有名人推薦の子育て本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今回のテーマは「子育て 本 有名人 おすすめ」です。でも検索結果を見ていると、芸能人のエッセイと専門家の育児書と、有名人が紹介していた本が、ぜんぶ同じ棚に混ざっていて、どこから手をつければいいのか分からなくなりました。
佐藤メバル
いいところに気づいたね。まず分けるべきは「有名人が書いた本」と「有名人が薦めた本」。前者の代表が中川翔子の『しょこたんの子育てクエスト ママLV.1』で、不妊治療や流産の経験、帝王切開の日の緊張と覚悟、そして双子の産後育児までを、描き下ろしのコミックエッセイとして率直に描いている。後者の例なら、天野ひかりの『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』に、タレントのつるの剛士が推薦の言葉を寄せている。
橘ナナミ
なるほど! 「書いた人」と「薦めた人」は別の軸なんですね。じゃあ芸能人の本は体験談、専門家の本はノウハウ、で割り切っていいんでしょうか。
佐藤メバル
そこが混ざるから面白いんだよ。松丸亮吾の『松丸家の育て方』は、東大の謎解きクリエイターとして知られる本人を含む四兄弟と父親が、母の死や教育方針、幼少期の秘蔵写真まで包み隠さず語る一冊で、体験談でありながら教育論でもある。逆に山中伸弥と小児脳科学者・成田奈緒子の『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』は、山中教授が子育てについて書いた初めての本で、同級生同士だからこそ本音のやりとりが続く。
橘ナナミ
え、山中先生の子育て本があるんですか。二人が共通して大事だと言っているのは何なんですか?
佐藤メバル
「レジリエンス=乗り越える力」だね。「ほったらかしが子どもを伸ばす」「親子でええかっこしいをやめる」といった提言が並ぶ。有名な人が書いた本でも、中身は体験談か理論かで役割が違う。だから「誰が書いたか」より「今ほしいのは共感か、解決策か」から入るといい。
有名人推薦の子育て本の選び方
著者別で選ぶ——芸能人本人か、専門家か、保育のプロか
橘ナナミ
著者の種類で分けると、何があるんでしょう。
佐藤メバル
大きく三つ。芸能人本人のエッセイ、専門家・研究者の本、現場のプロの発信だ。芸能人本人なら『しょこたんの子育てクエスト』や、東大理三に三男一女を合格させた経験を語る佐藤亮子の『子育ては声かけが9割』。専門家なら、スタンフォード大学の中高一貫校の校長を務める星友啓の『「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと』や、教育経済学者・中室牧子の『科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線』。現場のプロなら、現役保育士のてぃ先生『子どもにもっと伝わるスゴ技大全』で、SNSに届く膨大な相談に答える形の具体策が並ぶ。
橘ナナミ
佐藤ママの本は有名ですよね。タイトルがもう主張になっている。
佐藤メバル
そう、26年の子育てで大事にしてきた「声かけ」に絞っている。同じ声かけ系なら、NHK「すくすく子育て」の元司会を務めた天野ひかりの本が、子どもを「認める(≠誉める)」という切り口で書かれている。著者の立場が違えば、同じ悩みへの答え方も変わる。
目的別で選ぶ——共感・癒しと、具体ノウハウ
橘ナナミ
「今日は泣きたい日」「今日は解決したい日」で選ぶのもありですか?
佐藤メバル
ありどころか、それが一番実用的だよ。共感や癒しなら、精神科医さわの『児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること』。3万人以上を見てきた著者が、子どもの心の声として「何度も同じこと言わないで」「勝手に期待して、勝手にがっかりしないで」といった言葉を並べていく。
橘ナナミ
ぐさっときそう……。逆に、手を動かしたいときは?
佐藤メバル
具体ノウハウなら加藤紀子の『子育てベスト100』が強い。200以上の資料と膨大な取材から、ベスト100の方法とすぐできる421の超具体策を1冊に収めている。ほめ方・叱り方から読書、スマホ対策、ゲーム対策、睡眠、運動まで網羅的で、辞書的に引くのにも向く。島村華子の『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』も、3〜12歳を対象にした声かけをエビデンスから組み立て直す一冊だ。
子どもの年齢別で選ぶ
橘ナナミ
友人が新生児期に何を読めばいいか分からない、と言っていました。
佐藤メバル
0〜1歳なら、森田麻里子の『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』がいい。妊娠中の予防接種や同時接種、テレビや動画の是非など、「常識」とされてきたことが実は違うところから始まる。夜泣きに悩んだ著者自身が睡眠研究を調べた話も入っている。エミリー・オスターの『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト』は0歳から就学までを一冊でカバーする。
橘ナナミ
就学以降は?
佐藤メバル
小学生なら『子育ては声かけが9割』や天野ひかりの本、思春期ならフィリッパ・ペリー『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』だね。赤ちゃんから思春期まで扱い、思春期の距離感や境界線の引き方まで踏み込む。年齢で「読む時期」を決めるより、目の前の子どもの姿で選ぶのがコツだよ。
形式・読みやすさで選ぶ
橘ナナミ
活字が苦手な友人には何をすすめたらいいでしょう。
佐藤メバル
マンガなら『しょこたんの子育てクエスト』、あるいは明橋大二の『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方』。叱り方を学ぶ前にほめ方を学ぼうという立場から、「できた1割をほめていけば、子どもはぐんぐん元気になります」といった言葉が短く並ぶ。実用・図鑑型なら、掛札逸美の『保育も子育ても新しく!』のように、生後数年間の体と脳の発達をカラー写真で示す本もある。読みやすさは内容の薄さとは別物だからね。
情報の新しさで選ぶ——定番と最新研究
橘ナナミ
ロングセラーと最新刊、どっちを信じればいいんでしょう。
佐藤メバル
両方だね。定番にはジュディス・リッチ・ハリスの『子育ての大誤解〔新版〕上』のように、「親が愛情をかければ良い子が育つ」という神話を疑うところから始まる本がある。最新研究なら中室牧子の本や星友啓の本、そして1万人の調査と専門家のインタビューをまとめた『「賢い子」の親が本当にやっていること』もある。定番で骨組みを作り、新しい本で更新する。それが順番だ。
有名人推薦の子育て本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
有名人推薦の子育て本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
加藤紀子 著|ダイヤモンド社
¥1,230(税込)
教育学・生理学・心理学・脳科学の資料と膨大な取材から「本当にためになる」方法を100項目に厳選し、すぐ使える421の具体策まで落とし込んだ教科書的な一冊です。家庭学習、遊び、習い事から、ほめ方・叱り方、読書、スマホ、ゲーム、食事、睡眠、運動まで網羅。情報の洪水で迷う親の羅針盤として、1冊で全体像をつかめる点が、声かけ特化型の本や体験記とは決定的に違います。
こんな人におすすめ
3〜12歳ごろの子どもを持ち、家庭学習や習い事、スマホ対策など、論点が多すぎて何から手をつければいいかわからない人に。最初に1冊選ぶならこれという位置づけで、迷ったときに辞書的にめくる使い方にも向きます。
良い点
- 網羅性が高く辞書的に使える
- 具体的な施策が421点と豊富
- 研究の裏付けを確認している
気になる点
- 344ページで通読は重い
- 内容が広く浅くに感じる面も
- 発売後の新研究は未収録
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
最初に聞きたいんですけど、子育て本っていろいろありすぎて、何から読めばいいかわからないんです。そんな読者に、この本をすすめる理由って何ですか?
佐藤メバル
いい質問だね。この本の強みは「全部入り」なんです。教育学や心理学、脳科学などの資料と膨大な取材から、本当にためになると判断した方法を100に絞り、すぐできる具体策を421も載せている。
1冊で全体の地図が持てるのが、ほかの本との違いです。迷ったときの辞書にもなりますよ。
橘ナナミ
なるほど、地図を持ってから個別の本に進めばいいんですね。でも「ベスト100」とあるけど、100個も覚えられない気がします…。
佐藤メバル
そこは心配いらない。読む側は、いま自分が困っているテーマから拾えばいいんです。ほめ方、睡眠、ゲーム対策——目次をたどって必要な章だけ。
書店員時代、こういう網羅型は「全部読む本」ではなく「何度も戻ってくる本」として売れました。手元に置く使い方が一番活きます。

