子育て論を学べる本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、「子育て論の本」って調べると、もう何百冊も出てきて……正直、どれから読めばいいのか分からなくなってしまいました。しかも著者さんが正反対のことを言っていたりして。私、子どもがいないので余計に、どこを信じたらいいのか分からなくて。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。子育て論の本は「正解を教える本」に見えて、実は根拠の種類がバラバラなんだ。小児科医が臨床経験から書いた本もあれば、発達心理学の研究をまとめた本もある。教育経済学者の中室牧子さんの『科学的根拠(エビデンス)で子育て』は世界的な学術論文から信頼性の高いエビデンスを厳選した一冊で、立場がはっきりしている。まず「この人は何を根拠に喋っているのか」を見極めるのが出発点だよ。
橘ナナミ
なるほど! 本の内容より先に、「誰が、何を根拠に言っているか」を見るんですね。じゃあ、書店員時代に棚を作っていた佐藤さんから見て、最初の一冊はどう選べばいいんでしょう?
佐藤メバル
そうだね。入り口としておすすめなのが、複数の本を比較して紹介してくれるタイプの本だよ。江口祐子さんの『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』は、元編集長が100冊を23のキーワードで整理してくれている。加藤紀子さんの『子育てベスト100』も、200以上の資料と取材から「本当にためになる」ことだけを厳選している。地図を先に手に入れてから、気になった原典に降りていく。この順番が失敗が少ない。
橘ナナミ
地図を先に、ですね。でも佐藤さん、子育て論って「モンテッソーリ」とか「アドラー」とか、メソッドの名前がいっぱい出てきて……あれって結局どれを信じればいいんですか?
佐藤メバル
それはね、メソッド同士は意外と喧嘩していないんだ。島村華子さんの『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は、モンテッソーリとレッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォードの博士が、エビデンスに基づいて「声かけ」に落とし込んだ本。島村さんの本には「安易なほめて伸ばすには要注意」とあるけれど、これは特定のメソッドを否定しているんじゃなくて、ほめ方の解像度を上げようと言っている。だから「どのメソッドが正しいか」ではなく「わが子のどの場面に効くか」で選ぶのが大人の読み方なんだよ。
子育て論を学べる本の選び方
解決したい悩みで選ぶ
橘ナナミ
年齢で選ぶのは想像つくんですが、「悩み別」って具体的にどう選ぶんですか?
佐藤メバル
たとえば「言うことを聞かない」「乱暴」「落ち着かない」で困っているなら、加茂登志子さんの『1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て』がいい。PCITは2〜7歳で効果が科学論文で証明されている心理療法で、叱る前に特別な時間を設計するのが特徴だよ。逆に「わがまま」「集中力がない」といった日常の困りごとを心理学的に解きたいなら、的場永紋さんの『3600人の親子をカウンセリングしてわかった 心理学的に正しい子育て』が向いている。
橘ナナミ
夜泣きや離乳食みたいな体の悩みはどうですか?
佐藤メバル
そこは医師が書いた本の出番だね。森田麻里子さんの『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』は、妊娠中の予防接種や風邪のときの市販薬など、ネットで混乱しやすいテーマを研究とセットで整理してくれる。育児疲れで心が重いときは、児童精神科医の佐々木正美さんの『この子はこの子のままでいいと思える本』のように、読みながら涙腺がゆるむ処方箋のような本がよく効くよ。
子どもの年齢で選ぶ
橘ナナミ
年齢って、どこで区切って選べばいいんでしょう?
佐藤メバル
誕生〜6歳を通して見たいなら、内田伸子さんの『子どもの見ている世界』が骨太だよ。発達心理学の立場から、子どもが世界をどう見ているかを軸に接し方の要点をまとめている。3〜12歳の声かけなら島村さんの『ほめ方 叱り方』、思春期・青年期まで見通すなら池添素さんの『新装版 いつからでもやりなおせる子育て』がいい。生まれた瞬間からの発達の順序を写真つきで追うなら、掛札逸美さんの『保育も子育ても新しく!』も強い。
橘ナナミ
生後すぐから思春期まで、全部カバーしようとすると何冊も要りますよね。
佐藤メバル
そう、年齢軸は「今のわが子」に最適化されるけど、先の見通しは持ちにくい。だから年齢で選ぶときは、今の1冊+少し先の1冊を並べるのがコツ。抱えきれないなら、臨床心理士と精神科医の夫婦が書いた『臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました』のように、乳児期から思春期までを1冊で通せる本を土台にしてもいい。
著者の属性で選ぶ
橘ナナミ
ここ、私が一番知りたいところです。医師なのか、研究者なのか、先輩ママなのか……信頼度って変わります?
佐藤メバル
変わる。ただ「医師だから偉い」じゃなく、問いに合った専門家かで見るんだ。小児科医で脳科学の視点なら成田奈緒子さんの『誤解だらけの子育て』、犯罪心理学の立場から声かけを見つめ直すなら出口保行さんの『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』。脳科学者なら西剛志さんの『子どもの非認知能力を育てる17の習慣』、幸福学なら前野マドカさんの『しなやかで強い子になる 4つの心の育て方』。専門家は守備範囲の外については素人なんだから、自分の悩みと著者の専門が重なっているかで選ぶと外れにくい。
橘ナナミ
現役の親が書いた本は参考にならないんですか?
佐藤メバル
そんなことはないよ。体験談には実感がある。心理療法士のフィリッパ・ペリーさんが書いた『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』は親子の実例を重ねた本で、著者自身の経験も滲む。ただ体験談はサンプル数1だってことは忘れないで、研究の本とセットで読むと強い。
根拠の種類で選ぶ
橘ナナミ
「エビデンス」って言葉、最近よく聞きます。それさえ選べば安心ですか?
佐藤メバル
エビデンスにも強度があるんだ。中室さんの『科学的根拠(エビデンス)で子育て』は査読論文を厳選した上位のエビデンスだけど、本の最後に「エビデンスはいつも必ず正しいのか」という章を置いている。つまり著者自身が限界を示している。これが誠実な本の証拠だよ。逆に、根拠の種類が曖昧なまま「これが正解」と言い切る本は、わが子を観察する材料としては面白いけれど、それ一冊で決めるのは危険だね。
橘ナナミ
なるほど、ラベルを見る感じですね。臨床経験・体験談・論文……それぞれ役割が違う。
佐藤メバル
そう。実践の手触りは臨床の本、方針の骨格は研究の本。両方を使い分けるのが正解だよ。
読む形式と体力で選ぶ
橘ナナミ
育児中って、本を読む体力が残らない日もありますよね……。
佐藤メバル
そこは大事。だから読む体力で選んでいいんだ。文章がみっちりした研究書がしんどい日は、マンガや図解の多い本がいい。『臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました』はマンガとイラストで読みやすいし、イザベル・フィリオザさんの『子どもの気持ちがわかる本』もイラストで子ども視点を解説している。逆に腰を据えて読みたい日は『保育も子育ても新しく!』のようなカラー写真つきの本を開くと、視覚から入れて負担が軽いよ。
橘ナナミ
あ、それいいですね。今日の体力で本を変える。積読が罪にならない気がします。
佐藤メバル
そうそう。読書は頑張るものじゃなくて助けを借りるものだと思えば気が楽だよ。
入手経路と価格で選ぶ
橘ナナミ
手元に置くか、図書館か、電子か……ここも悩みます。
佐藤メバル
「何度も引く本は手元、通読する本は借りる」が基本だよ。加藤紀子さんの『子育てベスト100』みたいにベスト100×超具体策の事典型は、何度も開くから紙が向く。中室さんの『科学的根拠で子育て』のような研究本は、一度通読して気になった箇所だけ手元に残すのでもいい。図書館なら失敗なく試せるし、電子なら検索が強い。音声は移動中に効く。1冊を買い切る前に、入手経路を変えて試すのが選書コストを下げるコツだよ。
橘ナナミ
最初から買って、合わなかったときが怖いんです。
佐藤メバル
だから最初は図書館で試し読みして、これは手元に置きたいと思ったら買う。この順番がおすすめだよ。
子育て論を学べる本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
子育て論を学べる本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
加藤紀子 著|ダイヤモンド社
¥1,230(税込)
教育学、心理学、脳科学など200以上の資料と膨大な取材から厳選した100の方法を、421の超具体策とともにまとめた一冊。家庭学習、遊び、習い事、ほめ方・叱り方、読書、スマホ、ゲーム、食事、睡眠、運動まで子育ての全テーマを横断します。一つの主張を深掘りする類書と違い、何をすべきか迷ったときの索引として使えるのが最大の違い。高濱正伸氏も絶賛した新時代の教科書です。
こんな人におすすめ
はじめて子育てに悩み、何から手をつければいいかわからない親。SNSやネットの玉石混交な情報に疲れた人。ひとつのテーマを深くではなく、全体像をまとめて押さえたい人が、辞書のように手元に置くのに向きます。出産祝いにも喜ばれます。
良い点
- 網羅性が高く辞書的に使える
- 具体策421で行動に移しやすい
- 研究の裏付けを確認できる
気になる点
- 100項目ゆえ一つは浅い
- 全部やろうとすると重い
- 索引型で物語性は薄い
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てベスト100」って、100個もあって逆に圧倒されませんか。私なら全部やらなきゃと焦りそうで……。
佐藤メバル
いい質問だね。実は逆で、これは「全部やる本」じゃないんだ。200以上の資料から厳選した100の方法と421の超具体策が並んでいるから、今の悩みに該当する項目だけ開く使い方ができる。
書店員時代、こういう索引型の本は子育て棚で一番長く売れ続けたよ。
橘ナナミ
なるほど、辞書みたいに使うんですね。じゃあ最初から通読しなくてもいいんだ。
佐藤メバル
そう。食事や睡眠、スマホ対策まで分野が横断されているから、子どもの年齢が変わったらまた別のページが効いてくる。
一つの主張を深掘りする本と違って、迷ったときの地図として手元に置いておく一冊だよ。

