか、目に見えない力のことですよね。それは、どうやって育つんですか?
佐藤メバル
まさにその問いに答えるために書かれた本だよ。ヘックマンの研究では、逆境にある子どもでも非認知能力が高い子は、成人後の学歴、健康、生活保護率、年収で良い結果が出やすい。
認知能力より非認知能力のほうが将来を左右するという発見が起点になっている。
橘ナナミ
貧困が非認知能力を得る機会を奪って、連鎖するというのは重いです。家庭だけの問題じゃないんですよね。
佐藤メバル
そう、保育園や学校、地域の大人の接し方も影響する。幼児期の親子関係のストレスをどう和らげるか、問題行動のある子がいるクラスの成績をどう上げるか、自信のない子にどんなフィードバックが効くか、といった具体的な問いが並ぶ。日本の読者にも通じる内容だよ。

92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て
大川繁子 著|実務教育出版
¥1,060(税込)
築170年の古民家の園舎でモンテッソーリ教育とアドラー心理学をいち早く取り入れてきた保育園の主任保育士が、60年で2800人以上の園児と関わってきた経験を綴る。自由に生きる力、子どもと対等であること、甘えと甘やかしの線引き、幸せを育む三角形、お母さんの人生についてまで。現場の具体と人生の視点が同居する。
こんな人におすすめ
保育園に預けることに罪悪感がある人、子どもへの声かけに迷う人、お母さん自身の人生も大切にしたい人。長い目で子育てを見たいときに。相談形式なので、今の悩みから開いていける。
良い点
- 60年2800人の実体験に基づく
- 園での相談事例が具体的
- 親の人生にも触れる
気になる点
- 理論は概要程度にとどまる
- 語りが穏やかで刺激は少ない
- 園の独自実践で再現が難しい面も
出版社
実務教育出版
発売日
2019年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
92歳で現役の保育士さん、というだけで驚きです。60年で2800人って、もう一つの歴史ですね。
佐藤メバル
この園は、ペリー来航より前に建てられた築170年の古民家を園舎にしていて、早くからモンテッソーリとアドラー心理学をいいとこ取りで実践してきた。
子どもは接する時間より愛情の密度で育つという答えは、預けて働く親の背中を押してくれるよ。
橘ナナミ
「いい子」「すごいね」と評価しない、というのも印象的です。つい言ってしまいますけど。
佐藤メバル
子どもは対等な存在、上から目線で命令しない、という姿勢が全編を貫いている。絵本の選び方やテレビとの付き合い方、トイレトレーニングまで相談形式で答えてくれる。
「夫婦仲がいいに勝る子育て環境はない」という章もあって、お母さんの人生についても語ってくれるのがいいんだよね。

3歳までの子育ての教科書
アスコム 著|アスコム
¥965(税込)
脳科学者の茂木健一郎、脳神経外科専門医の林成之、教育カウンセラーの諸富祥彦、東大名誉教授の汐見稔幸ら総勢19名が、3歳までの子育てのコツを講義形式で披露する。3つの本能、心の安定のための子離れ、おとなしく聞き分けのいい子ほど要注意、夜ふかしと親の生活、片づけ術、子どもごはんまで。専門家の視点を横断できる。
こんな人におすすめ
3歳までの時期に何を優先すべきか知りたい人、複数の専門家の意見を比べたい人、初めての子育てで視野を広げたい親。薄く広く知りたいときに。手に取りやすい価格なのもうれしい。
良い点
- 19名の専門家の知見を一冊で
- テーマが生活密着で読みやすい
- 価格が手頃で試しやすい
気になる点
- 一人あたりの分量は限られる
- 主張の一貫性は弱い
- 内容は概要止まりの箇所も
出版社
アスコム
発売日
2012年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
19人もの専門家が出てくるって、寄せ集めにならないか心配です。バラバラなことを言われたら混乱しそうで。