山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る (講談社+α新書 770-2C)
山中伸弥 著|講談社
¥990(税込)
ノーベル賞科学者の山中伸弥教授が、医学部の同級生で小児脳科学者の成田奈緒子医師と子育てを語り合う対談集です。山中教授が子育てについて書いた初の一冊で、「ほったらかしが子どもを伸ばす」「親子でええかっこしいをやめる」など目からウロコの提言が並びます。二人がたどり着くキーワードは「レジリエンス」。理論書ではなく、同級生の親密さから出る本音のやりとりが読みどころです。
こんな人におすすめ
教育論が堅苦しく感じる人、子育てに焦りや不安を抱える人、専門家の結論だけでなく思考の過程を覗きたい人に。寝る前に少しずつ読みたい人や、理系の視点が好きな人、対談形式で気楽に読みたい人にも向きます。
良い点
- 対談形式で読みやすい
- 山中教授の子育て本は初
- レジリエンスの視点が得られる
気になる点
- 体系的なノウハウ本ではない
- 208ページと短め
- 実践手順は少なめ
出版社
講談社
発売日
2021年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ノーベル賞の山中教授が子育ての本を出してるのが意外でした。研究者って、子育てと研究の両立は大変そうなイメージがあるんですけど…。
佐藤メバル
そこが面白いところで。相手は神戸大学医学部時代の同級生、小児脳科学者の成田奈緒子医師なんです。山中教授が「勉学の恩人」と呼ぶ仲だからこそ、本音が出る。
二人が共通して大事だと言うのが「レジリエンス」、しぶとく生き抜く力ですね。手順書ではなく、考え方を眺める本です。
橘ナナミ
レジリエンス…聞いたことはあります。それって、失敗しても立ち直れる力みたいなことですか?
佐藤メバル
そう、乗り越える力。この本では、難しい世の中をしぶとく生き抜くにはそれだ、という結論に二人が至るんです。
章立ても「ほったらかしが子どもを伸ばす」「常識を疑える子どもに育てる」と、ちょっと肩の力が抜ける内容。
育児書を読み疲れた人が視点を変えたいときにいいですよ。

しょこたんの子育てクエスト ママLV.1
中川翔子 著|宝島社
¥1,980(税込)
中川翔子さんが、不妊治療や流産の経験、巨大化するお腹との日常、帝王切開当日の緊張と覚悟、そして双子の産後育児までを率直に描いた完全描き下ろしのコミックエッセイです。SNS投稿分に加えて本書だけの限定エピソードも収録。理論や研究ではなく、当事者の実感をそのまま追えるのが、科学系の育児書や専門家の解説本とは違う読みどころです。
こんな人におすすめ
妊娠・出産を考えている人、不妊治療や流産を経験した人、双子など多胎の育児に不安がある人に。パートナーとの分担に悩む人や、仕事と育児の両立を見据えたい人、コミックで気軽に読みたい人にも。
良い点
- 妊活から産後まで一冊で追える
- 限定エピソードを収録
- コミックで読みやすい
気になる点
- 著者の体験に限られる
- 一般化された方法論は薄い
- 出産前の読者向け内容が中心
出版社
宝島社
発売日
2026年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
しょこたんの子育てコミックなんですね。アイドルや声優として活躍してきた人が、妊活から双子の育児まで描いてるって、けっこう踏み込んでるというか…。
佐藤メバル
そうなんです。不妊治療や流産の経験、お腹が大きくなっていく日々、帝王切開の当日の緊張と覚悟、産後の双子育児まで、率直に描いている。
ユーモラスなのにリアルで、SNSの漫画に加えて本書だけの描き下ろしもある。体験の当事者性が濃い一冊です。
橘ナナミ
私、まだ出産は全然先の話なんですけど、読んでも大丈夫ですかね…? 当事者じゃないのに読むのは失礼かなって少し思ってしまって。
佐藤メバル
そんなことないよ。むしろ「これから妊娠出産を考えている人」「仕事と育児の両立に不安がある人」に向けて手に取ってほしいと紹介されている本です。
私も子どもはいませんが、こういう体験記は読者の備えになります。知らない立場から読むからこそ、素朴に受け取れるものがありますよ。

松丸家の育て方
松丸亮吾 著|repicbook (リピックブック)
¥1,650(税込)
松丸亮吾さんをはじめとする松丸4兄弟と、父・松丸悟さんがタッグを組んだ育児論です。東大受験の秘話、母の死、教育方針や教育環境までを包み隠さず語り、四者四様に自分の道を切り開いていく過程が追えます。全編オールカラーで、本書用に撮り下ろした写真や幼少期の秘蔵写真も満載。一家の実例を丸ごと見る構成は、単独の専門家の解説本とは趣が異なります。
こんな人におすすめ
きょうだいの育て方に関心がある人、中学受験や東大受験のリアルを知りたい人、家庭の教育方針を家族で話し合いたい人に。写真資料として眺めたい読者、オールカラーの本を手に取りたい人にも向きます。
良い点
- 4兄弟それぞれの視点が読める
- オールカラーで資料性が高い
- 受験の実体験が具体的
気になる点
- 一家の事例で一般化はしにくい
- 母の死など重い内容を含む
- ノウハウの体系化はされていない
出版社
repicbook (リピックブック)
発売日
2021年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
松丸亮吾さんって東大の謎解きクリエイターですよね。4兄弟とお父さんが一緒に本を出してるのが面白いなと思いました。天才一家の秘密、みたいな。
佐藤メバル
まさに「天才と呼ばれる四兄弟のルーツ」を家族で語った本です。東大受験の話だけでなく、母の死、教育方針、教育環境まで包み隠さず。
四者四様、各自で道を切り開いてきた過程が追えるのが面白い。全編オールカラーで、撮り下ろしと秘蔵写真も載っています。
橘ナナミ
へえ、写真が多いんですね。活字が苦手な人でも読めそう。でも、こういう成功した家庭の本って、真似しても同じようにはならない気もするんですけど…。
佐藤メバル
その通りで、そこは正直に言っておきたい。これは事例集です。ただ、同じ親のもとで育っても4人が全然違う道に進んでいる、という事実には意味があります。
型を真似る本ではなく、「うちはどうだろう」と家族で話すきっかけにする本。きょうだい差に悩む人にこそ効きます。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
島村華子 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
オックスフォード児童発達学博士が、モンテッソーリとレッジョ・エミリア教育を知り尽くした立場から、エビデンスに基づくほめ方・叱り方を「声かけ」に落とし込んだ一冊です。「すごい!」「さすがお姉ちゃんだね!」がなぜ危ういのか、条件付き子育てのデメリット、アクティブ・リスニングの4つのポイントまで、主に3〜12歳を対象に解説。自己肯定感の低さは「ほめ不足」ではなく「ほめ方の問題」かもしれないという視点が独自です。
こんな人におすすめ
3〜12歳の子どもを持ち、よかれと思った声かけに自信が持てない人、毎日のイライラを減らしたい人に。しつけに悩む人、専門用語に抵抗がなく根拠を知りたい人、Q&Aから実践を拾いたい人にも向きます。
良い点
- 研究に基づく声かけが学べる
- 対象年齢が明示されている
- Q&Aで具体場面を確認できる
気になる点
- 3歳未満は対象外
- 理論パートはやや硬め
- 実践には反復が必要
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごい!」「よくできたね!」って、私も子どもの頃めちゃくちゃ言われて育った気がします。それがよくないかもしれないって、けっこう衝撃なんですけど…。
佐藤メバル
そこを丁寧に説明してくれる本です。著者はオックスフォードの児童発達学博士で、モンテッソーリとレッジョ・エミリアを知り尽くした人。
自己肯定感の低さは「ほめ不足」ではなく「ほめ方の問題」かもしれない——この指摘が核心です。対象は主に3歳から12歳。理由も研究から示されます。
橘ナナミ
なるほど。じゃあ「ほめればいい」って単純な話でもないんですね。叱り方のほうも載ってるんですか?
佐藤メバル
はい。罰を与える叱り方がなぜ良くないのか、褒美と罰の落とし穴、アクティブ・リスニングの4つのポイントまで。
最後は年齢別のQ&Aで、「厳しく叱らないと言うことを聞きません」といった実際の悩みにも答えています。理屈と実践の橋渡しがある本ですよ。