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本 - 「AERA with Kids」 元編集長が選ぶ -
江口祐子 著|ワニブックス
¥1,360(税込)
「AERA with Kids」元編集長が、幼児・小学生を持つ親向けの子育て本ベストセラーと名作100冊を厳選し、23のキーワードで紹介する一冊。自己決定力や自己肯定感、ほめ方の工夫、中学受験の勘違い、金融教育、不登校まで、「✖️→○」の対比で要点が頭に入ります。次の一冊を選ぶための地図として、他の子育て本とは役割がまったく違います。
こんな人におすすめ
どの子育て本を読むか迷っている人。書店や図書館で延々と立ち読みして決められない親。名著の要点だけ先に知って、自分に必要な一冊を選びたい人に向きます。読書の入口としても、買い足しの判断にも使えます。
良い点
- 100冊の要点を短時間で比較
- ✖️○の対比で記憶に残る
- 幅広いテーマを横断できる
気になる点
- 原著の熱量は伝わりにくい
- 紹介は要約で深掘りなし
- 読むと結局名著が欲しくなる
出版社
ワニブックス
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
100冊もまとめた本って、要約だけで薄っぺらくなったりしませんか。
佐藤メバル
そこが逆でね、これは「次の一冊を選ぶための本」なんだ。元編集長が23のキーワードで束ねていて、「✖️甘えを許すとわがままになる ○いろいろやってあげると自信がつく」みたいに、よくある思い込みを対比で示してくれる。
読む前の地図として優秀なんだよ。
橘ナナミ
あ、じゃあ子育て本のガイドブックなんですね。書店で迷ったときにいいかも。
佐藤メバル
そう、棚の前で迷う時間がぐっと減る。中学受験や不登校、金融教育まで話題が広いから、自分の関心がどのあたりにあるかも見えてくるよ。

子育ての哲学: 主体的に生きる力を育む (ちくま新書 1085)
山竹伸二 著|筑摩書房
「主体的に生きる力を育む」をテーマに、哲学の視点から子育てを考え抜くちくま新書。ハウツーの手前にある「そもそも子どもが自分で生きるとはどういうことか」を問い直す一冊で、方法より根っこを考えたい人に向きます。実践書を読む前後に置くと、自分の中の子育て観そのものが立ち上がってくるはずです。
こんな人におすすめ
ノウハウ本を何冊読んでも腹に落ちない人。目の前の対処より、子ども観や人間観から考え直したい親や教育関係者。新書サイズなので通勤中にも読み進められ、寝る前の少しずつ読むにも合います。
良い点
- 子育ての根っこを問い直せる
- 新書で読みやすい分量
- 実践書と補い合える視点
気になる点
- 具体策はほぼ載らない
- 答えより問いが中心
- すぐ効く即効性は薄い
出版社
筑摩書房
発売日
2014年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、内容紹介がないんですが、副題の「主体的に生きる力を育む」だけでも気になります。
佐藤メバル
うん、これは方法論の本じゃなくて、そもそも論の本なんだ。哲学の立場から「子どもが自分で生きるとはどういうことか」を考え抜いている。
ハウツーを読む前に、自分が子どもをどう見ているかが静かに問われる一冊だよ。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ「どう叱るか」より、もっと前の話なんですね。
佐藤メバル
そうそう。実践書とセットで読むと、テクニックが急に奥行きを持ち始める。ちくま新書だから通勤バッグにも入るし、寝る前に少しずつ読むのも合うよ。

科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線
中室牧子 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
世界的な学術論文誌から信頼性の高いエビデンスを厳選し、学校卒業後の「人生の本番」で役立つ教育を問う一冊。将来の収入を上げる習慣、非認知能力、時間投資、早生まれ、別学と共学、教育政策まで、データで常識を裏返す論点が並びます。37万部の前著から9年分の進化が詰まっており、教育費や進路を決める材料になります。
こんな人におすすめ
経験談やSNSの口コミでは納得できない人。中学受験や習い事、教育費の判断を根拠から決めたい親。教員や指導者など「人を育てる」立場で、現場や政策の思い込みを見直したい人にも向きます。
良い点
- 論文ベースで判断材料になる
- 収入や進路まで射程が長い
- 章ごとに論点が整理されている
気になる点
- 数字が多く読み応えが必要
- 文化や心情の話は薄い
- すぐ使える育児技ではない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
エビデンスって聞くと、数字ばかりで冷たい感じがしませんか。
佐藤メバル
そこは誤解でね。この本が問うのは「学校を卒業した後の人生の本番で役立つ教育は何か」。企業が新卒採用で見るコミュニケーション能力や主体性、チャレンジ精神、つまり点数では測れない力を、論文から掘り下げているんだ。
橘ナナミ
点数じゃない部分をデータで見るって、ちょっと不思議な感じがします。
佐藤メバル
スポーツを続けると将来の収入が上がる、早生まれの不利、順位の伝え方まで、意外な結論が並ぶ。数字が多くて骨はいるけど、教育費や進路を決める前に手元に置いておきたい一冊だよ。