佐藤メバル
そこは講義集として割り切るといいよ。脳科学の茂木健一郎さんは子育ては親子で楽しむ宝探しだと語り、脳神経外科の林成之さんは3歳までに3つの本能を育てようと言う。
「おとなしくて聞き分けのいい子」ほど要注意という臨床心理士の指摘は、耳が痛い人も多いんじゃないかな。
橘ナナミ
食や睡眠、片づけまで入っているんですね。暮らしに直結していて読みやすそうです。
佐藤メバル
そこがこの本の良さでね。子育ては特別な訓練じゃなく毎日の暮らしの積み重ねだと気づかせてくれる。一人ひとりの持ち時間は短いから、深く知りたくなったらその専門家の本に行けばいい。
3歳までに何を優先するかの見取り図として使うのが正解だよ。

6歳までの子育て大全
沢井佳子 著|アチーブメント出版
¥2,090(税込)
『しまじろうのわお!』監修、『ひらけ!ポンキッキ』制作チームの心理学スタッフを務めた発達心理の専門家が、子育ての疑問にやさしく答える。「今なぜそのふるまいをするのか」という発達への関心を軸に、赤ちゃんの気持ち、自信、考える力、動画との付き合い方、ほめ方、AI時代の活躍までを扱い、6歳までの発達スケールガイド付き。順序がわかれば心配しすぎずに済む。
こんな人におすすめ
発達の目安を知りたい人、SNSのトリセツ情報に振り回されている人、6歳までの見通しを持ちたい親。わが子の今を楽しみたいときに。厚いので、辞書的に引く使い方が向いている。
良い点
- 発達スケールガイド付き
- 418ページの圧倒的な情報量
- 問いかけ形式で読みやすい
気になる点
- 418ページは持ち歩きに不向き
- 百科事典的で通読は大変
- 個別の悩みには概要止まりの箇所も
出版社
アチーブメント出版
発売日
2021年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
418ページって、けっこうな厚さですよね。でも発達スケールガイド付きというのは安心材料になりそうです。
佐藤メバル
著者は『しまじろうのわお!』の監修や『ひらけ!ポンキッキ』の制作チームで心理学スタッフを務めた人で、発達心理の専門家なんだ。
「今、なぜそのふるまいをするのか」を軸にしているから、困った行動をしつけの問題にしないで済む。
そこがSNSのトリセツとの決定的な違いだね。
橘ナナミ
スマホやタブレットの動画の話、AI時代に活躍できる子の話まで入っているんですね。古びないんでしょうか。
佐藤メバル
テクノロジーの指南もありつつ、著者は人間の本性や社会の本質はそうそう変わらないと言う。だから発達の順序を理解していれば、将来を心配しすぎずに今を楽しめる。
厚いけれど、悩んだときに該当の章を開く使い方が向いているよ。

最新! 初めての育児新百科 (ベネッセ・ムック たまひよブックス たまひよ新百科シリーズ)
ベネッセコーポレーション 著|ベネッセコーポレーション
¥1,540(税込)
新生児から3歳までを月齢別に、成長の様子と親ができることを写真と図解で徹底紹介する定番の育児百科。毎日のお世話の基本、ワンオペおふろの手順などの困ったを具体的なテクで解決し、予防接種や乳幼児健診、事故とけがの予防、病気の受診の目安まで網羅する。引きの早さと実用性が持ち味。
こんな人におすすめ
初めて赤ちゃんを育てる人、新生児期の手順をひとつずつ確認したい人、予防接種や健診の目安を手元に置きたい家庭。育児の辞書が欲しいときに。パパとの役割分担を話すのにも役立つ。
良い点
- 写真と図解で手順が分かる
- 月齢別に引ける構成
- 受診の目安など安心材料が豊富
気になる点
- 読み物としての深みは少ない
- 231ページで網羅には限界
- あくまで実用の手引き
出版社
ベネッセコーポレーション
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「新しい百科」というだけあって、事典なんですね。育児書というより、辞書に近い使い方でしょうか。
佐藤メバル