子どもをのばすアドラーの言葉 子育ての勇気
岸見一郎 著|幻冬舎
¥1,430(税込)
ミリオンセラー『嫌われる勇気』の岸見一郎氏が、アドラー心理学の立場から子育てを語る一冊です。「叱ってはいけない、ほめてもいけない」という出発点から、ありのままの子どもを見ること、失敗したときに責任を取ること、勉強や受験との向き合い方、そして勇気づけまで。「悪い親」ではなく「下手な親」という言葉が印象的で、親を責めずに問い直す語り口です。
こんな人におすすめ
叱ることに罪悪感を感じている人、ほめて伸ばす路線にどこか違和感がある人、親子関係を根本から考え直したい人に。受験期の子どもとの距離感に悩む人、短い章で少しずつ読みたい人にも。
良い点
- 読みやすい短い章立て
- アドラーの考え方を平易に解説
- 受験期の悩みも扱う
気になる点
- 具体的手順は少なめ
- 思想色がやや強め
- 年齢別の対応はない
出版社
幻冬舎
発売日
2016年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
岸見一郎さんって、アドラー心理学の人ですよね。子育ての本もいくつか出しているみたいですけど、この本はどんな位置づけなんですか?
佐藤メバル
これは幻冬舎から出ている、比較的読みやすい一冊です。章が短く切られていて、「無視されるより叱られた方がまし」「見ている人がいるからゴミを拾うのか?」など、ひとつずつ立ち止まって考えさせられる。
「悪い親」ではなく「下手な親」という視点が、親を楽にします。
橘ナナミ
「叱ってはいけない、ほめてもいけない」って、じゃあどうすればいいんですか? ほめるのもダメと言われると、もう何も言えない気がします…。
佐藤メバル
そこで出てくるのが「勇気づけ」なんです。上から評価するのでも、罰するのでもなく、その子の存在そのものを認める関わり方。
この本では勉強や受験、子どもへの接し方まで、その考え方を当てはめて語っています。叱ることに疲れたとき、思想の土台を据えたい一冊です。

子育てのためのアドラー心理学入門〈新装版〉: どうすれば子どもとよい関係を築けるのか
岸見一郎 著|アルテ
¥1,650(税込)
同じ岸見一郎氏による、子育てのためのアドラー心理学入門です。子どもが生きていく力を身につけるには親が子どもと対等の関係を築く必要がある、という考え方を軸に、子どもとの関わりを具体的に考察し、子育ての基本を明らかにします。勇気づけにもとづく子育てを学ぶための入門書であり、エッセイ的に読める一冊に対し、こちらは骨格を学ぶ位置づけです。
こんな人におすすめ
アドラー心理学を子育てに活かしたい初学者、子どもと対等な関係を作りたい人、叱る・ほめる以外の関わり方を体系的に知りたい人に。研修や勉強会のテキストとして使いたい人、思想から学びたい人にも。
良い点
- 入門として構成が整っている
- 対等な関係という軸が明確
- 新装版で手に取りやすい
気になる点
- やや硬派で実例は少なめ
- 即効のテクニックは載らない
- 既読者には重複感
出版社
アルテ
発売日
2025年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
さっきの岸見一郎さんの本と、出版社も装丁も雰囲気が違いますね。こちらは「入門」と銘打ってる。
佐藤メバル
そう。こちらはアルテから出た、学びの入り口として整理された一冊です。核になるのは「子どもと対等の関係を築く」という考え方。
子どもが生きていく力を身につけるには、上から教え込むのではなく、対等である必要がある。勇気づけにもとづく子育ての骨格が、コンパクトに学べます。
橘ナナミ
対等って、子どもに甘いんじゃなくて、ということですよね。線引きが難しそうだなあ。
佐藤メバル
そこがまさに本書の主題です。対等とは放任ではなく、一人の人間として尊重すること。関わり方の具体を一つずつ考察していく構成なので、研修のテキストにも向きます。
まず思想から入りたい人はこちら、読み物として入りたい人はさきほどの一冊、と使い分けるといいですよ。

東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て (光文社新書)
森田麻里子 著|光文社
¥990(税込)
東京大学医学部卒で、自身も子育て中の医師・森田麻里子さんが、世界の最新研究をリサーチして書いた育児書です。「妊娠中の予防接種」「ワクチンの同時接種」「テレビや動画は悪か」「体罰」など、よく耳にする常識を研究内容を示しながら検証していきます。祖父母世代にも読んでほしいと銘打たれているのが特徴で、家庭内の意見の食い違いを埋める材料になります。
こんな人におすすめ
乳幼児を持つ親、家族で育児方針を揃えたい人、ネットの情報に振り回されたくない人に。孫の育て方に関わる祖父母世代、妊娠中の人、新書で手軽に学びたい人にも向きます。
良い点
- 研究の内容が示される
- 新書で価格が手頃
- 祖父母世代にも配慮
気になる点
- 乳幼児期の話題が中心
- 個別の症例対応ではない
- 研究の更新が早い領域
出版社
光文社
発売日
2020年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「妊娠中は予防接種を受けてはいけない」って、私、普通にそう思い込んでました。これが間違いって言われると、えっ、となるんですけど…。
佐藤メバル
そういう「なんとなくの常識」を、一つずつ研究で確認していく本です。著者は東大医学部卒で、自身も子育て中のママ医師。
ネットの体験談と研究の結論は、しばしば食い違う。それを丁寧に示してくれるので判断の材料になります。
じいじもばあばも必読、と謳っているのが面白いところ。
橘ナナミ
祖父母世代にも、というのはいいですね。うちの親にも言いにくいことって、たしかにあって。育児書を渡すより自然かもしれない。
佐藤メバル
まさにそこ。家庭内で方針が食い違うと、いちばん疲れるのは育児を担っている人ですからね。ネットの記事は極端な意見も多い、と著者も書いています。
医療と育児のはざまで迷いやすいテーマに、研究で橋をかける。落ち着いて読める新書ですよ。

「ダメ子育て」を科学が変える!全米トップ校が親に教える57のこと (SB新書 622)
星友啓 著|SBクリエイティブ
¥990(税込)
スタンフォード大学の中高一貫校の校長を務める著者が、子育てのよくある疑問に57の形で答える一冊です。叱り方・褒め方、やる気の伸ばし方、メンタルと知能、そして親がイライラしない方法まで、脳科学や心理学の知見を教育現場で試した実感とともに示します。学校のフロンティアから届くという視点が、家庭向けの研究解説本との違いです。
こんな人におすすめ
叱り方・褒め方に迷う人、子育てでイライラが止まらない人、10代の子どもを持つ人に。教育現場の最新事情に関心がある人、新書サイズで要点をつかみたい人、57項目から必要なものを拾いたい人にも。
良い点
- 57項目で検索しやすい
- 学校現場の実感が入る
- 親のメンタルにも言及
気になる点
- 新書ゆえ網羅性は限定的
- 日本の制度前提ではない部分も
- 事例の具体は多くない
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2023年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「ダメ子育て」って題名がちょっと怖いんですけど、つまり今のやり方がダメってことじゃないですよね?
佐藤メバル
そう、不安にさせる本ではないんです。スタンフォード大学の中高一貫校で校長を務める人が、現場と科学の両方から「どうするか」を57項目で示しています。
子育ての悩みの上位はどの国でも似ている、と著者は書いていて、叱り方ややる気、親のイライラまで扱う。安心材料のほうが多いですよ。
橘ナナミ
親のイライラの章があるのは助かります。自分の感情の話って、なかなか本では触れられないので。
佐藤メバル
そこを「科学的理由と対処法」として一章立てているのが、この本の現代的なんです。スタンフォードという地の利を活かして、脳科学や心理学の知見を学校で試し、使いやすい形にしている。
日本の制度にそのまま当てはまらない部分はありますが、原理として学べます。

