子育て中に役立つ本のおすすめ人気ランキング25選【2026年版】
監修

佐藤メバル
@shelfy_mebaru
編集長。あらゆるジャンルの本を年間数百冊読み込む本のプロ。投資・経営から小説・実用書・絵本まで、良書と読者の相性を見抜く。

橘ナナミ
@medias_nanami
編集部の新人インターン。22歳の大学院生で、メディア論を研究中。「それ気になります!」が口癖の天然キャラ。読者の素朴な疑問を代弁する役割で、各メディアの専門家にいろんなジャンルの素朴な質問をぶつけていく。
最終更新: 2026年10月
橘ナナミ
佐藤さん、今日のテーマは「子育て中の本」ですよね。私、子どもがいないので、正直どこから手をつけていいのか分からなくて。書店の子育てコーナーの前で立ち尽くす気持ちです。
佐藤メバル
いい入り口だね、ナナミさん。その戸惑いは、読者の多くが最初に感じるものと同じなんだ。子育て本は「困りごとの解決」「親の心のケア」「教育メソッド」が同じ棚に並んでいて、目的がまるで違う。だからまず、今いちばん困っていることは何かをひとつ決める。それが選書の出発点だよ。
橘ナナミ
なるほど…! でも、0歳のママと小学生のパパじゃ、必要な本がまったく違いそうです。
佐藤メバル
そう。悩みと年齢の二軸で考えると、棚の前での迷いはぐっと減る。書店員時代も、この二つを先に聞くだけで「これです」と差し出せる本が変わったんだ。今日はその軸を、順番に見ていこう。
子育て中に役立つ本の選び方
目的別——何を解決したいか
橘ナナミ
目的別って、具体的にはどう分けるんですか?
佐藤メバル
寝かしつけ、食事、しつけ、発達の悩み、自己肯定感、勉強習慣。たとえば「もう『早くして』と言いたくない」なら、てぃ先生の『子どもに伝わるスゴ技大全』が状況別に引ける事典型で使いやすい。イヤイヤ期の声かけだけ欲しいなら『元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ』、ほめ方・叱り方の原理から知りたいなら島村華子の『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』だね。
橘ナナミ
とにかく1冊、という人はどうすれば?
佐藤メバル
加藤紀子の『子育てベスト100』のように範囲の広い1冊は土台になる。ただ「今この場面を何とかしたい」なら、範囲の広さより引きやすさを優先したほうがいい。
年齢別——0〜1歳・幼児・園児・小学生・思春期
橘ナナミ
年齢の区切りは、どのあたりで考えるといいんでしょう?
佐藤メバル
0〜3歳なら藤崎達宏の『0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす!』が環境づくりの具体で強い。誕生から6歳までの認知世界を知るなら内田伸子の『子どもの見ている世界』が土台になる。1歳からの困った行動を年齢ごとに追うなら、イザベル・フィリオザの『子どもの気持ちがわかる本』が章立てで発達段階を追っているよ。
橘ナナミ
思春期は…もう手遅れ、なんてことはありませんよね。
佐藤メバル
ないよ。フィリッパ・ペリーの『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』は赤ちゃんから思春期までを一本の線で扱っているし、池添素の『新装版 いつからでもやりなおせる子育て』はタイトルどおり、思春期・青年期を見通して「いつからでも」と言い切っている。
形式別——マンガ・図鑑・文庫・エッセイ
橘ナナミ
活字が苦手な人向けの本も知りたいです。
佐藤メバル
マンガやイラスト中心なら伊藤徳馬の『マンガでなるほど! どならない子育て練習帳』、清野雅子の『3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」』、天野ひかりの『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』も親子の視点の違いをマンガで描いている。逆に読み物として深いのは、竹端寛の『家族は他人、じゃあどうする?』のようなエッセイ。調べるなら事典型、考えるならエッセイ、と覚えると選びやすい。
根拠の種類別——研究か、臨床か、実体験か
橘ナナミ
「エビデンスに基づく」って、どう見分ければいいんでしょう?
佐藤メバル
奥付やあとがきで、著者が何を根拠にしているかを見る。島村華子はオックスフォードの児童発達学、キム・ボギョンはスタンフォード大学で博士号を取った脳科学者、船津徹は日米で20年以上教育現場に携わった立場から書いている。一方、ペリーは心理療法士としての臨床、てぃ先生やふじこせんせいは保育の現場が根拠。どちらが上ではなく、研究か臨床か実体験かで読後感が変わる。
読み手別と入手のしやすさ
橘ナナミ
パパや、おじいちゃん・おばあちゃんが読むなら?
佐藤メバル
井上顕滋の『子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感』は母性愛と父性愛の両方を論じていて夫婦で共有しやすい。高祖常子の『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』には夫や祖父母にイライラしたときの章がある。竹端寛の本は42歳で父になった男性の記録で、パパが自分ごととして読みやすい。厚さも見ておきたいね。親野智可等の『子育て365日』は384ページだが1話ずつ読めるし、池添素の本は120ページで短い。
子育て中に役立つ本をひと目で比較
橘ナナミ
えっ、25冊もあるんですか!?まずどう見ればいいんですか?
佐藤メバル
焦らず焦らず(笑)。まずはこの一覧で全体像を眺めてみよう。価格・著者・対象読者をまとめて見られるから、自分に近そうなのが分かるはず
子育て中に役立つ本のおすすめ人気ランキング
橘ナナミ
一覧だけだとピンと来ないので...1冊ずつ詳しく教えてください!
佐藤メバル
よし、それじゃあ1位から順に1冊ずつ解説していこう。各冊どんな人に向いてるかも合わせて話すから、自分に合いそうなのを見つけてほしい

子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり
加藤紀子 著|ダイヤモンド社
¥1,230(税込)
教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学・生理学・心理学・脳科学などの資料を200以上あたって、家庭学習や遊び、習い事、ほめ方・叱り方、読書、睡眠までを一冊にまとめた教科書型の子育て本です。100の方法に加えて、すぐ使える超具体策が421収録されていて、悩みのたびに該当ページを開けます。ひとつのメソッドを深く掘る本とは違い、広く網羅して家庭に合わせて選べるのが持ち味。玉石混交の情報に疲れた親が、最初に選ぶ地図として向いています。
こんな人におすすめ
情報の洪水で何を信じればいいかわからない人、子育ての全体像を一冊で押さえたい人、家庭学習や習い事、スマホ対策まで幅広く知りたい人に。最初の一冊を迷っている段取り派や、辞書のように手元に置いて悩みごとに引く使い方をしたい人に向いています。
良い点
- 家庭学習から睡眠まで幅広く網羅
- 具体策421と数が多く実践しやすい
- 複数の学術資料に基づく安心感
気になる点
- 情報量が多く最初は圧倒される
- 家庭ごとの優先順位は自分で選ぶ必要
- 読み物としての物語性は少なめ
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
佐藤さん、子育ての本っていろいろありすぎて、最初の一冊で迷っちゃいます。全部読む時間もないし、どの本から手をつければいいんでしょう?
佐藤メバル
いい質問だね。そういうときは、まず地図になる本を一冊選ぶといい。この本は、教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学や心理学、脳科学などの資料を200以上あたって、家庭学習・遊び・習い事・ほめ方・叱り方、食事や睡眠までを一冊にまとめたものなんだ。
100の方法に加えて、すぐ使える具体的な策が421も収録されているから、辞書みたいに手元に置けるよ。
橘ナナミ
421も具体策があるって、逆にどれから試せばいいのか迷ってしまいそうで、選び方のコツみたいなものはあるんですか?
佐藤メバル
そこがこの本のいいところでね。「これが正解」と一つに絞らず、子どもの状況に合わせて選べる形になっている。
似た本だと一つのメソッドを深く掘るタイプが多いけど、これは横に広く網羅する教科書型なんだ。だから読むというより、悩みのたびに開いて、家庭に合う引き出しを増やしていく使い方になるね。