そう、月齢別に毎日の成長の様子と親ができることを並べた、実用の手引きだよ。新生児期からのお世話を写真で確認できるのが安心につながる。
ワンオペのおふろの手順なんて、まさに困ったを具体的なテクで解く項目だね。
橘ナナミ
予防接種や乳幼児健診、病気の受診の目安まで入っていると、夜中に不安になったとき助かります。
佐藤メバル
切り取って使える月齢別の発育・発達見通し表が付いているのも、このシリーズらしい実用性だね。心の話や思想を求める本ではないけれど、初めての一年を乗り切るための土台としてはこれ以上ない。
育児の辞書として手元に置いておくといいよ。

はじめてママ&パパのしつけと育脳 ― 0-3才までに絶対しておきたい「脳育て」のコツがよくわかる! (実用No.1シリーズ)
成田奈緒子 著|主婦の友社
¥1,980(税込)
小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子が監修し、0〜3歳でできることをまとめた保存版。心と体の発達カレンダー、脳育てのルール、時期別の発達とコツ、早寝早起きや公共マナー、イヤイヤ期、食事、親子遊び、英語教育や習い事まで、漫画とイラストと写真で解説する。何をすればいいか、何をしてはいけないかが具体的に分かる。
こんな人におすすめ
しつけと知育の両方を知りたい人、0〜3歳の過ごし方を設計したい人、佐々木正美や高濱正伸の視点にも触れたい親。生活と脳育てを結びつけたいときに。入園準備まで見通せる。
良い点
- 発達カレンダーで見通せる
- 漫画と図解で分かりやすい
- 専門家インタビューも収録
気になる点
- 網羅的で焦点がややぼやける
- 料理や遊びは概要レベル
- あくまで入門的な内容
出版社
主婦の友社
発売日
2017年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「しつけ」と「育脳」って、方向性が違う気がしていました。しつけは我慢を教える、育脳は伸ばす、みたいな。
佐藤メバル
そこを一つにつなげたのがこの本だね。監修は小児科医で発達脳科学者の成田奈緒子さん。生活リズムと脳育ては同じ方向を向くという立場で、早寝早起きやマナー、イヤイヤ期への対応を、脳の育ちと結びつけて解説している。
だから何をすればいいかだけでなく、何をしてはいけないかも書ける。
橘ナナミ
佐々木正美さんや高濱正伸さんのインタビューも入っているんですね。視点を比べられそうです。
佐藤メバル
そう、そこはお得だよね。発達カレンダーで0〜5歳を見通せるから、今の時期に悩みすぎずに済む。手作り知育おもちゃや入園までにやっておくことまで入っていて、一冊を長く使える。
はじめての家庭の座右の書としてちょうどいいよ。

男の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方 (中経の文庫)
竹内エリカ 著|KADOKAWA
¥880(税込)
20年間で12,000人の子どもを見てきた著者が、男の子に合った育て方を伝える。6歳までに基礎ができれば大人になって自立するという立場から、2歳、4歳、5歳と手がかかる時期の意味を説明し、「ダメ!」と言いすぎないこと、好きにやらせて失敗を繰り返させることの価値を説く。男の子の行動の理由が分かる。
こんな人におすすめ
男の子を育てていて困ることが多い人、つい「ダメ」と言ってしまう自分を変えたい人、幼児期の見通しを持ちたい親。手がかかる時期の意味を知りたいときに。文庫で手頃なのも利点。
良い点
- 0〜6歳に絞った具体的な助言
- 1万2000人の観察に基づく
- 文庫で手頃な価格
気になる点
- 性別で分ける前提に違和感を持つ人も
- 文庫で分量は限られる
- 6歳以降の記述は少ない
出版社
KADOKAWA
発売日
2015年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
男の子と女の子で育て方を分けるのって、今の時代どうなんだろうと思ってしまうんですが、現場では違いを感じるものなんですか?