いまの科学で「絶対にいい! 」と断言できる 最高の子育てベスト55―――IQが上がり、心と体が強くなるすごい方法
トレーシー・カチロー 著|ダイヤモンド社
¥1,228(税込)
脳科学から心理学、教育学までの最新リサーチを集め、子どもの頭をよくし潜在能力を引き出す方法を55にまとめた一冊です。語りかけ、ごっこ遊び、語彙力、自制心、睡眠、しつけ、生活ルーティンまで、テーマごとに役に立つ情報が並びます。「すごいね」ではなく「がんばったね」とほめるなど、ひとつずつ根拠つきで示されるのが強みで、話題作でありながら内容は実直です。
こんな人におすすめ
0〜6歳ごろの子を持ち、遊びや語りかけを学びにつなげたい人、知育に関心がある人に。読み聞かせや睡眠など生活の基盤を整えたい人、海外の育児書を読み慣れた人、出産祝いを探している人にも。
良い点
- テーマごとに読みやすい
- 55項目で実践しやすい
- 海外メディアでも評価
気になる点
- 海外研究が中心
- 日本の慣習と差がある
- 網羅的ゆえ深掘りは限定的
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2016年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
この本、雑誌の「ベストセラー解剖」で「子育て本の新定番」って紹介されたやつですよね。テレビ番組でも見た気がします。
佐藤メバル
そう、話題になった一冊です。脳科学から教育学まで最新リサーチを集めて、子どもに一番やってあげたいことを一冊にまとめた。
たとえば、ほめるときは「すごいね」より「がんばったね」、ごっこ遊びで脳を鍛える、ルーティンで自分から動く力を伸ばす——どれも根拠つきで、しかも読みやすい。
橘ナナミ
0歳からでも使えますか? うちの姉がちょうど赤ちゃんを産んだばかりで、プレゼントを考えているんです。
佐藤メバル
0歳から就学ごろまでの幅をカバーしているので、出産祝いにも向きます。外国語や音楽、睡眠、自制心——テーマが細かく分かれているから、必要なところから拾える。
物語形式の本ではないので、読み聞かせより「手元に置く」タイプの贈り物になりますね。

子育ての大誤解〔新版〕上――重要なのは親じゃない (ハヤカワ文庫NF)
ジュディス・リッチ・ハリス 著|早川書房
¥924(税込)
双子を対象にした統計データからニューギニアの部族の記録まで、多様な調査を総動員して、子どもの性格と将来を決める要因に迫る一冊です。「親が愛情をかければ良い子が育つ」という神話を、学者たちの学説ごと問い直します。子どもは家と学校とで性格ががらりと変わるといった事例が並び、文庫版として手に取りやすくなりました。
こんな人におすすめ
育児書を読むほど「親次第」という圧を感じてきた人、子育ての責任を一人で抱えている人、行動遺伝学や科学の議論に関心がある人に。教育論の前提を疑いたい読者、文庫で気軽に挑みたい人にも。
良い点
- 文庫で手頃に読める
- 統計と事例の迫力がある
- 既存の育児論を揺さぶる
気になる点
- 上下巻のうちの上巻
- 主張が刺激的で賛否が分かれる
- 実践ノウハウは載らない
出版社
早川書房
発売日
2017年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「重要なのは親じゃない」って、タイトルがすごいですね。子育て本のコーナーに置いていいのかなって思うくらいで…。
佐藤メバル
そこがこの本の面白さです。双子の統計データやニューギニアの部族の記録まで動員して、子どもの性格を決める要因を徹底的に調べる。
子どもは家と学校とで性格ががらりと変わる、といった事例が次々出てきます。育児に励む人を重圧から解放してきた、とも言われるんですよ。
橘ナナミ
解放…? 逆に「親は何をしても無駄」みたいに聞こえたら、それはそれで寂しい気もするんですけど。
佐藤メバル
そこは誤解しないでほしいところ。影響がないと言っているのではなく、影響の及ぶ範囲を見直そうという話です。
英才教育を受けた神童の末路、移民の子どもの言語、スラム街を去った少年の成績向上——事例が具体的で、読み物としても面白い。文庫なので、この機会にどうぞ。

子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方
明橋大二 著|1万年堂出版
¥1,026(税込)
「叱り方を学ぶ前に、ほめ方を学ぶ」という立場から、自己肯定感を土台にした関わり方を示す定番シリーズの一冊です。「できた1割をほめていけば、子どもはぐんぐん元気になる」「『ありがとう』は最高のほめ言葉」「叱るときは止めて、目を見て、短い言葉で」。その場で使える言葉が具体的で、読者からの質問に答えるQ&Aも充実しています。
こんな人におすすめ
毎日ガミガミ叱ってしまうことに悩む人、はじめての子育てで言葉かけに迷う人、片づけや寝つきなど個別の悩みを抱える人に。読みやすさを優先したい人、Q&Aから答えを探したい人にも。
良い点
- 具体的な言葉が出ている
- Q&Aで悩みを拾える
- シリーズとして定番
気になる点
- やさしい分、物足りない面も
- 研究の引用は少なめ
- 対象は未就学児が中心
出版社
1万年堂出版
発売日
2010年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「叱り方を学ぶ前に、ほめ方を学ぶ」って順番がいいなと思いました。なんだか、気持ちが少し軽くなるというか。
佐藤メバル
その順番がこの本の肝なんです。ほめ方が上手になれば叱ることは減る、という考え方。たとえば「できた1割をほめる」「『ありがとう』は最高のほめ言葉」。
叱るときは、子どもを止めて、目を見て、短い言葉で。どれも今日から試せます。
橘ナナミ
でも、叱らなきゃいけない場面もあるじゃないですか。そういうときはどう言えばいいんでしょう。
佐藤メバル
そこも丁寧に書かれています。人格ではなく行為を叱る、理由を伝える、「〜してはダメ」より「〜してね」、あなたメッセージでなくわたしメッセージで。
叱りすぎると失敗を隠して嘘をつくようになる、という指摘も重いですね。Q&Aも充実しているので、辞書的に使えます。

子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本
フィリッパ・ペリー 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥2,420(税込)
英国で長年、親子関係や人間関係の悩みに向き合ってきた心理療法士が、実例をもとに親子の絆を深める方法をまとめた世界的なベストセラーです。子どもの言動にいらだつとき、その原因は目の前の子ではなく、自分が子どもだった頃の親との関係にあるのでは、と問いかけます。子育ての負の連鎖をどう断ち切るかを軸に、感情、妊娠出産、思春期まで踏み込みます。
こんな人におすすめ
自分の育ちを振り返りながら子育てを見直したい人、きょうだいや職場の人間関係にも応用したい人、心理的な背景から理解したい人に。思春期の子との距離感に悩む人、じっくり読み込みたい人にも。
良い点
- 心理面から深く掘り下げる
- 世界各国で読まれている
- 思春期まで範囲が広い
気になる点
- マニュアルではないと明言
- 読むと動揺する可能性
- 価格はやや高め
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2023年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「自分の親に読んでほしかった本」ってタイトル、すごく情緒的ですね。「子育て全般が変わった」という声も紹介されていますけど、どんな本なんですか?
佐藤メバル
単純な子育てマニュアルではない、と著者自身がまえがきで書いています。目の前の子どもへのいらだちって、実は自分が子どもだった頃の親との関係が背景にあるんじゃないか、と問いかけるんです。
子育ての負の連鎖をどう断ち切るか、というのが大きなテーマですね。
橘ナナミ
自分の親との関係を見つめ直すって、けっこうしんどい作業のような気がします。読んで落ち込んだりしないでしょうか…。
佐藤メバル
正直、動揺するかもしれない、怒りを覚えるかもしれない、と著者も認めています。ただ同時に、より良い親になれる可能性もある。
感情の扱い方、妊娠出産期の悩み、思春期との距離感まで具体的な指針があって、夫婦や職場の人間関係にも使える、という声も多いんですよ。