世界標準の子育て
船津徹 著|ダイヤモンド社
¥1,210(税込)
日米で20年以上、4000名以上のアジア人を育ててきた著者が、世界各国の子育て理論と実践を体系化した一冊。前半でアメリカ・イギリス・北欧・シンガポール・インドなどの教育事情と日本人の子育てのズレを指摘し、後半は読み聞かせ方、しつけのタイミング、習い事、思春期の向き合い方まで実践編として整理しています。国際基準の基本方針が手に入ります。
こんな人におすすめ
日本式の常識に息苦しさを感じる親。海外経験やグローバルな環境で子を育てたい人。家庭の基本方針を一つ決めて、流行にぶれずに子育てしたい人が最初に読むのに向きます。
良い点
- 各国比較で視野が広がる
- 理論と実践の二部構成
- 年齢別に整理され使いやすい
気になる点
- 正解があるという主張は好みが分かれる
- 環境によっては実践しにくい
- 日本事情との折り合いが必要
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2017年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てに正解はない」ってよく聞くのに、この本は「明確な正解がある」と言い切っているのが気になります。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さだね。著者は日米で20年以上、4000名以上のアジア人の育成に関わってきた人。各国の教育事情を並べると、日本の常識がむしろ特殊だと見えてくる。
比べるから見える正解なんじゃないかな。
橘ナナミ
なるほど、世界を見たうえでの基準なんですね。読み聞かせのやり方まで載っているのが意外です。
佐藤メバル
そう、後半は実践編で、しつけのタイミングや思春期の向き合い方まで体系化されている。家庭でひとつ基本方針を決めたい人には、最初の一冊としてちょうどいいよ。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
島村華子 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
モンテッソーリとレッジョ・エミリア教育に通じたオックスフォード児童発達学博士が、エビデンスに基づく声かけを3〜12歳向けにまとめた一冊。「すごい!」が自主性を奪う理由、条件付き子育ての弊害、3種類のほめ方の違い、罰の4つの落とし穴、アクティブ・リスニングまで、今日の声かけから変えられます。
こんな人におすすめ
ほめているのに自己肯定感が育たないと感じる親。つい「早くしなさい」「ダメでしょ」と口が先に出る人。声かけだけを具体的に変えたい人が、3〜12歳の時期に手に取るのに向きます。Q&Aで場面別に引けます。
良い点
- 声かけに絞った実践性
- 教育学の裏付けがある
- Q&Aで場面別に引ける
気になる点
- 対象が3〜12歳に限定
- 理想通りにいかない日もある
- 叱り方の再学習が必要
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごい!」「よくできたね!」って、私も子どもの頃たくさん言われた気がします。それが自主性を奪うことってあるんですか。
佐藤メバル
うん、ここが盲点でね。ほめ方にも種類があって、結果だけを評価するほめ方が続くと、評価されるために動く子になりやすい。
著者はオックスフォードで児童発達学を学んだ人で、モンテッソーリとレッジョ・エミリアの両方を見てきた視点から、その違いを説明しているよ。
橘ナナミ
じゃあ、ほめないほうがいいってことではないんですよね。
佐藤メバル
そう、ほめ方を工夫するだけ。叱り方も、罰を与えるやり方の落とし穴が整理されていて、3〜12歳の家庭ならQ&Aがかなり使える。声かけだけを変えたい人に向いているよ。

「自分でできる子」に育つスゴい習慣 スタンフォード大学博士が教える最新脳科学×子育てメソッド
キム・ボギョン 著|U-CAN
¥1,760(税込)
スタンフォード大学で博士号を取った脳科学者が、自身の育児経験を織り交ぜながら習慣の力を説く一冊。「意志が弱いから動かない」のではなく、繰り返しが脳を変えると説き、集中する脳・勉強する脳・幸せな脳をつくる習慣を整理します。ごほうびシール作戦が失敗する理由など、常識の裏側まで踏み込んでいます。
こんな人におすすめ
片づけない、宿題をやらない、スマホばかり——と同じ注意を繰り返して疲れている親。叱る以外の手を探している人。3〜10歳の時期に、家庭の習慣そのものを組み直したい人が読むのに向きます。
良い点
- 脳科学の裏付けが具体的
- 習慣という長期目線で考える
- 著者の育児体験が親しみやすい
気になる点
- 習慣化には時間がかかる
- 家庭事情の差を感じる面も
- 即効の解決策ではない
出版社
U-CAN
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「何度言っても片づけない」って、まさに私の姉が毎日嘆いています。意志が弱いんでしょうか。
佐藤メバル
そこをこの本は否定するんだ。子どもの行動を変えるのは意志の力でも、叱ることでも、ごほうびシールでもない。
柔らかい子どもの脳を変えるのは小さな行動のくり返し、つまり習慣だというのが著者の主張。スタンフォードで博士号を取った脳科学者だよ。
橘ナナミ
シール作戦、うちの姉もやってました……。失敗する理由も書いてあるんですか。
佐藤メバル
うん、そこが面白いところ。集中する脳、勉強する脳、幸せな脳と分けて整理されている。3〜10歳は脳が素直に変わるとされる時期だから、叱る回数を減らしたい人に試してほしい一冊だよ。

東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て (光文社新書)
森田麻里子 著|光文社
¥990(税込)
東京大学医学部卒の医師が、世界の最新研究をリサーチして「育児の常識」を検証する光文社新書。妊娠中の予防接種、ワクチンの同時接種、ハンドドライヤー、風邪と市販薬、テレビや動画、体罰まで、◻︎で示された誤解を研究内容とともに解いていきます。ネットの極端な情報に疲れた親の道しるべになる一冊です。
こんな人におすすめ
家族や親戚の昔ながらの助言と、ネットの情報の板挟みで迷う親。根拠のある答えを短く知りたい人。赤ちゃん期から幼児期の判断に迷う場面で辞書的に引くのに向き、祖父母世代に渡すのもおすすめです。
良い点
- 医学研究ベースで安心材料になる
- 新書で持ち歩きやすい
- 誤解を◻︎形式で整理
気になる点
- 扱う範囲は医療寄り
- 心の育ちの話は少なめ
- 研究は更新され続ける前提
出版社
光文社
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「テレビや動画は子どもにとって悪」って、私もなんとなく信じてました。これも間違いなんですか。
佐藤メバル
この本は、そういう思い込みを一つずつ検証していくんだ。著者は東京大学医学部を出た現役のママ医師で、世界の最新研究を自分でリサーチしている。
予防接種や同時接種、ハンドドライヤーの衛生、体罰まで、常識とされるものをデータで見直す構成だよ。
橘ナナミ
ネットだと「絶対ダメ」と「大丈夫」の両方を見て、余計わからなくなります。
佐藤メバル
まさにその状態への処方箋だね。極端な体験談ではなく研究内容を示して、気をつけることと気にしすぎなくていいことを分けてくれる。祖父母世代に渡すのもおすすめだよ。