子育て本ベストセラー100冊の「これスゴイ」を1冊にまとめた本 - 「AERA with Kids」 元編集長が選ぶ -
江口祐子 著|ワニブックス
¥1,360(税込)
子育て雑誌「AERA with Kids」の元編集長が、幼児・小学生の親に向けた子育て本のベストセラーや名作を100冊厳選し、共通する要点を23のキーワードに整理した本です。些細なことでも自分で選ばせる、失敗OKにするなど、絶対に押さえたい基本と新しい教育観が対比で示されます。百冊読む代わりにエッセンスを先取りできる反面、深い体験談はありません。一冊目より、いくつか読んだ後の整理や次の本選びに向いています。
こんな人におすすめ
子育て本をこれから読みたいけれど、どれを選べばいいかわからない人、基本と新しい教育観を短時間で押さえたい人に。百冊読む時間がない忙しい親や、読み終えた本の内容を整理し、次の一冊を選びたい人に向いています。
良い点
- 名作の要点を短時間で把握できる
- 23のキーワードで整理され迷わない
- 次に読む本選びの地図になる
気になる点
- 一冊を深く味わう体験談ではない
- 内容は既読の人には物足りない
- 個々の本の詳細までは踏み込まない
出版社
ワニブックス
発売日
2022年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子育て本を読むための子育て本」って、なんだか不思議な気がします。それって本を読む前に読むってことですか?
佐藤メバル
そういうことだね。これは「AERA with Kids」の元編集長が、幼児・小学生の親に向けた子育て本のベストセラーや名作を100冊選んで、そこから共通するポイントを23のキーワードに整理したものなんだ。
自分で100冊読む代わりに、要点を先に受け取れる。キーワードごとに○×で対比してくれるから、思い込みが反転する気づきがあるよ。
橘ナナミ
私、まだ子どもがいないので実感は薄いんですけど、読みたい本を選ぶ地図にはなりそうですね。
佐藤メバル
うん、まさに「次に何を読むか」の羅針盤だね。ひとつ注意なのは、これは体験談を深く掘る本ではなく、名作の共通項をまとめる編集型だということ。
だから一冊目というより、いくつか読んだ後の整理や、自分の興味の方向を確かめるのに向いているよ。

子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本
フィリッパ・ペリー 著|日経BP 日本経済新聞出版
¥2,420(税込)
英国の心理療法士が、長年向き合ってきた親子の実例をもとに書いた、世界46カ国で読まれる一冊です。子どもへのいらだちの原因は、自分が子どもだった頃の親との関係にあるのではと問いかけ、負の連鎖をどう断ち切るかを、妊娠・出産期から思春期の距離感まで丁寧に解き明かします。単純な育児マニュアルではなく、自分の育ちをたどり直す本。感情の扱いに重きを置く点が、他の育児書との大きな違いです。
こんな人におすすめ
つい子どもにいらだってしまい、その理由を知りたい人、自分の育ちと今の子育てのつながりを見つめたい人に。親との関係に苦しさを感じてきた人や、妊娠・出産期から思春期まで長く手元に置きたい人にも向いています。
良い点
- 親自身の育ちに気づける深い内容
- 妊娠期から思春期まで射程が長い
- 世界46カ国で読まれた実績
気になる点
- 読むと動揺することがある
- すぐ使えるハウツーは少なめ
- 心の余裕がないと重く感じる
出版社
日経BP 日本経済新聞出版
発売日
2023年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
タイトルがちょっと切ないです。「自分の親に読んでほしかった本」って、どういう気持ちなんでしょう?
佐藤メバル
これは英国の心理療法士が、長年向き合ってきた親子関係の例をもとに書いた本で、世界46カ国で読まれているんだ。
子どもへのいらだちの原因が、実は自分が子どもだったころの親との関係にあるのでは、と問いかける。単純な育児マニュアルではなくて、自分の育ちをたどり直す本なんだよ。
橘ナナミ
育児書なのに、親自身の過去を見つめるんですね。なんだか身構えてしまいます。
佐藤メバル
そう、まえがきにも動揺することがあると書いてある。でも負の連鎖をどう断ち切るか、妊娠・出産期から思春期の距離感まで扱っていて、その揺れが変化の入り口になる。
感情の扱いに重きを置いているのが、同じ「親を見つめる」系の本との違いだね。

モンテッソーリ教育・レッジョ・エミリア教育を知り尽くした オックスフォード児童発達学博士が語る 自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方 3歳 〜 12歳 の子ども対象
島村華子 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,760(税込)
モンテッソーリとレッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォードの児童発達学博士が、エビデンスに基づくほめ方・叱り方を声かけに落とし込んだ本です。条件付きのほめ方が子どもの自主性を奪うことや、罰を与える叱り方の問題点を、3〜12歳を対象に具体的に示します。同じ声かけ本でも、研究の裏付けを前面に出しているのが特徴。年齢別のQ&Aもあり、今日から言い方を変えたい人に向きます。
こんな人におすすめ
「ほめて伸ばす」でうまくいかないと感じている人、叱り方に迷いがある人、声かけを今日から変えたい人に。3〜12歳の子を持つ親や、エビデンスのある方法を尊重したい人、Q&Aで具体的な場面の答えを探したい人に向いています。
良い点
- 研究の裏付けがある声かけを学べる
- 3〜12歳の具体的な例が豊富
- よくある悩みのQ&A付き
気になる点
- 3歳未満には対象外の内容
- 実践には意識的な切り替えが要る
- 文化の違いを感じる箇所がある
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2020年4月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「すごい!」「よくできたね!」って、私も当然いいほめ方だと思ってました。まさか問題があるなんて。
佐藤メバル
いいところに目をつけたね。この本は、モンテッソーリとレッジョ・エミリア教育を知り尽くしたオックスフォードの児童発達学博士が、エビデンスに基づいて「ほめ方・叱り方」を声かけに落とし込んだものなんだ。
条件付きのほめ方が自主性を奪うこと、罰を与える叱り方の問題点などを、3〜12歳を対象に具体的に示しているよ。
橘ナナミ
じゃあ、いったいどうほめればいいんですか? 正解があるなら知りたいです。
佐藤メバル
そこは「3種類のほめ方、どれが正解?」という章で丁寧に扱われている。ポイントは結果や評価ではなく、プロセスに目を向けることだね。
同じ声かけ本でも、これは研究の裏付けを前面に出しているのが特徴。年齢別のQ&Aもあるから、今日から言い方を変えたい人にぴったりだよ。

0~3歳までの実践版 モンテッソーリ教育で才能をぐんぐん伸ばす! (単行本)
藤崎達宏 著|三笠書房
¥1,540(税込)
イタリア女性初の医学博士マリア・モンテッソーリが生み出した教育法を、0〜3歳の家庭で実践できる形に落とし込んだ一冊です。赤ちゃんを迎えるコーナー作りから手作り教具、トイレトレーニング、魔の2歳児の乗り越え方まで、親がすべき30のこととして整理されています。理論書ではなく、写真と実例が豊富な実践ガイド。才能を伸ばす前に生活の整え方を教えてくれる点が、他のモンテッソーリ本との違いです。
こんな人におすすめ
0〜3歳の子どもがいる人、これから赤ちゃんを迎える人、家庭でモンテッソーリを取り入れたい人に。手作り教具やコーナー作りを試したい人や、トイレトレーニングや魔の2歳児への備えをしたい人、写真と実例で読みやすさを求める人に向いています。
良い点
- 0〜3歳に絞った実践的な内容
- 写真と実例が多く真似しやすい
- 生活の整え方から始められる
気になる点
- 3歳以降の内容は扱わない
- 手作り教具は手間がかかる
- 理論を深く知りたい人には物足りない
出版社
三笠書房
発売日
2018年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
モンテッソーリって、名前は聞くけど何をするのかは知らなくて。しかも0〜3歳って、まだ赤ちゃんですよね?
佐藤メバル
そう、ここがミソでね。この本は、イタリア女性初の医学博士マリア・モンテッソーリが生み出した教育法を、0〜3歳の家庭で今日からできる実践に落とし込んだものなんだ。
赤ちゃんを迎えるためのコーナー作り、手作り教具、トイレトレーニング、魔の2歳児の乗り越え方まで、親がすべきことを30に整理しているよ。
橘ナナミ
写真や実例が多いって聞きました。忙しくても真似できそうですか?
佐藤メバル
うん、そこが読みやすさにつながっている。藤井聡太棋士やベゾス、ザッカーバーグなども受けていたとされる教育法だけど、この本は才能を伸ばす前に、まず生活の整え方を丁寧に教えてくれる。
理論書というより実践ガイドだから、手を動かしながら読み進められるね。