児童精神科医が「子育てが不安なお母さん」に伝えたい 子どもが本当に思っていること
精神科医さわ 著|日本実業出版社
¥1,650(税込)
3万人以上をみてきた精神科医が、子育てに不安を抱えるお母さんに向けて、子どもの心の声を伝える本です。「もっと認めてほしい」「勝手に期待して、勝手にがっかりしないで」「ただそばで笑っててくれるだけでいい」。親がよかれと思ってやっていることが、気づかぬうちに子どもを傷つけていることもある——その視点が、叱り方の技術本とは違う重みを持ちます。
こんな人におすすめ
自分の関わり方が正しいか不安な人、つい先回りして手を出してしまう人、不登校やいじめに悩む家庭に。感情的に怒ってしまい自己嫌悪を繰り返す人、子どもの言葉に耳を傾けたい人にも。
良い点
- 子どもの心の声が具体的
- 経験に基づく重みがある
- 不安な親を責めない語り口
気になる点
- 具体的な手順は少なめ
- 感情が揺さぶられる内容
- 解決を急がない構成
出版社
日本実業出版社
発売日
2024年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「勝手に期待して、勝手にがっかりしないで」って、この子どもの言葉が刺さりました。私、親にこう思わせてたのかなって、ちょっと胸が痛くて。
佐藤メバル
その一文がこの本の核心なんです。著者は3万人以上をみてきた精神科医で、ご自身も発達障害の不登校児を育てている。
親がよかれと思ってやっていることが、気づかぬうちに子どもを傷つけていることもある、と正面から伝えています。
「ちゃんと私を見て、聞いて、信じて」という声は重いです。
橘ナナミ
不安な親を責める感じではないんですね。むしろ「お母さんも完璧じゃない」という言葉も紹介されていて、そこは救われる気がしました。
佐藤メバル
そう、「大丈夫だよ。怒らなくても伝わるから」と子どもが言っている。不安な親ほど見ない、待てない、気づかない、という指摘もありますが、これは責めではなく気づきの促しです。
しつけが押しつけになっていないか、立ち止まりたい人に届く一冊です。

犯罪心理学者は見た危ない子育て (SB新書 625)
出口保行 著|SBクリエイティブ
¥990(税込)
法務省の心理職として1万人を超える非行少年や犯罪者を見てきた著者が、子育てを「過保護型」「高圧型」「甘やかし型」「無関心型」の4タイプで整理する一冊です。厳しい本ではなく、どの家庭もどれかに偏っているもの、だから真ん中に寄せる意識を持とう、というやさしい入り口になっています。巻末には4タイプのチェックリストも付いています。
こんな人におすすめ
自分の関わり方を客観視したい人、つい先回りする・指示してしまうと自覚がある人、思春期の子を持つ親に。教育虐待やネグレクトといった言葉に不安を感じた人、チェックリストで点検したい人にも。
良い点
- 4タイプで整理されわかりやすい
- チェックリストで自己点検できる
- 新書で読み切りやすい
気になる点
- 犯罪事例が中心で重い
- 極端な例に引きずられる面も
- 年齢別の対応は少ない
出版社
SBクリエイティブ
発売日
2023年8月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
犯罪心理学者が子育てを語るって、正直けっこう身構えました。非行少年の話を読んで、うちの子も…なんて不安にならないでしょうか。
佐藤メバル
その不安に配慮した書き方になっています。著者は1万人を超える非行少年や犯罪者を見てきた人ですが、まず「偏っていない子育てはない」と認める。
どの家庭も4タイプのどれかに寄っているもの、だから少しずつ真ん中に戻せばいい、というスタンスなんです。
橘ナナミ
4タイプというと、過保護とか高圧とか、そういう分類ですよね。チェックリストがあると聞いて、自分のこととして見られそうだと思いました。
佐藤メバル
ええ、巻末にタイプ別のチェックリストが付いています。「自分で決められない子」「自分で考えて動けない子」といった形で、育ちの傾向と家庭環境を結びつけて話が進む。
読み物としても具体的です。気づくことが変化の第一歩、という終章の言葉が効きますよ。

子育ては声かけが9割
佐藤亮子 著|東洋経済新報社
¥1,540(税込)
東大理三に三男一女を合格させた「佐藤ママ」こと佐藤亮子さんが、26年の子育てで最も大切にしてきた「声かけ」のノウハウを公開した一冊です。何気ない声かけは毎日何百回、何千回と繰り返され、それを聞いて育つ子どもに絶大な影響を与える。親子の信頼関係も勉強習慣も、声かけから生まれるという立場で、母自身が楽になることまで射程に入れています。
こんな人におすすめ
就学前〜中高生の子を持ち、家庭学習の習慣づけに悩む人、声のかけ方を具体的に知りたい人に。中学受験や高校受験を視野に入れている家庭、毎日の言葉を見直したい人にも向きます。
良い点
- 実績に基づく具体例がある
- 声かけに絞った構成
- 母の負担軽減にも触れる
気になる点
- 著者個人の経験が中心
- 研究の裏付けは示されない
- 家庭環境の前提が特殊
出版社
東洋経済新報社
発売日
2022年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
東大理三に四人を合格させた、佐藤ママの本ですね。すごい実績だけど、うちの子には関係ないかなって思ってしまうんです。普通の家庭が読んでも意味がありますか?
佐藤メバル
そこは丁寧に読んでほしいところで、中心にあるのは特別な教材ではなく、日常の声かけなんです。何百回、何千回と繰り返される言葉が子どもに影響する。
親子の信頼関係も勉強習慣も、声かけから生まれるという考え方で、26年の実践が詰まっています。
橘ナナミ
声かけが9割、というのは覚えやすいですね。でも、親が楽になるっていうのは意外でした。しんどくなる本かと思っていたので。
佐藤メバル
そこがこの本の現実的なところです。親が疲れ切っていたら、いい声かけは続かない。だから母自身が楽になることも大事だと書かれています。
実績のある家庭の話ですが、再現するのは教材ではなく毎日の言葉。そこが他の合格体験記と違うポイントです。

子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉【「考える子どもに導く7つのステップ〜小学校までに親にできること」DL特典付き】
天野ひかり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,870(税込)
NHK「すくすく子育て」の元司会を務めた著者が、累計56,000人以上の親子の悩みに接した経験から、「伸ばす言葉」と「実は否定している言葉」の違いを解説します。カギは子どもを「認める(≠ほめる)」こと。ゲーム、宿題、片づけ、あいさつ、きょうだいゲンカまで、日常で実際に起こる場面がマンガで示され、活字が苦手な人でも読み進められます。
こんな人におすすめ
未就学〜小学生の子を持ち、よかれと思った一言が響いていないと感じる人、同じ注意を繰り返してしまう人に。マンガから入りたい人、講座や講演の内容を復習したい人にも。
良い点
- マンガで場面がつかめる
- 相談事例が豊富
- Q&A的に引ける構成
気になる点
- 対象は小学校までが中心
- 内容が多めで実践は絞られる
- 理論の深掘りは少ない
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「よかれと思って発した声かけが、子どもに響いていない気がする」っていう一文、まさに自分が将来なりそうで怖いです。実際、そんなことあるんですか?
佐藤メバル
あるんです。著者はNHK「すくすく子育て」の元司会で、講座や講演で累計56,000人以上の親子の悩みに接してきた人。
よかれと思った言葉が、実は子どもの自己肯定感を下げていたというケースが意外とある、と書いています。
カギは「認める(≠ほめる)」という考え方です。
橘ナナミ
認める、と、ほめる、って違うんですね。その違いを聞いただけでハッとしました。
佐藤メバル
ゲームばかりのとき叱らずにやめさせるには、片づけを身につけるには、と具体的な場面が並びます。マンガで親と子の視点の違いも見られる。
反響も多く寄せられていて、「自分の都合だったとハッとした」という声も紹介されています。今日から使える言葉が欲しい人に向きますよ。