子育て・教育の基本を考える: 子どもの最善の利益を軸に
堀尾輝久 著|童心社
「子どもの最善の利益を軸に」という副題どおり、子育てと教育の基本を、目先の方法ではなく原理から考える一冊。教育学者・堀尾輝久が、子どもの権利を軸に据えて論じます。実践書が並ぶ棚にあって、判断のよりどころをどこに置くかを問い直す位置づけの本です。
こんな人におすすめ
保育や教育の現場で働く人。子どもの権利や福祉に関心のある人。家庭の対応に迷ったときに、立ち返る軸を持ちたい親が、実践書と並べて読むのに向きます。すぐの悩み解決より、土台づくりに向く一冊です。
良い点
- 子ども権利の視点が得られる
- 原理から考える厚みがある
- 教育関係者の土台になる
気になる点
- 具体策は載っていない
- 文体はやや硬め
- 目の前の悩み解決には遠い
出版社
童心社
発売日
2007年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子どもの最善の利益」って、法律の言葉みたいで、日々の子育ての実感とは遠い気がします。
佐藤メバル
そう感じるよね。でもこれ、判断に迷ったときの軸になる言葉なんだ。堀尾輝久は教育学者で、この本は目先の方法ではなく、子育てと教育の基本を原理から考え直す一冊。
実践書を何冊か読んだあとに置くと、自分の立ち位置がはっきりするよ。
橘ナナミ
なるほど、答えをもらう本ではなくて、考える土台なんですね。
佐藤メバル
そう。保育や教育の現場にいる人、子どもの権利に関心がある人には特に響くはず。家庭で迷ったときに戻ってこられる軸があると、流行りの方法に振り回されにくくなるよ。

保育も子育ても新しく! 21世紀の証拠に基づく「子ども育て」の本
掛札逸美 著|ぎょうせい
¥2,750(税込)
21世紀に出た研究論文150を含む200の証拠をもとに、未就学児の育ちと保育を整理した一冊。成長発達の順序をカラー写真で示し、タミー・タイム、口腔機能、睡眠、アタッチメント、共同注意、ほめると動機づけまで、現場と家庭の両方で使える形にまとめています。研修ではまだ届いていない知見に触れられます。
こんな人におすすめ
保育士や幼稚園教諭など未就学児施設で働く人。自治体で保護者支援をする人。最新の証拠を日々の関わりに落とし込みたい人に向きます。巻頭のカラー資料はコピーして保護者に渡せる作りです。
良い点
- 200の証拠で根拠が明確
- カラーページは配布も想定
- 保育実践例が具体的
気になる点
- 一般家庭には情報量が多い
- 価格はやや高め
- 読むのに腰を据える必要
出版社
ぎょうせい
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子ども育て」って、ふつうの「子育て」と何が違うんですか。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。これは、おとながする行為としての子育てではなく、育たされる側の子どもに焦点を当てた表現なんだ。
著者は、研究論文150を含む200の証拠をもとに、生まれた瞬間から始まる発達を丁寧に整理している。
橘ナナミ
保育士さん向けの本に見えますが、家庭でも使えますか。
佐藤メバル
巻頭のカラー写真ページは、コピーして保護者に渡せるように作られている。睡眠や言葉、共同注意、ほめると動機づけまで、日常の関わりに直結する話が多いよ。
園と家庭の共通言語をつくりたい人に向いているね。

誤解だらけの子育て (扶桑社新書)
成田奈緒子 著|扶桑社
¥1,056(税込)
「いい子にしてえらいね」「宿題は終わるまでつきそう」「スマホやゲームは親が管理する」——よくある対応が脳育てには逆効果だと、小児科医が35年以上の診療経験から解く一冊。45の方法を通じて、情報過多で苦しむ親を楽にすることを目的に据え、親が笑顔でいることを優先する姿勢が貫かれています。
こんな人におすすめ
育児書を読むほど追い詰められている親。理想の子ども像に焦り、つい怒って自己嫌悪する人。頑張りすぎをゆるめたい人が、ひと息つくために読むのに向きます。情報の洪水から距離を置きたい人にも。
良い点
- 誤解を具体的に解いてくれる
- 小児科医の臨床に基づく
- 親の心の負担を減らす
気になる点
- 断定的な言い切りが目立つ
- 個別の家庭差は吸収しきれない
- 年齢別の細かさは控えめ
出版社
扶桑社
発売日
2023年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「スマホやゲームは親が管理する」って、むしろ正しいことだと思ってました。逆効果なんですか。
佐藤メバル
この本はね、そこを小児脳科学の立場からひっくり返すんだ。著者は小児科医として35年以上、親子を見てきた人で、「親御さんが子どもを思ってした行動が、伝わらないどころか害悪になることが多い」と書いている。
善意のすれ違いを丁寧にほどく一冊だよ。
橘ナナミ
育児書を読むたびに、できていない自分を責めてしまうタイプなので、ちょっと救われます。
佐藤メバル
まさにそういう人のために作られている。45の方法はあるけれど、全部守らなくていいと本文で言い切っている。
「だいたいそういうことね」と構えるくらいがちょうどいいんだよ。

3600人の親子をカウンセリングしてわかった 心理学的に正しい子育て
的場永紋 著|旬報社
¥1,650(税込)
3600人の親子をカウンセリングしてきた臨床心理士が、わがまま、自発性、集中力などの悩みに心理学的アプローチで答える一冊。視覚優位・聴覚優位に合わせたほめ方、3回続けて同じことを言わない叱り方、目標設定の誤り、問題探しではなく例外探しなど、一生モノの関わり方が具体的に並びます。
こんな人におすすめ
同じ注意を何度も繰り返して疲れている親。子どもの「困った」を、性格のせいではなく関わり方で変えたい人。カウンセリングの知見を家庭に取り込みたい人に向きます。悩み別に引けるので辞書的に使えます。
良い点
- 臨床経験の厚みを感じる
- 脳のタイプ別助言が実用的
- 章立てが悩み別で引きやすい
気になる点
- 専門用語がやや多め
- 家庭によって響き方が違う
- 読み物として淡々としている
出版社
旬報社
発売日
2022年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
3600人って、すごい数ですね。それだけ聞くと説得力があります。
佐藤メバル
うん、臨床心理士として実際に親子に向き合ってきた人だからね。「子どもが言うことを聞かないのは、わがままではなく親の言葉の文脈のせい」という指摘は鋭い。
視覚優位の子には表情豊かに、聴覚優位の子には論理的に、とタイプ別のほめ方が具体的なんだ。
橘ナナミ
私、つい同じことを何度も繰り返し言ってしまうタイプなので、3回続けて言わない、は刺さります。
佐藤メバル
そこ、実践的だよね。目標設定の方法や「例外探し」も含めて、関わり方を技術として学べる。悩み別に引けるから、困ったときに開く使い方もできるよ。

臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました
杉野珠理 著|集英社クリエイティブ
¥1,980(税込)
臨床心理士と精神科医の夫婦が、発達心理学・行動遺伝学・進化心理学の3視点から、乳児期から思春期までの悩みを整理した一冊。マンガとQ&A53例で「抱っこ抱っこ」「なんで勉強しなきゃいけないの?」「自分は男じゃない気がする」といった場面に答えます。家庭で起きる具体的な問いに強いのが持ち味です。
こんな人におすすめ
厳しくすべきか見守るべきか、判断に迷う親。乳児期から思春期までを通して見通しを持ちたい人。夫婦で同じ本を読み、家の方針をすり合わせたい家庭に向きます。教育や相談の現場にも。
良い点
- 理論とQ&Aの両輪で使える
- マンガで入りやすい
- 思春期まで射程が長い
気になる点
- 352ページで厚みがある
- 網羅ゆえ一つは浅め
- 夫婦で読む時間が必要
出版社
集英社クリエイティブ
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「全部まとめてみました」って、編集者の目線で気になっちゃいます。まとめきれてるんですか。
佐藤メバル
そこは厚さ352ページで答えてるね。臨床心理士と精神科医という夫婦が、発達心理学・行動遺伝学・進化心理学の3つの視点で、乳児期から思春期までを並べている。
視点の違う二人だから、片方だけでは出ない答えが出るんだ。
橘ナナミ
Q&Aが53例も載っているのが助かります。パパ活やジェンダーの相談まであって驚きました。
佐藤メバル
そう、そこが今どきなんだよね。「なんで勉強しなきゃいけないの?」のような定番から、今の親が本当に困る場面まで拾っている。
夫婦で読み合わせて、家の方針を話し合うきっかけにもなるよ。

1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て (実用単行本)
加茂登志子 著|小学館
¥1,540(税込)
NHK「あさイチ」などで紹介されたPCIT(親子相互交流療法)を初めて書籍化した一冊。プレイセラピーと行動療法に基づく心理療法で、特に2〜7歳への効果が多くの科学論文で示されているといいます。子どもとの関係を整え、大声を出さずにしつけができる状態を目指す、エビデンスのある関わりの入門書です。
こんな人におすすめ
「言うことを聞かない」「乱暴」「落ち着かない」に悩み、育児困難を感じている親。1日5分という小さな単位から変えたい人。2〜7歳の時期に、しつけの手応えを取り戻したい人に向きます。
良い点
- 1日5分で始められる
- 科学的根拠が示されている
- 家庭向けに噛み砕かれている
気になる点
- 2〜7歳が主な対象
- 実践には継続が要る
- 療法の全体像は限定的
出版社
小学館
発売日
2020年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
PCITって、聞き慣れない言葉です。それってどういう意味ですか。
佐藤メバル
親子相互交流療法のことだね。プレイセラピーと行動療法を組み合わせた心理療法で、アメリカで開発されて、特に2〜7歳への効果が多くの科学論文で示されている。
日本でもメンタルクリニックや療育施設、児童相談所などで採用されているよ。
橘ナナミ
療法って、家庭で真似できるものなんですか。
佐藤メバル
そこが本書の狙いでね、1日5分の特別な時間を設けるところから案内してくれる。一生懸命やっているのにうまくいかない、という親のためのスキルが家庭向けに噛み砕かれている。
大声を出さずにしつけたい人に試してほしいね。

最新の「幸せの研究」でわかった しなやかで強い子になる 4つの心の育て方
前野マドカ 著|あさ出版
¥1,540(税込)
慶應義塾大学大学院で幸せの研究をしてきた著者が、16年に及ぶ研究とフィールドワーク、自身の子育て体験から心の育て方をまとめた一冊。「ありがとう」「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」の4つの心を整えると、幸福感が高く、感情をコントロールできる子に育つと説きます。親の心を整える章から始まる構成が特徴です。
こんな人におすすめ
子どもの幸せを願いつつ、何を優先すべきか迷う親。ポジティブ心理学の知見を家庭に取り入れたい人。まず自分自身の心を整えたいと感じている人にも向きます。ワークショップの知見が背景にあります。
良い点
- 幸福学の研究が土台にある
- 4つの心で整理され覚えやすい
- 親自身のケアから始まる
気になる点
- 効果は長期で見る必要がある
- 研究の詳細は控えめ
- 具体的なしつけ論は少ない
出版社
あさ出版
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ありがとう」「やってみよう」「なんとかなる」「ありのままに」って、声に出すだけでも前向きになれそうですね。
佐藤メバル
その4つが、この本の軸なんだ。慶應の大学院で幸せの研究をしてきた著者が、16年の研究と自身の子育てから、この4つの心がバランスよく整っていると幸福感が高く、しなやかで強い心が育つと説いている。
橘ナナミ
最初の章が「まずは親の心を整えよう」なのが意外です。子どもより先に親なんですね。
佐藤メバル
そこが大事なところでね。親が疲れていると、いくら良い習慣も続かない。感情のコントロールや自己肯定感、問題解決力までつながっていく、幸福学の入門としても読みやすい一冊だよ。

脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣
西剛志 著|あさ出版
¥1,650(税込)
200以上の保育現場と178の科学的根拠から、非認知能力を伸ばす17の習慣をマンガと解説で示す一冊。やる気・自信・自制心・創造力・共感力・レジリエンスの6つの力を軸に、ほめる、傾聴する、命令ではなく問いかける、体験する、任せるといった行動を日常に落とし込みます。読者の声が冒頭に並ぶ構成も親しみやすい。
こんな人におすすめ
非認知能力の大切さはわかるが、具体的に何をすればいいかわからない親。マンガで気軽に読み始めたい人。未就学児から小中高生まで、日常の習慣を見直したい家庭に向きます。保育士の声も寄せられています。
良い点
- 6つの力と17習慣で整理
- マンガで読みやすい
- 保育現場の知見が豊富
気になる点
- 内容はやや入門寄り
- 研究の細部は省かれる
- 習慣化には親の実践が要る
出版社
あさ出版
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
非認知能力って、最近よく聞くけど、結局どうやって伸ばすのかは誰も教えてくれない気がします。
佐藤メバル
そう、そこがずっとモヤモヤするところだよね。この本は、脳科学者が200以上の保育現場と178の科学的根拠から、やる気、自信、自制心、創造力、共感力、レジリエンスという6つの力に整理して、日常の17の習慣として渡してくれる。
橘ナナミ
マンガが入っているのも、忙しい親にはありがたいです。
佐藤メバル
うん、寝る前に数ページという読み方ができる。冒頭に読者の声が並んでいるのも、自分の家庭と重ねやすい工夫だね。
入門としても、習慣を見直すきっかけとしても使いやすいよ。

自分でできる子に育つ 最高の言葉かけ ハーバード大学教育学博士×発達支援専門の言語学者が教える
レベッカ・ローランド 著|SBクリエイティブ
¥1,980(税込)
ハーバード大学教育学博士で言語学者の著者が、忙しい家庭でもできる「リッチ・トーク」を提案する一冊。膨らませる・探る・評価するの3ステップで、学び、共感性、自信、遊び心、気質に応じた会話を整理します。塾も特別な時間もいらない、日々の会話が教育になるという視点が核です。
こんな人におすすめ
子どもと向き合う時間が足りないと感じる共働き世帯。会話の中身を変えたい人。気質の違うきょうだいへの声かけに悩む親にも向きます。1日5分から始められるのが気楽です。
良い点
- 会話という切り口が新鮮
- 章ごとに習慣が整理されている
- 時間やお金がかからない
気になる点
- 376ページで読み応えがある
- 文化差を感じる箇所もある
- 実践には意識づけが必要
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「教育は会話がすべて」と言われると、うちの家族は会話が足りない気がして焦ります。
佐藤メバル
焦らなくて大丈夫。著者自身が2児の母で、平日はやることに追われて夫婦や親子で話す時間もないと気づいたところから、この本が始まっている。
ハーバード大学教育学博士で言語学者の人が、膨らませる・探る・評価するの3ステップで会話を変える方法を出しているんだ。
橘ナナミ
塾も習い事も増やさなくていいんですか。
佐藤メバル
うん、1日5分でも10分でもいいと書いてある。共感性や自信、遊び心、そして気質に応じた会話まで、章ごとに具体的な習慣として並んでいる。時間がない人ほど読む価値があるよ。