佐藤メバル
そこは好みが分かれるところだね。ただ著者は、男の子の行動はお母さんをはらはらさせることばかりだけど、好きにやらせて失敗を繰り返させたほうが好奇心旺盛でやる気のある子に育つと言う。
「ダメ!」と言いすぎていないか、という問いがこの本の入口なんだ。
橘ナナミ
2歳、4歳、5歳が特に手がかかると聞いて、少し安心しました。今だけなんだと思えるので。
佐藤メバル
そこが救いになる人は多いよ。20年間で12,000人の子どもを見てきた人が、この時期に頑張れば後が楽になると具体策とともに示してくれる。
文庫で880円だから、まず一冊試すのにも手頃だね。

女の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方 (中経の文庫)
竹内エリカ 著|KADOKAWA
¥880(税込)
『男の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方』の著者が、女の子に合った「明るい子になる育て方」を伝える姉妹編。やさしい表情と語りかけが女の子の心を豊かにするという視点から、0歳から6歳までの関わり方をまとめる。同じ著者で性別ごとに整理されているから、きょうだいで読み比べられるのも特徴。
こんな人におすすめ
女の子を育てていて関わり方に迷う人、やさしい語りかけを意識したい人、男の子の本と読み比べたい家族。女の子の心の育ちを考えたいときに。0〜6歳の日々の言葉を見直せる。
良い点
- 0〜6歳に絞った具体策
- 姉妹編と読み比べられる
- 文庫で手頃な価格
気になる点
- 姉妹編と重なる部分もある
- 文庫で分量は限られる
- 性別で分ける前提に違和感を持つ人も
出版社
KADOKAWA
発売日
2015年9月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
男の子の本と同時に女の子の本が出ているんですね。きょうだいがいる家だと、両方読むことになりそうです。
佐藤メバル
そう、同じ著者が性別ごとに整理しているから、読み比べると違いが立つよ。この本の軸は、やさしい表情と語りかけが女の子の心を豊かにするというところ。
明るい子になる育て方という表現が、著者の狙いをよく表しているね。
橘ナナミ
語りかけって、特別なことじゃないぶん、逆に意識しないと抜けていきそうです。0歳から6歳までの積み重ねなんですね。
佐藤メバル
そこなんだよね。文庫で880円と手頃だから、まず読んで、今日の語りかけを一つ変えてみる。男の子編と並べて読むと、自分の言葉の癖にも気づける。
性別で区切る前提に違和感がある人は、共通する部分を拾う読み方でも十分役に立つよ。

子育ては心理学でラクになる
DaiGo 著|主婦と生活社
¥1,000(税込)
メンタリストのDaiGoが、世界中の学術機関で立証された最新の心理学を子育てに落とし込む。マシュマロテスト、子育て中の誘惑に弱くなる理由、ストレスを減らす食事と睡眠、1日3分のトレーニング、環境を整える5つのアドバイス、やる気を引き出す7つの言葉、心を閉ざす危険な言葉まで。ガミガミ言わずに済む仕掛けが並ぶ。
こんな人におすすめ
イライラを減らしたい人、叱る前に手を打ちたい人、心理学の知見を手軽に知りたい親。自分のメンタルを整えたいときに。176ページなので、育児の合間に一気に読める。
良い点
- 心理学の知見を子育てに翻訳
- 176ページで読み切りやすい
- 親自身のケアにも触れる
気になる点
- 著者の語りに好みが分かれる
- 研究の出典は簡略
- 子育て観はやや割り切り気味
出版社
主婦と生活社
発売日
2015年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
メンタリストが子育ての本を書くって、意外な組み合わせです。なんで子育てなんだろう。
佐藤メバル
著者は「親は子どものメンタリストであるべきだ」と言う。つまり子どものココロを見るワザを身につければ、子どもは自ら変わり、やる気を出し、お母さんはイライラから解放される。
子育てにこそ心理学が必要という入口がこの本の主張なんだ。
橘ナナミ
マシュマロテストとか、ダイエットの話とか、子育て以外の心理学も出てくるんですね。親自身がラクになる方向なんですね。
佐藤メバル
そう、そこが他の育児書と違うところ。子育て中は誘惑に弱くなる、睡眠と食事でストレスが変わる、1日3分でイライラが減るトレーニング、といった親側のケアが半分を占める。
環境を整えれば子どもが変わる5つのアドバイス、やる気を引き出す7つの言葉も実践的だよ。

子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て