子どもにもっと伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てのみんなの悩み、お助け中!
てぃ先生 著|ダイヤモンド社
¥1,430(税込)
テレビやSNSで支持を集める現役保育士・てぃ先生が、毎日届く膨大な悩み相談に答える一冊です。「知識はあるけれど、この子に今どうすればいいかわからない」という声に、正論だけではない、現場で試して効果のあったテクニックで応えます。悩みを先回りして知っておけるので、いざというときに落ち着いて動けるのが利点です。
こんな人におすすめ
未就学児を持つ親、保育現場のリアルな対応を知りたい人、SNSで相談を読むのが好きな人に。子どもが小さいうちに備えておきたい人、短い時間で気になる項目を拾いたい人にも向きます。
良い点
- 現役保育士の実践的助言
- 悩みが具体的で多い
- 192ページで軽い
気になる点
- 体系立てた理論は少なめ
- 幼児期の話題が中心
- 既出のテクニックも多い
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2023年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
てぃ先生、SNSでよく見ます。現役の保育士さんですよね。相談に答える形式って、読み物として面白いんですか?
佐藤メバル
これがとても読みやすい。SNSに毎日膨大な相談が届くそうで、その多くが「知識はあるのに、この子に今、具体的にどうすればいいかわからない」というもの。
正論だけでは動けない場面に、現場の手が届くのが強みです。育児書を読んでも動けなかった人に効きます。
橘ナナミ
なるほど。順番に読まなくてもいい感じですか? 目次から気になるところを拾うとか。
佐藤メバル
まさにそういう使い方ができます。いまの悩みの答えを探すのはもちろん、これから起きる悩みを先に知っておけば、いざというときに慌てない。
子育てに余裕が生まれる、と書かれている通りです。192ページと短いので、寝る前に少しずつ読むのもいいですよ。

世界標準の子育て
船津徹 著|ダイヤモンド社
¥1,210(税込)
日米で20年以上教育現場に携わり、4000名以上のアジア人の育成に関わってきた著者が、世界各国の子育ての理論と実践を一冊に体系化しています。前半でアメリカ、イギリス、北欧、シンガポール、インド、中国、韓国などの教育の実情と、日本人の子育ての思い込みを指摘。後半は年齢ごとに親がすべきことを整理した実践編で、しつけのタイミングや習い事、男女の育て方の違いまで扱います。
こんな人におすすめ
国際的な視点で子育てを組み立てたい人、海外の教育事情と比べたい人、習い事やしつけの順番に悩む人に。思春期の子との向き合い方を知りたい人、年齢ごとの実践を確認したい人にも。
良い点
- 海外の実情が具体的
- 実践編が体系化されている
- 幅広い年齢をカバー
気になる点
- やや断定的な主張もある
- 文化差の考慮が薄い面も
- 事例の出典は限定的
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2017年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育てには正解がない」ってよく言うじゃないですか。この本は逆に「明確な正解がある」と主張しているんですよね。
そこまで言い切るのって、ちょっと驚きなんですけど。
佐藤メバル
著者は日米で20年以上教育現場にいて、4000名以上のアジア人の育成に関わってきた人です。各国の教育の実情を見たうえで、あえて言い切っている。
前半で日本人の子育ての思い込みを指摘し、後半は読み聞かせ方、しつけのタイミング、習い事、男女の育て方の違いまで実践として整理しています。
橘ナナミ
エリートを育てるための本、というわけではないんですよね? タイトルからすると、ちょっと競争的な印象も受けました。
佐藤メバル
そこは著者も明言していて、地頭の良さ、あきらめない心、社交性といった要素を育て、どんな環境の変化にも負けない子どもを育てるための本だ、と。
競わせるのではなく、土台を作る。海外の事例が具体的なので、視野を広げたい人に向いています。

米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト
エミリー・オスター 著|サンマーク出版
¥1,790(税込)
ハーバード大で統計学を学び、ブラウン大で経済学を教える医療経済学者が、子育てに関する異例の数の研究にあたり、2児の母としての実経験から本当に使える情報を厳選した一冊です。寝かしつけ、トイレトレーニング、テレビ、好き嫌い、共働きの影響、産後の母の状態まで、0歳から就学までを網羅。すべきことと、しなくてもいいことが分かるのが最大の特長です。
こんな人におすすめ
判断に迷う場面が多く、根拠ある情報で安心したい人、0〜6歳の子を持つ人、共働きや夫婦関係の影響を知りたい人に。分厚い一冊をじっくり読みたい人、テーマ別に引いて使いたい人にも。
良い点
- 研究を大量に集めている
- 0歳から就学まで網羅
- 母の実経験も交えている
気になる点
- 504ページで重い
- 米国の制度が前提の面も
- 結論が割れる話題も扱う
出版社
サンマーク出版
発売日
2021年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
504ページ! 分厚いですね…。これ、全部読む本なんですか?
佐藤メバル
全部を一気に読む必要はなくて、章ごとに「寝かしつけ」「トイレトレーニング」とテーマが切られているんです。
著者はハーバードで統計学を学び、ブラウン大で教える医療経済学者であり、2児の母。すべきことと、しなくてもいいことが分かるように書かれています。辞書的に使えます。
橘ナナミ
「すべきことと、しなくてもいいこと」って、後者が意外と大事ですよね。今って、やらなきゃいけないことが多すぎる気がしていて。
佐藤メバル
まさにその圧を軽くしてくれる本です。経済学者としてベスト、親としてベスト、そして子どもにとってベストを探す。
テレビ、早期教育、オムツ外し——親が気にするテーマに、研究の結論が示される。全部に目を通そうとしなくていい、というのがまず安心材料ですよ。

科学的根拠(エビデンス)で子育て 教育経済学の最前線
中室牧子 著|ダイヤモンド社
¥1,980(税込)
教育経済学者・中室牧子氏が、世界的な学術論文誌から信頼性の高いエビデンスを厳選した一冊です。将来の収入につながる要素、非認知能力の伸ばし方、子育てに時間を割く効果、早生まれの影響、目標設定、学内順位、別学と共学の違い、さらには教育政策の是非まで。成績や受験だけで終わらせず、人生の本番で役立つ教育を問う姿勢が、他の育児書と一線を画します。
こんな人におすすめ
教育投資の効果をデータで知りたい人、中学受験や習い事の判断材料を求める人、高校・大学以降まで見据えたい人に。教育関係者や指導者、エビデンスの読み方を学びたい人にも向きます。
良い点
- エビデンスが明示されている
- 学校の外まで射程がある
- 章立てが論点別で明確
気になる点
- データ中心で情緒的でない
- 政策の話はやや硬い
- 平均像ゆえ個人差は別問題
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2024年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「将来の収入を上げるために、子どもの頃にやっておくべきこと」って、すごく直球ですよね。そんなの、はっきりわかるものなんですか?
佐藤メバル
教育経済学の分野では、かなり研究が積み重なっているんです。著者は世界的な学術論文誌から信頼性の高いものを厳選しています。
学校を卒業した後の「人生の本番」で役立つ教育は何か、という問いから出発している。社会に出てから効くのは、テストの点数だけではないという指摘は重いですね。
橘ナナミ
私、いま大学院で研究してるんですけど、非認知能力って言葉をよく見かけて。それも出てくるんですか?
佐藤メバル
中心テーマのひとつです。学力テストの点数は将来の収入のほんの一部しか説明できない、非認知能力は結婚や寿命とも関連している——そういう話がデータで示される。
スポーツや音楽、美術、好奇心の伸ばし方まで扱う。読むと、目先の点数への力の入れ方が変わるかもしれません。

保育も子育ても新しく! 21世紀の証拠に基づく「子ども育て」の本
掛札逸美 著|ぎょうせい
¥2,750(税込)
研究論文150本を含む200の証拠をもとに、保育と子育ての実践をアップデートする一冊です。成長発達の順序と押さえどころをカラー写真で示し、保育所の実践例から関わり方のポイントを解説。「子育て(育児)」ではなく、対象である「子ども育て」に焦点を当てるという独自の視点で、不適切な保育を防ぐための発達の知識を渡します。
こんな人におすすめ
保育士や自治体の担当者、養成校や研修で最新の知見を学びたい人、乳幼児の成長発達を丁寧に理解したい人に。保護者向け資料として使いたい人、証拠の出典を確かめたい人にも。
良い点
- 証拠の出典が明示されている
- カラー写真で発達を確認できる
- 実践例が保育所ベース
気になる点
- 価格が高め
- 専門用語が多い
- 家庭向けの語りではない
出版社
ぎょうせい
発売日
2025年1月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルに「子ども育て」って、普通は「子育て」って書きますよね。あえてこうしているのは、何か意味があるんですか?
佐藤メバル
そこがこの本の独自さで。おとながする行為としての「子育て(育児)」ではなく、対象となる「子ども」のほうに焦点を当てた表現だそうです。
一人の個として尊重し向き合うことを込めている。研究論文150本を含む200の証拠をもとに、保育の実践をアップデートする内容です。
橘ナナミ
保育士さん向けの本なんですね。私には関係ないかな、と思ったんですけど…。
佐藤メバル
いいえ、自治体で保護者向けの情報として使うことも想定されています。カラーページはコピーして配れるようにもなっている。
成長発達の順序を写真で示し、睡眠の重要性や口腔機能、模倣や共同注意といった発達の話題まで扱う。乳幼児期の科学をしっかり押さえたい人には価値がありますよ。