子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉【「考える子どもに導く7つのステップ〜小学校までに親にできること」DL特典付き】
天野ひかり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,870(税込)
NHK「すくすく子育て」元司会の著者が、累計56,000人以上の親子の相談から培ったメソッドをまとめた一冊。ゲーム、宿題、片づけ、あいさつ、登園拒否など、よくある場面の「伸ばす言葉」と「実は否定している言葉」をマンガで対比します。カギは認める(≠ほめる)という区別です。
こんな人におすすめ
怒ってから罪悪感を抱くことを繰り返している親。声かけを具体的に言い換えたい人。活字が苦手でも、マンガと事例で読み進められる入門的な一冊を探している人に向きます。今日から一つだけ試せます。
良い点
- マンガで場面がつかめる
- 言い換え例が具体的
- 相談事例が豊富
気になる点
- やや入門者向けの内容
- ケース数が多く通読は大変
- 深い理論は控えめ
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「認める」と「ほめる」って、同じことじゃないんですか。
佐藤メバル
そこがこの本の核心でね。ほめるは評価だけど、認めるは存在や気持ちを受け取ること。著者はNHK「すくすく子育て」の元司会で、累計56,000人以上の親子の相談を聞いてきた人なんだ。
よかれと思った言葉が実は否定になっているケースを、マンガで見せてくれる。
橘ナナミ
「やりたくないなら、やらなくていいよ」も微妙な反応になる、というのが意外でした。
佐藤メバル
そう、善意の声かけほど難しい。ゲーム、宿題、片づけ、あいさつ、登園拒否まで事例が多くて、今日から一つだけ試せる。活字が苦手な人でも入りやすい構成だよ。

ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある
大河原美以 著|河出書房新社
「思いやりのある子、やさしい子に育ってほしい」と願うほど、感情をコントロールできない子になってしまう——この逆説を正面から扱う一冊。副題に「親には子どもの感情を育てる義務がある」と掲げ、よい子に育てたいという願いの裏側を問い直します。ちゃんと泣けるという視点が、他のしつけ本と一線を画します。
こんな人におすすめ
子どもに「いい子」でいてほしいと願ってしまう自分に気づいた親。感情の扱いを学びたい人。叱り方やほめ方の前に、その土台から考えたい人が手に取るのに向きます。216ページで読み切れます。
良い点
- 感情という切り口が独自
- 逆説から入る構成が印象的
- 216ページで読み切れる
気になる点
- 具体的な対処は少なめ
- 文体はやや硬め
- 即効のハウツーではない
出版社
河出書房新社
発売日
2006年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ちゃんと泣ける子に育てよう」って、泣かないほうがいい子なのに、逆をすすめているのが不思議です。
佐藤メバル
そこがいいんだよね。思いやりのある子に育ってほしいと願うほど、感情をコントロールできない子になってしまう、という逆説を正面から扱っている。
副題には「親には子どもの感情を育てる義務がある」とあって、よい子にしたい願いの裏側を見つめ直す一冊なんだ。
橘ナナミ
しつけの前に、感情そのものなんですね。ハウツーを探していた自分には意外でした。
佐藤メバル
うん、叱り方やほめ方の手前にある土台の話。200ページそこそこで読み切れるから、育児書に疲れたときに戻ってくる一冊としてもいいよ。

犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉 (SB新書)
出口保行 著|SBクリエイティブ
¥990(税込)
1万人の犯罪者を心理分析してきた犯罪心理学者が、優等生と非行少年のわずかな差を、声かけから読み解く一冊。「早くしなさい」が先を読む力を、「頑張りなさい」が意欲を、「何度言ったらわかるの」が自己肯定感を、「気をつけて!」が共感性を損なうと説き、親のよかれが呪いになりうることを具体的に示します。
こんな人におすすめ
「うちだけは大丈夫」と思っている家庭こそ、と帯にあるように、わが家の声かけを点検したい人。中学受験や思春期の対応に迷う親。教育や福祉の現場で子どもと関わる人にも向きます。新書で手に取りやすい。
良い点
- 犯罪心理の実例が説得力
- NGワードが具体的
- 新書で手に取りやすい
気になる点
- やや断定的な語り口
- 重いテーマで気が沈む面も
- 一般家庭との距離感は要注意
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2022年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「犯罪心理学者が教える」って、子育て本にしては物々しいです。
佐藤メバル
でもね、これが効くんだ。1万人の犯罪者を分析してきた人だからこそ、優等生と非行少年の差がどこで生まれるかを語れる。
たとえば「早くしなさい」は先を読む力を、「頑張りなさい」は意欲を、「気をつけて!」は共感性を損なうかもしれない、と日常の一言を名指しで指摘する。
橘ナナミ
「うちだけは大丈夫」と思っている家庭こそ読んでほしい、という帯の言葉が刺さります。
佐藤メバル
そう。反省ではなく内省を促す、模造紙で家族会議をする、といった具体策もある。重いテーマだけど、明日の一言が変わる本だよ。

子どもの見ている世界 誕生から6歳までの「子育て・親育ち」
内田伸子 著|春秋社
¥1,760(税込)
身体・心・言葉・個性・知能という観点から、誕生から6歳までの子どもの認知世界を紹介し、発達心理学の知見で乳幼児期の接し方の要点を示す一冊。大人の価値観を押しつけるのではなく、子どもに見えている世界から出発する姿勢が貫かれています。見取り図として手元に置ける一冊です。
こんな人におすすめ
0〜6歳の子どもと過ごす親。保育や教育の現場で乳幼児に関わる人。発達の見取り図を持って接したい人に向きます。子どもが何を感じているのかを知りたい人にぴったりです。
良い点
- 発達心理学の視点が土台
- 子ども目線で語られる
- 6歳までの見通しが立つ
気になる点
- 具体的なしつけ技は少ない
- 学術寄りで硬めの記述も
- 各論は薄め
出版社
春秋社
発売日
2017年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子どもの見ている世界」って、同じ景色を見ているはずなのに、違うんでしょうか。
佐藤メバル
実はかなり違うんだ。この本は、身体・心・言葉・個性・知能という観点から、誕生から6歳までの子ども自身の認知世界を紹介している。
大人の価値観を押しつけず、まず子どもに何が見えているかから始めるのが特徴なんだよ。
橘ナナミ
私、子どもが泣いている理由がわからなくて困る姉を見ているので、その視点は助かりそうです。
佐藤メバル
発達心理学の知見から乳幼児期の接し方の要点が示されるから、0〜6歳の見取り図として使える。保育や教育の現場の人にも、家庭にも置いておきたい一冊だね。