世界標準の子育て
船津徹 著|ダイヤモンド社
¥1,210(税込)
日米で20年以上教育現場に携わり、4000名以上のアジア人の育成に関わった著者が、各国の教育の実情をふまえて日本人の子育ての思い込みを指摘し、実践ノウハウを体系化した本です。読み聞かせ方やしつけのタイミング、習い事まで前半で各国比較、後半でステージごとの親の役割を示します。エリート養成ではなく、どんな環境にも負けない子を育てるのが狙い。海外の事例を軸にする点が他にない特徴です。
こんな人におすすめ
日本の子育てに疑問や不安を感じている人、海外の教育事情を知りたい人、ステージごとの指針をほしい人に。視野を広げて子育てを見直したい人や、読み聞かせから思春期の向き合い方まで一冊で体系化したい人に向いています。
良い点
- 各国の教育を比較して視野が広がる
- 読み聞かせから思春期まで体系化
- 悩みへの解決策も丁寧に解説
気になる点
- 日本式を否定されると感じる人も
- 海外前提の事例がやや多い
- 方針として受け入れる覚悟が要る
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2017年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「世界標準」って言い切られると、日本の子育てが間違っているみたいで、ちょっと身構えてしまいます。
佐藤メバル
その身構えはもっともだね。でもこれは責める本じゃない。日米で20年以上教育現場に携わり、4000名以上のアジア人の育成に関わった著者が、各国の教育の実情を踏まえて、日本人の子育ての思い込みを指摘し、後半でノウハウを体系化している本なんだ。
読み聞かせ方やしつけのタイミングまで具体的に扱っているよ。
橘ナナミ
国ごとの違いを知ると、逆に日本の良さも見えてきそうですね。
佐藤メバル
そうそう。狙いは地頭やあきらめない心、社交性を育てることで、エリート養成の本ではないと著者も明言している。
海外の事例を軸にした子育て本は珍しいから、視野を広げたい人や、ステージごとの指針を一冊で押さえたい人に向いているよ。

子どもの見ている世界 誕生から6歳までの「子育て・親育ち」
内田伸子 著|春秋社
¥1,760(税込)
身体・心・言葉・個性・知能がどう育つかを、誕生から6歳までの子どもの認知世界を描きながら、発達心理学の立場から指南する一冊です。大人の価値観を押しつけるのではなく、子どもの側から世界を見るという姿勢が全編を貫いています。手順を教えるハウツーはありませんが、なぜ子どもがそう見えるのか、そう動くのかがわかると、日々の声かけの意味が変わります。実践より土台を固めたい人に向いています。
こんな人におすすめ
なぜ子どもがそう動くのか、その土台から理解したい人、保育や教育に関わる人、大人の都合を押しつけたくない人に。ハウツーより考え方を知りたい人や、誕生から6歳までの育ちを発達心理学から見つめたい人に向いています。
良い点
- 子どもの視点から世界を描く
- 発達心理学の土台が身につく
- 押しつけでない育児を考えられる
気になる点
- すぐ使える手順は書かれていない
- 読み物としてやや硬め
- 実践を急ぐ人には遠回り
出版社
春秋社
発売日
2017年5月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
発達心理学って、大学で少し触れましたけど、実際の育児とどうつながるんでしょう?
佐藤メバル
この本は、誕生から6歳までの子どもの認知の世界を、発達心理学の立場から描いている。身体・心・言葉・個性・知能がどう育つかを、大人の見方ではなく子どもの側から見ていくんだ。
だから「大人の価値観の押しつけではない、真に子どものための育児」という視点が全編を貫いているよ。
橘ナナミ
ハウツーは少なそうですね。すぐ手順が知りたい人には向かないかも。
佐藤メバル
そう、手順を教える本ではない。でも、なぜ子どもがそう見えるのか、そう動くのかがわかると、日々の声かけの意味が変わってくる。
実践より土台を固めたい人や、保育や教育に関わる人、大人の都合を押しつけたくない人に向いている一冊だよ。

「自分でできる子」に育つスゴい習慣 スタンフォード大学博士が教える最新脳科学×子育てメソッド
キム・ボギョン 著|U-CAN
¥1,760(税込)
スタンフォード大学で博士号を取った脳科学研究者が、自身の育児を織り交ぜながら、行動を変えるのは意志の力ではなく習慣だと説く一冊です。叱るでもごほうびシールでもない方法で、片づけない、宿題をしない、スマホばかり、という悩みに応えます。3〜10歳を脳をつくる時期と位置づけ、集中する脳・勉強する脳・幸せな脳の習慣を紹介。声かけの技術に寄りがちな本とは違い、続く仕組みを脳科学から考えます。
こんな人におすすめ
何度言っても子どもが動かないと悩む人、しつけの仕組みを根本から見直したい人に。ごほうびや叱ることに頼りたくない人や、3〜10歳の時期にどんな習慣を積むかを考えたい人、脳科学の裏付けを求める人に向いています。
良い点
- 脳科学に基づく仕組みがわかる
- 習慣づくりの具体策が豊富
- 3〜10歳の時期を丁寧に扱う
気になる点
- すぐ結果が出る方法ではない
- 韓国の生活事情の記述もある
- 根気よく続ける前提の内容
出版社
U-CAN
発売日
2025年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「意志の力じゃなくて習慣」っていう考え方、私もダイエットで痛感しました…。子育てでも同じなんですね。
佐藤メバル
いい実感だね、まさにその通りで。この本は、スタンフォード大学で博士号を取った脳科学研究者が、自身の育児も織り交ぜながら、行動を変えるのは意志の力ではなく日々のくり返し=習慣だと説くんだ。
片づけない、宿題をしない、スマホばかり、という悩みに、叱るでもごほうびシールでもない方法を出しているよ。
橘ナナミ
シール作戦が失敗する理由まで書いてあるんですか? それは気になります。
佐藤メバル
そこが面白いところ。3〜10歳を、大成する脳をつくる時期として位置づけている。似た本は声かけの技術に寄りがちだけど、これは脳科学の側から「続く仕組み」を考えるのが違いだね。
すぐ結果は出ないけど、根気よく続けたい人に向いているよ。

子どもに伝わるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育てで困ったら、これやってみ!
てぃ先生 著|ダイヤモンド社
¥1,320(税込)
SNSで圧倒的な支持を集める現役保育士が、「はやくして」と言わなくて済む伝え方をまとめた本です。おしたく、お片づけ、お食事などの状況別に引ける事典のような作りで、実際に試して効果のあった手が具体的に並びます。怒らせる前に、子どもが自分から動くきっかけをつくるのが基本の発想。あえて年齢を区切らず、その子に効きそうかを基準に選べるのが、他の育児書と違う使いやすさです。
こんな人におすすめ
毎日の支度や食事、片づけに手を焼いている人、すぐ引ける具体策がほしい人、SNSの言葉に助けられた経験がある人に。長時間本を読む余裕がない人や、年齢で区切らず目の前の子に効く手を探したい人に向いています。
良い点
- シーン別にすぐ引ける使いやすさ
- 現役保育士の現場の知恵
- 年齢で区切らず選べる柔軟さ
気になる点
- 体系立てて学ぶのには向かない
- 多くの困りごとを浅く広く扱う
- 腰を据えて読む本ではない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2020年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
てぃ先生、SNSで見たことあります! でも本は読んだことがなくて。どんな内容なんですか?
佐藤メバル
現役の保育士で、SNSでも圧倒的に支持されている人の本だね。「はやくして」と言わなくて済むように、困りがちな場面ごとに伝え方のコツをまとめている。
おしたく、お片づけ、お食事などを状況別に引ける事典のような作りなんだ。実際に試して効果のあった手が、具体的に並んでいるよ。
橘ナナミ
何歳向けか書いてないって聞いたんですが、それで大丈夫なんですか?
佐藤メバル
あえて書いていないと著者も言っている。年齢より、その子に効きそうかを基準に選んでいい、という考え方なんだ。
実際の困りごとに即効性があるのが特徴で、理論書というより現場の知恵袋。腰を据えて読むというより、困ったときに開く一冊だよ。