「賢い子」の親が本当にやっていること 教育のプロと子育て世代1万人の調査で判明! (講談社MOOK)
講談社 著|講談社
¥1,460(税込)
1万人のママへの調査、40人の現役ママインフルエンサー、そして専門家のインタビューをバランスよく載せた知育ムックです。養老孟司氏、おおたとしまさ氏、中室牧子氏、成田奈緒子氏、伊沢拓司さんらが登場し、おうち学習、本好きに育てる秘訣、睡眠と脳、習い事、中学受験、英語などを横断。リアルなデータと先輩ママの体験が同時に見られるのが、読み物タイプの育児書との違いです。
こんな人におすすめ
就学前〜小学生の子を持ち、知育の全体像を短時間でつかみたい人、中学受験の判断材料を集めたい人に。雑誌感覚で読みたい人、情報を保存して参照したい人、名品情報も欲しい人にも。
良い点
- 1万人調査のデータがある
- 専門家の顔ぶれが多彩
- 保存版として使いやすい
気になる点
- 132ページで各論は浅め
- 発売時点の情報に限られる
- 広告的な紙面も含む
出版社
講談社
発売日
2025年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
ムックなんですね。雑誌みたいな感覚で読めて、これは気軽そう。でも、1万人のママの調査って、けっこう説得力がありますね。
佐藤メバル
そこが売りで、調査データと40人の現役ママインフルエンサーの声、そして専門家のインタビューをバランスよく載せている。
養老孟司氏、おおたとしまさ氏、中室牧子氏、成田奈緒子氏、伊沢拓司氏と顔ぶれも多彩です。現場のリアルな声と研究の視点を一度に取れるのが利点です。
橘ナナミ
おうち学習とか、本好きに育てる秘訣とか、テーマが具体的でいいですね。中学受験の話も入ってるんですか?
佐藤メバル
ええ、「中学受験、する?しない?」「英語はいつからどうやるの?」といった、親が必ず迷う論点が並びます。
玩具やゲーム、パズル、子ども家具まで名品紹介もある。気になるページから入って、数年先まで参照する使い方が似合う一冊です。

世界の一流は「子ども」に何を教えているのか
冷泉彰彦 著|クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
¥1,815(税込)
30年以上アメリカのビジネスや政治、教育を見つめ、自らも3人の子を現地で育てた著者が、ビジネスリーダーや各国から集まった優秀な人々が実践する教育法を紹介します。自己肯定感を高める方法、挑戦心を育むアプローチ、AI時代に必要な能力。忙しい家庭でも続けられる小さな習慣として提案される点が、海外の教育論を紹介する本との違いです。
こんな人におすすめ
仕事と子育てを両立しながら方針を立てたい人、自己肯定感や挑戦心を育てたい人、AI時代の学びに関心がある人に。欧米の教育観を家庭に取り入れたい人、短い時間でできる工夫を探している人にも。
良い点
- 現地で子育てした実感がある
- 短時間でできる提案
- AI時代の視点を含む
気になる点
- 米国中心の事例
- 年齢別の整理は薄い
- やや一般論に寄る面も
出版社
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「世界の一流」って、聞くだけでちょっと気後れするんですけど…。ふつうの家庭に持ち帰れる話なんでしょうか。
佐藤メバル
そこを意識して書かれています。著者は30年以上アメリカのビジネスや政治、教育を見てきて、自らも3人の子を現地で育てた人。
忙しい日常でも続けられる小さな習慣として提案してくれる。だから「一流の特別な教育」ではなく、日常に落とせる形になっているんです。
橘ナナミ
AI時代に必要な能力、という言葉も気になります。今の子どもが大きくなるころって、仕事の形も変わってそうですし。
佐藤メバル
自己肯定感の高め方、挑戦心を育むアプローチ、AI時代に必要な能力。リーダーたちの実践と、世界から集まった優秀な人々の教育法を重ねて紹介しています。
全部を真似するのではなく、家庭に合うものを選ぶ。そういう読み方ができる本ですよ。