子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て
イザベル・フィリオザ 著|かんき出版
¥1,650(税込)
フランスで25万部、16カ国以上で翻訳された育児書。最新の神経生物学や生理学をもとに、子どもが泣く、ダダをこねる、イヤイヤするといった行動の裏にある動機を分析し、年齢別にどう対応するかを示します。かわいいイラストで子どもの言い分が見えるのが持ち味です。
こんな人におすすめ
1歳から5歳前後の「困った行動」に手を焼いている親。なぜそうするのかを知ってから対応を選びたい人。プレママ・プレパパが心の準備として読むのにも向きます。年齢別に章が分かれています。
良い点
- 年齢別の章立てが使いやすい
- イラストで状況がつかめる
- 海外の視点が新鮮
気になる点
- 日本の習慣とは少し違う面も
- 理論の詳細は控えめ
- 全編を読むには時間が要る
出版社
かんき出版
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ダダをこねる」って、わがままなだけだと思っていました。裏に動機があるんですか。
佐藤メバル
そう、そこを見に行く本なんだ。最新の神経生物学や生理学をもとに、泣く、こねる、イヤイヤする、といった行動の裏側を分析して、年齢ごとに対応を示している。
16カ国以上で翻訳されて、フランスでは25万部を超えた世界的な育児書なんだよ。
橘ナナミ
イラストで「子どもは実はこう考えていた」とわかるのが、想像しやすくてありがたいです。
佐藤メバル
1歳から5歳前後の時期は、口で説明できないことを行動で示すからね。年齢別の章立てになっているから、今のわが子のページから読める。プレママ・プレパパの予習にもいいよ。

子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本
フィリッパ・ペリー 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥2,420(税込)
世界46カ国200万部のベストセラー。英国の心理療法士が、親子関係の悩みに向き合うなかで、子どもへのいらだちの原因が「自分が子どもだった頃の親との関係」にあると問いかける一冊。感情の扱い方、アタッチメント、行動を変える視点、思春期の距離感まで、過去と現在をつなげて読み解きます。
こんな人におすすめ
自分の親との関係を引きずっていると感じる人。負の連鎖を断ちたいと願う親。妊娠中から思春期まで、子どもがいくつでも読み返せる内容で、夫婦や職場の人間関係にも応用できると評されています。
良い点
- 親自身の内面に向き合える
- 実例が豊富で納得しやすい
- 妊娠期から思春期まで対応
気になる点
- 読むと感情が揺れる
- マニュアルは期待しないほうがいい
- 価格はやや高め
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2023年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「自分の親に読んでほしかった本」というタイトルが、ちょっと切ないです。
佐藤メバル
そのタイトル通りでね、著者は英国の心理療法士。子どもの言動にいらだちを感じたとき、その原因は目の前の子ではなく、自分が子どもだった頃の親との関係にあるのでは、と問いかけるんだ。
橘ナナミ
子育てのハウツーを期待すると、裏切られる感じですか。
佐藤メバル
本人もまえがきで「単純明快な子育てマニュアルではない」と書いている。トイレトレーニングの話は出てこない代わりに、感情の扱い方やアタッチメント、行動を変える視点が丁寧に語られる。
読みながら動揺することもあるけれど、それごと価値になる本だよ。

この子はこの子のままでいいと思える本
佐々木正美 著|主婦の友社
¥1,870(税込)
児童精神科医・佐々木正美が、「いい子だから、かわいがるのではありません。かわいがられるから、いい子になるのです」と伝える一冊。お母さんたちの悩み相談に答えながら、「お母さん」が重い、しつけが難しい、親子バトル、思春期前、父親の役割までを扱います。子どもをそのまま受けとめる視点が芯です。
こんな人におすすめ
しつけに追われ、子どもを評価する目で見てしまっていると感じる親。孤立した育児の中で、安心できる言葉を探している人。思春期を迎える前に、親子の土台を見直したい人にも向きます。
良い点
- 相談形式で読み進めやすい
- あたたかい語り口
- 父親の役割にも触れる
気になる点
- 具体的な方法論は少なめ
- 時代を感じる記述もある
- 切実な悩みには物足りない面も
出版社
主婦の友社
発売日
2020年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「かわいがられるから、いい子になる」って、順番が逆のような気がします。ふつうはいい子だからかわいいんじゃないですか。
佐藤メバル
そこをひっくり返すのが、児童精神科医・佐々木正美の言葉なんだ。この本は、お母さんたちの悩み相談に答えながら、「お母さん」が重い、しつけが難しい、親子バトル、思春期の前、父親の役割までを扱っている。
まず受けとめるという順番を大事にしているよ。
橘ナナミ
相談に答える形なら、自分が相談している気持ちで読めそうです。
佐藤メバル
そうだね。育児に孤立を感じている人ほど、この本の言葉は沁みる。具体的なテクニックは少ないけれど、子育ての土台を立て直したいときに手に取ってほしい一冊だよ。