子どもの気持ちがわかる本 子どももママもハッピーになる子育て
イザベル・フィリオザ 著|かんき出版
¥1,650(税込)
フランスで広く読まれ、16カ国以上で翻訳される育児書です。子どもが泣く、ダダをこねる、反抗するといった場面の裏にどんな動機があるかを、最新の神経生物学や生理学をもとに分析し、対応法をかわいいイラストで示します。1歳から5歳まで、発達の時期ごとに章が分かれているので、今まさに困っている場面を引けます。同じ「気持ちを理解する」本でも、分析と対応をセットで見せてくれるのが特徴です。
こんな人におすすめ
1歳から5歳ごろの「困った」の理由を知りたい人、イラストで気軽に読みたい人、子どもの気持ちを想像したい人に。泣く・ダダをこねるの裏側を理解したい人や、プレママ・プレパパ、発達に沿った対応を知りたい人に向いています。
良い点
- 行動の裏の動機がわかる
- イラストで読みやすい
- 1歳から5歳まで時期別に整理
気になる点
- 日本の生活習慣とずれる箇所も
- 文化差を感じる例がある
- 対処法はシンプルめ
出版社
かんき出版
発売日
2019年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「子どもは実はこんなことを考えていた」って、イラストであるんですよね。それ、かなり気になります。
佐藤メバル
これはフランスで広く読まれ、16カ国以上で翻訳されている育児書なんだ。子どもが泣く、ダダをこねる、反抗する、といった場面の裏にどんな動機があるかを、最新の神経生物学や生理学をもとに分析している。
1歳から5歳まで、発達の時期ごとに章が分かれているから、今困っている場面を引けるよ。
橘ナナミ
反抗や作り話まで、年齢別に整理されているんですか。読みやすそうですね。
佐藤メバル
そう、秩序を守りたがる時期、自己主張の時期、想像の世界が生まれる時期と、発達に沿って並んでいる。同じ「気持ちを理解する」本でも、分析と対応をセットで見せてくれるのが特徴だね。
プレママやプレパパにもいいと言われる所以だよ。

子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉【「考える子どもに導く7つのステップ〜小学校までに親にできること」DL特典付き】
天野ひかり 著|ディスカヴァー・トゥエンティワン
¥1,870(税込)
NHK「すくすく子育て」の元司会で、累計5万6千人以上の親子の相談に向き合ってきた著者の本です。ゲームをやめさせたい、練習をやりたがらない、片づけないといった具体的なシーンで、伸ばす言葉と、実は否定している言葉の違いをマンガも交えて解説します。カギは「ほめる」ではなく「認める」という考え方。言い換え集になりがちな声かけ本と違い、親と子の視点の違いから入るのが特徴です。
こんな人におすすめ
つい声を荒げてしまい後で罪悪感を抱く人、よかれと思った言葉が響かないと感じる人に。自己肯定感を下げずに伝えたい人や、ゲーム・宿題・片づけなど具体的な場面の言い方を知りたい人、マンガで読みやすさを求める人に向いています。
良い点
- マンガで場面がイメージしやすい
- 具体的な声かけの言い換えが豊富
- 自分の口ぐせに気づける
気になる点
- 全部を一度には実践しにくい
- 理論より実例が中心
- 子の年齢で響き方が違う
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日
2023年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「よかれと思った言葉が実は否定している」って、聞いただけでドキッとします。私も言いそうで…。
佐藤メバル
NHK「すくすく子育て」の元司会で、累計5万6千人以上の親子の相談に向き合ってきた著者の本なんだ。ゲームをやめさせたい、練習をやりたがらない、片づけない、といった具体的なシーンで、伸ばす言葉と、実は否定している言葉の違いを、マンガも交えて示しているよ。
橘ナナミ
つまり「ほめる」以外に方法があるってことですか? そこが知りたいです。
佐藤メバル
そう、「認める≠ほめる」というのがキーワードだね。似た声かけ本は言い換え集になりがちだけど、これは親と子の視点の違いから入るところが違う。
読むと、自分の口ぐせにハッとするよ。ただ、全部を一度に実践するのは難しいから、気になった一つから試すのがいい。

元保育士のグズらない声かけ145 イヤイヤ期のトリセツ
ふじこせんせい 著|講談社
¥1,760(税込)
元保育士でイヤイヤ期を研究してきた著者が、子どもとの会話でそのまま使える声かけを145紹介する本です。ご飯、お着替え、お出かけ、トイレ、ねんねとシーン別に引けるうえ、なぜイヤが発動するのかを脳や身体の発達からも説明します。悩みに短く答え、漫画や動画で実際の声のトーンも確かめられる。同じイヤイヤ期本でも、「なぜ」と「どう言うか」をセットで手早く引けるのが強みです。
こんな人におすすめ
イヤイヤ期の子どもとの毎日に消耗している人、その場で使える声かけを探している人に。シーン別にすぐ引ける手がほしい人や、なぜイヤが起きるのかも知りたい人、動画で声のトーンまで確かめたい人に向いています。
良い点
- 145の声かけをすぐ真似できる
- シーン別で引ける構成
- 動画でトーンまで確かめられる
気になる点
- イヤイヤ期以外には物足りない
- 網羅的でやや断片的
- 深い理論は求めにくい
出版社
講談社
発売日
2024年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「イヤイヤ期のトリセツ」、まさに今それと戦っている友達に渡したいです。使える声かけが載ってるんですか?
佐藤メバル
元保育士で、イヤイヤ期を研究してきた著者が、子どもとの会話でそのまま使える声かけを145掲載している本だよ。
ご飯、お着替え、お出かけ、トイレ、ねんねと、シーン別に分かれていて、なぜイヤが発動するのかを脳や身体の発達からも説明しているんだ。
橘ナナミ
漫画や動画もあって、忙しくても読めそうですね。実際の声のトーンまでわかるんですか?
佐藤メバル
そう、そこが強み。QRコードから実際の声かけのトーンや表情も見られるから、言葉だけでなく伝え方まで真似できる。
同じイヤイヤ期本でも、「なぜ」と「どう言うか」をセットで手早く引けるタイプだね。深い理論より、今日使える手がほしい人に向いているよ。

3歳からのアドラー式子育て術「パセージ」: ほめない、しからない、勇気づける (実用単行本)
清野雅子 著|小学館
¥1,287(税込)
『嫌われる勇気』で知られるアドラー心理学は、もともと教育と子育てに根ざしたもの。この本は、日本に広めた野田俊作氏が開発し、30年以上支持されてきた子育て学習プログラム「パセージ」を紹介する初の書籍です。マンガで悩みの場面を見せ、解決策を学ぶ形で、目標をもつ、過干渉を見直す、家族で話し合うといった項目を扱います。同じアドラー系でも手順がはっきりしている点が、他との違いです。
こんな人におすすめ
アドラー心理学を子育てに活かしたい人、叱る・ほめる以外の関わり方を知りたい人に。長く支持されてきた手順で学びたい人や、過干渉を見直したい人、家族で話し合う習慣をつくりたい人、マンガで読み進めたい人に向いています。
良い点
- 30年以上の実績ある手法
- マンガで悩み場面が入りやすい
- 家族で話し合う習慣がつく
気になる点
- プログラムの考え方に慣れが要る
- ほめる育児を否定され驚くかも
- 地域の学習グループ前提の面も
出版社
小学館
発売日
2018年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
アドラー心理学って『嫌われる勇気』のイメージでしたが、子育てにもあるんですね。知りませんでした。
佐藤メバル
実はアドラー心理学は、もともと教育と子育てに根ざしているんだよ。この本は、日本にアドラー心理学を広めた野田俊作氏が開発し、30年以上支持されてきた子育て学習プログラム「パセージ」を紹介する初の書籍なんだ。
マンガで悩みの場面を見せて、解決策を学ぶ形になっている。
橘ナナミ
「ほめない、しからない、勇気づける」って、どういうことなんですか? 逆に難しい気がします。
佐藤メバル
そこがこの本の核心でね。ほめる育児が子どもをダメにするという考え方から入り、目標をもつ、過干渉を見直す、家族で話し合う、といった具体的な項目で問題解決能力を育てていく。
同じアドラー系でも手順がはっきりしているのが特徴だよ。