イザベル・フィリオザ 著|かんき出版
¥1,650(税込)
16カ国以上で翻訳されフランスで25万部を突破した育児書。最新の神経生物学や生理学に基づき、子どもの話を聞くこと・同調することに焦点を当て、行動の裏にある動機を分析する。1歳から5歳までの時期ごとに、ダダをこねる、イヤイヤ、順序へのこだわり、空想、嘘、けんかといった場面と対応法をイラストで示す。ただ泣いているのではないと気づかされる。
こんな人におすすめ
子どもの困った行動の理由を知りたい人、年齢ごとの関わり方を知りたい人、プレママ・パパ。子ども側の視点に立ちたいときに。イラストなので、育児の合間に開きやすい。
良い点
- 年齢別に場面を引ける構成
- 最新の神経生物学の裏付け
- イラストで読みやすい
気になる点
- 欧州の育児文化が前提の箇所も
- 対応法は簡潔で深掘りは少ない
- 日本の慣習と合わない場面もある
出版社
かんき出版
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
フランスで25万部ってすごいですね。でも海外の育児書って、文化が違ってピンとこないことも多くて。
佐藤メバル
そこは年齢で引ける構成が助けになるよ。1歳から1歳半はダメというよりストップと言う、1歳半から2歳はイヤイヤ期、2歳から2歳半は秩序へのこだわり、と時期ごとに場面が並ぶ。
子どもは実はこんなことを考えていたんだと分かるのがこの本の醍醐味だね。
橘ナナミ
「帰る時間になっても公園を離れようとしない」とか、国が違っても同じなんですね。安心します。
佐藤メバル
そう、普遍的なところが多い。最新の神経生物学や生理学に基づいて、話を聞くこと、同調することに焦点を当てているから、対応の理屈も納得しやすい。
慶應義塾大学医学部の高橋孝雄先生が絶賛しているのも、その科学性ゆえだよ。プレママにもおすすめだね。
悩み別の逆引き索引——年齢ではなく困りごとから引く
橘ナナミ
年齢の区切りはわかったんですけど、実際に困っているのは「夜泣きがつらい」「離乳食を食べない」「イヤイヤがすごい」みたいな、目の前の出来事なんですよ。
佐藤メバル
そこなんだよね。だから年齢より困りごとから引くほうが実用的だ。夜泣きや抱っこ、イヤイヤ期なら『0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』にQ&Aがまとまっている。叱り方に迷ったら『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』が3〜12歳を対象に、ほめ方と叱り方をエビデンスから組み立て直している。毎日のしつけの場面なら『はじめてママ&パパのしつけと育脳』が、早寝早起きや歯みがき、トイレトレーニングまで時期別に整理している。
橘ナナミ
じゃあ、もっと重い悩み——不登校とか、敏感な子、発達障害が気になる場合はどうでしょう。
佐藤メバル
そこは選び方が変わる。不登校という選択肢そのものを知る入口は『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』に触れられている。敏感な子については『0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』が、5人に1人はひといちばい敏感な子だと説明している。発達障害は『子どもへのまなざし』の完結編で、障害のあるなしにかかわらず助け合い共鳴し合って生きていきたいという視点から詳しく扱われている。診断や療育の判断は本ではなく専門機関の仕事。本は「知って、心を整える」ために使うものだよ。
ロングセラーは今も通用するのか——古典の現在価値と見分け方
橘ナナミ
『子どもへのまなざし』や『子育てのきほん』って、ずいぶん前の本ですよね。情報が古くなっていないか心配です。
佐藤メバル
いい視点だ。ここは分けて考える。育児の手順——お世話の仕方や健診、病気の受診の目安——は研究が更新されるから、最新の百科事典系で確認する。でも、子どもが甘えを受け止められて自立していくという骨格は、そう簡単には古くならない。佐々木正美さんの本は、まさにそこの部分を書いている。逆に『子育ての大誤解〔新版〕上』のように、昔の子育て神話そのものを統計データから問い直す本もある。手順は新しく、心の原理は古典から。これが私の基本の構えだよ。
橘ナナミ
新旧の組み合わせ方ですね。あと、翻訳書の見分けも気になります。『私たちは子どもに何ができるのか』や『子どもの気持ちがわかる本』みたいな海外の本は、原著と訳書で何が違うんでしょう。
佐藤メバル