新装版 いつからでもやりなおせる子育て
池添素 著|かもがわ出版
¥1,210(税込)
2001年の著作を新装版として刊行した一冊。思春期・青年期を見通しながら、10代の妊娠や薬物問題など今も切実な課題をふまえ、相談現場から子どもと保護者にメッセージを送ります。「比べる」子育て、「あるはず」子育てに疲れた親へ、発達の宿題を残しながら育つという見方を示す。やり直せるという安心が核です。
こんな人におすすめ
小さい頃の関わりを後悔している親。学校に行かない、いじめ、非行、ひきこもりなど、ピンチの場面で何をすればいいか知りたい人。福祉や教育の相談現場で働く人にも向きます。120ページで手に取りやすい。
良い点
- ピンチ別の章立てが実用的
- 120ページで読みやすい
- 相談現場の視点が生きる
気になる点
- 初版は2001年で古さを感じる面も
- 統計や制度は最新ではない
- 網羅的な育児書ではない
出版社
かもがわ出版
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「いつからでもやりなおせる」って、なんだか救われる言葉です。子育てを失敗したと思っている人に向けてですか。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の芯なんだ。相談現場にいた著者が、思春期や青年期を見通しながら、10代の妊娠や薬物問題まで含めて書いている。
「比べる」子育てや「あるはず」に追い詰められた親に、発達の宿題を残しながら育つという見方を渡してくれる。
橘ナナミ
学校に行かなくなった、警察沙汰になった、といった具体的な場面ごとに章があるのが心強いです。
佐藤メバル
うん、「ピンチをチャンスに」という章は特に実践的。初版は2001年で制度や統計は古いけれど、人との関わり方の部分は今も古びていない。
120ページだから、しんどいときに手に取れる厚さなのもいいね。
定番ロングセラーと最新研究本はどう使い分ける?
橘ナナミ
佐藤さん、古典の名著と最新研究本って、情報がぶつかったときどっちを信じればいいんですか?
佐藤メバル
ぶつかって見えるときは、見ている層が違うことが多いんだ。名著は人間のどうしがたい部分を扱っているから長く読まれる。一方、中室さんの『科学的根拠(エビデンス)で子育て』のような最新研究本は、データが更新されやすい領域——政策や制度、数の効果——に強い。古典は方針、最新研究は事実の更新を担当すると思えば、読み継ぎ方が見えてくるよ。
橘ナナミ
じゃあ、名著の古びた箇所ってどう見分けるんですか?
佐藤メバル
数字や制度、「〜すべき」と断定する部分は、出た年を確認する。逆に、子どもへのまなざしや語り口は古びにくい。堀尾輝久さんの『子育て・教育の基本を考える』のように、子どもの最善の利益を軸にする本は、時代が変わっても土台として効く。古びる部分と古びない部分を分けて読むのが編集者の読み方だね。
悩み別の逆引きチャートで本を引く
橘ナナミ
年齢軸だけだと、目の前の困りごとにたどり着けないんですよね。もっと逆引きできないですか?
佐藤メバル
できるよ。わが家の使い方として、困りごとから本を引く索引を自分で作るのがおすすめだ。夜泣きや体の不調は森田麻里子さんの本、イヤイヤや言うことを聞かないは加茂登志子さんのPCITの本、きょうだいケンカや挨拶、公共の場での声かけは天野ひかりさんの『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』を開く。感情をうまく出せずにいると感じたら大河原美以さんの『ちゃんと泣ける子に育てよう』が効く。本棚を年齢順じゃなく困りごと順に並べ替えるだけで、育児中の数分の探しものが激減するんだ。
橘ナナミ
目次をコピーして貼っておくのでもいいですね。
佐藤メバル
そう、自分の手で索引を作る。これが本をわが家にインストールする第一歩だよ。
気質・特性に寄り添う本、夫婦で読む本
橘ナナミ
気質や発達特性って、画一的な本では足りなさそうで……。
佐藤メバル
そこはわが子に合わせて選ぶのが原則だね。気質の違いをどう会話に活かすかは、言語学者でもあるレベッカ・ローランドさんの『自分でできる子に育つ 最高の言葉かけ』が詳しい。ハーバード大学教育学博士が気質を活かす会話を章で立てている。感覚の鋭さやこだわりを困ったで終わらせない視点がもらえるよ。発達支援の現場の知見は掛札逸美さんの『保育も子育ても新しく!』が厚い。
橘ナナミ
パパや夫婦で読む本はありますか?
佐藤メバル
佐々木正美さんの『この子はこの子のままでいいと思える本』には「父親の役割ってなんですか?」という章がある。『臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました』は臨床心理士の妻と精神科医の夫が一緒に書いているから、夫婦で読み分けやすい。片方が全部読むより、役割で分担して1冊ずつのほうが続くよ。
合わない本の手放し方と、家庭のルールへの翻訳
橘ナナミ
買ったけど、何だかしっくりこない……ってとき、無理して読むべきですか?
佐藤メバル
撤退基準を持つといい。ひとつは開いて3ページで使える言葉がひとつもない、もうひとつは読むと罪悪感が増えるだけ。これは本が悪いんじゃなくて、わが子とその本の相性の問題。手放していい。積読を罪にしないのは、子育て中の心を守るためにも大事なんだ。
橘ナナミ
じゃあ、しっくりきた本はどう活かせば?
佐藤メバル
1冊から声かけを1つだけ選んで、家庭のルールに翻訳する。たとえば島村さんの本なら「すごい!」を「〜してくれたんだね」に置き換える、みたいに。天野ひかりさんの『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』には、その変換の例が山ほどある。本からわが家のルールへに一手間かけると、読んだ内容がようやく動き出すよ。
よくある質問
子育て本は結局何冊読めばいいですか?
橘ナナミ
子育て本は結局何冊読めばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
まず全体像をつかむ地図の本を1冊、次に今の悩みに効く実践本を1冊、そして育てたい力の本を1冊。この3冊で大半は足ります。名著は後から効いてくるので、最初から全部そろえようとしなくて大丈夫です。1冊を深く使い倒すほうが、10冊を流し読みするより家庭に残ります。
名著・ロングセラーは情報が古くないですか?
橘ナナミ
名著・ロングセラーは情報が古くないですかについて教えてください。
佐藤メバル
子どもへのまなざしや語り口は古びにくく、数字や制度、断定表現は更新されやすい部分です。古びる箇所と古びない箇所を分けて読むのがコツ。子育て・教育の基本を扱う本のように、子どもの最善の利益を軸にした本は土台として長く効きます。
エビデンスに基づいた子育て本はどれを選べばいいですか?
橘ナナミ
エビデンスに基づいた子育て本はどれを選べばいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
査読論文を厳選した中室牧子さんの『科学的根拠(エビデンス)で子育て』は外しにくい一冊です。著者自身が最後にエビデンスの限界にも触れている点が誠実で、根拠の強度まで示してくれる本は信頼の目安になります。
マンガ形式の育児書でも効果はありますか?
橘ナナミ
マンガ形式の育児書でも効果はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
あります。むしろ育児中は読む体力が残りにくいので、マンガやイラストで要点が入る本は実用的です。臨床心理士と精神科医の夫婦が書いた本や『子どもの気持ちがわかる本』のように、図解で子ども視点がつかめる本は、最初の一冊にも向いています。
パパが読むべき子育て本はありますか?
橘ナナミ
パパが読むべき子育て本はありますかについて教えてください。
佐藤メバル
『この子はこの子のままでいいと思える本』には父親の役割を扱う章があり、『臨床心理士と精神科医の夫婦が子育てで大事なこと全部まとめてみました』は夫婦で読み分けやすい構成です。片方が全部読むのではなく、役割で分担して1冊ずつ読むのがおすすめです。
わが子に合わなかった本はどうすればいいですか?
橘ナナミ
わが子に合わなかった本はどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
開いて3ページで使える言葉がひとつもない、読むと罪悪感が増えるだけ——どちらかに当てはまったら手放していいサインです。本が悪いのではなく相性の問題。積読を罪にしないことが、子育て中の心を守る第一歩になります。
電子書籍・音声・図書館ではどれがおすすめですか?
橘ナナミ
電子書籍・音声・図書館ではどれがおすすめですかについて教えてください。
佐藤メバル
何度も引く事典型は手元に置く紙、通読する研究本は図書館で試す、すきま時間は音声、と使い分けるのが基本です。最初から買い切らずに、図書館で試してから手元に残す一冊を決めると失敗が減ります。
子育て本を読んでも実践できないときはどうすればいいですか?
橘ナナミ
子育て本を読んでも実践できないときはどうすればいいですかについて教えてください。
佐藤メバル
全部やろうとせず、1冊から声かけを1つだけ選んで家庭のルールに翻訳しましょう。「すごい!」を「〜してくれたんだね」に置き換える、といった小さな変換で十分です。本からわが家のルールへの一手間が、実践のハードルをぐっと下げます。
まとめ
橘ナナミ
佐藤さん、今日お話を聞いて、子育て論の本って正解を配る本じゃなくて、親が自分の目で見るための道具なんだなって思いました。
佐藤メバル
そう。中室さんの本が最後にエビデンスの限界に触れているのも、島村さんがほめ方の解像度を上げようとしているのも、同じ方向を向いている。本は答えじゃなくて、わが子を見るためのレンズなんだよ。
橘ナナミ
レンズ……。でも、レンズが多すぎると迷いそうで。
佐藤メバル
だから最初は地図の本を1冊。次に今の悩みに効く実践本を1冊。そして、育てたい力の本を1冊。名著は後から効いてくるから、あせらなくていい。
橘ナナミ
名著は後から効く……いい言葉ですね。私、子どもがいないので、いつかその日が来たら読みたい本がたくさんあります。
佐藤メバル
いいね。山竹伸二さんの『子育ての哲学』のように、主体的に生きる力をどう育むかを考える本は、親でなくても刺さるよ。人を育てる知恵は、誰のものでもないからね。
橘ナナミ
なるほど。子育て論の本棚って、家庭菜園に似ているかもしれません。種をまいても、すぐには実らない。でも水をやり続けるうちに、いつの間にか根が張っている。どの1冊が効いたかは、収穫のときになって初めて分かる。
佐藤メバル
その通り。だから今日はどの本が当たりかを決めるより、自分の畑に合う一冊を見つける気持ちで選んでほしい。慌てなくていい。子育ても読書も、根を張る時間が要るんだ。