マンガでなるほど! どならない子育て練習帳 (Como子育てBOOKS)
伊藤徳馬 著|主婦の友社
¥1,247(税込)
神奈川県茅ヶ崎市の子育て支援事業として企画され、トレーナーが指導する「どならない子育て講座」の要点を、マンガで解説した本です。「いいかげんにしなさい」は効き目が少ないのは、驚いて一瞬おとなしくなるだけで、代わりの行動がわからないからだと説明します。望ましい行動をほめて促す省エネ子育て法を、ケーススタディで練習。感情的にならない系の本でも、練習を前面に出すのが違いです。
こんな人におすすめ
つい子どもをどなってしまう自分を変えたい人、感情的にならない方法を練習したい人に。自治体の講座をもとにした方法を試したい人や、ケーススタディで具体的な場面を学びたい人、実践者の体験談を参考にしたい人に向いています。
良い点
- マンガで場面を追いやすい
- どならない方法を練習できる
- 実践者の体験談が参考になる
気になる点
- 自治体講座の要約という性格
- 全員に効く万能薬ではない
- 深い理論の説明は少なめ
出版社
主婦の友社
発売日
2016年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「どならない子育て講座」って、実際に自治体でやっている事業なんですか? 本になるくらい有名なんですね。
佐藤メバル
そうなんだ。神奈川県茅ヶ崎市の子育て支援事業として企画され、トレーナーが指導している講座の要点を、マンガで解説した本なんだよ。
「いいかげんにしなさい」は効き目が少ないというのを、驚いて一瞬おとなしくなるだけで、代わりの行動がわからないからだと説明している。
橘ナナミ
じゃあ、具体的にはどうすればいいんでしょう? 練習って書いてありますが。
佐藤メバル
望ましい行動をほめて促す、いわゆる省エネ子育て法だね。ケーススタディで「この場面ならどうする」を練習する形になっていて、実践した親子の感想も載っている。
感情的にならない系の本でも、これは“練習”を前面に出しているのが違いだよ。

叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本 (だいわ文庫)
奥田健次 著|大和書房
¥880(税込)
叱らなくても子どもが動く仕組みを、行動を捉え直すところから説いた一冊です。「やりなさい」と叱る前に「認めて褒める」ことで子どもが変わるという考え方を、イライラ子育てに悩む親に向けて具体的に示します。叱りゼロを目標にするというより、叱らなくても動く状態を先につくるという発想。同じ叱り方の本でも、行動をどう捉えるかに重きを置いていて、まず試しやすい文庫なのも嬉しいところです。
こんな人におすすめ
叱る回数を減らしたい人、認めて褒める関わり方を知りたい人、まず手頃に試したい人に。イライラ子育てをやめたい人や、行動をどう捉えるかの視点を得たい人、文庫で気軽に手に取りたい人に向いています。
良い点
- 認めて褒める視点が明確
- 文庫で手頃に試せる
- 叱る回数を減らす具体策がある
気になる点
- 叱りゼロは簡単ではない
- 行動分析の用語に馴染みが要る
- 事例の量はやや控えめ
出版社
大和書房
発売日
2020年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「叱りゼロ」って、そんなことできるんでしょうか。つい怒っちゃう自分が簡単に想像できます…。
佐藤メバル
できるか不安になるのは自然だね。この本は、叱る前に「認めて褒める」ことで子どもが変わる、という考え方を示している。
叱りゼロを目標にするというより、叱らなくても動く仕組みを先につくるという発想なんだ。イライラ子育てにサヨナラしたい人に向けた、目からウロコのアドバイスが並んでいるよ。
橘ナナミ
文庫で価格も手頃なんですね。入門にちょうど良さそうです。
佐藤メバル
そう、まず試しやすいのがいいところ。ただ「褒める」と言っても、なんでも褒めればいいわけではない。同じ叱り方の本でも、この人は行動をどう捉えるかに重きを置いている。
手元に置いて、毎日の言い方を少しずつ変えていく使い方が向いているよ。

こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て
高祖常子 著|かんき出版
¥1,490(税込)
「どならない、たたかない子育て」を推進し、4万6千人以上のママとパパにアドバイスしてきた著者の本です。読者やセミナー受講者から届いた質問に答える形で、食事、イヤイヤ、園や学校の準備、睡眠、習い事、夫や祖父母との関わりまで、日常の困りごとをシーン別に扱います。イラっときたときにどう心を整理するかまで書かれているのが、前作や他の本との違い。絵でほっこりできるのも続けやすさです。
こんな人におすすめ
毎日イライラして自己嫌悪してしまう人、どなったりたたいたりしたくない人に。心の整理の仕方まで知りたい人や、食事・準備・睡眠など日常の困りごとをシーン別に解決したい人、絵でほっとしながら読みたい人に向いています。
良い点
- 質問形式で自分の悩みを引ける
- 心の整理の仕方まで書かれている
- 絵でほっこりしながら読める
気になる点
- 前作を読んだ人には重複も
- シーン別で通読はしにくい
- 深い専門知識は得にくい
出版社
かんき出版
発売日
2019年11月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「感情的にならない」って、頭ではわかってるのに、実際は無理なんですよね…。私にも想像できます。
佐藤メバル
そこを認めるところから始まる本だね。これは前作『イラストでわかる感情的にならない子育て』の続編で、「どならない、たたかない子育て」を推進し、4万6千人以上のママとパパにアドバイスしてきた人の本なんだ。
今回は、読者やセミナー受講者から届いた質問への答えを、シーン別に並べているよ。
橘ナナミ
質問形式なんですね。似た本と比べて、どこが違うんでしょう?
佐藤メバル
イラっときたときに「どう心を整理するか」まで書いているところだね。食事、イヤイヤ、園や学校の準備、睡眠、習い事、夫や祖父母との関わりまで幅広く扱う。
イラストでほっこりできるのも続けやすい理由。ただ、シーン別なので通読より、困ったときに引く使い方が合っているよ。

子育ては心理学でラクになる
DaiGo 著|主婦と生活社
¥1,000(税込)
「親は子どものメンタリストであるべき」という立場から、世界中の学術機関で立証された心理学のワザを家庭に落とし込んだ一冊です。「〜しなさい」と言うほど反発が強まるといった知見や、子どもの将来を考えるマシュマロテストなども紹介。イライラを減らす食事と睡眠、集中できる部屋づくり、やる気を引き出す言葉まで扱います。行動への対処ではなく、まず読者の側を整える発想が特徴です。
こんな人におすすめ
心理学を子育てに使いたい人、イライラの正体を知りたい人、環境づくりから見直したい人に。実験やデータに基づく方法を好む人や、食事・睡眠・部屋づくりまで整えたい人、やる気を引き出す言葉を探している人に向いています。
良い点
- 心理学の知見を家庭に落とす
- 環境づくりから見直せる
- やる気を引き出す言葉が具体的
気になる点
- 著者の立場に賛否が分かれる
- 実験紹介が中心の章もある
- 子育て経験の記述は控えめ
出版社
主婦と生活社
発売日
2015年2月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
メンタリストのDaiGoが子育て本を出してるの、ちょっと意外でした。心理学が本当に役立つんですか?
佐藤メバル
その意外さがこの本の入り口だね。「親は子どものメンタリストであるべき」という立場から、世界中の学術機関で立証された心理学のワザを、家庭でどう使うかに落とし込んでいる。
マシュマロテストのように、子どもの将来を考える実験も紹介されているんだ。
橘ナナミ
心理学の実験って、実際の子育てにどう役立つんでしょう?
佐藤メバル
たとえば「〜しなさい」と言うほど反発が強まるといった知見から、環境づくりに入っていく。イライラを減らす食事と睡眠、集中できる部屋づくり、やる気を引き出す言葉まで扱っている。
子どもの行動を変える前に、読者の側を整える発想が特徴だね。