翻訳書は訳者によって読み心地が変わる。『子どもの気持ちがわかる本』は16カ国以上で翻訳された本で、日本の読者向けに年齢別の章立てで整理されている。原著が読みたい人は、新版や改訂版が出ていないかを先に確認する。ページ数や価格が違っても中身が同じ、ということもあるから、装丁より目次で判断するのが確実だよ。
読書の順番と、読んで終わりにしないための設計
橘ナナミ
結局、何冊くらい、どの順番で読むのがいいんでしょう。
佐藤メバル
欲張らずに、まず一冊。目的に合ったものを選んで、最初の30ページを読んでみる。そこで「これは違う」と感じたら、遠慮なく別の本に切り替えていい。合わなかった本は、古書店やフリマアプリで手放すか、図書館に返してしまう。積読は、読まなかった罪悪感だけを残す。手放すことも選書のうちだよ。
橘ナナミ
読んでも実践できない、というのがいちばん心配なんですけど……。
佐藤メバル
だから読後アクションを最初から決めておく。声かけの本を読んだら、その日から一つだけ試す。『子育ては声かけが9割』なら、著者が26年の子育てで大切にしてきたという声かけの中から一つを、明日の朝に使ってみる。『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』なら、自分がよく使う一言を一つ書き出して、置き換えを試す。読み終えたら実践項目を三つに絞って付箋を貼る。それだけで、本は「読んだ本」から「使える本」に変わる。
橘ナナミ
なるほど……! あ、でもパパや祖父母に贈る場合はどうでしょう。私はまだ当事者じゃないので、想像でしかないんですが。
佐藤メバル
その自覚があるだけで十分だよ。共働きやワンオペなら、読む時間が短い人向けに状況別で引ける『子どもに伝わるスゴ技大全』が向く。パパが最初に読むなら、『0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』はパパの子育てにも大きな意味があるという章を置いている。出産祝いなら、ずっと手元に置ける『子育てのきほん 新装版』のような本が喜ばれる。贈り物は「読ませる本」ではなく「そばに置ける本」を選ぶといい。
モンテッソーリや非認知能力の本は、どう位置づけるか
橘ナナミ
モンテッソーリ教育の本はすごく目にします。あれは特別なものなんですか?
佐藤メバル
特別というより、選択肢の一つだね。マリア・モンテッソーリが生み出した教育法で、集中力と自立を育てるという考え方。『0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』は妊娠中からの部屋づくりや手作り教具まで具体的で、『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式 子どもの才能の伸ばし方』は多重知能理論を日本人向けにアレンジした九つの知能で見ていく。ただ、どのメソッドも「これをやれば安心」という免罪符ではない。教育メソッドは、わが子を見るレンズを増やすために読むものだと思っている。
橘ナナミ
では、自己肯定感や非認知能力の本は?
佐藤メバル
ここは系統が分かれている。エビデンス重視なら、ノーベル経済学賞のヘックマンの研究を軸に非認知能力を論じる『私たちは子どもに何ができるのか』、教育経済学の最前線をまとめた『科学的根拠で子育て』。実践寄りなら『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』や『子育ては声かけが9割』。情緒的な支えが欲しい日に読むのは、やっぱり佐々木正美さんの本だね。用途を取り違えると「読んだのに動けない」が起きるから、自分が今どれを欲しているかを先に決めておくといい。
よくある質問
子育て本は本当に必要ですか?ネットの情報だけではだめですか?
橘ナナミ
子育て本は本当に必要ですか?ネットの情報だけではだめですかについて教えてください。
佐藤メバル
ネットの情報は速いけれど、断片で、誰の状況に向けたものかが抜け落ちがちです。本は、著者が前提から組み立てた筋道をまとめて読めるのが強み。たとえば『子育てベスト100』は200以上の資料と取材を編集して100の方法に落とし込んでいます。困ったときに検索するのは構いませんが、判断の軸だけは本で一度通しておくと、情報に振り回されにくくなります。
子育て本は何冊くらい持つのがいいですか?
橘ナナミ
子育て本は何冊くらい持つのがいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
数を競う必要はありません。まずは自分の目的に合う一冊を通読し、必要なら参照用にもう一冊。悩みが深い時期は、エビデンス系と情緒的支え系を一冊ずつ持つと心細さが減ります。増やすより、読み返す前提で選ぶほうが結果的に使えます。
読む時間がないのですが、効率よく活用する方法はありますか?