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本 - 「AERA with Kids」 元編集長が選ぶ -
江口祐子 著|ワニブックス
¥1,360(税込)
子育て雑誌「AERA with Kids」の元編集長が、幼児・小学生を持つ親に向けた子育て本のベストセラーと名作から100冊を厳選し、23のキーワードでその要点をまとめた一冊です。何度も出会った「これスゴイ!」、新しい教育観、親の習慣、勉強・受験の勘違いといった章立てで、100冊に共通して出てくる核心を効率よく拾えます。
こんな人におすすめ
どの子育て本から読めばいいか迷っている人、短時間で全体像をつかみたい人、幼児・小学生の子を持つ人に。すでに何冊か読んだ人が内容を復習したいときや、書評として気軽に楽しみたいときにも向きます。
良い点
- 100冊の要点を効率的に取れる
- 23のキーワードで整理
- 元編集長の選書眼が光る
気になる点
- 原著の深さは味わえない
- 224ページで圧縮されている
- 読了後の満足感は選書次第
出版社
ワニブックス
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
これ、最後にふさわしいというか、まさにまとめの本ですね。100冊分の要点が1冊に入っているって、便利すぎません?
佐藤メバル
便利ですし、選書眼が信頼できるんです。著者は子育て雑誌「AERA with Kids」の元編集長で、幼児・小学生向けのベストセラーと名作から100冊を厳選。
23のキーワードに沿って紹介しています。100冊に共通して出てくる核心が見えるのが、要約本としての本当の価値です。
橘ナナミ
なるほど。逆に言うと、これだけ読めば他の本はいらない、ということではないんですよね?
佐藤メバル
そこは誤解のないように。これは地図であって、地形そのものではないんです。たとえば「自分で選ばせる」→自己決定力が育つ、といった基本が並ぶので、気になった一冊を原書で読む。
そういう入り口として使うのがいい。ここまで読んでくれた人にも、最後にちょうどいい一冊ですよ。
有名人の子育て観と、本の中身を突き合わせる
橘ナナミ
さっきの「書いた本」と「薦めた本」の話、もっと掘りたいです。有名人の子育て観って、本の中身とどう対応しているんでしょう。
佐藤メバル
いい質問だね。たとえば松丸家は「四者四様、自分の道を各自で切り開く」という考え方が軸として語られる。だから同じ教育本でも、指示して従わせる話ではなく、環境をどう整えたかの話になる。犯罪心理学者・出口保行の『犯罪心理学者は見た危ない子育て』は逆方向から近いことを言っていて、子育てを「過保護型」「高圧型」「甘やかし型」「無関心型」の4タイプに分け、どれかに偏ることが危険だと指摘する。有名人のエピソードは、理論の「実例」として読むと解像度が上がる。
橘ナナミ
エピソードと理論を往復するんですね。逆に、有名人が薦めている本はどう探せば。
佐藤メバル
帯や推薦文を見るといい。天野ひかりの本には東京大学名誉教授の汐見稔幸やタレントのつるの剛士が推薦を寄せている。『最高の子育てベスト55』も、テレビ番組で紹介されて反響を呼んだタイプで、海外の最新リサーチを「愛情」「語りかけ」「生活習慣」「遊び」「しつけ」といったテーマで整理している。ただし推薦と中身が一致しているかは、必ず自分で確かめてほしい。
悩みのフェーズ別・組み合わせの処方箋
橘ナナミ
状況別に「この2冊を組み合わせる」みたいな提案はできますか?
佐藤メバル
できるよ。妊娠中から出産前後なら、森田麻里子の『科学的に正しい子育て』で医学的な安心材料を仕入れつつ、フィリッパ・ペリーの本の妊娠・出産の章で心の準備をする。ワンオペで余裕がない時期は、精神科医さわの本で気持ちを整え、てぃ先生の『子どもにもっと伝わるスゴ技大全』で「今この子にどうすればいいか」の具体策だけ拾う。正論ではなく、実際に試して効果のあったテクニックが集まっているから、疲れているときに向く。
橘ナナミ
イヤイヤ期や叱り方に悩む時期は?
佐藤メバル
明橋大二の本でほめ方を先に学び、島村華子の本で声かけを組み立て直す。それでも「つい怒ってしまう」なら、岸見一郎の『子どもをのばすアドラーの言葉』が効く。「叱ってはいけない、ほめてもいけない」という立場から、子どもを上から目線で見ないこと、劣等感は前に進む原動力になり得ることを書いている。同じ岸見一郎の『子育てのためのアドラー心理学入門〈新装版〉』は、子どもと対等の関係を築くという基本をさらに丁寧に扱う。叱り方の本を読む前に、ほめ方と関係の築き方を読む。これが順番だよ。
橘ナナミ
思春期はどうでしょう。
佐藤メバル
ペリーの本の思春期の章と、船津徹の『世界標準の子育て』を合わせるといい。船津は日米で20年以上教育現場に携わり、思春期の子どもとの向き合い方まで視野に入れつつ、子どもをエリートにするためではなく、環境の変化に負けない子を育てることを目的に据えている。ペリーの本は冒頭で「単純明快な子育てマニュアルではない」と宣言しているけれど、その代わりに親自身の過去と向き合う作業を求めてくる。片方が手順、片方が土台だね。
入手方法と、「振り回されない」読み方
橘ナナミ
買うか借りるか、という話も聞かれそうです。
佐藤メバル
本の性格で決まる。辞書的に何度も引く『子育てベスト100』や『子どもにもっと伝わるスゴ技大全』は手元に置く価値がある。一方で、一度読めば区切りがつくエッセイや、読み終えると気持ちが落ち着くタイプは、図書館や電子書籍でも十分だよ。書店員だった頃、出産祝いの相談でよく聞かれたのは「相手がすでに持っていそう」という心配だった。だから贈るなら、育児書そのものより、読み物として楽しめる本や少し先の時期に効く本のほうが喜ばれやすい。
橘ナナミ
でも、育児書を読みすぎて振り回される、という話も聞きます。
佐藤メバル
それは本当にある。星友啓の本には「いい子育て」を疑って「科学的子育て」から始めよう、という序章がある。つまり正解を一冊に求めるのではなく、根拠を見ながら自分の家庭に合わせて調整する姿勢が大事なんだ。江口祐子の『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』のように、100冊の要点を23のキーワードで俯瞰できる本を地図代わりにするのも手だよ。一冊の本は、あなたの子育ての答えではなく、考えるための材料だ。
よくある質問
子育て本はいつから(何ヶ月から)読むべきですか?
橘ナナミ
子育て本はいつから(何ヶ月から)読むべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
決まった月齢はありませんが、妊娠中から読めます。フィリッパ・ペリー『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』には妊娠・出産の章があり、森田麻里子『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』は妊娠中の予防接種など出産前の疑問から扱っています。生まれてから慌てて探すより、妊娠中に1冊、産後にもう1冊、というペースが現実的です。
有名人の子育て本でおすすめは?
橘ナナミ
有名人の子育て本でおすすめはについて教えてください。
佐藤メバル
タイプが違うので3冊挙げます。中川翔子『しょこたんの子育てクエスト ママLV.1』は不妊治療から双子の産後育児までを描いたコミックエッセイ。松丸亮吾『松丸家の育て方』は四兄弟と父が教育方針を語る一冊。佐藤亮子『子育ては声かけが9割』は声かけに絞った実践寄りの内容です。泣きたい日はエッセイ、動きたい日は実践書と使い分けるといいですよ。
芸能人の子育て本と専門家の育児書、どっちを読むべきですか?
橘ナナミ
芸能人の子育て本と専門家の育児書、どっちを読むべきですかについて教えてください。
佐藤メバル
どちらか一方に決める必要はありません。役割が違うからです。芸能人の本は「自分だけじゃない」と思える共感や、生活の具体的な描写に効きます。専門家の本は、ほめ方・叱り方や睡眠、しつけの判断材料に向きます。精神科医さわ『子どもが本当に思っていること』のように、両方の性格を併せ持つ本もあります。
新生児期・0歳児におすすめの育児書は?
橘ナナミ
新生児期・0歳児におすすめの育児書はについて教えてください。
佐藤メバル
森田麻里子『東大医学部卒ママ医師が伝える科学的に正しい子育て』が第一候補です。世界の研究を示しながら、気をつけることと気にしなくていいことを切り分けてくれます。エミリー・オスター『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト』は0歳から就学までをカバーし、寝かしつけやトイレトレーニングなど0歳期の疑問も拾えます。
育児書に振り回されないためには?
橘ナナミ
育児書に振り回されないためにはについて教えてください。
佐藤メバル
正解を1冊に求めないことです。たとえば『子育ての大誤解〔新版〕上』は「親が愛情をかければ良い子が育つ」という前提そのものを疑う本で、読み方次第で気が楽にもなります。江口祐子『子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本』を地図代わりにして、気になった1冊だけ深く読むのがおすすめです。
イヤイヤ期に効く子育て本は?
橘ナナミ
イヤイヤ期に効く子育て本はについて教えてください。
佐藤メバル
明橋大二『子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方』は、叱り方より先にほめ方を学ぶ構成で、イヤイヤ期の親に向きます。島村華子『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』は3〜12歳対象で、声かけの言い換えが具体的です。てぃ先生『子どもにもっと伝わるスゴ技大全』は「今この子にどうすればいいか」の即効性で選べます。
子育て本は買うべき?図書館で借りるべき?
橘ナナミ
子育て本は買うべき?図書館で借りるべきについて教えてください。
佐藤メバル
辞書的に何度も引く本は買う価値があります。『子育てベスト100』や『子どもにもっと伝わるスゴ技大全』は、その時々で必要なページを開く使い方に向きます。一方、通読して気持ちを整えるタイプの本は、図書館や電子書籍でも十分。まず借りて読み、手元に置きたくなったら買う順番でも遅くありません。
出産祝いに喜ばれる子育て本は?
橘ナナミ
出産祝いに喜ばれる子育て本はについて教えてください。
佐藤メバル
育児書そのものより、読み物として楽しめる本や少し先の時期に効く本が喜ばれます。たとえば中川翔子『しょこたんの子育てクエスト ママLV.1』のようなコミックエッセイは、育児書をすでに揃えている人にも重複しにくいです。相手が読みそうなジャンルを1冊選び、押しつけにならない形で渡すのがポイントです。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、最初に感じた「同じ棚に混ざっている」というモヤモヤが、実は整理の入り口だったんだなと思いました。書いた人、薦めた人、目的、年齢、形式、新しさ。軸がいくつもあるんですね。
佐藤メバル
そう。でも軸が増えても、選び方はシンプルだよ。今の自分の状態に効く一冊を、ひとつだけ選ぶ。それでいい。
橘ナナミ
ひとつだけ、か。でも、読み終わったあとまた迷いそうで……。
佐藤メバル
そのときはもう一冊足せばいい。大事なのは、本を読んで「できていない自分」を数えるんじゃなく、明日ひとつだけ試すこと。天野ひかりの本の最後にも「答えは目の前の子どもの中にある」と書かれている。本はその答えを探すための地図で、子ども本人じゃないんだ。
橘ナナミ
地図……いいですね。育児書って、子どもという見知らぬ土地を歩くための地図で、地図を眺めているだけでは一歩も進まないし、地図と違う景色が出てきても、それは間違いじゃなくてその土地の本当の姿なんですね。
佐藤メバル
まさにそれだよ。有名人の本も専門家の本も、誰かが歩いた記録にすぎない。あなたの目の前の子どもは、まだ誰も歩いていない道を歩いている。だからこそ、地図は畳んで、顔を上げる時間を忘れないでほしい。