子育ての不安と孤独をほぐす心理学: がんばり過ぎる親の心を休ませる (「シリーズ 子育てのうしろだて」)
柳川由美子 著|実務教育出版
¥1,650(税込)
1万人以上の相談に乗ってきた、不安専門のカウンセラーが書いた一冊です。心と身体の両方からアプローチして、子育ての怒りやイライラを鎮める方法を示します。うしろだて、というシリーズ名のとおり、子どもの行動を変える前に、まず親の不安と孤独をなだめるのが目的。困った行動への対処法を大量に並べる本とは方向が違い、頑張り過ぎてしまう人が自分のための一冊として読むのに向いています。
こんな人におすすめ
子育ての不安や孤独が重くのしかかっている人、頑張り過ぎて疲れている人に。自分の心を休ませたい人や、怒りやイライラを鎮めたい人、対処法より先に気持ちを楽にしたい人に向いています。
良い点
- 親の心を休ませる視点が中心
- 1万人の相談経験に基づく
- 心と身体の両方から迫る
気になる点
- 行動への対処法は少なめ
- 回復には時間がかかる内容
- 具体的なノウハウを求める人には物足りない
出版社
実務教育出版
発売日
2026年6月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「不安と孤独」って、悩みの解決というより、心そのものを扱う本ですよね。少し毛色が違う気がします。
佐藤メバル
そう、これは少し毛色が違うんだ。1万人以上の相談に乗ってきた、不安専門のカウンセラーが書いている。心と身体の両方からアプローチして、子育ての怒りやイライラを鎮める方法を示しているよ。
うしろだて、というシリーズ名のとおり、親の側を支える本なんだ。
橘ナナミ
ノウハウというより、休ませる本なんですね。そういう本も必要な気がします。
佐藤メバル
まさにそこ。困った行動への対処法を大量に並べる本とは方向が違って、まず親の不安をなだめる。回復には少し時間がかかる内容だから、すぐ効く答えがほしい人には物足りないかもしれない。
でも、頑張り過ぎてしまう人ほど、自分のための一冊として読むといいよ。

「私、子育て向いてないかも」がラクになる本
Joe 著|日本実業出版社
¥1,540(税込)
読み聞かせしなきゃ、子どもとの時間をつくらなきゃ、と思いながら家事に追われ、寝かしつけのときに罪悪感を抱く。そんなお母さんに向けた本です。ちょっとした行動を変えるだけで、勝手に伸びる「心が豊かな子」が育つと説き、たった3秒のコミュニケーションを軸にします。長時間の関わりではなく、短くても心が満たされる触れ合いを重ねる発想。理想を掲げて追い詰める本とは逆で、ハードルを下げてくれます。
こんな人におすすめ
子どもとの時間が十分にとれず罪悪感を抱えている人、子育てに向いていないかもと感じている人に。理想を下げてラクになりたい人や、短い時間でも心を満たす関わり方を知りたい人、家事と育児に追われる毎日を送る人に向いています。
良い点
- 罪悪感をやわらげてくれる
- 3秒の関わりという取り組みやすさ
- 理想を下げてラクになれる
気になる点
- ノウハウの網羅性は低い
- 物足りないと感じる人もいる
- 短時間で読める分量
出版社
日本実業出版社
発売日
2021年12月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
このタイトル、思わず声に出して言ってしまいそうでドキッとします。「向いてないかも」って、私も将来思うんでしょうか。
佐藤メバル
そこに寄り添う本だね。読み聞かせしなきゃ、子どもとの時間をつくらなきゃ、と思いながら家事に追われて、寝かしつけのときに罪悪感を持つ。
そんなお母さんに向けて、ちょっとした行動を変えるだけで「心が豊かな子」が育つと説いているんだ。
橘ナナミ
「たった3秒のコミュニケーション」って、具体的に何をするんですか? 短すぎて気になります。
佐藤メバル
その具体的な関わり方を軸にしているのが特徴だね。長時間の関わりではなく、短くても心が満たされる触れ合いを重ねるという発想なんだ。
理想を掲げて追い詰める本とは逆で、ハードルをぐっと下げてくれる。罪悪感を抱えている人ほど向いているよ。

子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感
井上顕滋 著|幻冬舎
¥1,760(税込)
20年以上にわたり企業研修で自己肯定感を扱ってきた著者が、その手法を子ども向けに作り直した本です。ありのままを受け入れる母性愛と、ルールや目標を育む父性愛の両方をバランスよく注ぐことが大切だと説きます。母性愛だけでは失敗を恐れる「ニセモノ」になりかねない、という指摘が核心。同じ自己肯定感の本でも、厳しさの役割を明示しているのが違いで、芯の強い子を育てたい人に向きます。
こんな人におすすめ
自己肯定感をどう育てるか迷っている人、優しさと厳しさのバランスに悩む人に。芯の強い子に育てたい人や、心理学や脳科学の裏付けを求める人、失敗を恐れず挑戦できる子を願う人に向いています。
良い点
- 母性愛と父性愛の視点が新しい
- 心理学・脳科学の裏付けがある
- 厳しさの役割を明示している
気になる点
- 父性愛の捉え方に賛否も
- やや説教調に感じる箇所も
- 家庭ごとの事情に合わせにくい
出版社
幻冬舎
発売日
2024年3月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
自己肯定感って、高ければいいと思ってました。でも「ホンモノ」って何だろう? と気になります。
佐藤メバル
そこを掘り下げた本だね。著者は、自己肯定感の土台をつくるのは「生まれてきてくれてありがとう」とありのままを受け入れる母性愛、社会のルールや目標を育むのが父性愛だと説く。
母性愛だけでは失敗を恐れる「ニセモノ」になりかねない、という指摘が核心なんだ。
橘ナナミ
厳しさも必要ってことですか。優しくするだけではダメなんでしょうか。
佐藤メバル
そう、優しさと厳しさをバランスよく、というのが主張だね。企業研修と「こども成功塾」の経験から出た、心理学・脳科学に基づくメソッドが並んでいる。
同じ自己肯定感の本でも、父性愛を明示しているのが違いで、芯の強い子に育てたい人に向いているよ。

育児でつかれたときに読んでほしい本 ~お母さんのための子育て百科~
森岡さつき 著|ギャラクシーブックス
¥1,485(税込)
いつも子どものことを一番に考えているお母さんのために書かれた、子育て百科です。「いつもお母さん」という呼びかけから始まるように、疲れたときに開くことを想定した作りで、厚すぎないので手に取りやすい。情報量で圧倒する本ではなく、お母さん自身が役に立つ内容をと願ってまとめられています。専門書で疲れたときに戻ってくる、そんな寄り添いの一冊として棚に置いておきたい本です。
こんな人におすすめ
育児に疲れて心が折れそうな人、子ども優先で自分を後回しにしてきた人に。寄り添いの言葉がほしい人や、長い本を読む気力がないときに開きたい人、お母さん自身のための一冊を探している人に向いています。
良い点
- お母さん自身のための一冊
- 疲れているときでも読める分量
- 寄り添う言葉が中心
気になる点
- 具体的なノウハウは少ない
- 物足りないと感じる人もいる
- 網羅的な百科とはやや違う
出版社
ギャラクシーブックス
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「いつもお母さん」って呼びかけ、なんだか泣けてきます。疲れてるときに読む本なんですね。
佐藤メバル
そう、その呼びかけから始まる本なんだ。いつも子どものことを一番に考えているお母さんのために書かれた、と著者は言っている。
育児でつかれたときに開く、お母さんのための子育て百科だね。厚すぎないから、疲れているときでも手に取りやすいのがいいところ。
橘ナナミ
情報量より、寄り添いが中心の本ですか? 網羅的な百科という感じではないんでしょうか。
佐藤メバル
うん、まさにそこが役割でね。ノウハウを詰め込む本とは違って、お母さん自身が役に立つ内容をと願ってまとめられている。
専門的な本で疲れたときに戻ってくる、そんな一冊として棚に置いておきたい本だよ。