橘ナナミ
読む時間がないのですが、効率よく活用する方法はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
通読をあきらめて、拾い読みに切り替えるのが有効です。『子どもに伝わるスゴ技大全』のように「おしたく」「お片づけ」「お食事」と状況別に引ける本は、まさにそのために作られています。目次を先に見て、今日必要な項番にだけ付箋を貼る。それだけで十分に元が取れます。
何十年も前のロングセラー本は情報が古くないですか?
橘ナナミ
何十年も前のロングセラー本は情報が古くないですかについて教えてください。
佐藤メバル
育児の手順は最新の百科事典系で確認し、心の原理はロングセラーから学ぶ、と分けて考えるのがおすすめです。『子どもへのまなざし』や『子育てのきほん 新装版』が扱うのは後者で、甘えを受け止めることの意味のように、そう簡単には古びない部分です。手順は新しく、心の原理は古典からと覚えておくと迷いません。
紙の本と電子書籍、どちらで買うべきですか?
橘ナナミ
紙の本と電子書籍、どちらで買うべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
何度も引く本は検索できる電子、あるいは書き込みやすい紙が便利です。逆に一度通読すれば足りる本は、図書館で試してから購入する手もあります。『最新! 初めての育児新百科』のように切り取って使える付録がつく本は紙が向きます。中古は新版かどうかを確認してから選びましょう。
パパ(父親)に最初に読ませるならどの本がいいですか?
橘ナナミ
パパ(父親)に最初に読ませるならどの本がいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
『0~3歳の これで安心 子育てハッピーアドバイス』は、パパの子育てが家族みんなの幸せのために大きな意味を持つという内容を章として置いており、入口にしやすい一冊です。漫画とイラストが豊富で、まとまった時間が取れない人でも拾い読みできます。まずは一項目だけ読んで、子どもとやってみるところから始めるのが続くコツです。
買ったけど自分に合わなかった本はどうすればいいですか?
橘ナナミ
買ったけど自分に合わなかった本はどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
遠慮なく手放して構いません。合わないと感じたこと自体が、自分の子育ての価値観を知る材料になります。古書店やフリマアプリで手放す、図書館に返す、人に譲る。積読として残すより、次の一冊を選ぶほうが前向きです。切替の速さも選書のうちだと考えてください。
出産祝いや祖父母から孫へのプレゼントに向く子育て本はどれですか?
橘ナナミ
出産祝いや祖父母から孫へのプレゼントに向く子育て本はどれですかについて教えてください。
佐藤メバル
相手の好みが読めないなら、長くそばに置ける本が無難です。『子育てのきほん 新装版』はオールカラーで読み継がれてきた一冊、『92歳の現役保育士が伝えたい親子で幸せになる子育て』は読み物としても楽しめます。逆に手順の百科は、すでに持っている可能性が高いので避けたほうが無難です。
まとめ
橘ナナミ
今日のお話、けっこう目からウロコでした。最高の一冊を探すんじゃなくて、今の自分に効く一冊を選ぶ、ということですよね。
佐藤メバル
そう。だから上位の本を全部そろえる必要はないし、途中で合わないと感じたら乗り換えていい。子育て本は、正解を当てるためのカンニングペーパーじゃなくて、迷ったときに手を伸ばす地図なんだ。
橘ナナミ
地図……。でも地図って、眺めるだけでは目的地に着けないですよね。
佐藤メバル
よく気づいたね。だから今日読んだ章から一つだけ、明日の生活で試してみる。それで十分。全部を完璧にやろうとするから、本が重くなるんだ。書店員時代、レジで「どれか一冊でいいんですよ」と何度言ったかわからないよ。
橘ナナミ
じゃあ私、姪に会う前に『最新! 初めての育児新百科』を開いてみます。月齢ごとの成長とかかわり方が写真で追えるなら、当事者じゃなくても想像しやすい気がして。
佐藤メバル
いいね。子育て本は、子育てが始まる前から読めるんだよ。最後に一つだけ。子育て本は、正解を教えてくれる教科書ではなく、道具箱です。今日の困りごとに合う道具を一本だけ取り出せたら——それが、あなたにとっての最高の一冊なんですよ。