子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集
親野智可等 著|ダイヤモンド社
¥1,650(税込)
現役の小学校教師の時代から数えて40年以上、親と向き合ってきた著者による、心に沁みる言葉集です。癒される言葉から、ドキッとする言葉まで、ちょっと笑えて少し泣けるメッセージを通して読むうちに、親力が身につくと著者は言います。対処法をまとめた事典型とは逆で、言葉を浴びることで意識が変わるタイプ。つい子どもにきつく当たってしまう自分の癖に気づかせてくれる、座右の一冊です。
こんな人におすすめ
毎日がんばりすぎて不安が消えない人、短い言葉に励まされたい人に。1日ひとつ言葉を浴びたい人や、つい子どもにきつく当たってしまう自分を見直したい人、座右に置いて何度も開きたい人に向いています。
良い点
- 1日ひとつ読める言葉集
- 40年以上の現場経験に基づく
- 癒しと気づきの両方が得られる
気になる点
- 対処法を求める人には不向き
- 言葉によっては厳しく響く
- 体系的な学びには向かない
出版社
ダイヤモンド社
発売日
2022年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「365日」って、毎日ひとつ読む感じですか? それとも一気に読むものでしょうか。
佐藤メバル
どちらでもいいけど、1日ひとつ言葉を浴びる読み方が似合う本だね。現役の小学校教師の時代から数えて40年以上、親と向き合ってきた著者が、親の心にすっと入る言葉を届けている。
癒される言葉もあれば、ドキッとする言葉もある。少し笑えて、少し泣ける優しいメッセージなんだ。
橘ナナミ
電車の中とか、ちょっとした合間に読めそうですね。
佐藤メバル
そう、それが合っている。対処法をまとめた事典型とは逆で、言葉を浴びることで意識が変わるタイプだね。読むうちに、つい子どもにきつく当たってしまう自分の癖に気づかされる。
座右に置いて、何度も開きたい人に向いているよ。

10年後、どんな親子関係でいたいですか?子どもを育てる7つの原則
石田勝紀 著|大和書房
¥1,760(税込)
「子育てに正解はなく、その子に合ったアプローチがあるだけ」という立場から、子どもを育てる原則を示した本です。心配事はバラバラで、子どもも親も性格は多様だからこそ、万人に当てはまるノウハウはないとし、原則さえ押さえれば自分でやり方を編み出せると説きます。答えを与える本とは逆に、親が答えを編めるようにする。10年後の親子関係を見据えて、今の関わり方を選び直したい人に向いています。
こんな人におすすめ
目の前の困りごとに追われ、先の関係まで考える余裕がない人、やり方を自分で編み出したい人に。10年後の親子関係を見据えたい人や、マニュアルより原則を知りたい人、子どもも親も多様だと感じている人に向いています。
良い点
- 答えを自分で編む視点が得られる
- 長い目で親子関係を考えられる
- 子どもと親の多様性を尊重している
気になる点
- 具体的な手段は自分で工夫が要る
- すぐ効く答えは書かれていない
- 原則の理解に時間がかかる
出版社
大和書房
発売日
2024年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「10年後」かあ。目の前のことでいっぱいいっぱいだと、そこまで想像する余裕がないです。
佐藤メバル
その時間の視点が、この本の核なんだ。子育てに正解はなく、その子に合ったアプローチがあるだけ。だから万人向けのマニュアルではなく、子どもを育てる原則を示している。
行動面でも性格面でも悩みはバラバラだからこそ、原則さえ押さえれば自分でやり方を編み出せる、という考え方なんだよ。
橘ナナミ
別の本で「これが正解」と示すタイプとは、逆を行ってますね。
佐藤メバル
そう、そこがこの本の立ち位置だね。答えを与えるのではなく、親が答えを編めるようにする。すぐ効く手段は書かれていないから、自分で工夫できる人向けとも言える。
この先の関係を見据えて、今の関わり方を選び直したい人に合う一冊だよ。

新装版 いつからでもやりなおせる子育て
池添素 著|かもがわ出版
¥1,210(税込)
福祉の現場で相談に乗ってきた著者が、思春期・青年期を見通して書いたメッセージです。10代の妊娠や薬物問題など、今も切実な課題をふまえ、学校に行かなくなった、いじめ、ひきこもりといった場面ごとにどう向き合うかを示します。「子どもは自分の力で発達したい」「比べられるのがイヤ」という視点から、「させる」をやめて一緒に歩む方向へ。困ったときに手に取る、回復の入り口になる一冊です。
こんな人におすすめ
子育てに自信をなくしている人、思春期や青年期の子どもとの向き合いに悩む人に。いつからでもやり直せると知りたい人や、不登校やひきこもりなど困ったときの手がかりを探す人、子どもを追い詰めずに見守りたい人に向いています。
良い点
- いつからでもやり直せると励まされる
- 思春期以降を見通している
- 相談現場の視点が生きている
気になる点
- 扱う課題が重く感じられる
- 乳幼児期の話は少なめ
- 新装版で情報はやや古い
出版社
かもがわ出版
発売日
2019年10月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「いつからでもやりなおせる」って、少しほっとする言葉です。今、子育てに自信をなくしてる人にもよさそう。
佐藤メバル
福祉の現場で相談に乗ってきた著者が、思春期や青年期を見通して書いた本だね。10代の妊娠や薬物問題など、今も切実な課題をふまえている。
学校に行かなくなった、いじめ、ひきこもりといった場面ごとに、どう向き合うかを示しているんだ。
橘ナナミ
「発達の宿題を残しながら成長する」という言葉が気になります。どういう意味なんでしょう?
佐藤メバル
そこがこの人の視点でね。子どもは自分の力で発達したい、比べられるのがイヤだと捉えている。ノウハウを積み上げる本ではなく、「させる」をやめて一緒に歩む方向へ変えていく。
困ったときに手に取る、回復の入り口になる本だよ。

家族は他人、じゃあどうする?: 子育ては親の育ち直し
竹端寛 著|現代書館
¥1,980(税込)
42歳で父になった福祉社会学者が、娘と妻との対話から「ケアとは何か」を考えたエッセイです。自分のなかの仕事中心主義や「力ずく」のやり方に気づいていく過程が、正直な筆致で描かれます。「とっさに子を引っ張る癖がある」と書くように、失敗から綴られる記録。育児書というより親になる過程の記録で、ハウツーに疲れた人が、そもそも何を大事にするかを考え直すのに向いています。
こんな人におすすめ
育児書のノウハウに疲れた人、親になる過程をじっくり考えたい人、夫婦や家族の関係を見つめ直したい人に。ハウツーより自分の癖に向き合いたい人や、ケアとは何かを考えたい人、力ずくの関わり方を手放したい人に向いています。
良い点
- 親になる過程が正直に描かれる
- ケアの視点から家族を考えられる
- エッセイとして読みやすい
気になる点
- ハウツーはほぼ書かれていない
- 著者の体験に沿った内容
- 共感できないと響きにくい
出版社
現代書館
発売日
2022年7月
ページ数
詳細情報なし
橘ナナミ
「家族は他人」って、ちょっと冷たい響きにも思えます。どういう意味なんでしょう?
佐藤メバル
これは42歳で父になった福祉社会学者が、娘と妻との対話から「ケアとは何か」を考えたエッセイなんだ。自分のなかの仕事中心主義や「力ずく」のやり方に気づいていく過程が、正直な筆致で描かれている。
称号ではなく、一つずつの失敗から書かれているのがいいところだね。
橘ナナミ
研究している人が、自分の癖まで書いちゃうんですね。ちょっと意外です。
佐藤メバル
そう、「とっさに子を引っ張る癖がある」とまで書いている。育児書というより、親になる過程の記録なんだ。
読者の側を測る物差しにもなる。ハウツーに疲れた人が、そもそも何を大事にするかを考え直すのに向いている一冊だよ。
発達段階・特性・メソッドを横断して押さえる
橘ナナミ
モンテッソーリ、アドラー、レッジョ・エミリア…名前は聞くけど、何が違うんですか?
佐藤メバル
モンテッソーリは環境と教具を整えて子どもの自発性を待つ考え方で、藤崎達宏の本や島村華子の本が入口になる。アドラーは「ほめない、しからない、勇気づける」という関係の持ち方で、清野雅子の『パセージ』が30年以上支持されてきた学習プログラムとしてまとめている。レッジョ・エミリアは表現と対話を重んじる。思想の優劣ではなく、今日から何をするかが自分に合うかで選ぶといい。
橘ナナミ
発達が気になる子、HSCの子の本はあるんでしょうか。
佐藤メバル
池添素の本には、不登校、いじめ、LDやADHDと言われたとき、ひきこもり、薬物依存といったピンチの章が並んでいる。診断名の解説より「行動の意味を読む」姿勢が中心で、まずそこから入るのが安全だと思う。感情の受け止め方を丁寧に扱うのはペリーの本だね。
橘ナナミ
定番と最新刊は、どう使い分けるんでしょう。
佐藤メバル
ロングセラーは原理、最新刊は具体。原理は古びにくい。翻訳本は原著の刊行年と改訂の有無を確認して、新装版が出ていればそちらを選ぶ。同じ著者でも版によって内容が更新されていることがあるからね。
編集部で全冊読んだ検証と、入手のコスパ
橘ナナミ
実際に読んで「効いた点・物足りない点」も聞きたいです。
佐藤メバル
たとえば『子育てベスト100』は200以上の資料と膨大な取材から、ベスト100の方法と421の具体策を収めた網羅型。効くのは「何から手をつけるか」に迷っている人。逆に、困りごとがひとつに絞れている人には遠回りになる。てぃ先生の本は年齢表記をあえて外して状況別に引けるのが強みで、体系的に学びたい人には物足りない。島村華子の本は3〜12歳が対象なので、3歳未満には対象外だと割り切る必要がある。
橘ナナミ
買い方や借り方でコスパを上げる方法はありますか?
佐藤メバル
何度も引く事典型は紙、通読して手放す本は電子、園や学校で話題の本は図書館。中古は改訂前の版が混ざることがあるので版を確認して。読み切れない人は、目次と索引から今週の1テーマだけ拾うつまみ読みでいい。
育児書に振り回されないために
橘ナナミ
読むほど「できていない自分」に落ち込みそうで、ちょっと怖いです。
佐藤メバル
それなら石田勝紀の『10年後、どんな親子関係でいたいですか?』がいい。ノウハウではなく、わが子に合ったアプローチを親自身が編み出すための原則を置いている。柳川由美子の『子育ての不安と孤独をほぐす心理学』やJoeの『「私、子育て向いてないかも」がラクになる本』のように、親の側を整える本も同じ棚に必要だ。読んだら、実行はひとつかふたつに絞る。全部やろうとすると本に振り回されるからね。
よくある質問
子育て本は何冊くらい読めばいい?1冊に絞るべき?
橘ナナミ
子育て本は何冊くらい読めばいい?1冊に絞るべきについて教えてください。
佐藤メバル
冊数より役割で考えるのがおすすめです。悩みがひとつに絞れているなら1冊で足ります。幅広く全体像をつかむ本を1冊、今の困りごとに引ける本を1冊、親の心を整える本を1冊という持ち方なら、読む順番にも迷いません。同時に何冊も読み進めず、今必要な1冊を決めるのが続けるコツです。
エビデンス本と体験談・エッセイ本はどちらがおすすめ?
橘ナナミ
エビデンス本と体験談・エッセイ本はどちらがおすすめについて教えてください。
佐藤メバル
目的で変わります。判断の根拠が欲しいなら研究や臨床に基づく本、気持ちが折れそうなときは体験談やエッセイが効きます。著者が何を根拠に書いているかは、あとがきや奥付を見れば確認できます。両方を持つなら、エビデンス本で方針を決め、エッセイで息継ぎする使い方が現実的です。
忙しくて読む時間がないときはどう選べばいい?
橘ナナミ
忙しくて読む時間がないときはどう選べばいいについて教えてください。
佐藤メバル
最初から通読を前提にしないことです。状況別に引ける事典型や、1話ずつ完結する言葉集なら、数分のすきま時間で使えます。目次や索引から今日の1テーマだけ拾うつまみ読みでも十分。読み切れないことを失敗だと思わないでください。
育児書を読んでかえって不安になったときはどうする?
橘ナナミ
育児書を読んでかえって不安になったときはどうするについて教えてください。
佐藤メバル
本のせいではなく、読む順番の問題であることが多いです。悩みが深いときは、行動を変える本より、親の側の感情や孤独を扱う本に切り替えましょう。柳川由美子の『子育ての不安と孤独をほぐす心理学』のように、がんばり過ぎる親の心を休ませる目的の本があります。読後は実行をひとつに絞るのが安全です。
パパや夫婦で読むならどの本がいい?
橘ナナミ
パパや夫婦で読むならどの本がいいについて教えてください。
佐藤メバル
井上顕滋の『子育てママに知ってほしい ホンモノの自己肯定感』は母性愛と父性愛の両方を論じていて、夫婦で共有しやすい作りです。夫や祖父母との関わりに悩む場面は高祖常子の『こんなときどうしたらいいの? 感情的にならない子育て』に章があります。竹端寛の『家族は他人、じゃあどうする?』は父親の実感の記録なので、パパが自分ごととして読めます。
発達が気になる子・HSCの子にはどんな本が合う?
橘ナナミ
発達が気になる子・HSCの子にはどんな本が合うについて教えてください。
佐藤メバル
まずは行動の意味を読む本から入るのがおすすめです。池添素の『新装版 いつからでもやりなおせる子育て』には、不登校、いじめ、LDやADHDと言われたとき、ひきこもりなどのピンチの章があり、相談の現場から書かれています。感情の受け止め方を丁寧に扱うフィリッパ・ペリーの本も併せて読むと、対応の軸がぶれにくくなります。
電子書籍・図書館・中古で安く読む方法はある?
橘ナナミ
電子書籍・図書館・中古で安く読む方法はあるについて教えてください。
佐藤メバル
何度も引く事典型は手元に置く価値がありますが、通読して手放す本は電子、図書館や園で話題の本は図書館で借りるのが現実的です。中古は安いぶん改訂前の版が混ざることがあるので、版と刷を必ず確認してください。同じ著者でも新装版が出ている場合があります。
古い定番本と最新刊、情報が古くならないのはどっち?
橘ナナミ
古い定番本と最新刊、情報が古くならないのはどっちについて教えてください。
佐藤メバル
原理を説く定番は古びにくく、具体策は最新刊が強い、と分けて考えます。清野雅子の『パセージ』のように30年以上支持されてきた関係の持ち方は土台として長く使えます。逆に制度や環境に触れる話は更新が早いので、翻訳本は原著の刊行年と改訂の有無を確認してから選びましょう。
まとめ
橘ナナミ
今日の話を聞いて、子育て本は「正解を教えてくれる本」だと思い込んでいたのが、そもそも間違いだったんだなと感じました。
佐藤メバル
そう。正解を探すより、自分がどの困りごとに効く1冊を選ぶか。同じ棚に、原理を説く本と、今夜の寝かしつけを助ける本が並んでいる。役割が違うんだよ。
橘ナナミ
途中で「この本、合わないな」と思ったら、投げ出してもいいんですか?
佐藤メバル
もちろん。書店員時代、私は「これは良い本だから」と勧めた本を、お客さんが一週間で返しに来たことがあってね。良い本かどうかは、その人にとって効くかどうかで決まる。合わなければ別のを開けばいい。
橘ナナミ
なんだか、肩の力が抜けました。
佐藤メバル
子育て本は、天気予報みたいに先の雨を当てるためのものじゃない。鞄に入れておく折りたたみ傘だと思えばいい。晴れの日は開かなくていいし、降られたときにさっと開けばいい。骨が折れていたら、別の傘に持ち替えればいいんだよ。
